JPH117318A - 移動ロボットの走行制御方法 - Google Patents

移動ロボットの走行制御方法

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JPH117318A
JPH117318A JP9158885A JP15888597A JPH117318A JP H117318 A JPH117318 A JP H117318A JP 9158885 A JP9158885 A JP 9158885A JP 15888597 A JP15888597 A JP 15888597A JP H117318 A JPH117318 A JP H117318A
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Japan
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traveling
travel
mobile robot
route
area
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JP9158885A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Saito
藤 浩 明 斉
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05DSYSTEMS FOR CONTROLLING OR REGULATING NON-ELECTRIC VARIABLES
    • G05D1/00Control of position, course, altitude or attitude of land, water, air or space vehicles, e.g. using automatic pilots
    • G05D1/02Control of position or course in two dimensions
    • G05D1/021Control of position or course in two dimensions specially adapted to land vehicles
    • G05D1/0212Control of position or course in two dimensions specially adapted to land vehicles with means for defining a desired trajectory
    • G05D1/0214Control of position or course in two dimensions specially adapted to land vehicles with means for defining a desired trajectory in accordance with safety or protection criteria, e.g. avoiding hazardous areas

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有限の旋回半径を有し且つ位置誤差を容認し
て走行する移動ロボットの場合、従来の走行制御では、
走行不能領域に接近しすぎてそれ以上の前進が困難にな
ることがあった。 【解決手段】 センシングにより取得した地形データD
において所定の目標Tに向かう経路A上に走行不能領域
Nが存在する際に、地形データD内の移動ロボットR自
体の走行可能範囲において走行不能領域Nを回避する一
定舵角の回避走行経路A3を設定し、次のセンシングに
よる地形データDが取得されるまでその回避走行経路A
3に基づいて走行駆動機構を制御し、以後、更新される
地形データD毎に回避走行経路の設定および走行駆動機
構の制御を行う移動ロボットの走行制御方法とし、走行
不能領域Nを確実に回避すると共に、地形データDの重
ね合わせを不要にして計算負荷の軽減を実現した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、地球外の
天体において、環境をセンシングしながら自律走行する
移動ロボットに用いられる走行制御方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の移動ロボットは、外界
センサにより環境をセンシングして地形データを取得
し、地形データに基づいて経路を計画し、その経路に沿
って移動するように走行駆動系を制御する。環境のセン
