JP5868788B2 - 移動体 - Google Patents

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Description

本発明は、予め定められた経路に沿って移動する移動体に関する。
従来、予定走行軌跡上に障害物を検出した場合に、その予定走行軌跡から局所的に逸れて障害物を回避するロボットが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
このロボットは、局所的回避が必要と判断した場合に、障害物を超えたところに設定される局所的な目的地と局所的な経路地図とに基づいて最短経路を算出することにより局所的に障害物を回避する経路を算出する。
石田卓也、外4名、「再利用性を考慮した移動ロボット用ソフトウェアモジュールの開発−目的地までの指定経路走行に適した障害物回避手法−」、第27回日本ロボット学会学術講演会、2009年9月15日、RSJ2009AC2Q2-01
しかしながら、非特許文献1のロボットは、予定走行軌跡上に障害物を検出する度にその障害物を回避するための最短経路の算出を実行するため演算負荷が大きく、障害物を検出してから走行を再開させるまでに時間がかかるという問題がある。
上述の点に鑑み、本発明は、障害物を回避するための動きをより早期に実行可能な移動体を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の実施例に係る移動体は、所定経路に沿って移動する移動体であって、前記移動体を動かす駆動装置と、前記移動体の進行方向にある障害物を検出する障害物検出装置と、前記移動体の位置を検出する位置検出装置と、前記移動体が前記所定経路に沿って移動するように、前記位置検出装置が検出した前記移動体の位置に基づいて、前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記障害物検出装置が障害物を検出したときに、前記移動体が前記障害物に沿って移動するように前記駆動装置を制御し、前記位置検出装置が検出する前記移動体の位置が前記所定経路上の位置に復帰した場合に、前記所定経路に沿った移動を再開させる。
上述の手段により、本発明は、障害物を回避するための動きをより早期に実行可能な移動体を提供することができる。
本発明の実施例に係る移動体の構成例を示す概略図である。 移動体の現在位置と地図データとの関係を示す図である。 障害物回避処理の流れを示すフローチャートである。 所定経路を辿る移動体が所定経路から逸脱し、障害物を迂回し、所定経路に復帰するまでの推移を示す図(その1)である。 所定経路を辿る移動体が所定経路から逸脱し、障害物を迂回し、所定経路に復帰するまでの推移を示す図(その2)である。 所定経路を辿る移動体が所定経路から逸脱し、障害物の迂回を試みた後、迂回できないと判定して停止するまでの推移を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明の実施例に係る移動体100の構成例を示す概略図である。本実施例では、移動体100は、主に、制御装置1、障害物検出装置2、位置検出装置3、記憶装置4、駆動装置5、及び出力装置6を含む。
移動体100は、予め設定された所定経路を辿るように移動する装置であり、例えば、掃除ロボット、AGV(Automated Guided Vehicle)等である。
具体的には、移動体100は、位置検出装置3が検出する自己位置と、記憶装置4に予め記憶された所定経路の周囲の地図データとに基づいて、所定経路と自己位置との間の相対位置関係を把握しながら、所定経路を辿る。
また、移動体100は、移動体100の進行方向において地図データに登録されていない障害物を障害物検出装置2が検出した場合に、その障害物を迂回するように、所定経路を逸れてその障害物に沿って移動する。この場合、移動体100は、ダイクストラ法、A法等を用いて最短経路を算出することなく、その障害物を上面視で時計回り又は反時計回りに迂回するための移動を開始する。なお、時計回り又は反時計回りの何れの方向に移動するかは、予め決定されていてもよく、各種情報に基づいてその都度決定されてもよい。
移動体100は、例えば、障害物を迂回する際に、右手又は左手をその障害物に当てながら障害物に沿って移動する。すなわち、移動体100は、移動体100の右側面及び左側面のうちの一方を常に障害物に向けるようにして移動する。なお、右側面及び左側面の何れを障害物に向けるかは、本実施例では、予め決定されている。但し、移動体100は、障害物を検出した場合に、例えば現在の自己位置に基づいて何れの側面を障害物に向けるかを決定してもよい。なお、移動体100は、ホロノミックな移動が可能であれば、移動体100の特定の面(例えば前面である。)を常に障害物に向けながら、上面視で時計回り又は反時計回りに障害物を迂回するようにしてもよい。
