JP4954638B2 - 無機レジスト・パターンの形成方法、光ディスク原盤の製造方法、光ディスク・スタンパの製造方法及び光ディスク基板の製造方法 - Google Patents

無機レジスト・パターンの形成方法、光ディスク原盤の製造方法、光ディスク・スタンパの製造方法及び光ディスク基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ディスク原盤、光ディスク・スタンパ及び光ディスク基板の製造に用いて好適な無機レジスト・パターンの形成方法、光ディスク原盤の製造方法、光ディスク・スタンパの製造方法及び光ディスク基板の製造方法に関する。
高解像度で高テーパ角の形状パターンを実現する手段として、無機レジストを利用する方法が提案されている。これらは形状パターンを描画する活性エネルギー源として電子線やイオンビームを使うもの(例えば特許文献1,2参照)、極紫外光を使うもの(例えば特許文献3参照)、レーザ光を使うもの(例えば非特許文献1参照)などが報告されている。
描画エネルギーとしてレーザ光を使うもののうち、無機レジスト材料として金属酸化物を用いる方法が提案されている(例えば特許文献4,5参照)。この無機レジストは感熱反応によって潜像形成されるため、405nm程度の可視レーザ光による露光によってもスポット径よりも小さいパターンの露光が可能である。このため、Blu-ray Disc(商標)あるいはそれ以上の高記録密度化に対応した光ディスクのマスタリング技術に有用な技術として注目されている。
以下、図19を参照しながら、光ディスク原盤の作製から光ディスク基板の作製までの従来の工程の概略について説明する。まず、図19(a)に示すように、円盤状のガラス基板(又はシリコン基板)101を作製する。次に、図19(b)に示すように、ガラス基板101を回転させながら、このガラス基板101上にレジスト102を塗布する。
次に、図19(c)に示すように、ガラス基板101を回転させながら、このガラス基板101上に塗布されたレジスト102を所定の波長のレーザ光103により露光する。これにより、所望とする光ディスクのランド及びグルーブ等に応じた潜像パターンがガラス基板101上に形成される。次に、図19(d)に示すように、ガラス基板101を回転させながら、ガラス基板101上に現像液104を滴下して現像処理をする。これにより、所望とする光ディスクのランド及びグルーブ等に応じた凹凸パターンがガラス基板101上に形成される。以上により、目的とする光ディスク原盤が得られる。
次に、図19(e)に示すように、メッキ処理により光ディスク原盤111上にニッケル等の金属を析出させてメッキ層105を形成する。次に、図19(f)に示すように、このメッキ層105を光ディスク原盤111から剥離した後、図19(g)に示すようにトリミングを施して所定のサイズにすることにより、光ディスク・スタンパ106が得られる。そして、図19(h)に示すように、この光ディスク・スタンパ106を射出成形装置の金型107に装着し、金型107を閉じてキャビティを形成し、このキャビティ内に矢印aで示す方向からポリカーボネート(PC)等の溶融樹脂を注入後、硬化させて金型107を開く。これにより、光ディスク・スタンパ106の凹凸が転写された光ディスク基板108が得られる。
特開平6−132188号公報 特開平8−69960号公報 特開2004−172272号公報 特開2003−315988号公報 特開2004−152465号公報 Japanese Journal of Applied Physics, 44, 3574-3577, 2005
従来、レジスト材料として広く用いられている有機レジストとして、例えば、ノボラック系レジスト、化学増幅型レジスト等が知られているが、有機レジストは分子量が高いことに起因して露光部と非露光部との境界部のパターンが不明確となり、レジスト・パターンの凸形状のテーパ角が比較的緩慢となる。
これに対して、カルコゲナイドや金属酸化物からなる無機レジストは、低分子量であるので、露光部と非露光部との境界部で明瞭なパターンが得られ、有機レジストと比較して、レジスト・パターンの凸形状のテーパ角が急峻でエッジが直線的になる。従って、無機レジストを使用することにより高密度、高精度の微細加工を実現することが可能である。
一方、光ディスク原盤は、上述したように、ガラスやシリコンウェーハに塗布したフォトレジストにレーザ光を照射して潜像を形成し、現像、メッキ処理を経て剥離し、トリミングを行うことで得られる。有機レジストは、感光性レジストとして製品化され、有機レジストを用いた光ディスク原盤の生産技術は一連のプロセスとして確立されている。
スタンパ用途として後発の無機レジストは、しばしば有機レジストで得られる形状特性に、敢えて形状を合わせ込まねばならないことがある。例えば、図16に示した光ディスク原盤111からのメッキ層105の剥離工程、及び、光ディスク・スタンパ106から光ディスク基板108の剥離工程が円滑に行える程度に、凹凸パターンに一定以上の抜き勾配を確保しなければならない。この場合、無機レジストで得られる急峻なテーパ角を有機レジストのそれに合わせ込むことが必要になる。すなわち、無機レジストで得られる急峻なテーパを低減させることが必要となる。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、パターン凸部のテーパ角を任意に調整することができる無機レジスト・パターンの形成方法、光ディスク原盤の製造方法、光ディスク・スタンパの製造方法及び光ディスク基板の製造方法を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明者らは鋭意検討の結果、金属酸化物に含まれる酸素量を調整することで、無機レジスト・パターンの凸形状のテーパ角を急峻にしたり緩慢にすることが可能であることを見出し、本発明が完成するに至った。
すなわち、本発明の無機レジスト・パターンの形成方法は、基材上に金属酸化物からなる無機レジスト層を形成する工程と、無機レジスト層にレーザ光を照射して所定形状の潜像を形成する工程と、無機レジスト層を現像して基材上に潜像の形成部が凹部となる無機レジスト層の凹凸パターンを形成する工程とを有し、凹凸パターンの凸形状のテーパ角を金属酸化物に含まれる酸素量で制御することを特徴とする。
また、本発明の光ディスク原盤の製造方法は、基材上に金属酸化物からなる無機レジスト層を形成する工程と、無機レジスト層にレーザ光を照射して所定形状の潜像を形成する工程と、無機レジスト層を現像して基材上に潜像の形成部が凹部となる無機レジスト層の凹凸パターンを形成する工程とを有し、凹凸パターンの凸形状のテーパ角を金属酸化物に含まれる酸素量で制御することを特徴とする。
更に、本発明の光ディスク・スタンパの製造方法は、基材上に金属酸化物からなる無機レジスト層を形成する工程と、無機レジスト層にレーザ光を照射して所定形状の潜像を形成する工程と、無機レジスト層を現像して基材上に潜像の形成部が凹部となる無機レジスト層の凹凸パターンを有する光ディスク原盤を製造する工程と、光ディスク原盤の上に金属メッキ層を形成する工程と、金属メッキ層を光ディスク原盤から剥離する工程とを有し、凹凸パターンの凸形状のテーパ角を金属酸化物に含まれる酸素量で制御することを特徴とする。
