JP5713357B2 - X線応力測定方法とその装置 - Google Patents

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    • G01N23/207Diffractometry using detectors, e.g. using a probe in a central position and one or more displaceable detectors in circumferential positions

Description

この発明は、X線を用いて試料の内部に蓄積された内部応力を測定するX線応力測定方法とその装置に関する。
X線応力測定方法やその装置は広く知られており、本出願人もすでに複数の発明提案を行っている(特許文献1〜参照)。従来のX線応力測定装置は、1台のX線源を搭載したものが一般的であり、そのX線源から測定対象である試料にX線を照射し、試料から回折してきた回折X線を検出して、その回折X線の情報に基づいて試料の内部応力(残留応力ともいう)を非破壊で測定する。
このようなX線応力測定方法として、2θ−sin Ψ法と呼ばれる方法がある。以下、この2θ−sin Ψ法について簡単に説明する。
図1の(a)、(b)及び(c)において、試料1に対する試料面法線をNで示し、内部の結晶格子面に対する格子面法線をN’で示す。試料面法線Nと格子面法線N’との成す角度Ψ(一般にΨ角と呼ばれている)を(a)→(b)→(c)で示すように変化させ、その各々のΨ角においてX線R0を入射させ、そして結晶格子面で回折する回折X線R1をX線検出器(図示せず)によって検出し、各回折X線の回折角度2θを求める。
測定において用いたΨをsinΨに換算し、そのsinΨ値と、各Ψに対応して測定された2θ値とをグラフ上にプロットし、これらを直線近似することで、図2に示すような2θ−sin Ψ線が得られる。この2θ−sin Ψ線に関して最小二乗法を用いて勾配を求め、求められた勾配にX線応力定数Kを乗ずることにより目的とする応力値が求められる。X線応力定数Kは、試料の材質及び測定に供されるX線の波長によって決まる定数である。
図2において、直線(a)は圧縮応力が作用している状態を示しており、d1>d2>d3>d4である。直線(b)は応力ゼロの状態を示しており、d1=d2=d3=d4である。さらに、直線(c)は引張り応力が作用している状態を示しており、d1<d2<d3<d4である。
上述した2θ−sin Ψ法によれば、試料の内部応力を非破壊で精度良く求めることができるという特徴がある。しかしながら、2θ−sin Ψ法で傾き量を求めるためには、Ψ角を少なくとも2回変化させ、その都度、回折角度2θのピーク位置を求めなければならないので、測定時間が長くかかるという問題があった。
また、上述したような1台のX線源を搭載したX線応力測定装置を用いて試料の深さ方向における応力勾配を求めるには、試料に対するX線の入射角度を変えたり、波長の異なる複数種類のX線源を交換して応力測定を繰り返し実施する必要がある。そのため、測定時間がいっそう長くなってしまう問題があった。
特開平8−320264号公報 特開2000−213999号公報 特開2004−93404号公報 WO2012/015046A1公報
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、複数のΨ角についての回折X線の情報を同時に得ることで、応力測定の迅速化を実現することを目的とする。
本発明は、さらに加えて試料の深さ方向における応力勾配についても、迅速な測定を実現することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るX線応力測定方法は、試料に対し、複数台のX線源から複数の異なる入射角度でX線を入射させ、
各X線源からの入射X線に対応して試料からそれぞれ円錐状に放射される各回折X線のデバイリングに着目し、当該デバイリングにおける各X線源からの入射X線の光軸を含む赤道面との交点に現れる回折X線の情報と、デバイリングにおける赤道面との交点の近傍に現れる回折X線の情報と、に基づき試料内の内部応力を求めることを特徴とする。
上述したように本発明に係るX線応力測定方法は、試料に対して、複数台のX線源から複数の異なる入射角度でX線を入射させるので、試料への各入射X線が試料内の複数の結晶格子面で回折して、複数のΨ角からの回折X線が現れる。よって、複数のΨ角についての回折X線の情報を同時に得られ、測定の迅速化を図ることが可能となる。
さらに、本発明に係るX線応力測定方法は、試料から放射される各回折X線のデバイリングにおける赤道面との交点に現れる回折X線の情報と、デバイリングにおける赤道面との交点の近傍に現れる回折X線の情報とを利用することで、さらに多くの異なったΨ角についての回折X線の情報を同時に得ることが可能となる。
この特徴について、図3を参照してさらに詳細に説明する。図3はデバイリング上の回折X線とΨ角との関係を説明するための図であり、同図(a)は斜め上方から観た図、同図(b)は回折X線を赤道面に投影した図である。
