JP3912748B2 - 精密成形用金型の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明に属する技術分野】
この発明は、主として小形精密成形製品の樹脂成形に用いられる精密成形用金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小形精密成形製品の樹脂成形に用いる金型を製造する場合、放電加工等の高精度の機械加工法が採用されている。
【0003】
また、複数個の同一形状の金型を製造する場合には、機械加工等により作製した高精度の母型(成形製品と凹凸が同じもの)の表面に電着金属層(金属メッキ層)を形成する電鋳加工法により、母型と凹凸が反対の型である電鋳シェルを形成し、この電鋳シェルに補強材を裏打ちして、金型を製作する方法が採用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−339777号公報
【特許文献1】
特開平6−33290号公報
【特許文献1】
特開2002−158191号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の放電加工等の機械加工では、一定の高精度の加工を行うことができるが、能率的な加工ができないので、製造工期が長くかかり、したがって、製造コストが著しく高くなるという欠点がある。
また、電鋳加工では、精密な複製が可能なので、同一形状の高精度の金型を複数製造する場合に適しているが、電着金属層の形成速度が遅いために、やはり製造工期が長くかかり、製造コストが高くなるという欠点がある。
【0006】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、同一形状の複数の精密成形用金型を短い製造工期でかつ安価に製造することができる精密成形用金型の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1の精密成形用金型の製造方法の発明は、シリコン基板表面にエッチングマスクを形成し次いで乾式あるいは湿式のエッチングを施す操作を必要回数繰り返して所望形状の凹所を持つシリコンの凹型を形成する第1工程と、減圧雰囲気中で前記凹型を低融点金属からなる溶融金属中に挿入し、その後雰囲気を加圧して、凹型挿入前後における雰囲気圧差により溶融金属を凹型の凹所に充填し、次いで溶融金属から引き上げて金属充填シリコン凹型を得る第2工程と、乾式あるいは湿式のエッチングにより前記金属充填シリコン凹型からシリコンを除去する第3工程とからなることを特徴とする。
【0008】
請求項2の精密成形用金型の製造方法の発明は、シリコン基板表面にエッチングマスクを形成し次いで乾式あるいは湿式のエッチングを施す操作を必要回数繰り返して所望形状の凹所を持つシリコンの凹型を形成する第1工程と、減圧雰囲気中で前記凹型を低融点金属からなる溶融金属中に挿入し、その後雰囲気を加圧して、凹型挿入前後における雰囲気圧差により溶融金属を凹型の凹所に充填し、次いで溶融金属から引き上げて金属充填シリコン凹型を得る第2工程と、乾式あるいは湿式のエッチングにより前記金属充填凹型からシリコンを除去して金属部材を得る第3工程と、前記金属部材を母型とする電鋳加工により電鋳シェルを形成し、この電鋳シェルに補強材を裏打ちして金型を製造する第4工程とからなることを特徴とする。
【0009】
請求項3は、請求項1又は2の精密成形用金型の製造方法において、第1工程におけるエッチングの際、異方性エッチングを施すことを特徴とする。
【0010】
請求項4は、請求項1又は2の精密成形用金型の製造方法において、第1工程において広いシリコン基板に複数の凹型部分を形成し、前記第2工程において各凹型部分の凹所にそれぞれ溶融金属を充填することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図5に請求項1の精密成形用金型の製造方法の発明の一実施形態を示す。
