JP5877705B2 - 微細パターン構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微細パターン構造体の製造方法に関し、特に、無機レジストパターンをマスクとして用いる微細パターン構造体の製造方法に関する。
近年、半導体、光学・磁気記録等の分野において高密度化、高集積化などの要求が高まるにつれ、数百nm〜数十nmあるいはそれ以下の微細パターン加工技術が必須となっている。そこで、これら微細パターン加工を実現するためにマスク・ステッパー、露光、レジスト材料等の各工程の要素技術が盛んに研究されている。
レジスト材料の検討は多数行われているが、現在、最も一般的なレジスト材料は、紫外光、電子線、X線などの露光光源による電磁エネルギーの付与で反応する光反応型有機レジスト(以下、「フォトレジスト」ともいう)である(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
露光に用いられるレーザー光において、通常レンズで絞り込まれたレーザー光の強度は、図3に示すようなガウス分布形状を示す。このとき、スポット径は1/eで定義される。一般的にフォトレジストの反応は、E=hν(E:エネルギー、h:プランク定数、ν:波長)で表されるエネルギーを吸収することにより開始される。このため、その反応は、光の強度には強く依存せず、むしろ光の波長に依存するため、光が照射された領域は、ほぼ全て反応が生じることになる(光の照射部分≒露光部分)。したがって、フォトレジストを使った場合は、スポット径に対して忠実に露光されることになる。
フォトレジストを用いる方法は、数百nm程度の微細なパターンを形成するには特に有効ではあるが、さらに微細なパターンを形成するには、原理的に必要とされるパターンより小さなスポット径で露光する必要がある。したがって、露光光源として波長が短いKrFレーザーやArFレーザーなどを使用せざるを得ない。しかしながら、これらの光源装置は非常に大型でかつ高価なため、製造コスト削減の観点から不向きである。さらに電子線、X線などの露光光源を用いる場合は、露光雰囲気を真空状態にする必要があるため、真空チェンバーを使用することとなり、コストや大型化の観点から制限がある。
一方、図3で示すような分布を持つレーザー光を物体に照射すると、物体の温度もレーザー光の強度分布と同じガウス分布を示す。このとき、ある温度以上で反応するレジスト、すなわち、熱反応型レジストを使うと、図4に示すように、所定温度(レジスト反応温度)以上になった部分のみ反応が進むため、スポット径より小さな範囲を露光することが可能となる(光の照射部分≠露光部分)。すなわち、露光光源を短波長化することなく、スポット径よりも微細なパターンを形成することが可能となるので、熱反応型レジストを用いることにより、露光光源の波長の影響を小さくすることができる。
光記録の分野においては、WO、MoO、その他カルコゲナイドガラス(Ag−As−S系)などを熱反応型レジストとして用い、半導体レーザーや476nmレーザーで露光して微細パターンを形成する技術が開発されている(特許文献2、非特許文献2参照)。これら光記録分野で用いられる光ディスクは、レジスト材料が塗布されたディスクにレーザーを照射して、ディスク表面に設けられた微細な凹凸に記録された情報を読み取るメディアの総称であり、トラックピッチと呼ばれる記録単位の間隔が狭いほど、記録密度が向上し、面積ごとに記録できるデータ容量が増加する。そのため、記録密度を向上させるためにレジスト材料を用いた微細な凹凸パターンの加工技術の研究が行われている。
しかしながら、これらの熱反応型レジストを用いた研究は、膜面方向にパターンのピッチを狭める(情報の記録密度向上)要望に対応したものであり、膜厚方向へ深く溝を形成する要望がなかった。一方で、近年、膜厚方向へ深い溝を有するパターン形状を用いるアプリケーションの要望が他分野で増えてきている。膜厚方向の溝の深さは、熱反応型レジストの膜の厚さがそのまま膜厚方向の溝の深さになる。このため、深い溝を形成するためには、熱反応型レジストを厚くする必要がある。しかしながら、熱反応レジストは、膜厚が厚くなることにより、露光による膜厚方向における反応の均一性が失われてしまう。その結果、膜厚方向に深い溝を形成することが困難となると共に、膜面方向の微細パターンの加工精度も低下してしまうという問題があった。
そこで、これらの熱反応型レジストの下に所望の溝の深さに対応する厚みの膜(以下、「エッチング層」ともいう)をあらかじめ成膜する方法も考えられる。この場合、露光・現像によりパターン形状が付与された熱反応型レジストをマスクして用いる。そして、このマスクを用いてエッチング層をエッチングすることにより深い溝を形成する。通常、膜厚方向に均一にエッチングするためにはドライエッチングが用いられる。例えば、エッチング層としてSiOを使用する場合、フロン系ガスでドライエッチングすることが可能である。ドライエッチングにより加工する場合、マスクとなる熱反応レジストには微細パターン加工ができることに加え、フロン系ガスに対してエッチング耐性を有することが求められる。上述したように、これまでに光記録の分野で研究が進められてきた熱反応型レジストを転用した例としてWO、MoOが報告されている。フロン系ガスでドライエッチングする場合、WOではエッチング耐性が十分ではない。このため、WOとSiOとのエッチング選択性は3倍未満(SiOのエッチング速度をWOのエッチング速度で除した値)に過ぎず、深い溝を形成するためのマスク材料としては不十分である(非特許文献3参照)。また、ウェットエッチングにより加工する場合、等方的なエッチングが可能であるが、WOとエッチング層とのエッチング選択性が十分ではない場合、所望の溝の深さを得ることが困難である。
