JP5666092B2 - 等速自在継手用ブーツおよび等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手用ブーツおよび等速自在継手 Download PDF

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Description

本発明は、等速自在継手用ブーツおよび等速自在継手に関する。
自動車や各種産業機械における動力の伝達に用いられる等速自在継手には、継手内部への塵埃等の異物侵入防止や継手内部に封入されたグリースの漏れ防止を目的とし、蛇腹状のブーツが装着される。
この種のブーツは、図3に示すように、等速自在継手の外側継手部材としての外輪に固定される大径部33と、内側継手部材としての内輪から延びるシャフトに固定される小径部34と、大径部33と小径部34との間に設けられ、谷部36と山部37が交互に形成された蛇腹部35とを有する。そして、大径部33と小径部34とはそれぞれブーツバンドが装着されることによって固定される。
等速自在継手には、作動角を取りながら回転したり、軸線方向に摺動したりしながら回転する機能が備わっており、そのため、これに装着されるブーツは、等速自在継手の挙動に追従できる柔軟性を確保するために蛇腹形状をしている。
すなわち、蛇腹形状のブーツは、等速自在継手が作動角をとったり摺動したりする動きに追従するために変形する。また、等速自在継手用ブーツには、クロロプレンゴム等を使用したゴム製ブーツや熱可塑性エラストマー材を使用した樹脂製ブーツがあるが、樹脂製ブーツはゴム製ブーツに比べて耐久性に優れるため、適用が拡大している。
この種の樹脂製ブーツとして、各山部37とこれに接続する各谷部36との間の距離はほぼ同一であり、各谷部36と該谷部36から小径部側に接続する各山部37との半径方向の段差比が26〜36%の範囲で、各山部肉厚は、該山部37に接続する各谷部肉厚の60〜100%の範囲に設定するものである(特許文献1)。このように構成することによって、蛇腹部の折畳み容易性の向上、広角度の屈曲時に接触部分の摩耗による亀裂発生を防止しようとするものである。
実開平7−10561号公報
前記したように、等速自在継手用ブーツは、等速自在継手が作動角を取ったり摺動したりする動きに追従するために変形する。しかしながら、高作動角を取ることでブーツが大きく変形し、蛇腹が円滑に折り畳まれ難くなって、蛇腹部に凹みを生じる場合がある。また、その変形に伴い、隣接する山部が干渉することで摩耗を生じたり、谷部内面とシャフトが干渉することで摩耗したり、あるいは、山部や谷部に繰り返し応力が発生することで疲労亀裂を生じたりする。このため、安定したブーツ変形状態を確実に保つ形状や、摩耗性や疲労性などの耐久性をより向上できる形状が求められる。
前記特許文献1に記載のものでは、蛇腹部の折畳み容易性、成形時における脱型操作の容易性等を図るとともに、広角度の屈曲時における蛇腹部の傾斜面同士の接触を面接触として接触部の接触面圧の低減等を図ることができる。しかしながら、このようなものであっても、安定したブーツ変形状態を確保することが困難である。特に高作動角時には蛇腹部に凹みを生じる場合がある。これらを解消するために、コンパクトさに欠けたブーツ設計を取らざるを得なくなる。
本発明は、上記課題に鑑みて、高作動角時でも柔軟に変形しながら対応でき、更に、山部同士の干渉圧や、谷部とシャフトとの干渉圧、そして谷部への応力集中を効果的に分散させて均等化を図ることができ、摩耗性や疲労性を向上できて、耐久性に優れる等速自在継手用ブーツおよびこのようなブーツを使用可能な等速自在継手を提供する。
本発明は、等速自在継手の外側継手部材に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に配置される蛇腹部とを備えた、熱可塑性エラストマー材からなる等速自在継手用ブーツにおいて、蛇腹部は、5個以上の山部と、この山部と軸方向に沿って交互に配設される5個以上の谷部とを備え、ブーツ縦断面における各山部の外径部をアール形状とするとともに、大径部と小径部との間の中央部に位置する1個又は2個の山部における外径部の曲率半径を、他の山部における外径部の曲率半径よりも1.3倍以上4倍未満として大きくし、中央部の曲率半径の大きい山部の外径端を、この曲率半径の大きい山部に隣設する大径部側及び小径部側の山部の外径端を結ぶ直線よりも内径側に入るようにしたものである。
