JP4561312B2 - X線画像再構成装置 - Google Patents

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Description

本発明はX線画像再構成装置に関し、より詳細には、X線トポグラフィ等においてサブミクロン領域の空間分解能を可能とする測定装置に関する。
X線トポグラフィは、結晶の品質を評価する手法の一つであり、特に単結晶の欠陥や歪みを評価するため広く用いられている。このX線トポグラフィは、数百ミクロンの深部の歪み評価が可能であり、また感度が高く、10-7といった微小歪みまでも検出できるといった特長がある。さらに最近では、特に半導体素子の微細化により、デバイスの微小領域の歪みが素子の性能を大きく左右するようになってきたことから、サブミクロン領域の空間分解能を有するX線トポグラフィが要求されるようになってきた。また、X線画像を測定する装置としては、このようなX線トポグラフィ装置の他にも、X線透過像の強度を直接測定するX線ラジオグラフィ装置や、X線透過像の位相差に起因するX線の強度分布を測定するX線位相差顕微鏡等があり、何れもサブミクロン領域の空間分解能が要求されている。
一方、X線の異なる応用として、特に医学分野におけるX線コンピュータ断層撮影(「XCT」と表記する)がある(例えば特許文献1参照)。
図4は、XCTの原理を表す説明図である(非特許文献1参照)。
XCTは、図4に示すように、人体の薄い横断面に対して多くの方向からX線ビームを透過させ、透過X線強度の1次元分布を多数求め、これらの1次元分布より計算によって断面のX線吸収係数を再構成する。今、人体に入射する前のX線強度をI0、そのX線ビームが断面を透過後の強度をIとすると、下記式(1)の関係がある。
ln(I/I0)=Δx(μ1+μ2+・・・+μn) ・・・(1)
ここで、μ1,μ2,・・・,μnは横断面内微小容積の物質のX線吸収係数、Δxはその物質のX線透過方向に沿った長さで一定とする。すなわち、IとI0の比の対数が吸収係数の総和に比例していることが分かる。
一般に、CTの問題は断面内の変数の線形和が多くの方向に沿って求められれば、断面内の変数を解くことができるというものである。しかし、μ1,μ2,・・・,μnを直接逆マトリックス法により解くことは変数の数がきわめて多いことから不可能に近い。
そこで、実際のXCTでは一般に逆投影法と呼ばれる方法が用いられる。図5は、この逆投影法の原理を表す説明図である。
図5に示すように、XCTの撮影視野内に1個の高吸収物体(図の例ではくぎ)があると考える。X線管と検出器が対となって視野を横切るように走査すると、図5(a)のように、くぎの位置に対応したピークが投影データ式(上記式(1)の左辺)として得られる。この投影データは、コンピュータの記憶領域内に設けられた画面に逆投影され、斜線の部分の画素に等しく分配される。
次に、X線管と検出器が一定角度だけ回転してから、再び走査して図5(b)のように投影2を得、前に逆投影した画像に重ねるように再び逆投影する。このような操作が多くの方向から行われると、図5(c)のようなスポーク状のパターンとなり、逆投影データが蓄積されるにつれて原画像が再構成される。
このようにして、スポークの中心はくぎの位置に対応した高濃度の場所となる。しかし、そのまわりにもスポーク状のボケが生ずるため、このボケを取り除いてできるだけ原画像に近い画像を得るためにいろいろな方法が提案されている。それらの詳細については非特許文献1に記載されている。
特開平10−286253号公報 広中平祐著,「現代数理科学事典」,大阪書籍,p608−610
ところで、X線トポグラフィ等におけるX線画像の記録媒体としては古くから写真フィルム(X線フィルム)が用いられてきたが、その空間分解能はX線フィルムの解像度、すなわち数ミクロンが限界となる。これより高い解像度が要求される場合には、原子核乾板と呼ばれる高解像度フィルムを用いることにより、1ミクロン以下の空間分解能が得られる。しかし、これらの記録媒体は露光後に現像処理が不可欠であることから、測定結果を得るまでに時間を要する上に、薬液の処理等の煩雑な作業を強いられるといった問題がある。
これに対し、最近ではイメージングプレート(以下「IP」と表記する)と呼ばれる2価のユーロピウムイオン(Eu2+)を主成分とする2次元放射線検出器が開発され、X線トポグラフィに盛んに用いられている。このIPは、専用の読取装置により画像情報が容易に数値化できる上に、使用後は画像を消去して何度も再利用できるといった利点がある。しかし、IPの解像度は約50μmと写真フィルムより一桁以上大きい。
