JPH04276600A - X線画像撮影装置及びこの装置を利用したx線ct装置 - Google Patents

X線画像撮影装置及びこの装置を利用したx線ct装置

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JPH04276600A
JPH04276600A JP3061013A JP6101391A JPH04276600A JP H04276600 A JPH04276600 A JP H04276600A JP 3061013 A JP3061013 A JP 3061013A JP 6101391 A JP6101391 A JP 6101391A JP H04276600 A JPH04276600 A JP H04276600A
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JP
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ray
single crystal
crystal
several
reflection
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JP3061013A
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Yasuaki Nagata
泰昭 永田
Kazuo Hayashi
林 一雄
Hironao Yamaji
宏尚 山地
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、X線画像撮影装置及
びこの装置とX線源として平行度の高い白色X線、例え
ばシンクロトロン放射光(SOR)を用いたX線CT装
置、及び被検体の投影X線像を単結晶ブラッグ反射の対
称反射または非対称反射により拡大・単色化する単結晶
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業用としてX線CTは広く普及しつつ
ある。特に非破壊検査用としての利用が進められており
、金属・セラミックス・複合材料等の内部微小欠陥等を
非破壊で検出し、その検出結果を基に各材料の品質評価
を行っている。
【0003】そして、次の2点でX線CTの性能を向上
させることが強く求められている。第一点は、X線CT
画像のコントラストとX線吸収係数との対応の精度を向
上させることである。これは、X線CTにより材料内部
の元素・密度分布測定を高精度に行い、その測定結果を
製造行程にフィードバックし、材料開発を推進するため
である。第二点は、X線CTの空間分解能を向上させる
ことである。現状のX線CTの空間分解能はおよそ数1
0μmなのに対して、材料によっては数μm前後の微小
欠陥や内部微細構造を非破壊で検出及び観察する技術が
求められているためである。
【0004】そこで、上記の様なCT画像のコントラス
トとX線吸収係数との対応の精度向上(CT画像の定量
性向上)及び空間分解能の向上のために、現在以下の様
な研究開発が行われている。
【0005】高精度な元素・密度分布測定に必要なX線
CT画像の定量性向上のために、Si単結晶等のブラッ
グ反射を利用したモノクロメーター装置により単色X線
を得て、更に高分解能なX線CT画像を得るためにX線
投影像を拡大し空間分解能の高いX線検出器で検出する
方法である。
【0006】単色X線を利用する理由は、物質のX線吸
収係数がX線エネルギー値に依存しており、エネルギー
幅の狭い単色X線を用いるとエネルギー依存性による影
響を低減でき定量性の優れた測定が行えるからである。 また現状の技術レベルでは空間分解能の高いX線検出器
の素子サイズは高々数10μmであり、より空間分解能
の高いX線検出器の開発は技術面・コスト面で問題が多
いため、数μm前後の分解能を達成するために、X線投
影像をSi単結晶等の非対称反射を利用した方法で拡大
している。
【0007】なお単結晶の非対称反射とは、結晶表面と
