JP5989135B2 - 表面加工状態の評価システムおよび評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面加工状態の評価システムおよび評価方法に関し、より詳細には、X線回折現象を利用する非破壊的な評価システムおよび評価方法に関する。
構造物の表面は、研削や研磨などの加工履歴により、一般的に塑性ひずみが残留し、硬さが高まる。塑性ひずみおよび硬さは、加工度を反映する指標として、構造物の表面加工状態を評価するときに使われる。特に、応力腐食環境において稼動する構造物の場合は、表面加工度が高いほど応力腐食割れ(SCC:stress corrosion cracking)の発生感受性が高まることが知られている。また、表面加工により形成される塑性変形帯や表面微細結晶組織は、SCCの発生起点や進展経路となる可能性があることが示唆されている。
実機構造物や大型部品の表面加工状態を測定する場合は、非破壊的な手法が要求される。X線回折法は、非破壊的な測定方法として、結晶構造分析、成分分析および残留応力測定など、様々な材料評価に適用されている。X線回折法とは、入射X線が結晶材料内部における原子の規則的に配列した格子面に当たると、異なる格子面同士間の光路差がちょうどX線波長の整数倍の場合に、反射したX線がお互いに干渉して強め合うという現象を利用する方法である。
特許文献1には、鋼板成形品の耐遅れ破壊性の評価において、水素量と、遅れ破壊が発生する際の鋼材の組織内における結晶粒のひずみを対応付けた関係を用いて、鋼板成形品の評価部位の組織内における結晶粒のひずみに対応した水素量を求めることで、評価部位に遅れ破壊を発生させる水素量を推定する遅れ破壊水素量推定工程を行う技術が記載されている。結晶粒のひずみの評価において、電子後方散乱回折法(EBSD:electron back scattering diffraction)の局地方位差パラメータKAM(Kernel Average Misorientation)およびX線回折ピークの半価幅を用いている。なお、KAMとは、ある測定点とこれに隣接する測定点との方位差(ミスオリエンテーション)の平均値である。半価幅とは、X線回折強度の最大値の半分のレベルにある二点の回折角の差分である。
特許文献2には、X線回折の強度曲線の半価値と硬さの関係から、測定対象物のX線回折の強度曲線の半価値から硬さを検査する方法が記載されている。
特許文献3には、機械部品の疲労損傷を非破壊的に検査する手法として、単色の細束X線を機械部品の表面に二次元的に且つ連続的に照射し、X線回折強度信号から各回折X線の半価幅を測定し、回折X線半価幅−疲労損傷基準線図を用いて測定箇所の疲労損傷を評価する技術が記載されている。
特開2011−033600号公報 特許第2615064号公報 特公平07−046081号公報
T. Yamada, T. Terachi, T. Miyamoto and K. Arioka, SCC Growth Behavior of Stainless Steel Weld Heat-Affected Zonein hydrogenated high temperature water, INSS JOURNAL,Vol.17(2010),pp150-158
構造物の表面加工度は応力腐食割れ等に影響を与える為、表面加工度を評価することが求められる。例えば、加工硬化により硬さが上昇するという事象を利用して、硬さ測定により構造物の表面加工状態を評価する装置や方法がいくつか提案されている。接触式のポータブル硬度計を用いれば、実機測定も可能になる。しかし、測定の際にダイヤモンド圧子が測定表面に押し込むため、測定箇所は測定によりさらに塑性ひずみが高まってしまう。また、SCCが主に表面起点で発生することを考慮すると、硬さ測定後測定表面に残留した圧痕は、SCC防止の観点からは好ましくない。
特許文献1においてはEBSD法を用いているが、EBSD法は、破壊的な分析手法であるため、実機構造物や製造部品などの非破壊的な手法が要求される場合には適用できない。
特許文献2では、X線回折の強度曲線の半価値と硬さの関係から、測定対象物のX線回折の強度曲線の半価値から硬さを検査する方法が記載されているが、ただし、装置の構成および実施例によると、一次元のX線回折強度ラインプロファイル上の半価幅のみを利用した評価方法である。また、X線半価幅と表面の塑性ひずみとの関連は論じられていない。
特許文献3では、機械部品の疲労損傷を非破壊的に検査する手法として、単色の細束X線を機械部品の表面に二次元的に且つ連続的に照射し、X線回折強度信号から各回折X線の半価幅を測定し、疲労損傷を評価する技術が記載されているが、溶接金属のようなX線回折強度の方向依存性を持つ集合組織や粗大結晶材料に対して適用可能な技術では無い。また、回折X線半価幅と表面の塑性ひずみまたは硬さとの関連は論じられていない。