次に、移動体100の構成要素の詳細について説明する。
制御装置1は、移動体100の動作を制御するための装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータである。
本実施例では、制御装置1は、走行制御部10及び障害物回避走行制御部11のそれぞれの機能要素に対応するプログラムをROMから読み出してRAMに展開し、各機能要素に対応する処理をCPUに実行させる。
障害物検出装置2は、移動体100が通過できない穴、壁、段差等の地物を障害物として検出するための装置であり、例えば、カメラ等の画像センサ、レーザレンジファインダ等の距離センサ、静電容量型近接センサ等である。
本実施例では、障害物検出装置2は、移動体100の前部に取り付けられ、移動体100の進行方向における障害物を検出するレーザレンジファインダである。検出対象の障害物は、例えば、段ボール箱(例えば、幅50cm、奥行き35cmの直方体である。)、ポール(例えば、直径2cm)等である。障害物検出装置2は、所定経路に沿って走行する移動体100の進行方向にある障害物と移動体100との間の距離を検出し、その検出結果を制御装置1に対して出力する。なお、障害物検出装置2は、移動体100の前方の所定範囲(例えば50cmである。)に障害物が存在するか否かを検出するものであってもよい。
位置検出装置3は、移動体100の位置を検出するための装置であり、例えば、GPS(Global Positioning System)信号に基づいて移動体100の位置(緯度、経度、高度)を測定するGPS受信機である。また、位置検出装置3は、移動体100が車輪を用いて移動する場合には、オドメトリ法により移動体100の位置を検出してもよい。具体的には、位置検出装置3は、車輪に取り付けられるエンコーダの出力に基づいて既知の所定位置に対する移動距離及び移動方向を認識することによって移動体100の位置を検出してもよい。また、位置検出装置3は、ランドマーク法により、壁や床に描かれたマークをカメラで認識することによって移動体100の位置を検出してもよい。
記憶装置4は、各種情報を記憶するための装置であり、例えば、ハードディスク、半導体メモリ、光学記憶媒体等の不揮発性記憶媒体である。
本実施例では、記憶装置4は、移動体100が辿る所定経路の周囲の地図データを記憶する。地図データは、所定経路に関する情報、障害物の位置に関する情報等を含む。
駆動装置5は、移動体100を動かすための装置であり、例えば、車輪、無限軌道等を駆動して移動体100を移動させる。また、駆動装置5による移動体100の移動は、ホロノミックであってもよく、非ホロノミックであってもよい。
出力装置6は、各種情報を出力するための装置であり、例えば、液晶ディスプレイ、LED、スピーカ、ブザー等である。本実施例では、出力装置6は、移動体100に搭載され、制御装置1からの制御信号に応じて各種情報を表示したり、音声出力したりする。なお、出力装置6は、移動体100とは独立して設置される装置であってもよい。その場合、出力装置6は、無線通信を通じて制御装置1が出力する制御信号を受信してもよい。
次に、制御装置1が有する各種機能要素について説明する。
走行制御部10は、所定経路に沿った移動体100の走行(以下、「通常走行」とする。)を制御するための機能要素である。
本実施例では、走行制御部10は、位置検出装置3の出力と記憶装置4に記憶された地図データとに基づいて、所定経路と移動体100の位置との相対位置関係を把握する。そして、走行制御部10は、所定経路と移動体100の位置との相対位置関係に応じた制御信号を駆動装置5に対して出力し、所定経路に沿って移動体100が走行するように駆動装置5を制御する。
図2は、位置検出装置3が検出した移動体100の現在位置と記憶装置4が記憶する地図データとの関係を示す図である。図2に示すように、地図データは、例えば、点線で示す所定経路LCの周囲の領域を所定の大きさのグリッド(セル)で区切るグリッドマップである。また、地図データは、移動体100が通過できない障害物、穴、壁、段差等の既知の地物に関する情報をセル単位に記憶する。セル単位の記憶は、1つのセルに対応する領域の一部に地物が存在する場合であってもそのセルに対応する領域の全体に地物が存在するものとして扱うことを意味する。なお、図2の斜線ハッチング領域Wは、移動体100が通過できない壁を表す。また、図2の破線で囲まれる領域OBは、移動体100が通過できない障害物、穴、壁、段差等の、地図データに未だ記憶されていない地物であり、障害物検出装置2によって未だ検出されていない地物を表す。また、図2の五角形の指標MVは、所定経路LCを辿りながらセルに沿って図の上方に移動する移動体100の現在値を表す。なお、セルに沿った移動は、例えば、グリッドの経線又は緯線に沿った移動を意味する。
