JP2007030146A - ナノ構造体の製造方法 - Google Patents

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忠文 冨田
Yoshinori Hotta
吉則 堀田
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Abstract

【課題】高純度アルミニウム上に発生する目視可能な傷を除去し鏡面状態にした後,陽極酸化をおこない、陽極酸化ナノ構造体の表面の平坦性を向上させ,簡易な工程で光学デバイスや磁気デバイスなどの電磁気的デバイスに応用可能な、広い面積で規則化された構造体を得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】99.9%以上の純度のアルミニウム基板を、少なくとも機械的研磨し、算術平均粗さRaを0.1μm以下、かつ表面光沢度60%以上とし、さらに陽極酸化する、マイクロポアを表面に有するナノ構造体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、複数のマイクロポアが存在する陽極酸化皮膜を表面に有するアルミニウム部材を用いたナノ構造体の製造方法に関する。
金属および半導体の薄膜、細線、ドット等の技術領域では、ある特徴的な長さより小さいサイズにおいて自由電子の動きが閉じ込められることにより、電気的、光学的および化学的に特異な現象が見られることが知られている。このような現象は「量子力学的サイズ効果(量子サイズ効果)」と呼ばれている。このような特異な現象を応用した機能性材料の研究開発が、現在、盛んに行なわれている。具体的には、数百nmより微細な構造を有する材料が、「微細構造体」または「ナノ構造体」(以下、構造体と記載することがある。)と称されており、材料開発の対象の一つとされている。
こうしたナノ構造体の作製方法としては、例えば、フォトリソグラフィ、電子線露光、X線露光等の微細パターン形成技術を初めとする半導体加工技術によって直接的にナノ構造体を作製する方法が挙げられる。
このようなX線露光等の微細パターン形成で高アスペクト比の微細な構造体を製造するには、LIGAプロセス等のX線リソグラフィーを用いた手法があるが、Spring‐8等の大型加速器設備を使った高品質(波長均一性、直進性)のX線源が必要な為、製造装置が高価である。得られる製品の用途は、高付加価値の用途でないと工業的には実現できないのが実情である。
それに対して、自己規則化陽極酸化法は比較的大面積を安価に製造できるので、実現可能性のある用途が広がる事が考えられる。
アルミニウム基板上に、陽極酸化皮膜を設け、皮膜のマイクロポアを規則配列させるナノ構造体の製造方法としては非特許文献1、2に記載されているように、一般にAl材料は99.99%純度の材質が使用されている。また、研磨としては電解研磨法で研磨をおこなう事が一般的である。
従来、自己規則化陽極酸化法によって得られるナノ構造体を光学デバイスや、磁気デバイス等平滑性を特に要求される製品に使用すると信号強度が低下する等の為、S/N比が低下する。そこで、平滑で鏡面状態であるアルミニウム基板を使用する事が好ましい。
しかしながら、鏡面状態の高純度アルミニウムは一般に、市販されていない為、各種研磨をおこなって鏡面状態にする方法が行われている。中でも電解研摩法が一般に行われている。しかしながら,“ふくれ”や“圧延筋”といった目視可能な程の欠陥は電解研摩法では除去できない事から,得られるナノ構造体を光学デバイスや磁気デバイスなど電磁気的手法を応用したデバイスに応用することが困難であった。
特に、純度99.99%を越えるアルミニウム材は溶融炉で繰り返し、溶融し精製するが、溶融の際に空気や不活性ガス等の気体で攪拌する為、気泡が混入する。その後、減圧して脱気処理を行なう。高純度材の場合には、極微量の不純物を表層に浮上させる必要がある為、強い攪拌が必要になり、気泡の含有量が多くなり脱気が不十分となり易い。このような気泡を含んだアルミを圧延すると“ふくれ”と呼ばれる直径50μm〜2mm程度、深さ0.1〜20μm程度の凸部が発生してしまう。発生密度は概ね、数個/dm〜数百個/dmである。
さらにアルミ板材は圧延によって板状に加工される。圧延とは、平行に置かれたロールとロールの間にスラブ(鋳塊)を通し、所定の厚さに薄く延ばす加工方法である。スラブの鋳造組織は破壊され、均質な性質になる。圧延加工はスラブを加熱して加工する熱間圧延と、スラブを常温で加工する冷間圧延に分けられる。
熱間圧延によって薄く延ばされ、スラブの鋳造組織から厚板の圧延組織に変わった薄板を、冷間圧延によって仕上げる方法が一般的である。
このように圧延工程で延伸されるが、その際に“圧延筋”と呼ばれる圧延方向に筋状に伸びたムラが発生する。圧延筋は視認可能な程度の凹凸が原因であり、圧延と垂直方向のRaを不要に高くしてしまう。
このような“ふくれ”“圧延筋”等の比較的大きな凹凸は、電解研磨では最終的に消えない為、光学デバイス等平滑性を特に要求される製品に使用すると信号強度が低下する等の為、S/N比が低下する。そこで、凹凸を除去する為に最適な研磨を行う事が要求されている。
Appl.Phys.Lett.71(19,),10 November 1997 Hideki Masuda et. al J.Electrochem.Soc.Vol144、No5、May 1997 L127〜L130 H.Masuda et. al
本発明の目的はこれらの課題を解決し、陽極酸化もしくは陽極化成により作製されるマイクロポア(細孔)を有するナノ構造体において、圧延筋やふくれ等の目視可能なムラを無くし,電磁気的デバイスに応用可能な構造体の製造方法を提供することである。
さらに本発明の目的は、この製造技術を適用して作製したマイクロポアを有するナノ構造体をベースとし、多様な方面で応用し得る新規なナノ構造体、ナノ構造デバイスを提供することである。
上記の目的を達成すべくなされた本発明は以下のとおりである。
(1)99.9%以上の純度のアルミニウム基板を、少なくとも機械的研磨し、算術平均粗さRaを0.1μm以下、かつ表面光沢度60%以上とし、さらに陽極酸化する、マイクロポアを表面に有するナノ構造体の製造方法。
(2)(1)記載のRaが、先端半径10μmのサファイア針で0.1μm以下であるナノ構造体の製造方法。
(3)(1)記載の機械的研摩が、電解砥粒研磨法である(1)のナノ構造体の製造方法。
(4)(1)記載の機械的研摩として、機械的研摩を施した後,化学研摩または電解研摩を補助的に用いて研摩をおこなう(1)のナノ構造体の製造方法。
(5)(1)記載の機械的研摩として、機械的研摩を施した後,化学研摩または、および電解研摩を補助的に用いて研摩をおこなった後、CMP法またはバリア皮膜除去法を補助的に用いて研摩をおこなう(1)のナノ構造体の製造方法。
(6)(1)記載の機械的研摩として、電解砥粒研摩を施した後,CMP(Chemical Mechanical Polishing)法またはバリア皮膜除去法を補助的に用いて研摩をおこなう(1)の構造体の製造方法。
(7)上記いずれかに記載の製造方法で得られるナノ構造体が、平均ポア径20nm以上30nm以下、平均ポア周期60nm以上65nm以下のマイクロポアを有するものである。
(8)上記いずれかに記載の製造方法で得られるナノ構造体が、22V以上27V以下の定電圧電解によって生成された陽極酸化皮膜である。
(9)上記いずれかに記載の製造方法で得られるナノ構造体が、平均ポア径30nm以上35nm以下、平均ポア周期95nm以上105nm以下のマイクロポアを有するものである。
(10)上記いずれかに記載の製造方法で得られるナノ構造体が、38V以上42V以下の定電圧電解によって生成された陽極酸化皮膜である。
(11)上記いずれかに記載の製造方法で得られるナノ構造体が、平均ポア径8nm〜200nm、平均ポア周期23nm〜600nm、さらには24nm〜500nmのマイクロポアを有するものである。
(12)上記いずれかに記載の製造方法で得られるナノ構造体をモールドとして用いるナノ構造体の製造方法。
(13)上記(12)に記載のモールドを押し付けることにより製造されるナノ構造体。
(14)上記いずれかに記載の製造方法で得られるナノ構造体の規則的ナノ構造を持つマイクロポアの中に、電子放出部を有する電子放出素子。
(15)上記いずれかに記載の製造方法で得られるナノ構造体の規則的ナノ構造を持つマイクロポアの中に基体と誘電率の異なる物質を有し、光分散特性および・または光伝播方向を制御できるフォトニックデバイス。
(16) 上記いずれかに記載の製造方法で得られるナノ構造体の規則的ナノ構造を持つマイクロポアの中に磁性体を有する磁気デバイス。
