JP4647812B2 - 陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は微細な細孔周期を有する陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法に関する。更に詳細には、本発明は陽極酸化ポーラスアルミナのフラクタル構造を利用した新規な規則的ポーラス構造微細化プロセスに関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム(Al)を酸性、あるいはアルカリ性電解液中において陽極酸化することにより得られる陽極酸化ポーラスアルミナは、膜面に垂直な均一な細孔径を有する直行細孔を有することから、種々の機能デバイスを作製する上での出発構造材料として利用されている。
【0003】
陽極酸化ポーラスアルミナの機能的な応用分野の典型例として、▲1▼細孔内に磁性体を充填した磁気記録媒体,▲2▼半導体を充填した量子素子,▲3▼金属を充填した光学素子等が上げられる。このほか、陽極酸化アルミナを地金Alから剥離し、その後皮膜底部のバリア層とよばれる孔が閉じた部分をエッチングにより除去することにより貫通孔化し、分離用フィルターとすることができる。
【0004】
これらの機能的な応用に際しては、細孔径の均一性に加え、細孔配列の規則性が重要となる。一例として、陽極酸化ポーラスアルミナに磁性体を充填した磁気記録媒体を例にとれば、細孔配列の規則性が媒体ノイズの低減に寄与することが知られている。加えて、陽極酸化ポーラスアルミナにおける細孔配列の乱れは、細孔径状の歪み、細孔径の不均一性をもたらすことから、細孔配列の規則性はポーラスアルミナを分離用フィルターへ応用するに際しても重要となる。
【0005】
陽極酸化ポーラスアルミナの細孔配列の規則性は、作製条件に依存して変化することが知られている。益田秀樹、“陽極酸化による規則性チャネル構造の形成とその応用”、触媒、Vol.40、No.7、508頁〜514頁(1998)においては,適切な陽極酸化条件で陽極酸化をおこなうことにより、細孔が規則的に配列したポーラスアルミナな得られることが示されている。しかしながら、この方法により得られる規則配列は、陽極酸化条件、とりわけ陽極酸化電圧に依存し、25V以下の陽極酸化電圧で規則細孔配列が得られる条件は明らかになっていない。陽極酸化アルミナの細孔間隔は、陽極酸化電圧に比例することが知られており、比例定数として、2.5nm/Vの値が知られている。従って、規則配列の最小値は、63nm以下とすることは困難である。このほか、この方法において規則配列を示す領域は、数μm程度のドメイン構造を有し、規則的な細孔配列は,この領域内に限定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、陽極酸化条件の制御により自己組織化的に規則配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナ作製する手法のように微細化の下限が問題とならず、長大な製造時間を必要としない、微細化細孔周期を有する陽極酸化ポーラスアルミナの新規な製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、一旦陽極酸化を行った後、地金Al層を除去した酸化物層あるいはそれと同一の幾何学構造を有する鋳型により、他のAl基板に前記鋳型の規則構造を転写し、該転写部分を孔発生点として陽極酸化することにより元の細孔周期の1/2に対応する細孔周期を有する陽極酸化ポーラスアルミナとするか、又は、一旦陽極酸化を行った後、酸化物被膜層を除去したAl地金あるいはそれと同一の幾何学構造を有する鋳型により、他のAl基板に前記鋳型の規則構造を転写し、該転写部分を孔発生点として陽極酸化することにより元の細孔周期の1/√3に対応する細孔周期を有する陽極酸化ポーラスアルミナとすることにより解決される。
【0008】
本発明によれば、35nm以下の細孔周期を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法の一例の模式図である。まず、ステップ(A)において、アルミニウム地金1を準備する。アルミニウム地金1の表面は予め電解研磨しておくことが好ましい。このアルミニウム地金を電解液中で陽極酸化すると、アルミニウム基板表面に酸化被膜2が生成する。このとき形成される酸化被膜の厚みは印加電圧に比例し、1Vあたり12〜13オングストローム(以下「A」で示す)の膜厚を与える。中性の電解液を用いた場合には、緻密で一定の厚さの酸化被膜が形成されるのに対し、硫酸、シュウ酸などの酸性電解液中で陽極酸化を行うと、陽極酸化時間に比例した膜厚を有する酸化被膜が生成される。一定の厚みの酸化被膜が表面に生成した後、酸性電解液中では、酸の作用による溶解が生じる。一旦溶解が起こり、微小孔が発生すると、膜厚方向の電場強度が増大し、被膜の溶解が加速される。並行して、溶解により厚みが減少した分、酸化被膜のAl地金側への成長が進行する。
【0010】