障害物回避走行制御部11は、障害物を回避するための移動体100の走行(以下、「障害物回避走行」とする。)を制御するための機能要素である。
本実施例では、障害物回避走行制御部11は、下位の機能要素として、暫定目標位置設定部110、経路復帰判定部111、及び到達可否判定部112を有する。
暫定目標位置設定部110は、移動体100が所定経路LCから逸脱して障害物回避走行を実行する際に、暫定的な目標位置を設定するための機能要素である。
具体的には、暫定目標位置設定部110は、障害物検出装置2によって障害物が検出された場合に、所定経路LCから逸脱する移動体100が向かう暫定目標位置を設定する。
「暫定目標位置」とは、障害物回避走行を終了して通常走行を再開させるための判定に用いられる位置である。
例えば、暫定目標位置設定部110は、障害物検出装置2によって検出された障害物が位置するセルを超えたところにある、所定経路LC上のセルを暫定目標位置として設定する。すなわち、障害物が位置するセルの先にあるそのセルに隣接する所定経路LC上のセルを暫定目標位置として設定する。なお、暫定目標位置設定部110は、複数の暫定目標位置を所定経路LC上に設定してもよい。
また、移動体100は、暫定目標位置の設定を省略してもよい。この場合、障害物回避走行を実行する移動体100は、所定経路LC上の何れかのセルに到達したときに、障害物回避走行を終了して通常走行を再開させる。
経路復帰判定部111は、所定経路LCから逸脱し障害物に沿って走行する移動体100が、所定経路LCに復帰したか否かを判定するための機能要素である。
経路復帰判定部111は、例えば、位置検出装置3の出力と記憶装置4に記憶された地図データとに基づいて、障害物回避走行を実行する移動体100が所定経路LC上の暫定目標位置に到達したか否かを判定する。
また、経路復帰判定部111は、暫定目標位置が設定されていない場合には、障害物回避走行を実行する移動体100が所定経路LC上の何れかのセルに到達したか否かを判定する。
障害物回避走行制御部11は、経路復帰判定部111により移動体100が暫定目標位置に到達した、或いは、所定経路LC上の何れかのセルに到達したと判定されると、障害物回避走行を終了して通常走行を再開させる。
到達可否判定部112は、所定経路LCから逸脱し障害物に沿って走行する移動体100が、所定経路LCに復帰できるか否かを判定するための機能要素である。
到達可否判定部112は、例えば、障害物回避走行を実行する移動体100が地図データ上の所定領域に到達したと判断した場合に、現在の障害物回避走行を継続したとしても所定経路LCに復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないと判定する。
所定領域は、例えば、地図データに予め登録されている領域であり、移動体100が通過できない障害物、穴、壁、段差等の地物に隣接する領域である。本実施例では、所定領域は、図2の壁Wに隣接するセルPCの位置を含む。
或いは、所定領域は、暫定目標位置設定部110により設定された暫定目標位置よりも所定経路LCの終点に近い領域として設定されてもよい。
また、到達可否判定部112は、移動体100が所定経路LCから逸脱した後の経過時間が所定時間に達した場合に、所定経路LCに復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないと判定してもよい。
また、到達可否判定部112は、移動体100が所定経路LCから逸脱した後の移動距離が所定距離に達した場合に、所定経路LCに復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないと判定してもよい。
また、到達可否判定部112は、暫定目標位置からの距離が所定距離を超えた場合に、所定経路LCに復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないと判定してもよい。
障害物回避走行制御部11は、到達可否判定部112により、所定経路LCに復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないと判定された場合、迂回方向を反転させる。具体的には、障害物回避走行制御部11は、例えば、移動体100が右側面を障害物に向けて走行していた場合には、移動体100が左側面を障害物に向けて走行するよう、駆動装置5に対して制御信号を出力する。なお、経路復帰判定部111は、迂回方向を判定させた後で移動体100が所定経路LCを逸脱した位置に戻ったとしても、移動体100が所定経路LCに戻ったと判定することはない。障害物が回避できていない状況に変わりがないためである。