同図(a)に示すように、試料にX線R0を照射すると、X線が試料内の結晶格子で回折して、入射X線R0の光軸を中心としてその周囲に回折X線が円錐状に放射される。この回折X線の放射軌跡である円錐の底面に相当する円形の外縁線DRをデバイリング(Debye ring)と呼んでいる。この円錐状に放射される回折X線を、例えば平板状のイメージングプレートで受けると、イメージングプレート上には入射X線を中心とする同芯円状のデバイリングDRによる回折線模様が得られる。
また一般に、X線応力測定に際しては、試料表面を通るω軸を中心として試料とX線源とを相対回転させることで、試料に対するX線の入射角Ψ を変化させている。この入射角Ψ の変化により図1に示したΨ角が調整される。
なお、X線源から出射されるX線(入射X線)の光軸を含み、上記ω軸に直交する仮想平面を赤道面と呼んでいる。本発明では、この赤道面に沿って複数台のX線源を配置し、各X線源から出射されるX線(入射X線)の光軸がともに同一の赤道面上を進むように設定してある。
通常は、この赤道面上の回折X線R1とデバイリングDRとの交点P−R1に現れる回折X線の情報(イメージングプレートに記録された情報)を用いて、試料の内部応力を解析している。図3(b)に示すように、赤道面上において、この回折X線R1に対する格子面法線N’と試料面法線Nとのなす角度Ψが、既述した2θ−sin Ψ法におけるΨ角である(図1参照)。
次に、図3(a)に示すように、デバイリングDRにおける赤道面との交点以外の点P−R2に現れる回折X線R2に着目する。この回折X線R2に対する格子面法線N’は、先の格子面法線N’とはずれた位置にある。図3(b)に示すように、この格子面法線N’を赤道面に投影して、試料面法線Nとのなす角度Ψを求める。この角度Ψは、先の角度Ψとは異なったΨ角となる。よって、デバイリング上の赤道面との交点以外の点P−R2に現れる回折X線R2の情報(イメージングプレートに記録された情報)および角度Ψについても異なるΨ角の情報として、例えば2θ−sin Ψ法による内部応力の解析に利用することができる。
従来であれば、試料に対するX線の入射角を設定するごとに、一つのΨ角についての回折X線の情報を得ていたが、本発明の方法によれば、一つのX線入射角の設定に対して複数のΨ角についての回折X線の情報を得ることができる。しかも複数台のX線源から複数の異なる入射角度でX線を入射させるため、それら各入射X線に対して、複数のΨ角についての回折X線の情報を得ることができる。したがって、内部応力の解析に必要な情報の取得に要する測定回数(走査回数)を格段に減らすことができ、迅速な測定を実現することが可能となる。
上述した本発明に係るX線応力測定方法を実施するために好適な装置として、本発明に係るX線応力測定装置は、
試料を配置する試料台と、
試料に対してX線を照射する複数台のX線源と、
試料内の結晶格子面で回折してきた回折X線を検出するX線検出手段と、
これら試料台、X線源およびX線検出手段を搭載する装置本体と、
X線検出手段により検出された回折X線の情報に基づき試料内の内部応力を求める解析手段と、を備え、
複数台のX線源は、試料の表面上に設定した所定の入射点に向けて、それぞれ異なる入射角度でX線を入射させるように設定してあり、
X線検出手段は、試料から出射してくる複数の回折X線を一括して検出できる機能を有しており、
解析手段は、各X線源からの入射X線に対応して試料からそれぞれ円錐状に放射される回折X線のデバイリングに着目し、当該デバイリングにおける各X線源からの入射X線の光軸を含む赤道面との交点に現れる回折X線の情報と、デバイリングにおける赤道面との交点の近傍に現れる回折X線の情報と、に基づき試料内の内部応力を求める構成としたことを特徴とする。
また、本発明に係るX線応力測定方法は、複数台のX線源からそれぞれ波長の異なるX線を出射して、試料の深さ方向の応力勾配を求める方法とすることができる。
すなわち、試料内部への入射X線の到達深さは、X線の入射角度及び波長と試料によって変わってくる。そこで、本発明では、複数台のX線源から出射される各X線に関し、入射角度の設定と波長の選定とにより試料内部への入射X線の到達深さを調整し、異なる深さにおける回折X線の情報をまとめて得ることで、試料の深さ方向の応力勾配を求めるために必要な情報の取得に要する測定回数(走査回数)を格段に減らすことができ、迅速な測定を実現することが可能となる。
かかる方法を実施するために好適な装置として、本発明に係るX線応力測定装置は、さらに、複数台のX線源は、それぞれ波長の異なるX線を出射する構成とし、解析手段は、試料の深さ方向の応力勾配を求める機能を有した構成とすることが好ましい。
さらに、本発明に係るX線応力測定方法は、鉄鋼材料を試料として、当該試料内の残留オーステナイトの深さ方向の分布を求める方法としてもよい。