この他、最近ではX線画像記録用の2次元CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)アレイが容易に入手可能となり、X線トポグラフィ等にも広く用いられている。このCCDは画像情報を直接電気信号として得られる点で理想的であるが、一般的にはその空間分解能は10μm程度が限界である。中には、開発レベルの特殊な装置においてサブミクロン領域の空間分解能を得たものもあるが、そのためにはノイズを抑えるためにフレオン等の冷媒で冷却するといった大がかりな装置が必要となる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でサブミクロンの空間分解能を実現でき、また、画像数値データを短時間で取得できるX線画像再構成装置を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、X線ビームを発生するX線発生源と、前記X線発生源が発生した前記X線ビームが被検体を経由して得られるX線画像の被検領域を選択して取得する画像選択手段と、直線状の端縁を有し、前記画像選択手段が選択した前記被検領域を、前記端縁を境界線として所定の方向から遮蔽するための遮蔽体と、前記遮蔽体を前記所定の方向に沿う遮蔽又は遮蔽解除方向に移動制御する移動制御手段と、前記遮蔽体を前記画像選択手段により受け入れられる前記X線ビームの光軸周りに回転させ、前記境界線の方向を少なくとも180度の範囲内で変化させる回転制御手段と、前記移動制御手段により前記遮蔽体を遮蔽又は遮蔽解除方向に順次移動させた際の、前記遮蔽体に遮蔽されていない領域にある前記X線画像全体のX線強度に比例する信号を検出するX線強度検出手段と、前記X線強度検出手段により検出された信号に基づき、前記遮蔽体の移動量に対する前記X線強度の変化量を演算する演算手段と、前記遮蔽体の各回転位置において、前記遮蔽体の端縁に沿った直線像でその強度が前記変化量に比例する像を逆投影することにより、前記被検体の前記被検領域の画像を再構成する画像再構成手段と、を備えたことを特徴とするX線画像再構成装置が提供される。
ここで、「X線ビームが被検体を経由」としたのは、X線ビームが被検体を回折する場合、及びX線ビームが被検体を透過する場合の双方を含み得ることを意味している。このため、このX線画像再構成装置は、X線トポグラフィ装置、X線ラジオグラフィ装置、及びX線位相差顕微鏡など、種々の装置を含み得る。
このX線画像再構成装置においては、被検領域を遮蔽する遮蔽体を、X線ビームの光軸周りに回転させ、各回転位置において遮蔽又は遮蔽解除方向に順次移動させる。そして、各移動位置において遮蔽されていない領域にあるX線画像全体のX線強度の変化量を演算し、遮蔽体の端縁に沿った直線像でその強度がこの変化量に比例する像を逆投影することにより、被検体の被検領域の画像を再構成する。
これは、後に詳述するように、X線ビームの強度プロファイルが遮蔽体の移動量に対するX線強度の変化量から得られる点、及び、遮蔽体の各回転位置においてこれを例えば逆投影することにより鮮明な再構成画像が得られる点等に着目し、これらを組み合わせて精度のよい再構成画像を得るものである。
また、本発明では、X線ビームを発生するX線発生源と、前記X線発生源が発生した前記X線ビームが被検体を経由して得られるX線画像の被検領域を選択して取得する画像選択手段と、前記披検領域のX線画像の明度を前記被検領域を横切る直線状横断領域に沿って線積分して直線像強度として測定する直線像強度測定手段と、前記直線状横断領域を、前記画像選択手段により受け入れられるX線ビームの光軸周りに回転させる回転制御手段と、前記直線状横断領域を、前記X線ビームを横切る方向に平行移動する移動制御手段と、前記直線状横断領域の各回転位置における平行移動の過程で測定された前記直線像強度を用い、前記直線状横断領域に重なる直線像で、その強度が前記直線像強度に比例する像から前記被検体の前記被検領域の画像を再構成する画像再構成手段と、を備えたことを特徴とするX線画像再構成装置が提供される。
このX線画像再構成装置においては、被検領域を横切る直線状横断領域を、X線ビームの光軸周りに回転させ、各回転位置において順次平行移動させる。そして、その平行移動の過程で直線像強度を測定し、直線状横断領域に重なる直線像で、その強度が直線像強度に比例する像から被検体の被検領域の画像を再構成する。
本発明のX線画像再構成装置によれば、遮蔽体を回転及び移動させ、そのとき得られるX線強度の変化量を求めることで被検体の被検領域の画像を再構成することができる。すなわち、遮蔽体の回転及び移動制御により画像再構成を実現でき、被検体を走査するためにX線発生源を移動させたり、それに伴ってX線強度検出手段を移動させるような大がかりな装置構成及び制御手法が不要になる。また、遮蔽体の移動制御による移動量を小さくしたり、X線強度検出手段による検出タイミングを短くすることにより、サブミクロンの空間分解能を容易に実現することができる。
また、X線強度検出手段がX線強度に比例する信号を検出する構成であるため、X線フィルムや高解像度フィルム等を用いる必要もないので、露光後の現像処理や薬液の処理等の煩雑な作業が不要であり、画像数値データを短時間で取得することができる。
また、本発明のX線画像再構成装置によれば、被検領域を横切る直線状横断領域を回転及び移動させて測定した直線像強度に基づいて被検体の被検領域の画像を再構成することができる。これにより、大がかりな装置構成及び制御手法が不要になり、サブミクロンの空間分解能を容易に実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態にて応用される既存のビームプロファイル測定法について説明し、その後、本実施の形態の具体的説明を行う。なお、このビームプロファイル測定は、X線発生源から発生したX線を被検体に効率よく導くこと等を目的として、そのX線ビームのX線強度分布(強度プロファイル)を把握するために行われるものである。図6は、このビームプロファイル測定法の原理を表す説明図であり、図中下段には検出対象となるX線ビームの強度プロファイルが示され、図中中段にはこの被検領域の遮蔽位置を移動させて検出されるX線ビームのX線強度が示され、図中上段にはそのX線強度の微分値が示されている。