そして、本発明の光ディスク基板の製造方法は、基材上に金属酸化物からなる無機レジスト層を形成する工程と、無機レジスト層にレーザ光を照射して所定形状の潜像を形成する工程と、無機レジスト層を現像して基材上に潜像の形成部が凹部となる無機レジスト層の凹凸パターンを有する光ディスク原盤を製造する工程と、光ディスク原盤又はその複製金型を用いて光ディスク基板を成形する工程とを有し、凹凸パターンの凸形状のテーパ角を金属酸化物に含まれる酸素量で制御することを特徴とする。
無機レジストを構成する金属酸化物は、酸素量を多くすることで凸形状のテーパ角を比較的大きく(急峻に)形成でき、逆に、酸素量を少なくすることで凸形状のテーパ角を比較的小さく(緩慢に)形成できる。また、酸素量を少なくすることで、無機レジスト層の露光部及び現像後のエッジ部の盛り上がりを小さく抑えることができるとともに、一定形状のパターンを得るのに必要なレーザパワーに広いマージンを付与できる。
なお、テーパ角の調整は、酸素量だけでなく、金属酸化物の金属純度によっても制御できる。すなわち、金属酸化物の金属成分の純度を高めることで凸形状のテーパ角を比較的大きく形成でき、金属成分の純度を低くすることで凸形状のテーパ角を比較的小さく形成できる。更に、金属酸化物の金属純度を高めることで、下地層2と無機レジスト層との間における結晶質界面層の発生を抑制でき、形状精度に優れたレジスト・パターンを形成することができる。
以上のように、本発明においては、金属酸化物に含まれる酸素量の調整で凹凸パターンの凸形状のテーパ角に任意に調整することにより、例えば光ディスク原盤の製造に際しては、酸素量を低下させることで上記凸形状のテーパ角の減少を図ることができ、光ディスク・スタンパ及び光ディスク基板の剥離性を高めることができる。また、酸素量の調整のみでパターン密度を容易に変更することができるので、光ディスク原盤の製造以外の他の工業製品の原盤にも容易に適用することが可能である。
以上述べたように、本発明によれば、金属酸化物からなる無機レジストを利用した凹凸パターンの形成に際して、その凸形状のテーパ角を任意に調整することができる。また、形状精度に優れた凹凸パターンを形成することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による光ディスク原盤の製造工程を説明するための模式図である。図2は、本発明の一実施形態による光ディスク・スタンパの製造工程を説明するための模式図である。図3は、本発明の一実施形態による光ディスク基板の製造工程を説明するための模式図である。
(光ディスク原盤の製造工程)
まず、図1Aに示すように、シリコン基板やガラス基板等からなる平滑な基材1を準備又は作製する。そして、図1Bに示すように、例えばスパッタリング法により、蓄熱を目的とする下地層2を基材1上に形成する。
下地層2を構成する材料としては、例えば、硫化亜鉛と二酸化ケイ素との混合体(ZnS−SiO2混合体)、五酸化タンタル(Ta2O5)、酸化チタン(TiO2)、シリコン(Si)、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化シリコン(SiN)を挙げることができる。特に、アモルファスシリコンの場合、高い表面平坦性及び膜厚均一性が得られる。
下地層2は無機レジスト層3の熱感度を調整するために必要に応じて適宜、設けられるものであり、膜厚は無機レジスト層の材料組成と感度に応じて任意に決めることができる。無機レジスト層3が酸化タングステン、基材1がシリコンウエハの場合、下地層2の厚さは15nm以上100nm以下にすることが好ましい。15nm未満であると、十分な露光感度が得られなくなってしまう。これに対して、100nmを超えると、より高感度とできるものの、レーザパワーに対するレジスト層の反応も急峻となるため、レーザ露光時の対物レンズの極わずかなフォーカスのずれ、あるいは光源となるレーザの微小な出力変動によっても形成されるパターンのばらつきを招いてしまう。
次に、図1Cに示すように、無機レジスト層3を下地層2の上に形成する。この無機レジスト層3を構成する材料には、金属酸化物が用いられる。
本発明で用いられる金属酸化物は、基材1の上に目的する形状を製造するプロセスに応じて任意の素材を用いることができる。具体例を挙げると、一酸化チタン(TiO)、二酸化チタン(TiO2)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化タングステン(WO2)、一酸化タングステン(WO)、二酸化モリブデン(MoO2)、三酸化モリブデン(MoO3)、一酸化モリブデン(MoO)、五酸化バナジウム(V2O5)、四酸化バナジウム(V2O4)、三酸化バナジウム(V2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化銅(CuO)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化スチビウム(酸化アンチモン:Sb2O3)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、一酸化ケイ素(SiO)、酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ニッケル(NiO)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、硫酸バリウム(BaSO4)、硫酸カルシウム(CaSO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、ケイ酸カルシウム(CaSi2O5)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、炭酸リチウム(Li2CO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸コバルト(CoCO3)、炭酸ストロンチウム(SrCO3)、炭酸ニッケル(Ni2CO3)、炭酸ビスマス((BiO)2CO3)、リン酸アルミニウム(AlPO4)、リン酸水素バリウム(BaHPO4)、リン酸リチウム(Li3PO4)、クエン酸亜鉛(Zn3(C6H5O7)2)、ホウ酸亜鉛(2ZnO・3B2O3)、ホウ酸バリウム(BaB4O7)、酸化ウラン(U3O8)などを例として挙げることができる。これらの金属酸化物は単独で用いることも、2種類以上を混合して用いることもできる。