鉄は、常温ではフェライト(α鉄)と呼ばれる組織で形成されているが、高温に加熱すると、オーステナイト(γ鉄)に変化し、これを急冷(焼き入れ)するとマルテンサイトと呼ばれる硬くて脆い組織が生成される。しかし、その際にオーステナイトの一部がマルテンサイトに変わらず、オーステナイトのまま残留する。これを残留オーステナイトと呼ぶ。残留オーステナイトの組織部分は、常温で不安定であり硬度も低いため、損傷の原因となりやすい。そこで、鉄製の部品や構造物などにおいては、残留オーステナイトの分布状況を把握することが重要となってくる。
本発明のX線応力測定方法によれば、試料に対して、複数台のX線源から複数の異なる入射角度で、かつ異なる波長のX線を入射させることで、異なる深さにおける回折X線の情報をまとめて得ることができるため、試料内の残留オーステナイトの深さ方向の分布状況を求めるために必要な情報の取得に要する測定回数(走査回数)を格段に減らすことができ、迅速な測定を実現することが可能となる。
かかる方法を実施するために好適な装置として、本発明に係るX線応力測定装置は、さらに、解析手段が、鉄鋼材料を試料として、当該試料内の残留オーステナイトの深さ方向の分布を求める機能を有することが好ましい。
さらに、本発明に係るX線応力測定方法は、複数台のX線源から出射される各X線の光軸がなす相対角度を変更して、試料の内部応力を求める方法とすることができる。
このように、複数台のX線源から出射される各X線の光軸がなす相対角度を適宜変更することで、試料から出射してくる回折X線の方向を適宜調整し、回折X線の重なりを回避して無駄なく有効に回折X線の情報を得ることが可能となる。
かかる方法を実施するために好適な装置として、本発明に係るX線応力測定装置は、さらに、複数台のX線源から出射される各X線の光軸がなす相対角度を変更する角度調整手段を備えることが好ましい。
本発明に係るX線応力測定方法は、代表的には既出した2θ−sin Ψ法により試料の内部応力を求める方法とすることが好ましい。この場合、必要に応じて、複数台のX線源からそれぞれ試料に照射される各X線の入射角を変更することで、さらに多くのΨ角についての回折X線の情報を得ることができ、測定精度を向上させることができる。
なお、本発明に係るX線応力測定方法は、2θ−sin Ψ法以外の解析手法により試料の内部応力を求めてもよいことは勿論である。
かかる方法を実施するために好適な装置として、本発明に係るX線応力測定装置は、さらに、複数台のX線源が、装置本体にそれぞれ搭載され、且つ、入射点を通り赤道面と直交する軸を中心に試料台を回動させて、複数台のX線源からそれぞれ試料に照射される各X線の入射角を変更する入射角度変更機構を有し、そして解析手段は、2θ−sin Ψ法により試料の内部応力を求める機能を有することが好ましい。
また、本発明に係るX線応力測定装置は、さらに、X線検出手段は、イメージングプレートによって構成するとともに、試料から出射してくる回折X線を捉えることができるよう当該試料の周囲へ円弧面状に配置することが好ましい。
イメージングプレートは、検出できるX線の波長依存性がなく、これを試料の周囲へ円弧面状に配置することで、いろいろな方向に出射してくる回折X線を一括して検出できるので、迅速な測定を実現するための重要な構成要素である。
以上説明したように、本発明によれば、複数のΨ角についての回折X線の情報を同時に得ることで、応力測定の迅速化を実現することが可能となる。
さらに、本発明によれば、試料の深さ方向における応力勾配や残留オーステナイトの深さ方向の分布についても、迅速な測定を実現することが可能となる。
2θ−sin Ψ法による内部応力の測定方法を説明するための図である。 2θ−sin Ψ法による内部応力の測定に用いられる2θ−sin Ψ線図を示す図である。 デバイリング上の回折X線とΨ角との関係を説明するための図であり、同図(a)は斜め上方から観た図、同図(b)は回折X線を赤道面に投影した図である。 本発明の実施形態に係るX線応力測定装置を模式的に示す斜視図である。 (a)は図4に示す装置の平面図、(b)は同装置に用いたイメージングプレートを平面状に展開したときの正面図である。 本発明に係るX線応力測定方法による試料の内部応力測定に関する実施例を説明するための図である。 本発明に係るX線応力測定方法による試料の内部応力測定において、イメージングプレートに記録された回折X線の情報を示す図である。 図7に示す回折X線の情報に基づき作成した2θ−sin Ψ線図を示す図である。 回折X線のデバイリングにおける赤道線との交点の近傍に現れる複数点の回折X線の情報を示す図である。 回折X線のデバイリングにおける赤道線との交点の近傍に現れる複数点の回折X線の情報に基づきプロット数を増やした2θ−sin Ψ線図を示す図である。 縦軸をX線の侵入深さ横軸をsinΨ(X線の入射角の対応)として、Cr−Kαの波長のX線がα鉄に入射したときの侵入深さの範囲を表示した図である。 縦軸をX線の侵入深さ横軸をsinΨ(X線の入射角の対応)として、Co−Kαの波長のX線がα鉄に入射したときの侵入深さの範囲を表示した図である。 