シングは間欠的に行われており、順次取得される地形デ
ータの重ね合わせを行うことによってより正確な環境認
識が可能となる。また、障害物などの走行不能領域に対
しては、これを回避するための幾つかの方法があり、例
えば、走行不能領域からの反発力を用いて回避方向を求
めるポテンシャル法や、走行不能領域の形状に基づいて
回避方向を求めるグラディエント法などがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うな移動ロボットは、例えば、絶対的な位置の計測手段
によって自己位置を正確に判断することも可能ではある
が、地球外の天体といった特異な環境で走行させること
や、計算負荷や消費エネルギーをなるべく節約するのが
望ましいことなどを考慮すると、局所的な走行において
は絶対位置の計測手段を常時使用することが不可欠であ
るとは言い難い。そこで、計測手段を使用せずあるいは
使用を制限し、ある程度の位置誤差を容認して走行させ
ることが考えられているが、この場合には、その位置誤
差によって走行不能領域に接近しすぎるような事態が予
想され、これを回避する必要が生じてくる。
【0004】しかしながら、ポテンシャル法やグラディ
エント法を用いる従来の走行制御では、移動ロボットの
走行駆動機構を考慮したものではないことから、例えば
移動ロボットが有限の旋回半径を有する走行駆動機構を
備えたものである場合、走行不能領域に接近しすぎてそ
れ以上の前進が困難になることがあり、このような問題
を解決することが課題であった。なお、前進が困難にな
った場合には当然後退することとなるが、このような動
作はその分エネルギーを消費する無駄な動作となるの
で、極力避けることが望ましい。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題に着目して成
されたもので、有限の旋回半径を有する走行駆動機構を
備えた移動ロボットであって、例えば位置誤差により走
行不能領域に遭遇した場合に、前進しつつその走行不能
領域を回避することができ、しかも計算負荷の軽減など
を実現することができる移動ロボットの走行制御方法を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる移動ロボ
ットの走行制御方法は、請求項1として、有限の旋回半
径を有する走行駆動機構を備えるとともに環境を間欠的
にセンシングしながら自立走行を行う移動ロボットの走
行制御方法であって、センシングにより取得した地形デ
ータにおいて所定の目標に向かう経路上に走行不能領域
が存在する際に、地形データ内の移動ロボット自体の走
行可能範囲において走行不能領域を回避する一定舵角の
回避走行経路を設定し、次のセンシングによる地形デー
タが取得されるまでその回避走行経路に基づいて走行駆
動機構を制御し、以後、更新される地形データ毎に回避
走行経路の設定および走行駆動機構の制御を行う構成と
し、請求項2として、移動ロボットの正面を中心とする
地形データの左右の範囲において、走行不能領域の占有
面積が小さい側に回避走行経路を設定する構成とし、請
求項3として、異なる舵角による複数の設定走行経路を
予めテーブル化しておき、その設定走行経路群の中から
走行不能領域を回避する一定舵角の回避走行経路を選択
する構成としており、上記の構成を課題を解決するため
の手段としている。
【0007】また、本発明に係わる移動ロボットの走行
制御方法は、請求項4として、請求項1〜3のいずれか
に記載の移動ロボットの走行制御方法により走行不能領
域を回避した後、地形データ内の走行可能領域において
移動ロボットと目標を結ぶ直線の走行計画線を設定し、
走行計画線上に至る一定舵角の復帰走行経路を設定し、
復帰走行経路に基づいて走行駆動機構を制御する構成と
し、請求項5として、請求項1〜3のいずれかに記載の
移動ロボットの走行制御方法により走行不能領域を回避
したのち、地形データ内の走行可能領域において移動ロ
ボットと直線の走行計画線で結ばれる二次目標を設定
し、走行計画線上に至る一定舵角の復帰走行経路を設定
し、復帰走行経路に基づいて走行駆動機構の制御を行う
構成とし、請求項6として、異なる舵角による複数の設
定走行経路を予めテーブル化しておき、その設定走行経
路群の中から走行計画線上に至る一定舵角の復帰走行経
路を選択する構成としており、上記の構成を課題を解決
するための手段としている。
【0008】なお、請求項1の構成においては、環境の
センシングを行う外界センサの視野の範囲や解析性能、
移動ロボットの走行速度、センシングの間欠時間、およ
びセンシングから地形データ作成までの処理時間などの
条件が影響するので、これらの条件に対応して回避動作