これらの中で、レーザ、電子線、イオンビーム、水素プラズマ、紫外線、可視光線、赤外線などの活性エネルギー線によって、現像液に対する溶解度差(選択比)を生じる無機レジストとしては、金属酸化物のうち金属元素としてタングステン、モリブデン、バナジウム、タンタル、鉄、ニッケル、銅、チタン、ルテニウム、銀、亜鉛、アルミニウム、タリウム、ホウ素、ゲルマニウム、ニオブ、シリコン、ウラン、テルル、ビスマス、コバルト、クロム、スズ、ジルコニウム、マンガンを含むものなどが知られている。これらの内でも金属元素としてタングステン、モリブデン、バナジウム、タンタル、鉄を用いることができ、特に、タングステン、モリブデン、バナジウムを含む金属酸化物が無機レジスト層3として好適に用いられる。これらの金属は、単独の酸化物として用いることも、2種類以上の金属からなる酸化物として用いることもできる。
無機レジスト層3の成膜方法としては、乾式法としては、熱CVD、プラズマCVD、光CVDなどのCVD法(Chemical Vapor Deposition(化学蒸着法):化学反応を利用して気相から薄膜を析出させる技術)のほか、真空蒸着、プラズマ援用蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどのPVD法(Physical Vapor Deposition(物理蒸着法):真空中で物理的に気化させた材料を基板上に凝集させ、薄膜を形成する技術)を用いることができる。また、湿式法としては、バーコート、スピンコート、スクリーン印刷などの塗布法のほか、LB(Langmuir Blodgett)法、化学析出法、陽極酸化法、電解析出法などを用いることができる。
なお、金属元素に対する酸素の組成比は化学量論的なものである必要はなく、その金属元素がとり得る最大酸化数までの範囲内で、任意の値をとることができる。例えば、酸化タングステンの場合、WOxは、0<x≦3の任意のxの値をとることができる。
無機レジストとして使用する金属酸化物を構成する酸素量を調整する方法は、各成膜方法に応じて適宜、選択することができる。例えば、成膜をスパッタリング法で行う場合、酸素を含まない金属のターゲットを酸素の反応性スパッタで成膜する方法や、酸素含有量を制御した金属酸化物からなるターゲットをスパッタで成膜する方法などを採用することができる。
基材1上に形成される無機レジスト層3の厚さは任意に設定可能であるが、所望のピット又はグルーブの深さが得られるように設定する必要がある。例えば、Blu-ray Disk(商標)の場合には無機レジスト層3の厚さが15nm以上80nm以下の範囲であることが好ましく、DVD−RW(Digital Versatile Disc-ReWritable)の場合には20nm以上90nm以下の範囲であることが好ましい。
次に、図1Dに示すように、シリコン基板1を回転させると共に、露光ビーム(レーザ光)3bを無機レジスト層3に照射して、無機レジスト層3を全面にわたって露光する。これにより、露光ビーム3bの軌跡に応じた潜像3aが、無機レジスト層3の全面にわたって形成される。
図4は、無機レジスト層3の露光に用いられるカッティング装置30の一構成例を示す概略図である。青色半導体レーザ(BLD:Blue Laser Diode)31は、波長405nmの青色レーザ光を出射する。このレーザ光は、レンズ32及びレンズ33を通過した後、X−Yビームシフタ34においてレーザ光軸がX,Y方向に適宜調整される。次に、1/4波長板35においてレーザ光の偏光が変換された後、レーザ光は、ミラー36により反射されて、シャッター37に導かれ、このシャッター37により通過が制御される。
そして、シャッター37を通過したレーザ光は、シリンドリカルミラー38を介して音響光学偏向器(AOD:Acousto Optical Deflector)39に入射し、この音響光学偏向器39によって光学偏向が施される。次に、光学偏向が施されたレーザ光は、シリンドリカルミラー40を通過した後、ミラー41により反射されて、偏光分離素子(PBS:Polarization Beam Splitter)42に導かれる。次に、レーザ光は、偏光分離素子42により反射され、1/4波長板43により偏光が変換され、ビームエキスパンダ44によりビーム径が変換される。その後、レーザ光は、ダイクロイックミラー45により反射され、対物レンズ46により無機レジストサンプル61上に集光される。なお、無機レジストサンプル61は、ターンテーブル47上に載置され、スピンドル48により所定の速度により回転される。また、カッティング装置30は、移動光学テーブル60を備え、この移動光学テーブル60の移動に伴って、レーザ光のスポットが無機レジストサンプル61の径方向に移動される。
また、照射されたレーザ光に対する無機レジストサンプルからの戻り光は、対物レンズ46を通過し、ダイクロイックミラー45により反射され、ビームエキスパンダ44、1/4波長板43及び偏光分離素子42を通過する。その後、戻り光は、ミラー49により反射され、レンズ50を通過した後、ND(Neutral Density)フィルタ51により減衰されて、電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)52に供給される。ここで、電荷結合素子52は、無機レジストサンプル61からの戻り光のスポット形状、プロファイル等を観察する目的で配置され、露光条件が最適か否かを確認するために用いられる。
フォーカス用LD(Laser Diode)53は、波長633nmを有するフォーカス用のレーザ光を出射する。フォーカス用LD53から出射された光は、フォーカス用偏光分離素子(PBS:Polarization Beam Splitter)54を通過し、1/4波長板55によりその偏光が変換される。そして、そのレーザ光は、ダイクロイックミラー56にて反射され、ダイクロイックミラー45を透過した後、対物レンズ46により無機レジストサンプル61上に集光される。
また、フォーカス用レーザ光に対する無機レジストサンプル61からの戻り光は、ダイクロイックミラー45を透過した後、ダイクロイックミラー56にて反射され、1/4波長板55によりその偏光が変換される。そして、戻り光は、フォーカス用偏光分離素子54により反射されて、フォーカス用位置検出素子(F−PSD:Focus-Position Sensitive Device)57に供給される。このフォーカス用位置検出素子57が、供給されたレーザ光に基づき位置検出をし、検出結果に応じて対物レンズ46が制御される。
次に、基材1を回転させながら、無機レジスト層3上に現像液を滴下して、図1Eに示すように、無機レジスト層3を現像処理する。無機レジスト層3をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザ光で露光した露光部は、非露光部に比較して現像液に対する溶解速度が増すので、レーザ光の露光(潜像3a)に応じたパターンが無機レジスト層3に形成される。以上のようにして、基材1上に無機レジスト・パターンが形成された光ディスク原盤10が作製される。