ブラッグ反射を生じる格子面が平行でない場合、入射X
線像がブラッグ反射により拡大される現象である。この
場合のX線像の拡大率mは次の様な理論式で与えられる
【0008】   m=sinθOUT /sinθIN    ・・
・・・・・・  (1)但し、θOUT =θB +α θIN  =θB −α θB :  ブラッグ角 α  :  結晶表面とブラッグ反射を生じる格子面の
なす角度 図6にこれらの方法を用いたX線CT装置を示す。この
装置では、まず単結晶2のブラッグ反射を用いて白色X
線1から希望の単色X線エネルギーを含むX線を取り出
し、被検体3に照射し、透過されたX線像を単結晶ブラ
ッグ反射の対称反射または非対称反射を利用して拡大・
単色化し検出している。この方法を用いたX線CT装置
の例として、例えば河野・塩野・宇佐美・鈴木「シンク
ロトロン放射光を利用した単色X線CT」(電子情報通
信学会論文誌D−II,Vol.J73−D−II,N
o.1,pp109〜118,1990年)があり、約
40kev以下の単色X線を用いて最小空間分解能約1
0μm〜20μmのX線CTを達成している。
【0009】また従来のこれらの装置で用いられている
単結晶は、装置内部に取り付けて固定する際に結晶表面
が応力により歪む点を低減するため、使用しない単結晶
端部に幅数mm、深さ数mmの溝を作成し溝の外周部だ
けをホルダーではさみ固定する構造がよく用いられてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のX線C
T及びX線画像撮影装置は次の2点で問題があり、今後
更に性能向上を図る必要がある。
【0011】第一点は、従来のX線CTは単色X線のエ
ネルギー領域が50kev程度以下であり、サイズの大
きな被検体・重元素を含む被検体等の様に強力なX線透
過能の要求される材料には適用できないため、被検体の
適用範囲を拡大するために50kev程度以上の単色X
線を利用できるX線CTが強く求められる。
【0012】
【表1】 表1は、被検体としてある焼結鉱の場合について30k
ev・50kev・100kevの3つの単色X線エネ
ルギー値での被検体サイズと照射X線量に対する透過X
線量比(%表示)を示したものである。この表によると
被検体サイズが直径2mm程度以上になると30kev
領域では透過X線量比が約8.8%以下になってしまう
ためS/Nの良いCT画像を得るには50kev程度以
上の単色X線を利用する必要があることがわかる。
【0013】第二点は、現状の技術レベルでは空間分解
能が数10μm程度であるのに対して更に数μm前後の
高分解能が求められているが、高分解能X線検出器の開
発が技術的に難しく、開発コストも膨大になるため、非
対称反射による拡大率を更に向上させる必要がある。
【0014】しかしながら、従来のX線CT装置におい
て上記の2点を改善しようとすると次の様な問題が生じ
る。
【0015】単結晶でブラッグ反射させる場合、X線は
(2)式の様に結晶表面からある程度の深さまで侵入す
るため、ブラッグ反射が結晶表面だけでなく結晶内部で
も起こり、その結果回折X線が空間的な広がりを持ち空
間分解能の低下を引き起こし、その程度はX線が高エネ
ルギーになるほど、また非対称反射による拡大率が大き
いほど大きくなる。
【0016】   P=P0 exp(−α・z)    ・・・・・
・・・・  (2)但し  P0 :  入射X線強度 α  :  結晶格子定数・格子面・X線波長・入射角
度・反射角度で決まる正の定数 z  :  結晶表面からの深さ 例として図3にGe単結晶格子面<440>の場合の非
対称反射による拡大率をパラメータとした回折X線の空
間広がり(結晶表面でのブラッグ反射強度のe−1倍と
なるまでの距離)とX線エネルギー値との関係を示す。 図3から、X線が高エネルギーになるほど、また非対称
反射による拡大率が大きいほど、回折X線の空間広がり
による空間分解能低下は大きな問題となることがわかる
【0017】また使用する結晶格子面については、高エ
ネルギーX線の場合ブラッグ角θB が小さくなり、X