このように、一旦、孔が形成された部分では優先的に酸化被膜の溶解、酸化層の成長が進行することとなる。このように局所的な酸化被膜の溶解・生成が進行することにより、陽極酸化アルミナには“セル”3と呼ばれる独特の構造が形成される。図示されているように、セルは局所的な被膜の溶解・成長の結果形成される円柱状の構造であり、細孔底部部分4(バリア層とよばれる)で被膜の溶解・成長が同時進行する。バリヤ層4の厚みは前記の定数(12〜13A/V)に従う。セルサイズは、バリヤ層厚みのほぼ2倍に相当し、印加電圧に比例して直線的に増加する。同時に各セルの中心に位置する細孔5の間隔も電圧と比例関係を示す。酸化被膜2が成長する過程でこのようなセル構造が生じ、これらがバランスして成長することで細孔5がほぼ等間隔に配列した独特な構造が形成される。細孔5の規則性が生じるのは、酸化被膜2の成長が定常状態になり、セル間にバランスが生じた後である。この陽極酸化を適切な条件で行うと、数μm以上の長距離にわたって、自己組織化的に細孔が六方最密配列した高規則性ポーラス構造が得られる。
【0011】
自己組織化的に細孔が六方最密配列した高規則性ポーラス構造が得られたら、その後、ステップ(B)において、残った地金部分6を除去してアルミナモールド7を形成する。この地金部分は例えば、飽和昇汞(塩化第1水銀)溶液などを使用することにより選択的に溶解・除去することができる。その後、必要に応じて、アルミナモールド7の細孔5の孔径拡大処理(P.W.)を行うこともできる。このような孔径拡大処理は例えば、5wt%のリン酸水溶液に、例えば、30℃で所定時間浸漬させることにより行われる。一例として、「P.W.20」とは、5wt%のリン酸水溶液に30℃で20分間浸漬させて孔径拡大処理したことを意味する。別法として、クロム・リン酸混合液などにより酸化被膜層を選択的に溶解・除去して地金部分6を残し、この地金部分6からネガタイプを作製し、次いで、このネガタイプをベースにして、金属(例えば、Ni)材料によりポジタイプを作製し、これを押圧用モールド鋳型として使用することもできる。
【0012】
その後、ステップ(C)において、このようにして得られたアルミナモールド7を別のAl地金8の表面に加圧しながら押し付け、モールド7の底部形状をAl地金8の表面に転写する。押圧力は例えば、500〜3000kg/cm2、好ましくは1000〜2000kg/cm2の範囲内である。押圧力が500kg/cm2未満では、転写が不十分となり、陽極酸化の開始点が得られない。一方、押圧力が3000kg/cm2超では、モールドが破壊されてしまう危険性がある。このAl地金8の表面も予め電解研磨しておくことが好ましい。
【0013】
転写後、Al地金8を前記と同様に陽極酸化すると、押圧により形成された凹部からセル形成が開始され、元のモールド7の細孔周期(r)の1/2に相当する微細化された細孔周期を有する陽極酸化ポーラスアルミナ9が得られる。
【0014】
図2は本発明の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法の別の例の模式図である。ステップ(A)〜ステップ(B)は前記図1について説明した方法と同一である。図2の方法では、ステップ(C’)において、アルミナモールド7の底部外面にNiめっき膜10を形成する。Niは硬質なめっき膜を形成するので、後の引き続く押圧プレス処理に好適である。その他の硬質めっき膜形成金属も同様に使用できる。めっき処理には、電解めっき法、無電解めっき法など公知慣用のめっき方法を適宜使用することができる。めっき膜10の膜厚は一般的に、50ミクロン〜500ミクロンの範囲内である。めっき膜10の膜厚が50ミクロン未満の場合、十分な機械強度を有する押圧用モールドが得れない可能性がある。一方、めっき膜10の膜厚が500ミクロン超の場合、押圧用モールドとして必要な作用効果が飽和し、不経済となるだけである。めっき膜10の膜厚は150ミクロン〜250ミクロンの範囲内であることが好ましい。
【0015】
めっき膜10が形成されたら、アルミナモールド7を剥離する。この剥離は例えば、機械的な剥離又はNaOHによりアルミナモールド7を選択的に溶解除去することにより行われる。斯くして、押圧用のNiモールド11が得られる。別法として、クロム・リン酸混合液などにより酸化被膜層を選択的に溶解・除去して地金部分6を残し、これを押圧用モールド11として直接使用することもできる。
【0016】
その後、ステップ(C”)において、押圧用のNiモールド11の凹凸面を別のAl地金8の表面に加圧しながら押し付け、モールド11の凹凸形状をAl地金8の表面に転写する。押圧力は例えば、500〜3000kg/cm2、好ましくは1000〜2000kg/cm2の範囲内である。押圧力が500kg/cm2未満では、転写が不十分となり、陽極酸化の開始点が得られない。一方、押圧力が3000kg/cm2超では、モールドが破壊されてしまう危険性がある。このAl地金8の表面も予め電解研磨しておくことが好ましい。
【0017】
転写後、Al地金8を前記と同様に陽極酸化すると、押圧により形成された凹部からセル形成が開始され、元の細孔周期(r)の1/√3に相当する微細化された細孔周期を有する陽極酸化ポーラスアルミナ12が得られる。