一方、ドライエッチングに対して比較的高い耐性を有するAg、Cu及びそれらの化合物や、ドライエッチングに対して耐性を有する酸化物(公開されている材料のうち一部の材料に限る)を熱反応型レジストとして用い、その下層にエッチング層を積層した積層体が開発されている(特許文献3、特許文献4参照)。前者は、紫外線を用いてレジスト材料を昇華させることでパターンを形成し、その後ドライエッチングにより深い溝を形成する。しかしながら、特許文献3に記載された積層体Ag(レジスト層)/As(エッチング層)においては、Asが加熱により先に昇華してしまい、所望の加工を行うことができない。一方、後者は、酸化物に、熱・光・ガス反応などで凝集・核形成・分解作用を誘起することで海島パターンを形成した後、ドライエッチングにより深い溝を形成している。しかしながら、ランダムな海島構造しか形成することができず、均一な凹凸やライン形状の微細パターンなどのパターンサイズの制御が困難であった。
近年、これらの条件を改善する試みとして、本発明者らは、ドライエッチング耐性が高く、且つ、均一な凹凸やライン形状の微細パターンなどのパターンサイズの制御が可能な熱反応型レジストを開発している(特許文献5参照)。
特開2007−144995号公報 特開2003−315988号公報 特開昭60−98535号公報 特開2008−168610号公報 国際公開第2010/044400号パンフレット
(株)情報機構 発刊 「最新レジスト材料」 P.59−P.76 SPIE Vol.3424 (1998) P.20 The 19th Symposium on Phase Change Optical Information Storage (2007) P.77
特許文献5に記載の熱反応型レジストにおいては、比較的ドライエッチング耐性が高いものが存在する。しかしながら、特許文献5に記載の熱反応型レジストをマスクとして用いた場合においても、熱反応型レジストの下に設けられた基材をエッチングして微細パターン構造体を製造する場合には、必ずしも十分なエッチング選択性が得られない場合がある。このため、熱反応型レジストの下に設けられた基材を深くエッチングできる高いエッチング選択性が得られる微細パターン構造の製造方法が必要とされている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、高いエッチング選択性が得られる微細パターン構造体の製造方法及びそれにより得られる微細パターン構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、基材上に設けられた無機レジストパターンの表面に金属膜を形成することにより、無機レジストパターンと基材とのエッチング選択性を向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の微細パターン構造体の製造方法は、基材上に無機レジスト層を設ける工程と、前記無機レジスト層に電磁エネルギーを与えて熱反応領域を形成する工程と、前記無機レジスト層の前記熱反応領域又は未反応領域をエッチングして無機レジストパターンを形成する工程と、前記無機レジストパターンに金属膜を形成する工程と、前記金属膜を有する無機レジストパターンをマスクとして前記基材をエッチングして微細パターン構造体を得る工程と、を有することを特徴とする。
この方法によれば、無機レジストパターン表面に形成された金属膜により無機レジストパターンが補強されるので、基材のエッチングに伴う無機レジストパターンのエッチング量を低減できる。これにより、基材と無機レジストパターンとのエッチングの選択比が向上するので、高い選択性が得られる微細パターン構造体の製造方法を実現できる。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記電磁エネルギーの線源が、レーザーであることが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記レーザーが、半導体レーザーであることが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記無機レジスト層が、金属又は金属酸化物を含むことが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記無機レジスト層が、酸化銅を含むことが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記金属膜を形成する工程において、前記金属膜をめっき法によって形成することが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記めっき法として、電解めっき法を用いることが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記めっき法として、無電解めっき法を用いることが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記めっき法において、無電解めっき法を行ってから、電解めっき法を行うことが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記金属膜を形成する工程において、前記無機レジストパターンが形成された前記基材を触媒金属が含まれた溶液に浸漬し、前記無機レジストパターンに触媒能を付与してから、前記無電解めっき法により前記金属膜を形成することが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記金属膜が、主要フッ化物の沸点が200℃以上である元素を少なくとも1種含むことが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記金属膜が、鉛、ニッケル、クロム、銅、鉄、コバルト、錫、金、銀及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記無機レジストパターンのピッチが、1μm以下であることが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記エッチングとして、ドライエッチングを用いることが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記エッチングとして、ウェットエッチングを用いることが好ましい。
