JP5669998B1 - 作業機械、作業機械の走行経路生成のための装置、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体、作業機械の走行制御装置 - Google Patents

作業機械、作業機械の走行経路生成のための装置、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体、作業機械の走行制御装置 Download PDF

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Abstract

作業対象領域において、少なくとも複数の略平行な経路の端部を反転経路を介して相互に連結して形成された経路を走行しながら所定作業を行う作業機械の走行経路を生成する装置であって、前記端部は、前記経路と前記作業対象領域の外周との交点付近に位置し、前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周を設定する領域設定部と、前記反転経路の各々について、前記作業対象領域の外周と前記進入禁止領域の外周との位置関係に応じて、前記作業機械が反転経路に前記作業対象領域の外側方向に進入する外側反転経路ではなく、前記作業機械が反転経路に前記作業対象領域の内側方向に進入する内側反転経路を前記走行経路として選択する経路生成部と、を含む走行経路生成装置。

Description

本発明は、例えばゴルフ場、サッカー場等の競技場や河川の堤防、公園緑地、庭園で利用される芝刈り機や清掃車両のような作業機械、作業機械の走行経路生成のための装置、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体、作業機械の走行制御装置に関する。
芝刈り、耕作、清掃などの作業に対して、作業対象領域を、互いに平行な複数の直線経路の端部を反転経路を介して相互に連結して形成された経路を走行する自走式の作業機械が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許第3318170号公報 特開2013−228821号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に記載されているような従来の作業機械においては、作業対象領域の外部に、作業機械の進入が禁止される領域(例えばゴルフ場の芝刈りにおいて、グリーン又はフェアウエイ(以下、「グリーン等」という)の外側の崖、バンカー、岩、立木などの存在のために進入が禁止される領域)があることが考慮されておらず、走行経路は、作業機械が直線経路の外側でターンを行うようなものであった。
このような作業機械が直線経路の外側でターンを行う走行経路においては、作業対象領域の外周と進入禁止領域の外周との位置関係によっては、例えば作業対象領域の外周と進入禁止領域の外周が接近している場合には、反転経路上を走行する作業機械と進入禁止領域の外周との間に干渉が生じる場合がある。そのため、これを避けるためには、作業対象領域の外周よりも内側でターン動作を開始する必要があり、実際の作業領域が作業対象領域よりも小さくなってしまう。
そこで、本発明は、作業対象領域の外周と進入禁止領域の外周との位置関係によらず、例えば作業対象領域の外周と進入禁止領域の外周が接近していても、作業対象領域の全域にわたって作業を行うことを可能とする作業機械の走行経路を生成することを目的の1つとする。
また、本発明は、そのように生成された走行経路を作業機械に自動走行させることを目的の1つとする。
本発明の1つの態様は、作業対象領域において、少なくとも複数の略平行な経路の端部を反転経路を介して相互に連結して形成された経路を走行しながら所定作業を行う作業機械の走行経路を生成する装置であって、前記端部は、前記経路と前記作業対象領域の外周との交点付近に位置し、前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周を設定する領域設定部と、前記反転経路の各々について、前記作業対象領域の外周と前記進入禁止領域の外周との位置関係に応じて、前記作業機械が反転経路に前記作業対象領域の外側方向に進入する外側反転経路ではなく、前記作業機械が反転経路に前記作業対象領域の内側方向に進入する内側反転経路を前記走行経路として選択する経路生成部と、を含む走行経路生成装置を提供するものである。
前記経路生成部は、前記反転経路の各々を走行する前記作業機械が、前記進入禁止領域の外周に干渉しないように、前記内側反転経路、前記外側反転経路、のいずれかを前記走行経路として選択することができる。
前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周は、測量により得られた、前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周に関するデータに基づいて設定されることができる。
前記複数の略平行な経路は直線状の経路とすることができる。
本発明の1つの態様は、前記走行経路生成装置により生成された走行経路を記憶する記憶部と、前記作業対象領域を走行しながら所定作業を行う前記作業機械の挙動及び現在位置を検出する検出手段と、前記作業対象領域を走行する前記作業機械の現在位置及び前記記憶部に記録された前記走行経路に少なくとも基づいて、前記作業機械に前記走行経路を走行させるための走行制御信号を出力することにより、前記作業機械が備える走行駆動機構を制御する制御手段と、を含む作業機械制御装置を提供するものである。
本発明の1つの態様は、作業機械制御装置と、前記作業機械制御装置から出力される前記走行制御信号に基づいて自己の走行を駆動する走行駆動機構と、を含む作業機械を提供するものである。
