JP5698916B2 - 表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法 - Google Patents

表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法 Download PDF

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本発明は、表面に微細な凹凸パターンを有する樹脂材製造方法に関し、とくに、陽極酸化ポーラスアルミナを利用して所望の凹凸パターンを形成するようにした、表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法関する。
樹脂材の表面幾何学構造を制御し、サブミクロンからナノスケールの微細な凹凸パターンを高スループットで形成可能な技術の確立は、反射防止膜やフォロニック結晶、撥水膜など様々な機能性デバイスを効率良く形成するために重要となる。ナノスケールの微細な凹凸パターンが形成可能な手法として、従来から、電子ビームリソグラフィーとドライエッチングを組み合わせた微細加工法が広く検討されている。これらの手法を用いれば、任意の微細パターンを樹脂材や無機材料など様々な材料の表面に形成可能であるが、高額な装置を必要とすることに加え、凹凸パターンの大面積化が困難であるといった問題点を有している。
このような問題点を解決し、安価に凹凸微細パターンの高スループット形成が可能な手法として、ナノインプリント法が関心を集めている。この手法によれば、微細な凹凸パターンを有するモールドを基材表面に押し付けることで凹凸パターンを基材表面上に一括成形することが可能である。また、用いるモールドは繰り返し使用が可能であることから、一旦ナノインプリント用モールドを作製すれば、それを用いて大量のナノパターンが複製可能であるといった特徴がある。このようなナノインプリント用モールドの作製に、微細な細孔が規則的に配列された陽極酸化ポーラスアルミナを用いることが可能であることが知られており、例えば特許文献1には、陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製したスタンパを用いて反射防止膜を製造する方法が開示されている。
ナノインプリント法は、構造転写を行う樹脂材の違いにより熱インプリント法と光インプリント法に大別される。熱インプリント法では、ガラス転移点以上の温度に加温した熱可塑性樹脂にモールドを押し付け、この後、ガラス転移点以下の温度まで樹脂材を冷却したのちモールドを剥離することでナノパターンが形成された樹脂材を得ることができる。この手法は、熱可塑性樹脂であれば適用可能であることから広範な樹脂材に応用することができるといった特徴を有する。しかしながら、インプリントの過程で樹脂材の加温と冷却を行うことが必須であるため、処理時間の短縮が難しく高スループット化に限界があるといった問題点を有する。
一方、光硬化性樹脂を用いた光インプリント法では、光硬化性のモノマーまたはプレポリマーにモールドを押し付けながら光照射し、樹脂を重合固化したのちモールドを剥離するといったプロセスであるため、短時間で微細パターンの形成が可能であるといった利点がある。しかしながら、適用可能な樹脂が光硬化性の材料に限定されるため応用分野が制限されるといった問題点を有していた。
他方、汎用の一般的な樹脂製品を高スループットで形成可能な手法として、射出成形法が広く知られている。この手法では、密着させた金型間の隙間に(キャビティ内に)溶融した樹脂を流し込み、冷却固化させた後、型から樹脂材を剥離することにより、目標とする形状に成形された樹脂材を得ることができる。この手法では、溶融可能な材料であれば適用可能であることに加え、成形の際には樹脂の流し込みと冷却を同時に行うことができるため、短時間で所望の形状に成形された樹脂材の作製が可能であるといった特徴を有する。そのため、様々な樹脂製品の成形法として現在広く用いられているが、サブミクロンからナノスケールの微細凹凸パターン形成法への適用については、未だ十分な検討がなされていないのが実情である。
さらに、金型の表面に微細凹凸構造を形成し、それを転写させるようにした光学素子の製造方法も知られており(例えば、特許文献2)、この特許文献2には、金型を陽極酸化によって製作できることも記載されている。しかし、この金型の表面に形成された複数の凹部は、該表面から該表面と直角の方向に真っ直ぐに金型厚み方向に延びる孔または窪み形状の直行凹部であるため、金型表面の凹凸構造を転写された材料(光学素子)を金型から剥離させる場合、材料が剥離しにくいという問題があり、強引に剥離させると、転写された凹凸構造が崩れてしまうおそれがある。また、剥離の方向に関して、極めて高い精度が要求されることになり、その分、成形が難しくなり、成形の高スループット化が妨げられることになるとともに、成形装置の高価格化が避けられないこととなっていた。
特開2007−86283号公報 特開2006−133722号公報
上述の如く、微細凹凸パターンが表面に形成された樹脂材を用いて様々な機能性デバイスの構築を行う上で、樹脂材の種類の制限を受けず広範な材料に適用可能な手法であることに加え、現実に高スループットな処理を容易に行うことが可能なナノパターン形成プロセスの確立が求められている。
