JP5079452B2 - 表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法 - Google Patents

表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インプリント用モールドを用いて表面に凹凸パターンを有するガラス材を製造する方法に関する。
ナノインプリント法は、サブミクロンからナノメータースケールの微細な凹凸パターンを基板表面に一括転写することが可能であることから、撥水・撥油性膜や反射防止膜、細胞培養シートなど様々な機能性デバイスを作製するための手法として期待されている。
ナノインプリント法は、通常、ポリマー材料の表面にナノパターンを形成するための手法として広く検討がなされてきているが、ガラス材に微細な凹凸パターンを形成するための手法としても期待されている。
インプリントプロセスを用いて、ガラス表面に微細パターンの形成を行う手法には大きく分けて2通りの手法が提案されている。具体的には、軟化点以上の温度に加熱したガラスに型を押し付けることによって、微細パターンの転写を行う熱インプリント法と、スピンオングラスのようなゾル−ゲル系の材料を用いて室温条件下で構造転写を行い、得られた構造体に熱処理を加え有機物を除去することによりガラス化するという室温インプリント法である。熱インプリント法では、高温条件下においても微細パターンの保持が可能であることに加え、機械強度にすぐれた材料からなるモールドが求められることから、ポリマー等の有機系材料は用いることができず、炭素材料や石英など無機系材料からなるモールドが検討されている。しかしながら、これらのモールドは、通常、各種リソグラフィー技術とドライエッチング技術を用いて作製されるため、パターンの微細化に限界があり、また大面積の微細パターンを形成することが困難であるという問題点を有した。一方、室温インプリント法では、構造転写は室温で行うことから、モールドの材質に制限はないが、既存のモールド作製技術では、微細パターンを有する大面積のモールドを作製することは容易ではないため、得られるガラス材のパターンサイズに制限があるという問題点を有した。
アルミニウム材を酸性浴中で陽極酸化することにより得られる陽極酸化ポーラスアルミナは、サイズの均一な細孔が自己組織化的に規則配列したホールアレー構造を有しており、大面積化も可能である等の特徴を有していることから、ナノインプリント用モールドとして有用な材料である。これまでに、陽極酸化ポーラスアルミナをモールドとして用いたナノインプリントにより、ポリマー材料の表面に微細な凹凸パターンの形成が可能であることが示されている(例えば、特許文献1)。また、陽極酸化ポーラスアルミナは、耐熱性に優れた酸化アルミニウムからなるため、インプリントの際に250℃以上の高温条件下に曝されるガラス用インプリントモールドとしても有望な材料であると考えられる。加えて、陽極酸化ポーラスアルミナは、その厚さを調節することで機械強度に優れた試料を得ることもできる。しかしながら、ポーラスアルミナを用いてガラス材料にインプリントを行った例は、これまでに報告されていない。
特開2007−86283号公報
本発明は、幅広い分野への応用展開が期待される表面に微細パターン、とくに微細な凹凸パターンが形成されたガラス材をインプリント法によって効率よく作製する際の上記問題点を解決するために、アルミニウム材を陽極酸化することによって得られる陽極酸化ポーラスアルミナをモールドとして用いることで、微細パターンを表面に有するガラス板を容易に得る手法について鋭意検討を行った結果完成されたものである。その目的は、サイズの均一な細孔または、突起が所定の形態で配列した微細な凹凸パターンが表面に形成されたガラス材、とくにガラス板を効率よく作製する方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、アルミニウム材の陽極酸化により形成され、表面にホールアレー構造を(例えば、表面に規則的なホールアレー構造を)有する陽極酸化ポーラスアルミナをインプリント用モールドとして用い、その表面幾何学構造をガラス材に転写することを特徴とする、表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法を基本構成とし、とくに本発明に係る表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法は、アルミニウム材の陽極酸化により形成され、表面にホールアレー構造を有する陽極酸化ポーラスアルミナをインプリント用モールドとして用いるに際し、該インプリント用モールドとして、アルミニウム材の片面側からの陽極酸化により形成された、表面にホールアレー構造を有する前記陽極酸化ポーラスアルミナと、該陽極酸化ポーラスアルミナの表面に保護膜層を形成した後、アルミニウム材の背面からのさらなる陽極酸化により残りの地金アルミニウム部分まで酸化されることで形成された耐熱性、機械強度にすぐれた酸化アルミニウムの支持層とを有したインプリント用モールドを用い、前記陽極酸化ポーラスアルミナの表面幾何学構造をガラス材に転写することを特徴とする方法からなる。このアルミニウム材の陽極酸化によって形成されるサイズの均一な細孔が規則的に配列したホールアレー構造を有する陽極酸化ポーラスアルミナは、ガラスインプリント用モールドに求められる耐熱性、機械強度を合わせもつ材料であり、これをインプリント用モールドとして用い、その表面幾何学構造をガラス材に転写することによって、目標とする微細な凹凸パターンが形成されたガラス板を温度的にも機械強度的にも問題を生じることなく確実に得ることができるようになる。