この方法では、図中下段に示すように、被検領域のX線ビームをその光軸と直角な方向の片側から遮蔽板101で遮り、その遮蔽板101をそのX線ビームの遮蔽を解除する方向に移動して遮蔽板101の端縁102からX線ビームが次第に漏れ出るようにし、X線ビームのX線強度Iの変化を測定する。これにより、X線ビームのX線強度Iは、図中中段のように変化し、このX線強度Iの遮蔽板101の移動方向への変化量(微分値)dI/dxから、図中上段のようにX線ビームの近似的な強度プロファイルが得られる。
すなわち、遮蔽板101の1ステップの移動距離をΔxとすると、遮蔽板101のΔxの移動によるX線強度Iの変化ΔIは、図中ハッチング部分のX線強度の積算値に相当する。つまり、微分値dI/dxは、遮蔽板101の端縁102に沿った部分のX線強度(明度)の積算値に比例することになる。発明者は、この点に着目し、遮蔽板101の走査をいろいろな方向で行ってX線ビームのX線強度の変化率(直線像強度)を求め、遮蔽板101の端縁に沿った直線像でその強度がこの変化率に比例する像を逆投影することにより、被検体の被検領域の原画像を再構成できると考えたのである。
以下、本実施の形態について具体的に説明する。図1は、本実施の形態に係るX線トポグラフィ装置の構成例を示す概略図である。
このX線トポグラフィ装置は、X線ビームを発生する図示しないX線発生源と、このX線発生源が発生したX線ビームの幅を拡大して被検体に照射するコリメータ2と、図示しない保持台に設置された被検体3(サンプル)と、被検体3で回折されたX線ビームの通過領域を選択・調整してX線画像の被検領域を設定する4象限スリット4(画像選択手段)と、被検領域を遮蔽又は遮蔽解除するための遮蔽板(遮蔽体)を駆動制御するブレードスキャナ5と、ブレードスキャナ5を通過したX線ビームを撮像する2次元CCD6(X線強度検出手段)と、これらのX線トポグラフィ装置の各機能部を駆動制御するとともに、CCD6の出力信号に基づいてX線画像を解析し、被検体3の原画像を再構成するコンピュータ7とを備えている。
コンピュータ7は、CCD6の出力信号に基づいて後述する差分演算を実行する差分演算部71と、この差分演算部71の演算結果を用いて後述する画像再構成処理を実行する画像処理部72とを備えている。
図2は、ブレードスキャナの構成を表す概略図である。
ブレードスキャナ5は、円板状の本体の中央にX線ビームの光軸方向に貫通する円孔状の貫通孔52aが設けられた回転板52と、回転板52を光軸に沿った回転軸回りに回転させる第1のパルスモータ53と、貫通孔52aを回転板52上の一方向から遮蔽を解除可能な可動ブレード54(遮蔽板)と、回転板52上に設けられて可動ブレード54を進退させる第2のパルスモータ55とを備えている。上記被検体3で反射したX線ビームは、貫通孔52aを通過してCCD6に入射する。その際、可動ブレード54により貫通孔52aを通過するX線ビームの通過領域が遮蔽されて規制される。可動ブレード54は、その進行方向の先端縁54aに形成されたナイフエッジにより遮蔽部の境界線が設定され、その進行方向に直角な方向の両端が、回転板52上に設けられた互いに平行な一対のガイド56にガイドされつつ移動する。X線画像に対する可動ブレード54の境界線の位置は、第1のパルスモータ53により回転方向に変位し、第2のパルスモータ55により直線方向に変位する。
図1に戻り、以上のように構成されたX線トポグラフィ装置において、X線発生源で発生して出射された入射X線ビーム8は、コリメータ2により拡大されて被検体3に照射され、その被検体3の表面でのブラッグ反射によるX線トポグラフィの測定が行われる。本実施の形態において、被検体3は、面方位[100]のシリコンウエハであり、コリメータ2は、面方位[111]のSi単結晶である。また、コリメータ2に入射する入射X線ビーム8のエネルギーは9keVであり、入射X線ビーム8のコリメータ2への入射視射角θ1は2.3度であり、出射視射角θ2は80.2度である。また、サンプルへの入射視射角θ3は25.5度であり、出射視射角θ4は57度であり、コリメータ2及び被検体3のブラッグ角は何れも42.2度である。従って、被検体3で反射された反射X線ビーム9は、入射X線ビーム8と平行となる。
このとき、被検体3の表面近傍に歪みや結晶欠陥が存在するとその部分のブラッグ角が変化するため、反射X線ビーム9には、歪みや欠陥に由来する濃淡像(トポグラフ)が形成される。トポグラフィでは通常、歪みや欠陥部分は明るくなる。反射X線ビーム9は、4象限スリット4及びブレードスキャナ5の貫通孔52aを経由してCCD6に入射される。
次に、本実施の形態の画像再構成処理の方法について、図1及び図3に基づいて説明する。図3は、当該画像再構成処理の方法を概念的に表す説明図である。
