JP6395275B2 - X線撮像装置及びその使用方法 - Google Patents
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Description
このような方法によると、X線強度プロファイルは、試料の面内回転に応じて取得されるので、試料を所定ピッチの角度で回転することで、全ての試料の面内回転角度に応じたX線強度プロファイルデータが取得できる。この取得されたX線強度プロファイルデータは、画像化演算装置により符号化規則に対する逆変換を行うと共に、画像再構成演算される。
好ましくは、本発明のX線撮像装置において、単色X線源5は一点と見なせる微小なX線源から単色X線ビームを発散させるものであるとよい。
好ましくは、本発明のX線撮像装置において、さらにアダマールマスク10の入射側に設けられると共に、試料2からの反射方向以外のX線を遮断するソーラースリット9が設けられているとよい。
図1は本発明の第1の実施形態を説明するX線撮像装置の構成図で、水平回転軸の場合を示している。図2は本発明の第2の実施形態を説明するX線撮像装置の構成図で、垂直回転軸の場合を示している。図において、X線1は、所定厚さで所定幅を有する線状のX線で、平行ビームの場合を示している。試料2は、薄膜・多層膜の深さ方向の構造を精密に測定する対象となる試料で、例えば半導体の層間絶縁膜やハードディスク等の磁性材料の多層膜、表示デバイスの多層膜等を含む。
試料2からの反射X線の持つ1次元の強度プロファイルを測定して情報を得ようとする際、X線ビーム1の角度分散(図1では水平方向、つまりX線ビームの長手方向)により生じるぼけが、最終的に得られる画像の空間分解能を制約する。従って、できるだけ水平方向の角度分散の少ない平行なビームを用い、かつ試料2と検出器3の間の距離を短くすることが必要になる。なお、ぼけの量は、簡単な近似では、水平方向の角度分散と試料2と検出器3の間の距離の積になる。
面内回転ステージ4は、試料の面内回転を行うもので、自動回転ステージ等を用いて行う。面内回転ステージ4は、1/100度程度の精度を持ち、偏心の小さい、ステッピングモータ駆動の自動回転ステージ等の使用が望ましい。走査範囲は0度から180度まで、角度刻みは1度から5度程度である。
なお、入射スリット6の形状は、図示してあるような矩形のものに限定されず、縦だけ制限するものと横だけ制限するもの、あるいは4象限スリット(XYスリット)で一方向ずつの刃で制限するものでもよい。更には、入射スリットを2つ以上、複数用いて、ビームの品質を多少なりとも向上させてもよい。更に、入射スリットと同じ大きさ程度のスリットを反射側に置いてもよい。ほとんどの反射率測定装置では、受光スリットと呼ばれる名称のスリットをX線検出器3の直前に設けている。本実施例では、アダマールマスク10をX線検出器3の直前に用いているので、受光スリットを入れるとすれば、その少し上流側か、ソーラースリット9の更に上流の位置になる。本実施例では、アダマールマスク10を、スリットの短手方向の大きさと同じ程度にすると、受光スリットは省略してもよい。アダマールマスク10がスリットの短手方向の大きさと同じ程度であっても、受光スリットを設けて差し支えない。この場合、受光スリットは水平、垂直を分けたり、4象限スリット(XYスリット)を用いてもよく、さらには複数設けてもよい。
従って、試料2の極一部の領域のみを照射する狭い幅の線状のX線が用いられ、照射される領域内は均一であるという前提のもとに、θ/2θ走査、すなわち、視射角と脱出角がともにθとなるような条件で、θを非常に浅い角度範囲で変化させる。従って、所定厚さで所定幅を有する線状のX線とは、試料2の極一部の領域のみを照射するに足りる幅と厚みであればよい。そして、当該X線の反射プロファイルを解析することにより、薄膜・多層膜の膜面垂直方向の構造に関する情報を得ることができる。
X線反射率法は、X線が平坦、平滑な表面で全反射が生じるという現象を利用する技術である。ただ、全反射の意味はほぼ100%の反射で、臨界角より浅い領域で生じるものに限られ、X線反射率法は、全反射領域も含めた広範囲の角度領域で、反射強度が10の−6乗とか、−8乗とかの反射まで測定している。
アダマールマスクは、図3に示すように、決まったサイズの開口をある規則で配列したものであり、X線は、その開口部分だけ通過して検出器に到達し、それ以外の部分は通らない。ピンホールのように開口が1つしかない場合は、その開口の位置走査によってプロファイルを得ることができる。しかし、ピンホールは強度損失が大きいため、超小型、可搬・携帯型のX線装置では採用することが実質的に難しい。
上記第3と第4の実施形態では、X線ビーム1を平行ビームとせず、発散ビームを利用していると共に、ソーラースリットを設けない。これらの実施形態では、X線源5aが微小焦点である場合に該当する。なお、非破壊検査用のX線CT装置では、透過と反射の違いを別にすれば、図7や図8の構成が取られている。空間分解能は、平行性とか、試料2−検出器3の間の距離で決まるのではなく、X線源1の大きさおよびアダマールマスク10の1つのチャンネルの大きさの大きい方で決まる。X線源5aとして、5〜50ミクロン程度の微小焦点のX線源は市販されているので、これら実施形態では、当該構成をとることで、X線源5aと同程度の空間分解能の画像が得られる。
さらに、上記の実施例においては、試料の回転した角度として、試料の面内回転した角度を使用している場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、試料の回転した角度には面外回転の角度が含まれていても良い。
2 試料
3 X線検出器
4 面内回転ステージ
5 X線源(単色X線又は連続スペクトルを有する白色X線)
5a 微小焦点のX線源(単色X線又は連続スペクトルを有する白色X線)
6 入射スリット