現像液として用いる溶液は、金属酸化物の薄膜を溶解するものであれば、どのようなものでも使用することができる。酸の例を挙げると、塩酸、硝酸、酢酸のような液体の酸を適宜、水で希釈した溶液のほか、リン酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸のような固体の酸を水に溶かした溶液も利用することができる。アルカリの例を挙げると、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、アンモニア水溶液、トリエタノールアミン水溶液、ジエタノールアミン水溶液などのほか、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムのような固体のアルカリを水に溶かしたものも利用することができる。
現像液は、現像速度の調整や現像残渣の効率的な除去などの目的で、適宜、水溶液に有機溶剤を混ぜて用いたり、浸透剤や界面活性剤などを添加したりすることができる。現像液の温度は特に制限されるものではないが、薄膜の溶解速度を調整するために適宜、温度を調整するなどの方法を採用することができる。
(光ディスク・スタンパの製造工程)
次に、図2Aに示すように、現像後の光ディスク原盤10の凹凸パターン上に、例えば無電解メッキ法によりニッケル皮膜などの導電化膜4aを形成する。その後、導電化膜4aが形成された光ディスク原盤10を電鋳装置に取り付け、電気メッキ法により導電化膜4a上に例えば300±5μm程度の厚さになるようにメッキを施すことで、図2Bに示すように、凹凸パターンを有するメッキ層4を形成する。なお、メッキ層4を構成する材料としては、ニッケルなどの金属を用いることができる。
次に、図2Cに示すように、例えばカッターなどにより光ディスク原盤10からメッキ層4を剥離する。その後、このメッキ層4に対してトリミングを施して所定のサイズに加工した後、例えばアセトンなどを用いてメッキ層4の信号形成面に付着した無機レジストを洗浄する。以上により、目的とする光ディスク・スタンパ11を得ることができる。なお、この光ディスク・スタンパ11は、光ディスク原盤10の複製金型に相当する。
(光ディスク基板の製造工程)
次に、図3Aに示すように、例えば射出成形法により、光ディスク・スタンパ11の凹凸パターンをポリカーボネート(PC)などの樹脂材料に転写して、光ディスク基板12を作製する。具体的には、例えば、成形金型に光ディスク・スタンパ11を配置し、金型を閉じてキャビティを形成し、このキャビティ内にポリカーボネートなどの溶融樹脂材料を注入し、硬化後に金型を開く。これにより、所望のピット及びグルーブパターンが転写された光ディスク基板12が作製される。
次に、図3Bに示すように、情報信号部5を光ディスク基板12上に形成する。情報信号部5は、情報信号を記録可能及び/又は再生可能に構成され、その構成は、例えば、所望とする光ディスクが再生専用型、追記型及び書換可能型のうちいずれであるかに応じて適宜選択される。
所望とする光ディスクが再生専用型である場合には、情報信号部5は、例えば反射膜からなり、この反射膜の材料としては、例えば、金属元素、半金属元素、これらの化合物又は混合物が挙げられ、より具体的には、例えば、Al、Ag、Au、Ni、Cr、Ti、Pd、Co、Si、Ta、W、Mo、Geなどの単体、又はこれらの単体を主成分とする合金が挙げられる。そして、実用性の面を考慮すると、これらのうちのAl系、Ag系、Au系、Si系又はGe系の材料を用いることが好ましい。また、所望とする光ディスクが追記型である場合には、情報信号部5は、例えば、反射膜、有機色素膜を光ディスク基板12上に順次積層してなる積層膜である。所望とする光ディスクが書換可能型である場合には、情報信号部5は、例えば、反射膜、下層誘電体層、相変化記録層、上層誘電体層を光ディスク基板12上に順次積層してなる積層膜である。
次に、平面円環形状の光透過性シートを、このシートの一主面に予め均一に塗布された感圧性接着剤(PSA:Pressure Sensitive Adhesive)により、光ディスク基板12上の情報信号部5が形成された側に貼り合わせる。これにより、図3Cに示すように、例えば100μmを有する光透過層6が情報信号部5上に形成される。以上の工程により、目的とする光ディスク13を得ることができる。
なお、以上の説明では、光ディスク・スタンパ11を用いて光ディスク基板12及び光ディスク13を製造する例について説明したが、光ディスク・スタンパ11を用いずに、即ち光ディスク原盤10を用いて、光ディスク基板12及び光ディスク13を製造することも可能である。
上述したように、光ディスク基板12の表面に形成される凹凸パターンの形状精度は、光ディスク・スタンパ11の表面に形成された凹凸パターンの形状精度に依存する。一方、この光ディスク・スタンパ11の表面に形成された凹凸パターンの形状精度は、光ディスク原盤10の表面に形成された凹凸パターン即ち無機レジスト・パターンの形状精度に依存する。従って、光ディスク基板12を高精度に形成するためには、光ディスク原盤10の無機レジスト・パターンを高精度に形成することが必要となる。
(無機レジスト・パターンの形成)
次に、本実施形態における無機レジスト・パターンの形成方法の詳細について説明する。金属酸化物を利用した無機レジストは、感熱無機レジストとして機能する。特に、本実施形態における無機レジスト層3は、ポジ型レジストとして構成されている。ポジ型レジストは、図5に模式的に示すように、無機レジスト層3にレーザ光3bが照射されることでその照射部位に潜像3aが形成され、現像処理を施すことで潜像3aの形成部が凹部となる凹凸パターンを構成する。
ここで、無機レジスト・パターンの形成に際して、以下に説明するような幾つかの技術的課題が存在する。
図6は、露光工程におけるレジスト材料の挙動を模式的に示している。図6Aに示すように、無機レジスト層3はアモルファス金属酸化物層(例えばWO1.5)で構成されている。レーザ加熱された無機レジストは、図6Bに示すように、加熱部分のレジスト組成が変化して盛り上がり3Vを生じる。これは、レーザによる急激な加熱で局所的な酸化・還元反応が起こり、結晶の発生、比重の変化、クラックの発生などが起こるほか、無機レジスト材料である金属酸化物から放出された酸素によって、クラックが押し広げられたり、結晶間に空隙が形成されたりすることが原因だと考えられる。盛り上がり3Vは、レーザ照射部を頂点にして裾が広がった形状になるため、現像後に残る非露光部の形状においてもエッジ部分に盛り上がりの一部3Wが残ることがある(図6C)。
なお、無機レジストがポジ型としての性質を示す範囲内では、レーザ照射部の現像されやすさはレーザパワーにほぼ比例する。しかし、製造工程においては、無機レジストの現像されやすさはレーザパワーの変化に対して過敏にならないこと、すなわち、ある程度の照射量の変動に対しては同程度の現像性が得られることが望ましい。別の言い方をすると、ポジ潜像を形成するのに必要なレーザパワーにマージンがあることが望ましい。