本実施の形態では、まず4象限スリット4を十分に開き、ブレードスキャナ5の可動ブレード54を貫通孔52aから退避させた状態で、貫通孔52aを通過したトポグラフの全体像を観察して詳細に解析する場所を特定する。次に、4象限スリット4で解析個所を囲む小領域を選択して被検領域60とする。その被検領域60の大きさとしては、例えば縦50μm、横50μm程度の正方形領域とすることができる。
続いて、可動ブレード54を、貫通孔52aを全閉状態とする全遮蔽位置に移動し、所定の標本点間隔ごとに徐々に遮蔽解除方向に移動させるブレードスキャン動作を開始する。このブレードスキャン中、CCD6は、選択されたX線画像の明度積算値を検出して出力する。この明度積算値はX線強度Iを表すため、上述したビームプロファイル測定法に基づけば、X線強度Iの微小変化から、被検体3を経由したX線ビームの近似的な強度プロファイルが得られる。そして、この強度プロファイルに逆投影法を適用することにより、図示のように被検体3の被検領域60の原画像が再構成される。
すなわち、図3に示すように、被検領域60に対する可動ブレード54の回転位置を所定位置に設定し、第2のパルスモータ55により可動ブレード54を全閉位置から全開位置まで所定の標本点間隔(本実施の形態ではサブミクロン単位の間隔)ごとに移動させる。コンピュータ7は、CCD6からの出力値に基づいてX線強度Iを演算し、差分演算部71にて標本点間隔あたりの当該X線強度Iの差分(つまり、X線強度Iの変化量)を演算する。この差分が被検体3を回折したX線画像の強度プロファイルとなる。続いて、第1のパルスモータ53を駆動して、被検領域60に対する可動ブレード54の回転位置を所定角度変位させた後、第2のパルスモータ55を駆動して上記と同様の検出処理及び演算処理を行い、その回転位置でのX線画像の強度プロファイルを得る。このような処理を被検領域60に対する可動ブレード54の回転位置を少なくとも180度の範囲内で変化させて行い、画像処理部72にて、この標本点間隔ごとの差分値に基づいて図示のように逆投影法を用いることにより、被検体3の被検領域60の画像を再構成する。
以上に説明したように、本実施の形態のX線画像再構成装置においては、可動ブレード54の回転及び移動制御により再構成画像を得ることができる。このため、被検体3を走査するためにX線発生源を移動させたり、それに伴ってX線強度検出手段を移動させるような大がかりな装置構成及び制御手法が不要になる。また、可動ブレード54の移動制御による移動量をサブミクロン単位で実行させることにより、サブミクロンの空間分解能を容易に実現することができる。
また、X線フィルムや高解像度フィルム等を用いる必要もないので、露光後の現像処理や薬液の処理等の煩雑な作業が不要であり、画像数値データを短時間で取得することができる。
なお、本実施の形態において、コンピュータ7及び第1のパルスモータ53が回転制御手段に該当し、コンピュータ7及び第2のパルスモータ55が移動制御手段に該当する。また、コンピュータ7が、演算手段及び画像再構成手段に該当する。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、X線ビームの通過を許容する遮蔽体の部分に微小隙間の直線状のスリットを設け、このスリットをX線ビームが通過することにより得られたX線画像を利用して被検体の被検領域の原画像を再構成するものである。このように、遮蔽体にスリットを設けるという発想に到ったのは以下の理由による。
すなわち、X線画像を利用して被検体の原画像を得る単純な方法として、この他にも、例えば微小円孔のピンホールを形成した遮蔽板を利用してその被検領域を二次元的にスキャンし、このとき得られたX線強度を測定することにより被検体の二次元画像を直接得る方法が考えられる。
しかし、このように遮蔽板にピンホールを設ける構成は、ピンホールを高精度に加工するとともに、そのピンホールの周囲からX線ビームが透過するのを防止する必要がある。例えば、仮に、設定された被検領域が一辺10μmの正方形領域であり、遮蔽板の透過率が1%、ピンホール(透過率は100%)の直径を1μm程度にしたとすると、X線の透過量は面積分、つまり直径の二乗のオーダで効いてくるため、ピンホールを通過するX線強度の総和と、ピンホール以外の部分を透過するX線強度の総和とが同程度となってしまう。一方、X線強度の検出装置及び演算装置側では、そのX線強度を総和で評価することになるため、その透過分のX線強度が大きく影響する。このため、そのX線強度がピンホールを通過したX線ビームによるものなのか、ピンホール以外の部分を透過したX線ビームによるものなのかが判別できず、X線強度を正確に検出することができない。換言すれば、遮蔽板にピンホールが無いのとほとんど同じ状態になってしまい、画像再構成処理を正確に実施することができないといった問題が生じる。このため、微小なピンホールに意味を持たせるためには、遮蔽板の厚みを厚くして遮蔽板の透過率を極力小さくする必要がある。
一方、遮蔽板を厚くするとアスペクト比が大きくなるため、その厚み全体にわたって微小なピンホールを直線状に正確に形成することが非常に困難となる。X線の透過性を考慮すると、材質にもよるが、一般に遮蔽板の厚みは少なくとも100μm以上にする必要があり、この厚みの板材に例えば直径1μm程度のピンホールを形成するのは事実上不可能に近いといえる。