(17)上記いずれかに記載の製造方法で得られるナノ構造体の規則的ナノ構造を持つマイクロポア中に発光体を有する発光デバイス。
本発明の製造方法では、陽極酸化皮膜型のナノ構造体において表面粗さが低く、光沢度が高い構造体が得られるので、マイクロポアの規則性が高く、光学デバイス、磁気デバイスへ応用する際にS/N比が向上する効果がある。
本発明のナノ構造体の製造方法によれば、陽極酸化もしくは陽極化成により作製されるマイクロポアを有するナノ構造体において、高純度アルミニウム上に発生する“ふくれ”や圧延筋等の目視可能な傷を除去し鏡面状態にした後,陽極酸化をおこなう事で,陽極酸化ナノ構造体の表面の平坦性を向上させ,簡易な工程で光学デバイスや磁気デバイスなどの電磁気的デバイスに応用可能な、広い面積で規則化された構造体を得ることができる。
本発明のマイクロポアを表面に有するナノ構造体の製造方法は、99.9%以上の高純度のアルミニウムに少なくとも機械的研磨をおこない、算術平均粗さRaを0.1μm以下で、かつ表面光沢度を60%以上としたアルミニウム基板を陽極酸化する。
<アルミニウム材料>
本発明の製造方法に用いるアルミニウム材は、99.9%以上の純度である。アルミニウム材の純度が高いほど陽極酸化後の規則性が向上し、規則性を有する領域の大きさ(平均ポア周期)も広がる為、電磁気的デバイスへ応用する際には,出来る限り高純度のアルミニウム材料を使用することが好ましい。好ましくは、99.99%以上、より好ましくは99.995%以上、さらには99.999%以上のアルミニウム材が知られている。
純度が99.9%以上〜99.99%以下の市販材は通常,圧延筋はあるものの,ふくれは無いものが多い。しかし,純度が99.99%を越える材料は,特注品扱いとなり,小幅実験機で作られたものが供給されることが多く,程度の差はあるが,ふくれがある板材料が一般的である。
99.99質量%〜99.999質量%の範囲のアルミニウムは一般に、高純度アルミニウムと呼ばれ、99.999質量%以上のアルミニウムを超高純度アルミニウムと呼ばれる。純度99.99%を越えるアルミニウム材は溶融炉で繰り返し溶融し精製するが、溶融の際に空気や不活性ガス等の気体で攪拌する為、気泡が混入する。その後、減圧して脱気処理を行なう。高純度材の場合には、極微量の不純物を表層に浮上させる必要がある為、強い攪拌が必要となり、気泡の含有量が多くなり脱気が不十分となり易い。このような気泡を含んだアルミニウムを圧延すると直径50μm〜2mm程度、さらには直径0.1〜1mm程度、深さ0.1〜20μm程度、さらには深さ0.3〜10μm程度の凸部が発生してしまいふくれと呼ばれる。発生密度は概ね、数個/dm〜数百個/dmである。また前述のように圧延による圧延筋も発生する。
<機械的粗面化処理>
一般に,金属の表面処理方法は機械的処理,化学的処理,電気化学的処理に分けられる。機械的処理とは金属表面を機械的に削り取る処理である。一般には、硬度の高い研摩剤を被研磨体である対象物と研摩体の間に介在させ、被研磨体と研摩体とを相対的に移動させることで機械的に研磨する。研磨剤の種類,粒径,研摩体によって得られる金属表面が異なる。化学的処理とは酸,またはアルカリ水溶液によって金属表面の酸化皮膜や素地を平滑化する処理である。
本発明の機械的処理は、少なくとも機械的処理が行われれば、機械的処理だけでなく、化学的処理、電気化学的処理が同時に行われてもよいし、別工程として行われてもよい。“ふくれ”“圧延筋”等の比較的大きな凹凸を除去する方法としては、金属の表面処理方法として各種知られている方法の内、少なくとも機械研磨処理を行なうことが必要であることを本発明者等は知見した。
機械的研磨処理を行なった後、補助的手段として、化学的研磨処理、電気化学的研磨処理を行うことが好ましい。
<表面特性>
上記機械的処理によって、算術平均粗さRaが0.1μm以下で、かつ表面光沢度が60%以上のアルミニウム基板を得る。
<算術平均粗さRa>
一般には金属表面の算術平均粗さRaは、圧延方向に垂直な方向を横方向として,横方向に複数箇所でそれぞれ圧延方向に基準長さ測定して平均する。本発明の表面粗さは対象表面に垂直な断面に現れる輪郭を求める断面曲線法であり、Ra、1μm以上では触針式表面粗さ測定器を用い、Ra、1μm未満では原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、原子間力を検出して、断面曲線を得る方法を用いることが好ましい。JIS-B601−1994では、粗さ曲線から複数個(例えば5)の基準長さLだけ連続して抜き取った評価長さについて粗さを評価する。基準長さはカットオフ値と同一長さとする。それぞれの基準長さの範囲内で、各種粗さパラメータを求め、それを基準長さ全数について平均し、測定値とする。本発明の平均表面粗さは、圧延方向と、圧延方向に垂直な方向での測定値の平均値である。
<表面光沢度>
JIS Z 8741規格では、可視波長全域にわたって屈折率が1.567(入射角60度において鏡面反射率10%)のガラス表面を、光沢度100(%)と規定する。しかし屈折率1.567のガラス表面は湿気などによって侵されやすいため、屈折率1.500付近(光沢度90%)を実際の基準面とする(光沢度90%の標準板が90%となるように、絶対値を毎回補正する)。
一般のモノの表面では、光沢度の大きなものは角度を小さく、光沢度の小さいものは角度を大きくとって測定するが、JISではこの角度を20度・45度・60度・75度・85度と規定している。しかし実際には60度の光沢計が測定範囲が広いために多く使用される。これは、光沢度が角度の大きさに比例的な値を示すためで、全部の角度を測定しなくても、一つの角度の測定で他の角度の光沢度を推定して測定することが可能である。JIS規格により、光沢度は、%もしくは数字のみでよいと規定されている。
光沢度は正反射率とも呼ばれ圧延方向に平行な方向を縦方向,圧延方向に垂直な方向を横方向として,それぞれ別に複数個測定し、平均値を採る。本発明方法で得られるアルミニウム基板の光沢度は、縦方向も横方向も共に60%以上、好ましくは80%以上である。
本発明の算術平均粗さ、光沢度は、縦方向、横方向の平均値を、好ましくは面積50mm2以上、より好ましくは400mm2以上、さらに好ましくは900mm2以上、で平均する。
算術平均粗さRaを0.1μm以下で、かつ表面光沢度を60%以上としたアルミニウム基板表面は、ほぼ鏡面状態ということができ,目視可能な傷のない状態を示していると考えられる。
<機械的研磨>
機械的研磨とは、水と研磨剤の混合物であるスラリーなどの研磨剤含有物を、布、紙、金属などのサポート材料に埋め込むか、または、被研磨体である基板と研磨体であるサポート材料の間に供給して、擦らせる事で、研磨剤の鋭利な部分で、該基板を削る研磨手法である。広い面積の機械的処理が可能で、研削能力が高く、深い傷を除去することが可能である。一般に、基板が薄板の場合には、樹脂に包埋したり、金属ブロックに貼りつけて、研磨し易い形状に加工する必要がある。特に鏡面状態にする際にはバフ研磨と呼ばれ、研磨布と研磨剤に特徴がある。
(1)精研磨
研磨体として、SiC、ダイヤモンド、アルミナ等の研磨材を耐水紙や布に塗布したものが好適に用いられる。粒子径は#80(粒子径:200μm)〜#4000(粒子径:4μm)程度まで使用する。SiC粉末を耐水紙に埋め込んだ研磨紙、ダイヤモンド粉末を金属に埋め込んだ精密研磨盤、研磨剤を水や化学薬品と混ぜてスラリー状またはペースト状にしたものと組み合わせて使うための起毛した布(通常バフと呼ばれる)等がある。
研磨剤、研磨布は番手の小さいもの(粒子径の粗いもの)から、階段的に番手の大きいもの(粒子径の細かいもの)を使用することが好ましい。精研磨をせずに、粗い研磨剤でバフ研磨をおこなう事もできるが、粗い研磨剤が残留すると傷の原因となるので、研磨材を耐水紙や布に塗布したものを用いる精研磨を行うのが好ましい。耐水紙や布は研磨剤毎に交換するのが好ましい。
具体例:丸本ストルアス(株)製琢磨布 品名:DP-Net 粒径:6μm〜45μm各種
丸本ストルアス(株)製琢磨布 品名:DP-Nap 粒径:0.25μm〜1μm各種
丸本ストルアス(株)製 品名:耐水研磨紙 #80〜#1500 各種
(2)バフ研磨
バフ研磨とは綿布、サイザル麻布、ウール繊維などの材料を基材としたバフを用い、その外周面に研磨材を接着剤(ニカワなど)で固定するか、または回転バフ表面に研磨剤が一時的に保持される状態で、バフを高速回転させる。その回転面に品物の表面を押しつけ、機械的に素地の表面をけずりとって均一な表面に加工する方法である。
a)研磨機
バフ研磨機は、その軸端にバフを装着し、バフ外周面に研磨剤を保持させ、それを高速で回転させて加工を行う研磨機械である。研磨盤は各種市販品を使用可能であるが、下記のようなものが知られている。
