JP2001081600A - アルミニウム材の光沢度向上方法 - Google Patents

アルミニウム材の光沢度向上方法

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JP2001081600A JP25828299A JP25828299A JP2001081600A JP 2001081600 A JP2001081600 A JP 2001081600A JP 25828299 A JP25828299 A JP 25828299A JP 25828299 A JP25828299 A JP 25828299A JP 2001081600 A JP2001081600 A JP 2001081600A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム材の光沢度を簡便に向上させる
ことができるアルミニウム材の光沢度向上方法を提供す
る。 【解決手段】 微細な研磨砥粒を含む極めて希薄な電解
液中において、アルミニウム材の表面にウレタン等の粘
弾性体からなる研磨部材を接触回転させながら、0.1
mA/cm のオーダーの極低電流密度の電解電流を
流して電解砥粒研磨し、そのアルミニウム材表面の光沢
度を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム材の
光沢度を向上させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムは実用材では最も軽く、銀
と同程度の高い反射率をもつ金属である。自然のままで
は空気中で容易に酸化して灰白色の酸化皮膜に覆われる
が、鏡面あるいは高度光沢仕上げされた板は、アルミニ
ウム本来の明るい金属光沢を有し、金属鏡や装飾用建材
として多用されている。このアルミニウム材は、従来、
電解研磨によって表面仕上げを行うのが通例であるが、
高濃度の電解液を使用するため、その電解液の廃棄処理
に環境汚染の問題があって、その電解研磨の利用が困難
になってきている。また、バフ等による機械的な研磨仕
上げは、アルミニウムが軟質材料のため、同様の用途で
使用されるステンレス鋼よりも遥かに難しく、熟練者が
必要になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うなアルミニウム材を簡便に鏡面仕上げする研磨方法を
確立すべく、各種研磨実験を繰り返した結果、砥粒研磨
に希薄な電解液による僅かな電解を複合する方法でその
目的を達成できることを見出し、さらに具体的には、光
沢度に及ぼす電流密度などの影響をも含めて、適正電流
密度の電解の複合により、表面粗さの改善とは直接的な
関係なしに、無電解の場合よりも光沢度が大幅に向上す
る特性を持つことを見出した。この方法では、使用する
電解液も極めて希薄なものであるため、電解液の廃棄処
理による環境汚染の問題も容易に解消することができ
る。
【0004】本発明は、かかる知見に基づくものであ
り、その技術的課題は、基本的には、環境汚染の問題を
回避しながらアルミニウム材の光沢度を簡便に向上させ
る方法を提供することにある。本発明のさらに具体的な
技術的課題は、上記知見に基づいて、電解砥粒研磨を行
いながらも、粗さの改善には程遠い僅かな電解作用によ
り光沢度を大きく改善できるようにしたアルミニウム材
の光沢度向上方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のアルミニウム材の光沢度向上方法は、希薄な
電解液中において、アルミニウム材の表面に粘弾性体か
らなる研磨部材を接触回転させながら、0.1mA/c
のオーダーの低電流密度の電解電流を流して電解
砥粒研磨し、その表面の光沢度を向上させることを特徴