上記の特許文献1〜3のいずれにおいても、X線回折強度曲線の半価幅または回折斑点の広がりはいずれも一次元的なパラメータであるため、溶接金属のようなX線回折強度の方向依存性を持つ集合組織や粗大結晶材料においては、適用できない場合があり、あるいは測定箇所によりバラツキが大きいという問題点がある。
そこで、本願発明は、溶接金属のようなX線回折強度の方向依存性を持つ集合組織や粗大結晶材料においても、測定対象物の表面加工状態を非破壊的に評価することが可能なシステムおよび方法を提供することを目的とする。
本願発明は、二次元X線回折斑点のX線入射中心に対する半径方向のX線強度曲線の半価幅から装置による半価幅を差し引いた後の値と、X線入射中心に対する中心角との、全周範囲での定積分を二次元X線回折パラメータとして求め、予め求めた二次元X線回折パラメータと塑性ひずみ又は硬さのうち少なくともいずれか1つの物理量との関係から測定対象物の表面加工状態を評価することを特徴とする。
本願発明によれば、X線回折強度の方向依存性を有する測定対象物であっても、表面加工状態を非破壊的に評価することが可能なシステムおよび方法を提供することが出来る
本発明による塑性ひずみおよび硬さの評価システムの構成を示す概略図。 本発明による塑性ひずみおよび硬さの評価システムの構成を示すブロック図。 測定対象物の塑性ひずみおよび硬さを非破壊的に評価する方法のフロー図。 二次元X線回折の入射中心に対する半径方向の半価幅Bを測定する際の光学系を示す模式図。 位置を測定するときの光学系を示す模式図。 二次元X線回折器に記録した標準粉末の回折環の模式図 イメージングプレート検出器を用いた場合の光学系を示す模式図。 「半価幅法」により半価幅Bおよび回折強度ピーク位置を求める方法を示す模式図。 二次元X線回折パラメータwの計算方法を示す模式図。 X線入射中心と二次元X線検出器を非対称に配置する場合の光学系を示す模式図。 イメージングプレート上に記録されている二次元X線回折の代表写真および画像処理アルゴリズムによる解析方法を示す模式図。 二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみεPとの関係を示す相関線図。 二次元X線回折パラメータwとビッカース硬さHVとの関係を示す相関線図。 本発明の方法で測定した溶接金属板材の二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみεPとの関係を示すマスター線図。 実施例における本発明の方法で測定した溶接金属板材の二次元X線回折パラメータwとビッカース硬さHVとの関係を示すマスター線図。 非特許文献2に掲載されているSUS316の溶接熱影響部のSCC進展速度の硬さ依存性を示す測定結果。
本発明では、二次元X線回折パラメータと塑性ひずみ、または硬さとの関係を関数化したマスター線図を予め作成し、このマスター線図を評価基準として塑性ひずみ、または硬さを非破壊的に評価するシステムと方法を提案する。
すなわち、本発明では、金属材料試験片の単軸引張試験により導入した塑性ひずみ、または硬さと試験片で得られた二次元X線回折パラメータとの関数関係を構築することにより、二次元X線回折パラメータと塑性ひずみ、または硬さとの関係を示すマスター線図を作成する。二次元X線回折パラメータwは、数式(1)で定義される。
Figure 0005989135
つまり、二次元X線回折斑点におけるX線入射中心に対する半径方向のX線強度曲線の半価幅Bから、装置による半価幅B0を差し引いた後の値と、X線入射中心に対する中心角との、全周範囲での定積分を、二次元X線回折パラメータwとする。
実際に測定対象物を測定するときは、測定対象物の表面から得られたX線回折パラメータをこのマスター線図にプロットすることにより、測定対象物の表面の塑性ひずみ、または硬さを非破壊的に評価することが可能になる。
以下、本発明の実施例1について詳細に説明する。なお、以下の説明では、二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみまたは硬さとの対応関係を、最小二乗法で近似して関数で表す。しかし、本発明では、近似方法は最小二乗法に限られず、任意の近似法を用いることができる。また、硬さはビッカース硬さ(HV)のみではなく、ブリネル硬さ(HBS、HBW)やロックウェル硬さ(HRC、HRB)など他の定義の硬さにも適用できる。二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみ、または硬さとの対応関係を表す関数は、以下の説明で示すものに限られない。これらの対応関係は、任意の関数形で表すことができる。また、これらの対応関係を定式化できない場合は、点列のデータによって対応関係を表す(点列のデータによって関数を表す)。この場合には、これらの対応関係を示す相関線図やマスター線図を用いて塑性ひずみまたは硬さを評価することができる。本明細書では、点列のデータによって表された対応関係も「関数」と称する。