開始の時期を決定する。
【0009】請求項1および4の構成においては、例え
ば、所定の方位を目標として走行する場合と、予め別の
手段により設定された計画走行経路に沿って目標に向け
て走行する場合とが含まれ、とくに、請求項4の構成に
おいては、計画走行経路そのものを目標としても良い。
【0010】また、請求項1、4および5において、一
定舵角の回避走行経路または復帰走行経路を設定し、そ
の走行経路に基づいて走行駆動機構を制御するには、例
えば、移動ロボットの位置と移動しようとする目標点の
位置との関係から、目標点に至る旋回半径を求め、その
旋回半径の軌跡を回避走行経路または復帰走行経路とす
ると共に、その旋回半径となる舵角を求めて走行駆動機
構を制御することが可能である。さらに、舵角そのもの
によっても回避走行経路または復帰走行経路が設定され
るが、このような設定は、請求項3および6のように予
め設定走行経路群をテーブル化しておくのに用いるのが
良い。
【0011】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる移動ロボット
の走行制御方法では、センシングにより取得した地形デ
ータにおいて所定の目標に向かう経路上に走行不能領域
が存在する際に、地形データ内の移動ロボット自体の走
行可能範囲において走行不能領域を回避する一定舵角の
回避走行経路を設定する。つまり、当該移動ロボットの
走行駆動機構に基づいて一定舵角の回避走行経路を設定
するので、走行不能領域の反発力や形状に基づいて回避
方向を求める場合に比べて、計算負荷が著しく少なくな
ると共に、前進しつつ走行不能領域を確実に回避するこ
ととなる。また、次のセンシングによる地形データが取
得されるまでその回避走行経路に基づいて走行駆動機構
を制御するので、地形データが更新されるまで回避行動
が継続され、以後、更新される地形データ毎に回避走行
経路の設定および走行駆動機構の制御を行うので、地形
データの重ね合わせを行う必要がなく、その分計算負荷
がより少ないものとなる。
【0012】本発明の請求項2に係わる移動ロボットの
走行制御方法では、移動ロボットの正面を中心とする地
形データの左右の範囲において、走行不能領域の占有面
積が小さい側に回避走行経路を設定するので、走行不能
領域の回避に要する移動距離が短くなると共に、目標方
向と著しく異なる方向に走行するような事態を未然に防
止する。
【0013】本発明の請求項3に係わる移動ロボットの
走行制御方法では、異なる舵角による複数の設定走行経
路を予めテーブル化しておき、その設定走行経路群の中
から走行不能領域を回避する一定舵角の回避走行経路を
選択するので、回避走行経路の設定に要する計算負荷が
より一層軽減される。
【0014】本発明の請求項4に係わる移動ロボットの
走行制御方法では、走行不能領域を回避したのち、地形
データ内の走行可能領域において移動ロボットと目標を
結ぶ直線の走行計画線を設定し、走行計画線上に至る一
定舵角の復帰走行経路を設定し、復帰走行経路に基づい
て走行駆動機構を制御するので、回避した走行不能領域
に再び接近するような事態を確実に防止したうえで、当
初の目標に向かう走行に復帰し得ることとなる。
【0015】本発明の請求項5に係わる移動ロボットの
走行制御方法では、走行不能領域を回避したのち、地形
データ内の走行可能領域において移動ロボットと直線の
走行計画線で結ばれる二次目標を設定し、走行計画線上
に至る一定舵角の復帰走行経路を設定し、復帰走行経路
に基づいて走行駆動機構を制御するので、走行不能領域
から確実に離れる方向に走行し得る。
【0016】本発明の請求項6に係わる移動ロボットの
制御方法では、異なる舵角による複数の設定走行経路を
予めテーブル化しておき、その設定走行経路群の中から
走行計画線上に至る一定舵角の復帰走行経路を選択する
ので、走行不能領域の回避後における復帰走行経路の設
定に要する計算負荷がより一層軽減され、当初の目標に
向かう走行に迅速に復帰し得ることとなる。
【0017】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる移動ロボット
の走行制御方法によれば、有限の旋回半径を有する走行
駆動機構を備えた移動ロボットにおいて、例えば位置誤
差により経路上に走行不能領域が存在する際に、当該移
動ロボットの走行駆動機構に基づいて一定舵角の回避走
行経路を設定するので、前進しつつその走行不能領域を
確実に回避することができると共に、ポテンシャル法や
グラディエント法を用いた従来の走行制御に比べて、走
行不能領域の回避に要する計算負荷を著しく軽減するこ