とするものである。上記方法においては、ジルコニアを
含む電解液中において、アルミニウム材の表面にウレタ
ンからなる研磨部材を接触回転させながら電解砥粒研磨
し、また、電解液としては、0.01〜0.1wt%の
硝酸ナトリウム水溶液を用いるのが有効である。本発明
によれば、このような粗さの改善とは程遠い僅かな電解
作用を利用した方法により、環境汚染の問題を回避しな
がらアルミニウム材の光沢度を簡便に向上させることが
できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いてさらに具体的に説明する。上記アルミニウム材の光
沢度向上方法においては、ジルコニア等の微細な研磨砥
粒を含む希薄な電解液中において、ウレタン等の粘弾性
体からなる研磨部材を接触回転させながら、電解砥粒研
磨することができるが、その電解砥粒研磨において用い
る遊離砥粒は、ジルコニアに限るものではなく、アルミ
ナ等の他の微細な研磨砥粒を用いることもできる。上記
研磨砥粒は、電解作用とのバランスから、平均粒径が
0.1〜0.3μm程度であって、後述する工具の1パ
スにおける除去量が1nm程度であることが望ましい。
更に、上記遊離砥粒に代えて、それと同等の切込みを与
える固定砥粒を用いることもでき、この場合には、上記
遊離砥粒よりも十分に微細な砥粒(#10000以上)
を、ポリエステル等の粘弾性材料からなる基材上に固定
したラッピングフィルムやラッピングシート等に保持さ
せて用いるのが望ましい。
【0007】電解液としては、硝酸ナトリウム水溶液が
適しているが、これに限るものではない。また、上記電
解液の濃度は、0.01〜0.1wt%の範囲が光沢度
の向上に有効であるが、0.02〜0.04wt%の範
囲がより好ましい。電解液濃度が上記範囲を逸脱する
と、所要の電流密度を得るための電圧の設定が困難にな
る。研磨部材は、ウレタンが適しているが、一般的に鏡
面研磨等に利用されている他の粘弾性体を用いることも
できる。研磨部材の押付け圧は、他の研磨条件との関連
において適切に設定されるが、一般的には、4〜15k
Pa程度が採用される。
【0008】上記電解砥粒研磨は、0.1mA/cm
のオーダー、一般的には、0.2〜0.9mA/cm
程度、より好ましくは、0.3〜0.7mA/cm
程度の極低電流密度の電解電流を流して行うが、こ
の電流密度は、他の加工条件との関連において適切に選
択されるべきものである。良好な光沢度が得られる電流
密度の上限及び下限は、砥粒研磨による機械的除去量に
依存するものと考えられ、例えば、研磨部材の押付け圧
を高めた場合には、良好な光沢度が得られる電流密度の
上限が高くなる。なお、以下の実施例を含む実験の過程
において、電圧の直接的な影響は認められていない。
【0009】以上に述べたような方法によって、アルミ
ニウム板を極低電流密度で電解砥粒研磨すると、無電解
の場合よりも光沢度を大幅に向上させることができ、そ
の場合に、加工量と表面粗さへの電解の影響は僅かであ
り、光沢度の向上は表面物性の変化によるものと考えら
れる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
の実施例によって限定的に解釈されるべきではない。供
試材としては、JIS規格A1050Pの純アルミニウ
ム板で、150mm角、0.5mm厚のものを使用し
た。電解砥粒研磨装置は、XYテーブル送り機構を備え
るもので、工具としては、ワークに対向して回転する外
径110mm、内径70mmの銅電極に、15mm厚の
ウレタン研磨部材をねじ止めしたものを使用した。この
工具は、回転数を400rpm、押付け圧を8kPaと
した。工具の動きは、図1に示すように、X方向に往復
動させる間に、Y方向へ約4mmずつ5回移動させ、X
方向への単一の移動を1パスとした。送り速さは、8.