また、無機レジストは低分子であるので、露光部と非露光部との境界部で明瞭なパターンが得られ、有機レジストと比較して、レジスト・パターンの凸形状のテーパ角が急峻となり、高密度な微細加工が実現可能となる。その一方で、光ディスク原盤を無機レジストを用いて形成する場合、凹凸パターン(レジスト・パターン)の凸形状のテーパ角(例えば図1Eに示すようにパターン側壁と底面とのなす角θ)が急峻であると、凹凸形状が転写される光ディスク・スタンパや光ディスク基板の剥離性が低下する。従って、現像後に残る凹凸パターンの凸形状のテーパ角が緩慢または急峻となるように自由に調整することができれば、それだけ無機レジストを適用できる用途が広がるほか、微細加工におけるかぶりの影響を低減して高密度化を実現することができる。
更に、基材1の上に下地層2を介して無機レジスト層3を形成した場合、図7に模式的に示すように、下地層2と無機レジスト層3との間に界面層8が現れることがある。これは、2つの材料の界面張力差(あるいは表面エネルギー差)が原因となって生じる無機レジストの結晶だと考えられている。そして、活性エネルギー線を照射して現像すると、現像によって溶解した無機レジスト層3の下から、溶け残った界面層8の表面凹凸8aが現れることがある。特に、無機レジスト層3が感熱反応型である場合は、界面層8上のレーザ加熱部分で結晶がさらに成長し、現像後に大きな凹凸や突起として現れる。
次に、本発明者らが検討した無機レジストの推察される反応機構について説明する。
感熱無機レジストとして金属酸化物を利用した場合、レジスト膜のレーザ照射部位では局所的な熱膨張、レジストを構成する分子間での酸素の再分配(酸化・還元反応)及び金属酸化物の分解による酸素ガス放出が同時に起こると考えられる。すなわち、短時間かつ局所的な強熱によって引き起こされる急激な分子振動の増大により、レーザ照射部位には瞬間的な体積膨張と化学反応が起こると同時に、微細なクラックが発生する。
ここで、図6を参照して説明すると、レーザ照射で強熱された分子のうち、あるものは酸素を放出して還元体(例えば、アモルファスWO)となり、あるものはその酸素を受け取って酸化体(例えば、アモルファスWO3、結晶WO3)となる。本発明で無機レジスト材料として用いられる酸化タングステン(WOx、0<x≦3)や酸化モリブデン(MoO、0<x≦3)などの金属酸化物は、酸化レベルの高い(xが大きい)ものはアルカリ溶解性が高く、酸化レベルの低い(xが小さい)ものはアルカリ溶解性が低い。従って、レーザ照射部位において、酸化された部分はアルカリ溶解性が向上し、還元された部分はアルカリ溶解性が低下する。このように、酸化生成物と還元生成物が混在している状態をアルカリ現像に付すと酸化生成物が溶解するため、その中に分散している還元生成物も一緒に脱離し、結果的に酸化・還元反応を起こした部位全体が現像されて形状パターンを形成すると考えられる。
また、酸化・還元反応の際、還元体は元の分子に比べて体積が減少し、酸化体は体積が増加する。本発明で用いる主な金属酸化物の比重は、結晶W3O(14.7g/cm3)、アモルファスWO1.5(11g/cm3)、結晶WO2(10.8g/cm3)、結晶WO3(7.2g/cm3)、アモルファスWO3(6.8g/cm3)、結晶MoO2(6.5g/cm3)、結晶MoO3(4.7g/cm3)などであり、酸化が進むにつれて比重が低下(体積は増大)する。また、成膜したアモルファスの金属酸化物層をレーザ加熱すると、レーザ照射部を中心に多数の結晶粒子が発生する。ここで、アルカリ溶解性についてアモルファスと結晶を比較したとき、同じ酸化レベルの化合物、例えばWO3同士ならば、格子状結合を形成していない分、アモルファスの方が結晶よりもアルカリに対して短時間で溶解する。この性質は、ネガ型レジストのパターン形成で利用される。このような体積の増大と減少、および結晶粒子の発生が、短時間のうちに同時に起こることも、クラック発生の原因になっていると考えられる。
更に、強熱によって金属酸化物から放出された酸素が、クラックを押し広げたり、結晶間に空隙を作ったりすることが考えられる。ここで、酸化タングステン(WOx、0<x≦3)や酸化モリブデン(MoOx、0<x≦3)などの金属酸化物において、例えばxが2以上など比較的酸化レベルが高いものは、レーザ加熱によって酸素ガスが発生する割合も高くなると考えられ、これがクラックを押し広げたり、結晶間に空隙を作ったりして体積を大きく膨張させると考えられる(図6Bにおける盛り上がり3Vに相当)。このため、現像して得られる形状パターンのエッジ部分の盛り上がり(図6Cにおける盛り上がり3Wに相当)も大きくなる。逆に、例えばxが2未満などの比較的酸化レベルが低いものは、酸素ガスの発生量も少なくなると考えられる。このため、レーザ照射部位の体積膨張も小さくなり、現像して得られる形状パターンのエッジ部分の盛り上がり3Wは小さくなる。
なお、発生したクラックや結晶間の空隙は、現像液を内部に浸透させる効果を高めるのに寄与すると考えられる。このため、酸化レベルが高い金属酸化物を使うほど、アルカリ溶解性も一層増大されることになる。
本発明では、以上の考察を踏まえて、上述した無機レジストのパターン形成時の技術的課題を解決するようにしている。
上述したように、レーザ照射部に生じる無機レジスト層3の盛り上がり3V(図6B)は、短時間かつ局所的な強熱によって引き起こされる無機レジストの熱膨張やクラックの発生、酸化・還元反応による密度分布の発生、結晶粒子発生による体積の膨張・収縮、無機レジスト材料の分解による酸素ガス発生、結晶間の空隙などによって生じると考えられる。盛り上がり3Vは、特にレーザ加熱による結晶粒子の発生が顕著な照射中心部で大きくなり、周辺方向に裾を広げた凸形状となる。結晶粒子は、金属酸化物同士の酸素のやり取りによって酸化された部分が、結晶格子を形成して安定化したものが主体であると推察される。
無機レジストである金属酸化物において、金属成分として何種類かの金属元素が混じり合っている場合、加熱によって酸化された部分は、数多くの小さな結晶が発生し易い状態にある。ここにレーザ照射を行うと、照射した中心部から裾部に向かうにつれて微細化していく。これをアルカリ現像すると、レーザ照射した周辺部から溶解が始まり、次いで、中央部付近の結晶粒子がえぐられるようにして脱離する。そして、深さ方向に矩形に溶解が進み、凸形状のパターンを形成する。この凸形状の時間的変化の様子を図8A〜D及び図9E〜Hに示す。図8及び図9は、ポジ型無機レジストの現像工程における凹凸パターンの時間的変化を説明する原子間力顕微鏡による一断面プロファイルである。
すなわち、レーザ照射部において最も現像されやすいのは照射中心部ではなく、無機レジストが酸化されながらも大きな結晶が成長せず、微結晶やアモルファスの酸化生成物の占める割合が高い周辺部である。従って、タングステン−モリブデン混合酸化物など、金属成分の純度が低く、結晶が発生しやすい無機レジスト材料では、現像によって溶解する部分と溶解しない部分の境界が不明瞭になりやすいと考えられる。このため、現像後に残る凸形状のテーパ角も緩慢なものが得られる。