とができる。また、地形データが更新されるまで回避行
動が継続されるため、回避している走行不能領域に達す
る可能性が著しく少なく、しかも、更新される地形デー
タ毎に制御を行うことから、地形データの重ね合わせを
行う場合に比べて計算負荷を大幅に軽減することができ
る。
【0018】本発明の請求項2に係わる移動ロボットの
走行制御方法によれば、請求項1と同様の効果を得るこ
とができるうえに、走行不能領域の回避に要する移動距
離を短くすることができると共に、目標方向と著しく異
なる方向に走行するような事態を未然に防止して、無駄
な動作を防ぐことができる。
【0019】本発明の請求項3に係わる移動ロボットの
走行制御方法によれば、請求項1および2と同様の効果
を得ることができるうえに、回避走行経路の設定に要す
る計算負荷をより一層軽減することができると共に、制
御全体の処理の高速化を実現することができる。
【0020】本発明の請求項4に係わる移動ロボットの
走行制御方法によれば、回避した走行不能領域に再び接
近するような事態を確実に防止することができると共
に、当初の目標に向かう走行に復帰させることができ。
【0021】本発明の請求項5に係わる移動ロボットの
走行制御方法によれば、回避した走行不能領域から確実
に離れる方向に走行させることができ、当初の目標に向
かう走行への円滑な復帰に貢献し得る。
【0022】本発明の請求項6に係わる移動ロボットの
制御方法によれば、請求項4および5と同様の効果を得
ることができるうえに、走行不能領域の回避後における
復帰走行経路の設定に要する計算負荷をより一層軽減す
ることができると共に、制御全体の処理の高速化を実現
することができ、ひいては当初の目標に向かう走行に迅
速に復帰させることができる。
【0023】
【実施例】図1〜図4は、本発明の請求項1〜4および
6に係わる移動ロボットの走行制御方法を説明する図で
ある。
【0024】図1に示す移動ロボットRは、地球外の天
体において環境を間欠的にセンシングしながら自立走行
を行うものであって、有限の旋回半径を有する走行駆動
機構として、例えば4つの車輪を構成に含む走行駆動機
構を備えている。この移動ロボットRは、図3に示すよ
うに、車輪、車輪駆動用モータおよび操舵装置などで構
成した走行駆動機構1と、センサ装置2と、制御装置3
を備えると共に、これらの動力源であるバッテリーなど
を備えている。
【0025】センサ装置2は、前方の一定範囲をセンシ
ングする地形センサ4と、移動ロボットRの姿勢を検出
する姿勢センサ5と、方位センサ6と、走行駆動機構1
の車輪の回転数を検出する車輪回転数センサ7を備えて
いる。地形センサ4には、例えばレーザレンジファイン
ダが用いられる。
【0026】制御装置3は、移動ロボットRの動作全般
を統括するナビゲーションシステム統括部8と、地形セ
ンサ4および姿勢センサ5の検出信号により地形データ
を得る地図生成部9と、方位センサ6および車輪回転数
センサ7の検出信号により移動した位置を検出する自己
位置算出部10を備えている。また、制御装置3は、地
図生成部9で得た地形データにおいて走行経路を計画す
る走行経路計画部11と、地図生成部9、姿勢センサ
5、方位センサ6および自己位置算出部10からの各信
号が入力される経路誘導部12を備えており、走行経路
計画部11および経路誘導部12をナビゲーションシス
テム統括部8に接続すると共に、経路誘導部12から走
行駆動機構1の制御指令を出力するようにしてある。
【0027】上記の走行駆動機構1、センサ装置2およ
び制御装置3を備えた移動ロボットRは、方位センサ6
と車輪回転数センサ7の検出信号により、自己位置算出
部10において移動した位置を検出することから、例え
ば走行地面の状態によって車輪が空転した場合などに
は、実際の位置と当該移動ロボットRが判断している位
置とに誤差が生じることとなり、その誤差を修正せずに
走行する。このようにすることにより、計算負荷や消費
電力を節約できる。なお、位置誤差の修正が必要であれ
ば、一定距離を走行したのち、絶対的な位置の計測手段
を用いて位置誤差を修正することが可能である。
【0028】図1は、上記構成を備えた移動ロボットR
が、図の上方向に直進する状態において地形センサ4で
前方を扇形にセンシングし、地図生成部9で地形データ
Dを得た状態を示す図である。この移動ロボットRに
は、図の上方向である一定方位に向かう指令が与えられ
ている。したがって、地形データDにおける直進方向の
延長線上に目標Tがあり、その延長線が経路Aである。
そして、目標Tに向かう経路Aの途中に走行不能領域N
が存在している。
【0029】なお、移動ロボットRが走行して図1の位