請求項1の精密成形用金型の製造方法は、例えば図1に示すように、シリコン基板1の表面にエッチングマスク2(2a、2b、2c)を形成し次いで乾式あるいは湿式のエッチングを施す操作を必要回数繰り返して所望形状の凹所3を持つシリコンの凹型4を形成するシリコン凹型形成の第1工程と、例えば図2、図3に示すように、減圧雰囲気中で前記凹型4を低融点金属からなる溶融金属7中に挿入し、その後雰囲気を加圧して、凹型挿入前後における雰囲気圧差により溶融金属7を凹型4の凹所3に充填し、次いで溶融金属7から引き上げて金属充填シリコン凹型40を得る第2工程と、乾式あるいは湿式のエッチングにより前記金属充填シリコン凹型40からシリコン(凹型4)を除去するシリコン除去の第3工程とからなる。これにより、例えば図4に示すような金属部材9を得ることができ、この金属部材9を図5のような金型16のコア金型16aとして用いることができる。
【0012】
上記シリコン凹型形成の第1工程の詳細を図1(イ)〜(チ)を参照して説明する。
まず、シリコン基板1(図1(イ))の表面にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の薄膜による最初のエッチングマスク2a形成する(図1(ロ))。
次いで、乾式あるいは湿式エッチングにより、シリコン基板1表面の、エッチングマスク2aのない部分をエッチングして凹所3の最も浅い部分である第1段階凹所3aを形成する(図1(ハ))。
次いで、前記第1段階凹所3aの表面に、2回目のエッチングマスク2bを形成する(図1(ニ))。
次いで、エッチングマスク2bのない部分をエッチングして凹所3の2番目に浅い部分である第2段階凹所3bを形成する(図1(ホ))。
次いで、前記第2段階凹所3bの表面に、3回目のエッチングマスク2cを形成する(図1(ヘ))。
次いで、エッチングマスク2cのない部分をエッチングして凹所3の最も深い部分である第3段階凹所3cを形成する(図1(ト))。なお、この実施形態では、3段階のエッチングで所望形状の凹所3が形成される場合であるが、さらにエッチングを必要とする場合であれば、エッチングマスクを形成しエッチングを施す操作を必要回数繰り返す。
最後にエッチングマスク2を薄膜用のエッチング液でエッチングして除去し、所望形状の凹所3を持つシリコンの凹型4を得る(図1(チ))。
【0013】
上記のように第1工程では、シリコン基板にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の薄膜を形成する薄膜形成工程とその薄膜に所定のパターンを形成するエッチングマスク形成工程とを複数回繰り返すが、薄膜形成工程は、一般的な薄膜形成技術で行う。また、エッチングマスク形成工程は一般的なフォトリソグラフィ技術を利用して行なう。簡単に説明すると、薄膜を形成したシリコン基板1上にレジストを塗布した後、フォトマスクを通して露光し次いで現像してマスクパターンと同パターンのレジストパターンを残し、残っているレジストをマスクにして下地のシリコン酸化膜を選択除去すると、薄膜のエッチングマスクを形成することができる。
また、シリコン(シリコン基板1)のエッチングには、一般的なシリコンエッチング液としてフッ酸水溶液等を用いることができる。しかし、フッ酸水溶液によるエッチングでは等方性エッチングとなるので、高アスペクト比(凹所深さ/開口部直径)の凹所を形成したい場合には所望の形状が得られない。そこで、高アスペクト比の凹所の場合には、KOH(水酸化カリウム)やTMAH(4−メチル水酸化アンモニウム)等の異方性エッチング液を用いて、シリコン基板1に異方性エッチングを施すとよい。
なお、エッチングに際しては、エッチング時間、エッチング温度等を制御して、凹所の深さを所望の深さ寸法にする。
【0014】
シリコン基板1に凹所3を形成して凹型4を得る手段としては、上記のようにエッチングマスクとしてシリコン酸化膜等を用い、KOH等で異方性エッチングを施す方法に限らず、例えば、シリコン酸化膜や樹脂系レジストあるいは金属薄膜等をエッチングマスクにしたDRIE(DeepReactive Ion Etching)法を用いることもできる。また、上記の異方性エッチング法とDRIE法とを組み合わせることで、より複雑な形状の凹型を形成することが可能となる。