そこで、本実施の形態では、X線ビームの通過領域をピンホールではなく直線状のスリットとし、通過領域を2次元ではなく1次元的に設定することにより、遮蔽板を比較的薄くしてもX線ビームの透過の影響を受け難い構成としたのである。
以下、本実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態に係るX線画像再構成装置は、可動ブレードの構成及びこれに伴う画像処理方法が異なる以外は上記第1の実施の形態とほぼ同様であるため、同様の構成部分については同一の符号を付す等してその説明を省略する。図7は、本実施の形態に係るX線トポグラフィ装置の構成例を示す概略図であり、図8はブレードスキャナの構成を表す概略図である。
図7に示すように、このX線トポグラフィ装置は、4象限スリット4とCCD6との間に、図1に示したブレードスキャナ5とは異なる構成のブレードスキャナ205を備えている。
すなわち、図8に示すように、ブレードスキャナ205は、貫通孔52aを回転板52上の一方向から遮蔽又は遮蔽解除可能な可動ブレード254(遮蔽板)を備えている。この可動ブレード254は、2枚の長方形状のブレード片255,256からなり、両ブレード片の間には微小隙間からなる直線状のスリット257が設けられている。
図9は可動ブレードの構成を表す概略図であり、(A)はその正面図であり、(B)はその平面図である。
この可動ブレード254は、長方形板状の台座258の片側面にカプトンテープ259(接着手段)を介して上記ブレード片255,256を貼着して構成されている。台座258は、厚みが5mmのステンレス板からなり、両ブレード片を貼着する側の面が、その反対側の面に平行な平面に対して0.04度の傾斜角(θ)を有する一対の屋根型傾斜面となっている。この台座258の中央には、その厚み方向に貫通する貫通孔260が設けられている。
ブレード片255,256は、台座258とほぼ同じ外形を有する厚みが0.63mの単結晶からなるシリコン板を、カプトンテープ259に貼り付けた状態で2分割することにより形成される。つまり、シリコン板をそのへき開面に沿って割ることにより、同時にスリット257が形成される。ブレード片255,256は、それぞれ台座258の屋根型傾斜面に沿って固定されるため、両ブレード間に形成されたスリット257は、その台座258側が密着し、その反対側が開口したくさび状の空隙を形成している。本実施の形態では、後述するように、このくさび状の開口角(以下「くさび開口角」という)が0.08度となっている。
そして、X線発生源で発生して出射され、被検体3で反射された反射X線ビーム9は、4象限スリット4,台座258の貫通孔260,スリット257及び貫通孔52aを経由してCCD6に入射される。
次に、本実施の形態の画像再構成処理の方法について、図7〜図10に基づいて説明する。図10は、当該画像再構成処理の方法を概念的に表す説明図である。
本実施の形態では、まず4象限スリット4を十分に開き、ブレードスキャナ205の可動ブレード254を貫通孔52aから退避させた状態で、貫通孔52aを通過したトポグラフの全体像を観察して詳細に解析する場所を特定する。次に、4象限スリット4で解析個所を囲む小領域を選択して被検領域60とする。
続いて、可動ブレード254を、一旦貫通孔52aを全閉状態とする全遮蔽位置、つまりスリット257が被検領域60から外れる位置に移動し、所定の標本点間隔ごとに徐々に被検領域60を横断する方向に移動させるスリットスキャン動作を開始する。このスリットスキャン中、CCD6は、選択されたX線画像の強度I2を検出して出力する。このスリットスキャン動作により得られた強度I2に逆投影法を適用することにより、図示のように被検体3の被検領域60の原画像が再構成される。
すなわち、図10に示すように、被検領域60に対する可動ブレード254の回転位置を所定位置に設定し、第2のパルスモータ55により可動ブレード254を上記のように所定の標本点間隔(本実施の形態ではサブミクロン単位の間隔)ごとに移動させる。コンピュータ7は、CCD6からの出力値に基づいて強度I2を演算する。この強度I2が被検体3を回折したX線画像の強度プロファイルとなる。続いて、第1のパルスモータ53を駆動して、被検領域60に対する可動ブレード254の回転位置を所定角度変位させた後、第2のパルスモータ55を駆動して上記と同様の検出処理及び演算処理を行い、その回転位置でのX線画像の強度プロファイルを得る。このような処理を被検領域60に対する可動ブレード254の回転位置を少なくとも180度の範囲内で変化させて行い、画像処理部72にて、図示のように逆投影法を用いることにより、被検体3の被検領域60の画像を再構成する。
図11は、本実施の形態の可動ブレードによる効果を表す説明図であり、(A)は可動ブレードの構成を表す概略図であり、(B)は可動ブレードの各位置におけるX線ビームの透過率を表す解析結果を表すグラフである。
同図(A)においては、説明の便宜上、可動ブレード254のブレード片255,256のみを示している。上述のように、ブレード片255,256の境界部は、その片側面において密着し、その反対側面に開口するくさび状をなす。X線ビームは、両ブレード片の密着した側から入射し(太い白抜き矢印参照)、その反対側から出射する(細い白抜き矢印参照)。本実施の形態では、各ブレード片を、厚みtが630μmのシリコン(Si)の単結晶(X線吸収係数:10.21651mm-1)から形成し、くさび開口角σを0.08度とした。