本発明の微細パターン構造体の製造方法においては、前記微細パターン構造体を得る工程において、前記基材の前記無機レジストパターン及び前記金属膜が形成された領域以外の領域をエッチングすることが好ましい。
本発明によれば、高いエッチング選択性が得られる微細パターン構造体の製造方法及びそれにより得られる微細パターン構造体を実現できる。
本実施の形態に係る微細パターン構造体の断面模式図である。 本実施の形態に係る微細パターン構造体の製造方法の概略を示す図である。 レーザー光の強度分布を示す図である。 レーザー光を照射された部分の温度分布を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、本実施の形態に係る微細パターン構造体の製造方法により製造される微細パターン構造体1について説明する。図1は、本実施の形態に係る微細パターン構造体1の断面模式図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る微細パターン構造体1は、基材11と、この基材11上に設けられ微細パターン加工が施された無機レジスト層12(以下、単に「無機レジストパターン12c」ともいう)と、無機レジスト層12の表面に設けられた金属膜13と、を具備する。
この微細パターン構造体1においては、表面に金属膜13を有する無機レジストパターン12cをマスクとして用い、無機レジストパターン12c間の基材11をエッチングすることにより凹部14が設けられている。この微細パターン構造体1においては、無機レジストパターン12cの表面に設けられた金属膜13によって無機レジスト層12が補強されるので、基材11のエッチングに伴う無機レジスト層12のエッチング量を低減できる。これにより、高いエッチング選択性で基材11をエッチングでき、深い凹部14を形成することができる。
次に、図2を参照して本実施の形態に係る微細パターン構造体の製造方法について説明する。図2は、本実施の形態に係る微細パターン構造体1の製造方法の概略を示す図である。
図2A〜図2Eに示すように、本実施の形態に係る微細パターン構造体1の製造方法は、基材11上に無機レジスト層12を設ける工程と、無機レジスト層12に電磁エネルギーを与えて熱反応領域12aを形成する工程と、無機レジスト層12の熱反応領域12a又は未反応領域12bをエッチングして無機レジストパターン12cを形成する工程と、無機レジストパターン12cの表面にめっき法などにより金属膜13を形成する工程と、金属膜13を有する無機レジストパターン12cをマスクとして基材11をエッチングして微細パターン構造体1を得る工程と、を有する。以下、各工程について詳細に説明する。
まず、基材11上に熱反応型レジスト材料などの無機レジスト材料を成膜して無機レジスト層12を設けることにより積層体2を作製する(図2A参照)。基材11としては、エッチングにより微細パターン構造体1を製造できるものであれば特に制限はない。また、基材11としては、後述するめっき法により無機レジストパターン12c上に選択的に金属膜13を形成する観点から、めっき法により基材11に金属膜13が形成されないものを用いることが好ましい。基材11としては、例えば、石英ガラス基材、ガラスロール、サファイア基材などを用いることができる。
なお、基材11として、めっき法により金属膜13が形成されるものを用いる場合には、基材11上に金属膜13の形成を抑制する他の層を設けてもよい。このような他の層としては、微細パターン構造体1を製造する際に、基材11と共にエッチングされる材料を用いる必要がある。例えば、ドライエッチングによって基材11をエッチングする場合、他の層の材料としては、フッ化物の沸点が200℃以下である元素を含むものが好ましい。このような元素としては、Ta、Si、Ge及びP並びにそれらの酸化物、窒化物、硫化物、及び炭酸化物並びにMo、及びWのシリサイドからなる群より選択された少なくとも1種を含むものが挙げられる。
無機レジスト層12は、無機レジスト材料により構成される。無機レジスト材料としては、一般的なリソグラフィー技術により無機レジストパターン12cを作製できるものであれば特に制限はない。これらの中でも、無機レジスト層12を構成する材料としては、熱リソグラフィーにより無機レジストパターン12cの形成が可能な熱反応型レジスト材料を用いることが好ましい。熱反応型レジスト材料においては、電磁エネルギー線の照射により、分解・酸化・溶融・昇華・相変化などの熱反応が生じる。この熱反応により、熱反応後の熱反応型レジスト材料と未反応の熱反応型レジスト材料との間でエッチング耐性が変化するので、エッチングにより熱反応領域12a又は未反応領域12bを選択的に除去することができる。熱反応型レジスト材料としては、例えば、本件出願人により既に出願した国際公開第2010/044400号パンフレットに記載されたものが挙げられる。
無機レジスト層12を構成する熱反応型レジスト材料としては、めっき法により無機レジストパターン12c表面に金属膜13を形成する観点から、金属又は金属酸化物を主成分とすることが好ましく、無機レジストパターン12cの微細化の観点から、酸化銅、酸化タングステン、モリブデン−ニオブ合金を主成分とすることがより好ましい。また、無機レジスト層12を構成する無機レジスト材料としては、数百nmオーダーの微細な無機レジストパターン12cを形成する観点から、酸化銅又は酸化タングステンなどの金属酸化物が好ましく、生産上のコストの観点から酸化銅を主成分とすることがより好ましい。酸化銅を用いる場合、添加剤を加えることで露光の熱反応による粒子成長を抑制することができ、より微細な形状のパターンを作製することができる。添加剤としては、シリコンや酸化シリコンなどを用いることができる。なお、主成分とは、無機レジスト層12中における成分の割合が51%以上であることをいう。