本発明に係るX線応力測定方法による試料の深さ方向の応力勾配測定に関する実施例を説明するための図である。 本発明に係るX線応力測定方法による試料の深さ方向の応力勾配測定において、イメージングプレートに記録された回折X線の情報を示す図である。 Cr−Kαの入射X線に対して(211)格子面から回折してきた回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線を求めた図である。 Co−Kαの入射X線に対して(211)格子面から回折してきた回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線を求めた図である。 Co−Kαの入射X線に対して(200)格子面から回折してきた回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線を求めた図である。 本発明に係るX線応力測定方法による試料の深さ方向の応力勾配測定により求められた内部応力の深さ範囲を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔X線応力測定装置の構成〕
まず、図4及び図5を参照して、本発明の実施形態に係るX線応力測定装置について説明する。図4は本実施形態に係るX線応力測定装置を模式的に示す斜視図である。図5(a)は図4に示す装置の平面図、同図(b)は同装置に用いたイメージングプレートを平面状に展開したときの正面図である。
X線応力測定装置は、試料1を先端に配置して保持する試料台10と、試料1の表面にX線を照射する2台のX線源21、22と、試料1内の結晶格子面で回折してきた回折X線を検出して記録するイメージングプレート30(X線検出手段)と、イメージングプレート30に記録された回折X線情報を読み取る読取装置40と、読取装置40で読み取った回折X線の情報に基づきデータ解析を実施して、試料1内の内部応力、深さ方向の応力勾配、残留オーステナイトの深さ方向の分布などを求めるコンピュータ50(解析手段)とを備えている。
本実施形態では、重量物である2台のX線源21、22は、それぞれ図示しない装置本体に搭載してある。そして、試料台10が試料1の表面を通るω軸周りに回動して、各X線源21、22からそれぞれ試料1の表面に照射されるX線の入射角を変更する構成としてある。すなわち、試料台10のω軸周りの回動機構が、試料1表面に対するX線の入射角を変更する入射角度変更機構を構成している。
ここで、各X線源21、22から出射されるX線(入射X線)の光軸は、試料1の表面でω軸と交わるように調整してある。この交点が試料1の表面におけるX線の入射点となる。各X線源21、22から出射されるX線の試料表面上の入射点は同一である。
そして、試料表面におけるX線の入射点を通り、ω軸に直交する仮想平面H上を、各X線源21、22から出射されるX線の光軸が進むように各X線源21、22を配置してある。したがって、当該仮想平面Hは赤道面となる。
各X線源21、22は、試料表面上の入射点に向けて、それぞれ異なる入射角度でX線を入射させるように、各々の設置位置が調整してある。
また、各X線源21、22は、測定内容に応じて、同じ波長のX線を出射するもの、あるいは異なる波長のX線を出射するもののいずれかを選択して搭載する。
さらに、2台のX線源21、22の一方には、各X線源21、22から出射されるX線の光軸がなす相対角度を変更するための角度調整機構が組み込まれている。この角度調整機構により、各X線源21、22から出射されるX線の光軸がなす相対角度を適宜変更することで、試料1から出射してくる回折X線の方向を適宜調整し、イメージングプレート30に記録される回折X線の重なりを回避して、無駄なく有効に回折X線の情報を得ることが可能となる。
X線検出手段としてのイメージングプレート30は、波長依存性がなく種々の波長のX線を検出することができ、しかも試料1からいろいろな角度方向に現れる回折X線を一括して検出し記録する機能を有している。本実施形態では、平板状のイメージングプレート30を、試料台10に配置された試料1から出射してくる回折X線を捉えることができるよう、試料1の周囲へ円弧面状に湾曲させて配置してある。このように配置したイメージングプレート30における上述の赤道面Hとの交線を、赤道線と呼ぶ。
イメージングプレート30には、図5(b)に示すように、試料1内の複数の格子面(同図の例では、(211)(200)(110)の各格子面)から回折してきた回折X線の情報が記録されている。各回折X線は、既出したデバイリングの円弧状に記録される。
イメージングプレート30の読取装置40については、既に周知であるため詳細な説明は省略する。解析手段としてのコンピュータ50は、イメージングプレート30から読み取った回折X線の情報に基づき、後述する測定方法にしたがって試料1の内部応力、深さ方向の応力勾配、残留オーステナイトの深さ方向の分布などを解析する機能を有している。これらの解析は、コンピュータ50にあらかじめ記憶してある解析プログラムに基づいて行われる。