そこで本発明の課題は、このような要求に応えるべく、陽極酸化ポーラスアルミナを出発材料として作製したモールドが、材料の微細な表面凹凸パターンの形成に有効であるという知見と、汎用の樹脂製品の成形に対しては射出成形法が優れた高スループット特性を有するという知見とに基づき、これらの技術を凹凸パターンの転写上最適な形態で適切に併合させて、表面に微細な凹凸パターンを有する樹脂材の成形に展開することにより、目標とする表面形態の樹脂材を効率よく高スループットで容易に製造できるようにした新たな手法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法は、テーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナであって、前記細孔を、該細孔の深さ方向にテーパー部と直行部を有する形状に形成した陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製した、表面に凹凸パターンを有し、該凹凸パターンにおける全てのピラーあるいはホールが射出成形における脱型の際の抜き勾配を付与された形態を有するネガ型モールドまたはポジ型モールドを用い、該モールドの凹凸パターンに対し樹脂を充填する射出成形により、成形される樹脂材の表面に凹凸パターンを形成するとともに、前記モールドの凹凸パターンに、前記細孔のテーパー部から形成され、射出成形時に樹脂が充填される樹脂充填部と、前記細孔の直行部から形成され、前記樹脂充填部の奥部に位置し樹脂が充填されない隙間部とを形成することを特徴とする方法からなる。
すなわち、本発明に係る表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法は、陽極酸化ポーラスアルミナを出発材料(出発構造)として作製したモールドが、材料の表面に微細な凹凸パターンを形成するのに有効であるという利点と、射出成形によれば、高スループットで樹脂製品を成形できるという利点を、ともに利用し、これら両技術を適切に組み合わせることで、効率よく高スループットで樹脂材の表面に目標とする微細な凹凸パターンを形成できるようにしたものである。とくに、テーパー形状の細孔、つまり、細孔の孔径が細孔の深さ方向に徐々に小さくなるように形成された細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用い、その凹凸パターンを転写させることで作製したモールドを用いるので、モールドの表面に形成される凹凸パターンもそのピラーアレー構造の各ピラー(各突起)あるいはホールアレー構造の各ホール(各窪み)が、高さ方向あるいは深さ方向にテーパー形状を有するものとなる。このようなテーパー形状を有するピラーあるいはホールのアレー構造の表面凹凸パターンを有するネガ型モールドまたはポジ型モールドを用いて射出成形が行われるので、モールドの全てのピラーあるいはホールがあたかも射出成形における脱型の際の抜き勾配を付与された形態となり、表面凹凸パターンが転写された樹脂材からのモールドの剥離が、極めて容易に、かつ、樹脂材に形成された表面凹凸構造にダメージを与えることなく、行われるようになる。したがって、円滑にかつ容易に目的とした射出成形を行うことができ、それによって、目標とする微細な表面凹凸パターンを有する樹脂材が高スループットで作製される。さらには、このようなモールドを用いて樹脂材表面に形成されたテーパー形状の凹凸パターンは、優れた反射防止膜として機能できることが明らかとなっており(例えば、前述の特許文献1)、また、樹脂材表面に微細な表面凹凸パターンを形成することでその表面に撥水性を持たせることができることも知られているので、このような機能が要求される樹脂材の作製に本発明は極めて有用である。なお、陽極酸化ポーラスアルミナにおけるテーパー形状の細孔の形成は、陽極酸化の条件を段階的に順次変更していくことで、例えば、先に形成した細孔の底部(最奥部)から異なる条件でさらに細孔を形成していき、それを繰り返すことにより、達成することが可能である。
上記のようなモールド、とくにメタルモールドの作製には、例えば、陽極酸化ポーラスアルミナの表面に金属薄膜層を付与し、これを導通層としてメッキを行い、その後鋳型であるアルミナおよび地金アルミニウムを選択的に溶解除去する手法を用いることができる。金属薄膜層は、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、電子ビーム蒸着法、熱蒸着法等の手法により形成することが可能である。また、出発構造となる陽極酸化ポーラスアルミナの構造を一旦樹脂材や金属に置き換えた後、これを鋳型としてスタンパを作製することで、出発構造である陽極酸化ポーラスアルミナと同様のポジ型構造を有する金属製スタンパを作製することもできる。このようなスタンパの作製には、各種金属を用いることができるが、転写性やモールドとしての機械強度の点からNiが望ましい。