次に、無機レジスト層12に電磁エネルギー線を照射して熱反応させることにより熱反応領域12aを形成する(図2B参照)。無機レジスト層12の熱反応領域12a以外の領域は、未反応領域12bとなる。電磁エネルギー線としては、無機レジスト層12に熱反応領域12aを形成できるものであれば特に制限はない。電磁エネルギーの線源としては、レーザーを用いることが好ましく、コストや汎用性の観点から、半導体レーザーを用いることがより好ましい。特に、無機レジスト層12が熱反応型レジスト材料を含む場合には、半導体レーザーを用いることにより、露光光源波長の影響を低減できる。これにより、レーザー光の照射領域(スポット径)よりも小さい領域の熱反応が可能となり、より微細な形状のパターンを有する微細パターン構造体1を製造できる。
次に、無機レジスト層12の熱反応領域12a又は未反応領域12bをエッチングにより除去して無機レジストパターン12cを形成する(図2C参照)。エッチング法としては、熱反応領域12a又は未反応領域12bを除去できるものであれば、特に制限はない。エッチング法としては、例えば、ドライエッチングやウェットエッチングなどを用いることができる。本実施の形態においては、無機レジストパターン12cのピッチとしては、1μm以下の微細パターンを形成することができる。
熱反応領域12aをエッチングにより除去する場合には、無機レジスト層12を構成する材料としては、使用するエッチング液や反応性ガスに対して、未反応領域12bが耐性を有し、熱反応領域12aが可溶又は反応性を有するものを用いる。また、未反応領域12bをエッチングにより除去する場合には、無機レジスト層12を構成する材料としては、使用するエッチング液や反応性ガスに対して、熱反応領域12aが耐性を示し、未反応領域12bが可溶又は反応性を有するものを使用する。
ウェットエッチングを用いる場合、エッチング液としては、無機レジスト層12を構成する無機レジスト材料に応じて適宜選択する。例えば、無機レジスト材料として酸化銅を用いる場合には、グリシン水溶液を用いることができる。また、無機レジスト材料として酸化タングステンを用いる場合には、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いることができる。また、無機レジスト材料としてモリブデン−ニオブ合金を用いる場合には、塩酸水溶液と過酸化水素水との混合液を用いることができる。
次に、無機レジストパターン12c表面に金属膜13を形成して微細パターン形成用積層体3を製造する(図2D参照)。金属膜13は、基材11上に設けられた無機レジストパターン12cの上面及び側面を覆うように設けられる。このように金属膜13を形成することにより、微細パターン形成用積層体2の基材11をエッチングする際に、金属膜13が無機レジストパターン12cを補強する保護層として機能する。これにより、金属膜13を有する無機レジストパターン12cをマスクとして用いて基材11をエッチングする際に、無機レジストパターン12cのエッチング量を低減できるので、高い選択性で基材11をエッチングできる。
金属膜13としては、フロン系ガスを用いるドライエッチング耐性が高い無機材料を用いることが好ましい。本発明者らは、鋭意検討した結果、このような無機材料として、主要フッ化物の沸点が200℃以上である元素を少なくとも1つ以上含む材料が好ましいことを見出している(国際公開第2010/044400号パンフレット)。
金属膜13を構成する無機材料としては、主要フッ化物の沸点が200℃以上である元素を少なくとも1つ含むものが好ましい。このような元素としては、具体的には、鉛、チタン、ニッケル、クロム、マンガン、銅、鉄、コバルト、ジルコニウム、ニオブ、ロジウム、錫、金、銀、ハフニウム、タンタル、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、アンチモン、及びビスマスなどが挙げられる。これらの中でも、金属膜13を構成する無機材料としては、めっき法による金属膜13の形成が容易である観点から、鉛、ニッケル、クロム、銅、鉄、コバルト、錫、金、銀及び亜鉛からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましく、クロム、銅及び金からなる群から選択された少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
本実施の形態においては、めっき法により金属膜13を形成する。めっき法としては、例えば、電解めっき法や無電解めっき法などを用いることができる。めっき法は、無機レジスト層12を構成する材料や、無機レジストパターン12cの形状や大きさなどにより適宜選択できる。めっき法においては、従来公知のめっき液を用いて行うことができる。めっき法としては、数百nmオーダーに形成された無機レジストパターン12cを均一に被覆する観点から、金属膜13をより薄い膜厚に制御できる無電解めっき法を用いることが好ましい。無電解めっき法としては、例えば、基材11及び無機レジストパターン12cを銅めっき浴や金めっき浴などに浸漬させる方法などが挙げられる。銅めっき浴としては、例えば、酸化銅(II)、EDTA(エチレンジアミンテトラアセテート)、HCHO、NaOH,2,2’−bipyridylの混合液などを用いることができる。