線ビームの入射角度も小さくなるため、ある視野領域を
拡大するには必要な単結晶サイズが大きくなり、コスト
・加工研磨精度の問題を生じるため、次数の高い格子面
を使用する必要がある。
【0018】図4にGe単結晶の場合の単結晶格子面を
パラメータとしたP=P0 ・e−1となる結晶表面か
らの深さ(前記のブラッグの場合の消衰距離:t1 )
とX線エネルギー値との関係を示した。この図から高エ
ネルギーX線単色化のために次数の高い格子面を使用す
ると、ブラッグの場合の消衰距離が大きくなり回折X線
の空間広がりも大きくなるため空間分解能が低下するこ
とがわかる。
【0019】なお図3、図4は、三宅静雄著『X線の回
折』の第5章「結晶によるX線の回折」等を参考に計算
したものである。
【0020】そこで従来のX線CT及びX線画像撮影装
置について上記2点の性能向上を図る場合の問題点をま
とめると次の様になる。 (1)被検体の適用制限をなくし、サイズの大きな被検
体・重元素を含む被検体のX線CT画像を得るために5
0kev程度以上の高エネルギー単色X線の利用が必要
であるが、高次格子面の使用によるX線ビームの結晶内
侵入深さの増大と高エネルギー単色X線利用そのものの
影響により、回折ビーム広がりが大きくなり画像のぼけ
を生じ空間分解能を低下させる。 (2)空間分解能向上のために、単結晶の非対称反射に
よる拡大率を大きくする必要があるが、非対称反射によ
る拡大率を大きくするほどX線ビームの結晶内侵入の影
響による回折ビーム広がりが大きくなり画像のぼけを生
じ空間分解能を低下させる。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のX線画像撮影装
置は、被検体の投影X線像を単結晶ブラッグ反射の対称
反射または非対称反射により拡大・単色化しX線検出器
で検出するX線画像撮影装置において、前記のX線を拡
大・単色化する単結晶が、X線照射領域で均一なブラッ
グ反射が起こるよう十分な結晶表面の面精度を保ち、か
つその単結晶の厚みz0 が、選択する単色X線エネル
ギー値E(kev)と、X線検出器の空間分解能d0 
と撮影画像の必要画素サイズa0 との関係から決定す
る対称反射または非対称反射によるX線像拡大率m0 
と、使用する単結晶の結晶方位<hkl>から決まるX
線の結晶侵入深さ(ブラッグの場合の消衰距離:t1 
)程度あるいはそれ以下(数10μm〜数100μm)
であり、結晶内部に侵入したX線ビームによる回折X線
の量を減少させ、回折による空間的ぼけを低減するX線
拡大・単色化用の薄い単結晶をもつことを特徴とするX
線画像撮影装置である。但し、
【0022】
【数2】
【0023】また本発明のX線CT装置は、被検体の特
定領域のみに白色X線を照射させるためのスリットと、
被検体を回転・水平移動させる装置と、被検体透過後の
X線を拡大・単色化しX線検出器で検出する前記のX線
画像撮影装置と、被検体の回転・水平移動制御とX線検
出器からの信号の収集処理と前記X線画像撮影装置内部
の単結晶位置制御や各自動ステージの制御を行うコンピ
ュータとCT画像再構成用のソフトウエアまたはハード
ウエアをもつことを特徴とするX線CT装置である。
【0024】また本発明の単結晶は、被検体の投影X線
像を単結晶ブラッグ反射の対称反射または非対称反射に
より拡大・単色化する厚み数mmの単結晶で、X線画像
撮影装置及びX線CT装置内部に取り付けて固定する際
に結晶表面が応力により歪む点を低減するため、使用し
ない単結晶端部に幅数mm・深さ数mmの溝を作成し溝
の外周部だけをホルダーではさみ固定するようにした単
結晶において、前記の厚みz0 (数10μm〜数10
0μm)を有し、かつX線照射領域表面の面精度が通常
のブラッグ反射用単結晶と同等である表面層を残すよう
にして、溝深さが被検体のその深さ方向での投影像検出
領域(通常数μm)以上であり、該表面層を透過したX
線が背後の結晶で回折されて該表面層だけからの回折X
線に影響を与えないようにするため1mm厚程度の鉛等
のX線吸収材が背後にはさめる程度以上の幅を有した溝