上記のような本発明に係る方法においては、上記モールドの作製に、テーパー形状の細孔が規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを出発構造として用いることが、より好ましい。すなわち、細孔形状がテーパー形状に形成されていることに加え、細孔が規則的に配列されるように制御された陽極酸化ポーラスアルミナを出発構造として用いると、樹脂材の表面に形成される凹凸パターンも、高規則性を備えたものとなるから、樹脂材表面に要求される反射防止特性や撥水性などをより高めることが可能になる。
また、本発明に係る方法では、上記モールドの凹凸パターンに、射出成形時に樹脂が充填される樹脂充填部と、該樹脂充填部の奥部(モールドの厚み方向奥部)に位置し樹脂が充填されない隙間部とを形成する。具体的な構造についての詳細は後述するが、射出成形は、溶融した樹脂を金型に射出することにより金型表面の凹凸パターンへの樹脂の注入と冷却を同時に行うプロセスであるため、一般に、プロセスタイムが短時間であるといった利点を有するが、金型の凹凸パターンがナノメータースケールと微細パターンである場合、その細部にまで樹脂が充填される前に冷却固化してしまうために、金型の形状を忠実に転写した構造体を得ることは難しい。しかしながら、樹脂が細部にまで充填されないために、金型からの樹脂成形体の剥離性が優れているといった利点がある。そこで、上記構造は、射出成形に用いる金型(モールド)に、あらかじめ樹脂が充填されない(つまり、成形に寄与しない)部分(上記隙間部)を有する凹凸パターンを形成しておくことにより、目的の構造に近い成形体を得ることができるようにしたものである。より具体的には、図8を用いて後述するように、上記陽極酸化ポーラスアルミナの細孔を、該細孔の深さ方向にテーパー部と直行部を有する形状に形成し、該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製した前記モールドの凹凸パターンに、前記細孔のテーパー部から形成され、射出成形時に樹脂が充填される樹脂充填部と、前記細孔の直行部から形成され、前記樹脂充填部の奥部に位置し樹脂が充填されない隙間部とを形成する方法を採用する。
また、本発明に係る方法では、上記射出成形として、成形サイクルごとにモールドの表面温度を高めるヒートサイクル成形を行うことが好ましい。このヒートサイクル成形法は、金型の温度を実質的に一定に制御する通常の射出成形に比べ、一般に、金型のキャビティ表面の温度を繰り返し上下させる成形法として知られており(例えば、特開2001−225371号公報)、金型温度を高めて、その後に、冷却してから成形品を取り出すという成形法である。このようなヒートサイクル成形法を採用して、微細な凹凸パターンを有するモールドの表面温度を高めることにより、その微細凹凸パターンの樹脂材への転写精度を高めることが可能になる。
また、本発明に係る方法では、射出成形において、表面に離型処理を施したモールドを用いることが好ましい。例えば、用いるモールド(スタンパ)の表面に、あらかじめフッ素系化合物、例えばフッ素系の表面処理剤を付与することにより、離型処理を施すことが望ましい。このようにモールドの表面に離型処理を施しておくと、射出成形の際にモールドと樹脂の剥離特性を一層向上することが可能となる。
また、本発明に係る方法により、樹脂材の表面に形成する凹凸パターンとして、細孔(窪み)または突起のサイズ(径)が10nmから800nmの範囲であり、ピッチが 20nmから1μmの範囲の凹凸パターンを得ることができる。
また、モールド作製のための鋳型として用いる、つまり、モールド作製のための出発構造に用いる陽極酸化ポーラスアルミナとしては、例えば、硫酸を電解液として用い、化成電圧10V〜120Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナ、シュウ酸を電解液として用い、化成電圧30V〜130Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナ、または、リン酸を電解液として用い、化成電圧180V〜220Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることができる。このような条件下で陽極酸化を行えば、サイズの均一な細孔が規則的に配列したポーラスアルミナの作製が可能となることから、これらのポーラスアルミナを出発構造として用いることで、サイズの均一な突起または窪みが規則的に配列した凹凸パターンが表面に形成された樹脂材を得ることが可能となる。
また、定電圧条件下で陽極酸化を施した後、一旦酸化皮膜を溶解除去し、再び同一の条件下で陽極酸化を行う手法で得られた陽極酸化ポーラスアルミナや、陽極酸化に先立ち、アルミニウムの表面に微細な窪みを形成し、これを陽極酸化時の細孔発生の開始点として作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることにより、細孔がより高規則性を有するポーラスアルミナを出発構造として用いることができ、射出成形により得られる樹脂材表面に形成された微細凹凸パターンの規則性をさらに向上させることが可能となる。
本発明により、上記のような方法により製造されたことを特徴とする、表面凹凸パターンを有する樹脂材提供される。
この本発明における表面凹凸パターンを有する樹脂材においては、凹凸パターンが形成された表面に、例えば、光の反射防止性を持たせたり、撥水性を持たせたりすることが可能であり、優れた反射防止特性や高い撥水性を有する樹脂成形体の作製が可能である。