図1(a)は、本発明による塑性ひずみまたは硬さの評価システムの構成を示す概略図である。本発明による塑性ひずみの評価システムは、X線回折装置100と、画像処理と数値計算などの解析を行う画像解析装置110と、各種材料の二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみまたは硬さとの関係を表すマスター線図で構築されたデータベース120を備える。
X線回折装置100は、X線管球101と二次元X線検出器102とを有し、測定対象物104の表面にX線を入射し、回折した二次元X線回折斑点を二次元X線検出器102に記録する。
画像解析装置110は、測定対象物104の表面で得られた二次元X線回折斑点から、X線入射中心O点に対する半径方向のX線回折強度半価幅Bおよび中心角αを計測する。ある径方向における一次元のX線回折強度ラインプロファイルはX線回折強度曲線111として得られる。
各種材料の二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみまたは硬さとの関係を表すマスター線図で構築されたデータベース120における測定対象物104の材質に該当するマスター線図に基づき、測定対象物104の半価幅B、中心角αおよび装置によるX線回折強度半価幅B0を式(1)に代入して求めた二次元X線回折パラメータwから、測定対象物104の塑性ひずみまたは硬さを評価する。
図1(b)は、本発明による塑性ひずみまたは硬さの評価システムの構成を示すブロック図である。画像解析装置110は、X線計測装置100の結果よりX線の入射の中心位置を求めるX線入射中心算出部112、X線回折強度の半値幅および中心角を求めるX線回折強度/中心角算出部113、数式(1)で定義される二次元X線回折パラメータを求める二次元X線回折パラメータ算出部114、二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみまたは硬さとの関係を表すマスター線図を作成するマスター線図作成部115および塑性ひずみ/硬さ算出部116を備える。また、キーボード等の入力装置118、結果を表示する表示装置119も備えている。
図2は、本発明の実施形態における、測定対象物の表面加工層の塑性ひずみを、非破壊的に評価する方法のフロー図である。このフロー図は、2つの部分、すなわち「マスター線図の作成」と「実際の測定」とに分けられる。「マスター線図の作成」では、マスター線図を作成し、「実際の測定」では、X線回折法により得たX線回折パラメータと作成したマスター線図とを用いて、測定対象物の塑性ひずみを評価する。マスター線図を作成する方法には複数の方法があるが、図2には、そのうちの1つを示している。以下、図2に示した方法を、「マスター線図を作成する手順」として説明する。
1.マスター線図を作成する手順
マスター線図を作成する手順として、二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみまたは硬さとの相関性を関数化する手順を説明する。マスター線図は、二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみまたは硬さとの相関性を関数化したものである。したがって、二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみまたは硬さとの関係を求めて、マスター線図を作成する。
(1)装置による半価幅B0の測定
X線の回折強度の半価幅は、格子ひずみや粒径などを反映するパラメータであるが、半価幅の実測値に測定装置の構造や光学系などに影響される成分も含まれている。そのため、半価幅の実測値Bから装置による半価幅B0を分離する必要がある。装置による半価幅B0を測定するため、無ひずみ状態の測定対象物を利用して、その回折強度の半価幅を装置によるB0とする。ただし、B0の測定値は、入射X線の発散角から影響を受けるため、その測定値は照射領域サイズφおよび照射距離lに依存する。測定対象物の半価幅Bを実測するときと同じ照射領域サイズφおよび照射距離lで装置による半価幅B0を測定しなければならない。汎用性を考慮すれば、予め複数の照射領域サイズφおよび照射距離lで装置による半価幅B0を測定しておくことが好ましい。