本発明の1つの態様は、作業対象領域において、少なくとも複数の略平行な経路の端部を反転経路を介して相互に連結して形成された経路を走行しながら所定作業を行う作業機械の走行経路を生成する方法であって、前記端部は、前記経路と前記作業対象領域の外周との交点付近に位置し、前記作業対象領域の外周、及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周を設定するステップと、前記反転経路の各々について、前記作業対象領域の外周と前記進入禁止領域の外周との位置関係に応じて、前記作業機械が反転経路に前記作業対象領域の外側方向に進入する外側反転経路ではなく、前記作業機械が反転経路に前記作業対象領域の内側方向に進入する内側反転経路を前記走行経路として選択するステップと、を含む走行経路生成方法を提供するものである。
前記選択するステップは、前記反転経路の各々を走行する作業機械が、前記進入禁止領域の外周に干渉しないように、前記内側反転経路、前記外側反転経路、のいずれかを前記走行経路として選択することができる。
前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周は、測量により得られた、前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周に関するデータに基づいて設定されることができる。
前記複数の略平行な経路は直線状の経路とすることができる。
本発明の1つの態様は、前記走行経路生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供するものである。
本発明の1つの態様は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供するものである。
上記構成を有する本発明によれば、作業対象領域の外周と進入禁止領域の外周との位置関係によらず、例えば作業対象領域の外周と進入禁止領域の外周が接近していても、作業対象領域の全域にわたって作業を行うことを可能とする作業機械の走行経路を生成することができ、また、そのように生成された走行経路を作業機械に自動走行させることができる。
芝刈り作業に必要となる装置類の全体概要図。 芝刈り作業に必要となる装置類の全体概要図。 (a)は本発明を適用した芝刈り機の側面外観図、同(b)は上面外観図。 (a)はゴルフ場での作業領域の外周の設定と進入禁止領域の外周の設定の説明図。 走行経路生成処理のフローチャート。 直線経路の設定を説明するための図。 反転経路のタイプを説明するための図。 生成される走行経路の一例図。 生成される走行経路の別例図。
以下、本発明の作業機械、作業機械の走行経路生成のための装置、方法、作業機械の走行制御のための装置、方法を、ゴルフ場の芝刈りを行う芝刈り機に適用した場合の実施の形態例を説明する。一般的な芝刈り機は、前進しながら芝刈り作業を行うように設計されている。ゴルフ場のグリーン等の芝を刈る場合、ライン状に芝が刈られた後の隣り合うラインの芝目がそれぞれ逆方向となるように芝刈り機に規則的に芝刈り作業を行わせることが望まれる。グリーン等とラフとの境界についても、なるべく滑らかになるように芝刈り作業を行うことが望まれる。
そのため、本実施形態では、芝刈対象領域であるグリーン等の周縁の芝を刈るための外周経路、及び、グリーン等の芝を規則的に刈るための反転経路を介して相互に連結された略平行な直線経路を芝刈り機に走行させ、それぞれの経路で芝刈り作業させる場合の例を説明する。ここで、本実施形態は、隣接する直線経路が反転経路を介して連結して形成され、芝刈り機が隣接する直線経路を順次逆方向に走行する例を説明するが、例えば特許第3454666号に示されるように、ある直線経路が、いくつかの隣接する直線経路を飛ばした直線経路に反転経路を介して連結して形成された経路(以下、「飛ばし経路」ともいう。)を走行経路の一部又は全部としてもよい。また、略平行な直線経路に替えて、略平行な曲線経路としてもよい。
なお、直線経路での作業が終了した後に外周経路での芝刈り作業を開始するか、外周経路での芝刈り作業を先行させるかは任意であるが、本実施形態では、前者の例を説明する。
<全体概要>
芝刈り作業に必要となる装置類の全体概要を図1a、1bに示す。本実施形態では、RTK−GPS方式(Real Time Kinematic GPS:干渉測位方式)を用いて、現在位置の計測を行いながらゴルフ場の芝刈り作業を行う芝刈り機1の例を示す。
基地局2は、RTK−GPSの基準局に相当するGPS受信装置21及び送受信装置22と、GPSアンテナ25と、通信アンテナ26とを備えている。基地局2は、その経度、緯度、高さが既知の地点に設置される。GPS受信装置21は、芝刈り機1の位置情報の誤差を補正するための補正情報を生成する。この補正情報は、送受信装置22及び通信アンテナ26を通じて、芝刈り機1へ適宜送信される。補正情報の送信タイミングは、例えば、芝刈り機1が要求するタイミングであったり、所定の間隔(例えば100ms毎)であったりする。
本実施形態においては、測位方式として、RTK−GPS方式を用いているが、デファレンシャルGPS方式(Differential GPS:相対測位方式)を用いてもよい。
芝刈り機1は、制御装置10、車速センサ11、方位角速度センサ12、駆動制御部13、GPSアンテナ15、通信アンテナ16を備えている。
制御装置10は、本発明の作業機械制御装置の一例となるもので、CPU、通信機能、ストレージ機能(内部記録媒体並びに外部記録媒体に対するドライブユニット及び/又は入出力インタフェース)及び表示機能(ディスプレイ)を備えたコンピュータ装置と、所定のコンピュータプログラムとで構成される。このコンピュータプログラムは、コンピュータ装置を、GPS受信部101、送受信部102、車両情報受信部105、駆動指令部106、制御情報生成部107、記憶部108、リムーバブル記録媒体インタフェース部109、主制御部112として機能させる。主制御部112は、各部の動作を統括的に制御する。このコンピュータ装置は、時刻データと制御動作の同期クロックとを出力するRTC(Real Time Clock)モジュールを備えたものである。芝刈り機が方位角速度センサを備えていない等の場合のために、制御装置10が、方位角速度センサを備えてもよい。制御装置10の詳細については後述する。