さらに、この本発明における表面凹凸パターンを有する樹脂材の材質としては、射出成形可能な樹脂であればよく、例えば、メチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体、ポリカーボネート、スチレン、スチレン共重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、ポリエチレンのうち少なくとも一つを含む熱可塑性樹脂からなる。
このように、本発明に係る表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法によれば、所定形態の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを出発構造として作製したモールドを用い、射出成形により、樹脂材の表面に凹凸パターンを形成するようにしたので、目標とする形態の微細な凹凸パターンを表面に有する樹脂材を、容易にかつ高スループットで製造することができる。
本発明の一実施態様に係る樹脂材の製造方法を示す、テーパー形状の細孔が規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを出発構造としたメタルモールドの作製と射出成形による凹凸パターンが形成された樹脂材の作製プロセスを概略模式的に示した図である。 比較のために示した、細孔が不規則に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを出発構造とした場合のメタルモールドの作製と射出成形による凹凸パターンが形成された樹脂材の作製プロセスを模式的に示した図である。 本発明の別の実施態様に係る樹脂材の製造方法を示す、陽極酸化ポーラスアルミナの構造を一旦他の材料に置き換え、ネガ型を作製したのち、これを再度鋳型として利用することで出発構造である陽極酸化ポーラスアルミナと同様のホールアレー構造を有する射出成形用モールドの作製と、それを用いた射出成形による凹凸パターンが形成された樹脂材の作製プロセスを概略模式的に示した図である。 本発明における隙間部を有するモールドを使用した射出成形の様子を概略模式的に示した図である。 本発明における互いに異なる隙間部を有するモールドを使用した射出成形の様子を概略模式的に示した図である。 本発明における別形状の隙間部を有するモールドを使用した射出成形の様子を概略模式的に示した図である。 本発明におけるさらに別形状の隙間部を有するモールドを使用した射出成形の様子を概略模式的に示した図である。 本発明における陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として用い隙間部を有するモールドを作製する段階からそのモールドを使用した射出成形までの様子を模式的に示した図である。 本発明におけるテーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナの作製段階からそれを鋳型として用いモールドを作製する段階までの様子を概略模式的に示した図である。 本発明における陽極酸化ポーラスアルミナを用いて作製したモールドを使用した射出成形の様子を概略模式的に示した図である。 実施例1における射出成形後の樹脂材の表面を電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。
以下に、本発明に係る樹脂材の製造方法について、図面を参照しながら、実施例とともに詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る樹脂材の製造方法を示しており、とくに、テーパー形状の細孔が規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを出発構造としたメタルモールドの作製と射出成形による凹凸パターンが形成された樹脂材の作製プロセスを模式的に示している。図1において、1は、テーパー形状の細孔2が規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを示しており、この陽極酸化ポーラスアルミナ1の表面凹凸パターン上に、薄い導通層3が形成された後、その上に、金属電析層4が形成され、陽極酸化ポーラスアルミナ1が溶解等により除去されることで、陽極酸化ポーラスアルミナ1を鋳型としてそのテーパー形状の細孔2による凹凸パターンが構造転写された射出成形用モールド5が作製される。このモールド5は、陽極酸化ポーラスアルミナ1の規則的に配列されたテーパー形状の細孔2の構造の転写により形成された、規則的に配列した突起6を有するネガ型メタルモールドとして形成される。このモールド5を用いて、溶融樹脂がモールド5に対して射出される射出成形により、モールド5の規則的な突起6による凹凸パターンが構造転写された凹凸パターン7が表面に形成された樹脂材8が作製される。