これに対し、タングステン酸化物など金属成分の純度が高い金属酸化物を無機レジスト材料として使った場合、タングステン−モリブデン酸化物などの金属成分の純度が低い金属酸化物に比べて結晶化が起こりにくい。このため、無機レジスト層を構成するアモルファスの金属酸化物は、レーザ加熱で酸化された後でも、大きな結晶を形成せずに微結晶やアモルファスを保つ酸化生成物が占める割合が高いと考えられる。特に、レーザ照射部における周辺部ではこの効果が顕著となり、現像によって溶解する部分と溶解しない部分の境界が明確になりやすいと考えられる。このため、現像後に残る凸形状のテーパ角も急峻なものが得られる。
以上により、金属酸化物を構成する酸素量を調整することで、エッジ部分の盛り上がり3W(図6C)を抑えたり、凹凸パターンの凸形状のテーパ角を緩慢または急峻にすることができる。
既に述べたように、金属酸化物の分解で発生した酸素はクラックを押し広げたり、結晶間に空隙を作ったりして、レーザ照射部の体積を増大させていると考えられる。従って、金属酸化物を構成する酸素量を、現像でパターン形成できる最小量にとどめることで、エッジ部分の盛り上がり3Wを抑えることができる。一方、金属酸化物は酸化レベルが上がるほど透明性が増し、レーザ透過率が高くなる。このため、レーザ照射した無機レジストの表面と底面の温度差は、酸化レベルの高い金属酸化物ほど小さくなる。さらに、金属酸化物の酸化レベルが上がるのに比例して電気抵抗は大きくなり、これに反比例して熱伝導率は小さくなる。このため、無機レジスト膜において、レーザ入射方向に垂直な方向への熱伝導率は、酸化レベルが高いものほど小さくなる。この結果、金属酸化物の酸化レベルが上がるほど、膜厚方向の温度勾配は小さくなり、レーザ照射部周辺の狭い領域内で蓄熱されることになる(図10A,B)。これらの理由により、酸化レベルが高いものの方が、低いものよりもテーパ角は急峻になると考えられる。
一方、無機レジストをレーザ加熱して潜像を形成した後、現像して形状パターンを形成するプロセスにおいて、得られる形状パターンの外観がレーザパワーに大きく依存することは、製造管理上、望ましくない。すなわち、レーザパワーを増大させると、これに比例してレジストに加わる熱量も増大するため、レジスト膜厚が同じならばレーザパワーの変動は形状パターン間の幅(溝幅)の違いとなって現れる。パワー・マージンは現像で溶解する部分と残存する部分との溶解性の差(選択比)が大きくなれば、実質的に拡大することになる。従って、金属酸化物を構成する酸素量を低く抑える方法で、この問題に対処することができる。
なお、パワー・マージンは照射するレーザパワーを一定の間隔で変化させたときの、入射光量と反射光量の比の変動幅を指標とした。この値は、無機レジストのレーザ加熱でもたらされる組成変化に基づく反射率変化のほか、無機レジスト層3の盛り上がり3Vによる光散乱によっても影響を受ける。
次に、下地層2と無機レジスト層3との間に形成される界面層8の表面凹凸の抑制対策について説明する。
上述したように、無機レジストとして金属酸化物を使用する場合、基材1上に必要に応じて蓄熱を目的とする下地層2が形成され、この上に無機レジスト層3が形成される(図1C)。この際、基材1又は下地層2と無機レジスト層3との間の界面張力あるいは表面エネルギー差のために、無機レジスト層3は下地との接触界面において結晶化を起こすことがある。この結晶は加熱によって更に成長する。従って、無機レジスト層3をレーザ加熱すると、加熱部分に存在する結晶は大きく成長する。既に述べたように、レーザ加熱した無機レジスト層を現像するとき、一般的に粒子が格子状結合を形成している分、結晶はアモルファスよりも溶解に時間がかかる。このため、レーザ加熱部の無機レジスト層3を溶解させた後に、界面層の結晶が突起8aのような形状で残存することがある(図7)。
一般に、金属酸化物において金属成分の純度が低く何種類かの金属元素が混ざり合っている場合、金属酸化物には数多くの準安定な結晶構造が存在する。すなわち、図11Aに模式的に示すように、タングステンとモリブデンを含む金属酸化物においてはそのアモルファス状態と結晶状態cr3の間に、ポテンシャル障壁が低い準安定状態の結晶構造cr1,cr2,・・・が数多く存在する。その一方、金属成分が純粋(単元素)でないと、結晶は大きくは成長しにくくなる。従って、何種類かの金属元素が混ざり合った金属酸化物は、比較的低いエネルギーによっても、多数の小さな結晶を形成しやすい状態にある。このため、下地層2との界面張力の作用によって、無機レジスト層3における接触面は結晶化を起こしやすくなる。
これに対し、純度の高い金属酸化物(単一金属による金属酸化物)は、とり得る結晶構造の数が少ない。すなわち、図11Bに示すように、アモルファス状態と結晶状態の間のポテンシャル障壁が高く、結晶構造は安定である。その一方、金属成分が純粋なため、結晶格子は大きく成長できる。従って、高純粋の金属元素の酸化物は、比較的高いエネルギーを加えることで大きな結晶を形成する。このため、下地層2との界面張力など弱い力によっては、無機レジスト層における接触面は結晶化を起こしにくくなっている。
以上より、無機レジスト層3を構成する金属酸化物を単一の遷移金属(例えばタングステン)からなる金属酸化物で構成することにより、アモルファスから結晶への相転移を起こしにくくして、下地層2と無機レジスト層3との間における界面層8の発生を抑制することができる。これにより、無機レジスト・パターンの凹部底面を平坦化することが可能となる。金属酸化物の金属純度は概ね90%以上、好ましくは、98%以上であることが望ましい。
以上述べたように、無機レジスト層3を構成する金属酸化物に含まれる酸素量を制御することで、現像後に形成される凹凸パターンの凸形状のテーパ角を任意に調整することが可能となる。すなわち、酸素量を多くすることで凸形状のテーパ角を比較的大きく(急峻に)形成でき、逆に、酸素量を少なくすることで凸形状のテーパ角を比較的小さく(緩慢に)形成できる。
また、酸素量を少なくすることで、無機レジスト層3の露光部及び現像後のエッジ部分の盛り上がり3V,3Wを小さく抑えることができるとともに、一定形状のパターンを得るのに必要なレーザパワーに広いマージンを付与できるので、製造プロセスへの導入が容易となる。光ディスク・スタンパの製造においては、レジスト原盤を現像した後に残るエッジ部分の盛り上がり3Wは、1μm未満に抑えることが望ましい。
そして、テーパ角の調整は、酸素量だけでなく、金属酸化物の金属純度によっても制御できる。すなわち、金属酸化物の金属成分の純度を高めることで凸形状のテーパ角を比較的大きく形成でき、金属成分の純度を低くすることで凸形状のテーパ角を比較的小さく形成できる。更に、金属酸化物の金属純度を高めることで、下地層2と無機レジスト層3との間における結晶質界面層の発生を抑制でき、形状精度に優れたレジスト・パターンを形成することができる。
以上のように、本実施形態によれば、金属酸化物に含まれる酸素量の調整で凹凸パターンの凸形状のテーパ角を任意に調整することにより、例えば上述した光ディスク原盤10の製造に際しては、酸素量を低下させることで上記凸形状のテーパ角の減少を図ることができ、光ディスク・スタンパ11及び光ディスク基板12の剥離性を高めることができる。また、酸素量の調整のみで形成できるパターン密度を容易に変更することができるので、光ディスク原盤の製造以外の他の工業製品の原盤にも容易に適用することが可能である。