なお、読取装置40とコンピュータ50は、試料台10、X線源21、22及びイメージングプレート30を搭載する装置本体とは別のユニットになっている。イメージングプレート30は、測定終了後に装置本体から取り外され、別ユニットの読取装置40によって回折X線情報の読取り走査にかけられる。
〔内部応力の測定に関する実施例〕
次に、本発明に係るX線応力測定方法による試料の内部応力測定に関する実施例について、図6乃至図10を参照して説明する。
本実施例では、同一波長のX線を出射する2台のX線源21、22を用いて、既述した2θ−sin Ψ法により試料1の内部応力を求めた。具体的には、α鉄を試料1として、図6に示すように、Crターゲットから放射されるKαのX線(Cr−Kα)を出射する2台のX線源21、22を、オフセット角を25゜に設定して(すなわち、25°の角度を隔てて)配置し、各X線源21、22から異なる入射角度で試料1にX線を照射した。
一般に、α鉄の内部応力の測定には、(200)や(211)の格子面から回折してくる回折X線の情報が用いられる。Cr−KαのX線をα鉄に照射したとき、α鉄に面内異方性がなければ、(200)格子面からは回折角2θ≒106°の方向に回折X線が現れる。また、(211)格子面からは回折角2θ≒156°の方向に回折X線が現れる。本実施例では、図7に示すように、(200)格子面から回折してきた回折X線の情報を利用して、2θ−sin Ψ法により試料1の内部応力を求める。
各X線源21、22から出射されるX線の試料1に対する入射角度は、これら(200)格子面からの回折X線がイメージングプレート30に記録されるように調整する。各X線源21、22から出射されるX線の試料1に対する入射角度は、25°のオフセット角を隔てて異なっているため、各X線源21、22から出射された入射X線に対する(200)格子面からの回折X線の情報は、2θ−sin Ψ法におけるΨ角が25゜異なった2つの回折X線の情報となる。ここで、Ψ角は各X線源21、22から出射されるX線の試料1に対する入射角度から算出できる。
これら2つのΨ角に関する回折X線について、まず赤道線上にある回折X線の情報に着目して、イメージングプレート30に記録された回折X線から求めた回折角2θと、Ψ角から換算したsinΨの値とに基づき、図8に示すように2θ−sin Ψ線図へプロットする。
2θ−sin Ψ法による内部応力の解析においては、2θ−sin Ψ線図にプロットされる回折X線の情報が多いほど、高精度な結果が得られる。そこで、図9に黒丸と黒菱形で示すように、各回折X線のデバイリングにおける赤道線との交点の近傍に現れる複数点の回折X線に着目する。そして、図10に示すように、これら複数点の回折X線から求めた回折角2θと、Ψ角から換算したsinΨの値とに基づき、2θ−sin Ψ線図へプロットする。デバイリングにおける赤道線との交点の近傍に現れる複数点の回折X線は、図3を参照して先に説明したとおり、異なるΨ角における回折X線とみなすことができる。
このようにして、図10に示すように複数のΨ角に関して2θ−sin Ψ線図にプロットされた点を直線近似すれば、2θ−sin Ψ線が得られる。この2θ−sin Ψ線に関して最小二乗法を用いて勾配を求め、求められた勾配にX線応力定数Kを乗ずることにより目的とする試料1の内部応力値が求められる。なお、X線応力定数Kは、試料1の材質及び測定に供されるX線の波長によって決まる定数である。
〔深さ方向の応力勾配の測定に関する実施例〕
次に、本発明に係るX線応力測定方法による試料の深さ方向の応力勾配測定に関する実施例について、図11乃至図18を参照して説明する。
本実施例では、異なる波長のX線を出射する2台のX線源21、22を用いて、既述した2θ−sin Ψ法により試料1の内部応力を求めることで、試料1の深さ方向の応力勾配を解析する。
具体的には、Crターゲットから放射されるKαのX線(Cr−Kα)を出射するX線源21、22と、Coターゲットから放射されるKαのX線(Co−Kα)を出射するX線源21、22とを用い、各X線源21、22のオフセット角を25゜に設定して(すなわち、25°の角度を隔てて)配置し、各X線源21、22から異なる入射角度で試料1にX線を照射した。
図11は縦軸をX線の侵入深さ横軸をsinΨ(X線の入射角の対応)として、Cr−Kαの波長のX線がα鉄に入射したときの侵入深さの範囲を表示した図である。また、図12は縦軸をX線の侵入深さ横軸をsinΨ(X線の入射角の対応)として、Co−Kαの波長のX線がα鉄に入射したときの侵入深さの範囲を表示した図である。
これらの図からわかるように、試料1に対するX線の侵入深さは、X線が回折してくる格子面と、入射X線の波長と、入射角Ψとによって決まる。(なお、図12では、入射角ΨをsinΨに換算して表示してある。)そこで、図11及び図12を参照して、目標とする試料1の深さ地点からの回折X線の情報が得られる格子面、入射X線の波長及びX線の入射角Ψ(sinΨ)を決定する。
次に、決定したX線の入射角Ψをもって各X線源21、22から試料1へX線を照射すると、図13に示すように、試料1内の格子面から回折してきた回折X線がイメージングプレート30に記録される。
