JP2002013546A - 等速ジョイント用樹脂製ブーツ - Google Patents
等速ジョイント用樹脂製ブーツInfo
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Abstract
ツとして、樹脂材料による一体成形することでコストダ
ウンとを図り、しかも異形のアウターケース外周に対し
て全周に渡って均等に締め付け固定でき、組み付け性や
シール性の良好な樹脂製ブーツを得る。 【解決手段】 アウターケース21外周に取付られる径
大側取付部2と、トリポート13側のシャフト10に取
り付けられる径小側取付部3と、両取付部間の蛇腹部4
との各部を樹脂材料により一体に成形し、径大側取付部
2の内周をアウターケース21外周の凹凸形状に対応し
た非円形形状とし、内側への凸状をなす厚肉部2aを形
成し、この厚肉部2aにボリューム逃がし手段7を設
け、アウターケース外周に対し全周にわたって略均等に
締め付け固定できるようにする。
Description
一方にトリポート、他方にアウターケースを備える等速
ジョイントにおいて使用される樹脂製ブーツに関するも
のである。
等速ジョイントの一つとして、トリポートタイプのジョ
イントがあり、例えば前輪駆動自動車の駆動用に使用さ
れている。
は、図9および図10に示すように、入力側と出力側の
一方のシャフト(10)に、ローラ(11)を持つ3本
のトラニオン(12)を軸直角方向に突設して構成した
トリポート(13)と、他方のシャフト(20)の端部
に設けたアウターケース(21)とからなり、アウター
ケース(21)はその内周に前記トリポート(13)と
対応する軸方向の3本の摺動溝(22)を有し、前記ト
リポート(13)のローラ(11)が前記摺動溝(2
2)に嵌め合わされて、軸方向の摺動および両シャフト
の角度付けを可能にしながら、回転トルクを伝達できる
ように構成されている。
ト内部への塵埃や異物の侵入防止のために、一般にアウ
ターケース(21)からトリポート(13)側のシャフ
ト(10)の部分を覆うように適度に伸縮や曲げ変形が
可能な蛇腹状をなすブーツ(51)が設けられている。
が前記アウターケース(21)の外周に嵌着されてリン
グ状バンド等の締付け部材(25)により固定される径
大の取付部(52)として形成され、また他端部がトリ
ポート側のシャフト(10)に固定される径小の取付部
(53)として形成されている。(54)は蛇腹部を示
す。
は、図10に示すように内周の摺動溝(22)の配置に
対応して、外周形状も周方向に凹凸形状をなしており、
そのためこれに固定されるブーツ(51)の径大側取付
部(52)は、組み付け状態の安定性やシール性を確保
するために、その内周を前記アウターケース外周の形状
に対応させて締め付け固定する必要がある。
よりなる場合は、径大側取付部の内周を、前記アウター
ケース外周の凹凸形状に対応した形状をなすように一体
成形しておくことができるが、ゴム材よりなるものは耐
熱性や振れ廻り性に限界があり、耐久性にも劣る。
形品よりなるものの使用が多くなっている。しかし、樹
脂材料よりなる場合は、ゴム材に比して剛性があって弾
性変形し難いことから、締め付け力のシール性を均等に
保持するために、円形に形成された径大側取付部(5
2)の内周とアウターケース(21)との間に、ゴム材
等によりアウターケース外周の凹凸形状に対応した形状
に形成したリング状の内周部材(55)を介在させて、
これを挟み付けるようにして締め付け固定している。そ
のため、組み付け操作が面倒になる上、ブーツとは別体
の内周部材(55)の使用のためにコスト高なものとな
っている。
り、トリポートタイプの等速ジョイントにおけるブーツ
として、アウターケースへの径大側取付部を含めて全体
を樹脂材料により一体に形成することによりコスト安価
に提供でき、しかも異形のアウターケース外周に対し全
周に渡って均等に締付け固定でき、組み付け性やシール
性も良好な樹脂製ブーツを提供するものである。
側との一方にトリポート、他方にアウターケースを備え