図2は、上記図1に示した形態と比較するために示したもので、細孔(説明上、テーパー形状ではない細孔で示してある。)が不規則に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを出発構造とした場合のメタルモールドの作製とそのモールドを用いた射出成形による凹凸パターンが形成された樹脂材の作製プロセスを模式的に示している。図2に示すように、細孔12が不規則に配列した陽極酸化ポーラスアルミナ11を出発構造として、図1に示した手法と同様に、金属電析層13が形成され、陽極酸化ポーラスアルミナ11が溶解等により除去されることで、陽極酸化ポーラスアルミナ11を鋳型としてその細孔12による凹凸パターンが構造転写された射出成形用モールド14の作製が可能である。しかしこの場合、モールド14に形成された突起15のパターンも不規則なものとなるため、射出成形により作製される樹脂材16の表面凹凸パターン17も不規則なものとなる。
図3は、本発明の別の実施態様に係る樹脂材の製造方法を示しており、とくに、陽極酸化ポーラスアルミナの構造を一旦他の材料に置き換え、ネガ型を作製した後、これを再度鋳型として利用することで出発構造である陽極酸化ポーラスアルミナと同様のホールアレー構造を有する射出成形用モールドを作製するプロセスと、それを用いた射出成形用モールドの作製プロセスを模式的に示している。図1に示したのと同様の、テーパー形状の細孔22が規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナ21が用いられ、その表面凹凸パターン上に、細孔22まで進入される充填物質23が充填され、陽極酸化ポーラスアルミナ21が剥離等により除去されて、まず、陽極酸化ポーラスアルミナ21を鋳型としてその細孔22による凹凸パターンが構造転写されたネガ型24が作製される。次に、このネガ型24を用いて、その凹凸パターン上に電析層25が形成され、ネガ型24が除去されることで、出発構造である陽極酸化ポーラスアルミナ21の細孔22と同様のホールアレー構造26を有する射出成形用モールド27(ポジ型モールド)が作製される。このモールド27を用いて、溶融樹脂がモールド27に対して射出される射出成形により、モールド27の規則的なホールアレー構造26が構造転写された凹凸パターン28が表面に形成された樹脂材29が作製される。
本発明では、テーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを出発構造として作製したモールドを用いて射出成形するが、前述したように、転写されるパターンが微細な凹凸パターンである場合、樹脂注入と冷却とを実質的に同時に行う通常の射出成形では、モールドの微細表面凹凸パターンを忠実に転写させることが難しい場合が多い。そこで、モールドの凹凸パターンに、射出成形時に樹脂が充填される樹脂充填部と、該樹脂充填部の奥部に位置し樹脂が充填されない隙間部とを形成しておくことが好ましい。例えば図4に示すように、樹脂に構造転写される表面凹凸パターン32を有する射出成形用モールド31の突部の先端部側部分を射出成形時に樹脂33が充填される樹脂充填部34として形成し、樹脂充填部34の奥部に、隙間構造、つまり樹脂が充填されない隙間部35を形成しておくことにより、目的の微細表面凹凸構造を有する樹脂材36の成形体をより容易に得ることができるようになる。
また、射出成形により、例えば反射防止構造の形成を行うことを考えた場合には、成形体の表面に平坦な部分が多いと、反射率が高くなるため、平坦部を極力少なくした構造体や平坦部を有さない構造体の形成が求められる。例えば、図5(A)に示した隙間部41が比較的広いモールド42の構造では、樹脂43の注入が途中で止まるために成形体44の表面に比較的広い平坦部45が形成されてしまう。これに対し、図5(B)に示すように、極めて狭い隙間部46を備えたモールド47を用いることで、成形体48の表面に形成される平坦部49を極めて小さくすることが可能になり、上記のような問題点を解決することができる。ピラーアレー型の凹凸パターンを有するモールド(金型)を例にとると、例えば図6や図7に示すような隙間部51,52を有するモールド53,54のように構成することで、樹脂55,56の射出成形により成形された樹脂材57,58の表面凹凸パターンを、平坦部が極めて少ないか平坦部を持たない所望の構造に形成することができる。このようなモールド(金型)を、陽極酸化ポーラスアルミナを出発材料として作製する場合、深さ方向に対する細孔形状は、陽極酸化とエッチングを組み合わせた手法により、それぞれの時間を制御することで任意の構造に制御することが可能であり、例えば図8に示すように、基材アルミニウム基材61上に、下部テーパー部と上部直行部からなる細孔62を形成するとともに、上端部における細孔間隔を小さく形成しておき、そこへ例えばNi電析層64を形成した後陽極酸化ポーラスアルミナ層を溶解除去して、目標とする隙間部65を有するモールド66を容易に作製することができる。このモールド66を用いて樹脂67の射出成形により、所望の表面凹凸パターンを有する樹脂材68が得られる。