用いられるインプリント用モールドは、とくに、ガラスのインプリントに必須の条件である、250℃以上の温度条件下においても、モールド層として機能するホールアレー構造が変形することがないポーラスアルミナを用いることが好ましい。
本発明ではとくに、上記の如く、アルミニウム材のさらなる陽極酸化により残りの地金アルミニウム部分まで酸化されることで形成された耐熱性、機械強度にすぐれた酸化アルミニウムの支持層を有したインプリント用モールドを用いるすなわち、アルミニウム材の片側から陽極酸化を行った後、その試料背面より再度陽極酸化を行い、残りのアルミニウム地金の酸化を行うことにより、この酸化アルミニウムを支持層として機能する層としてポーラスアルミナ層の背面に形成することが可能であることから、全体として耐熱性・機械強度にすぐれたモールドを得ることが可能になる。
また、陽極酸化と孔径拡大処理を繰り返し行うことにより孔径を連続的に変化させた細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナをインプリント用モールドとして用いることもできる。このように、陽極酸化と孔径拡大処理を組み合わせることで作製される孔径が連続的に変化した細孔を有するポーラスアルミナを鋳型として用いれば、インプリントの際のガラス基板とモールドの剥離特性を向上させることができるだけでなく、突起径が連続的に変化した凹凸パターンをガラス表面に形成することも可能である。サイズが連続的に変化した突起が規則的に配列したガラス表面は、撥水・親水表面や反射防止膜として極めて有効な構造である。
また、陽極酸化ポーラスアルミナからなるインプリント用モールド、または、陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製したインプリント用モールドモールドを用いて、その表面幾何学構造をスピンオングラスなどのゾル−ゲル系材料に室温条件下で転写し、得られた構造体に加熱処理を加えガラス化することで、表面に規則的な窪み配列を有するガラス材を得ることもできる。このとき、ポーラスアルミナモールドは耐熱性に優れた材料からなるため、スピンオングラスを細孔内に充填した状態で加熱処理を行うことも可能である。スピンオングラスへの構造転写法は、あらかじめ、基板に塗布したスピンオングラスにモールドを押し付ける手法や、モールド表面にスピンオングラスを塗布乾燥後、剥離する手法も用いることできる。
インプリント用モールドを構成する陽極酸化ポーラスアルミナは各種の方法で作製可能である。例えば、シュウ酸を電解液として用い、化成電圧30V〜60Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナ、または硫酸を電解液として用い、化成電圧10V〜30Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナ、あるいはリン酸を電解液として用い、化成電圧180V〜200Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることで、より高い規則性を有するホールアレー構造からなるインプリント用モールドを得ることができる。
更に、定電圧で陽極酸化を施した後、一旦酸化皮膜を溶解除去し、再び同一条件下で陽極酸化を施すことで作製した陽極酸化ポーラスアルミナを用いることで、高い孔配列規則性を有するインプリント用モールドを得ることができる。
また、陽極酸化に先立ち、アルミニウムの表面に微細な窪みを形成し、これを陽極酸化時の細孔発生の開始点ととすることにより、細孔配列を制御した陽極酸化ポーラスアルミナの作製が可能であることから、これをインプリント用モールドとして用いることで、凹凸パターンの配列を制御したガラス材の形成も可能である。
この他にも、陽極酸化ポーラスアルミナをマスクとして、グラッシーカーボンやダイヤモンドなどの炭素材料のエッチングを行えば、これらの炭素材料基板表面にポーラスアルミナの構造に対応したホールアレーパターンの形成が可能である。また、ポーラスアルミナをマスクとして、炭素材料基板の表面に金属等のドットを形成し、得られたドットをマスクとしてドライエッチングを行うことで、ポーラスアルミナの反転構造である、突起配列パターンを基板表面に形成することも可能である。表面に微細パターンが形成された炭素系材料は、耐熱性、機械強度に優れていることから、熱インプリント用モールドとして有効であり、これを用いたインプリントプロセスにより、所望の凹凸パターンを有するガラス基板を得ることができる。また、陽極酸化ポーラスアルミナの細孔内へ物質充填し、鋳型を溶解除去することで得られるネガ型構造体をインプリント用モールドとして用いれば、表面に所望の窪み配列を有するガラス材を得ることもできる。