なお、図3に半価幅Bを測定する際の光学系模式図を示す。X線を照射するX線管球1、回折X線を検出する二次元X線検出器2、測定対象物4、入射X線6、回折X線7および測定対象物の二次元回折斑点8の関係は図3に示した通りである。本発明は、不連続の回折斑点の中心角αをパラメータとして検出するため、照射領域に囲まれ回折に寄与する結晶数の上限や結晶の方向性が要求される。実際材料の結晶粒径や結晶の方向性に応じて、照射領域サイズφを調整することにより、照射領域に囲まれ回折に寄与する結晶数を数百個以下にすることが望ましい。一般的には照射領域サイズφ2mm以下にするのが推奨される。X線の強度および材料のX線吸収能力を考慮して、X線照射距離lを10〜30mmに設定することが好ましい。一般金属の場合は、入射X線の侵入深さは10μm程度である。しかし、X線回折強度は材料による吸収の影響を受ける。また、材料による吸収は、侵入経路長さに依存するため、わずかの侵入経路長さの違いで、X線回折強度が異なる。そのため、二次元X線回折環の円周方向において、全て回折箇所のX線回折強度に対応する材料内部の侵入経路長さを一定にするため、入射X線6を垂直に測定対象物の表面に入射し回折X線7を得えらなければならない。ただし、垂直にX線を入射しない場合でも測定は可能だが、その場合にはX線回折強度の補正が必要になる。
図4に入射中心O点の位置を測定するときの光学系模式図に示す。入射中心O点の位置を求めるため、無ひずみ状態の標準粉末試料5が用いられる。ブラッグの条件を満足する結晶からの回折現象を利用して、式(2)に示す関係から、回折面間隔dに対応した回折角θが決められる。そこで、標準粉末試料の場合は、X線波長λおよび標準粉末試料の適切な回折面間隔dから回折角2θ0が既知となる。
Figure 0005989135
図5に二次元X線回折器に記録した標準粉末試料の二次元回折環9の模式図を示す。標準粉末試料の二次元回折環9において、複数最大輝度点を検知して、図中白い線で示す最小二乗法で近似円を決定できる。この近似円の円心Oを入射中心とすると、半径RPが測定できる。
ここで、回折X線の回折角や回折強度を記録するための検出器としては、二次元の位置敏感型比例計数管(PSPC:position sensitive proportional counter)、またはイメージングプレート(IP:imaging plate)を代表とする輝尽性蛍光体を二次元X線検出器に適用した検出器を用いる。これらは、短時間で広い範囲の回折情報を取得できるからである。
上記二次元の位置敏感型比例計数管は、検出面においてX線の受光位置が判定できるX線検出器である。回折強度曲線を測定する際に、検出器を走査させる必要はない。さらに、X線エネルギーを電気信号に変換して、画像処理回路により二次元的にX線回折強度を計測することができる。
上記イメージングプレートは、輝尽発光体(BaFX:Eu2+、X=Br、I)を塗布したフィルムである。X線をイメージングプレートに照射すると、蛍光体中に準安定な一種の着色中心が形成される。その後、読み取り装置で蛍光体にレーザー光を照射すると、蛍光体に貯えられていたX線エネルギーは、蛍光として放出される。蛍光面上でレーザーを二次元的走査して、発生する蛍光を光電子増倍管で時系列信号として測定すれば、蛍光面上に記録されたX線情報を読み出すことができる。また、イメージングプレートは、可視光で感光させると着色中心が消去されるので、繰り返し使用することが可能である。
位置敏感型二次元X線検出器の場合は、検出器とX線管球が固定式であるため、初期一回の測定で入射中心O点の座標を決めると、実際測定のとき改めて標準粉末を利用して入射中心O点を求める必要がない。一方、測定ごとに取り替える必要のあるイメージングプレート検出器の場合は、毎度測定する際に、測定対象物と同一のイメージングプレートに標準粉末試料の回折環を記録して入射中心O点の座標を測定する必要がある。
図6にイメージングプレート二次元X線検出器3を用いた場合の光学系を示す。X線を二回照射することにより、同一イメージングプレートにおいて標準粉末試料と測定対象物の回折環を記録する。
二次元X線検出器上記録された入射中心O点に対する半径方向のX線回折強度Iラインプロファイルは距離sに対するものであるため、回折角度の半価幅Bを求めるため、式(3)に示すように、距離座標sを回折角2θ座標に変換しなければならない。
Figure 0005989135
回折角2θ座標に対するX線回折強度プロファイル曲線からバックグラウンドを差し引き、X線回折強度曲線の関数近似を行い、半価幅Bを決定する。半価幅Bの求め方は、公知の「半価幅法」または「関数近似法」がある。
図7に「半価幅法」を示す。測定で得られたX線回折強度プロファイル曲線において、直接にX線回折強度の最大値の半分のレベルにある二点の回折角の差分を半価幅Bとする。