本発明の等速自在継手用ブーツによれば、山谷部の応力の分散・均等化を図ることができる。この際、大径部と小径部との間の中央部に位置する1個又は2個の山部を除いた山部における外径部の曲率半径を同一としたり、外径部の曲率半径が大である山部を2個として、この2個の山部における外径部の曲率半径を同一とするとともに、他の山部における外径部の曲率半径を同一としたりできる。また、蛇腹部は奇数個の山部と奇数個の谷部とを備え、大径部と小径部との間の中央部に位置する1個の山部における外径部の曲率半径を、他の山部における外径部の曲率半径よりも大きくしたりできる。
また、中央部の曲率半径の大きい山部の外径端を、この曲率半径の大きい山部に隣設する大径部側及び小径部側の山部の外径端を結ぶ直線よりも内径側に入るようにするのが好ましい。これによって、大きな作動角をとった際に、蛇腹部が圧縮される位相において、この外径寸法が小である山部が両側の山部とそれぞれ万遍なく接触することによって蛇腹部が円滑な折畳み変形をするのに適することになる。
さらには、小径部に最も近い山部に隣接する山部における肉厚を、この山部に隣接する谷部における肉厚と同一乃至薄く設定するとともに、他の山部における肉厚を、それぞれの山部に隣接する谷部における肉厚よりも厚くすることもできる。
小径部側から順に位置する山部の肉厚をP1、P2、P3・・・としたとき、以下の関係を満たすようにするのが、前記した作用を有効に発揮する上で好ましい。
蛇腹部の山部が4つで構成されるとき、P2<P1<P3≦P4
蛇腹部の山部が5つで構成されるとき、P2<P1≦P3<P4≦P5
蛇腹部の山部が6つで構成されるとき、P2<P1≦P3<P4≦P5≦P6
谷部の断面形状をU字状とするとともに、山部と谷部とを連結する連結部が直線状であるのがよい。
θ=45deg以上の高作動角を取ることのできるタイプ(例えば、ツェッパ型、バーフィ
ールド型などのボールを用いたタイプの固定式等速自在継手)や、外側継手部材の軸線方向にスライドする機構を備えたタイプ(例えば、ダブルオフセット型、トリポード型、クロスグルーブ型などの摺動式等速自在継手)など、あらゆる等速自在継手に使用するブーツに適用できる。特に、等速自在継手の作動角を大きく取ることのできるタイプに適用することがより効果的である。
ブーツ材質として、JIS K6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬さが35以上50以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーを使用することができる。
本発明では、山谷部の応力の分散・均等化を図ることができ、ブーツの摩耗性や疲労性を向上できる。すなわち、等速自在継手が作動角を取った時に、高作動角時でもブーツが柔軟に変形しながら形状をしっかり保つことができる。このため、ブーツが変形した際の山部同士の干渉圧や、谷部とシャフトとの干渉圧、そして山部や谷部への応力集中を効果的に分散させて均等化を図ることができ、ブーツの摩耗性や疲労性を向上できる。また、これらの効果により、より優れた耐久性を有する等速自在継手用ブーツを得ることが可能となり、更に、同等の耐久性を有した状態では、ブーツ全体のコンパクト化を達成することが可能となる。
特に、中央部の曲率半径の大きい山部の外径を、この曲率半径の大きい山部に隣設する大径部側及び小径部側の山部の外径端を結ぶ直線よりも小さくすることによって、応力の分散・均等化に一層効果的である。
また、谷部を断面U字状に形成すれば、より耐久性(谷部の疲労性と蛇腹部の凹み防止)を向上することができる。谷部の断面形状をU字状とするとともに、山部と谷部とを連結する連結部が直線状であれば、大きな作動角を取った際に、蛇腹部が円滑に折畳み変形することができる。
本発明にかかるブーツは、固定式等速自在継手や摺動式等速自在継手など、あらゆる等速自在継手に使用するブーツに適用できる。特に、等速自在継手の作動角を大きく取ることのできるタイプに適用することがより効果的である。