る等速ジョイントにおいて使用されるブーツであり、ア
ウターケース外周に取付られる軸方向一端側の径大側取
付部と、トリポート側のシャフトに取り付けられる径小
側取付部と、前記両取付部間の蛇腹部とからなり、これ
ら各部が樹脂材料により一体に成形されて、前記径大側
取付部の内周が前記アウターケース外周の形状に対応し
た非円形形状をなし、内側への凸状をなす厚肉部が形成
されてなるものである。
部にボリューム逃がし手段が設けられ、該径大側取付部
が前記アウターケース外周に対し全周にわたって略均等
に締め付け固定できるように形成されてなることを特徴
とする。
等速ジョイントにおいて使用するもので、アウターケー
スの凹凸形状をなす外周に対してこれに対応した形状の
前記径大側取付部の内周を嵌合し、締付け部材により締
め付け固定ずればよく、他のゴム材等の内周部材を使用
することなく、容易に組み付けることができる。
への凸状をなす厚肉部にボリューム逃がし手段が設けら
れていることにより、前記の締め付けに伴って薄肉部に
比して剛性のある厚肉部のボリュームが逃がされる結
果、厚肉部が薄肉部と共に全周に渡って略均等な力で締
め付けられることになり、樹脂材料のみよりなるもので
あるにも拘わらず、組み付け性やシール性にも良好に保
持される。
外周に設けられた1条もしくは複数条の溝よりなるもの
が好ましく、これにより前記締め付け時の余分なボリュ
ームが前記溝の空間に逃がされ、締め付け力が全周に渡
って均等化する。
しくは複数条のシール用凸部が設けられてなるものが好
ましく、これにより、全周にわたって略均等に締め付け
られることと相俟って、良好なシール性を確保できる。
マー樹脂、中でも鉱物油あるいは植物油を配合したもの
が好ましい。これにより、広角度に屈曲変位して連続回
転させても、擦過音等の異音の発生を抑制できる。また
シール性や耐久性も良好に確保できる。さらに前記熱可
塑性エラストマー樹脂として、脂肪酸アミドを配合した
もの、あるいはポリエーテルを配合したものを用いるこ
ともできる。
示す実施例に基づいて説明する。
施例を示すジョイントに取付けた状態の縦断面図、図2
は同ブーツの径大側からの一部を欠截した正面図、図3
は図1の一部の拡大断面図、図4は前図のX−X線の断
面図である。図5および図6はそれぞれボリューム逃が
し手段の他の例を示す一部の拡大断面図、図7および図
8はそれぞれ内周のシール用凸部の他の例を示す一部の
拡大断面図である。
タイプのジョイントにおける入力側と出力側との一方の
シャフト(20)に有するアウターケース(21)に取
付けられる一端側の径大側取付部(2)と、トリポート
(13)側のシャフトに取付けられる他端側の径小側取
付部(3)と、これら両取付部(2)(3)を連接する
テーパ状の蛇腹部(4)とからなり、これらが樹脂材料
により射出成形やプレスブロー成形により一体に成形さ
れている。
周が略円形をなすとともに、内周が前記アウターケース
(21)外周の凹凸形状に対応した非円形形状をなし、
周方向の所要間隔にアウターケース外周の凹部に対応す
る内側への凸状をなす厚肉部(2a)が形成されてい
る。これにより厚肉部(2a)と薄肉部(2b)とが交
互に形成されている。
には、リング状バンド等の締付け部材(25)の位置決
め(抜け止め)のための周方向の凹部(5)が形成さ
れ、その底面が円形をなしている。径小側取付部(3)
の外周についても、前記同様に締付け部材(15)の位
置決め周方向の凹部(6)が形成されている。
(2a)には、前記締付け部材(25)による締め付け
時のボリューム逃がし手段(7)が設けられている。こ
のボリューム逃がし手段(7)として、図1〜図4の実
施例の場合は、厚肉部(2a)の外周面に周方向の1条
もしくは複数条の溝(7a)が形成されている。
に比して剛性があって弾性変形し難いことから、締付け
部材(25)による締め付けの際、前記厚肉部(2a)
ではボリュームがありすぎて、この部分と薄肉部(2
b)との締め付け力が不均一になる。したがって、前記
のように締め付け時のボリューム逃がし手段(7)を設