【0015】
次に、上記金属充填の第2工程の詳細を図2、図3を参照して説明する。図2において、5は後述する溶融金属吸引法で金属充填を行なう金属充填装置を示す。この金属充填装置5は、内部雰囲気を減圧・加圧可能な真空チャンバー6内に、溶融金属7を収容した溶融金属槽8を配置した構成である。内部の雰囲気を減圧する減圧手段、加圧する加圧手段の図示や詳細説明は省略した。
【0016】
この第2工程では、予め、真空チャンバー6内の槽8内に低融点金属を入れておき、また、前工程で作製した凹型4(凹所3を形成したシリコン基板1)を真空チャンバー6内に入れておく。次いで、減圧手段により真空チャンバー6内を、例えば真空圧10−2〜103Pa(パスカル)程度まで減圧する。次いで、図示しないヒータにより槽8内の低融点金属を溶融(溶融金属7)させる。図2(イ)はこの段階を示す。
次いで、凹型4を溶融金属7中に挿入(浸漬)する(図(ロ))。この段階では溶融金属7は、通常、図3(イ)に示すように、凹型4の凹所3の狭く深い孔状部分(高アスペクト比の孔状部分)には浸入しない。
凹型4が溶融金属7と同じ温度に達した後、真空チャンバー6内部を加圧手段により大気圧以上例えば2〜5×105Pa(2〜5kgf/cm2)程度まで加圧すると、雰囲気(大気圧以上)と凹型4の凹所3内(真空圧)との間に圧力差が発生し、この圧力差により、図3(ロ)に示すように、凹型4の凹所3の全体(すなわち狭く深い孔状部分を含めた全体)に溶融金属7が充填される。
充填完了後、凹型4を溶融金属7から引き上げ(図2(ハ))、凹型4の表面に乗っている溶融金属が固まらないうちに、表面の溶融金属を取り除く。そのまま放置して室温冷却すると、凹所3内の溶融金属7が固化して、凹所3の内面形状に沿った形状の金属部材9となる(図3(ハ))。
なお、凹型4の凹所3に充填する金属としては、インジウム、錫、あるいは金−錫の半田結晶などの低融点金属を用いることが好ましい。ただし、特にこれらに限定されない。
【0017】
最後に、第3工程として、金属充填シリコン凹型40のシリコン(凹型4)を乾式あるいは湿式エッチングにより除去すると、図4に示すように、金属部材9が残る。こうして、凹型4の凹所3の内面形状に沿った凸形状の金属部材9が得られる。こうして得られた金属部材9が成形製品の反転型である場合には、前述した通り、図5に示すようなキャビティA(成形製品形状に等しい)を形成する金型16におけるコア金型16aとして使用することができる。16bはキャビティ金型を示す。
【0018】
上記の精密成形用金型の製造方法において、シリコン基板1にエッチングマスク2を形成しエッチングを施す操作を繰り返すシリコン凹型形成の第1工程では、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によりμmオーダーの高精度の凹型4を容易に作製することができる。そして、この凹型4の凹所3への溶融金属の充填に溶融金属吸引法を用いることにより、高アスペクト比の凹所であっても、短時間で確実に金属を充填することができる。これにより、金型を短い製造工期でかつ安価に製造することができる。
また、フォトリソグラフィ及びエッチングによる方法では、機械加工法と異なり、複数の凹型4を同時に作製することが容易なので、凹型4を安価に作製することができ、そして、複数の凹型4に同時に溶融金属を充填することで、金型をさらに安価に製造することができる。
また、広いシリコン基板を用い、その広いシリコン基板に複数個取り用のエッチングマスクを形成してエッチングを施すことにより、複数の凹所3を持つ多数個取り凹型を作製し、その多数個取り凹型の各凹所3に金属充填装置5で金属を充填することにより、複数の金型をさらに能率的にかつ安価に製造することができる。
【0019】