を単結晶の側面から加工したことを特徴とする単結晶で
ある。
【0025】また本発明の単結晶は、被検体の投影X線
像を単結晶ブラッグ反射の対称反射または非対称反射に
より拡大・単色化する厚み数mmの単結晶において、十
分に平坦度のよいガラス等の基盤に厚み数mm程度の当
該単結晶を接着剤で固定し、結晶表面を加工研磨するこ
とで単結晶の厚みを薄くし、結晶表面の面精度が厚み数
mm程度の通常のブラッグ反射用単結晶と同等であり、
かつX線照射領域の厚みが前記の単結晶厚みz0 (数
10μm〜数100μm)であることを特徴とする単結
晶である。
【0026】
【作用】サイズの大きな被検体・重元素を含む被検体な
どにも適用可能とし適用範囲を拡大するためには50k
ev以上の高エネルギー単色X線の利用が必要であり、
また数μm程度の空間分解能を達成するためには単結晶
の非対称反射による拡大率を大きくする必要があり、い
ずれの場合も厚み数mm程度の通常の単結晶ではX線ビ
ームの結晶内侵入深さ(ブラッグの場合の消衰距離)が
数10μm〜数100μmであることから、結晶内部で
のブラッグ反射による回折X線広がりが空間分解能の低
下を引き起こす。
【0027】本発明においては、使用する単色X線エネ
ルギー値、結晶格子面、非対称反射による拡大率から計
算される理論的な結晶侵入深さ(ブラッグの場合の消衰
距離)と同程度あるいはそれ以下に単結晶の使用領域の
厚みを薄く加工し、X線ビームの結晶内での回折X線量
を低下させ空間的なぼけを低減する。なお本発明のX線
CT装置により従来の問題点は以下の様に解決される。 (1)本発明のX線CT装置では、被検体の投影X線像
を単結晶ブラッグ反射の対称反射または非対称反射によ
り拡大・単色化する単結晶の厚みを、使用する単色X線
エネルギー値での結晶侵入深さ(ブラッグの場合の消衰
距離)と同程度あるいはそれ以下に薄く加工し用いるた
め、高次の格子面を利用して高エネルギー単色X線を得
ても、画像のぼけの原因である結晶内部でのブラッグ反
射による回折X線広がりを低減でき空間分解能の低下を
抑制できる。 (2)本発明のX線CT装置では、被検体の投影X線像
を単結晶ブラッグ反射の対称反射または非対称反射によ
り拡大・単色化する単結晶の厚みを、使用する単色X線
エネルギー値での結晶侵入深さ(ブラッグの場合の消衰
距離)と同程度あるいはそれ以下に薄く加工し用いるた
め、非対称反射による拡大率を大きくしても、画像のぼ
けの原因である結晶内部でのブラッグ反射による回折X
線広がりを低減でき空間分解能の低下を抑制できる。
【0028】
【実施例】以下に図面を参照しつつ本発明の実施例につ
いて説明する。
【0029】図1は、本発明の被検体の投影X線像を単
結晶ブラッグ反射の対称反射または非対称反射により拡
大・単色化する単結晶の実施例であり、被検体の投影X
線像を単結晶ブラッグ反射の対称反射または非対称反射
によりX線を拡大・単色化する厚み数mmの単結晶で、
X線画像撮影装置及びX線CT装置内部に取り付けて固
定する際に結晶表面が応力により歪む点を低減するため
、使用しない単結晶端部に幅数mm・深さ数mmの溝を
作成し溝の外周部だけをホルダーではさみ固定するよう
にした単結晶において、前記の結晶厚みz0 (数10
μm〜数100μm)を有し、かつX線照射領域表面の
面精度が通常のブラッグ反射用単結晶と同等である表面
層を残すようにして、溝深さが被検体のその深さ方向で
の投影像検出領域(通常数μm)以上であり、該表面層
を透過したX線が背後の結晶で回折されて該表面層だけ
からの回折X線に影響を与えないようにするため1mm
厚程度の鉛等のX線吸収材が背後にはさめる程度以上の
幅を有した溝を単結晶の側面から加工した単結晶の概略
図である。単結晶としてはSi,Ge,InSb,Li
F等が上げられる。なお図1の7は単結晶、8は厚さ数
10μm〜数100μmの単結晶使用領域、9は結晶固
定用の結晶ホルダー、10は結晶固定時に発生する応力
が単結晶使用領域に影響し結晶面に歪を生じることを低
減させるための溝、11は入射X線、12は反射X線で
ある。