同図(B)においては、同図(A)におけるブレード片255,256の境界部を基準位置としたZ方向(X線ビームの光軸方向と直角な方向)を設定し、上記条件でZ方向の各位置におけるX線の透過率を解析した結果を示している。同図により、透過率は、ピーク値1をとる基準位置から離れるにつれて指数関数的に低くなり、その半値幅が0.095μmとなることが分かった。このようにX線の透過率が極めて鋭いピークとなって表れるのは、透過率が物体内のX線伝搬距離の指数関数となるため、スリット257の中心からずれると、透過率が急激に低下するためである。この種の画像再構成処理においては、一般に被検体3の良好な原画像を得るために必要な半値幅が1.0μm以下(サブミクロン)とされているため、本実施の形態によって良好な結果が得られたといえる。
図12〜図15は、可動ブレードの材質や構造を上記と異ならせてX線ビームの透過率の解析した結果を表すグラフである。
図12は、ブレード片255,256が形成するくさび開口角σを0.8度(上記の10倍)とし、その他の条件を上記実施の形態と同様にした場合の解析結果である。
同図により、この場合も透過率がピーク値1をとる基準位置から離れるにつれて指数関数的に低くなるが、その半値幅が0.947μmとなり、くさび開口角σにほぼ比例して大きくなることが分かった。
図13は、ブレード片255,256をゲルマニウム(Ge)の単結晶(X線吸収係数:25.90267mm-1)から形成し、さらに、くさび開口角σを0.8度とした場合の解析結果である。その他の解析条件については上記実施の形態と同様である。
同図により、この場合も透過率がピーク値1をとる基準位置から離れるにつれて指数関数的に低くなり、その半値幅が0.374μmとなることが分かった。
図14は、ブレード片255,256をニッケル(Ni)の多結晶(X線吸収係数:240.7946mm-1)から形成し、さらに、くさび開口角σを0.8度とした場合の解析結果である。その他の解析条件については上記実施の形態と同様である。
同図により、この場合も透過率がピーク値1をとる基準位置から離れるにつれて指数関数的に低くなり、その半値幅が0.04μmとなることが分かった。
図15は、ブレード片255,256を鉄(Fe)の多結晶(X線吸収係数:177.1957mm-1)から形成し、さらに、くさび開口角σを0.8度とした場合の解析結果である。その他の解析条件については上記実施の形態と同様である。
同図により、この場合も透過率がピーク値1をとる基準位置から離れるにつれて指数関数的に低くなり、その半値幅が0.055μmとなることが分かった。
以上より、X線吸収係数が大きいものほどより高い解像度が得られることが分かるが、実際に高精度なスリットの面を得るには単結晶であるのがよく、上記の例では特にシリコン及びゲルマニウムが好ましいといえる。
以上に説明したように、本実施の形態のX線画像再構成装置においても、可動ブレード254の回転及び移動制御により再構成画像を得ることができる。このため、大がかりな装置構成及び制御手法が不要になる。また、可動ブレード254のブレード片255,256が形成するスリット257をくさび状にしたことにより、サブミクロンの空間分解能を実現でき、事実上極小のスリットを作製したのと同じ効果を得ることができる。この場合、ブレード片255,256の材質やスリット257のくさび開口角σを適宜設定することにより、所望の空間分解能に設定することができる。また、特に各ブレード片を単結晶により構成したことから、その割れ易い格子面を利用して極めて高精度な平坦面が得られるため、良好な解像度を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はその特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の精神の範囲内での変化変形が可能であることはいうまでもない。
例えば、上記各実施の形態では、ブレードスキャナ5の貫通孔52aを経由したX線ビームのX線強度をCCD6で明度として検出した例を示したが、これに代わり、シンチレーションカウンタ,PINダイオード等を用いることもできる。
また、上記第1の実施の形態では、X線画像の被検領域60を遮蔽する遮蔽体を、ナイフエッジを有する可動ブレード54(遮蔽板)により構成した例を示したが、遮蔽の境界線が直線状に得られるものであれば、ワイヤその他の遮蔽部材により構成することもできる。
また、上記第1の実施の形態では、一定の標本点間隔ごとにX線強度Iの差分を演算してX線画像の強度プロファイルを得る例を示したが、標本点間隔によらず、可動ブレード54の移動変位に対するX線強度Iの変化量、つまり微分値(dI/dx)を演算することにより、X線画像の強度プロファイルを得るようにしてもよい。
さらに、上記第1の実施の形態では、第2のパルスモータ55を駆動制御して可動ブレード54の標本点間隔をサブミクロン単位で設定し、これにより、サブミクロン空間分解能を実現する構成としたが、X線画像の取り込みタイミングを短くすることにより、サブミクロン空間分解能を実現するようにしてもよい。