更に、金属酸化物の金属純度を高めることで、形成される無機レジスト・パターンの凹部の底面を平坦に形成できるので、光ディスク・スタンパ11の凹凸パターンの凸部上面、及びこの光ディスク・スタンパ11によって作製される光ディスク基板12の凹凸パターンの凹部底面の平坦性を高めることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[レジスト原盤の作製条件]
(比較例、実施例1〜4)
無機レジスト層に照射するレーザの熱が効率的に蓄積されるように、基材上にアモルファス・シリコンからなる100nmの下地層をスパッタ法で形成した。以下に、下地層の成膜条件について示す。
基材:8インチ・シリコンウエハ
ターゲット材料:シリコン
成膜ガス:アルゴン(Ar):26[sccm]
成膜開始ガス圧力:5.0×10-4[Pa]
成膜電力:DC135[W]
(実施例5,6)
無機レジスト層に照射するレーザの熱が効率的に蓄積されるように、基材上にZnS/SiO2=8/2(分子数比)からなる60nmの下地層をスパッタ法で形成した。以下に、下地層の成膜条件について示す。
基材:8インチ・シリコンウエハ
ターゲット材料:ZnS/SiO2=8/2(分子数比)
成膜ガス:アルゴン(Ar):20[sccm]
成膜開始ガス圧力:5.0×10-4[Pa]
成膜電力:RF200[W]
この下地層の上に、以下の各実施例に示す方法で無機レジスト層を形成し、レジスト原盤(光ディスク原盤)とした。
[露光・現像条件]
作製したレジスト原盤に対して、以下の条件でレーザ照射および現像を行い、DCグルーブ・パターン(ウォブルが施されていないパターン)を作製した。
光源:半導体レーザ(波長405[nm])
対物レンズ:開口数NA=0.9
光ディスク原盤送り速度:0.32[μm/revolution]
スピンドル:CLV(Constant Linear Velocity)方式:4.9[m/sec]
現像液:2.38%テトラメチルアンモニウム水溶液
(比較例)
下地層の上に、次の方法で無機レジスト層を成膜した。成膜後の膜厚は、23nmとした。
ターゲット材料: タングステン(W)/モリブデン(Mo)/酸素(O)
=32/8/60(原子数比)
成膜ガス:アルゴン(Ar):26[sccm]
酸素(O2):2[sccm]
成膜開始ガス圧力:5.0×10-4[Pa]
成膜電力:DC135[W]
得られた原盤にレーザ照射および現像を行い、DCグルーブ・パターンを作製し、その表面形状を原子間力顕微鏡により測定した。その結果を図12に示す。溝底部に大きな突起が発生している。また、凸形状のテーパ角は26°であった。
(実施例1)
下地層の上に、次の方法で無機レジスト層を成膜した。成膜後の膜厚は、30nmとした。
ターゲット材料:タングステン(W)
成膜ガス:アルゴン(Ar):28[sccm]
酸素(O2):2[sccm]
成膜開始ガス圧力:5.0×10-4[Pa]
成膜電力:DC135[W]
得られた原盤にレーザ照射および現像を行い、DCグルーブ・パターンを作製し、その表面形状を原子間力顕微鏡により測定した。その結果を図13に示す。溝底部での突起の発生は認められなかった。また、凸形状のエッジ部の盛り上がりは1.3nm、テーパ角は46°であった。
(実施例2)
下地層の上に、次の方法で無機レジスト層を成膜した。成膜後の膜厚は、30nmとした。
ターゲット材料:タングステン(W)
成膜ガス:アルゴン(Ar):29[sccm]
酸素(O2):1[sccm]
成膜開始ガス圧力:5.0×10-4[Pa]
成膜電力:DC135[W]
得られた原盤にレーザ照射および現像を行い、DCグルーブ・パターンを作製し、その表面形状を原子間力顕微鏡により測定した。その結果を図14に示す。溝底部での突起の発生は認められなかった。また、凸形状のエッジ部の盛り上がりは発生せず、テーパ角は39°であった。
実施例1,2の結果から、比較例と比較したとき、無機レジスト中の金属酸化物をタングステン単一金属の金属酸化物で構成したことによって、溝底部での突起の発生を防止することができた。
また、実施例2の結果から、実施例1と比較したとき、無機レジスト中の酸素量を減らすことによって、凸形状のエッジ部分の盛り上がりが無くなり、テーパ角が緩慢になったことがわかる。
(実施例3)
実施例1で用いた無機レジストの、レーザパワーと反射率の関係を調べた。その結果を図15に示す。最小自乗法によってプロットを一次直線で近似したときの直線の傾きは、−0.26であった。
(実施例4)
実施例2で用いた無機レジストの、レーザパワーと反射率の関係を調べた。その結果を図16に示す。最小自乗法によってプロットを一次直線で近似したときの直線の傾きは、−0.21であった。
実施例3と比較したとき、無機レジストに含まれる酸素量を減らすことによって、パワー変動に対する反射率比が小さくなった(パワー・マージンが広くなった)ことがわかる。
(実施例5)
下地層の上に、次の方法で無機レジスト層を成膜した。成膜後の膜厚は、23nmとした。
ターゲット材料: タングステン(W)/モリブデン(Mo)/酸素(O)
=28/7/65(原子数比)
成膜ガス:アルゴン(Ar):26[sccm]
成膜開始ガス圧力:5.0×10-4[Pa]
成膜電力:DC135[W]
得られた原盤にレーザ照射および現像を行い、DCグルーブ・パターンを作製し、その表面形状を原子間力顕微鏡により測定した。その結果を図17に示す。凸形状のエッジ部の盛り上がりは1nm、テーパ角は52°であった。
(実施例6)
下地層の上に、次の方法で無機レジスト層を成膜した。成膜後の膜厚は、23nmとした。
ターゲット材料: タングステン(W)/モリブデン(Mo)/酸素(O)
=32/8/60(原子数比)
成膜ガス:アルゴン(Ar):26[sccm]
成膜開始ガス圧力:5.0×10-4[Pa]
成膜電力:DC135[W]
得られた原盤にレーザ照射および現像を行い、DCグルーブ・パターンを作製し、その表面形状を原子間力顕微鏡により測定した。その結果を図18に示す。凸形状のエッジ部の盛り上がりは0.5nm、テーパ角は45°であった。
実施例6の結果から、実施例5と比較したとき、無機レジスト中の酸素量を減らすことによって、凸形状のエッジ部分の盛り上がりが減少し、テーパ角が緩慢になったことがわかる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施形態及び実施例において挙げた具体的な数値はあくまでも一例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の実施形態では、本発明を光ディスク原盤及びその製造方法に対して適用した例について説明したが、これに限られず、微細な凹凸パターンを有する種々のデバイス、例えば太陽電池における光反射防止構造、燃料電池における燃料流路、及びこれらの製造方法に対しても、本発明は適用可能である。