丸本ストルアス(株)製 商品名:ラボポール-5、ロトポール-35、MAPS
手動研磨も可能であるが、冶具を適宜使用して自動研磨することも可能である。
b)バフ
バフの種類は布バフでは、縫いバフ、とじバフ、ばらバフ、バイアスバフ、サイザルバフなどがある。その他のバフとしては、フラップホイール、不織布ホイール、ワイヤーホイールなどがある。これらのバフは、その用途に応じて使用される。綿繊維を起毛したものが好ましい。
具体例:丸本ストルアス(株)製 品名:琢磨布 No101(羊毛)、No102(綿)、No103(合成繊維)、No773(綿/合成繊維 混毛)等
c)研磨材
バフ研磨材とは、比較的微粉の研磨材を主成分とし、これと油脂やその他適当な成分からなる媒体とを均一に混合した研磨材料のことである。
具体例:丸本ストルアス(株)製 品名:耐水研磨紙 #80〜#1500 各種
c−1)油脂性研磨材
油脂性研磨材とは微細な研磨粒を油脂で練り固めたもので、バフ研磨の行程は中磨きや仕上げ研磨に主として使われる。使用される油脂は一般的にステアリン酸、パラフィン、牛脂、松ヤニなどである。油脂性研磨材をバフに押しつけると摩擦熱によって油脂が溶けて、油脂と共に研磨粒がバフの表面に移動する。この時、品物をバフに押しつけると油脂は素地金属の表面で油膜となり、研磨粒が金属面にむやみに食い込むのを防ぎ、金属の表面を平滑にするのに役立つ。油脂性研磨材の種類はエメリーペースト、トリポリ、グロース、ライム、青棒、赤棒、白樺、グリース棒などがある。中でもトリポリ(主成分:SiO2、モース硬度:7)やマチレス(主成分:CaO、モース硬度:2)、青棒(主成分:Cr2O3、モース硬度:6)、白棒(主成分:Al2O3、モース硬度:9)が好ましい。
c−2)液体研磨材
液体研唐材とは、自動バフ研磨機に使用される目的で作られたもので、研磨機に自動的に供給する為に液状にしたものである。研磨材をスプレーガンを使用して吹き付け、スプレーガンのノズルの開閉をタイマーと連動させることによって間欠的に噴出させる方法がある。SiC、ダイヤモンド、アルミナ粉末等が知られている。これら研磨剤の大きさは一般に、篩で分離できる程度の粗いものは粒度であらわされて、番手の大きいもの程、平均粒径が小さい。
Figure 2007030146
通常は粗いものから順次細かい研磨剤を使って研磨する事で、#1000程度から鏡面光沢が現れ#1500程度以上で研磨する事で、目視上は鏡面状態となる。
研磨材の種類としては平均粒子径0.1μm〜100μm程度まで各種市販されている。
具体例としては下記のようなものがある。
丸本ストルアス(株)製ダイヤモンド縣濁液 品名:DP-Spray 粒径:0.25μm〜45μm各種
メラー社製 品名:アルミナ縣濁液 No.100(粒径:1μm)〜No.2000(粒径:0.06μm) 各種
c−3)研磨補助剤
布バフにエメリーを接着させる物として、にかわ、セメントなどがある。にかわは熱湯に溶けて粘度の高い液状になる。セメントは珪酸ナトリウムに合成樹脂を配合したもので、にかわと同様にエメリーをバフに接着させる。
機械研摩によって大きく深い凹凸(数mm〜数百μm)を除去する方法の具体例は下記の種類である。周速の好ましい範囲は1800〜2400m/minである。
Figure 2007030146
中でも研摩布紙およびバフが入手性,汎用性の点から好ましい。
全てバフで行う場合、粗研摩(粒度#400以下)にはサイザル麻布,綾織綿布を用い、中研摩(粒度#400〜1000)は平織り綿布,レーヨンを用い、仕上げ研摩(粒度#1000以上)ではキャラコ,ブロード,ネル,フェルト,牛皮等を用いる事が好ましい。また、粒度を変える場合には、布を新品に交換し、研摩面を綺麗に清浄する事が好ましい。
詳細には、「実務のための新しい研摩技術 オーム社発行 平成4年第1版 p55〜93」に記載されている。
さらに、上記機械研摩に代わって、電解砥粒研摩を用いることができる。
<電解砥粒研磨>
電解砥粒研磨とは、5〜20kPa(50〜200g/cm2)程度の押付圧で砥粒研磨しながら、好ましくは電流密度0.05〜1A/cm2、より好ましくは0.1A/cm2オーダーの直流電流を付加する加工法である。通常、この程度の電流密度の電解では、加工表面に厚い不導態皮膜が形成されて金属の溶出は殆ど起こらず、加工は進まないが、砥粒擦過によりその皮膜が除去されると、その部分では金属の溶出が盛んに起こり、電流効率は数十〜100%レベルまで急上昇する。このようにして、ミクロ凸部を選択的に砥粒が擦過すると電解溶出量が急増大する一方、凹部の加工量がゼロに近いため、表面粗さは急速に改善される。
使用する研摩剤は通常の研磨剤に加え、コロイダルシリカやコロイダルアルミナが好適に使用可能である。扶桑化学工業株式会社製 高純度コロイダルシリカPLシリーズが使用可能。例えば、PL-1(一次粒子径15nm、二次粒子径40nm)PL‐3(一次粒子径35nm、二次粒子径70nm)PL‐7(一次粒子径70nm、二次粒子径120nm)PL‐20(一次粒子径220nm、二次粒子径370nm)等が挙げられる。その他(株)フジミインコーポレーテッド製PLANERLITEシリーズも好適に用いることができる。
(1)オスカー式研磨機
鏡面度に加えて平面度の確保が必要の場合はオスカー式研磨機を用いる事が好ましい。
オスカー式研磨器とは光学部品などの研磨に以前から使用されているもので、工具定盤の回転に伴い工作物も連れ回りする構造になっている。そのため位置による加工量の差が生じにくく、形状精度が得られやすい。一方、電解砥粒研魔法は表面粗さを効率よく改善できる特徴があり、これらを組み合わせることにより、高精度・高品位な鏡面仕上げを実現できる。
電解砥粒研摩の詳細は、特許番号3044377B1公報、特許番号3082040B1公報に記載の方法を用いることができる。
詳細には、文献「実務のための新しい研摩技術 オーム社発行 平成4年第1版 p55〜93」に記載の方法を用いることができる。
<化学的研磨、電気化学的研磨>
本発明のマイクロポアを表面に有するナノ構造体の製造方法は、上記、機械的研磨処理を行なった後、補助的手段として、化学的研磨処理、電気化学的研磨処理を行うことが好ましい。本発明で、補助的手段とは、機械研磨時のRa変化率の50%以下の変化率で研磨することを言う。
(1)化学的研磨処理
化学的研磨処理とはアルカリ性水溶液,または酸性水溶液中にアルミニウムを浸漬することで表面を溶解する方法である。アルカリ水溶液としては主に炭酸ソーダ、珪酸ソーダ、燐酸ソーダの単独または混合水溶液を用いることが好ましい。酸水溶液として硫酸、硝酸、燐酸、酪酸の単独または混合水溶液が用いられる。
機械的研磨処理をおこなった後、補助的手段として化学研摩法も好適に用いられる。具体例としては、下記表のとおりである。
Figure 2007030146
このように組成を適宜調整することで、アルミ素地を緩やかに溶解させ、Raを低下させる事が可能。さらに酸水溶液として下記具体例が好ましい。
Figure 2007030146
その他、文献「アルミニウムの表面処理 内田老鶴圃発行 昭和55年 通算8版p36 第3表」に記載されているような組成で、硫酸,硝酸,燐酸,酪酸を混合した水溶液も好ましい。さらに、濃燐酸と発煙硝酸の混合液に硝酸銅を添加した、文献:Met.Ind.,78(1951),89 記載のAlupol法も好ましい例である。
また、アルミニウム技術便覧(軽金属協会編 カロス出版 1996年)表5.2.15に記載されている各種方法を使用可能である。中でも燐酸-硝酸法が好ましい。
(2)電気化学的研磨処理
電気化学的研磨処理とは電解液中で主に直流の電気を流すことで、アルミの表面の凹凸を溶解除去する方法である。電解液の種類は過酸化水素水,氷酪酸,燐酸,硫酸,硝酸,クロム酸,重クロム酸ソーダ等の単独または混合酸性水溶液が好ましい。その他、添加剤としてエチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエステルやグリセリンを使用することができる。これら添加剤は電解液を安定化させ、濃度変化、経時変化、使用による劣化に対して適正電解範囲を広げる効果がある。
(3)電解研摩法
さらに,機械的研磨処理をおこなった後、補助的手段として電解研摩法も好適に用いられる。好ましい電解条件の具体例は下表のとおりである。
Figure 2007030146
その他、文献:アルミニウムの表面処理 内田老鶴圃発行 昭和55年 通算8版p47 第6表に記載されているような研摩条件も好ましい。アルミニウム技術便覧(軽金属協会編 カロス出版 1996年)表5.2.17に記載されている各種方法を使用可能である。