なお、射出成形用モールドの作製のための出発構造としての、陽極酸化ポーラスアルミナのテーパー形状の細孔の形成は、例えば図9に示すように、素材としてのアルミニウム71に陽極酸化処理を施すことでその表面に細孔72を有する陽極酸化ポーラスアルミナ層73が形成されるが、例えば、陽極酸化処理を繰り返して施し、それらの条件を適切に制御することで、テーパー形状の細孔74を有する陽極酸化ポーラスアルミナ75を作製することができる。この陽極酸化ポーラスアルミナ75の凹凸パターン上に、図1に示したのと同様に電析層76が形成され、陽極酸化ポーラスアルミナ75が溶解等により除去されることで、テーパー形状の細孔74を有する陽極酸化ポーラスアルミナ75の凹凸パターンが構造転写された凹凸パターン77、つまり、テーパー形状の突起を有する凹凸パターン77が表面に形成された射出成形用モールド78が作製される。このモールド78を用いて、射出成形により、目標とする樹脂材が成形される。
図10は、陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製した上述のようなモールドを使用して、射出成形を行う様子を概略模式的に示している。例えば、射出成形用の成形型を、上述のように作製された、表面に所定の凹凸パターン81が形成された射出成形用モールド82と、平坦な表面を有する射出成形用モールド83との合わせ型構造に構成し、このモールド82、83からなる成形型84内に、溶融した樹脂85を注入する射出成形を行い、樹脂硬化後に成形型84を開けば、所定の凹凸パターン86を表面に(射出成形用モールド82側の表面に)有する樹脂材87が得られる。とくに、前述したように、射出成形として、成形サイクルごとにモールドの表面温度を高めるヒートサイクル成形を行うことにより、樹脂材87の表面に、より精度よく所定の凹凸パターン86を形成することが可能になる。
実施例1〔射出成形による500nm周期理想配列ポリプロピレンホールアレーの形成〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、500 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。このテクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.1Mの濃度に調整したリン酸水溶液中で、浴温0℃において直流200Vの条件下で5秒間陽極酸化を行い、さらに10wt%リン酸水溶液、浴温30℃に20分間浸漬する操作を5回繰り返し、テーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。得られた陽極酸化ポーラスアルミナの表面にイオンビームスパッタを用いてNiを50nmコートし導通層を形成した。この試料の表面にNiを厚さ300μm電析した後、ポーラスアルミナの層および地金アルミニウムを溶解除去することでテーパー形状ピラーアレーを有するNiモールドを得た。作製したNiモールドは、あらかじめ、0.1wt%”オプツール”(:フッ素系化合物)溶液に浸漬して離型処理を施した。このモールドを用いて、ポリプロピレンの射出成形を行った。このときの射出成形条件は、樹脂温度が200℃、圧力1.3t/cm2、保持時間40秒、型温30℃であった。図11に、射出成形後のポリプロピレン樹脂材の電子顕微鏡による観察結果を示す。樹脂材の表面に、目標とする規則的なホールアレー構造が良好に形成されていることが分かる。
実施例2〔射出成形による300nm周期理想配列ポリプロピレンホールアレーの形成〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、300 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.5 Mの濃度に調整したリン酸水溶液中で、浴温0℃において直流120Vの条件下で3分間陽極酸化を行い、さらに10wt%リン酸水溶液、浴温30℃に10分間浸漬する操作を5回繰り返し、テーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。得られた陽極酸化ポーラスアルミナの表面にイオンビームスパッタを用いてNiを50nmコートし導通層を形成した。この試料の表面にNiを厚さ300μm電析した後、ポーラスアルミナの層および地金アルミニウムを溶解除去することでテーパー形状ピラーアレーを有するNiモールドを得た。作製したNiモールドは、あらかじめ、0.1wt%”オプツール”溶液に浸漬して離型処理を施した。このモールドを用いて、ポリプロピレンの射出成形を行った。このときの射出成形条件は、樹脂温度は200℃、圧力1.3t/cm2、保持時間30秒、型温25℃であった。
実施例3〔射出成形による200nm周期理想配列ポリプロピレンホールアレーの形成〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、200 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.05 Mの濃度に調整したシュウ酸水溶液中で、浴温17℃において直流80Vの条件下で3秒間陽極酸化を行い、さらに5wt%リン酸水溶液、浴温30℃に20分間浸漬する操作を5回繰り返し、テーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。得られた陽極酸化ポーラスアルミナの表面にイオンビームスパッタを用いてNiを50nmコートし導通層を形成した。この試料の表面にNiを厚さ300μm電析した後、ポーラスアルミナの層および地金アルミニウムを溶解除去することでテーパー形状ピラーアレーを有するNiモールドを得た。作製したNiモールドは、あらかじめ、0.1wt%”オプツール”溶液に浸漬して離型処理を施した。このモールドを用いて、ポリプロピレンの射出成形を行った。このときの射出成形条件は、樹脂温度は200℃、圧力1.3t/cm2、保持時間30秒、型温25℃であった。