図4の金属部材9が成形製品の反転型(成形製品と凹凸が逆のもの)である場合には、上述の通りコア金型として用いることができるが、この金属部材9が母型(成形製品と凹凸が同じもの)である場合には、この金属部材9を電鋳マスタ(母型)として電鋳加工法により電鋳シェルを形成し、この電鋳シェルに補強材を裏打ちして、キャビティ金型を製造することができる。この方法は請求項2の精密成形用金型の製造方法であるが、その一実施形態を図6〜図9を参照して説明する。
【0020】
上述の方法で製造された図4の金属部材9を電鋳槽12内の電解液12a中に浸漬し、金属板11を陽極とし金属部材9を陰極として通電する電鋳加工を行って、所定の厚さの電鋳シェル10を形成する。なお、電解液として、金属部材9より融点が高いニッケルや銅等の金属の塩の水溶液を用い、陽極の金属板11も同じ金属(ニッケルや銅等)を用いる。次いで、電鋳シェル10付きの金属部材9を電鋳槽12から取り出し、これを金属部材9の融点よりも高い温度に加熱すると、融点の低い金属部材9のみが溶融して流れ出ることにより、電鋳シェル10が取り出される(図7)。この電鋳シェル10の裏面側(図7の上面側)を、図8に示すように補強材13で裏打ちすると、金属部材9と凹凸が反対のキャビティ金型17a(図9参照)が得られる。補強材13としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、錫−ビスマスや錫−亜鉛等の低融点合金等を用いることができる。また、14は補強材13を注入するための型枠である。
なお、薄い電鋳シェル10が図7の単独の状態では変形する恐れがある場合には、電鋳シェル10が金属部材9に付いた状態(図6の状態)で補強材13を裏打ちし、その後、金属部材9を加熱溶融させて除去するとよい。この場合、裏打ちの補強材として、低融点金属の金属部材9より融点の高い材料を用いる。なお、補強材13側のみを冷却しながら金属部材9を加熱してもよい。
【0021】
電鋳加工で金型を製造すること自体は本来、非能率的であるが、フォトリソグラフィを利用する凹型4の作製は、放電加工その他の高精度機械加工と比べてもさらに高精度の作製が可能なので、高精度のキャビティ金型を製造することが可能となる。
また、複数の凹型4を同時に作製することは容易であり、また上述のように広いシリコン基板に複数の凹型部分を形成することも可能であり、複数の凹型4または凹型部分の各凹所に同時に金属を充填する方法を採用することで、母型としての金属部材を多数能率的かつ安価に作製することができる。そして、複数の金属部材(母型)を電鋳槽に入れて同時に電鋳加工することで、電鋳加工法であってもキャビティ金型を能率的かつ安価に製造することが可能となる。
【0022】
【発明の効果】
請求項1の精密成形用金型の製造方法によれば、次のような効果が得られる。
▲1▼母型となるシリコンの凹型はフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して作製するので、μmオーダーの精密な凹型を作製することができ、この高精度の凹型に対応して、放電加工その他の高精度機械加工よりさらに高精度の金型を製造することができる。
▲2▼凹型の凹所に溶融金属を充填して金型を製造するので、従来の電鋳加工による金型製造方法と比べて、短い製造工期でかつ安価に金型を製造することができる。
▲3▼凹型の凹所への溶融金属の充填を溶融金属吸引法により行なうので、高アスペクト比の凹所(微細孔など)であっても、確実に溶融金属を充填することができる。
▲4▼フォトリソグラフィおよびエッチングによる方法では、複数のシリコン凹型を同時に作製することが容易であり、この複数の凹型に同時に金属を充填して、複数の金型を能率的にかつ安価に製造することができる。
上記のように、高精度の金型を短い製造工期でかつ安価に製造することが可能となる。
【0023】
請求項2によれば、高精度のシリコンの凹型による高精度の金属部材を母型とする電鋳加工であるため、放電加工その他の高精度機械加工よりさらに高精度の金型を製造することができる。
また、電鋳加工で金型を製造すること自体は本来、非能率的であっても、母型を能率的かつ安価に作製できるので、電鋳加工を利用する金型製造方法であっても、金型を能率的かつ安価に製造できる。