7 θ回転ステージ、傾斜角調整部
8 2θ回転ステージ、傾斜角調整部
9 ソーラースリット
10 アマダールマスク、マイクロコードマスク
Claims (8)
- 試料の特定深さの電子密度について面内の不均一分布をX線反射率法により取得し画像化する方法であって、
所定厚さで所定幅を有する線状の単色X線ビームを前記試料に照射し、
前記試料から反射された前記X線ビームを、X線検出器の分解能と比較して小さな形状の開口部が所定の符号化規則で配置されたアダマールマスクによって符号化し、
前記アダマールマスクを前記反射されたX線ビームの長手方向と平行な方向に走査し、
前記アダマールマスクの走査によって得た時系列のX線強度プロファイルデータを記憶し、
画像化演算装置に、前記時系列のX線強度プロファイルデータを入力して、前記画像化演算装置が前記符号化規則に対する逆変換を行うと共に、画像再構成演算を行なうX線撮像方法であって、
前記試料が薄膜・多層膜である場合に、コーティングされている貴金属の臨界角に固定した上で、前記試料から反射された前記X線ビームの全反射が生じる現象を利用して、前記貴金属でコーティングされている部分とそうでない部分を高いコントラストで画像化することを特徴とするX線撮像方法。 - 試料の特定深さの電子密度について面内の不均一分布をX線反射率法により取得し画像化する方法であって、
連続スペクトルを有する白色X線ビームを前記試料に照射し、
前記試料から反射された前記X線ビームを、X線検出器の分解能と比較して小さな形状の開口部が所定の符号化規則で配置されたアダマールマスクによって符号化し、
前記アダマールマスクを前記反射されたX線ビームの長手方向と平行な方向に走査し、
前記アダマールマスクの走査によって得た時系列のX線強度プロファイルデータを記憶し、
画像化演算装置に、前記時系列のX線強度プロファイルデータを入力して、前記画像化演算装置が前記符号化規則に対する逆変換を行うと共に、画像再構成演算を行なうX線撮像方法であって、
前記試料が薄膜・多層膜である場合に、コーティングされている貴金属の臨界角に固定した上で、前記試料から反射された前記X線ビームの全反射が生じる現象を利用して、前記貴金属でコーティングされている部分とそうでない部分を高いコントラストで画像化することを特徴とするX線撮像方法。 - 請求項1又は2に記載のX線撮像方法において、さらに、前記試料を前記単色X線ビーム又は白色X線ビームに対して所定ピッチの角度で回転し、
前記X線強度プロファイルデータは、前記試料の回転した角度毎に記憶されることを特徴とするX線撮像方法。 - 試料の特定深さの電子密度について面内の不均一分布をX線反射率法により取得し画像化するX線撮像装置であって、
前記試料が載せられる面内回転ステージと、
所定厚さで所定幅を有する線状の単色X線ビームに対する前記面内回転ステージの傾斜角度を調整して、前記X線ビームが前記試料上で反射するように調整する傾斜角調整部と、
前記反射したX線ビームの前記幅方向の強度プロファイルを測定するX線検出器と、
前記X線検出器の入射側に設けられると共に、前記試料からの反射X線を符号化して前記X線検出器に出射するために、前記X線検出器の分解能と比較して小さな形状の開口部が前記符号化の規則で配置されたアダマールマスクと、
前記アダマールマスクを前記反射されたX線ビームの長手方向と平行な方向に走査するマスク走査部と、
前記強度プロファイルの集積されたデータを入力して、前記符号化に対する逆変換を行うと共に、画像再構成演算を行う画像化演算装置と、
を備えるX線撮像装置であって、
前記試料が薄膜・多層膜である場合に、コーティングされている貴金属の臨界角に固定した上で、前記試料から反射された前記X線ビームの全反射が生じる現象を利用して、前記貴金属でコーティングされている部分とそうでない部分を高いコントラストで画像化することを特徴とするX線撮像装置。 - 請求項4に記載のX線撮像装置において、さらに所定厚さで所定幅を有する線状の単色X線ビームを供給する単色X線源を有することを特徴とするX線撮像装置。
- 請求項5に記載のX線撮像装置において、前記単色X線源は一点と見なせる微小なX線源から単色X線ビームを発散させることを特徴とするX線撮像装置。
- 試料の特定深さの電子密度について面内の不均一分布をX線反射率法により取得し画像化するX線撮像装置であって、
前記試料が載せられる面内回転ステージと、
連続スペクトルを有する白色X線ビームに対する前記面内回転ステージの傾斜角度を調整して、前記X線ビームが前記試料上で反射するように調整する傾斜角調整部と、
前記反射したX線ビームの前記幅方向の強度プロファイルを測定するX線検出器と、
前記X線検出器の入射側に設けられると共に、前記試料からの反射X線を符号化して前記X線検出器に出射するために、前記X線検出器の分解能と比較して小さな形状の開口部が前記符号化の規則で配置されたアダマールマスクと、
前記アダマールマスクを前記反射されたX線ビームの長手方向と平行な方向に走査するマスク走査部と、
前記強度プロファイルの集積されたデータを入力して、前記符号化に対する逆変換を行うと共に、画像再構成演算を行う画像化演算装置と、
を備えるX線撮像装置であって、
前記試料が薄膜・多層膜である場合に、コーティングされている貴金属の臨界角に固定した上で、前記試料から反射された前記X線ビームの全反射が生じる現象を利用して、前記貴金属でコーティングされている部分とそうでない部分を高いコントラストで画像化することを特徴とするX線撮像装置。 - 請求項4乃至7の何れか1項に記載のX線撮像装置において、さらに前記アダマールマスクの入射側に設けられると共に、前記試料からの反射方向以外のX線ビームを遮断するソーラースリットが設けられていることを特徴とするX線撮像装置。
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