また、電解めっき法と無電解めっき法とを組み合わせて金属膜13を形成してもよい。この場合には、金属膜13は、無電解めっき法で形成された第1の金属膜と、電解めっき法で形成された第2の金属膜とを有するものとなる。電解めっき法と無電解めっき法とを組み合わせることにより、無機レジストパターン12cに対して無電解めっき法のみでは金属膜13の形成が難しく、かつ直接電解めっき法を行うことが困難な場合においても金属膜13を確実に形成することができる。電解めっき法と無電解めっき法との組み合わせとしては、例えば、基材11及び無機レジストパターン12cを銅めっき浴に浸漬して無電解めっき法により銅めっき膜(第1の金属膜)を形成してから、クロムめっき浴に浸漬して電解めっき法によりクロムめっき膜(第2の金属膜)を形成する方法などが挙げられる。
無電解めっき法を用いる場合には、金属膜13を形成する前に、無電解めっきの触媒として機能する触媒金属が含まれた溶液に、無機レジストパターン12cが形成された基材11を浸漬することが好ましい。これにより、無機レジスト層12に触媒能をあらかじめ付与することが可能となり、金属膜13の形成が容易となる。特に、無機レジスト層12を構成するレジスト材料が、使用する無電解めっき液に対して触媒作用が低い場合に有効である。また、無機レジスト層12を構成するレジスト材料として金属酸化物を用いる場合には、水素などの還元剤を用いて無機レジストパターン12cの表面又は全体を還元させてから無電解めっき法を実施してもよい。これにより、触媒が必要な場合においても、触媒を用いることなくめっきすることができる。
次に、表面に金属膜13が形成された無機レジストパターン12cをマスクとして基材11をエッチングすることにより微細パターン構造体1を製造する(図2E参照)。微細パターン構造体11は、基材11の無機レジストパターン12c及び金属膜13が形成された領域以外の領域をエッチングすることにより製造される。ここで、本実施の形態においては、無機レジストパターン12cの表面に金属膜13が形成されているので、基材11を選択的にエッチングすることができ、深い凹部14が形成された微細パターン構造体1を製造することができる。
基材11のエッチング法としては、基材11をエッチングできるものであれば特に制限はなく、ドライエッチングやウェットエッチングを用いることができる。エッチング法は、基材11と金属膜13とのエッチング選択性や、所望の微細パターン構造体1のパターン形状に応じてドライエッチング又はウェットエッチングを選択する。エッチング法として、ドライエッチングを用いる場合には、金属膜13により基材11のドライエッチングに伴う無機レジストパターン12cのエッチング量を低減できるので、基材11を選択的にエッチングすることができる。また、エッチング法としてウェットエッチングを用いる場合には、金属膜13により基材11のウェットエッチングに伴う無機レジストパターン12cの溶解速度と基材11の溶解速度との差が大きくなるので、基材11を選択的にエッチングすることができる。
ドライエッチングの条件としては、特に制限されず、CFとCとの混合ガス、SFなどの各種反応性ガスを用いることができる。ドライエッチングを用いる場合、基材11に対して異方的にエッチングを行う観点から、基材11と金属膜13とのエッチング選択性が30以上であることが好ましい。酸化銅を主成分とする無機レジストパターン12cを使用した場合のドライエッチングにおける基材11と無機レジストパターン12cとの選択比が20程度(後述する比較例1参照)であることを考慮すると、エッチング選択性が30以上であれば、基材11に対して異方的にエッチングを行うことができる。
ウェットエッチングの条件としては、特に制限されず、例えば、フッ化水素酸水溶液などの各種エッチング液を用いることができる。フッ化水素酸水溶液を用いる場合には、形成しためっき膜(金属膜13)がフッ化水素酸水溶液に対して不溶であればよく、さらにめっき膜の形成のしやすさから金などの貴金属膜との組み合わせが好ましい。ウェットエッチングを用いる場合、基材11をより深くエッチングする観点から、基材11と金属膜13との溶解速度の選択性が30以上であることが好ましい。
なお、基材11に対して異方的にエッチングを行う場合には、ドライエッチングを用いることがより好ましい。また、基材11をエッチングする以外に、基材11と無機レジストパターン12cとの間にエッチング層を別途形成し、このエッチング層を上記エッチング法によりエッチングすることによっても微細パターン構造体1を製造することができる。
本実施の形態においては、無機レジスト層12を無機レジストパターン12cに加工し、無機レジストパターン12cの表面に金属膜13を設けてマスクとして用いる。これにより、熱反応に適した無機レジスト材料を無機レジスト層12として適宜使用して無機レジストパターン12cを形成できると共に、無機レジストパターン12cの補強に適したエッチング耐性に優れた無機材料を金属膜13として適宜使用できるので、マスクの形成に用いる無機材料の幅を広げることが可能となる。これに対して、無機レジスト層12を設けずに金属膜13のみをマスクとして用いる場合、金属膜13は光の吸収率が低いため、金属膜13の熱反応に非常に大きな電磁エネルギー(露光パワーなど)の付与が必要となり、マスクの形成に用いることができる無機材料の幅が狭くなる。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例によりなんら制限されるものではない。
(実施例1)
基材としては、2inchΦ、厚み0.5mmの石英ガラス基材を使用した。無機レジスト層の材料としては、酸化銅及びシリコンからなる熱反応型レジスト材料を使用した。スパッタリング法により、以下の条件で基材上に無機レジスト層を成膜した。なお、成膜した無機レジスト層を蛍光X線で分析したところ、シリコンの含有量は、7.5mol%であった。
ターゲット:酸化銅(II)+シリコン
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率95:5)
圧力(Pa):0.1
膜厚(nm):25