【0030】図1実施例の単結晶の製作方法は次の通り
である。まず単結晶インゴットから必要な直方体サイズ
の単結晶を切り出す。次に単結晶のブラッグ反射をX線
照射領域全域で均一に、しかも対称反射または非対称反
射の拡大率を一定にするために、使用する結晶表面の方
位測定を高精度に行い、結晶表面と使用する格子面の成
す角度をαになるように精密加工し結晶表面をメカノケ
ミカル研磨する。なお角度αは、設計上のX線ビーム拡
大率mと単色X線エネルギー値E(kev)及び使用す
る結晶格子面<hkl>から次の2式を用いて計算され
る。
【0031】
【数3】
【0032】次に図1に示した様に低歪で結晶を固定す
るため、結晶ホルダー用の溝を結晶の両側に製作する。 通常は強度を保つため溝の幅と外周部の幅が各5mm程
度必要である。その後加工研磨された結晶表面が歪まな
いように、またクラック等を生じない様に注意しながら
結晶側面から薄い使用領域(前記厚みz0 )を残しな
がらけずる。なお溝の深さは被検体のその溝深さ方向で
の投影像検出領域(最小が通常数μm)以上にし、また
溝幅は表面層を透過したX線が背後の結晶で回折されて
表面層だけからの回折X線に影響を与えないようにする
ため1mm厚程度の鉛等のX線吸収材が背後にはさめる
程度以上にする必要がある。あるいは表面層透過X線の
通過領域にある背後の結晶を予め全て削り落としておく
のも良い。
【0033】図5に被検体(サイズ:d1 )にX線を
照射しその透過X線を単結晶で回折させてそのX線強度
を一次元検出器で検出する場合において、単結晶の厚み
が通常の数mmのものと、本発明の数10μm〜数10
0μm程度のもについて、一次元検出器での位置(横軸
)と検出器の出力値(縦軸)の関係を示した。この図か
ら、結晶厚みを薄くすることにより画像のぼけは改善さ
れることがわかる。しかしながら被検体がある部分とな
い部分での回折X線の強度差は、通常の結晶厚みの場合
の回折X線強度差Aに対して、単結晶厚みがz0 の場
合はA{1−exp(−z0 /t1 )}に低下する
ため、使用するX線検出器の感度特性を考慮してS/N
のよい画像が得られる程度以上の単結晶厚みにする必要
があり、また薄く加工し過ぎると均一な加工が難しくな
り歪・クラック等を生じる可能性もあるので、結晶厚み
は例えばGe単結晶の場合約50μm程度が現状の限界
である。但しt1 はブラッグの場合の消衰距離である
【0034】また図2は、本発明の被検体の投影X線像
を単結晶ブラッグ反射の対称反射または非対称反射によ
り拡大・単色化する単結晶の実施例であり、被検体の投
影X線像を単結晶ブラッグ反射の対称反射または非対称
反射により拡大・単色化する厚み数mmの単結晶におい
て、十分に平坦度のよいガラス等の基盤に厚み数mm程
度の当該単結晶を接着剤で固定し、結晶表面を加工研磨
することで単結晶の厚みを薄くし、結晶表面の面精度が
厚み数mm程度の通常のブラッグ反射用単結晶と同等で
あり、かつX線照射領域の厚みが前記単結晶厚みz0 
(数10μm〜数100μm)である単結晶の概略図で
ある。単結晶としてはSi,Ge,InSb,LiF等
が上げられる。なお図2の9は基盤固定用の結晶ホルダ
ー、10は基盤固定時に発生する応力が単結晶使用領域
に影響し結晶面に歪を生じることを低減させるための溝
、11は入射X線、12は反射X線、13は基盤、14
は基盤と単結晶を接着させるための接着剤、15は厚さ
数10μm〜数100μmの単結晶である。
【0035】図2実施例の単結晶の製作方法は次の通り
である。まず十分に平坦度のよいガラス等の基盤を準備
し厚み数mm程度の単結晶を接着剤で固定する。なお当
該単結晶は、前記の様に単結晶インゴットから切り出さ
れ、使用する結晶表面の方位測定を高精度に行い、結晶
表面と使用する格子面の成す角度がαになるように精密
に既に加工研磨されている。その後基盤に固定された結
晶表面を水平に研磨していき、結晶表面の面精度が厚み
数mm程度の通常のブラッグ反射用単結晶と同等であり
、かつX線照射領域の厚みが前記単結晶厚みz0 (数