けて、前記径大側取付部(2)が周方向に凹凸をなす前
記アウターケース(21)外周に対して全周に渡って略
均等な力で締め付けることができるようにしておくのが
よい。
分ほど深く形成するか、あるいは溝幅を大きくする等し
て、溝内の容積が大きくしておくのが、実施上望まし
い。
しては、前記の溝(7a)のほか、例えば、図5のよう
に比較的広幅の1条の溝(7b)を形成したり、また図
6のように溝内部に凸条(7d)を有する断面略W字状
の溝(7c)を形成したり、あるいは中央部を平坦に残
存させて、両側部に向かって漸次深くなる凹溝を形成す
る(図示せず)等、締め付け時にボリュームを逃がすこ
とができる種々の溝や凹部その他の形態による実施が可
能である。いずれの場合にも、肉厚の大きい部分ほど溝
や凹部の容積を大きくして、ボリュームを逃がし易くし
ておくのがよい。
は、1条もしくは複数条のシール用凸部(8)が設けら
れている。このシール用凸部(8)としては、図1〜図
4の実施例のように断面台形の凸部の両側端部に断面く
さび形状の先細の凸条(8a)を設けたもの、図7のよ
うに、1もしくは複数状の凸条(8b)を設けたもの、
図8のように、断面台形の凸部の幅方向の中央に細溝
(8c)を形成したもの等、種々の形態による実施が可
能である。
性エラストマー樹脂(TPE)、例えば耐グリース、耐
屈曲疲労性、および適度に変形可能な柔軟性を有するポ
リエステル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系等の
熱可塑性エラストマー樹脂を使用するのが好ましい。特
に、前記樹脂をベース材料にして、これに鉱物油、植物
油を、熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して
5重量部以下、好ましくは3重量部以下で配合したもの
が、擦過音等の異音の発生防止に特に効果があり、好ま
しい。
る鉱物油には、パラフィン系、ナフテン系、アロマ系が
あり、その中でも、特にパラフィン系オイルを100%
使用するか、もしくはパラフィン系オイルを主成分とす
るものが好ましい。植物油としては、菜種油、亜麻仁
油、大豆油、ひまし油等を例示できる。
の熱可塑性エラストマー樹脂に、脂肪酸アミドあるいは
ポリエーテルを配合したものを使用できる。
のもので、融点が20〜60℃の低融点のものを、エラ
ストマー樹脂100重量部に対し0.2〜1.5重量部
を配合したもの、あるいは下記構造式〔B〕のもので、
融点が80〜150℃の高融点のものを、エラストマー
樹脂100重量部に対し0.03〜0.15重量部を配
合したものを例示できる。
炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基およ
び不飽和炭化水素基のいずれかであって、炭素数が6以
上のものである。R3 は脂環式炭化水素基、芳香族炭
化水素基、脂肪族炭化水素基および不飽和炭化水素基の
いずれかであって、炭素数が2以上のものである。
〔C〕〜〔E〕のもので、数平均分子量10000〜5
0000のものを、エラストマー樹脂100重量部に対
して0.01〜20重量部を配合したものを例示でき
る。
はそれぞれ炭素数1〜6の炭化水素化合物から2水素を
除いた官能基、R5 、R7 はそれぞれ水素もしくは
炭素数1〜20の炭化水素化合物から1水素を除いた官
能基、R8 は水素もしくは炭素数1〜20の炭化水素
化合物から1水素を除いた官能基あるいはR10に1水
酸基が結合した官能基、R11は水素もしくは炭素数1
〜20の炭化水素化合物から1水素を除いた官能基ある
いはR9 に1水酸基が結合した官能基である。x、
y、zは1〜1000の整数を表す。
図1のように、入力側と出力側との一方のシャフト(1
0)にトリポート(13)、他方のシャフト(20)に
アウターケース(21)を備える所謂トリポートタイプ
の等速ジョイントにおいて、径大側取け部(2)を前記
アウターケース(21)外周に嵌着し、リング状の締付
部材(25)により締め付け固定し、また径小側取付部
(3)は、トリポート(13)側のシャフト(10)の