使用液の入手性、安全性の観点からBattelle法(特許文献1,2)または、燐酸浴法(特許文献3)が好ましい。
特許文献1:(英)526854(1940年)
特許文献2:(英)552638(1943年)
特許文献3:特許128891(1935年出願、特許公告昭13-004757)
<仕上げ研磨>
本発明のマイクロポアを表面に有するナノ構造体の製造方法は、機械的研摩を施した後,化学研摩または,および電解研摩を補助的に用いて研摩をおこなった後,さらに,CMP(Chemical Mechanical Polishing)法またはバリア皮膜除去法を補助的に用いて研摩することが好ましい。
(1)CMP法
CMP法とは,主に半導体プロセスで使用されるもので、機械研摩と化学研摩を組み合わせた方法で、十分に研摩し,平坦な鏡面とした後は、アルミニウム基板に対しても使用可能である。アルミニウム等の金属に対しては,アルミナまたはシリカ系スラリーが一般に使用される。コロイダルアルミナやコロイダルシリカを用いることができる。具体例としては,扶桑化学工業株式会社製 高純度コロイダルシリカPLシリーズ,(株)フジミインコーポレーテッド製PLANERLITEシリーズが挙げられる。さらに添加剤としてH2O2,Fe(NO),KIOが適量添加される。これらの添加剤は金属表面を酸化させる事で,引っかき傷や,研磨剤の埋め込みを防止する為に表面を酸化しながら研摩する必要があるので,通常はpH2〜4程度に調整した酸性スラリーが好ましい。また、研摩剤の好ましい範囲は一時粒子径5nm〜2μmであり,スラリー濃度は2〜10vol%である。使用するCMP用パッドとしては,引っかき傷を防止する為,軟質のものが好ましい。例えばロデール・ニッタ社製 CMP用パッドXHGM−1158,XHGM−1167等が挙げられる。
文献:「はじめての半導体製造装置」、(1999年3月)、前田和夫著、工業調査会発行、171頁、図5.44、CMP法の基本原理・装置構成,172頁、図5.45、CMP装置の構成に記載の方法を用いることができる。
CMP法は高精度の研摩を行う事が可能であるが,設備が高額である上に,研磨剤や添加剤の選定,研摩条件の設定が複雑である事から、バリアー皮膜除去法を仕上げ研摩に用いてもよい。
(2)バリアー皮膜除去法
化学的研磨処理や電解研磨処理を行なった後、バリアー皮膜除去法でさらに平滑化する事が好ましい。マイクロポアの無いバリアー型陽極酸化皮膜を形成後、除去する。
バリアー皮膜を形成させるには一般にpH4〜8程度の中性近傍の電解液中で電解することで,マイクロポアの無い均質な酸化皮膜を形成可能である。具体的には下記のような電解条件が知られている。ホウ酸塩,アジピン酸塩,燐酸塩,クエン酸塩,酒石酸塩,蓚酸塩などの中性塩水溶液または,それら混合物が好ましい。具体的には、ホウ酸-ホウ酸ナトリウム混合水溶液、酒石酸アンモニウム、クエン酸、マレイン酸、グリコール酸等が挙げられる。
具体的には下記のような電解条件が好ましい。このような電解液で陽極酸化するとマイクロポアのない酸化皮膜が生成する事が知られている。
好ましい電圧の範囲は10V〜800Vであり、30V〜500Vがより好ましい。
好ましいpHの範囲はpH4〜8であり、pH5〜7がより好ましい。
電解時間の好ましい範囲は定電流電解で電圧が飽和する前に中止するか、定電圧電解で電流がほとんど流れなくなる前に中止する事が好ましい。電解時間の好ましい範囲は1分〜30分であり、1分〜12分がより好ましい。
好ましい皮膜厚みは0.1μm〜1μmであり、0.2μm〜0.6μmがより好ましい。皮膜厚みは最後の電解電圧に比例して厚くなる事が知られている。
Figure 2007030146
Figure 2007030146
バリア皮膜の除去には一般に燐酸,クロム酸,硝酸,硫酸などの酸性水溶液の混合液が使用される。化学研摩水溶液やクロム燐酸水溶液が好適に用いることができる。
一般にバリア皮膜は凸部の皮膜厚みは厚くなり、凹部の皮膜厚みは薄くなる為、アルミと陽極酸化皮膜界面は結果的に平滑化する事が知られている。バリア皮膜を除去する事で平滑面を得ることが出来る。詳細には、文献 新アルマイト理論 (カロス出版 1997年 p16)に記載の方法を用いることができる。
これらの条件でバリアー皮膜を形成後,クロム燐酸水溶液または化学研摩をおこなって、バリアー皮膜を溶解除去する事で鏡面性をさらに向上することが可能となる。
<クロム燐酸水溶液によるバリア皮膜の除去方法>
りん酸とクロム酸からなる水溶液を用いる事が好ましい。
具体的には下記処方範囲で燐酸、無水クロム酸、水を混合使用する事が好ましい。
Figure 2007030146
また、文献(社)表面技術協会発行 第108回講演大会講演要旨集 18−B2(p76〜77)に記載の方法を用いることもできる。
これら研摩後に得られる圧延方向に平行な方向と垂直な方向における表面平均粗さは下表のとおりである。(一般に中心線平均粗さRaとして表される)
Figure 2007030146
<その他の表面特性>
本発明のマイクロポアを表面に有するナノ構造体の製造方法は、上記いずれかに記載の鏡面仕上げを施したアルミニウム板に陽極酸化処理を施す。
<窪みの形成>
アルミニウム表面を有する部材の表面に陽極酸化処理を施す方法としては、マイクロポアを形成させる陽極酸化処理(以下「本陽極酸化処理」ともいう。)の前に、本陽極酸化処理のマイクロポアの生成の起点となる窪みを形成させておく方法が好ましい。このような窪みを形成させることにより、後述するマイクロポアの配列およびポア径のばらつきを所望の範囲に制御することが容易となる。
窪みを形成させる方法は、特に限定されず、例えば、陽極酸化皮膜の自己規則性を利用した自己規則化法、物理的方法、粒子線法、ブロックコポリマー法、レジスト干渉露光法が挙げられる。
(1)自己規則化法
自己規則化法は、陽極酸化皮膜のマイクロポアが規則的に配列する性質を利用し、規則的な配列をかく乱する要因を取り除くことで、規則性を向上させる方法である。具体的には、高純度のアルミニウムを使用し、電解液の種類に応じた電圧で、長時間(例えば、数時間から十数時間)かけて、低速で陽極酸化皮膜を形成させ、その後、脱膜処理を行う。
この方法においては、ポア径は電圧に依存するので、電圧を制御することにより、ある程度所望のポア径を得ることができる。
自己規則化法の代表例としては、J.Electrochem.Soc.Vol.144,No.5,May 1997,p.L128(非特許文献6)、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.35(1996)Pt.2,No.1B,L126(非特許文献7)、Appl.Phys.Lett,Vol.71,No.19,10 Nov 1997,p.2771(非特許文献8)、上記非特許文献1が知られている。
これらの公知文献に記載されている方法は、高純度の材料を用い、電解液に応じた特定の電圧で、比較的低温で長時間処理を施しているところに技術的特徴がある。具体的には、いずれもアルミニウム純度99.99質量%以上の材料を用いており、以下に示される条件で、自己規則化法を行っている。
0.3mol/L硫酸、0℃、27V、450分(非特許文献6)
0.3mol/L硫酸、10℃、25V、750分(非特許文献6)
0.3mol/Lシュウ酸、17℃、40〜60V、600分(非特許文献7)
0.04mol/Lシュウ酸、3℃、80V、膜厚3μm(非特許文献8)
0.3mol/Lリン酸、0℃、195V、960分(非特許文献8)
また、これらの公知文献に記載されている方法では、陽極酸化皮膜を溶解させて除去する脱膜処理に、50℃程度のクロム酸とリン酸の混合水溶液を用いて、12時間以上をかけている。なお、沸騰した水溶液を用いて処理すると、規則化の起点が破壊され、乱れるので、沸騰させないで用いる。
自己規則化陽極酸化皮膜は、アルミニウム部分に近くなるほど規則性が高くなってくるので、一度脱膜して、アルミニウム部分に残存した陽極酸化皮膜の底部分を表面に出して、規則的な窪みを得る。したがって、脱膜処理においては、アルミニウムは溶解させず、酸化アルミニウムである陽極酸化皮膜のみを溶解させる。
その結果、これらの公知文献に記載されている方法では、マイクロポアのポア径は種々異なるが、ポア径のばらつき(変動係数)は3%以下となっている。
本発明に用いられる自己規則化陽極酸化処理は、例えば、酸濃度1〜10質量%の溶液中で、アルミニウム部材を陽極として通電する方法を用いることができる。陽極酸化処理に用いられる溶液としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