車速センサ11は、芝刈り機1の前進又は後退する際の走行速度を検出する。方位角速度センサ12は、三次元軸線回り(ロール、ピッチ、ヨー)の角速度により芝刈り機1の傾き、旋回、ふらつき等の挙動(動態)を検出する。方位角速度センサ12で計測すべきデータを加速度計で代用しても良い。また、芝刈り機1が備える各種計器の計測結果を取り込むことで、センサ11,12を代用することもできる。
駆動制御部13は、後述する作業制御信号に基づいて芝刈り機1が備える刈り刃の昇降及び作動等を駆動する作業駆動機構を制御したり、後述する走行制御信号に基づいて芝刈り機1の右左折、前進、後退等を駆動する走行駆動機構を制御する。この駆動制御部13は、図示されるように、制御装置10とは別に設けても良いが、制御装置10の一機能として実現しても良い。
GPSアンテナ15は、GPS衛星から送信されたGPSデータを受信する位置検出センサとして機能するものである。通信アンテナ16は、基地局2の通信アンテナ26との間の通信を可能にする。この通信は、上記の芝刈り機1の位置情報の誤差を補正するための補正情報、芝刈り機1のオペレータとの通信、芝刈り機1の遠隔操作のための信号等の送受信に使用される。
走行経路生成装置3は、本発明の走行経路生成装置の一例となるもので、CPU、通信機能、ストレージ機能(内部記録媒体並びに外部記録媒体に対するドライブユニット及び/又は入出力インタフェース)、入力機能(キーボード、マウス等)、表示機能(ディスプレイ)を備えたコンピュータ装置と、所定のコンピュータプログラムとで構成される。このコンピュータプログラムは、コンピュータ装置を、領域設定部301、経路生成部302、動作設定部303、主制御部304を含む制御部30、操作入力部31、表示部32、記憶部33、リムーバブル記録媒体インタフェース部34、送受信部35として機能させる。主制御部304は、各部の動作を統括的に制御する。走行経路生成装置3の詳細については後述する。
<芝刈り機>
芝刈り機1の外観を図2(a)、(b)に示す。図2(a)は芝刈り機1を側面から見た外観図、同(b)は上面から見た外観図である。上述した制御装置10、車速センサ11、方位角速度センサ12、駆動制御部13、及び走行駆動機構及び作業駆動機構は、芝刈り機1の機体に内蔵されている。
方位角速度センサ12は、芝刈り機1の挙動が正しく伝達される位置に設置される。GPSアンテナ15は、芝刈り機1の機体のほぼ中心部位、すなわち機体の長さ方向と幅方向それぞれのほぼ中心となるように備えられる。また、通信アンテナ16は、GPSアンテナ15の受信の障害にならないように芝刈り機1の機体の後方表面から突出するように取り付けられる。
芝刈り機1は、芝を刈るための一対の刈り刃18、19を備えている。前方の刈り刃18は、走行方向と直交する方向の刈り幅W[m]のうち、左右端の芝を刈り取る。後方の刈り刃19は、刈り幅W[m]のうち、中央部の芝を刈り取る。この刈り幅W[m]が、芝刈り機1の1回の走行、作業で芝を刈りとることができる作業幅となる。
<制御装置>
図1aに戻り、制御装置10のGPS受信部101は、GPSアンテナ15で受信したGPSデータを制御情報生成部107へ出力する。送受信部102は、通信アンテナ16を介して、制御情報生成部107と基地局2との間の通信を可能にし、通信アンテナ16で受信した芝刈り機1の位置情報の誤差を補正するための補正情報を制御情報生成部107に出力する。制御情報生成部107は、GPSアンテナ15で受信したGPSデータと通信アンテナ16で受信した芝刈り機1の位置情報の誤差を補正するための補正情報に基づいて、芝刈り機1の現在位置を表す位置情報を生成する。また、送受信部102は、有線若しくは無線、又はLAN(Local Area Network)若しくは公衆通信回線を問わず任意のネットワークに接続されることができる。
車両情報受信部105は、車速センサ11及び方位角速度センサ12から、芝刈り機1の走行速度、方位、挙動を表す検知情報を取得する。取得した情報がアナログデータの場合には、それらをデジタルデータに変換して出力する。その際、必要に応じて、方位角速度センサ12の出力からオフセット成分及びドリフト成分の除去処理等を施すデータ補正を行う。車両情報受信部105の出力情報は、現在時刻データと関連付けて、記憶部108に記録される。
駆動指令部106は、制御情報生成部107の出力情報(走行制御信号/作業制御信号)に基づいて、芝刈り機1を走行制御あるいは作業制御するために走行駆動機構あるいは作業駆動機構の制御内容を定めた情報を駆動制御部13へ出力する。駆動制御部13は、この情報をもとに、芝刈り機の走行駆動機構あるいは作業駆動機構を制御する。これにより、芝刈り機1による芝刈り作業が可能となる。
記憶部108は、後述の走行経路生成装置3により生成された走行経路及び動作データや所定のコンピュータプログラム等を記録することができる。記憶部108は、ハードディスクや半導体メモリ等の任意の数の記憶部品から構成されるが、これらに限定されるものではない。
リムーバブル記録媒体インタフェース部109には、CD−ROMやDVD等の光ディスク、USBメモリ、SDメモリカード等のリムーバブル記録媒体40が着脱自在に装着することができる。また、リムーバブル記録媒体インタフェース部109は、装着されたリムーバブル記録媒体40に記録されたデータを読み出したり、リムーバブル記録媒体40にデータを書き込んだりすることができる。リムーバブル記録媒体インタフェース部109は、例えばリムーバブル記録媒体40がCD−ROMやDVD等の光ディスクであれば専用のリーダ/ライタ等であり、USBメモリであればUSBポート等であり、SDメモリカードであればカードスロット等であるが、これらに限定されるものではない。