本実施例では、図14に示すように、イメージングプレート30に記録された回折X線のうち、Cr−Kαの入射X線に対して(211)格子面から回折してきた回折X線の情報、Co−Kαの入射X線に対して(211)格子面から回折してきた回折X線の情報、及びCo−Kαの入射X線に対して(220)格子面から回折してきた回折X線の情報を利用して、2θ−sin Ψ法により試料1の内部応力を求める。
図15はCr−Kαの入射X線に対して(211)格子面から回折してきた回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線を求めた図である。
図15(a)は、入射角Ψ=11.8°でX線を照射したときに、イメージングプレート30に記録された赤道線上の回折X線から求めた2θと、Ψ角から換算したsinΨの値とに基づき、2θ−sin Ψ線図へプロットした図である。なお、(211)格子面に入射角Ψ=11.8°で入射したとき、Ψ角は0°となるので、同図(a)では1点のみをプロットしている。
α鉄の試料1に対して、入射角Ψ=11.8°でCr−KαのX線を入射したときは、深さは5.85μm付近にある(211)格子面から回折X線が現れる。
図15(b)は入射角Ψ=40.0°でX線を照射したときに、イメージングプレート30に記録された回折X線から求めた2θと、Ψ角から換算したsinΨの値とに基づき、2θ−sin Ψ線図へプロットした図である。同図では、イメージングプレート30に記録された赤道線上の回折X線に加え、回折X線のデバイリングにおける赤道線との交点近傍に現れる複数点の回折X線に着目して、それぞれの回折X線の情報から求めた回折角2θと、Ψ角から換算したsinΨの値とに基づき、2θ−sin Ψ線図へ複数点がプロットしてある。
α鉄の試料1に対して、入射角Ψ=40.0°でCr−KαのX線を入射したときは、深さは5.09μm付近にある(211)格子面から回折X線が現れる。
図15(c)は入射角Ψ=55.0°でX線を照射したときに、イメージングプレート30に記録された回折X線から求めた2θと、Ψ角から換算したsinΨの値とに基づき、2θ−sin Ψ線図へプロットした図である。同図においても、イメージングプレート30に記録された赤道線上の回折X線に加え、回折X線のデバイリングにおける赤道線との交点近傍に現れる複数点の回折X線に着目して、それぞれの回折X線の情報から求めた回折角2θと、Ψ角から換算したsinΨの値とに基づき、2θ−sin Ψ線図へ複数点がプロットしてある。
α鉄の試料1に対して、入射角Ψ=55.0°でCr−KαのX線を入射したときは、深さは4.10μm付近にある(211)格子面から回折X線が現れる。
図15(d)は同図(a)(b)(c)の2θ−sin Ψ線図を1つにまとめて示した図である。この図15(d)の2θ−sin Ψ線図にプロットされた各点を直線近似することで2θ−sin Ψ線が得られる。この2θ−sin Ψ線に関して最小二乗法を用いて勾配を求め、求められた勾配にX線応力定数Kを乗ずることにより目的とする試料1の内部応力値が求められる。なお、X線応力定数Kは、既述したとおり試料1の材質及び測定に供されるX線の波長によって決まる定数である。
このようにして求めた内部応力は、X線の侵入深さ4.10〜5.85μm付近における内部応力である。
次に、図16はCo−Kαの入射X線に対して(211)格子面から回折してきた回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線を求めた図である。
図16(a)は入射角Ψ=36.8°でX線を照射したときに、イメージングプレート30に記録された回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線図へプロットした図である。α鉄の試料1に対して、入射角Ψ=36.8°でCo−KαのX線を入射したときは、深さは9.02μm付近にある(211)格子面から回折X線が現れる。
図16(b)は入射角Ψ=65.0°でX線を照射したときに、イメージングプレート30に記録された回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線図へプロットした図である。α鉄の試料1に対して、入射角Ψ=65.0°でCo−KαのX線を入射したときは、深さは6.96μm付近にある(211)格子面から回折X線が現れる。
図16(c)は入射角Ψ=80.0°でX線を照射したときに、イメージングプレート30に記録された回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線図へプロットした図である。α鉄の試料1に対して、入射角Ψ=80.0°でCo−KαのX線を入射したときは、深さは3.50μm付近にある(211)格子面から回折X線が現れる。