自己規則化陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜10質量%、液温0〜20℃、電流密度0.1〜10A/dm2、電圧10〜200V、電解時間2〜20時間であるのが適当である。
自己規則化陽極酸化皮膜の膜厚は、10〜50μmであるのが好ましい。
本発明においては、自己規則化陽極酸化処理は、1〜16時間であるのが好ましく、2〜12時間であるのがより好ましく、2〜7時間であるのが更に好ましい。
また、脱膜処理は、0.5〜10時間であるのが好ましく、2〜10時間であるのがより好ましく、4〜10時間であるのが更に好ましい。
このように、自己規則化陽極酸化処理および脱膜処理を、公知の方法と比べて短時間で行うと、マイクロポアの配列の規則性が多少低下するとともに、ポア径のばらつきが比較的大きくなり、変動係数が5〜50%の範囲となる。
このように、自己規則化法により、陽極酸化皮膜を形成させた後、これを溶解させて除去し、再度、同一の条件で後述する本陽極酸化処理を行うと、ほぼ真っ直ぐなマイクロポアが、膜面に対してほぼ垂直に形成される。
(2)物理的方法
物理的方法としては、例えば、プレスパターニングを用いる方法が挙げられる。具体的には、複数の突起を表面に有する基板をアルミニウム表面に押し付けて窪みを形成させる方法が挙げられる。例えば、特開平10−121292号公報に記載されている方法を用いることができる。
また、アルミニウム表面にポリスチレン球を稠密状態で配列させ、その上からSiO2を蒸着した後、ポリスチレン球を除去し、蒸着されたSiO2をマスクとして基板をエッチングして窪みを形成させる方法も挙げられる。
(3)粒子線法
粒子線法は、アルミニウム表面に粒子線を照射して窪みを形成させる方法である。粒子線法は、窪みの位置を自由に制御することができるという利点を有する。
粒子線としては、例えば、荷電粒子ビーム、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)、電子ビームが挙げられる。
粒子線法を用いる場合、窪みの位置の決定に乱数を用いて、窪みの位置の規則性を乱すことができる。これにより、後の本陽極酸化処理により形成されるマイクロポアの配列の規則性が乱され、所望のポア径のばらつきを容易に実現することができる。
窪みの位置は、下記式により所望の位置に設定することができる。
(所望の位置の座標)=(完全規則化位置の座標)±(完全規則化位置の座標)×(ばらつき係数)×(乱数)
封孔処理を電着法により行う場合、ばらつき係数は、0.05〜0.5であるのが好ましく、0.07〜0.3であるのがより好ましく、0.1〜0.2であるのが好ましい。
封孔処理を金属コロイド粒子を用いる方法により行う場合、ばらつき係数は、用いられる金属コロイド粒子の粒径分布に応じて、決定される。
粒子線法としては、例えば、特開2001−105400号公報に記載されている方法を用いることもできる。
(4)ブロックコポリマー法
ブロックコポリマー法は、アルミニウム表面にブロックコポリマー層を形成させ、熱アニールによりブロックコポリマー層に海島構造を形成させた後、島部分を除去して窪みを形成させる方法である。
ブロックコポリマー法としては、例えば、特開2003−129288号公報に記載されている方法を用いることができる。
(5)レジスト干渉露光法
レジスト干渉露光法は、アルミニウム表面にレジストを設け、レジストに露光および現像を施して、レジストにアルミニウム表面まで貫通した窪みを形成させる方法である。
レジスト干渉露光法としては、例えば、特開2000−315785号公報に記載されている方法を用いることができる。
上述した種々の窪みを形成させる方法の中でも、10cm角程度以上の大面積にわたって均一に形成することができる点で、自己規則化法、FIB法、レジスト干渉露光法が望ましい。
更には、製造コストを考慮すると、自己規則化法が最も好ましい。また、マイクロポアの配列を自由に制御することができる点では、FIB法も好ましい。
形成される窪みは、深さが約10nm以上であるのが好ましい。また、幅は、所望とするポア径の幅以下であるのが好ましい。
<本陽極酸化処理>
上述したように、好ましくはアルミニウム表面に窪みを形成させた後、本陽極酸化処理により、陽極酸化皮膜を形成させる。
本陽極酸化処理は、従来公知の方法を用いることができるが、上述した自己規則化法と同一の条件で行われるのが好ましい。電解電圧の好ましい範囲は10V〜240V、さらに好ましくは10V〜60Vである。
また、直流電圧を一定としつつ、断続的に電流のオンおよびオフを繰り返す方法、直流電圧を断続的に変化させつつ、電流のオンおよびオフを繰り返す方法も好適に用いることができる。これらの方法によれば、陽極酸化皮膜に微細なマイクロポアが生成するため、特に電着処理により封孔処理する際に、均一性が向上する点で、好ましい。
上述した電圧を断続的に変化させる方法においては、電圧を順次低くしていくのが好ましい。これにより、陽極酸化皮膜の抵抗を下げることが可能になり、後に電着処理を行う場合に、均一化することができる。
最適条件がほぼ決まった後は定電圧電解とすることもでき、0.3Mの硫酸電解液の場合には、25V±1V未満の定低電圧電解、0.5Mのシュウ酸電解液の場合には、40V±1V未満の定電圧電解とすることが好ましい。この電圧を概ね1V以上越えると、部分的に電流が集中する場所が発生し(通称:焼け)、均一な電解が出来なくなる。また、電解電圧が概ね1V以上低い場合には、部分的に不規則な場所が発生する。従って好ましい電圧範囲は先に記載した範囲である。
本陽極酸化皮膜を低温で行うと、マイクロポアの配列が規則的になり、また、ポア径が均一になる。
本発明においては、本陽極酸化処理を比較的高温で行うことにより、マイクロポアの配列を乱し、また、ポア径のばらつきを所定の範囲にすることが容易となる。また、処理時間によっても、ポア径のばらつきを制御することができる。
陽極酸化皮膜の膜厚は、封孔のしやすさの点で、ポア径の0.5〜10倍であるのが好ましく、1〜8倍であるのがより好ましく、1〜5倍が更に好ましい。
平均ポア径は、後に封孔処理として電着処理を行う場合には、10nm以上であるのが好ましい。
したがって、例えば、前記陽極酸化皮膜の膜厚が0.1〜1μmであり、マイクロポアの平均ポア径が0.008〜0.2μm(8〜200nm)であるのは、好ましい態様の一つである。平均ポア径の好ましい範囲は、8nm〜200nm、さらに好ましくは8nm〜100nmで、さらに8nm〜65nmである。
平均ポア周期の好ましい範囲:23〜600nm、さらに好ましくは24nm〜500nmで、さらに63nm〜500nmである。
平均ポア密度は50〜1500個/μm2であるのが好ましい。平均ポア密度のより好ましい範囲は、5〜800個/μm2、さらに好ましくは200〜800個/μm2である。
マイクロポアの占める面積率は、20〜50%であるのが好ましい。マイクロポアの占める面積率は、アルミニウム表面の面積に対するマイクロポアの開口部の面積の合計の割合である。マイクロポアの占める面積率の算出においては、マイクロポアには、金属により封孔されているものもいないものも含まれる。具体的には、封孔処理前に表面空隙率を測定して求められる。
本発明のマイクロポアを表面に有するナノ構造体の製造方法の具体例は、上記いずれかに記載の鏡面仕上げを施したアルミニウム板に以下の条件で本陽極酸化する条件が例示できる。
1)温度範囲12℃〜17℃、濃度範囲0.1mol/L〜0.2mol/Lである硫酸水溶液を電解液として、電圧23V〜26Vの範囲の電圧で、処理時間0.5〜12時間の範囲で陽極酸化処理を施す。平均ポア径28〜36nm、平均ポア周期40〜80nmのマイクロポアが形成される。
2)温度範囲12℃〜17℃、濃度範囲0.4mol/L〜0.6mol/Lである蓚酸水溶液を電解液として、電圧38V〜42Vの範囲の電圧で、処理時間0.5〜7時間の範囲で陽極酸化処理を施す。平均ポア径20nm〜45nm、平均ポア周期80nm〜120nmのマイクロポアが形成される。
3)温度範囲0℃〜25℃、濃度範囲0.01mol/L〜2mol/Lである酸性水溶液を電解液として電圧23V〜400Vの範囲の電圧で、処理時間0.5〜12時間の範囲で陽極酸化処理を施す。
<マイクロポアの評価>
マイクロポアの平均ポア径、平均ポア周期を、SEM表面写真を画像解析することにより測定した。
平均ポア径、平均ポア周期の測定方法
ポア径に応じてFE-SEM(Field Emission Type Scanning Electron Microscope)にて1〜15万倍に調整して撮影したSEM写真(傾斜0度)より、隣接したポアの中心間隔を30箇所測定し、その平均値を平均ポア周期とした。