後述の走行経路生成装置3により生成された走行経路及び動作データが、記憶部108又はリムーバブル記録媒体インタフェース部109に装着されたリムーバブル記録媒体40に記録されており、制御情報生成部107は、その走行経路及び動作データとGPSデータや各種センサ11等より取得した現在位置とに基づいて、走行制御信号及び作業制御信号を生成し、出力する。これにより自動走行による作業を可能にする。
<走行経路生成装置>
芝刈り機1が走行するための走行経路は、走行経路生成装置3によって生成される。図1bを参照して、操作入力部31は、キーボードやマウス等から構成されるが、これらに限定されるものではない。表示部32は、CRTや液晶ディスプレイ等から構成されるが、これらに限定されるものではない。
記憶部33は、後述の走行経路生成装置3により生成された走行経路及び動作データや所定のコンピュータプログラム等を記録することができる。記憶部33は、ハードディスクや半導体メモリ等の任意の数の記憶部品から構成されるが、これらに限定されるものではない。
リムーバブル記録媒体インタフェース部34には、CD−ROMやDVD等の光ディスク、USBメモリ、SDメモリカード等のリムーバブル記録媒体40が着脱自在に装着することができる。また、リムーバブル記録媒体インタフェース部109は、装着されたリムーバブル記録媒体40に記録されたデータを読み出したり、リムーバブル記録媒体40にデータを書き込んだりすることができる。リムーバブル記録媒体インタフェース部109は、例えばリムーバブル記録媒体40がCD−ROMやDVD等の光ディスクであれば専用のリーダ/ライタ等であり、USBメモリであればUSBポート等であり、SDメモリカードであればカードスロット等であるが、これらに限定されるものではない。
送受信部35は、有線若しくは無線、又はLAN(Local Area Network)若しくは公衆通信回線を問わず任意のネットワークに接続されることができる。送受信部35は、例えば、後述の走行経路生成装置3により生成された走行経路及び動作データをネットワークを介して制御装置1に送信することができる。
制御部30は、領域設定部301、経路生成部302、動作設定部303を有する。領域設定部301は、芝刈り機1が芝刈り作業を行う作業対象領域の外周50、及び崖、バンカー、岩、立木などの存在のために芝刈り機1の進入が禁止である進入禁止領域51の外周の設定を行う。
具体的には、領域設定部301は、図3(b)に、座標A1、A2、・・・、An、座標I11、I12、I13、・・・、座標I21、I22、I23、・・・として例示されるような、GPSデータ等を用いる公知の測量装置によって実際に測量された作業対象領域の外周50及び進入禁止領域の外周51についての離散的な位置情報の集合が記録された記録媒体の情報をリムーバブル記録媒体インタフェース部を介して読み出し、作業対象領域の外周50及び進入禁止領域の外周51についての離散的な位置情報の隣り合う座標の各々を繋いだものを作業対象領域の外周50及び進入禁止領域の外周51として記憶部33に記録する。測量装置はGPSデータ等を用いるものに限定されず、任意のものを用いることができる。また、作業対象領域の外周50及び進入禁止領域の外周51についての緯度経度などを操作入力部31を介して直接入力してもよい。設定された作業対象領域の外周50及び進入禁止領域の外周51を任意の方法で修正することができるようにしてもよい。
経路生成部302は、領域設定部301によって設定された作業対象領域の外周50に基づいて外周経路Cを生成する。経路生成部302は更に、後述のとおり、生成された外周経路Cに基づいて、直線経路を生成するとともに、例えば、任意に設定された自動走行開始位置から、ある直線経路の作業開始位置までの走行経路、全ての直線経路での作業が終了した位置から外周経路の作業開始位置までの走行経路、外周経路の作業終了位置から任意に設定された自動走行終了位置までの走行経路である「つなぎ経路」をも生成する。つまり、芝刈り機1が走行すべき経路を記憶部33に記録する。
経路生成部302は、操作入力部31を介して入力された芝刈り機1の機体サイズ、刈り刃の刈り幅、最小旋回半径や旋回時に描く曲線の形状等の旋回特性を含む属性情報、隣接する直線経路間の間隔と、作業対象領域の外周50と進入禁止領域の外周51との位置関係とに基づいて、一つの直線経路(第1直線経路)を走行し終えた芝刈り機1が次の直線経路(第2直線経路)へと方向転換するための反転経路のタイプを、少なくとも反転経路上を走行する芝刈り機1が進入禁止領域の外周51に干渉しないように選択し、第1及び第2直線経路に連結し、走行経路として記憶部33に記録する。
動作設定部303は、経路生成部302によって生成された走行経路と関連づけられた、芝刈り機1の走行中あるいは停止中の刈り刃18,19の昇降動作や刈り刃18,19の回転の起動又は停止などを含む芝刈り作業に係る各種設定、芝刈り機1の速度や反転経路走行時の進行方向(前進又は後進)を含む動作データを生成する。
以上の装置構成を前提に、本発明の一実施形態に係る走行経路生成装置の走行経路生成処理の例を図4に示すフローチャート、図7に示す生成される走行経路等を参照して、以下に説明する。なお、説明の便宜上、図7における、作業対象領域の外周50、進入禁止領域の外周51、直線経路、反転経路の各々の縮尺や形状は一部正確ではない。
ステップS1において、上述のように、領域設定部301は、図3(b)に、座標A1、A2、・・・、An、座標I11、I12、I13、・・・、座標I21、I22、I23、・・・として例示されるような、GPSデータ等を用いる公知の測量装置によって実際に測量された作業対象領域の外周50及び進入禁止領域の外周51についての離散的な位置情報の集合が記録された記録媒体の情報をリムーバブル記録媒体インタフェース部を介して読み出し、作業対象領域の外周50及び進入禁止領域の外周51についての離散的な位置情報の隣り合う座標の各々を繋いだものを作業対象領域の外周50及び進入禁止領域の外周51として記憶部33に記録する。