このように、本発明に係る表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法によれば、耐熱性と機械強度にすぐれた陽極酸化ポーラスアルミナからなるインプリント用モールドを用いてその表面幾何学構造をガラス材に転写することで、所望の微細な凹凸パターンを表面に有するガラス材を効率よく作製することができる。
以下に、本発明に係る表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法の望ましい形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の参考実施態様に係る表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法を示しており、アルミニウム材1の表面にモールドとして機能する陽極酸化ポーラスアルミナ(層)2を形成し、これをインプリント用モールド3として用い、ガラス材4の熱インプリントに適用する場合について模式的に示したものである。陽極酸化ポーラスアルミナ2の表面幾何学構造をガラス材4の表面に転写することで、表面微細パターンを有するガラス板を作製することができる。
図2は、上記において、陽極酸化の後、残りの地金アルミニウム部分5を溶解除去することで得られる酸化アルミニウム層のみからなるインプリント用モールド6を、ガラス材4の熱インプリントに適用する場合について模式的に示したものである。金属アルミニウムの融点は660℃程度であるため、地金アルミニウム部分5を含むモールドでは、660℃以上の温度で使用することはできないが、酸化アルミニウム層のみからなるモールドを用いれば、より高温条件下でのインプリントに用いることができる。また、軟質な特性を示すアルミニウム地金層を含まないことから、高圧力条件下でのインプリントにおいても表面のパターンが変形することなく使用することができる。
図3は、本発明に係る酸化アルミニウム支持層を有するモールドを作製し、熱インプリントに適用する場合について模式的に示したものである。アルミニウム材の片側より陽極酸化を行って陽極酸化ポーラスアルミナ(層)2を有する図1に示したモールド4と同様のモールド試料7を作製し、その後、その試料背面より続けて陽極酸化を行い、地金アルミニウム部分8の大部分を酸化アルミニウムとしこれを酸化アルミニウム支持層9とすることで、耐熱性、機械強度に優れた支持層9を有するインプリント用モールド10を得ることができる。得られたモールド10は、耐久性に優れたガラス用熱インプリントモールドとして有効であり、ナノインプリントプロセスによりガラス表面に微細な凹凸パターンを形成することが可能である。
図4は、陽極酸化ポーラスアルミナ11の細孔12を貫通させ、このポーラスアルミナをマスク13として、基板14のドライエッチングを行い、基板14の表面に窪み15の配列を形成し、得られた窪みパターンを有する基板14をモールド16として用いたナノインプリントにより、ガラス材4の表面に微細凹凸パターンを形成する場合について模式的に示したものである。本手法を用いれば、酸化アルミニウム以外の耐熱性に優れた材料で構成されるナノインプリント用モールドの作製も可能である。
図5は、陽極酸化ポーラスアルミナ21を鋳型とし、その細孔22内へ物質23の充填を行った後、鋳型を溶解除去することで得られたモールド24により、ガラスインプリントを行う場合について模式的に示したものである。このような鋳型プロセスで作製したモールド24を用いることで、ガラス材4の表面にホールアレーパターンを形成することが可能である。
図6は、陽極酸化ポーラスアルミナ31をモールドとし、ガラス基板層32上のスピンオングラス層33に構造転写を行った後、熱処理によりスピンオングラス層33のガラス化を行うことで、表面に微細パターンが形成されたガラス板の作製を行う場合について模式的に示したものである。
以下、実施例により更に本発明を詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。
参考実施例1〔ポーラスアルミナ膜モールドによるガラスへの熱インプリント〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、500 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.1 Mの濃度に調整したリン酸水溶液中で、浴温0℃において直流200Vの条件下で3時間陽極酸化を行った。その後、10重量%リン酸水溶液に120分間浸漬し、孔径拡大処理を施した。エッチング後の試料背面を、サンドペーパーにより研磨し、酸化皮膜を除去した後、ヨウ素飽和メタノール溶液中に浸漬し、地金アルミニウムのみ選択的に溶解除去した。地金溶解除去後のアルミニウム膜を、ガラス転移点が288℃である低融点ガラスの表面に置き、330℃の条件下で50kg/cm2の圧力で熱インプリントを行った。図7に熱インプリント後のガラス表面の電子顕微鏡による観察結果を示す。