適切な倍率の範囲は、1視野にポアが60個〜250個であり、80個〜200個である事がさらに好ましい。
ポア径はポアの輪郭を透明なOHPシートに概ね100個、写し取った後、市販画像解析ソフト(商品名:Image Factory Asahi-Hi-Tech co.Ltd 製)にて等価円直径に近似して、得られた値を平均ポア径とした。画像解析ソフトは同様の機能を有するものであれば、代替使用することができる。しかし、2値化を行う際の閾値設定の任意性を極力排除する為、OHPシート等の透明シートに写した形状を画像解析対象とする事が好ましい。
<ポアワイド処理>
ポアワイド処理は、本陽極酸化処理後、アルミニウム部材を酸水溶液またはアルカリ水溶液に浸せきさせることにより、陽極酸化皮膜を溶解させ、マイクロポアのポア径を拡大する処理である。
これにより、マイクロポアの配列の規則性およびポア径のばらつきを制御することが容易となる。また、陽極酸化皮膜のマイクロポアの底部分のバリヤー皮膜を溶解させることにより、マイクロポア内部に選択的に電着させることおよびポア径のばらつきをやや大きくすることが可能となる。
ポアワイド処理に酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。酸水溶液の濃度は1〜10質量%であるのが好ましい。酸水溶液の温度は、25〜40℃であるのが好ましい。
ポアワイド処理にアルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜5質量%であるのが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20〜35℃であるのが好ましい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸せき時間は、8〜60分であるのが好ましく、10〜50分であるのがより好ましく、15〜30分であるのが更に好ましい。
<その他の処理>
また、必要に応じて、その他の処理を施すことができる。
例えば、本発明の構造体を試料台にして、水溶液を垂らして膜状にしたい場合には、水との接触角を小さくするために、親水化処理を施してもよい。親水化処理は、従来公知の方法により施すことができる。
また、本発明の構造体を試料台にして、酸で変性し、または分解されるタンパク質を対象とする場合には、本陽極酸化処理に用いられ、アルミニウム表面に残留している酸を中和するために、中和処理を施してもよい。中和処理は、従来公知の方法により施すことができる。
<本発明の構造体をモールドとする構造体の製造方法>
本発明の製造方法で得られるナノ構造体を、モールドとして用いてナノ構造体をさらに製造することもできる。
本発明の構造体をモールドとして、圧力2.5t/cm程度でアルミニウム表面に押し付け得られる規則的なくぼみを直接または陽極酸化処理してナノ構造体を製造する。
アルミニウム表面は特には限定されないが,本発明の製造方法で用いる、99.9%以上の純度のアルミニウム基板を、少なくとも機械的研磨し、算術平均粗さRaを0.1μm以下、かつ表面光沢度60%以上とした、アルミニウム表面が好ましい。
<封孔処理>
本発明の構造体は、封孔処理により、陽極酸化皮膜のマイクロポアを金属材料、磁性材料等で充填(封孔)して電磁気的デバイスとしてもよい。
金属は、自由電子を有する金属結合からなる元素であり、特に限定されないが、プラズモン共鳴が確認されている金属であるのが好ましい。中でも、金、銀、銅、ニッケル、白金が、プラズモン共鳴が起こりやすいことが知られており(現代化学,2003年9月号,p.20〜27(非特許文献9))、好ましい。特に、電着やコロイド粒子の作製が容易である金、銀が好ましい。
磁性材料としては、鉄、ニッケル、コバルトおよびこれらを含む合金や酸化物が例示される。
封孔処理の方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。以下では金属材料の封孔処理を例として説明する。
例えば、電着法;金属コロイド粒子の分散液を、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム部材に塗布し乾燥させる方法が好適に挙げられる。金属は、単一粒子または凝集体であるのが好ましい。
電着法は、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、金電着法の場合、1g/LのHAuCl4と7g/LのH2SO4を含有する30℃の分散液に、アルミニウム部材を浸せきさせ、11Vの定電圧(スライダックで調整)で、5〜6分間電着処理する方法が挙げられる。
電着法としては、現代化学,1997年1月号,p.51−54(非特許文献10)に銅、スズおよびニッケルを用いた例が詳細に記載されており、この方法を用いることもできる。
封孔処理を電着法により行うと、ポア径のばらつきに起因して、生成する金属粒子の間隔にもばらつきが生じる。したがって、金属粒子の一部が近接して存在する状態とすることは、比較的容易である。そして、一部が近接してさえいれば、遠く離れているものや、接触しているものがあっても、表面増強共鳴ラマン散乱を利用することができるのである。
これに対し、従来のポア径が一定の陽極酸化皮膜に封孔処理を電着法により行うと、生成する金属粒子の間隔も一定となるため、その間隔を、表面増強共鳴ラマン散乱に好適な範囲に調整することは困難である。そして、好適な範囲を外れると、すべてが遠く離れるか、接触するかのいずれかとなり、表面増強共鳴ラマン散乱を利用することができない。
金属コロイド粒子を用いる方法に用いられる分散液は、従来公知の方法により得ることができる。例えば、低真空蒸発法による微粒子の作製方法、金属塩の水溶液を還元する金属コロイド作製方法により得ることができる。
金属コロイド粒子は、平均粒径が1〜200nmであるのが好ましく、1〜100nmであるのがより好ましく、2〜80nmであるのが更に好ましい。
分散液に用いられる分散媒としては、水が好適に用いられる。また、水と混合しうる溶剤、例えば、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、メチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコールと、水との混合溶媒も用いることができる。
金属コロイド粒子を用いる方法において、塗布方法は特に限定されず、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、浸せき塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等が挙げられる。
金属コロイド粒子を用いる方法に用いられる分散液としては、例えば、金コロイド粒子の分散液、銀コロイド粒子の分散液が好適に用いられる。
金コロイド粒子の分散液としては、例えば、特開平2001−89140号公報および特開平11−80647号公報に記載されているものを用いることができる。また、市販品を用いることもできる。
銀コロイド粒子の分散液は、陽極酸化皮膜から溶出する酸によって影響を受けない点で、銀とパラジウムの合金の粒子を含有するのが好ましい。この場合、パラジウムの含有量は、5〜30質量%であるのが好ましい。
分散液を塗布した後、水等の溶媒を用いて適宜洗浄する。これにより、マイクロポアに充填された粒子のみ陽極酸化皮膜に残存し、マイクロポアに充填されなかった粒子は除去される。
封孔処理後の金属の付着量は、100〜500mg/m2であるのが好ましい。
また、封孔処理後の表面空隙率は、20%以下であるのが好ましい。封孔処理後の表面空隙率は、アルミニウム表面の面積に対する封孔されていないマイクロポアの開口部の面積の合計の割合である。表面空隙率が上記範囲であると、より強い局在プラズモン共鳴が得られる。
分散液に用いられる金属コロイド粒子は、通常、粒径分布のばらつきが変動係数で10〜20%程度である。本発明においては、ポア径のばらつきを特定の範囲にすることにより、粒径分布にばらつきのあるコロイド粒子を効率よく封孔に用いることができる。
ポア径が50nm以上である場合は、金属コロイド粒子を用いる方法が好適に用いられる。また、ポア径が50nm未満である場合は、電着法が好適に用いられる。両者を組み合わせる方法も好適に用いられる。
<電磁気的デバイス>
上述したようにして得られた本発明の電磁気的デバイスは、金属または磁性材料がマイクロポアを封孔しており、陽極酸化皮膜の表面に粒子となって存在している。
この金属等の粒子の間隔は、ラマン増強効果を大きくするためには、一般に短い方が好ましいが、最適な間隔は、金属粒子の大きさや形状の影響を受ける。また、ラマン分光分析の検体とされる物質の分子量や液体の粘性によっては、金属粒子の間に上手く入り込まないなどの問題が発生する場合がある。