「関数近似法」の場合は、測定で得られたX線回折強度プロファイル曲線に対して、関数近似を行い、その後、半価幅Bを求める。関数近似は、公知のガウス曲線、ローレンツ曲線および擬似Voigt関数のうち、いずれか1つを用いれば良い。
ガウス曲線で近似したX線回折強度曲線IGは、式(4)で表される。このとき、積分幅B’(積分強度をピーク強度で割った値)を式(5)で求めることもできる。ここで、Jは積分強度、2θΨはピーク位置である。
Figure 0005989135
Figure 0005989135
ローレンツ曲線で近似したX線回折強度曲線ILは、式(6)で表される。このとき、積分幅B’は、式(7)で求められる。ここで、Jは積分強度、2θΨはピーク位置である。
Figure 0005989135
Figure 0005989135
擬似Voigt関数で近似したX線回折強度曲線IVは、IGとILを用いて、式(8)で表される。ここで、ηはガウス度を示す。
Figure 0005989135
また、図5に示す回折強度プロファイルの幅SRは、一般的に式(9)に示す簡易的な関係がある。
Figure 0005989135
つまり、式(1)に示す二次元X線回折パラメータwの変数である半価幅Bの代替パラメータとして、積分幅B’または回折強度プロファイルの幅SRも用いられる。
以上の方法にしたがい、無ひずみ状態の標準粉末を用いれば装置による半価幅B0を測定できる。
(2)引張試験により塑性ひずみの導入
引張試験の妥当性を考慮するために、試験片の作成および引張試験の条件は、JIS Z2241(1998)の規定にしたがう方が望ましい。また、試験片のバラツキを考慮するためには、同一材料から複数の試験片を製作し、それぞれの試験片においてひずみゲージを設置する。対して、引張試験により塑性ひずみを導入して、ひずみゲージの出力で除荷後の残留ひずみεPを測定する。さらに、各試験片のビッカース硬さHVを測定する。一般的に金属材料の場合は、塑性ひずみの上昇につれて硬さも上昇する。これは、加工硬化と想定される。
試験片表面の加工履歴もX線回折パラメータに影響を与える。このため、本方法を用いる際には、電解研磨などで表面層を数十μmから数百μmだけ除去してから引張り試験を行なうのが好ましい。
高い塑性ひずみ範囲では、試験片表面の凹凸および高い転位密度がX線回折強度に影響を与えるため、一般的に塑性ひずみが小さい範囲では、半価幅Bおよび回折斑点の中心角αの変化は塑性ひずみに対する敏感性が高い。そのため、塑性ひずみの間隔は、塑性ひずみの小さいレベルにおいては、大きいレベルよりも比較的細かめに設定する方が望ましい。例えば、塑性ひずみが0〜10%では1〜2%間隔で、10〜20%では4〜5%間隔で、それぞれ塑性ひずみを試験片に導入する。ただし、材料物性により塑性ひずみの範囲が異なるため、実際の材料に応じて塑性ひずみの間隔を設定することが必要である。また、顕著な回折斑点の中心角αの変化を検出するため、本発明は塑性ひずみによる回折斑点の中心角αの敏感性の高い、集合組織材料や粗大結晶材料の塑性ひずみ評価への応用が望ましい。本願では、集合組織材料とは溶接金属や鋳物等のような、結晶成長に方向性がある材料のことをいい、粗大結晶材料とは、結晶粒界20μm以上の材料をいう。
(3)二次元X線回折パラメータw の計算
図8に二次元X線回折パラメータwの計算方法を示す。図中の半価幅Bの測定方法は、前述した装置による半価幅B0の測定方法と同様である。なお、回折斑点の中心角αを計測するためには、各回折斑点の円周方向の両端範囲を指定する必要がある。一般的には、回折強度からバックグラウンドを差し引いた範囲を回折斑点の範囲として良いが、溶接金属のような鮮明な回折強度が得られない場合は、例えば、「最大強度の25%以上の強度を持つ箇所を回折斑点とする」のような回折強度にフィルタリングを実施することにより、回折斑点の範囲を指定することもできる。
図8中では、各回折斑点の中心角αiが十分小さい、かつ各回折斑点の半径方向における半価幅Biと仮定すると、二次元X線回折パラメータwは式(10)で計算できる。
Figure 0005989135
(4)二次元X線回折パラメータと塑性ひずみまたは硬さの関数化
各塑性ひずみεPで得られた二次元X線回折パラメータwにおいて関数近似により、εP=f(w)の関数化を行なう。この関数εP=f(w)を基に、X線回折パラメータと塑性ひずみεPとの関係を表すマスター線図w−εPを作成することができる。
同様に各塑性ひずみεPを導入した後のビッカース硬さHVと二次元X線回折パラメータwにおいて関数近似により、HV=g(w)の関数化を行なう。この関数HV=g(w)を基に、X線回折パラメータとビッカース硬さHVとの関係を表すマスター線図w−HVを作成することができる。