実施例2〔アルミナ支持層を有するモール度によるガラスへの熱インプリント〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、500 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.1 Mの濃度に調整したリン酸水溶液中で、浴温0℃において直流200Vの条件下で3時間陽極酸化を行った。その後、10重量%リン酸水溶液に120分間浸漬し、孔径拡大処理を施した。その後、試料の表面に樹脂の保護膜層を形成し、0.5Mシュウ酸浴中、化成電圧100Vの条件下で48時間陽極酸化を行い、残りの地金アルミニウムの大部分を酸化させた。陽極酸化ののち、樹脂保護層をクロロホルムで溶解除去した。樹脂層を溶解した後の試料をモールドとし、ガラス転移点が288℃である低融点ガラスの表面に置き、330℃の条件下で50kg/cm2の圧力で熱インプリントを行った。図8に熱インプリント後のガラス表面の電子顕微鏡による観察結果を示す。
参考実施例3〔グラッシーカーボン製モールドの作製とガラスへの熱インプリント〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、500 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.1 Mの濃度に調整したリン酸水溶液中で、浴温0℃において直流200Vの条件下で5分間陽極酸化を行った。その後、10重量%リン酸水溶液に90分間浸漬し、孔径拡大処理を施した。エッチング後の試料地金部分を、飽和HgCl2水溶液中で溶解除去し、ポーラスアルミナマスクの作製を行った。得られたマスクを、鏡面研磨した、グラッシーカーボン上に置き、Arイオンエッチング装置で、3時間ドライエッチングを行うことにより、グラッシーカーボン基板上に規則的なホールアレーパターンの形成を行った。図9は、本手法で作製したグラッシーカーボン製インプリント用モールドを顕微鏡で観察した結果を示す。作製したグラッシーカーボン製モールドを、ガラス転移点が288℃である低融点ガラスの表面に置き、330℃の条件下で50kg/cm2の圧力で熱インプリントを行った。図10に熱インプリント後のガラス表面の電子顕微鏡による観察結果を示す。
参考実施例4〔メタルモールドを用いたガラスへの熱インプリント〕
純度99.99%のアルミニウム板表面に、500 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.1 Mの濃度に調整したリン酸水溶液中で、浴温0℃において直流200Vの条件下で5分間陽極酸化を行った。その後、10重量%リン酸水溶液に60分間浸漬し、孔径拡大処理を施した。試料表面にイオンビームスパッタ装置により、Ptを50nmコートしたのち、Pt層を電極としてNiメッキを行った。アルミナ細孔内および、その表面にNiを電析したのち、鋳型を溶解除去することでNiモールドを得た。作製したNiモールドを用いて、ガラス転移点が288℃である低融点ガラスの表面に置き、330℃の条件下で50kg/cm2の圧力で熱インプリントを行った。図11に熱インプリント後のガラス表面の電子顕微鏡による観察結果を示す。
実施例5〔スピンオンガラスを用いた表面規則凹凸パターンを有するガラス基板の作製〕 純度99.99%のアルミニウム板表面に、500 nm周期で突起が規則的に配列した構造を持つSiC製モールドを押し付け、表面に微細な凹凸パターンを形成した。テクスチャリング処理を施したアルミニウム板を、0.1 Mの濃度に調整したリン酸水溶液中で、浴温0℃において直流200Vの条件下で5分間陽極酸化を行った。その後、10重量%リン酸水溶液に60分間浸漬し、孔径拡大処理を施した。得られた試料の表面を、フッ素系の表面処理剤により表面修飾した。モールド表面にスピンオングラスを滴下し80℃の条件下で乾燥させることにより細孔内へ充填を行った後、ガラス基板上への剥離を行うために、乾燥固化後の試料の上に再度スピンオングラスを滴下しその上にガラス基板を設置し80℃の条件下で加熱処理した。スピンオングラスが完全に固化した後、ガラス層をポーラスアルミナモールドより剥離し、400℃の条件下で1時間加熱処理を施すことでガラス化を行った。図12に、スピンオングラスを用いて得られたガラス表面の電子顕微鏡写真による観察結果を示す。
本発明に係る方法は、表面に微細な凹凸パターンを持たせることが要求されるあらゆるガラス材の製造に適用でき、撥水・撥油性表面を有するガラス材や、反射防止性能を備えたガラス材、細胞培養用のガラス材等、様々な機能を備えたガラス材の製造に適用できる。