したがって、金属粒子の間隔は一概には決定することができないが、概して、1〜400nmの範囲であるのが好ましく、5〜300nmであるのがより好ましく、10〜200nmであるのが更に好ましい。上記範囲であると、ラマン増強効果が大きくなり、かつ、検体とされる物質が金属粒子の間に入りこまないという問題も少なくなる。
ここで、「金属粒子の間隔」は、隣接する粒子の表面同士の最短距離である。
<局在プラズモン共鳴によるラマン増強効果>
ラマン増強効果は、金属に吸着した分子のラマン散乱強度が105〜106倍程度増強される現象であり、表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)と呼ばれている。そして、上記非特許文献9には、金、銀、銅、白金、ニッケル等の金属粒子を用いた局在プラズモン共鳴により、ラマン増強効果が得られることが記載されている。
本発明の構造体のマイクロポアに金属粒子が充填された構造体は、従来技術に比べて、強度が大きい局在プラズモン共鳴を発生させることができるため、ラマン分光分析に用いると、より強いラマン増強効果が得られる。したがって、本発明の構造体を用いたラマン分光分析用試料台は、有用である。
本発明のラマン分光分析用試料台の使用方法は、従来のラマン分光分析用試料台の使用方法と同様である。具体的には、本発明のラマン分光分析用試料台に対して光を照射して、反射した光または透過した光のラマン散乱強度を測定することにより、試料台に保持された金属の近傍の物質の特性を検出する。
本発明のナノ構造体は、それ自体機能材料として使用可能であるが、さらなる新規なナノ構造体の母材、鋳型、などとして用いることができる。具体的には、本発明のナノ構造体のマイクロポアに金属、半導体等の機能材料を埋め込むことにより、新たな電子デバイスヘと応用できる。
さらに本発明のナノ構造体は、量子細線、分子センサー、着色,太陽電池、ガスセンサ、精密フィルター等の他に磁気記録媒体、EL発光素子、エレクトロクロミック素子、フォトニックバンドを始めとする光学素子、電子放出素子等電磁気的デバイスにも応用可能であり、その応用範囲を著しく広げることができる。
1.アルミニウム板の研磨
日本軽金属(株)製 5N材 特注品、面積5cm角、分析結果(質量%)を表10に示すアルミ材を使用した。以下に説明する機械的研磨、化学研磨、電解研磨、CMP法、バリア皮膜除去法を用いて研磨した。表12にそれぞれ用いた工程と得られたアルミニウム表面のふくれの密度,Ra、平均光沢度の測定結果を示す。[−]は処理が行われなかったことを示す。
Figure 2007030146
A1)機械研磨法
使用研磨盤 丸本ストルアス(株)製 商品名:ラボポール‐5
5cm角サンプルを両面テープ(住友3M社製 再剥離テープ9455)にて鏡面仕上げ済みの金属ブロックに貼った。#80→#240→#500→#1000→#1200→#1500と順次、研磨紙の番手を上げ、凹凸部分が目視確認できなくなるまで、研磨した。
研磨紙:商品名 丸本ストルアス(株)製 耐水研磨紙を用いた。
A2)機械研磨法
使用研磨盤 丸本ストルアス(株)製 商品名:ラボポール‐5
5cm角サンプルを両面テープ(住友3M社製 再剥離テープ9455)にて鏡面仕上げ済みの金属ブロックに貼った。順次、以下のように研磨剤、研磨布を換え、凹凸部分が目視確認できなくなるまで、研磨した。
研磨剤:商品名 丸本ストルアス(株)製 ダイヤモンド研磨剤 DP-スプレーP
SPRIR(粒径45μm)→SPRAM(粒径25μm)→SPRUF(粒径15μm)→SPRAC(粒径9μm)→SPRIX(粒径6μm)→SPRRET(粒径3μm)→SPRON(粒径1μm)→SPRYT(粒径0.25μm)
バフに上記ダイヤモンドスラリーを粗いものから順次使用し、鏡面状態に仕上げた。バフは研磨剤交換時に交換した。
バフ:丸本ストルアス(株)製 琢磨布 No773(粒径10μm以上)、No751(粒径10μm未満)を用いた。
A3)機械研磨法
使用研磨盤:8インチSiウエハー(信越化学製)
5cm角サンプルを両面テープ(住友3M社製 再剥離テープ9455)にて鏡面仕上げ済みの金属ブロックに貼った。#320→#600→#1000→#1200→#2000→#4000→#6000→#8000→#10000→#15000まで、順じ研磨フィルムの番手を上げ、凹凸部分が目視確認できなくなるまで、研磨した。
研磨フィルム:商品名 住友スリーエム(株)製 インペリアルラッピングフィルムシートPSAタイプを用いた。
A4)電解砥粒研摩法
5cm角サンプルを両面テープ(住友3M社製 再剥離テープ9455)にて鏡面仕上げ済みの金属ブロックに貼った。研磨機:(株)杉山商事製、型式:PIEP−10、を用い、
主軸回転数 150rpm主軸揺動周波数 2HzX軸送り速度 2mm/sec
押し付け圧力:50g/cm2、電解電源 電圧:1V 電流:2A(処理面積:5cm角)を用いた。0.1mol/L硝酸ナトリウム水溶液中に#80、#400、#1000、#1500までのアルミナ研磨剤を混合し、スラリー濃度20vol%溶液を調整した。
#40から順番にアルミナ研磨剤の番手を上げて、凹凸部分が目視確認できなくなるまで、研磨した。最後に、コロイダルシリカPL-3に硝酸ナトリウムを0.1mol/L分添加し、仕上げ研磨をおこなった。
B)化学研磨法
下記表11に示す処理条件にておこなった。
Figure 2007030146
C)電解研磨法
以下の条件で行った。
85質量%燐酸(和光純薬製試薬) 660cc
純水 160cc
硫酸 150cc
エチレングリコール 30cc
温度:70℃
陽極:サンプル、陰極:カーボン
130mA/cmにて定電流電解 2分間
電源:GP0110-30R((株)高砂製作所製)
D)CMP(Chemical Mechanical Polishing)法
ムサシノ電子製 超精密研磨装置 MA-200D、回転速度:50rpm
下記のスラリーを粒径の粗い順から細かいものへと使用し、研磨時間:10分間で研磨した。3質量%燐酸水溶液をスプレーにて適宜吹き付けた。
(1)ダイヤモンドスラリ-#2400000 粒径0.1μm
(2)酸化アルミ 粒径0.05μm
E)バリア皮膜除去法
アジピン酸アンモニウム 15質量% 50℃ 100Vに達するまで陽極電解し、マイクロポアの無い、厚み約0.1μmの陽極酸化皮膜を形成した。その後、クロム酸水溶液50℃ (85質量%燐酸118g 、無水クロム酸30g、純水1500g)浸漬時間:1分間でバリアー皮膜を除去して平滑化した。
Figure 2007030146
2.研磨面の評価
<表面粗さの評価>
まずは、触針式粗さ計で計測後、Raが0.1μm以下になった場合に、AFMにてRaを計測した。表12中Ra0.1μm以上の場合は、先端径10μmのサファイヤ針で測定し、それ以外はAFMで測定した。
(1)粗さ計によるRaの測定:JIS-B601−1994 記載
粗さ曲線を中心線から折り返し、その粗さ曲線と中心線によって得られた面積を長さLで割った値をマイクロメートル(μm)で表わす。
機種:(株)東京精密製 サーフコム 575A
測定条件:カットオフ 0.8mm、傾斜補正 FLAT-ML、測定長 2.5mm、T-speed 0.3mm/s、Polarity positive:
測定針:先端径10μmのサファイヤ針
(2)AFMによるRaの測定
Raが0.1μm以下の場合、AFM(DFMサイクリックコンタクトモード)にて粗さを計測した。
走査エリア 3000 nm
走査周波数 0.5 Hz
振幅減衰率 -0.16
Iゲイン 0.0749/Pゲイン 0.0488
Qカーブゲイン 2.00
加振電圧 0.044 V
共振周波数 318.5 kHz
測定周波数 318.2 kHz
振動振幅 0.995 V
Q値 460付近
測定針:先端径10nmのSi針(セイコーインスツルメンツ製 商品名:カンチレバー SI DF40P)
<光沢度の測定>
以下の条件で測定した。詳細はJIS Z8741 測定方法3(60度鏡面光沢)に記載されている正反射率の測定方法に従った。
結果を表12に示す。
装置:日本電色(株)製 Σ80 (VG-1D)
測定角度:60度
光路が、圧延方向に対して、平行な縦と垂直な横を測定し、平均した。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
基板No.7、10と比較用基板22を用いてナノ構造体を製造した。
[陽極酸化処理工程]
裏周り防止処置として、裏面(陽極酸化しない面)にPETテープを貼りつけ、以下の処理を行った。
<自己規則化工程>