或いは、障害物回避走行制御部11は、到達可否判定部112により、所定経路LCに復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないと判定された場合、暫定目標位置を変更してもよい。具体的には、障害物回避走行制御部11は、例えば、移動体100が暫定目標位置よりも所定経路LCの終点に近い領域に到達した場合に、移動体100の現在位置よりも所定経路LCの終点に近い所定経路LC上の位置に暫定目標位置を変更してもよい。
或いは、障害物回避走行制御部11は、所定経路LCに復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないと判定された場合に、移動体100の走行を停止させた上で、その旨を周囲に報知してもよい。具体的には、障害物回避走行制御部11は、例えば、出力装置6に対して制御信号を出力し、ランプを点灯させたり、ブザーを吹鳴させたりする。
なお、障害物回避走行制御部11は、左右の迂回方向の双方で障害物回避走行を実行した上でそれでもなお所定経路LCに復帰できないと判定された場合に、暫定目標位置を変更したり、その旨を周囲に報知したりしてもよい。
次に、図3を参照しながら、制御装置1が移動体100の障害物回避走行を制御する処理(以下、「障害物回避処理」とする。)について説明する。なお、図3は、障害物回避処理の流れを示すフローチャートであり、制御装置1は、所定周期で繰り返しこの障害物回避処理を実行する。
最初に、制御装置1の障害物回避走行制御部11は、障害物検出装置2の出力に基づいて、所定経路LCを辿る移動体100の進行方向に障害物が存在するか否かを判断する(ステップS1)。
障害物が存在しないと判断した場合(ステップS1のNO)、障害物回避走行制御部11は、今回の障害物回避処理を終了させる。
一方、障害物が存在すると判断した場合(ステップS1のYES)、障害物回避走行制御部11は、暫定目標位置設定部110により、所定経路LC上のセルの1つを暫定目標位置として設定する(ステップS2)。本実施例では、障害物回避走行制御部11は、その障害物を挟んだ向かい側にあるセルを暫定目標位置として設定する。
また、障害物回避走行制御部11は、2つの迂回方向の何れに移動体100を移動させるかを決定する(ステップS3)。具体的には、障害物回避走行制御部11は、移動体100の右側面を障害物に向けながら時計回りに障害物を迂回する方向、又は、移動体100の左側面を障害物に向けながら反時計回りに障害物を迂回する方向の何れかを決定する。なお、迂回方向は予め決定されていてもよく、移動体100の現在位置に基づいてリアルタイムに決定されてもよい。例えば、迂回方向は、最も近くにある壁から遠ざかる方向となるように決定されてもよい。
その後、障害物回避走行制御部11は、記憶装置4の地図データを参照し、駆動装置5に制御信号を出力し、セルに沿って移動体100を走行させることで、移動体100が障害物を迂回できるようにする(ステップS4)。
その後、障害物回避走行制御部11は、経路復帰判定部111により、所定経路LCから逸脱した移動体100が所定経路LCに復帰したか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、経路復帰判定部111は、位置検出装置3の出力に基づいて、移動体100が暫定目標位置に到達したか否かを判定する。
移動体100が暫定目標位置に到達したと判定した場合(ステップS5のYES)、障害物回避走行制御部11は、障害物回避走行を終了させ、通常走行を再開させる(ステップS6)。
一方、移動体100が暫定目標位置に未だ到達していないと判定した場合(ステップS5のNO)、障害物回避走行制御部11は、到達可否判定部112により、移動体100が所定領域に到達したか否かを判定する(ステップS7)。到達可否判定部112は、例えば、地図データに予め登録されている壁に隣接する領域に移動体100が隣接したか否かを判定する。
移動体100が所定領域に到達したと判定した場合(ステップS7のYES)、障害物回避走行制御部11は、時計回りの迂回方向と反時計回りの迂回方向との双方の障害物回避走行を既に実行したか否かを判定する(ステップS8)。