ステップS2において、操作入力部31を介して、芝刈り機1の機体サイズ、速度特性、刈り刃の刈り幅、最小旋回半径や旋回時に描く曲線の形状等の旋回特性を含む属性情報、隣接する直線経路間の間隔が入力される。入力される情報の一部又は全部は、記憶部33に予め記憶しておき、これを読み出す方式としてもよい。ここで、隣接する直線経路間の間隔は、刈り刃の刈り幅に基づいて、隣接する直線経路での刈り幅のオーバーラップ量を考慮して決められるものであり、入力された刈り刃の刈り幅に基づいて経路生成部302が自動計算をしてもよい。
ステップS3において、外周経路Cは、刈り刃18の刈り幅Wを考慮すると、作業対象領域の外周50から約W/2[m]だけ内側となるので、経路生成部302は、作業対象領域の外周50から外周経路Cを生成する。
ステップS4において、経路生成部302は、生成された外周経路Cに基づいて直線経路を生成する。まず、直線経路の作業開始位置Plsと作業開始位置Plsに対向する直線経路の端部P1が操作入力部31を介して指定される。この作業開始位置Plsと端部P1を通過する直線とステップS2で入力された隣接する直線経路間の間隔だけ離れて生成された直線群の中から、外周経路Cとの交点を持つものを選択して、その交点につながる線分を直線経路とする。
例えば、図5に示すように、外周経路Cと直線経路との交点のうち、作業開始位置Plsである交点(座標)をP0とする。また、外周経路Cを挟んで交点(座標)P0(Pls)と対向する交点(座標)がP1となる。さらに、交点(座標)P1に対して反時計回り方向で隣接する交点(座標)をP2、外周経路Cを挟んで交点(座標)P2と対向する交点(座標)をP3とする。以下同様に、交点(座標)P4から交点(座標)P19(Ple)まで、順番に番号を割り当てていく。このように、複数の交点(座標)に対して0から順番に番号を割り当てていく作業をラベリングといい、番号をラベルという。ラベリングの順番が、芝刈り機1が直線経路を走行する際に通過する、外周経路Cとの交点(座標)の順番となる。
つまり、芝刈り機1は、交点(座標)P0(Pls)から交点(座標)P1に向かって直線経路を走行し、その後、交点(座標)P2から交点(座標)P3に方向転換して、順次、直線経路を走行する。交点(座標)P4以降についても同様となる。
設定された作業対象領域の外周50と進入禁止領域の外周51、生成された直線経路は表示部32に表示され、ユーザは操作入力部31を介した入力によって、生成された直線経路の位置や方向、隣接する直線経路間の間隔等の修正を行うことができる。
本実施形態では、略平行な経路を直線経路としたが、任意の曲線経路としてもよい。
本実施形態では、直線経路の作業開始位置Plsに対して、作業開始位置Plsに対向する直線経路の端部P1を指定することによって直線経路の傾きを決定したが、直線経路の作業開始位置Plsを指定した後に、経路生成部302が、記憶部30に記憶されたユーザが予め設定した規則に基づいて、直線経路の傾き(曲線経路の場合は曲線経路の方向)を自動的に決定してもよい。ユーザが予め設定する規則としては、例えば、指定された直線経路の作業開始位置Plsを通過する直線及びその直線に基づく直線群を、直線経路の作業開始位置Plsを中心として回転させ、外周経路Cとの交点につながる線分群において最大の長さの線分が得られる傾きを直線経路の傾きとすることが考えられる。
本実施形態では作業領域は一つの方向の直線で刈り込んだ一つの面で構成されるが、ゴルフ場でのドックレッグコースのような場合では、全体を同じ方向に刈り込まず、コースをいくつかの部分に分けて、その各部分について刈り込む方向を一つの方向に揃える場合がある。そのような場合には、各部分の領域を、例えば操作入力部31を介して指定し、各部分について、ステップS4以下の処理をそれぞれ実施すればよい。
ステップS5において、経路生成部302は、入力された属性情報と隣接する直線経路間の間隔に基づいて、図6に示すような水滴型、右半水滴型、左半水滴型、スイッチバック型の反転経路を、それぞれの反転経路のタイプに対応する所定のアルゴリズムを用いて生成し、記憶部33に記録する。本実施形態では、各タイプの反転経路は各1つ生成されるが、各タイプの反転経路について、曲率の異なる複数の反転経路を生成してもよい。ここで、例えば最小旋回半径が大きい等、芝刈り機1の旋回性能によっては、隣接する直線経路間の間隔が小さい場合、水滴型、右半水滴型、左半水滴型のいずれかが生成禁止である場合がある。
水滴型の反転経路の特徴は、左右の両側で急激なカーブがないため、運転性(drivability)がよいが、作業対象領域の外周50と進入禁止領域の外周51が接近している場合に、反転経路上を走行する芝刈り機1と進入禁止領域の外周51との間に干渉が生じたり、芝刈り機1の最小旋回半径が大きい場合所定の値よりも小さい隣接する直線経路間の間隔に対応できない。また、反転経路の曲率が大きい場合は、芝を傷めやすい。
右半水滴型の反転経路の特徴は、反転経路の左側について進入禁止領域の外周51への干渉を避けやすいことが挙げられる。左半水滴型の反転経路についても同様に、反転経路の右側について進入禁止領域の外周51への干渉を避けやすい。
スイッチバック型の反転経路は、図6に示されるように、2つのスイッチバック点(切り返し点)を有し、始点と第1のスイッチバック点、第1のスイッチバック点と第2のスイッチバック点、第2のスイッチバック点と終点はそれぞれ緩和曲線であるクロソイド曲線をベースとしている。スイッチバック型の反転経路の特徴は、隣接する直線経路間の間隔が小さい場合も対応できることが挙げられる。また、反転経路が緩和曲線であるクロソイド曲線をベースとして構成されているので、芝を傷めにくい。一方、反転には時間がかかる。