Figure 2007030146
<脱膜工程>
下記処方で燐酸、無水クロム酸、水を混合して用いた。
Figure 2007030146
<本陽極酸化工程>
表15に示す条件で本陽極酸化処理を行い、その表面性状を以下のように測定した。
結果を表15に示す。本陽極酸化条件A,B,Cで得られた皮膜をそれぞれ、本陽極酸化皮膜A,B,Cとした。
<マイクロポアの評価>
上記で得られた構造体について、マイクロポアの平均ポア径、平均ポア周期を、SEM表面写真を画像解析することにより測定した。
ポア径に応じてFE-SEMにて10万倍に調整して撮影したSEM写真(傾斜0度)より、隣接したポアの中心間隔を30箇所測定し、その平均値を平均ポア周期とした。
ポアの輪郭を透明なOHPシートに概ね100個、写し取った後、市販画像解析ソフト(商品名:Image Factory Asahi-Hi-Tech co.Ltd 製)にて等価円直径に近似して、得られた値をポア径とした。 写し取った概ね100個分の実面積を計算し、ポア密度=100/実面積 より算出し、ポア密度[固/dm]とした。
Figure 2007030146
<ポアワイド処理>
電解による封孔処理を均一にする為、下記条件で皮膜を溶解させた。
Figure 2007030146
<マイクロポア内に金属を充填する条件>
1)Auの場合
Au電着液に浸漬し電着をおこなった。HAuCl4・4H2O 1g/l+H2SO4 7g/l 水溶液 30℃ 交流(スライダック)11V60Hz 時間 10秒間:対極Pt
2)Coの場合
Co電着液に浸漬し電着をおこなった。
5%CoSO4・7H2O、2%H3BO3電解液を用いて室温、AC 5V
<磁性評価>
AFMの針をMFM用の針に交換し、Coを電着したサンプルに垂直方向に磁化測定装置を用いて、磁化が飽和するまで、磁場を印加した後、先の条件と同一の測定条件にて測定し、結果を表17に示す。MFM(磁気力顕微鏡)は磁性体のコーティングされたカンチレバー(探針)を使用して、ノンコンタクトモードの測定条件で試料表面の磁気特性(磁区状態など)をカンチレバーの変位量でモニターし画像化する顕微鏡である。
磁性体が充填されているところは引き寄せられるか(暗くなる)、反発するかによって(明るくなる)明暗が発生する。このような原理によって、磁性体の有無を示すマッピングが可能になった。本実施例では磁性体の充填されている場所は引き寄せられ、暗くなった。
磁性評価基準: ◎:細孔全面積に対して80%以上の面積が暗くなった。
○:細孔全面積に対して50%以上80%未満。
△:細孔全面積で10%以上40%未満。
×:細孔全面積で10%未満。
Figure 2007030146
<光学評価>
Auを電着したサンプルにローダミン6Gを適量滴下し、ラマン分光装置を用いてラマン散乱強度を測定し、結果を表18に示す。
光学評価基準:
○:ラマン信号の増強効果が見られた。
△:ラマン信号の増強効果が見られたが1/10以下の強度であった。
×:ラマン信号の測定不能。
Figure 2007030146
(実施例7:モールド転写法)
3.5インチのシリコン基板上にポジ型電子ビームレジスト(商品名:ZEP-520 日本ゼオン(株)製)をスピンコーターにて厚み0.1μmになるように塗布した。ガラスカッターを用いて、1cm角の大きさに切断した。
電子ビーム露光装置にて各突起に対して、周期100nmの正方形となるように約30nm径の露光を行った後、現像し、レジストにマイクロポアを形成した。(露光領域5mm角)
この上に、電子ビーム蒸着装置を用いて、50nmの厚さのクロムを蒸着し、溶剤であるジグライム中に浸漬し、超音波を印加し、レジスト上のクロムをレジストと共に除去し、約100nm径、高さ50nmのクロムの突起を形成した。
このクロムをマスクとしてCF4ガスを用いた反応性ドライエッチングによりシリコン基板を60nmの深さにエッチングした。この後、酸素プラズマでクロムを除去して約30nm径、高さ60nmの周期100nmの正方配列した突起を得た。このシリコン製の突起を3トン/cm2の圧力で、先に作成した基板No.4の表面に押しつけた。
その後、本陽極酸化条件Bで陽極酸化したところ、酸化皮膜のマイクロポアが平均ポア周期100nmで正方配列した構造体を得た。
(実施例8:電子放出素子)
1cm×5cmの大きさの先に作成した基板No.4の表面にシリコン製のモールドの突起を3トン/cm2の圧力で基板に押しつけた。その後、本陽極酸化条件Bで陽極酸化したところ、酸化皮膜のマイクロポアが平均ポア周期100nmで正方配列した構造体を得た。さらに、バリア層を貫通させる為、5%燐酸、30℃溶液中にて、DC 0.1V印加し、電流値が1mA/dm2以上流れるまで浸漬した。約15分間であった。さらに、5%CoSO4・7H2O、2%H3BO3電解液を用いて室温、AC 5Vで1秒間メッキを行い、Co金属をバリアー層の底部分に電解析出させた。さらに、水素還元後、シアヌル酸に浸漬し、Coを触媒化した。その後、石英管(50φ×100mm)を反応容器として、その両端に水冷ジャケットを接続し、その前端に、ガス導入管及びその後端にはガス排出管を接続した。反応管を380〜420℃に加熱し、ベンゼン/窒素混合物を流し、反応させた。
SEM観察したところ、Co触媒を起点としてカーボンナノチューブが生成していた。
この構造体を蛍光体を有するアノードと1mmの間隔で対向して、真空装置内に設置し、1kVで印加したところ、蛍光体が発光し、電子放出電流が観測できた。
(実施例9:フォトニックデバイス)
1cm×5cmの大きさの先に作成した基板No.4の表面にシリコン製のモールドの突起を3トン/cm2の圧力で基板に押しつけた。その後、本陽極酸化条件Bで90分間陽極酸化したところ、酸化皮膜のマイクロポアが平均ポア周期100nmで正方配列した構造体を得た。陽極酸化皮膜の厚みは4μmであった。5%燐酸、30℃溶液中に5分間浸漬しマイクロポア内部を溶解し樹脂モノマーが浸入し易いようにした。
誘電体としてPMMAを充填する為、メタクリル酸モノマーを充填し、60℃で重合させ、マイクロポア内部にPMMAを充填した。
この構造体を1cm角に切断後、ミクロトームにて厚み約100μmの切片を得た。切片をPETベースに貼りつけ、VIS-IR吸光光度計にて透過法にて計測したところ、モールドを押しつけずに作成した試料に比べ、波長500〜600nmに強い吸収が観測された。このことから、フォトニック結晶としての性質を有することがわかった。
(実施例10:発光体)
1cm×5cmの大きさの先に作成した基板No.4の表面にシリコン製のモールドの突起を3トン/cm2の圧力で基板に押しつけた。その後、本陽極酸化条件Bで陽極酸化したところ、酸化皮膜のマイクロポアが平均ポア周期100nmで正方配列した構造体を得た。さらに、バリア層を貫通させる為、5%燐酸、30℃溶液中にて、DC 0.1V印加し、電流値が1mA/dm2以上流れるまで浸漬した。約15分間であった。
さらに、5%CoSO4・7H2O、2%H3BO3電解液を用いて室温、AC 5Vで1秒間メッキを行い、Co金属をバリアー層の底部分に電解析出させた。
さらに、60℃に保持した硝酸亜鉛0.1Mの水溶液を電解液としてPt電極を対向させ、Ag/AgCl標準電極に対して-0.8Vの電圧を印加することで、ナノホールにZnOを堆積させた。
SEM観察の結果、マイクロポア内にZnOの堆積が観察された。この構造体に波長325nmのHe-Cdレーザーを照射したところ、Co上に同様の条件でZnOを堆積させた基板に対して、波長400nm付近に強度の高い発光が観測された。発光デバイスとして機能することがわかった。

Claims (5)

  1. 99.9%以上の純度のアルミニウム基板を、少なくとも機械的研磨し、算術平均粗さRaを0.1μm以下、かつ表面光沢度60%以上とし、さらに陽極酸化する、マイクロポアを表面に有するナノ構造体の製造方法。
  2. 前記機械的研摩が、電解砥粒研磨である請求項1に記載のナノ構造体の製造方法。
  3. 前記マイクロポアが、平均ポア径8nm〜200nm、平均ポア周期23nm〜600nmである請求項1に記載のナノ構造体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られたナノ構造体のマイクロポア中に、金属材料または磁性材料を有する電磁気的デバイス。
  5. アルミニウム純度99.9%以上で、1mm2以上の面積における圧延方向とそれに垂直な方向との算術平均粗さRaが0.1μm以下、かつ表面光沢度60%以上のアルミニウム板を陽極酸化して得られるマイクロポアを表面に有するナノ構造体。
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