【0018】
図3は、図1の方法により製造される陽極酸化ポーラスアルミナ9の細孔周期が元のモールド7の細孔周期(r)の1/2になることを示す模式図である。図1に示された方法では、モールド7の底部の凸部は六角形のセル3の辺の中間部に存在する。従って、Al地金にこの形状が転写されると、この凸部は地金表面に凹部を形成するので、この凹部がピットとなって細孔形成が開始される。その結果、微細化(転写・陽極酸化)により新たなセルが形成され、誘導された孔間の周期はr/2となる。元に細孔位置に対応する位置には自己修復された孔が形成される。
【0019】
図4は、図2の方法により製造される陽極酸化ポーラスアルミナ12の細孔周期が元のモールド7の細孔周期(r)の1/√3になることを示す模式図である。図2に示された方法では、押圧用Niモールドの突起部が六角形のセル3の角部に対応する。従って、Al地金にこの形状が転写されると、この凸部は地金表面に凹部を形成するので、この凹部がピットとなって細孔形成が開始される。その結果、微細化(転写・陽極酸化)により新たなセルが形成され、誘導された孔間の周期はr/√3となる。元に細孔位置に対応する位置には自己修復された孔が形成される。
【0020】
特に、図2の方法は反復的に繰り返し実施することが可能である。従って、規則配列を維持したまま、順次微細化(1/(√3)n倍)を行うことが可能であり、新規な微細構造を構築することができる。例えば、従来の陽極酸化法により得られた細孔周期66nmのポーラスアルミナに対し、図2の方法を2回繰り返せば、細孔周期22nmの陽極酸化ポーラスアルミナを得ることができる。図2の方法を繰り返すことにより達成できる細孔周期の下限値は15nm程度である。言うまでもなく、図1の方法も反復的に繰り返し実施することが可能である。従って、規則配列を維持したまま、順次微細化(1/(2)n倍)を行うことが可能であり、新規な微細構造を構築することができる。更に、所望により、図1の方法と図2の方法を組み合わせて併用することもできる。例えば、最初に図1の方法を実施し、その後、図2の方法を実施するか、又はこの逆の順序で実施することにより、新規な微細構造を構築することができる。
【0021】
本発明の陽極酸化ポーラスアルミナは様々な分野に応用することができる。一例として、分離用フィルタ(例えば、精密濾過膜、気体分離膜など)、光学デバイス(例えば、大陽光選択吸収膜、偏光素子など)、磁気デバイス(例えば、垂直磁気媒体、磁気エンコーダなど)、その他(例えば、ガスセンサー、電極材料など)に応用することができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に例証する。
実施例1
Al板を電解研磨法により電解研磨した後、0.3M硫酸を用い、25Vで1時間陽極酸化を行い、周期60nmのポーラスアルミナを作製した。この後、クロム・リン酸混合液(クロム酸1.8wt%:リン酸6wt%)を用い、酸化皮膜層を選択的に溶解・除去した。得られた規則的な突起配列を有するAlを別の電解研磨を施したAl板に圧力2000kg/cm2で押しつけた。窪み配列が形成されたAl板を、14.4Vの化成電圧で、再度陽極酸化することにより、孔周期30nmの規則配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。このとき、形成されるドメインの大きさは、25Vで形成されたドメインの大きさが保存されていた。
【0023】
実施例2
実施例1と同様な方法でAl板を準備し、0.3Mシュウ酸を用い、40Vにおいて1時間陽極酸化を行なった。この後、実施例1と同様の方法で、酸化皮膜層を除去し、得られたAl地金を別の研磨したAl板に圧力1000kg/cm2で押しつけた。その後、0.3M硫酸を用い23Vで陽極酸化を行ない、周期28nmの規則細孔配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナ得た。
【0024】
実施例3
実施例1と同様の方法で、0.3M硫酸中、25Vで陽極酸化を実施し、周期63nmのポーラスアルミナを作製した後,地金Alを飽和昇汞溶液を用い選択的に溶解除去した。得られた酸化皮膜の底部(バリア層)側を、別のAl地金に載せ、圧力1000kg/cm2で押しつけた。その後、陽極酸化電圧を12.5Vとし、0.3M硫酸中で陽極酸化を行なうことで細孔周期31nmの規則細孔配列皮膜を得た。
【0025】
実施例4
実施例3と同様の方法で、25Vで陽極酸化を行ない、68nm周期で規則配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た後、金属(Ni)により鋳型を作製した。Ni鋳型の形成は、白金・パラジウムを約10nmスパッタ蒸着した後、導通をとり、ワット浴を用いることでNiを200ミクロンの厚さまでめっきすることにより得た。得られた金属鋳型を、別の1000kg/cm2の圧力でAl板に押しつけ、14.4Vの陽極酸化電圧で陽極酸化することにより、細孔周期39nmの規則配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た.