本発明の一実施形態による無機レジスト・パターン及び光ディスク原盤の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態による光ディスク・スタンパの製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態による光ディスク基板の製造方法を説明するための断面模式図である。 無機レジスト層の露光に用いたカッティング装置の概略構成図である。 ポジ型無機レジストの凹凸パターンの形成方法を説明する模式図である。 露光時における無機レジスト層中の金属酸化物の相変化の様子を説明するための模式図である。 無機レジスト層と下地層との間に形成される界面層とその問題点を説明するための模式図である。 ポジ型無機レジストの現像工程における凹凸パターンの時間的変化を説明するための図であり、原子間力顕微鏡による一断面プロファイルである。 ポジ型無機レジストの現像工程における凹凸パターンの時間的変化を説明するための図であり、原子間力顕微鏡による一断面プロファイルである。 無機レジスト膜の酸化レベルの高低とパターンのテーパ角との関係を説明するための模式図である。 無機レジストを構成する金属酸化物の金属相の相違によるアモルファス状態から結晶状態への相転移の様子を説明するポテンシャル図である。 本発明の比較例において説明する無機レジスト・パターンの原子間力顕微鏡による断面プロファイルである。 本発明の実施例1において形成した無機レジスト・パターンの原子間力顕微鏡による断面プロファイルである。 本発明の実施例2において形成した無機レジスト・パターンの原子間力顕微鏡による断面プロファイルである。 本発明の実施例3において説明する実施例1の無機レジスト・パターンについての照射レーザパワーと反射率との関係を示す図である。 本発明の実施例4において説明する実施例2の無機レジスト・パターンについての照射レーザパワーと反射率との関係を示す図である。 本発明の実施例5において形成した無機レジスト・パターンの原子間力顕微鏡による断面プロファイルである。 本発明の実施例6において形成した無機レジスト・パターンの原子間力顕微鏡による断面プロファイルである。 光ディスク原盤の作製から光ディスク基板の作製までの従来の工程の概略を説明するための模式図である。
符号の説明
1…基材、2…下地層、3…無機レジスト層、10…光ディスク原盤、11…光ディスク・スタンパ、12…光ディスク基板、13…光ディスク、30…カッティング装置

Claims (6)

  1. 基材上に、蓄熱層としての下地層を形成する工程と、
    前記下地層上に、アモルファス金属酸化物からなる単層の無機レジスト層を形成する工程と、
    前記無機レジスト層にレーザ光を照射し、前記レーザ光の照射領域に前記金属酸化物の結晶粒子を発生させつつ前記照射領域の周辺部の前記アモルファス金属酸化物の酸化レベルを高めることで、所定形状の潜像を形成する工程と、
    前記無機レジスト層をアルカリ溶液で現像し、前記照射領域の周辺部の前記アモルファス金属酸化物を溶解させつつ照射領域内の結晶粒子を脱離させることで、前記下地層上に前記潜像の形成部が凹部となる前記無機レジスト層の凹凸パターンを形成する工程とを有し、
    前記凹凸パターンの凸形状のテーパ角を大きくするときは、前記アモルファス金属酸化物の酸化レベルを高めることで、前記レーザ光照射時の前記無機レジスト層の膜厚方向の温度勾配を小さくする
    無機レジスト・パターンの形成方法。
  2. 請求項1に記載の無機レジスト・パターンの形成方法であって、
    前記金属酸化物層は、遷移金属酸化物層である無機レジスト・パターンの形成方法。
  3. 請求項2に記載の無機レジスト・パターンの形成方法であって、
    前記金属酸化物層は、タングステン、モリブデン及びバナジウムの少なくとも1種類を含有する無機レジスト・パターンの形成方法。
  4. 基材上に、蓄熱層としての下地層を形成する工程と、
    前記下地層上に、アモルファス金属酸化物からなる単層の無機レジスト層を形成する工程と、
    前記無機レジスト層にレーザ光を照射し、前記レーザ光の照射領域に前記金属酸化物の結晶粒子を発生させつつ前記照射領域の周辺部の前記アモルファス金属酸化物の酸化レベルを高めることで、所定形状の潜像を形成する工程と、
    前記無機レジスト層を現像し、前記照射領域の周辺部の前記アモルファス金属酸化物を溶解させつつ照射領域内の結晶粒子を脱離させることで、前記下地層上に前記潜像の形成部が凹部となる前記無機レジスト層の凹凸パターンを形成する工程とを有し、
    前記凹凸パターンの凸形状のテーパ角を大きくするときは、前記アモルファス金属酸化物の酸化レベルを高めることで、前記レーザ光照射時の前記無機レジスト層の膜厚方向の温度勾配を小さくする
    光ディスク原盤の製造方法。
  5. 基材上に、蓄熱層としての下地層を形成する工程と、
    前記下地層上に、アモルファス金属酸化物からなる単層の無機レジスト層を形成する工程と、
    前記無機レジスト層にレーザ光を照射し、前記レーザ光の照射領域に前記金属酸化物の結晶粒子を発生させつつ前記照射領域の周辺部の前記アモルファス金属酸化物の酸化レベルを高めることで、所定形状の潜像を形成する工程と、
    前記無機レジスト層を現像し、前記照射領域の周辺部の前記アモルファス金属酸化物を溶解させつつ照射領域内の結晶粒子を脱離させることで、前記下地層上に前記潜像の形成部が凹部となる前記無機レジスト層の凹凸パターンを有する光ディスク原盤を製造する工程と、
    前記光ディスク原盤の上に金属メッキ層を形成する工程と、
    前記金属メッキ層を前記光ディスク原盤から剥離する工程とを有し、
    前記凹凸パターンの凸形状のテーパ角を大きくするときは、前記アモルファス金属酸化物の酸化レベルを高めることで、前記レーザ光照射時の前記無機レジスト層の膜厚方向の温度勾配を小さくする
    光ディスク・スタンパの製造方法。
  6. 基材上に、蓄熱層としての下地層を形成する工程と、
    前記下地層上に、アモルファス金属酸化物からなる単層の無機レジスト層を形成する工程と、
    前記無機レジスト層にレーザ光を照射し、前記レーザ光の照射領域に前記金属酸化物の結晶粒子を発生させつつ前記照射領域の周辺部の前記アモルファス金属酸化物の酸化レベルを高めることで、所定形状の潜像を形成する工程と、
    前記無機レジスト層を現像し、前記照射領域の周辺部の前記アモルファス金属酸化物を溶解させつつ照射領域内の結晶粒子を脱離させることで、前記下地層上に前記潜像の形成部が凹部となる前記無機レジスト層の凹凸パターンを有する光ディスク原盤を製造する工程と、
    前記光ディスク原盤又はその複製金型を用いて光ディスク基板を成形する工程とを有し、
    前記凹凸パターンの凸形状のテーパ角を大きくするときは、前記アモルファス金属酸化物の酸化レベルを高めることで、前記レーザ光照射時の前記無機レジスト層の膜厚方向の温度勾配を小さくする
    光ディスク基板の製造方法。
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