次に、成膜した無機レジスト層を露光した。本実施例では、無機レジストパターンの形状が、連続した溝型となるように露光した。なお、無機レジストパターンの形状は、露光中にレーザーの強度を変調させることにより、微細パターン構造体の用途によって波状や円形状、楕円形状など様々なパターンを形成できる。露光条件を以下に示す。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:1mW〜25mW
送りピッチ:120nm〜800nm
露光速度:0.88m/s〜7.0m/s
次に、エッチングにより無機レジスト層の熱反応領域を溶解させて無機レジストパターンを形成した。エッチングは、エッチング溶液として、酸化銅用のグリシン水溶液を用い、グリシン溶液に基材及び無機レジスト層を浸漬させることにより実施した。得られた無機レジストパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、無機レジスト層には、ピッチ300nm、開口幅140nmの溝形状の無機レジストパターンが形成されていた。
次に、無電解めっき法により無機レジストパターンの表面に銅めっき膜(金属膜)を形成した。無電解めっき法は、基材及び無機レジストパターンを銅めっき浴に浸漬させることにより実施した。銅めっき浴としては、硫酸銅(II)、EDTA、HCHO、NaOH、2,2’−bipyridylを用いた。
次に、銅めっき膜が形成された無機レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより基材である石英ガラスを異方的にエッチングして微細パターン構造体を作製した。ドライエッチングは、ガス種としてSFを用い、300W、5Paで1800secの条件で実施した。微細パターン構造体の断面をSEMにて観察したところ、凹部の深さは、1110nmであった。また、マスク部分の無機レジストパターンは1nm〜3nm程度しかエッチングされていなかった。エッチングの選択比は、370以上と非常に高い値であった。
(実施例2)
実施例1と同じ条件で無機レジストパターンを形成した。得られた無機レジストパターンをSEMにて観察したところ、無機レジスト層には、ピッチ280nm、開口幅120nmの溝形状の無機レジストパターンが形成されていた。
次に、無電解めっき法及び電解めっき法を併用して無機レジストパターンの表面に金属膜を形成した。まず、実施例1と同様の条件で無電解めっき法により無機レジストパターンの表面に銅めっき膜を形成した。次に、電解めっき法により銅めっき膜が形成された無機レジストパターン表面にクロムめっき膜を形成した。電解めっき法は、クロムめっき浴に基材及び無機レジストパターンを浸漬させることにより実施した。
金属膜(クロムめっき膜及び銅めっき膜)が形成された無機レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより基材である石英ガラスを異方的にエッチングして微細パターン構造体を作製した。ドライエッチングは、ガス種としてCFとCの混合ガスを用い、300W、5Paで2280secの条件で実施した。微細パターン構造体の断面をSEMにて観察したところ、凹部の深さは、380nmであった。マスク部分の無機レジストパターンは0〜1nm程度しかエッチングされていなかった。エッチングの選択比は、380以上と非常に高い値であった。
(実施例3)
実施例1と同じ条件で無機レジストパターンを形成した。得られた無機レジストパターンをSEMにて観察したところ、無機レジスト層には、ピッチ350nm、開口幅180nmを有する溝形状の無機レジストパターンが形成されていた。
次に、無電解めっき法により無機レジストパターンの表面に金めっき膜(金属膜)を形成した。無電解めっき法は、基材及び無機レジストパターンを金めっき浴に浸漬させることにより実施した。
金めっき膜が形成された無機レジストパターンをマスクとして、ウェットエッチングにより基材である石英ガラスを等方的にエッチングして微細パターン構造体を作製した。ウェットエッチングは、エッチング液としてフッ化水素酸水溶液を用い、エッチング液に基材及び表面に金めっき膜が形成された無機レジストパターンを2分間浸漬させることにより実施した。得られた微細パターン構造体の断面をSEMにて観察したところ、凹部の深さは、120nmであった。マスク部分の無機レジストパターンは、0〜1nm程度しかエッチングされていなかった。エッチング選択比は、120以上と非常に高い値であった。
(実施例4)
熱反応型レジスト材料として酸化タングステンを用い、下記の条件でスパッタリング法を実施した以外は、実施例1と同様に無機レジスト層の成膜及び露光を実施した。
エッチング液として、酸化タングステン用の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にエッチングを実施した。得られた無機レジストパターンをSEMにて観察したところ、無機レジスト層には、ピッチ260nm、開口幅110nmの溝形状の無機レジストパターンが形成されていた。
次に、実施例1と同様に無電解めっき法により無機レジストパターンの表面に銅めっき膜(金属膜)を形成した。
次に、銅めっき膜が形成された無機レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより基材である石英ガラスを異方的にエッチングした。ドライエッチングは、ガス種としてSFを用い、300W、5Paで1200secの条件で実施した。得られた微細パターン構造体の断面をSEMにて観察したところ、凹部の深さは、740nmであった。また、マスク部分の無機レジストパターンは1nm〜2nm程度しかエッチングされていなかった。エッチングの選択比は、370以上と非常に高い値であった。
(実施例5)
基材としては、2inchΦ、厚み0.5mmのサファイア基材を使用した。この基材上にドライエッチング層としてのSiO層(300nm)を、スパッタリング法により下記の条件にて成膜した。次に、ドライエッチング層上に無機レジスト層としての酸化タングステンからなる熱反応型レジスト材料を、スパッタリング法により下記の条件にて成膜した。