また、反転経路の方向のタイプは、芝刈り機1が反転経路に作業対象領域の外側方向に進入する外側反転経路と、芝刈り機1が反転経路に作業対象領域の内側方向に進入する内側反転経路が用意されている。外側反転経路においては、芝刈り機1は反転経路に前進で進入することになり、内側反転経路においては、芝刈り機1は反転経路に後進で進入することになる。
ステップS6において、水滴型、右半水滴型、左半水滴型、スイッチバック型の順で、隣接する一対の直線経路の端部に外側反転経路として接続された反転経路上を走行する芝刈り機1が進入禁止領域に干渉するか否かを判定し、進入禁止領域に干渉しないタイプの反転経路が発見された時点で、ステップS7において、そのタイプの反転経路を走行経路として選択し、隣接する一対の直線経路の端部に連結する。このとき、通常、生成された反転経路の始点又は終点のいずれかと隣接する一対の直線経路の端部にいずれかとの間に間が空くので、その直線経路に重なるか又はその直線経路の延長となる直線を補充して連結する。
例えば、図7において、生成された水滴型の反転経路を外側反転経路として、隣接する一対の直線経路L3、L4の端部である交点(座標)P5、P6に接続してみると、その反転経路上を走行する芝刈り機1は進入禁止領域に干渉する。そこで、次に生成された右半水滴型の反転経路を外側反転経路として、交点(座標)P5、P6に接続してみると、なお進入禁止領域に干渉する。そこで、生成された左半水滴型の反転経路を外側反転経路として、交点(座標)P5、P6に接続してみると、進入禁止領域に干渉しなくなるので、この左半水滴型の反転経路を走行経路R3として選択する。そして、左半水滴型の反転経路の終点を交点(座標)P6に連結すると、左半水滴型の反転経路の始点と交点(座標)P5との間に間が空くので、直線経路L3の延長となる直線を補充して、左半水滴型の反転経路を交点(座標)P5に連結する。
ステップS8において、いずれのタイプの反転経路を外側反転経路として接続しても反転経路上を走行する芝刈り機1が進入禁止領域の外周51に干渉する場合は、同様に水滴型、右半水滴型、左半水滴型、スイッチバック型の順で、隣接する一対の直線経路の端部に内側反転経路として接続された反転経路上を走行する芝刈り機1が進入禁止領域に干渉するか否かを判定し、進入禁止領域に干渉しないタイプの反転経路が発見された時点で、ステップS9において、そのタイプの反転経路を走行経路として選択し、隣接する一対の直線経路の端部に連結する。このとき、通常、生成された反転経路の始点又は終点のいずれかと隣接する一対の直線経路の端部にいずれかとの間に間が空くので、その直線経路に重なるか又はその直線経路の延長となる直線を補充して連結する。
例えば、図7において、隣接する一対の直線経路L1、L2の端部である交点(座標)P1、P2については、いずれのタイプの反転経路についても外側反転経路として接続した場合は、反転経路上を走行する芝刈り機1は進入禁止領域に干渉する。そこで、生成された水滴型の反転経路を内側反転経路として、交点(座標)P1、P2に接続してみると、進入禁止領域に干渉しなくなるので、この左半水滴型の反転経路を走行経路R1として選択する。そして、水滴型の反転経路の始点を交点(座標)P1に連結すると、水滴型の反転経路の終点と交点(座標)P2との間に間が空くので、直線経路L2と重なる直線を補充して、水滴型の反転経路を交点(座標)P2に連結する。
なお、グリーン等の内部にバンカーや池等が存在する等の理由によって、ステップS9において、適切なタイプの反転経路が発見されなかった場合は、表示部32や図示されていない音声出力部を用いてその旨をユーザに知らせる。芝刈り機1が、走行経路を生成しながら遠隔操縦されている場合は、送受信部35を介して遠隔操縦しているユーザに知らせてもよい。そして、ユーザは、反転経路の形状を操作入力部31を介して指定するようにする。
ステップS10において、ステップS6〜S9を、隣接する一対の直線経路のすべてについて終了するまで繰り返す。
ステップS11において、操作入力部31を介して、走行開始位置Pts、走行終了位置Pteを指定する。
ステップS12において、経路生成部302は、指定された走行開始位置Pts、走行終了位置Pte、ステップS3で入力された属性情報に基づいて、走行開始位置Ptsから、ある直線経路の作業開始位置Plsまでの走行経路J1、全ての直線経路での作業が終了した位置Pleから外周経路の作業開始位置Pcsまでの走行経路J2、外周経路の作業終了位置Pceから走行終了位置Pteまでの走行経路であるつなぎ経路J3を所定のアルゴリズムにより生成する。これにより、走行開始位置、反転経路を介して直線経路が相互に連結して形成された走行経路、外周経路、走行終了位置が、つなぎ経路により接続され、全走行経路が生成される。
設定された作業対象領域の外周50と進入禁止領域の外周51、生成された全走行経路は表示部32に表示され、ユーザは操作入力部31を介した入力によって、走行経路の修正を行うことができる。例えば、ある選択された反転経路を、既に生成された水滴型、右半水滴型、左半水滴型、スイッチバック型の反転経路の1つに置き換えることができる。また、例えば、直線経路の位置や方向、隣接する直線経路間の間隔、反転経路の形状をユーザの指定のものに変更することもできる。
ステップS13において、経路生成部302は、生成された全走行経路を記憶部33又はリムーバブル記録媒体インタフェース部34に装着されたリムーバブル記録媒体40に記録する。
ステップS14において、動作設定部303は、操作入力部31を介して入力された芝刈り機1属性情報に基づいて、芝刈り機1の走行中あるいは停止中の刈り刃18,19の昇降動作や刈り刃18,19の回転の起動又は停止などを含む芝刈り作業に係る各種設定、芝刈り機1の速度、芝刈り機1の反転経路走行時の進行方向(前進又は後進)を、経路生成部302によって生成された走行経路と関連づけて行い、動作設定データを生成する。