置に達したとすると、走行不能領域Nは図1よりも前の
段階で地形データD内に検出されることになるが、一般
的にこの種の地形センサ4は、距離が離れるにつれてセ
ンシングの誤差が多くなるので、ある程度の距離まで接
近しないと正確な検出が行えないことがある。したがっ
て、図1のような状況が生じることとなる。
【0030】次に、図1の状況に対する当該移動ロボッ
トRの走行制御方法を図4に示すフローチャートととも
に説明する。図4は制御装置3における処理過程を示す
ものである。
【0031】まず、ステップS1において、ナビゲーシ
ョンシステム統括部8から制御開始の動作指令が出力さ
れると、ステップS2において、地形データD内で経路
Aの読み込みを行うのに続いて、ステップ3において、
自己位置、方位および姿勢データの読み込みを行い、ス
テップS4において、地形データDが更新されているか
否かを確認する。地形データDが更新されている(Y)
場合には、ステップS5において、経路を追跡する走行
制御指令を算出するのに続いて、ステップS6におい
て、経路A上に走行不能領域Nがあるか否かを判断す
る。
【0032】図1の状況では経路A上に走行不能領域N
があるので、ステップS6においては経路A上に走行不
能領域Nがある(Y)と判断される。そして、この判断
が成されると、ステップS7において、地形データD内
の移動ロボットR自体の走行可能範囲で走行不能領域N
を回避する一定舵角の回避走行経路を設定する。
【0033】ここで、移動ロボットR自体の走行可能範
囲は、最小旋回半径に基づく左右の設定走行経路A1,
A9間の範囲である。
【0034】また、当該走行制御方法では、制御装置3
において、異なる舵角による複数の設定走行経路A1〜
A9が予めテーブル化してあって、その設定走行経路群
の中から走行不能領域Nを回避する一定舵角の回避走行
経路を選択するようになっており、これにより、回避走
行経路の設定に要する計算負荷を軽減すると共に、回避
動作の迅速化を図っている。設定走行経路の数は多数設
定可能であるが、この実施例では便宜上9本を示す。
【0035】さらに、当該走行制御方法では、移動ロボ
ットRの正面を中心とする地形データDの左右の範囲に
おいて、走行不能領域Nの占有面積が小さい側に回避走
行経路を設定するようにしてあり、これにより、走行不
能領域Nの回避に要する移動距離の短縮化を図ってい
る。走行不能領域Nの左右の占有面積がほぼ均等である
場合には、いずれか一方に回避するように決めておけば
良い。
【0036】そして、この実施例では、移動ロボットR
の正面を中心とする地形データDの左右の範囲を見た場
合、左側の範囲において走行不能領域Nの占有面積が小
さいことから、移動ロボットRの幅寸法や走行不能領域
Nに対する限界接近距離などを考慮したうえで、例えば
左から3番目の設定走行経路A3を回避走行経路として
選択する。なお、当該移動ロボットRは、センシングを
行ってから地形データDを取得するまでに一定の時間が
かかり、その間も走行し続けていることから、図1中に
実線で示すセンシング時の位置に対して、地形データD
の取得時には図1中の仮想線で示す位置に達している。
したがって、設定走行経路A1〜A9および回避走行経
路(A3)は、地形データDの取得時における移動ロボ
ットRの位置および走行方向に合わせて設定される。
【0037】上記の回避走行経路が設定されると、これ
が回避指令となり、ステップS8において、走行駆動機
構1に制御指令が送信され、走行駆動機構1の操舵装置
を駆動して一定舵角(一定旋回半径)の回避走行経路に
沿った走行を行う。
【0038】こののち、ステップS9において、経路の
終点に到達したか否かを判断し、到達していない場合
(N)には、ステップS3に戻る。そして、ステップS
4において、地形データDが更新されていない場合
(N)には、ステップS10において、処理過程の1サ
イクル前が走行不能領域Nの回避指令であったか否かを
判断し、図1の状況では1サイクル前が回避指令であっ
た場合(Y)であるから、回避指令を出力し続ける。
【0039】すなわち、当該走行制御方法では、間欠的
にセンシングを行っており、その間欠時間に対して処理
フローの時間が圧倒的に短いことから、地形データDが
更新されるまで(ステップS4でYとなるまで)の間
は、先に設定した回避走行経路(A)を走行し続けるよ
うに走行駆動機構1を制御している。したがって、移動
ロボットRが走行不能領域Nに到達するようなことはな
い。そして、当該走行制御方法では、更新される地形デ
ータD毎に回避走行経路の設定および走行駆動機構1の
制御を行う。このように、更新される地形データD毎に