実施例4〔射出成形による100nm周期ポリプロピレンホールアレーの形成〕
純度99.99%のアルミニウム板表面を0.3Mシュウ酸浴、浴温17度、化成電圧40Vの条件下で12時間陽極酸化を行った後、試料をクロム酸リン酸混合溶液に浸漬し、酸化皮膜のみ選択的に溶解除去し、同一条件下で再度25秒間陽極酸化を行った後、5wt%リン酸水溶液中で7分間エッチングを行う操作を5回繰り返すことでテーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを形成した。得られた陽極酸化ポーラスアルミナの表面にイオンビームスパッタを用いてNiを20nmコートし導通層を形成した。この試料の表面にNiを厚さ300μm電析した後、ポーラスアルミナの層および地金アルミニウムを溶解除去することでテーパー形状ピラーアレーを有するNiモールドを得た。作製したNiモールドは、あらかじめ、0.1wt%”オプツール”溶液に浸漬して離型処理を施した。このモールドを用いて、ポリプロピレンの射出成形を行った。このときの射出成形条件は、樹脂温度は200℃、圧力1.3t/cm2、保持時間40秒、型温25℃であった。
実施例5〔射出成形による500nm周期理想配列ポリプロピレンピラーアレーの形成〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、500 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.1 Mの濃度に調整したリン酸水溶液中で、浴温0℃において直流200Vの条件下で5秒間陽極酸化を行い、さらに10wt%リン酸水溶液、浴温30℃に20分間浸漬する操作を5回繰り返し、テーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。得られた陽極酸化ポーラスアルミナの表面にイオンビームスパッタを用いてNiを50nmコートし導通層を形成した。この後、重合開始剤として5%の過酸化ベンゾイルを添加したメタクリル酸メチルモノマー中に試料を浸漬し、50度で12時間保持することにより重合固化させた。その後、地金アルミニウムを機械研磨により露出させ、10wt%水酸化ナトリウム水溶液中で鋳型を溶解除去した。このようにして得られた樹脂製のネガ型表面に、先に形成したNiを導通層としてNiメッキを行った。Niメッキ層の厚みが300μmに達したところでメッキを終了し、クロロホルム中でポリマーを溶解除去することで表面にホールアレーパターンを有するNiモールドを得た。作製したNiモールドは、あらかじめ、0.1wt%”オプツール”溶液に浸漬して離型処理を施した。このモールドを用いて、ポリプロピレンの射出成形を行った。このときの射出成形条件は、樹脂温度は200℃、圧力1.3t/cm2、保持時間40秒、型温30℃であった。
実施例6〔射出成形による200nm周期理想配列ポリエチレンホールアレーの形成〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、200 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.05 Mの濃度に調整したシュウ酸水溶液中で、浴温17℃において直流80Vの条件下で3秒間陽極酸化を行い、さらに5wt%リン酸水溶液、浴温30℃に20分間浸漬する操作を5回繰り返し、テーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。得られた陽極酸化ポーラスアルミナの表面にイオンビームスパッタを用いてNiを50nmコートし導通層を形成した。この試料の表面にNiを厚さ300μm電析した後、ポーラスアルミナの層および地金アルミニウムを溶解除去することでテーパー形状ピラーアレーを有するNiモールドを得た。作製したNiモールドは、あらかじめ、0.1wt%”オプツール”溶液に浸漬して離型処理を施した。このモールドを用いて、ポリエチレンの射出成形を行った。このときの射出成形条件は、樹脂温度は225℃、圧力1.6t/cm2、保持時間40秒、型温30℃であった。
実施例7〔射出成形による200nm周期理想配列ポリカーボネートの形成〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、200 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.05 Mの濃度に調整したシュウ酸水溶液中で、浴温17℃において直流80Vの条件下で3秒間陽極酸化を行い、さらに5wt%リン酸水溶液、浴温30℃に20分間浸漬する操作を5回繰り返し、テーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。得られた陽極酸化ポーラスアルミナの表面にイオンビームスパッタを用いてNiを50nmコートし導通層を形成した。この試料の表面にNiを厚さ300μm電析した後、ポーラスアルミナの層および地金アルミニウムを溶解除去することでテーパー形状ピラーアレーを有するNiモールドを得た。作製したNiモールドは、あらかじめ、0.1wt%”オプツール”溶液に浸漬して離型処理を施した。このモールドを用いて、ポリカーボネートの射出成形を行った。このときの射出成形条件は、樹脂温度は305℃、圧力1.9t/cm2、保持時間60秒、型温91℃であった。