芝刈り機1の反転経路走行時の進行方向(前進又は後進)については、デフォルトの設定が前進であるので、内側反転経路である場合に後進とする。
ステップS15において、動作設定部303は、生成された動作データを記憶部33又はリムーバブル記録媒体インタフェース部34に装着されたリムーバブル記録媒体40に記録する。
生成された走行経路及び動作データは、リムーバブル記録媒体40を介して制御装置10に移すことができる。また、生成された走行経路及び動作データは、走行経路生成装置3の送受信部35及び制御装置10の送受信部102によって任意のネットワークを介して制御装置10にダウンロードしてもよい。例えば、芝刈り機1に乗車しているオペレータが持っているタブレット型のコンピュータで走行経路生成装置3を構成し、無線LAN経由で制御装置10にダウンロードすることが考えられる。また、基地局に経路生成装置3を設け、基地局から直接制御装置10に、又は基地局からタブレット型のコンピュータのような任意のコンピュータ装置に一旦ダウンロードし、更にそのタブレット型のコンピュータのような任意のコンピュータ装置から制御装置10にダウンロードすることも考えられる。
本実施形態によれば、作業対象領域の外周と進入禁止領域の外周が接近していても、作業対象領域の全域にわたって作業を行うことを可能とする作業機械の走行経路を生成することができる。
上記の実施形態においては、全走行経路は自動生成されたが、走行経路及び/又は動作データの一部又は全部をユーザの指定により生成してもよい。例えば、直線経路の位置や方向、反転経路の形状や方向、隣接する直線経路間の間隔、つなぎ経路、芝刈り機1の速度、刈り刃18,19の昇降動作は、ユーザが、表示部32に表示された作業対象領域の外周50、進入禁止領域の外周51、生成中の走行経路を参照して、指定する構成とすることができる。
上記の実施形態においては、ステップS6において、水滴型、右半水滴型、左半水滴型、スイッチバック型の順で、外側反転経路として、次いで内側反転経路として、直線経路の端部に接続された反転経路上を走行する芝刈り機1が進入禁止領域に干渉するか否かを判定し、進入禁止領域に干渉しないタイプの反転経路が発見された時点で、そのタイプの反転経路を走行経路として選択した。しかしながら、作業対象領域の外周と進入禁止領域の外周との位置関係によっては、進入禁止領域の外周とは干渉しない水滴型、右半水滴型、又は左半水滴型の外側反転経路はあるが、その反転経路の曲率が大きく芝を傷める可能性があり、一方でスイッチバック型の外側反転経路では反転経路上を走行する芝刈り機1が進入禁止領域の外周と干渉してしまう場合が考えられる。したがって、水滴型、右半水滴型、又は左半水滴型の外側反転経路の曲率が所定の値よりも大きく、スイッチバック型の外側反転経路では反転経路上を走行する芝刈り機1が進入禁止領域の外周と干渉する場合、スイッチバック型の内側反転経路を選択する、すなわち、作業対象領域の外周と進入不可領域の外周との位置関係に応じて、外側反転経路ではなく、内側反転経路を走行経路として選択するように構成してもよい。
また、作業対象領域の外周や進入禁止領域の外周以外の地形データ(例えば、傾斜データ)を更に記憶部33に記録しておき、作業対象領域の外周や進入禁止領域の外周以外の地形データも参照して、走行経路が生成されるようにしてもよい。例えば、傾斜がある場合、平面上に投影された刈り幅は、刈り刃の刈り幅Wよりも小さくなる。そこで、作業対象領域の外周50付近に刈り残しが生じないように、傾斜を考慮して、外周経路Cを作業対象領域の外周50のW/2内側から補正して設定されるようにしてもよい。また、傾斜を考慮して、隣接する直線経路での刈り幅のオーバーラップ量が所定の値以上確保されるように直線経路が生成されるようにしてもよい。また、作業対象領域の外周や進入禁止領域の外周以外の地形データも参照して、反転経路のタイプが選択されるようにしてもよい。
上記の実施形態においては、隣接する直線経路が反転経路を介して連結して形成され、芝刈り機が隣接する直線経路を順次逆方向に走行する例を説明したが、上述の飛ばし経路を用いる場合は、反転経路のタイプとして更に図6に示される盆型の反転経路を生成するアルゴリズムを用意し、ステップS6において、盆型、水滴型、右半水滴型、左半水滴型、スイッチバック型の順で、外側反転経路として、次いで内側反転経路として、直線経路の端部に接続された反転経路が進入禁止領域に干渉するか否かを判定し、進入禁止領域に干渉しないタイプの反転経路が発見された時点で、そのタイプの反転経路を走行経路として選択し、直線経路の端部に連結すればよい。図8に、飛ばし経路を一部に用いた走行経路の生成例を示す。図8の走行経路においては、飛ばし経路に関連して反転経路R3、R5、R7について盆型の反転経路が選択されている。図8の盆型の反転経路R3、R5、R7は、図7の反転経路R3、R5、R7に比べて、距離も短く、またその形状から芝刈り機1はより大きな速度で走行でき、かつ芝も傷めにくい。したがって、この場合、全体として作業が短時間で、芝を傷めにくい走行経路を実現することができる。
上記の実施形態においては、走行経路生成装置は、走行制御装置とは別個のものであったが、走行制御装置に走行経路生成装置を組み入れてもよい。
なお、上記の実施形態の方法を実現するコンピュータプログラムを記録した記録媒体を、走行経路生成装置3や制御装置10に対して供給してもよい。この場合、走行経路生成装置3や制御装置10のコンピュータが、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取り、実行することによって、本発明の目的を達成することができる。したがって、記録媒体から読み取られたコンピュータプログラム自体が本発明の方法を実現するため、そのコンピュータプログラムが本発明を構成する。