対処することにより、地形データの重ね合わせを行う場
合に比べて計算負荷が大幅に軽減されることとなる。
【0040】次に、図2に示すように、移動ロボットR
が走行不能領域Nを回避すると、ステップ6において、
走行不能領域Nが無い(N)と判断される。走行不能領
域Nが無いと判断する基準としては、例えば、移動ロボ
ットRの走行可能範囲に走行不能領域Nが無い場合、あ
るいは地形データD内に走行不能領域Nが無い場合が挙
げられる。
【0041】ステップ6において、走行不能領域Nが無
い(N)と判断すると、ステップS11において、処理
過程の1サイクル前が走行不能領域Nの回避指令であっ
たか否かを判断し、図2の状況では1サイクル前が回避
指令であった場合(Y)であるから、ステップS12に
おいて、地形データD内の走行可能領域において移動ロ
ボットRと目標Tを結ぶ直線の走行計画線Pを設定し、
さらに、ステップS13において、走行計画線P上に至
る一定舵角の復帰走行経路Qを設定し、これを経路追跡
指令として走行駆動機構1を制御する。
【0042】ここで、目標Tは、先述したように、当該
移動ロボットRには図の上方向となる一定方位に向かう
指令が与えてあるので、地形データDにおいて自ずと指
令方位に設定される。また、一定舵角の復帰走行経路Q
は、実質的に図1に示す設定走行経路A1〜A9および
回避走行経路(A3)と同じであって、異なる舵角によ
る複数の設定走行経路を予めテーブル化しておき、その
設定走行経路群の中から走行計画線P上に至る一定舵角
の復帰走行経路Qを適当に選択すれば良く、これによ
り、復帰走行経路Qの設定に要する計算負荷を軽減する
と共に、復帰動作の迅速化を図っている。
【0043】こののち、移動ロボットRは、走行計画線
Pを経路として目標Tに向かって走行し、最終的には、
ステップS9において、経路終点に到達した(Y)と判
断したところで、ステップS14において、ナビゲーシ
ョンシステム統括部8へ行動終了を指示する。このよう
に、当該走行制御方法によれば、図1に示すように経路
A上に走行不能領域Nが存在する際に、当該移動ロボッ
トRの走行駆動機構1に基づいて一定舵角の回避走行経
路(A3)を設定するので、図2に示す如く前進しつつ
その走行不能領域Nを確実に回避し、その後は、走行不
能領域Nに再度接近することなく目標Tに向かう経路に
復帰する。
【0044】また、当該移動ロボットRは、通常走行を
しているときには、図4において、ステップS6で走行
不能領域がない(N)と判断し、ステップS11で1サ
イクル前が回避指令ではない(N)と判断し、ステップ
8,9を経てステップS3に戻り、ステップS4で地形
データが更新されたことを確認するまでの間は、ステッ
プS10において1サイクル前が回避指令ではない
(N)と判断してステップS5に進み、以下、同じ処理
を繰返し行いつつ経路追跡を継続する。
【0045】なお、当該走行制御方法において、回避動
作開始の時期は、環境のセンシングを行う外界センサ4
の視野の範囲や解析性能、移動ロボットRの走行速度、
センシングの間欠時間、およびセンシングから地形デー
タD作成までの処理時間などの条件に応じて決定するの
が良い。
【0046】図5〜図7は、本発明の請求項1〜6に係
わる移動ロボットの走行制御方法を説明する図である。
なお、移動ロボットRは、有限の旋回半径を有する走行
駆動機構や、先の実施例において図3に示した各装置を
備えており、制御装置における処理フローは基本的に図
4に示すものと同じである。
【0047】図5に示す移動ロボットRは、例えば走行
前の段階において、別の手段により設定された計画走行
経路に沿って目標に向けて走行する指令が与えられてお
り、走行開始後は、センシングにより取得した地形デー
タD内に計画走行経路を投影して、その経路に沿って走
行するように制御されている。
【0048】ところが、移動ロボットRは、方位センサ
と車輪回転数センサの検出により自己位置を判断し、走
行している間に生じる絶対位置との誤差を修正しないこ
とから、図5に示すように、実際の計画走行経路Aaと
当該移動ロボットRが認識している計画走行経路Abと
にずれが生じ、実際の計画走行経路Aaでは回避するは
ずであった走行不能領域Nが、地形データD上に投影さ
れた計画走行経路Ab上に存在する状況になることがあ
る。
【0049】このような状況において、当該走行制御方
法では、地形データD内の移動ロボットR自体の走行可
能範囲で走行不能領域Nを回避する一定舵角の回避走行
経路を設定する。なお、当該走行制御方法では、先の実
施例と同様に、異なる舵角による複数の設定走行経路A
1〜A9が予めテーブル化してあって、その設定走行経