【0024】
請求項3によれば、シリコン基板に高アスペクト比の凹所(微細孔)を精度よく形成することができ、したがって、高アスペクト比の凹所を持つ成形製品用の金型を高精度よく製造できる。
【0025】
請求項4によれば、広いシリコン基板に複数の凹形部分を形成し、各凹型部分の凹所にそれぞれ溶融金属を充填するので、複数の金型または母型を同時に製造することができ、したがって、金型または母型を能率的にかつ安価に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施形態の精密成形用金型の製造方法における第1工程を説明する図である。
【図2】請求項1の発明の一実施形態の精密成形用金型の製造方法における第2工程を説明する図である。
【図3】上記第2工程においてシリコンの凹型に溶融金属が充填される状況を示すもので、(イ)は図2(ロ)の工程において金属充填装置の真空チャンバー内を加圧する前、(ロ)は図2(ロ)の工程において真空チャンバー内を加圧した後、(ハ)は凹型の凹所への金属充填が完了した状態を示す。
【図4】上記実施形態の製造方法により得られた金属部材(金型または母型)の断面図である。
【図5】請求項1の方法で製造しようとするコア金型の一例を示す断面図である。
【図6】請求項2の発明の一実施形態の精密成形用金型の製造方法を説明するもので、図4の金属部材を母型として電鋳加工を行う要領を示す図である。
【図7】図6の電鋳加工により形成された電鋳シェルの断面図である。
【図8】図6の電鋳シェルに補強材を裏打ちして得た金型の断面図である。
【図9】請求項2の方法で製造しようとするキャビティ金型の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2(2a、2b、2c) エッチングマスク
3 凹所
3a、3b、3c エッチング時の各段階の凹所
4 凹型(シリコンの凹型)
40 金属充填シリコン凹型
5 金属充填装置
6 真空チャンバー
7 溶融金属
8 溶融金属槽
9 金属部材(コア金型または母型)
16、17 金型
16a コア金型
17a キャビティ金型
Claims (4)
- シリコン基板表面にエッチングマスクを形成し次いで乾式あるいは湿式のエッチングを施す操作を必要回数繰り返して所望形状の凹所を持つシリコンの凹型を形成する第1工程と、減圧雰囲気中で前記凹型を低融点金属からなる溶融金属中に挿入し、その後雰囲気を加圧して、凹型挿入前後における雰囲気圧差により溶融金属を凹型の凹所に充填し、次いで溶融金属から引き上げて金属充填シリコン凹型を得る第2工程と、乾式あるいは湿式のエッチングにより前記金属充填シリコン凹型からシリコンを除去する第3工程とからなることを特徴とする精密成形用金型の製造方法。
- シリコン基板表面にエッチングマスクを形成し次いで乾式あるいは湿式のエッチングを施す操作を必要回数繰り返して所望形状の凹所を持つシリコンの凹型を形成する第1工程と、減圧雰囲気中で前記凹型を低融点金属からなる溶融金属中に挿入し、その後雰囲気を加圧して、凹型挿入前後における雰囲気圧差により溶融金属を凹型の凹所に充填し、次いで溶融金属から引き上げて金属充填シリコン凹型を得る第2工程と、乾式あるいは湿式のエッチングにより前記金属充填凹型からシリコンを除去して金属部材を得る第3工程と、前記金属部材を母型とする電鋳加工により電鋳シェルを形成し、この電鋳シェルに補強材を裏打ちして金型を製造する第4工程とからなることを特徴とする精密成形用金型の製造方法。
- 前記第1工程におけるエッチングの際、異方性エッチングを施すことを特徴とする請求項1又は2記載の精密成形用金型の製造方法。
- 前記第1工程において広いシリコン基板に複数の凹型部分を形成し、前記第2工程において各凹型部分の凹所にそれぞれ溶融金属を充填することを特徴とする請求項1又は2記載の精密成形用金型の製造方法。
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