10μm〜数100μm)になるまで研磨することによ
り実現できる。また加工研磨時やX線照射時に結晶面に
熱応力が加わるため、基盤・単結晶・接着剤の各熱膨張
係数がなるべく近くなるように基盤・接着剤の材質を選
択するのが望ましい。
【0036】本発明の単結晶をX線CT装置に適用した
実施例として、図6に示す装置構成においてX線源にS
ORを利用し、約50kevで5μm程度の画素サイズ
を達成した例を示す。
【0037】現在市販されている高分解能なX線検出器
として素子サイズ50μmの半導体X線検出器があり、
これを利用して画素サイズ5μmを達成するためには、
単結晶の非対称反射を用いて10倍に拡大する必要があ
る。また高エネルギーX線を単色化するためには、ある
程度次数の高い格子面を使用する必要があり、この実施
例ではGe単結晶の格子面<440>を利用した。その
理由は(3)式からわかるように低次の格子面の場合、
高エネルギーX線の場合ブラッグ角θB が小さくなり
、X線ビームの入射角度も小さくなるため、ある視野領
域を拡大するのに必要な単結晶サイズが大きくなり、コ
スト・加工研磨精度の問題を生じるからである。格子面
<440>で10倍の拡大率・約50kevの単色X線
を得るとすると、図4からP=P0 ・e−1となる結
晶表面からの深さ(ブラッグの場合の消衰距離)は約6
0μm程度である。従って上記の様に加工研磨により約
50μm程度の薄い単結晶を作成し用いると、全X線強
度の約43.5%(e−50/60)のX線が薄い結晶
領域を透過して回折X線として寄与しないため回折ビー
ムの空間的なぼけを大幅に低減できる。
【0038】本実施例に示す様に、約50kev単色X
線において5μm程度の画素サイズを有する高エネルギ
ーX線利用・高分解能X線CTが達成され、このX線C
Tを用いてサイズの大きな被検体・重元素を含む被検体
のように強力なX線透過能の要求される材料の高分解能
・高精度非破壊検査が可能となった。
【0039】
【発明の効果】本発明では、単結晶の厚みをX線侵入深
さと同程度あるいはそれ以下に薄く加工研磨し被検体の
X線投影像を拡大・単色化する。従って高エネルギー単
色X線を利用しても画像のぼけが少なく、また非対称反
射による拡大率を大きくしても画像のぼけが少ないため
、サイズの大きな被検体や軽元素から重元素までの広範
囲な被検体に適用可能な高分解能X線CT装置及びX線
画像撮影装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線の画像撮影装置及びX線CT装置で使用す
る使用領域厚み数10μm〜数100μmの本発明の一
実施例の単結晶を示す図である。
【図2】X線の画像撮影装置及びX線CT装置で使用す
る使用領域厚み数10μm〜数100μmの本発明の一
実施例の単結晶を示す図である。
【図3】Ge単結晶格子面<440>の場合の非対称反
射の拡大率をパラメータとしたX線エネルギー値と回折
X線の空間広がりとの関係を示す図である。
【図4】Ge単結晶の場合の結晶格子面をパラメータと
したX線エネルギー値とX線結晶侵入深さ(消衰距離)
との関係を示す図である。
【図5】被検体(サイズ:d1 )にX線を照射しその
透過X線を単結晶で回折させてそのX線強度を一次元検
出器で検出する場合において、単結晶の厚みが通常の数
mmのものと、本発明の数10μm〜数100μm程度
のものについて、横軸に一次元検出器での位置、縦軸に
検出器の出力値を示した図である。
【図6】従来のX線CT装置構成を示す図である。
【符号の説明】
1    白色X線 2    対象反射によるX線単色化用の単結晶3  
  被検体 4    被検体の投影X線像をブラッグ反射の対象反
射または非対称反射により拡大・単色化する単結晶5 
   X線検出器 6    コンピュータ 7    単結晶 8    厚さ数10μm〜数100μmの単結晶使用
領域9    結晶または基盤固定用の結晶ホルダー1
0    結晶または基盤固定時に発生する応力が単結
晶使用領域に影響し結晶面に歪を生じる事を低減させる