路群の中から走行不能領域Nを回避する一定舵角の回避
走行経路を選択すると共に、移動ロボットRの正面を中
心とする地形データDの左右の範囲において、走行不能
領域Nの占有面積が小さい側に回避走行経路を設定す
る。
【0050】そして、この実施例では、移動ロボットR
の正面を中心とする地形データDの左右の範囲を見た場
合、右側の範囲において走行不能領域Nの占有面積が小
さいことから、移動ロボットRの幅寸法や走行不能領域
Nに対する限界接近距離などを考慮したうえで、例えば
右から3番目の設定走行経路A7を回避走行経路として
選択し、回避走行経路(A7)に基づいて走行駆動機構
を制御し、地形データDが更新されるまで回避動作を継
続する。以後、更新される地形データD毎に回避走行経
路の設定および走行駆動機構の制御を行うこととなる。
【0051】また、走行不能領域Nを回避した後、この
実施例では、図6に示すように計画走行経路Abおよび
走行不能領域Nが地形データD外になり、このような状
況では計画走行経路Abに無理に戻ろうとすると走行不
能領域Nに再接近する恐れがあるので、地形データD内
の走行可能領域において移動ロボットRと直線の走行計
画線Pで結ばれる二次目標Tsを任意に設定し、その走
行計画線P上に至る一定舵角の復帰走行経路Qを設定
し、復帰走行経路Qに基づいて走行駆動機構の制御を行
う。これにより、移動ロボットRは、走行不能領域Nか
ら確実に離間する方向に走行する。
【0052】このような二次目標Tsおよび復帰走行経
路Qは、地形データD内の計画走行経路A側寄りの位置
に設定するのが良く、その設定自体は図4のステップS
12および13において行う。それ以降の処理フロー
は、図4において、ステップS8→S9→S3→S4→
S10→S5→S6→S11→S8を地形データDが更
新されるまで繰返す。
【0053】そして、上記の二次目標Tsの設定に伴う
制御を適数繰返すことにより、図7に示すように地形デ
ータD上に計画走行経路Aが投影されたところで、この
計画走行経路Ab自体を目標にして走行計画線Pを設定
し、あるいは計画走行経路Ab上に二次目標Tsを設定
し、計画走行経路Abあるいは二次目標Tsに向けて走
行するように制御する。なお、図7では、図6において
設定した復帰走行経路Qに沿って走行した結果、地形デ
ータDが更新された時点で走行不能領域Nが無く、投影
された計画走行経路Abが直進方向にあるため、走行計
画線P上に至る復帰走行経路(図6の符号Q参照)を設
定することなく走行し得る場合を示している。
【0054】図8は、本発明の請求項4〜6に係わる移
動ロボットの走行制御方法を説明する図である。
【0055】この実施例では、地形データD内に、走行
不能領域Nが検出されているとともに計画走行経路Ab
が投影されている状況において、計画走行経路Abに復
帰する場合を示している。
【0056】このような状況では、テーブル化した設定
走行経路群を用い、計画走行経路Ab上に設定した二次
目標Tsに至る設定走行経路を復帰走行経路Q1として
選択することも可能であるが、地形データDの遠方側
に、走行可能領域を通って計画走行経路Ab上の目標T
に至る直線の走行計画線Pを設定し、先の復帰走行経路
Q1と同等の移動距離で走行計画線P上の二次目標Ts
に至る復帰走行経路Q2を設定し、走行計画線Pを経て
計画走行経路Ab(目標)に向かうようにする。これに
より、走行不能領域Nから確実に離間する方向に走行し
得ると共に、走行距離も短縮化し得る。
【0057】なお、上記の各実施例では、異なる舵角に
よる複数の設定走行経路A1〜A9を予めテーブル化し
ておき、その設定走行経路群の中から走行不能領域を回
避する一定舵角の回避走行経路(A3,A7)あるいは
復帰走行経路Qを選択するとしたが、一定舵角の回避走
行経路または復帰走行経路を設定し、その走行経路に基
づいて走行駆動機構を制御するには、例えば、移動ロボ
ットの位置と移動しようとする目標の位置との関係か
ら、目標に至る旋回半径を求め、その旋回半径の軌跡を
回避走行経路または復帰走行経路とすると共に、その旋
回半径となる舵角を求めて走行駆動機構を制御すること
が可能である。
【0058】すなわち、図9に示すように、移動ロボッ
トRが斜め前方の目標Tに移動しようとする場合には、
移動ロボットRの真横の延長線上に旋回中心Oがあるの
で、目標Tを通って延長線に直交する線において目標T
から交点cまでの距離をdyとし、移動ロボットRの中
心から交点cまでの距離をdxとすると、旋回中心Oに
基づく移動ロボットRの旋回半径rは次の式で求めるこ
とができる。
【0059】r=dx+dy/2dx したがって、図2および図6に示すような走行計画線P