2.塑性ひずみまたは硬さの評価(実際の測定)
測定対象物の測定により得られた二次元X線回折パラメータwを、マスター線図w−εPおまたはマスター線図w−HVにプロットすることにより、測定対象物の塑性ひずみεPまたはHVを非破壊的に評価することが可能である。
(1)測定対象物の表面において二次元X線回折を測定する。
(2)画像処理プログラムにより二次元X線回折斑点から、半価幅Bおよび中心角αを測定し、式(1)によりwを求める。
(3)求めた二次元X線回折パラメータwを、測定対象物の同材のマスター線図w−εPまたはマスター線図w−HVにプロットすることによって、測定対象物の表面加工層の塑性ひずみεPまたはビッカース硬さHVを非破壊的に見積もることが可能である。
3.評価システム
3.1 二次元X線検出器
位置敏感型二次元X線検出器、またはイメージングプレートを用いた二次元検出を本システムの二次元X線検出器として利用できる。
位置敏感型二次元X線検出器の場合は、検出器とX線管球が固定式であるため、無ひずみ状態の標準粉末試料を用いて初期一回の測定で入射中心O点の座標を決めれば、実際測定する時に再び無ひずみ状態の標準粉末試料を測定する必要がない。
イメージングプレートを用いた二次元X線検出器は、位置敏感型二次元X線検出器より安価で製作しやすいが、取り替え式の構造を持つ場合は、毎度測定対象物と同一のイメージングプレートに標準粉末試料の回折環を記録して入射中心O点の座標を測定する必要がある。
また、実際測定環境の幾何条件(例えば、狭隘な場所)に応じて、二次元X線回折環の一部のみ測定できるように、X線入射中心と二次元X線検出器を非対称の配置で構成する非対称型二次元X線検出器10を用いることも可能である。ただし、この場合は、全周中心角範囲2πで得られたマスター線図w−εPまたはw−HVを利用するときに、実際に測定した二次元X線回折パラメータwを、測定対象物の回折斑点の中心角αの積分範囲が全周中心角範囲2πに占める割合で割ることにより補正する必要がある。例えば、図9の場合は、測定対象物の回折斑点の中心角αの積分範囲はπであるため、全周中心角範囲2πで得られたマスター線図にプロットするときに、w実測値の2倍で補正する。
3.2 画像処理アルゴリズム
精度の高い測定を実現するため、回折斑点の中心角αの積分範囲でなるべく多くの半径方向における半価幅Bを測定する必要がある。例えば、αを1(deg)間隔での微小中心角に対応する半価幅Bを測定する。このような大量な測定を効率的に演算するための画像処理アルゴリズムが必要である。また、バックグラウンドを除去するために、X線回折強度にフィルタリング機能も望ましい。
4.実用性
本発明は、二次元X線回折パラメータを用いて、測定対象物の塑性ひずみまたは硬さを測定することにより、表面加工度を非破壊的に評価する。このため、本評価方法は、破壊によるサンプリングが不可能な実構造物や完成品への適用が可能である。また、測定した二次元X線回折パラメータを、評価基準として予め用意した二次元X線回折パラメータと塑性ひずみまたは硬さとの関係を表す関数に代入するだけで、塑性ひずみまたは硬さを評価できる。このため、測定場所での迅速な表面加工度の評価が期待され、量産製品のバラツキを考慮した大量測定にも利用できる。
また、表面加工度が大きいほどSCC発生感受性が高い材料(例えば、SUS316Lのような非鋭敏化オーステナイトステンレス鋼)のSCC発生感受性評価への応用も期待される。
本実施例2では、グラインダーを施工したNi基溶接金属DNiCrFe−1J(JIS Z 3224)の測定対象物において、塑性ひずみおよび硬さを測定した。
マスター線図の作成として、Ni基溶接金属DNiCrFe−1Jから、複数の引張試験片を製作した。表面仕上げにより残量した表面加工層を除去するために、電解研磨で表面から50μm深さまで研磨した後、870℃で2時間の応力緩和熱処理を実施した。引張試験はJIS Z 2241(1998)の規格にしたがって引張試験を行い、0%、0.5%、1.0%、1.8%、3.8%、6.0%、10.0%、14.7%、19.8%、24.8%および29.6%の塑性ひずみεPをそれぞれ導入した。引張試験後、硬さ測定機でビッカースビッカース硬さHVを測定した。硬さ測定の負荷荷重は1kgfで、負荷時間が20secである。表1にそれぞれの試験片におけるビッカース硬さHVの値を示す。
Figure 0005989135