締付け部材(15)により締め付け固定して使用する。
(2)においては、その内周形状がアウターケース(2
1)の外周の凹凸形状に対応した非円形形状をなして、
内側への凸状をなす厚肉部(2a)が形成されているた
めに、該厚肉部(2a)をアウターケース(21)外周
の凹部にはめ合わせるように嵌着する。こうして外周部
より締付け部材(25)により締め付けると、前記厚肉
部(2a)には、ボリューム逃がし手段(7)、例えば
周方向の溝(7a)が形成されているため、該厚肉部
(2a)のボリュームが適度に逃がされて、薄肉部(2
b)厚肉部(2a)と略同様に締め付けられることにな
り、樹脂材料により一体成形されているものであって
も、全周にわたって略均等な締め付け力で締め付け固定
することができる。
周に渡ってシール用凸部(8)が設けられており、該凸
部(8)が圧縮されることで、シール状態をさらに良好
に保持できる。
イプの等速ジョイントに使用する樹脂製ブーツとして、
アウターケース外周の凹凸形状に対応した非円形の内周
形状をなす径大側取付部を含めて全体が樹脂材料により
一体成形されているので、内周に他のゴム材等の内周部
材を介在させることなく容易に組み付けることができ、
コスト安価に製造、提供できる。
溝等のボリューム逃がし手段が設けられているので、該
厚肉部および薄肉部を全周にわたって略均等に締め付け
固定でき、組み付け性やシール性にも十分満足でき、耐
久性にも優れる。
ー樹脂、特に鉱物油や植物油を配合した熱可塑性エラス
トマー樹脂よりなる場合、広角度に屈曲変位された状態
で連続回転させても、樹脂製ブーツの擦過音等の異音の
発生を抑制でき、その効果を良好に持続できる。
ジョイントに取付けた状態の縦断面図である。
図である。
大断面図である。
部の拡大断面図である。
断面図である。
の拡大断面図である。
速ジョイントを示す縦断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】入力側と出力側との一方にトリポート、他
方にアウターケースを備える等速ジョイントにおいて使
用されるブーツであって、アウターケース外周に取付ら
れる軸方向一端側の径大側取付部と、トリポート側のシ
ャフトに取り付けられる径小側取付部と、前記両取付部
間の蛇腹部とからなり、これら各部が樹脂材料により一
体成形され、前記径大側取付部の内周が前記アウターケ
ース外周に対応した非円形形状をなし、内側への凸状を
なす厚肉部が形成されてなることを特徴とする等速ジョ
イント用樹脂製ブーツ。 - 【請求項2】前記径大側取付部の厚肉部にボリューム逃
がし手段が設けられ、該径大側取付部が前記アウターケ
ース外周に対し全周にわたって略均等に締め付け固定で
きるように形成されてなる請求項1に記載の等速ジョイ
ント用樹脂製ブーツ。 - 【請求項3】前記ボリューム逃がし手段が、厚肉部外周
に設けられた1条もしくは複数条の溝よりなる請求項2
に記載の等速ジョイント用樹脂製ブーツ。 - 【請求項4】前記径大側取付部の内周に1条もしくは複
数条のシール用凸部が設けられてなる請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の等速ジョイント用樹脂製ブーツ。 - 【請求項5】前記樹脂材料が、熱可塑性エラストマー樹
脂よりなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の等速ジ
ョイント用樹脂製ブーツ。 - 【請求項6】前記熱可塑性エラストマー樹脂が、鉱物油
あるいは植物油を配合したものである請求項5に記載の
等速ジョイント用樹脂製ブーツ。 - 【請求項7】前記熱可塑性エラストマー樹脂が、脂肪酸
アミドを配合したものである請求項5に記載の等速ジョ
イント用樹脂製ブーツ。 - 【請求項8】前記熱可塑性エラストマー樹脂が、ポリエ
ーテルを配合したものである請求項5に記載の等速ジョ
イント用樹脂製ブーツ。
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