JP2011206938A - 熱インプリント用モールドおよびその製造方法並びにそのモールドを用いた樹脂材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス転移点以上の温度に加温した熱可塑性樹脂材の表面に微細な凹凸パターン形成を行うための耐熱性と強度を併せ持つモールドであって、アルミニウム材の陽極酸化によって形成される表面に規則的なホールアレー構造を有する陽極酸化ポーラスアルミナ層を有することを特徴とする熱インプリント用モールド、およびその製造方法、並びにそのモールドを用いた樹脂材の製造方法。
【選択図】図1
Description
図1は、陽極酸化ポーラスアルミナ層1に対し地金アルミニウム層2部分を溶解除去することで得られる陽極酸化ポーラスアルミナ層1のみからなるモールド3を熱インプリントに適用した結果を模式的に示したものである。金属アルミニウムは比較的軟らかい材料であることから、地金アルミニウム層2が残存していると、加温条件下で荷重をかけると容易に塑性変形してしまい、それに伴い表面に形成された陽極酸化ポーラスアルミナ層1も破断してしまうためインプリント用モールドとして用いることは困難であることが多いが、陽極酸化ポーラスアルミナ層1のみからなるモールド3を用いれば、高温条件下での樹脂材4の熱インプリントプロセスに用いることが可能になる。
純度99.99%のアルミニウム板表面に、500 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.1 Mの濃度に調整したリン酸水溶液中で、浴温0℃において直流200Vの条件下で3時間陽極酸化を行った。その後、10重量%リン酸水溶液に120分間浸漬し、孔径拡大処理を施した。形成した高規則性ポーラスアルミナの表面に保護層を形成し、試料裏面より、0.3Mシュウ酸浴、80V、10℃の条件で、40時間陽極酸化を行い、残存アルミの酸化を行った。陽極酸化の後、試料表面に形成した保護膜を除去し、ポーラスアルミナモールドを形成した。得られたモールドを用いて、150℃の加温条件下でポリプロピレン製シートに100kg/cm2の荷重を3分間保持した。その後、室温まで冷却したのちモールドをポリプロピレンシートより剥離した。図9に熱インプリント後のポリプロピレン表面の電子顕微鏡による観察結果を示す。
2、11、22、32 地金アルミニウム
3、15、25、26、36、45、54 熱インプリント用モールド
4、16、27、37、46 樹脂材
13、24、34、35、44、64 支持層
14、23、23a、33、43 インプリント用モールド層
41、51 基板
42、53 アルミニウム薄膜
52 中間層
61 パイプ状アルミニウム
63、65、72 ロール状熱インプリント用モールド
71 芯材
Claims (22)
- ガラス転移点以上の温度に加温した熱可塑性樹脂材の表面に微細な凹凸パターン形成を行うための耐熱性と強度を併せ持つモールドであって、アルミニウム材の陽極酸化によって形成される表面に規則的なホールアレー構造を有する陽極酸化ポーラスアルミナ層を有することを特徴とする熱インプリント用モールド。
- 陽極酸化において残存した地金アルミニウム層の厚さが200μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の熱インプリント用モールド。
- 残存した地金アルミニウム層の厚さが100μm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の熱インプリント用モールド。
- 残存した地金アルミニウム層の厚さが30μm以下であることを特徴とする、請求項3に記載の熱インプリント用モールド。
- 陽極酸化の後地金アルミニウム部分が選択的に溶解除去された、耐熱性に優れた陽極酸化アルミナ層単体から構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の熱インプリント用モールド。
- 陽極酸化ポーラスアルミナ層とその背面側に設けられ少なくとも耐熱性に優れた支持層の少なくとも2層以上の多層構造を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の熱インプリント用モールド。