双方の障害物回避走行を既に実行したと判定した場合(ステップS8のYES)、障害物回避走行制御部11は、移動体100が暫定目標位置に到達できないと判断する。そして、障害物回避走行制御部11は、駆動装置5に対して制御信号を出力することによって移動体100を停止させ、出力装置6に対して制御信号を出力することによってその旨を外部に報知する(ステップS9)。
一方、移動体100が所定領域に到達していないと判定した場合(ステップS7のNO)、障害物回避走行制御部11は、現在の迂回方向の障害物回避走行を継続させるべく、処理をステップS4に戻す。
また、双方の障害物回避走行を未だ実行していないと判定した場合(ステップS8のNO)、障害物回避走行制御部11は、迂回方向を反転させる(ステップS10)。その上で、障害物回避走行制御部11は、反転後の迂回方向の障害物回避走行を実行すべく、処理をステップS4に戻す。
このように、障害物回避走行制御部11は、障害物を検出した場合には、通常走行を再開させるか、或いは、到達不能を報知するまで、所定経路LCの外部での移動体100のセルに沿った走行を制御する。
これにより、障害物回避走行制御部11は、障害物を検出した場合、その障害物を回避するための最短経路を算出することなく、障害物回避走行を実行することができる。その結果、移動体100は、障害物を検出した場合にもその動きを長時間にわたって止めることなく走行を継続することができ、障害物を回避するための動きをより早期に実行することができる。
次に、図4を参照しながら、障害物を検出した移動体100の動きについて説明する。なお、図4は、図2に対応する図であり、所定経路LCを辿る移動体100が所定経路LCから逸脱し、障害物を迂回し、所定経路LCに復帰するまでの推移を示す。また、図4では、最初に採るべき迂回方向が予め反時計回りに設定されている。
図4(A)に示すように、指標MVでその現在位置が表される移動体100は、左右の壁Wに挟まれる通路を所定経路LCに沿って移動している。
その後、図4(B)に示すように、移動体100は、セルC1の位置に到達したときに、障害物検出装置2により進行方向のセルC2の位置で障害物OBの一部を検出する。
このとき、移動体100は、暫定目標位置設定部110により、検出した障害物OBの一部が位置するセルC2に隣接する、所定経路LC上のセルC3の位置に星印で示す暫定目標位置PD1を設定する。なお、障害物OBは、実際にはセルC3の位置にも存在するが、この時点では、移動体100によって検出されていない。そのため、移動体100は、セルC2以外のセルのうち最も移動体100に近い位置にあるセルC3の位置に暫定目標位置PD1を設定する。
障害物OBの一部を検出した後、図4(C)に示すように、移動体100は、障害物OBを反時計回りに迂回するように右折して所定経路LCから逸脱し、セルに沿った障害物回避走行を開始する。
その後、移動体100は、図4(D)に示すように、セルC2を反時計回りに迂回するための左折を試みたときに、セルC4の位置で障害物OBの別の一部を検出する。
そのため、移動体100は、図の右方向へのセルに沿った走行を継続させ、図4(E)に示すように、セルC4を反時計回りに迂回するための左折を試みる。
この段階では、移動体100は、障害物OBの一部を検出しないため、左折を実行した後、図4(F)に示すように、図の上方向へのセルに沿った走行を継続させる。
その後、移動体100は、図4(G)に示すように、セルC4を反時計回りに迂回するための左折を試みたときに、セルC5の位置で障害物OBのさらに別の一部を検出する。
そのため、移動体100は、図の上方向へのセルに沿った走行を継続させる。このとき、移動体100は、セルC3の位置に設定していた暫定目標位置PD1をセルC6の位置に変更して暫定目標位置PD2を設定する。セルC5の位置にある障害物OBの一部の存在により、到達可否判定部112は、移動体100がセルC5の位置を通って暫定目標位置PD1に到達することができないと判断するためである。
その後、移動体100は、図4(H)に示すように、セルC5を反時計回りに迂回するための左折を試みる。
このとき、移動体100は、セルC7の位置で障害物OBのさらに別の一部を検出する。
そのため、移動体100は、図の上方向へのセルに沿った走行をさらに継続させる。このとき、移動体100は、セルC6の位置に設定していた暫定目標位置PD2をセルC8の位置に変更して暫定目標位置PD3を設定する。セルC7の位置にある障害物OBの一部の存在により、到達可否判定部112は、移動体100がセルC7の位置を通って暫定目標位置PD2に到達することができないと判断するためである。
その後、移動体100は、図4(I)に示すように、セルC7を反時計回りに迂回するための左折を試みる。
この段階では、移動体100は、障害物OBの一部を検出しないため、左折を実行した後、図4(J)に示すように、図の左方向へのセルに沿った走行を継続させ、セルC8の位置に設定された暫定目標位置PD3に到達する。