図6に測定の光学系の模式図を示す。二次元X線検出器にはイメージングプレートを用いた。X線照射領域φ=1mm、照射距離l=20mm、照射時間を10minにした。X線管球はMnで、出力は17kV、1.5mAである。Mn_Kαの特性X線波長を利用して、λは2.10314×10-10mである。Ni基合金の回折面は(311)面で、回折角のピークいちの理論値2θΨ=163.575(deg)である。照射試験後のイメージングプレートは、GEヘルスケア・ジャパン株式会社製の画像解析装置Typhoon FLA9000でX線回折パターンを読み取った。解像度は25μm/Pixelである。X線入射中心O点を求めるために、完全焼鈍を実施したCu粉末を標準粉末試料として引張試験片の表面に塗布して、引張試験片と同一イメージングプレートに二次元回折環を記録した。Cu粉末は(311)面で、回折角のピーク位置2θ0=149.518(deg)である。
まず、εP=0%の試験片を利用して、装置による半価幅B0を測定した。半価幅B0は2.27(deg)である。
ついで、各試験片の二次元X線回折パラメータwを求める。図10(a)に代表例として、εP=0%およびεP=6.0%の試験片の二次元X線回折環を示す(輝度を反転処理した)。溶接金属は集合組織や粗大結晶を有するため、不連続な二次元X線回折が現れている。図10(b)に画像処理アルゴリズムによる解析方法を示す。Cu粉末の二次元X線回折環において最大輝度点を検出して、画像処理アルゴリズムにより、最小二乗法でCu粉末の二次元X線回折環の近似円(図10(b)中の黒い破線)を求め、この近似円の円心OをX線入射中心とした。O点に対する中心角αを1(deg)間隔で0〜360 (deg)の全円周範囲において、前述した求める方法により半径方向の半価幅Bを求めた。回折強度からバックグラウンドを差し引くため、最大強度の25%以上の強度を持つ箇所を解析範囲とするように、回折強度にフィルタリングを実施した。図10(b)中の白実線は、フィルタリングにより抽出した解析範囲中の最大輝度位置Pを示す。解析範囲での回折斑点中心角α合計は、εP=0%の試験片は62 (deg)であるが、εP=6.0%の試験片は154(deg)である。塑性ひずみの上昇につれて、中心角の増加が顕著に現れている。以上の解析から、式(11)によりwが計算される。ここのBαは中心角αにおける半径方向の半価幅である。nは判定係数であり、解析範囲内の場合はn=1、解析範囲外の場合はn=0と定義される。計算されたwの単位はdeg2である。
Figure 0005989135
図11および図12に、それぞれ本実施例で測定した二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみεPおよびビッカース硬さHVの相関線図を示す。二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみεPの関係を表す関数は、最小二乗法で、εP=0.0014w2 −0.0468w+0.8836に近似した。二次元X線回折パラメータwとビッカース硬さHVの関係を表す関数は、最小二乗法で、HV=0.0024w2 +0.2866w+211.07に近似した。以上の関数をマスター線図とする。
マスター線図を作成した後、試験片と同じ材料の溶接金属板材を測定対象物よして実際の測定を実施した。溶接金属板材において応力緩和熱処理して、圧延率10%で冷間圧延を施した。冷間圧延後の表面のビッカース硬さHV=268(N/mm2)である。
溶接金属板材において、前述した方法で二次元X線回折パラメータwを測定したその結果は、w=102 (deg2)である。
図13は、wと塑性ひずみεPのマスター線図であり、二次元X線回折パラメータwと塑性ひずみεPの関係はεP=0.0014w2−0.0468w+0.8836で表されている。図13より、w=102(deg2)に対する塑性ひずみεP=10.7%であり、10%の圧延率に近い値で評価できた。
図14は、wとビッカース硬さHVのマスター線図であり、二次元X線回折パラメータwとビッカース硬さHVの関係はHV=0.0024w2+0.2866w+211.07で表されている。図14より、w=102(deg2)に対するビッカース硬さHV=265(N/mm2)であり、HV=268の実測値に近い値で評価できた。
以上の測定結果から、本発明による非破壊的な塑性ひずみおよび硬さの評価システムおよび評価方法の有効性を示すことができた。
なお、従来の研究により、応力腐食環境で高い材料表面加工度がSCC発生感受性や進展速度を促進する傾向が認識されている。非特許文献1の図15に掲載されているオーステナイト系ステンレス鋼SUS316の溶接熱影響部のSCC進展速度の硬さ依存性を示す。冷間圧延したSUS316は、硬さの上昇とともにSCC進展速度が速くなる傾向を示しており、硬さまたは冷間加工率をパラメータとして、材料のSCC特性を評価できることを示唆している。以上の研究成果から、冷間圧延率、塑性ひずみまたは硬さをSCC評価パラメータとすれば、本発明による塑性ひずみおよび硬さの評価システムおよび評価方法は、破壊によるサンプリングが不可能な実構造物や完成品における表面仕上げ状況の管理、および応力腐食環境での応力腐食割れ(SCC)の発生感受性の評価の一環として、簡便に利用できる。