ブーツ材質として、JIS K6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬さが35以上50以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーを使用することによって、ブーツは、疲労性や摩耗性、高速回転性(回転時振れ廻り性)に優れ、ブーツとして安定した機能を長期にわたって発揮することができる。
本発明の実施形態を示す等速自在継手用ブーツの断面図である。 前記等速自在継手用ブーツを使用した等速自在継手の断面図である。 従来の等速自在継手用ブーツの拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1に本発明にかかる等速自在継手用ブーツを示し、図2に等速自在継手用ブーツを使用した等速自在継手を示している。
この等速自在継手は、図2に示すように、内周面に複数の案内溝(トラック溝)4を軸方向に形成した外側継手部材としての外輪1と、外周面に複数の案内溝(トラック溝)5を形成した内側継手部材としての内輪2と、外輪1の案内溝4と内輪2の案内溝5とで協働して形成されるボールトラックに配される複数のボール3と、ボール3を収容するためのポケット8aを有するケージ8等から構成される。また、内輪2の内周にセレーションやスプライン等のトルク伝達手段を介してシャフト9を連結している。なお、この実施形態の等速自在継手は、案内溝4,5が円弧部と直線部とを有するアンダーカットフリー型(UJ)を示している。
等速自在継手用ブーツ10は、例えば、エステル系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系、スチレン系等の熱可塑性エラストマーにて形成される。熱可塑性エラストマーは樹脂とゴムの中間の性質を持っている。熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂の通常の成形機にて加工することができる。
また、等速自在継手用ブーツ10は、JIS K6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬さが35以上50以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーとすることができる。熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、加硫ゴムのような非常に柔軟な材料と、ポリスチレン、ポリアミドやポリブチレンテレフタレートのような高剛性な熱可塑性樹脂との中間の弾性率を持つ材料である。この熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、加硫ゴムと高剛性な熱可塑性樹脂の両者の特徴を有し、変形を受けても、元の形状に復元するゴム弾性、加硫ゴムより高い機械的強度、一般的な熱可塑性樹脂に適用できる全ての成形加工法が適用できる熱可塑性などの特徴を示す材料である。
等速自在継手用ブーツ10は、等速自在継手の外側継手部材(外輪1)の開口端部に装着される大径部13と、等速自在継手の内側継手部材(内輪2)に連結されたシャフト9に装着される小径部14と、大径部13と小径部14との間に設けられ、軸方向に沿って交互に配設される山部7と谷部6とを有する蛇腹部15とを備える。山部7と谷部6とは傾斜部(連結部)12にて連結されている。
外輪1の開口部側の外周面には、周方向に沿った溝からなるブーツ取付部16が設けられ、このブーツ取付部16に大径部13が外嵌される。そして、ブーツ10の大径部13の外周面に形成された嵌合溝17にブーツバンド18を嵌着することによって、大径部13を外輪1に固定している。
シャフト9には、外輪1から所定量突出した位置に、周方向に沿ったブーツ取付用溝20を有するブーツ取付部22が設けられ、小径部14がブーツ取付部22に外嵌される。そして、ブーツ10の小径部14の外周面に形成された嵌合溝19にブーツバンド18を嵌着することによって、小径部14をシャフト9に固定している。
図1に示すように、蛇腹部15において、谷部6はその断面形状をU字形状としている。また、谷部6と山部7とを連結する連結部12を直線状としている。この場合、蛇腹部15において、山部7を小径部14側から大径部13に向かって順に第1山7a、第2山7b、第3山7c、第4山7d、第5山7eと呼び、谷部6を小径部14側から大径部13に向かって順に第1谷6a、第2谷6b、第3谷6c、第4谷6d、第5谷6eと呼ぶ。