経路復帰判定部111により移動体100が暫定目標位置PD3に到達したと判定されると、移動体100は、障害物回避走行を中止して走行制御部10による通常走行を再開させる。
次に、図5を参照しながら、障害物を検出した移動体100の別の動きについて説明する。なお、図5は、図2及び図4に対応する図であり、所定経路LCを辿る移動体100が所定経路LCから逸脱し、障害物を迂回し、所定経路LCに復帰するまでの推移を示す。また、図5では、最初に採るべき迂回方向が時計回りに設定されている。
図5(A)に示すように、指標MVでその現在位置が表される移動体100は、左右の壁Wに挟まれる通路を所定経路LCに沿って移動している。
その後、図5(B)に示すように、移動体100は、セルC1の位置に到達したときに、障害物検出装置2により進行方向のセルC2の位置で障害物OBの一部を検出する。
このとき、移動体100は、暫定目標位置設定部110により、検出した障害物OBの一部が位置するセルC2に隣接する、所定経路LC上のセルC3の位置に星印で示す暫定目標位置PD1を設定する。
障害物OBの一部を検出した後、図5(C)に示すように、移動体100は、障害物OBを時計回りに迂回するように左折して所定経路LCから逸脱し、セルに沿った障害物回避走行を開始する。
その後、移動体100は、図5(D)に示すように、セルC2を時計回りに迂回するための右折を試みたときに、セルC9の位置で障害物OBの別の一部を検出する。
そのため、移動体100は、図の左方向へのセルに沿った走行を継続させ、図5(E)に示すように、セルC9を時計回りに迂回するための右折を試みる。
このとき、移動体100は、セルC10の位置で障害物OBのさらに別の一部を検出する。
そのため、移動体100は、図の左方向へのセルに沿った走行をさらに継続させる。
そして、移動体100は、到達可否判定部112により、移動体100が所定領域の一部であるセルPCの位置に到達したと判断すると、現在の迂回方向では暫定目標位置PD1に到達できないと判定する。
そして、移動体100は、図5(F)に示すように、障害物回避走行制御部11により、迂回方向を反転させ、図の右方向への走行を開始させる。このとき、移動体100は、セルC10及びセルC9を反時計回りに迂回するための左折を試みることなく、セルC2を反時計回りに迂回できる位置まで、図の右方向へのセルに沿った走行を継続させる。既に走行した部分のためである。
その後、図5(G)に示すように、セルC2を反時計回りに迂回するための左折を試みる。
このとき、移動体100は、セルC4の位置で障害物OBのさらに別の一部を検出する。
そのため、移動体100は、図の右方向へのセルに沿った走行を継続させ、図5(H)に示すように、セルC4を反時計回りに迂回するための左折を試みる。
この段階では、移動体100は、障害物OBの一部を検出しないため、左折を実行した後、図5(I)に示すように、図の上方向へのセルに沿った走行を継続させる。
その後、移動体100は、図4(G)〜図4(J)と同様の推移を辿り、セルC8の位置に設定された暫定目標位置PD3に到達する。
経路復帰判定部111により移動体100が暫定目標位置PD3に到達したと判定されると、移動体100は、障害物回避走行を中止して走行制御部10による通常走行を再開させる。
次に、図6を参照しながら、障害物を検出した移動体100のさらに別の動きについて説明する。なお、図6は、図2、図4、及び図5に対応する図であり、所定経路LCを辿る移動体100が所定経路LCから逸脱し、障害物の迂回を試みた後、迂回できないと判定して停止するまでの推移を示す。また、図6では、障害物OB1が左右の壁Wの間の通路を完全に塞いでいる。また、図6では、最初に採るべき迂回方向が反時計回りに設定されている。
図6(A)に示すように、指標MVでその現在位置が表される移動体100は、左右の壁Wに挟まれる通路を所定経路LCに沿って移動している。
その後、図6(B)に示すように、移動体100は、セルC1の位置に到達したときに、障害物検出装置2により進行方向のセルC2の位置で障害物OB1の一部を検出する。
このとき、移動体100は、暫定目標位置設定部110により、検出した障害物OB1の一部が位置するセルC2に隣接する、所定経路LC上のセルC3の位置に星印で示す暫定目標位置PD1を設定する。
障害物OB1の一部を検出した後、図6(C)に示すように、移動体100は、障害物OBを時計回りに迂回するように左折して所定経路LCから逸脱し、セルに沿った障害物回避走行を開始する。