4mm/sである。電解液は、平均粒径0.2μmのジ
ルコニア砥粒1wt%入りの0.03wt%硝酸ナトリ
ウム水溶液を用いた。
【0011】加工に伴う供試材表面の除去量は、加工前
後の質量を最小読取り量0.1mgのメトラー電子天秤
で測定して求めた。また、光沢度は、日本電色工業株式
会社製デジタル光沢計PG−3D(60°タイプ)、表
面粗さは、株式会社小坂研究所製の非接触粗さ測定装置
ET−30HKと三次元表面粗さ解析システムTDA−
21を用いて測定した。
【0012】予備実験の結果から、硝酸ナトリウムの濃
度を0.03%としているが、この濃度は、通常の電解
砥粒研磨での20wt%と比較して、桁違いに薄いもの
である。この電解液の当初の電導度は、約0.4mS/
cmであるが、加工開始後はAlイオンなどの付加によ
りそれが上昇する。それに対応するため、加工中に手動
で電圧を変えて電流値をほぼ一定に制御した。
【0013】以下に、実験例の結果を示す。供試材のア
ルミニウム板の表面には圧延による加工目(圧延目)が
あり、このため光沢計の光学センサーの方向により光沢
度の値が異なるものとなる。図2は、光学センサーの方
向を圧延目に平行にした場合と垂直にした場合(電流
値:30mA)の比較を示すもので、研磨の進行と共に
圧延目が除去されて、光沢度の方向差が縮小する状況が
わかる。なお、以下に説明する実施例の場合を含めて、
電流値は、工具の全面がアルミニウム板上にあるときの
値である。
【0014】図3は、光学センサーの方向を圧延目に垂
直にした場合について、電流値が光沢度の時間変化に及
ぼす影響を示すものである。電解なし(0mA)の場合
には、5パスで光沢度の上昇がほぼ停止するのに対し、
20〜40mAの電解を付加した場合には、40パスま
で着実に上昇して、光沢度が大幅に改善されている。な
お、電流値が50mA(0.88mA/cm )の場
合には、5パス以後パス回数の増加と共に光沢度が低下
したが、押付け圧をさらに高めた実験(11.5kP
a)においては、同電流値でも光沢度の大幅な改善がみ
られた。
【0015】図4は、パス回数を40パスとした場合に
おいて、電流密度が加工深さに及ぼす影響を示してい
る。電流値30mA(0.53mA/cm )までの
加工深さは、無電解の場合と大差ないが、40mA
(0.71mA/cm )では約2倍にまで急増大し
ている。これは、図3の40パスにおいて、30mAと
40mAの場合の光沢度が逆転するのに関連する現象と
考えられ、加工面に存在する極めて薄い酸化皮膜に何ら
かの変化が生じていることが推測される。
【0016】図5は、レーザー光触針法(HIPOS
S)により、圧延目に垂直な方向に触針を走査させて測
定した三次元表面粗さの時間変化(30mAの場合)を
示す。カットオフ値は0.8mm、X方向の測定長さは
4mm、測定ピッチはX,Y方向とも0.3μm、Y方
向ライン数は10本である。三次元表面粗さSRma
x,SRz,SRaは、通常の二次元表面粗さRma
x,Rz,Ra(1ライン)を10ラインに拡張した値
である。この結果によれば、一般に20パスまで粗さが
減少するが、以後は増加する傾向がある。したがって、
光沢度は表面粗さと直接的な関係がないといえる。ま
た、これらの表面粗さには電流があまり影響せず、無電
解の場合も大差がない。したがって、図3における光沢
度の差異は、表面粗さに起因するものではなく、反射率
を支配する表面物性の違いによるものと推測される。
【0017】
【発明の効果】以上に詳述した本発明のアルミニウム材
の光沢度向上方法によれば、アルミニウム材の光沢度を
簡便に向上させることができ、特に、遊離砥粒方式の電
解砥粒研磨を行いながらも、粗さの改善には程遠い僅か
な電解作用により光沢度を大きく改善することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における工具の動きについての
説明図である。
【図2】光学センサーの方向を圧延目に平行にした場合
と垂直にした場合の光沢度の比較を示す実験結果のグラ
フである。
【図3】電流値が光沢度の時間変化に及ぼす影響につい
ての実験結果を示すグラフである。
【図4】電流密度が加工深さに及ぼす影響についての実
験結果のグラフである。
【図5】三次元表面粗さの時間変化を示すグラフであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希薄な電解液中において、アルミニウム材
    の表面に粘弾性体からなる研磨部材を接触回転させなが
    ら、0.1mA/cm のオーダーの低電流密度の電
    解電流を流して電解砥粒研磨し、その表面の光沢度を向
    上させることを特徴とするアルミニウム材の光沢度向上
    方法。
  2. 【請求項2】ジルコニアを含む電解液中において、アル
    ミニウム材の表面にウレタンからなる研磨部材を接触回
    転させながら電解砥粒研磨することを特徴とする請求項
    1に記載のアルミニウム材の光沢度向上方法。
  3. 【請求項3】電解液として、0.01〜0.1wt%の
    硝酸ナトリウム水溶液を用いて電解砥粒研磨することを
    特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム材の
    光沢度向上方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007030146A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Fujifilm Corp ナノ構造体の製造方法

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