図16(d)は同図(a)(b)(c)の2θ−sin Ψ線図を1つにまとめて示した図である。この図16(d)の2θ−sin Ψ線図にプロットされた各点を直線近似することで2θ−sin Ψ線が得られる。この2θ−sin Ψ線に関して最小二乗法を用いて勾配を求め、求められた勾配にX線応力定数Kを乗ずることにより目的とする試料1の内部応力値が求められる。なお、X線応力定数Kは、既述したとおり試料1の材質及び測定に供されるX線の波長によって決まる定数である。
このようにして求めた内部応力は、X線の侵入深さ3.50〜9.02μm付近における内部応力である。
次に、図17はCo−Kαの入射X線に対して(200)格子面から回折してきた回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線を求めた図である。
図17(a)は入射角Ψ=36.8°でX線を照射したときに、イメージングプレート30に記録された回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線図へプロットした図である。α鉄の試料1に対して、入射角Ψ=36.8°でCo−KαのX線を入射したときは、深さは10.26μm付近にある(200)格子面から回折X線が現れる。
図17(b)は入射角Ψ=65.0°でX線を照射したときに、イメージングプレート30に記録された回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線図へプロットした図である。α鉄の試料1に対して、入射角Ψ=65.0°でCo−KαのX線を入射したときは、深さは7.01μm付近にある(200)格子面から回折X線が現れる。
図17(c)は入射角Ψ=80.0°でX線を照射したときに、イメージングプレート30に記録された回折X線の情報に基づき2θ−sin Ψ線図へプロットした図である。α鉄の試料1に対して、入射角Ψ=80.0°でCo−KαのX線を入射したときは、深さは3.45μm付近にある(200)格子面から回折X線が現れる。
図17(d)は同図(a)(b)(c)の2θ−sin Ψ線図を1つにまとめて示した図である。この図17(d)の2θ−sin Ψ線図にプロットされた各点を直線近似することで2θ−sin Ψ線が得られる。この2θ−sin Ψ線に関して最小二乗法を用いて勾配を求め、求められた勾配にX線応力定数Kを乗ずることにより目的とする試料1の内部応力値が求められる。なお、X線応力定数Kは、既述したとおり試料1の材質及び測定に供されるX線の波長によって決まる定数である。
このようにして求めた内部応力は、X線の侵入深さ3.45〜10.26μm付近における内部応力である。
図18は上述したようにして求められた内部応力の深さ範囲を示す図である。各深さ範囲の内部応力σCr(211)、σCo(211)、σCo(200)から、試料1の深さ方向の応力勾配σCo(211)/σCr(211)、σCo(200)/σCr(211)を求めることができる。
〔残留オーステナイトの深さ方向の分布測定について〕
次に、本発明に係るX線応力測定方法による残留オーステナイトの深さ方向の分布測定について説明する。
既述したように焼き入れをした鉄鋼材料やステンレス材には、オーステナイト(γ鉄)の組織が残留していることがある。
ここで、ブラッグ公式から入射X線の波長と、X線が回折する格子面の間隔とにより、X線の回折角2θが決まることは周知の通りである。例えば、オーステナイト(γ鉄)にCr−KαのX線を照射したとき、(200)格子面から回折してくる回折X線の回折角2θは79°付近になる。同様に、オーステナイト(γ鉄)にCo−KαのX線を照射したとき、(200)格子面から回折してくる回折X線の回折角2θは60°付近になる。また、入射X線の波長と、入射角と、X線が回折する格子面とにより、入射X線の侵入深さが決まることは既述したとおりである。
そこで、2台のX線源21、22について、出射されるX線(入射X線)の波長と試料1に対する入射角をそれぞれ設定して、各X線源21、22から試料1にX線を照射し、内部の格子面から回折してくる回折X線の情報をイメージングプレート30に一括して記録する。
次いで、イメージングプレート30に記録された回折X線の情報(回折角2θ)から、オーステナイトの格子面から回折してきたものか否かを判別することで、残留オーステナイトの存在を確認することができる。さらに、入射X線の波長と、入射角と、X線が回折する格子面とにより、入射X線の侵入深さが決まるため、当該回折X線の情報から残留オーステナイトの深さ方向の分布状況を把握することができる。
本実施形態では、試料1に対して、2台のX線源21、22から異なる入射角度で、かつ異なる波長のX線を入射させることで、異なる深さにおける回折X線の情報をまとめて得ることができるため、試料1内の残留オーステナイトの深さ方向の分布状況を求めるために必要な情報の取得に要する測定回数(走査回数)を格段に減らすことができ、迅速な測定を実現することが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施や応用実施が可能であることは勿論である。例えば、上述した実施形態及び実施例では2台のX線源を用いたが、必要に応じて3台以上のX線源を用いることもできる。