1…X線管球
2…二次元X線検出器
3…イメージングプレート二次元X線検出器
4…測定対象物
5…標準粉末試料
6…入射X線
7…回折X線
8…測定対象物の二次元回折斑点
9…標準粉末試料の二次元回折環
10…非対称型二次元X線検出器
100…X線回折装置
101…X線管球
102…二次元X線検出器
104…測定対象物
110…画像解析装置
111…X線回折強度曲線
112…X線入射中心算出部
113…X線回折強度/中心角算出部
114…二次元X線回折パラメータ算出部
115…マスター線図作成部
116…塑性ひずみ/硬さ算出部
118…入力装置
119…表示装置
120…マスター線図で構築されたデータベース
w…二次元X線回折パラメータ
εP…塑性ひずみ
HV…ビッカース硬さ
I…X線回折強度
O…X線の入射中心位置
s…二次元回折環における入射中心位置Oに対する半径方向上の距離
P…標準粉末試料の二次元回折環の近似円の半径
l…X線照射距離
α…二次元回折環における入射中心位置Oに対する中心角
B…半価幅
B’…積分幅
R…二次元X線回折リングの半径方向の幅
P…X線回折強度曲線における最大強度の位置
Ψ…回折面法線と試料表面法線のなす角
2θ…回折角
2θΨ…X線回折強度のピーク位置
2θ0…標準粉末試料の回折角
d…回折面の格子間隔

Claims (7)

  1. 測定対象物の表面にX線を入射するX線照射装置と、
    前記測定対象物で回折した前記X線を検出する二次元X線検出器と、
    予め求めた二次元X線回折パラメータと塑性ひずみ又は硬さのうち少なくともいずれか1つの物理量との関係についてのデータを有する記憶装置と、
    画像解析装置と、を有し、
    前記画像解析装置は、前記二次元X線検出器で検出した二次元X線回折斑点からX線の回折角と回折強度の関係であるX線回折強度曲線を得るとともに、
    前記X線回折強度曲線の半価幅から予め求めた基準測定対象物におけるX線回折強度曲線の半価幅を差し引いた後の値に対して、前記二次元X線回折斑点のX線入射中心に対する中心角に対して全周範囲で積分を行い、二次元X線回折パラメータ求める二次元X線回折パラメータ算出部と、
    前記記憶装置を参照して、前記算出した二次元X線回折パラメータから、塑性ひずみおよび硬さのうち、少なくともいずれか1つの物理量を求める算出部を備えたことを特徴とする表面加工状態の評価システム。
  2. 請求項1に記載の表面加工状態の評価システムにおいて、前記二次元X線検出器は輝尽性蛍光体を用いたイメージングプレートであり、
    前記測定対象物表面には標準試料粉末が付着されていることを特徴とする表面加工状態の評価システム。
  3. 請求項1に記載の表面加工状態の評価システムにおいて、前記二次元X線検出器は位置敏感型検出器であることを特徴とする表面加工状態の評価システム。
  4. X線を測定対象物の表面に入射させ、
    前記測定対象物で回折したX線を平板状に設置されたX線検出器に記録し、
    X線回折強度曲線の半価幅から予め求めた基準測定対象物におけるX線回折強度曲線の半価幅を差し引いた後の値に対して、前記二次元X線回折斑点のX線入射中心に対する中心角に対して全周範囲で積分を行い、二次元X線回折パラメータを求め、
    前記二次元X線回折パラメータと塑性ひずみ又は硬さのうち少なくともいずれか1つの物理量との関係を利用して、前記算出した二次元X線回折パラメータの測定値より、塑性ひずみ又は硬さのうち少なくともいずれか1つの物理量を評価することを特徴とする表面加工状態の評価方法。
  5. 請求項4に記載の表面加工状態の評価方法において、前記二次元X線検出器が輝尽性蛍光体を用いたイメージングプレートであり標準試料粉末を測定対象物表面に付着させ、その標準試料粉末の回折環からX線入射中心および照射距離を求めることを特徴とする表面加工状態の評価方法。
  6. 請求項4に記載の表面加工状態の評価方法において、前記二次元X線検出器は位置敏感型検出器であることを特徴とする表面加工状態の評価方法。
  7. 請求項1乃至3に記載の表面加工状態の評価システムを用いて、塑性ひずみまたは硬さのうち、少なくともいずれか1つの物理量をSCC感受性の評価基準とする、非鋭敏化材の応力腐食割れ感受性評価方法。
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