そして、ブーツ縦断面における各山部7の外径部をアール形状とするとともに、大径部13と小径部14との間の中央部に位置する1個の山部7(7c)における外径部の曲率半径R3を、他の山部7(7a、7b、7d、7e)における外径部の曲率半径R1、R2、R4、R5よりも大きくしている。
すなわち、R3>R1、R2、R4、R5としている。この場合、R1=R2=R4=R5であっても、R1≠R2≠R4≠R5であってもよい。また、これらにおいて、=と≠とを任意に組み合わせることができる。この場合、後述するように、R3を、R1、R2、R4、R5の1.3倍以上4倍未満とするのが好ましい。
また、図1に示すように、中央部の曲率半径の大きい山部7(7c)の外径端40を、この曲率半径の大きい山部7(7c)に隣設する大径部側及び小径部側の山部7b、7dの外径端を結ぶ直線Lよりも内径側に入るのが好ましい。
また、第1山7aの肉厚をP1とし、第2山7bの肉厚をP2とし、第3山7cの肉厚をP3とし、第4山7dの肉厚をP4とし、第5山7eの肉厚をP5としたときに、P2<P1≦P3<P4≦P5としている。
そして、第2山7bの肉厚P2は、この第2山7bに隣接する谷部6(第1谷6a,第2谷6b)の肉厚T1、T2より厚くならないように設定している。すなわち、第2山7bの肉厚P2は、第1・第2谷6a、6bの肉厚T1、T2と同一乃至薄く設定している。また、第2山7b以外の山部7の肉厚P(P1、P3、P4、P5)をこれらに隣接する谷部6の肉厚T(T1、T2、T3、T4、T5)よりも厚くしている。
本発明では、山部7の外径部の曲率半径を前記のように設定することによって、山谷部7,6の応力の分散・均等化を図ることができ、ブーツ10の摩耗性や疲労性を向上できる。すなわち、等速自在継手が作動角を取った時に、高作動角時でもブーツ10が柔軟に変形しながら形状をしっかり保つことができる。このため、ブーツ10が変形した際の山部同士の干渉圧や、谷部6とシャフト9との干渉圧、そして山部7や谷部6への応力集中を効果的に分散させて均等化を図ることができ、ブーツ10の摩耗性や疲労性を向上できる。また、これらの効果により、より優れた耐久性を有する等速自在継手用ブーツ10を得ることが可能となり、更に、同等の耐久性を有した状態では、ブーツ全体のコンパクト化を達成することが可能となる。
なお、R3が、R1、R2、R4、R5の1.3倍未満では、山谷部7,6の応力の分散・均等化を十分図ることができず、R3が、R1、R2、R4、R5の4倍を超えるものとしても、作用効果が4倍未満の場合と変わらないか、又はかえってこのような作用効果を発揮し難くなるおそれがある。
特に、中央部の曲率半径の大きい山部7(7c)の外径端40を、この曲率半径の大きい山部7(7c)に隣設する大径部側及び小径部側の山部7b、7dの外径端を結ぶ直線Lよりも内径側に入るようにすることによって、大きな作動角をとった際に、蛇腹部が圧縮される位相において、この外径寸法が小である山部が両側の山部とそれぞれ万遍なく接触することによって、蛇腹部が円滑な折畳み変形をするのに適することになる。すなわち、応力の分散・均等化に一層効果的である。
また、谷部6を断面U字状に形成すれば、より耐久性(谷部の疲労性と蛇腹部の凹み防止)を向上することができる。谷部6の断面形状をU字状とするとともに、山部7と谷部6とを連結する連結部12が直線状であれば、大きな作動角を取った際に、蛇腹部15が円滑に折畳み変形することができる。
JIS K6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬さが35以上50以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーとすることにより、ブーツは、疲労性や摩耗性、高速回転性(回転時振れ廻り性)に優れ、ブーツとして安定した機能を長期にわたって発揮することができる。なお、JIS K6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬さが35未満の場合や、50を超える場合は、疲労性や摩耗性にあまり優れるものではない。