1:試料、10:試料台、21,22:X線源、30:イメージングプレート、40:読取装置、50:コンピュータ、H:赤道面

Claims (12)

  1. 試料に対し、複数台のX線源から複数の異なる入射角度でX線を入射させ、
    各X線源からの入射X線に対応して試料からそれぞれ円錐状に放射される各回折X線のデバイリングに着目し、当該デバイリングにおける前記各X線源からの入射X線の光軸を含む赤道面との交点に現れる回折X線の情報と、前記デバイリングにおける前記赤道面との交点の近傍に現れる回折X線の情報と、に基づき前記試料内の内部応力を求めることを特徴とするX線応力測定方法。
  2. 請求項1のX線応力測定方法において、
    前記複数台のX線源からそれぞれ波長の異なるX線を出射して、前記試料の深さ方向の応力勾配を求めることを特徴とするX線応力測定方法。
  3. 請求項2のX線応力測定方法において、
    前記複数台のX線源から出射するX線の波長と、当該X線の試料に対する入射角度とを選定することで、目的とする深さにおける内部応力を求め、
    且つ、異なった深さにおける内部応力の測定結果に基づいて、前記試料の深さ方向の応力勾配を求めることを特徴とするX線応力測定方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線応力測定方法において、
    さらに、鉄鋼材料を試料として、当該試料内の残留オーステナイトの深さ方向の分布を求めることを特徴とするX線応力測定方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線応力測定方法において、
    前記複数台のX線源から出射される各X線の光軸がなす相対角度を変更して、前記試料の内部応力を求めることを特徴とするX線応力測定方法。
  6. 請求項5のX線応力測定方法において、
    前記複数台のX線源からそれぞれ前記試料に照射される各X線の入射角を変更し、
    2θ−sin Ψ法により前記試料の内部応力を求めることを特徴とするX線応力測定方法。
  7. 試料を配置する試料台と、
    前記試料に対しX線を照射する複数台のX線源と、
    前記試料内の結晶格子面で回折してきた回折X線を検出するX線検出手段と、
    これら試料台、X線源およびX線検出手段を搭載する装置本体と、
    X線検出手段により検出された回折X線の情報に基づき前記試料内の内部応力を求める解析手段と、を備えたX線応力測定装置であって、
    前記複数台のX線源は、前記試料の表面上に設定した所定の入射点に向けて、それぞれ異なる入射角度でX線を入射させるように設定してあり、
    前記X線検出手段は、前記試料から出射してくる複数の回折X線を一括して検出できる機能を有しており、
    前記解析手段は、前記各X線源からの入射X線に対応して試料からそれぞれ円錐状に放射される回折X線のデバイリングに着目し、当該デバイリングにおける前記各X線源からの入射X線の光軸を含む赤道面との交点に現れる回折X線の情報と、前記デバイリングにおける前記赤道面との交点の近傍に現れる回折X線の情報と、に基づき前記試料内の内部応力を求める構成としたことを特徴とするX線応力測定装置。
  8. 請求項7のX線応力測定装置において、
    前記複数台のX線源は、それぞれ波長の異なるX線を出射する構成としてあり、
    前記解析手段は、前記試料の深さ方向の応力勾配を求める機能を有していることを特徴とするX線応力測定装置。
  9. 請求項8のX線応力測定装置において、
    前記解析手段は、鉄鋼材料を試料として、当該試料内の残留オーステナイトの深さ方向の分布を求める機能を有していることを特徴とするX線応力測定装置。
  10. 請求項7乃至9いずれか一項に記載のX線応力測定装置において、
    前記複数台のX線源から出射される各X線の光軸がなす相対角度を変更する角度調整手段を備えることを特徴とするX線応力測定装置。
  11. 請求項10のX線応力測定装置において、
    前記複数台のX線源は、前記装置本体にそれぞれ搭載されており、
    さらに、前記入射点を通り前記赤道面と直交する軸を中心に前記試料台を回動させて、前記複数台のX線源からそれぞれ前記試料に照射される各X線の入射角を変更する入射角度変更機構を有し、
    前記解析手段は、2θ−sin Ψ法により試料の内部応力を求める機能を有していることを特徴とするX線応力測定装置。
  12. 請求項11のX線応力測定装置において、
    前記X線検出手段は、イメージングプレートによって構成するとともに、前記試料から出射してくる回折X線を捉えることができるよう当該試料の周囲へ円弧面状に配置してあることを特徴とするX線応力測定装置。
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