上記の実施形態においては、本発明を芝刈り機に適用した例を説明したが、本発明は、農業機械や清掃機械等の任意の作業機械に適用可能である。
以上、本発明について、例示のためにいくつかの実施形態に関して説明してきたが、本発明はこれに限定されるものでなく、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、形態及び詳細について、様々な変形及び修正を行うことができることは、当業者に明らかであろう。
1・・・芝刈り機
10・・・制御装置
11・・・車速センサ
12・・・方位角速度センサ
13・・・駆動制御部
15・・・GPSアンテナ
16・・・通信アンテナ
101・・・GPS受信部
102・・・送受信部
105・・・車両情報受信部
106・・・駆動指令部
107・・・制御情報生成部
108・・・記憶部
109・・・リムーバブル記録媒体インタフェース部
112・・・主制御部
2・・・基地局
21・・・GPS受信装置
22・・・送受信装置
25・・・GPSアンテナ
26・・・通信アンテナ
3・・・走行経路生成装置
30・・・制御部
31・・・操作入力部
32・・・表示部
33・・・記憶部
34・・・リムーバブル記録媒体インタフェース部
35・・・送受信部
301・・・領域設定部
302・・・経路生成部
303・・・動作設定部
304・・・主制御部
40・・・リムーバブル記録媒体
50・・・作業対象領域の外周
51・・・進入禁止領域の外周

Claims (12)

  1. 作業対象領域において、少なくとも複数の略平行な経路の端部を反転経路を介して相互に連結して形成された経路を走行しながら所定作業を行う作業機械の走行経路を生成する装置であって、
    前記端部は、前記経路と前記作業対象領域の外周との交点付近に位置し、
    前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周を設定する領域設定部と、
    前記反転経路の各々について、前記作業対象領域の外周と前記進入禁止領域の外周との位置関係に応じて、前記作業機械が反転経路に前記作業対象領域の外側方向に進入する外側反転経路ではなく、前記作業機械が反転経路に前記作業対象領域の内側方向に進入する内側反転経路を前記走行経路として選択する経路生成部と、
    を含む走行経路生成装置。
  2. 前記経路生成部は、前記反転経路の各々を走行する前記作業機械が、前記進入禁止領域の外周に干渉しないように、前記内側反転経路、前記外側反転経路、のいずれかを前記走行経路として選択する請求項1に記載の走行経路生成装置。
  3. 前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周は、測量により得られた、前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周に関するデータに基づいて設定される請求項1又は2に記載の走行経路生成装置。
  4. 前記複数の略平行な経路は直線状の経路である請求項1〜3のいずれか1項に記載の走行経路生成装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の走行経路生成装置により生成された走行経路を記憶する記憶部と、
    前記作業対象領域を走行しながら所定作業を行う前記作業機械の挙動及び現在位置を検出する検出手段と、
    前記作業対象領域を走行する前記作業機械の現在位置及び前記記憶部に記録された前記走行経路に少なくとも基づいて、前記作業機械に前記走行経路を走行させるための走行制御信号を出力することにより、前記作業機械が備える走行駆動機構を制御する制御手段と、を含む作業機械制御装置。
  6. 請求項5に記載の作業機械制御装置と、
    前記作業機械制御装置から出力される前記走行制御信号に基づいて自己の走行を駆動する走行駆動機構と、
    を含む作業機械。
  7. 作業対象領域において、少なくとも複数の略平行な経路の端部を反転経路を介して相互に連結して形成された経路を走行しながら所定作業を行う作業機械の走行経路を生成する方法であって、
    前記端部は、前記経路と前記作業対象領域の外周との交点付近に位置し、
    前記作業対象領域の外周、及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周を設定するステップと、
    前記反転経路の各々について、前記作業対象領域の外周と前記進入禁止領域の外周との位置関係に応じて、前記作業機械が反転経路に前記作業対象領域の外側方向に進入する外側反転経路ではなく、前記作業機械が反転経路に前記作業対象領域の内側方向に進入する内側反転経路を前記走行経路として選択するステップと、
    を含む走行経路生成方法。
  8. 前記選択するステップは、前記反転経路の各々を走行する前記作業機械が、前記進入禁止領域の外周に干渉しないように、前記内側反転経路、前記外側反転経路、のいずれかを前記走行経路として選択する請求項7に記載の走行経路生成方法。
  9. 前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周は、測量により得られた、前記作業対象領域の外周及び前記作業対象領域の外部の進入禁止領域の外周に関するデータに基づいて設定される請求項7又は8に記載の走行経路生成方法。
  10. 前記複数の略平行な経路は直線状の経路である請求項7〜9のいずれか1項に記載の走行経路生成方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の走行経路生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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