本発明の参考実施態様に係る方法を示す概略構成図である。 本発明の別の参考実施態様に係る方法を示す概略構成図である。 本発明の実施態様に係る方法を示す概略構成図である。 本発明のさらに別の参考実施態様に係る方法を示す概略構成図である。 本発明のさらに別の参考実施態様に係る方法を示す概略構成図である。 本発明の別の実施態様に係る方法を示す概略構成図である。 参考実施例1における熱インプリント後のガラス表面の電子顕微鏡による観察結果を示す図である。 実施例2における熱インプリント後のガラス表面の電子顕微鏡による観察結果を示す図である。 参考実施例3で作製したインプリント用モールドを顕微鏡で観察した結果を示す図である。 参考実施例3における熱インプリント後のガラス表面の電子顕微鏡による観察結果を示す図である。 参考実施例4における熱インプリント後のガラス表面の電子顕微鏡による観察結果を示す図である。 実施例5におけるガラス表面の電子顕微鏡による観察結果を示す図である。
符号の説明
1 アルミニウム材
2、11、21、31 陽極酸化ポーラスアルミナ
3、6、10 インプリント用モールド
4 ガラス材
5、8 地金アルミニウム部分
7 モールド試料
9 酸化アルミニウム支持層
12、22 細孔
13 ポーラスアルミナマスク
14 基板
15 窪み
16、24 モールド
23 充填物質
32 ガラス基板層
33 スピンオングラス層

Claims (9)

  1. アルミニウム材の陽極酸化により形成され、表面にホールアレー構造を有する陽極酸化ポーラスアルミナをインプリント用モールドとして用いるに際し、該インプリント用モールドとして、アルミニウム材の片面側からの陽極酸化により形成された、表面にホールアレー構造を有する前記陽極酸化ポーラスアルミナと、該陽極酸化ポーラスアルミナの表面に保護膜層を形成した後、アルミニウム材の背面からのさらなる陽極酸化により残りの地金アルミニウム部分まで酸化されることで形成された耐熱性、機械強度にすぐれた酸化アルミニウムの支持層とを有し、前記さらなる陽極酸化後に前記保護膜層を除去したインプリント用モールドを用い、前記陽極酸化ポーラスアルミナの表面幾何学構造をガラス材に転写することを特徴とする、表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法。
  2. 250℃以上の温度条件下で使用可能なインプリント用モールドを用いることを特徴とする、請求項1に記載の表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法。
  3. 陽極酸化と孔径拡大処理を繰り返し行うことにより孔径を連続的に変化させた細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナをインプリント用モールドとして用いる、請求項1または2に記載の表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法。
  4. 陽極酸化ポーラスアルミナからなるインプリント用モールドを用いて、スピンオングラスに構造転写を行い、それを加熱処理してガラス化することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法。
  5. シュウ酸を電解液として用い、化成電圧30V〜60Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナをインプリント用モールドとして用いる、請求項1〜のいずれかに記載の表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法。
  6. 硫酸を電解液として用い、化成電圧10V〜30Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナをインプリント用モールドとして用いる、請求項1〜のいずれかに記載の表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法。
  7. リン酸を電解液として用い、化成電圧180V〜200Vにおいて作製した陽極酸化ポーラスアルミナをインプリント用モールドとして用いる、請求項1〜のいずれかに記載の表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法。
  8. 定電圧で陽極酸化を施した後、一旦酸化皮膜を溶解除去し、再び同一条件下で陽極酸化を施すことで作製した陽極酸化ポーラスアルミナをインプリント用モールドとして用いる、請求項1〜のいずれかに記載の表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法。
  9. 陽極酸化に先立ち、アルミニウムの表面に微細な窪みを形成し、これを陽極酸化時の細孔発生の開始点として作製した陽極酸化ポーラスアルミナをインプリント用モールドとして用いる、請求項1〜のいずれかに記載の表面に凹凸パターンを有するガラス材の製造方法。
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