ターゲット:酸化シリコン
電力(W):RF250
ガス種類:アルゴン
圧力(Pa):0.05
膜厚(nm):300
ターゲット:タングステン
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率70:30)
圧力(Pa):0.5
膜厚(nm):40
次に、実施例1と同様の条件で無機レジスト層を露光した。
次に、実施例4と同様にエッチングを実施して熱反応領域を溶解させて無機レジストパターンを形成した。得られた無機レジストパターンをSEMにて観察したところ、無機レジスト層には、ピッチ300nm、開口幅150nmの溝形状の無機レジストパターンが形成されていた。
次に、実施例1と同様に無電解めっき法により無機レジストパターンの表面に銅めっき膜(金属膜)を形成した。
次に、銅めっき膜が形成された無機レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより基材である石英ガラスを異方的にエッチングして微細パターン構造体を作製した。ドライエッチングは、ガス種としてSFを用い、300W、5Paで450secの条件で実施した。得られた微細パターン構造体の断面をSEMにて観察したところ、凹部の深さは、277nmであった。また、マスク部分の無機レジストパターンは1nm〜2nm程度しかエッチングされていなかった。エッチング選択比は、138以上と非常に高い値であった。
(実施例6)
基材としては、2inchΦ、厚み0.5mmの石英ガラス基材を使用した。無機レジスト層の材料としては、モリブデン−ニオブ合金からなる熱反応型レジスト材料を使用した。スパッタリング法により、以下の条件で基材上に無機レジスト層を成膜した。
ターゲット:モリブデン−ニオブ合金
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴン
圧力(Pa):0.5
膜厚(nm):20
実施例1と同様に無機レジスト層を露光した。
モリブデン−ニオブ合金用のエッチング液として、塩酸水溶液と過酸化水素水との混合液を用いたこと以外は実施例1と同様にして無機レジストパターンを形成した。得られた無機レジストパターンをSEMにて観察したところ、無機レジスト層には、ピッチ280nm、開口幅160nmを有する溝形状の無機レジストパターンが形成されていた。
次に、電解めっき法により無機レジストパターンの表面にクロムめっき膜(金属膜)を形成した。電解めっき法は、基材及び無機レジストパターンをクロムめっき浴に浸漬させることにより実施した。
次に、クロムめっき膜が形成された無機レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより基材である石英ガラスを異方的にエッチングして微細パターン構造体を作製した。ドライエッチングは、ガス種としてCFとCとの混合ガスを用い、300W、5Paで2280secの条件で実施した。得られた微細パターン構造体の断面をSEMにて観察したところ、凹部の深さは、380nmであった。また、マスク部分の無機レジストパターンは、0〜1nm程度しかエッチングされていなかった。エッチング選択比は、380以上と非常に高い値であった。
(実施例7)
基材としては、面長400mmのガラスロール基材を使用した。無機レジスト層の材料としては、酸化銅とシリコンからなる熱反応型レジスト材料を使用した。ガラスロール基材の外周面上に実施例1と同様の条件でスパッタリング法により無機レジスト層を成膜した。
次に、実施例1と同様に露光により熱反応領域を形成し、熱反応領域をエッチングすることにより無機レジストパターンを形成した。次に、実施例1と同様に無電解めっき法により無機レジストパターン表面に銅めっき膜(金属膜)を形成した。
次に、無機レジストパターンの形状をフィルムへと転写し、転写したフィルムの表面をSEMにて観察したところ、ピッチ300nm、開口幅160nmの溝形状の微細パターンが形成されていた。つまり、ガラスロール上にはピッチ300nm、開口幅140nmを有する溝形状の無機レジストパターンが形成されていることを示している。
次に、無機レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより基材であるガラスロールを異方的にエッチングしてロール状微細パターン構造体を作製した。ドライエッチングは、ガス種としてSFを用い、1000W、3Paで600secの条件で実施した。得られたロール状微細パターン構造体のパターンをフィルムへ転写し、転写したフィルムの断面をSEMにて観察したところ、凹部の深さは、704nmであった。次に、ロール状微細パターン構造体を硫酸水溶液に浸漬させてマスク部分の無機レジストパターンを除去した後、再びロール状微細パターン構造体のパターンをフィルムへ転写した。転写したフィルムの断面をSEMにて観察したところ、凹部の深さは、686nmの形状であった。また、20nmの膜厚であったマスク部分の無機レジストパターンは2nm程度しかエッチングされていなかった。エッチング選択比は、343以上と非常に高い値であった。
(比較例1)
実施例1と同様の条件で酸化銅とシリコンからなる熱反応型レジスト材料を用いた無機レジストパターンを形成した。得られた無機レジストパターンをSEMにて観察したところ、無機レジスト層には、ピッチ300nm、開口幅140nmの溝形状の無機レジストパターンが形成されていた。
次に、無機レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより基材である石英ガラスを異方的にエッチングして微細パターン構造体を作製した。ドライエッチングは、ガス種としてSFを用い、300W、5Paで60secの条件で実施した。得られた微細パターン構造体の断面をSEMにて観察したところ、凹部の深さは、37nmであった。マスク部分の無機レジストパターンは、2nm程度エッチングされていた。エッチング選択比は、18程度であった。