上や、図7および図8に示すような計画走行経路Ab
上、あるいは経路とは関係のない任意の位置に目標T
(二次目標Tsと同等)を設定し、その目標Tに至る旋
回半径rを上記の式で求めれば、旋回半径rの軌跡Ac
が回避走行経路Anまたは復帰走行経路Qnとなり、そ
の旋回半径rとなる舵角を求めて走行駆動機構を制御す
ればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1〜4および6に係わる移動ロ
ボットの走行制御方法を説明する図であって、走行不能
領域に対する回避前の状態を示す平面説明図である。
【図2】図1に続いて走行不能領域を回避した状態を示
す平面説明図である。
【図3】移動ロボットの構成を説明するブロック図であ
る。
【図4】図3の制御装置における処理過程を説明するフ
ローチャートである。
【図5】本発明の請求項〜6に係わる移動ロボットの走
行制御方法を説明する図であって、走行不能領域に対す
る回避前の状態を示す平面説明図である。
【図6】図5に続いて二次目標を設定した状態を示す平
面説明図である。
【図7】図6に続いて計画走行経路に復帰する状態を示
す平面説明図である。
【図8】本発明の請求項4〜6に係わる移動ロボットの
走行制御方法を示す平面説明図である。
【図9】移動ロボットから目標に至る旋回半径の求め方
を示す平面説明図である。
【符号の説明】
1 走行駆動機構 A 経路 A1〜A9 設定走行経路 A3 A7 An 回避走行経路(設定走行経路) Aa Ab 計画走行経路 D 地形データ N 走行不能領域 P 走行計画線 Q Qn Q1 Q2 復帰走行経路 R 移動ロボット T 目標 Ts 二次目標

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有限の旋回半径を有する走行駆動機構を
    備えるとともに環境を間欠的にセンシングしながら自立
    走行を行う移動ロボットの走行制御方法であって、セン
    シングにより取得した地形データにおいて所定の目標に
    向かう経路上に走行不能領域が存在する際に、地形デー
    タ内の移動ロボット自体の走行可能範囲において走行不
    能領域を回避する一定舵角の回避走行経路を設定し、次
    のセンシングによる地形データが取得されるまでその回
    避走行経路に基づいて走行駆動機構を制御し、以後、更
    新される地形データ毎に回避走行経路の設定および走行
    駆動機構の制御を行うことを特徴とする移動ロボットの
    走行制御方法。
  2. 【請求項2】 移動ロボットの正面を中心とする地形デ
    ータの左右の範囲において、走行不能領域の占有面積が
    小さい側に回避走行経路を設定することを特徴とする請
    求項1に記載の移動ロボットの走行制御方法。
  3. 【請求項3】 異なる舵角による複数の設定走行経路を
    予めテーブル化しておき、その設定走行経路群の中から
    走行不能領域を回避する一定舵角の回避走行経路を選択
    することを特徴とする請求項1または2に記載の移動ロ
    ボットの走行制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の移動ロ
    ボットの走行制御方法により走行不能領域を回避した
    後、地形データ内の走行可能領域において移動ロボット
    と目標を結ぶ直線の走行計画線を設定し、走行計画線上
    に至る一定舵角の復帰走行経路を設定し、復帰走行経路
    に基づいて走行駆動機構を制御することを特徴とする移
    動ロボットの走行制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の移動ロ
    ボットの走行制御方法により走行不能領域を回避したの
    ち、地形データ内の走行可能領域において移動ロボット
    と直線の走行計画線で結ばれる二次目標を設定し、走行
    計画線上に至る一定舵角の復帰走行経路を設定し、復帰
    走行経路に基づいて走行駆動機構の制御を行うことを特
    徴とする移動ロボットの走行制御方法。
  6. 【請求項6】 異なる舵角による複数の設定走行経路を
    予めテーブル化しておき、その設定走行経路群の中から
    走行計画線上に至る一定舵角の復帰走行経路を選択する
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の移動ロボッ
    トの走行制御方法。
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