このように、本発明のブーツは、θ=45deg以上の高作動角を取ることのできるタイプ(例えば、ツェッパ型、バーフィールド型等の固定式等速自在継手)や、外側継手部材の軸線方向にスライドする機構を備えたタイプ(例えば、ダブルオフセット型、トリポード型、クロスグルーブ型等の摺動式等速自在継手)など、あらゆる等速自在継手に適用できる。これにより、疲労性や摩耗性に優れた等速自在継手用ブーツを装着した、耐久性に優れる等速自在継手を構成することができる。すなわち、ブーツにおける蛇腹部15の山部7は、適切な剛性を保持した上で、大きな作動角を取った際に円滑に折れ畳まれることが求められ、それを達成することに本発明のものが適している。
他の実施形態として、大径部13と小径部14との間の中央部に位置する2個の山7b、7c(又は7c、7d)における外径部の曲率半径R2、R3(又はR3、R4)を、他の山部7a、7d、7e(又は7a、7b、7e)における外径部の曲率半径R1、R4、R5(R1、R2、R5)よりも大きくしてもよい。すなわち、R2、R3>R1、R4、R5としたり、R3、R4>R1、R2、R5としたりできる。この場合も、曲率半径が大きい側及び曲率半径の小さい側とにおいてそれぞれ、=と≠とを任意に組み合わせることができる。
また、前記実施形態においては、山部7が5個である場合を示しているが、他の実施形態としては、山部7が3個であったり、山部7が4個であったり、山部7が6個であったりしてもよい。すなわち、本発明の蛇腹部15においては、山部7が3個以上で、谷部が3個以上であればよい。
山部7が3個であれば、第1山7aと第2山7bと第3山7cとを有することになり、R2>R1、R3となる。この場合、R1=R3であっても、R1≠R3であってもよい。また、P2<P1≦P3とするのが好ましい。
また、山部7が4個であれば、第1山7aと第2山7bと第3山7cと第4山7dとを有することになり、R2>R1、R3、R4、またはR3>R1、R2、R4、またはR2、R3>R1、R4となる。R2>R1、R3、R4である場合、R1=R3=R4であっても、R1≠R3≠R4であってもよく、さらには、これらにおいて、=と≠とを任意に組み合わせることができる。R3>R1、R2、R4であれば、R1=R2=R4であっても、R1≠R2≠R4であってもよく、さらには、これらにおいて、=と≠とを任意に組み合わせることができる。R2、R3>R1、R4であれば、R2=R3であっても、R2≠R3であっても、R1=R4であっても、R1≠R4であってもよい。このように、山部7が4個であれば、P2<P1<P3≦P4とするのが好ましい。
また、山部7が6個であれば、第1山7aと第2山7bと第3山7cと第4山7dと第5山7eと第6山7fとを有することになり、R3>R1、R2、R4、R5、R6、またはR4>R1、R2、R3、R5、R6、またはR3、R4>R1、R2、R5、R6となる。R3>R1、R2、R4、R5、R6である場合、R1=R2=R4=R5=R6であっても、R1≠R2≠R4≠R5≠R6であってもよく、さらには、これらにおいて、=と≠とを任意に組み合わせることができる。R4>R1、R2、R3、R5、R6である場合、R1=R2=R3=R5=R6であっても、R1≠R2≠R3≠R5≠R6であってもよく、さらには、これらにおいて、=と≠とを任意に組み合わせることができる。R3、R4>R1、R2、R5、R6である場合、R3=R4であっても、R3≠R4であっても、R1=R2=R5=R6であっても、R1≠R2≠R5≠R6あってもよく、さらには、これらにおいて、=と≠とを任意に組み合わせることができる。このように、山部7が6個であればP2<P1≦P3<P4≦P5とするのが好ましい。
山部7が3個であったり、山部7が4個であったり、山部7が6個であったりしても、前記したように、山部7の外径部の曲率半径や山部7や谷部6の肉厚を設定することによって、山谷部7,6の応力の分散・均等化を図ることができ、ブーツ10の摩耗性や疲労性を向上できる。なお、山部7が3個であったり、山部7が4個であったり、6個であったりしても、前記した理由によって、曲率半径の大きな中央部の山部7の曲率半径を、曲率半径が小さい他の山部の曲率半径の1.3倍以上4倍以下とするのが好ましい。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、山部7が7個以上であってもよい。また、摺動式等速自在継手の場合は、固定式等速自在継手よりも作動角が大きくないことから、タイプDデュロメータによる硬さが50を超える熱可塑性ポリエステル系エラストマーを使用することができる。あるいは、固定式等速自在継手においても、後輪用駆動軸に適用する場合は、作動角が大きくないことから、タイプDデュロメータによる硬さが50を超える熱可塑性ポリエステル系エラストマーを使用することができる。この場合、高速回転性に優れたブーツを得ることが可能となる。