また、上記第1の実施の形態では、可動ブレード54を、各回転位置において全閉位置から全開位置まで移動させる例を示したが、可動ブレード54を全開位置から全閉位置まで移動させるようにしてもよいし、連続する回転位置ごとにこれを交互に行ってもよい。
さらに、上記各実施の形態では、本発明のX線画像再構成装置をX線トポグラフィ装置として構成した例を示したが、X線ラジオグラフィ装置やX線位相差顕微鏡等として構成し、これらの被検体を経由したX線画像を解析することにより、被検体の原画像を再構成することもできる。
また、上記第2の実施の形態では、スリット257をくさび状に形成した例を示したが、ブレード片255,256の境界面を平行に配置して、直線状のスリットとしてもよい。この場合、ブレード片255,256が高精度なへき開面を有する単結晶からなるため、比較的良好な空間分解能を実現することができる。
また、上記第2の実施の形態では、X線ビームを、くさび状のスリット257の狭い側(ブレード片255,256の境界部において密着した側)から入射させるようにしたが、ブレード片255,256の配置を表裏逆にして反対側から入射させるようにしてもよい。ただし、その場合には、X線ビームがスリット257の斜面に入射することになり、そこで反射が発生し、X線画像の空間分解能に影響を与えてしまう可能性がある。
また、上記第2の実施の形態では、ブレード片255,256を、単結晶からなる1枚のシリコン板を2分割して形成した例を示したが、単結晶材料ではない板材の端面を高精度に切削・研削加工やレーザ加工等を施した2枚のブレード片を用意し、両ブレード片の端面を付き合わせることによりスリットを形成するようにしてもよい。ただし、この場合には、単結晶のように原子レベルでの平坦な面精度を得ることは困難であるため、例えば切削・研削加工による場合、現状ではスリット幅の限界が例えば板厚100μmに対して5〜6μmになり、上記各実施の形態ほどの空間分解能を期待するのは難しい。
また、可動ブレードを構成するための半導体基板を用い、半導体の製造プロセスによって、例えば開口部が若干広いトレンチを形成することよりスリットの効果を得るようにしてもよい。
さらに、上記第2の実施の形態では、ブレード片255,256を台座258に固定する手段としてカプトンテープ259を使用したが、比較的X線を通し易い材質のものであれば、その他の材質のテープや接着剤を使用してもよい。
また、台座258の材質についてはステンレスを採用したが、アルミニウム等、比較的X線を通し難い材質のものであれば、その他の材質の板材を使用することができる。
また、上記各実施の形態においては、X線画像の再構成処理に逆投影法を利用した例を示したが、逆行列法、逐次近似法、重畳積分法その他の手法を採用することもできる。
第1の実施の形態に係るX線トポグラフィ装置の構成例を示す概略図である。 ブレードスキャナの構成を表す概略図である。 画像再構成処理の方法を概念的に表す説明図である。 X線コンピュータ断層撮影(XCT)の原理を表す説明図である。 逆投影法の原理を表す説明図である。 ビームプロファイル測定法の原理を表す説明図である。 第2の実施の形態に係るX線トポグラフィ装置の構成例を示す概略図である。 ブレードスキャナの構成を表す概略図である。 可動ブレードの構成を表す概略図である。 画像再構成処理の方法を概念的に表す説明図である。 第2の実施の形態の可動ブレードによる効果を表す説明図である。 可動ブレードの材質や構造を上記と異ならせてX線ビームの透過率の解析した結果を表すグラフである。 可動ブレードの材質や構造を上記と異ならせてX線ビームの透過率の解析した結果を表すグラフである。 可動ブレードの材質や構造を上記と異ならせてX線ビームの透過率の解析した結果を表すグラフである。 可動ブレードの材質や構造を上記と異ならせてX線ビームの透過率の解析した結果を表すグラフである。
符号の説明
2 コリメータ
3 被検体
4 4象限スリット
5 ブレードスキャナ
6 CCD
7 コンピュータ
8 入射X線ビーム
9 反射X線ビーム
52 回転板
52a 貫通孔
53 第1のパルスモータ
54,254 可動ブレード
54a 先端縁
55 第2のパルスモータ
60 被検領域
71 差分演算部
72 画像処理部
255,256 ブレード片
257 スリット
258 台座
259 カプトンテープ
260 貫通孔

Claims (16)

  1. X線ビームを発生するX線発生源と、
    前記X線発生源が発生した前記X線ビームが被検体を経由して得られるX線画像の被検領域を選択して取得する画像選択手段と、
    直線状の端縁を有し、前記画像選択手段が選択した前記被検領域を、前記端縁を境界線として所定の方向から遮蔽するための遮蔽体と、
    前記遮蔽体を前記所定の方向に沿う遮蔽又は遮蔽解除方向に移動制御する移動制御手段と、
    前記遮蔽体を前記画像選択手段により受け入れられる前記X線ビームの光軸周りに回転させ、前記境界線の方向を少なくとも180度の範囲内で変化させる回転制御手段と、
    前記移動制御手段により前記遮蔽体を遮蔽又は遮蔽解除方向に順次移動させた際の、前記遮蔽体に遮蔽されていない領域にある前記X線画像全体のX線強度に比例する信号を検出するX線強度検出手段と、