その後、移動体100は、図6(D)に示すように、セルC2を時計回りに迂回するための右折を試みたときに、セルC9の位置で障害物OB1の別の一部を検出する。
そのため、移動体100は、図の左方向へのセルに沿った走行を継続させ、図6(E)に示すように、セルC9を時計回りに迂回するための右折を試みる。
このとき、移動体100は、セルC10の位置で障害物OB1のさらに別の一部を検出する。そのため、移動体100は、図の左方向へのセルに沿った走行をさらに継続させる。
そして、移動体100は、到達可否判定部112により、移動体100が所定領域の一部であるセルPCの位置に到達したと判断すると、現在の迂回方向では暫定目標位置PD1に到達できないと判定する。
そして、移動体100は、図6(F)に示すように、障害物回避走行制御部11により、迂回方向を反転させ、図の右方向への走行を開始させる。このとき、移動体100は、セルC10及びセルC9を反時計回りに迂回するための左折を試みることなく、セルC2を反時計回りに迂回できる位置まで、図の右方向へのセルに沿った走行を継続させる。既に走行した部分のためである。
その後、図6(G)に示すように、セルC2を反時計回りに迂回するための左折を試みる。このとき、移動体100は、セルC4の位置で障害物OB1のさらに別の一部を検出する。
そのため、移動体100は、図の右方向へのセルに沿った走行をさらに継続させ、図6(H)に示すように、セルC4を反時計回りに迂回するための左折を試みる。このときも、移動体100は、セルC11の位置で障害物OB1のさらに別の一部を検出する。
そのため、移動体100は、図の右方向へのセルに沿った走行をさらに継続させ、図6(I)に示すように、セルC11を反時計回りに迂回するための左折を試みる。このときも、移動体100は、セルC12の位置で障害物OB1のさらに別の一部を検出する。
その結果、移動体100は、所定領域の一部であるセルPC1に到達する。到達可否判定部112は、移動体100が所定領域の一部であるセルPCの位置に到達したと判断すると、何れの迂回方向においても移動体100が暫定目標位置PD1に到達できないと判定する。そして、障害物回避走行制御部11は、移動体100の走行を停止させ、出力装置6から警報を出力させる。
以上の構成により、移動体100は、最短経路を算出することなく障害物回避走行を開始するので、障害物を回避するための動きをより早期に実行することができる。
また、移動体100は、地図データ上の所定領域に到達したと判断した場合に、現在の障害物回避走行を継続したとしても所定経路に復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないと判定する。また、移動体100は、移動体100が所定経路LCから逸脱した後の経過時間が所定時間に達した場合、逸脱後の移動距離が所定距離に達した場合、或いは、暫定目標位置からの距離が所定距離を超えた場合に、同様の判定を行ってもよい。このようにして、移動体100は、現在の障害物回避走行を継続したとしても所定経路に復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないことを容易に判定することができる。
また、移動体100は、現在の障害物回避走行を継続したとしても所定経路に復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないと判定した場合に迂回方向を反転させる。また、移動体100は、同様の判定を行った場合に、暫定目標位置を変更してもよく、その判定内容を周囲に報知してもよい。このようにして、移動体100は、現在の障害物回避走行を継続したとしても所定経路に復帰できない、或いは、現在の障害物回避走行が適切でないと判定した場合に、次の行動を即座に実行することができる。
また、移動体100は、障害物回避走行を実行する際にグリッドマップ上のセルに沿って移動するため、移動方向側方に障害物検出装置2を取り付けることなく、障害物を迂回することができる。すなわち、移動体100は、前方の狭い範囲を監視可能な障害物検出装置2を搭載するだけで、障害物を迂回することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、移動体100は、グリッドマップ上のセルに沿って移動するが、本発明はこれに限定されるものではない。移動体100は、例えば、距離センサで障害物と移動体100との間の距離を測定し、その距離を一定に保ちながら障害物の輪郭に沿って移動してもよい。
1・・・制御装置 2・・・障害物検出装置 3・・・位置検出装置 4・・・記憶装置 5・・・駆動装置 6・・・出力装置 10・・・走行制御部 11・・・障害物回避走行制御部 110・・・暫定目標位置設定部 111・・・経路復帰判定部 112・・・到達可否判定部