6 谷部
7 山部
9 シャフト
12 連結部
13 大径部
14 小径部
15 蛇腹部

Claims (10)

  1. 等速自在継手の外側継手部材に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に配置される蛇腹部とを備えた、熱可塑性エラストマー材からなる等速自在継手用ブーツにおいて、
    蛇腹部は、5個以上の山部と、この山部と軸方向に沿って交互に配設される5個以上の谷部とを備え、ブーツ縦断面における各山部の外径部をアール形状とするとともに、大径部と小径部との間の中央部に位置する1個又は2個の山部における外径部の曲率半径を、他の山部における外径部の曲率半径よりも1.3倍以上4倍未満として大きくし
    中央部の曲率半径の大きい山部の外径端を、この曲率半径の大きい山部に隣設する大径部側及び小径部側の山部の外径端を結ぶ直線よりも内径側に入るようにしたことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
  2. 中央部に位置する1個又は2個の山部を除いた、前記他の山部における外径部の曲率半径を同一としたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
  3. 外径部の曲率半径が大である山部を2個として、この2個の山部における外径部の曲率半径を同一とするとともに、他の山部における外径部の曲率半径を同一としたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
  4. 蛇腹部は奇数個の山部と奇数個の谷部とを備え、大径部と小径部との間の中央部に位置する1個の山部における外径部の曲率半径を、他の山部における外径部の曲率半径よりも大きくしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手用ブーツ。
  5. 小径部に最も近い山部に隣接する山部における肉厚を、この山部に隣接する谷部における肉厚と同一乃至薄く設定するとともに、他の山部における肉厚を、それぞれの山部に隣接する谷部における肉厚よりも厚くしたことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  6. 小径部側から順に位置する山部の肉厚をP1、P2、P3・・・としたとき、以下の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
    蛇腹部の山部が5つで構成されるとき、P2<P1≦P3<P4≦P5
    蛇腹部の山部が6つで構成されるとき、P2<P1≦P3<P4≦P5≦P6
  7. 谷部の断面形状をU字状とするとともに、山部と谷部とを連結する連結部が直線状であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  8. JIS K6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬さが35以上50以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーからなることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  9. 作動角の変位のみを許容し、かつ45deg以上の作動角をとることが可能な固定式等速自在継手であって、前記請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツを装着したことを特徴とする等速自在継手。
  10. 軸線方向の変位と作動角の変位とを許容する摺動式等速自在継手であって、前記請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツを装着したことを特徴とする等速自在継手。
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