- アルミニウム材の陽極酸化によって形成されモールドとして機能する陽極酸化ポーラスアルミナ層と、前記陽極酸化において残存した地金アルミニウムを背面側よりさらに陽極酸化することで形成された耐熱性、機械強度に優れた酸化アルミニウムの支持層とを有することを特徴とする、請求項6に記載の熱インプリント用モールド。
- アルミニウム材の陽極酸化によって形成されモールドとして機能する陽極酸化ポーラスアルミナ層と、その背面側に設けられ耐熱性に優れた金属または金属酸化物からなる支持層とを有することを特徴とする、請求項6または7に記載の熱インプリント用モールド。
- 耐熱性に優れた基板上に形成されたアルミニウム薄膜の陽極酸化によって形成されモールドとして機能する陽極酸化ポーラスアルミナ層と、耐熱性に優れた支持層としての前記基板とを有することを特徴とする、請求項6に記載の熱インプリント用モールド。
- 耐熱性に優れた基板とアルミニウム薄膜層の間に両層の密着層として機能する中間層が介在されていることを特徴とする、請求項9に記載の熱インプリント用モールド。
- 陽極酸化ポーラスアルミナ層の細孔の孔径が連続的に変化していることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の熱インプリント用モールド。
- モールドとして機能する陽極酸化ポーラスアルミナ層がロール状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の熱インプリント用モールド。
- ガラス転移点以上の温度に加温した熱可塑性樹脂材の表面に微細な凹凸パターン形成を行うための耐熱性と強度を併せ持つモールドの製造方法であって、モールドの表面を、アルミニウム材の陽極酸化によって形成される表面に規則的なホールアレー構造を有する陽極酸化ポーラスアルミナ層で構成することを特徴とする、熱インプリント用モールドの製造方法
- アルミニウム材の陽極酸化の後地金アルミニウム部分を選択的に溶解除去し、モールドを、耐熱性に優れた陽極酸化アルミナ層単体から構成することを特徴とする、請求項13に記載の熱インプリント用モールドの製造方法。
- 陽極酸化ポーラスアルミナ層の背面側に耐熱性に優れた支持層を形成し、モールドを、少なくとも2層以上の多層構造に構成することを特徴とする、請求項13に記載の熱インプリント用モールドの製造方法。
- アルミニウム材の陽極酸化によってモールドとして機能する陽極酸化ポーラスアルミナ層を形成した後、前記陽極酸化において残存した地金アルミニウムを背面側よりさらに陽極酸化して耐熱性、機械強度に優れた酸化アルミニウムの支持層を形成することを特徴とする、請求項15に記載の熱インプリント用モールドの製造方法。
- アルミニウム材の陽極酸化によってモールドとして機能する陽極酸化ポーラスアルミナ層を形成するとともに、その背面側に耐熱性に優れた金属または金属酸化物からなる支持層を設けることを特徴とする、請求項15または16に記載の熱インプリント用モールドの製造方法。
- 耐熱性に優れた基板上に形成されたアルミニウム薄膜の陽極酸化によってモールドとして機能する陽極酸化ポーラスアルミナ層を形成することを特徴とする、請求項15に記載の熱インプリント用モールドの製造方法。
- モールドとして機能する陽極酸化ポーラスアルミナ層を形成するに際し、陽極酸化と孔径拡大処理を繰り返し行うことにより陽極酸化ポーラスアルミナの細孔の孔径を連続的に変化させることを特徴とする、請求項13〜18のいずれかに記載の熱インプリント用モールドの製造方法。
- モールドとして機能する陽極酸化ポーラスアルミナ層をロール状に形成することを特徴とする、請求項13〜19のいずれかに記載の熱インプリント用モールドの製造方法。
- ガラス転移点以上の温度に加温した熱可塑性樹脂材の表面に、請求項1〜12のいずれかに記載のモールドを用いて熱インプリントプロセスにより微細な凹凸パターンを形成することを特徴とする、表面に凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
- 熱可塑性樹脂材が、メチルメタクリレート、ポリカーボネート、スチレン、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、ポリエチレンのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項21に記載の表面に凹凸パターンを有する樹脂材の製造方法。
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