    前記X線強度検出手段により検出された信号に基づき、前記遮蔽体の移動量に対する前記X線強度の変化量を演算する演算手段と、
    前記遮蔽体の各回転位置において、前記遮蔽体の端縁に沿った直線像でその強度が前記変化量に比例する像を逆投影することにより、前記被検体の前記被検領域の画像を再構成する画像再構成手段と、
    を備えたことを特徴とするX線画像再構成装置。
  2. 前記遮蔽体が、前記端縁にナイフエッジを有する遮蔽板からなることを特徴とする請求項1記載のX線画像再構成装置。
  3. 前記移動制御手段は、前記遮蔽体が所定の標本点間隔ごとに移動するように制御し、
    前記演算手段は、前記遮蔽体の各移動ごとに前記X線強度の差分を演算し、
    前記画像再構成手段は、前記演算手段により演算された標本点間隔ごとの前記差分値に基づいて逆投影法を用いることにより、前記被検体の前記被検領域の画像を再構成すること、
    を特徴とする請求項1記載のX線画像再構成装置。
  4. 前記演算手段は、前記遮蔽体の移動量に対する前記X線強度の変化率を演算し、
    前記画像再構成手段は、前記演算手段により演算された前記変化率に基づいて逆投影法を用いることにより、前記被検体の前記被検領域の画像を再構成すること、
    を特徴とする請求項1記載のX線画像再構成装置。
  5. 前記移動制御手段は、前記遮蔽体をサブミクロン単位で移動制御可能なパルスモータからなることを特徴とする請求項1記載のX線画像再構成装置。
  6. X線ビームを発生するX線発生源と、
    前記X線発生源が発生した前記X線ビームが被検体を経由して得られるX線画像の被検領域を選択して取得する画像選択手段と、
    前記披検領域のX線画像の明度を前記被検領域を横切る直線状横断領域に沿って線積分して直線像強度として測定する直線像強度測定手段と、
    前記直線状横断領域を、前記画像選択手段により受け入れられるX線ビームの光軸周りに回転させる回転制御手段と、
    前記直線状横断領域を、前記X線ビームを横切る方向に平行移動する移動制御手段と、
    前記直線状横断領域の各回転位置における平行移動の過程で測定された前記直線像強度を用い、前記直線状横断領域に重なる直線像で、その強度が前記直線像強度に比例する像から前記被検体の前記被検領域の画像を再構成する画像再構成手段と、
    を備えたことを特徴とするX線画像再構成装置。
  7. 前記直線像強度測定手段は、
    直線状の端縁を有し、前記画像選択手段が選択した前記被検領域を、前記端縁を境界線として所定の方向から遮蔽するための遮蔽体と、
    前記遮蔽体を遮蔽又は遮蔽解除方向に順次移動させた際の、前記遮蔽体に遮蔽されていない領域にある前記X線画像全体のX線強度に比例する信号を検出するX線強度検出手段と、
    前記X線強度検出手段により検出された信号に基づき、前記遮蔽体の移動量に対する前記X線強度の変化量を演算する演算手段と、
    を備え、
    前記演算手段が測定した前記X線強度の変化量を前記直線像強度とすることを特徴とする請求項6記載のX線画像再構成装置。
  8. 前記直線像強度測定手段が、直線状のX線透過領域を用いることを特徴とする請求項6記載のX線画像再構成装置。
  9. 前記画像再構成手段は、前記直線状横断領域に重なる直線像で、その強度が前記直線像強度に比例する像を逆投影することにより、前記被検体の被検領域の画像を再構成することを特徴とする請求項7記載のX線画像再構成装置。
  10. 前記直線状のX線透過領域は、平面状の端縁を有する2つの遮蔽体で構成され、前記端縁の平面を平行に配置して形成された微小空隙を有することを特徴とする請求項8記載のX線画像再構成装置。
  11. 前記直線状のX線透過領域は、へき開面を有する単結晶からなることを特徴とする請求項8記載のX線画像再構成装置。
  12. 前記直線状のX線透過領域は、平面状の端縁を有する2つの遮蔽体で構成され、前記端縁の平面における前記X線ビームの入射側、又は前記X線ビームの出射側を密着させたくさび状の微小空隙を有することを特徴とする請求項8記載のX線画像再構成装置。
  13. 前記遮蔽体が、へき開面を有する単結晶からなることを特徴とする請求項12記載のX線画像再構成装置。
  14. 前記画像選択手段は、少なくとも片側面が屋根型傾斜面となるように形成された板状の台座を有し、前記台座の各傾斜面に前記2つの遮蔽体のそれぞれを固定することにより、前記くさび状の微小空隙を実現していることを特徴とする請求項13記載のX線画像再構成装置。
  15. 前記2つの遮蔽体は、単結晶からなる板材の片側面に可撓性のある接着手段を付着させた状態でその格子面に沿って2分割することにより形成され、その2分割された境界線を前記屋根型傾斜面の稜線に合わせるようにして前記台座に固定されたことを特徴とする請求項14記載のX線画像再構成装置。
  16. 前記台座には、前記稜線上の一部を含むように厚み方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記貫通孔から前記X線ビームを入射させることを特徴とする請求項15記載のX線画像再構成装置。

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