(比較例2)
実施例4と同様の条件で酸化タングステンからなる熱反応型レジスト材料を用いた無機レジストパターンを形成した。得られた無機レジストパターンをSEMにて観察したところ、無機レジスト層には、ピッチ260nm、開口幅110nmの溝形状の無機レジストパターンが形成されていた。
次に、無機レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより基材である石英ガラスを異方的にエッチングして微細パターン構造体を作製した。ドライエッチングは、ガス種としてSFを用い、300W、5Paで60secの条件で実施した。得られた微細パターン構造体の断面をSEMにて観察したところ、凹部の深さは、37nmであった。マスク部分の無機レジストパターンは、18nm程度エッチングされていた。エッチングの選択比は、2程度であった。
Figure 0005877705
表1から分かるように、無機レジストパターンの表面に金属膜を形成した実施例1〜実施例7においては、無機レジスト層(無機レジストパターン)のエッチング量が低減され、いずれも高いエッチングの選択比が得られていることが分かる。これに対して、金属膜を形成しない比較例1及び比較例2においては、エッチングの選択比が低く、無機レジスト層がエッチングされるため、深い凹部を形成できないことが分かる。
本発明は、高いエッチング選択性が得られる微細パターン構造体の製造方法及びそれにより得られる微細パターン構造体を実現できるという効果を有し、特に、半導体、光学・磁気記録等の分野で使用される微細パターン構造体の製造に有効である。
1 微細パターン構造体
2 積層体
3 微細パターン形成用積層体
11 基材
12 無機レジスト層
12a 熱反応領域
12b 未反応領域
12c 無機レジストパターン
13 金属膜
14 凹部

Claims (16)

  1. 基材上に無機レジスト層を設ける工程と、前記無機レジスト層に電磁エネルギーを与えて熱反応領域を形成する工程と、前記無機レジスト層の前記熱反応領域又は未反応領域をエッチングして無機レジストパターンを形成する工程と、前記無機レジストパターンに金属膜を形成する工程と、前記金属膜を有する無機レジストパターンをマスクとして前記基材をエッチングして微細パターン構造体を得る工程と、を有することを特徴とする微細パターン構造体の製造方法。
  2. 前記電磁エネルギーの線源が、レーザーであることを特徴とする請求項1記載の微細パターン構造体の製造方法。
  3. 前記レーザーが、半導体レーザーであることを特徴とする請求項2記載の微細パターン構造体の製造方法。
  4. 前記無機レジスト層が、金属又は金属酸化物を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の微細パターン構造体の製造方法。
  5. 前記無機レジスト層が、酸化銅を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の微細パターン構造体の製造方法。
  6. 前記金属膜を形成する工程において、前記金属膜をめっき法によって形成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の微細パターン構造体の製造方法。
  7. 前記めっき法として、電解めっき法を用いることを特徴とする請求項6記載の微細パターン構造体の製造方法。
  8. 前記めっき法として、無電解めっき法を用いることを特徴とする請求項6記載の微細パターン構造体の製造方法。
  9. 前記めっき法において、無電解めっき法を行ってから、電解めっき法を行うことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の微細パターン構造体の製造方法。
  10. 前記金属膜を形成する工程において、前記無機レジストパターンが形成された前記基材を触媒金属が含まれた溶液に浸漬し、前記無機レジストパターンに触媒能を付与してから、前記無電解めっき法により前記金属膜を形成することを特徴とする請求項8又は請求項9記載の微細パターン構造体の製造方法。
  11. 前記金属膜が、主要フッ化物の沸点が200℃以上である元素を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の微細パターン構造体の製造方法。
  12. 前記金属膜が、鉛、ニッケル、クロム、銅、鉄、コバルト、錫、金、銀及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の微細パターン構造体の製造方法。
  13. 前記無機レジストパターンのピッチが、1μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の微細パターン構造体の製造方法。
  14. 前記エッチングとして、ドライエッチングを用いることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の微細パターン構造体の製造方法。
  15. 前記エッチングとして、ウェットエッチングを用いることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の微細パターン構造体の製造方法。
  16. 前記微細パターン構造体を得る工程において、前記基材の前記無機レジストパターン及び前記金属膜が形成された領域以外の領域をエッチングすることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の微細パターン構造体の製造方法。
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