ための溝 11    入射X線 12    反射X線 13    基盤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  被検体の投影X線像を単結晶ブラッグ
    反射の対称反射または非対称反射により拡大・単色化し
    X線検出器で検出するX線画像撮影装置において、前記
    のX線を拡大・単色化する単結晶が、X線照射領域で均
    一なブラッグ反射が起こるよう十分な結晶表面の面精度
    を保ち、かつその単結晶の厚みz0 が、選択する単色
    X線エネルギー値E(kev)と、X線検出器の空間分
    解能d0 と撮影画像の必要画素サイズa0 との関係
    から決定する対称反射または非対称反射によるX線像拡
    大率m0 と、使用する単結晶の結晶方位<hkl>か
    ら決まるX線の結晶侵入深さ(ブラッグの場合の消衰距
    離:t1 )程度あるいはそれ以下(数10μm〜数1
    00μm)であり、結晶内部に侵入したX線ビームによ
    る回折X線の量を減少させ、回折による空間的ぼけを低
    減するX線拡大・単色化用の薄い単結晶をもつことを特
    徴とするX線画像撮影装置。但し、 【数1】
  2. 【請求項2】  被検体の特定領域のみに白色X線を照
    射させるためのスリットと、被検体を回転・水平移動さ
    せる装置と、被検体透過後のX線を拡大・単色化しX線
    検出器で検出する請求項1記載のX線画像撮影装置と、
    被検体の回転・水平移動制御とX線検出器からの信号の
    収集処理と前記X線画像撮影装置内部の単結晶位置制御
    や各自動ステージの制御を行うコンピュータとCT画像
    再構成用のソフトウエアまたはハードウエアをもつこと
    を特徴とするX線CT装置。
  3. 【請求項3】  被検体の投影X線像を単結晶ブラッグ
    反射の対称反射または非対称反射により拡大・単色化す
    る厚み数mmの単結晶で、X線画像撮影装置及びX線C
    T装置内部に取り付けて固定する際に結晶表面が応力に
    より歪む点を低減するため、使用しない単結晶端部に幅
    数mm・深さ数mmの溝を作成し溝の外周部だけをホル
    ダーではさみ固定するようにした単結晶において、請求
    項1記載の厚みz0 (数10μm〜数100μm)を
    有し、かつX線照射領域表面の面精度が通常のブラッグ
    反射用単結晶と同等である表面層を残すようにして、溝
    深さが被検体のその深さ方向での投影像検出領域(通常
    数μm)以上であり、該表面層を透過したX線が背後の
    結晶で回折されて該表面層だけからの回折X線に影響を
    与えないようにするため1mm厚程度の鉛等のX線吸収
    材が背後にはさめる程度以上の幅を有した溝を単結晶の
    側面から加工したことを特徴とする単結晶。
  4. 【請求項4】  被検体の投影X線像を単結晶ブラッグ
    反射の対称反射または非対称反射により拡大・単色化す
    る厚み数mmの単結晶において、十分に平坦度のよいガ
    ラス等の基盤に厚み数mm程度の当該単結晶を接着剤で
    固定し、結晶表面を加工研磨することで単結晶の厚みを
    薄くし、結晶表面の面精度が厚み数mm程度の通常のブ
    ラッグ反射用単結晶と同等であり、かつX線照射領域の
    厚みが請求項1記載の単結晶厚みz0 (数10μm〜
    数100μm)であることを特徴とする単結晶。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009503557A (ja) * 2006-09-05 2009-01-29 同方威視技術股▲フン▼有限公司 放射線を用いて液体物品に対する保安検査を行う方法及び装置
JP2009150911A (ja) * 2005-08-30 2009-07-09 Rigaku Corp X線回折定量装置

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