【0026】
前記処理を再度繰り返すことにより、細孔周期22nmの規則配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナが得られた。
【0027】
実施例5
実施例1と同様の方法により、0.3M硫酸中、25Vで陽極酸化を行ない、63nm周期のポーラスアルミナを作製した後、酸化皮膜を除去し、規則的な凹凸を有するAl地金を得た。これをもとに一旦、ポリマー(ポリメチルメタクリレート)を用いてネガタイプを作製し、更に実施例4と同様の方法を用い、金属(Ni)によるポジタイプを作製した。得られた金属鋳型を用い、別のAl板に1000kg/cm2の圧力でプレスを行なった。その後、0.3M硫酸中、14.5Vの陽極酸化電圧で陽極酸化を行なうことにより、細孔周期35nmの規則細孔配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た.
【0028】
実施例6
実施例2と同様の方法により、周期58nmの規則細孔配列を得た。その後、酸化皮膜を選択除去したのち、得られたAl地金を再び第3のAl板に1000kg/cm2の圧力で押しつけた。その後、0.3M硫酸を用い、13.3Vの化成電圧で陽極酸化を行ない、33nm周期の規則細孔配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。
【0029】
実施例7
実施例1と同様の方法により、周期30nmの規則配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得た。その後、地金Alを飽和昇汞溶液により溶解除去し、更に5wt%リン酸を用いることにより、皮膜底部のバリア層を除去した。これをSi基板上に置き、マスクとして用い、硫化カドミウムを真空蒸着法により蒸着し、その後、マスクを除去することにより、マスクの細孔と同一のサイズの硫化カドミウムからなる量子ドットを得た。
【0030】
実施例8
実施例1で得られた陽極酸化ポーラスアルミナの微細孔(孔径21nm)にCoを電解めっきした。Coめっき浴は0.2モル/リットルの硫酸コバルトと0.2モル/リットルの硼酸からなり、めっき用の電源には50Hz、20Vp−pを使用した。めっき後、表面を研磨し、カーボン保護膜を10nmスパッタ法で成膜した。その後、パーフルオロポリエーテル系潤滑剤であるFomblin-Z-DOL4000を1.5nm塗布した。得られたCoめっき陽極酸化磁性膜の記録再生特性をMRヘッドで評価した。その結果、低域の出力の半分の出力となる線記録密度D50は700kFCIであった。
【0031】
比較例1
従来の方法で得られた陽極酸化ポーラスアルミナの微細孔(孔径63nm)にCoを実施例8と同様な方法で電解めっきし、実施例8と同様に、得られたCoめっき陽極酸化磁性膜の記録再生特性をMRヘッドで評価した。その結果、低域の出力の半分の出力となる線記録密度D50は700kFCI未満であった。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来の方法に比較し、簡便、且つ微細で規則的な細孔配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法の一例の模式図である。
【図2】本発明の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法の別の例の模式図である。
【図3】図1の方法により製造される陽極酸化ポーラスアルミナ9の細孔周期が元のモールド7の細孔周期(r)の1/2になることを示す模式図である。
【図4】図2の方法により製造される陽極酸化ポーラスアルミナ12の細孔周期が元のモールド7の細孔周期(r)の1/√3になることを示す模式図である。
【符号の説明】
1,8 アルミニウム地金
2 酸化被膜
3 セル
4 バリヤ層
5 細孔
7 モールド
9,12 陽極酸化ポーラスアルミナ
Claims (2)
- 一旦陽極酸化を行った後、地金Al層を除去した酸化物層あるいはそれと同一の幾何学構造を有する鋳型により、他のAl基板に前記鋳型の規則構造を転写し、該転写部分を孔発生点として陽極酸化することにより元の細孔周期の1/2に対応する細孔周期を有する陽極酸化ポーラスアルミナを形成することを特徴とする陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
- 一旦陽極酸化を行った後、酸化物被膜層を除去したAl地金あるいはそれと同一の幾何学構造を有する鋳型により、他のAl基板に前記鋳型の規則構造を転写し、該転写部分を孔発生点として陽極酸化することにより元の細孔周期の1/√3に対応する細孔周期を有する陽極酸化ポーラスアルミナを形成することを特徴とする陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
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