本発明に係る表面凹凸パターンを有する樹脂材製造方法は、微細な表面凹凸パターンが要求されるあらゆる樹脂材の製造に適用でき、とくに高スループットでの製造が要求される分野に好適なものである。
1、11、21、63、75 陽極酸化ポーラスアルミナ
2、12、22、62、72 細孔
3 導通層
4、13、25、36、64、76 電析層
5、14、27、31、42、47、53、54、66、78 射出成形用モールド
6、15 突起
7、17、28、86 凹凸パターン、
8、16、29、36、44、48、57、58、68、87 樹脂材
23 充填物質
24 ネガ型
26 ホールアレー構造
32、77、81 モールドの表面凹凸パターン
33、43、55、56、67 樹脂
34 樹脂充填部
35、41、46、51、52、65 隙間部
42、49 平坦部
71 アルミニウム
73 陽極酸化ポーラスアルミナ層
74 テーパー形状の細孔
82 凹凸パターンを有する射出成形用モールド
83 平坦な表面を有する射出成形用モールド
84 成形型
85 溶融した樹脂材

Claims (11)

  1. テーパー形状の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナであって、前記細孔を、該細孔の深さ方向にテーパー部と直行部を有する形状に形成した陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製した、表面に凹凸パターンを有し、該凹凸パターンにおける全てのピラーあるいはホールが射出成形における脱型の際の抜き勾配を付与された形態を有するネガ型モールドまたはポジ型モールドを用い、該モールドの凹凸パターンに対し樹脂を充填する射出成形により、成形される樹脂材の表面に凹凸パターンを形成するとともに、前記モールドの凹凸パターンに、前記細孔のテーパー部から形成され、射出成形時に樹脂が充填される樹脂充填部と、前記細孔の直行部から形成され、前記樹脂充填部の奥部に位置し樹脂が充填されない隙間部とを形成することを特徴とする、表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
  2. 前記モールドの作製に、細孔が規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを出発構造として用いることを特徴とする、請求項1に記載の表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
  3. 前記射出成形として、成形サイクルごとにモールドの表面温度を高めるヒートサイクル成形を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
  4. 表面に離型処理を施したモールドを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
  5. 表面にフッ素系化合物を付与することにより離型処理を施すことを特徴とする、請求項に記載の表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
  6. 樹脂材の表面に形成する凹凸パターンの細孔または突起のサイズが10nmから800nmの範囲であり、ピッチが 20nmから1μmの範囲であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
  7. 硫酸を電解液として用い、化成電圧10V〜120Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
  8. シュウ酸を電解液として用い、化成電圧30V〜130Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
  9. リン酸を電解液として用い、化成電圧180V〜220Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
  10. 定電圧で陽極酸化を施した後、一旦酸化皮膜を溶解除去し、再び同一条件下で陽極酸化を施すことで作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
  11. 陽極酸化に先立ち、アルミニウムの表面に微細な窪みを形成し、これを陽極酸化時の細孔発生の開始点として作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の表面凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
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