Claims (8)

  1. 所定経路に沿って移動する移動体であって、
    前記移動体を動かす駆動装置と、
    前記移動体の進行方向にある障害物を検出する障害物検出装置と、
    前記移動体の位置を検出する位置検出装置と、
    前記移動体が前記所定経路に沿って移動するように、前記位置検出装置が検出した前記移動体の位置に基づいて、前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記所定経路を含む、セルで区切られたグリッドマップを記憶し、前記セルに沿って前記移動体が移動するように前記駆動装置を制御し、
    前記障害物検出装置が障害物を検出したときに、前記移動体が前記障害物に沿って移動するように前記駆動装置を制御し、
    前記所定経路上の位置に暫定目標位置を設定し、
    前記位置検出装置が検出する前記移動体の位置と前記暫定目標位置とが一致した場合に、前記所定経路に沿った移動を再開させ、
    前記暫定目標位置は、前記障害物の位置に対応するセルに隣接するセルに設定される、
    移動体。
  2. 所定経路に沿って移動する移動体であって、
    前記移動体を動かす駆動装置と、
    前記移動体の進行方向にある障害物を検出する障害物検出装置と、
    前記移動体の位置を検出する位置検出装置と、
    前記移動体が前記所定経路に沿って移動するように、前記位置検出装置が検出した前記移動体の位置に基づいて、前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記障害物検出装置が障害物を検出したときに、前記移動体が前記障害物に沿って移動するように前記駆動装置を制御し、
    前記位置検出装置が検出する前記移動体の位置と、前記制御装置が記憶する所定位置とが一致した場合、前記移動体が前記所定経路から逸れた後の経過時間が所定時間に達した場合、或いは、前記移動体が前記所定経路から逸れた後の移動距離が所定距離に達した場合に、前記移動体が前記障害物に沿って逆方向に移動するように前記駆動装置を制御
    前記位置検出装置が検出する前記移動体の位置が前記所定経路上の位置に復帰した場合に、前記所定経路に沿った移動を再開させる、
    移動体。
  3. 前記制御装置は、前記障害物検出装置が障害物を検出したときに、前記移動体が前記障害物に沿って移動するように前記駆動装置を制御し、且つ、前記所定経路上の位置に暫定目標位置を設定し、前記位置検出装置が検出する前記移動体の位置と前記暫定目標位置とが一致した場合に、前記所定経路に沿った移動を再開させる、
    請求項2に記載の移動体。
  4. 前記暫定目標位置は、複数設定される、
    請求項3に記載の移動体。
  5. 前記制御装置は、前記所定経路を含む、セルで区切られたグリッドマップを記憶し、前記セルに沿って前記移動体が移動するように前記駆動装置を制御する、
    請求項4に記載の移動体。
  6. 前記暫定目標位置は、前記障害物の位置に対応するセルに隣接するセルに設定される、
    請求項5に記載の移動体。
  7. 前記制御装置は、前記移動体と前記障害物との間の距離を一定に保ちながら前記移動体が前記障害物に沿って移動するように前記駆動装置を制御する、
    請求項乃至4の何れか一項に記載の移動体。
  8. 所定経路に沿って移動する移動体であって、
    前記移動体を動かす駆動装置と、
    前記移動体の進行方向にある障害物を検出する障害物検出装置と、
    前記移動体の位置を検出する位置検出装置と、
    前記移動体が前記所定経路に沿って移動するように、前記位置検出装置が検出した前記移動体の位置に基づいて、前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記障害物検出装置が障害物を検出したときに、前記移動体が前記所定経路から逸れて前記障害物に沿って移動するように前記駆動装置を制御し、
    前記位置検出装置が検出する前記移動体の位置と、前記制御装置が記憶する所定位置とが一致した場合、前記移動体が前記所定経路から逸れた後の経過時間が所定時間に達した場合、或いは、前記移動体が前記所定経路から逸れた後の移動距離が所定距離に達した場合に、前記移動体が前記障害物に沿って逆方向に移動するように前記駆動装置を制御し、且つ、
    前記位置検出装置が検出する前記移動体の位置が前記所定経路上の位置に復帰した場合に、前記所定経路に沿った移動を再開させる、
    移動体。
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