JP2004156706A - 等速ジョイント用樹脂製ブーツと取付具 - Google Patents

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Eiichi Imazu
栄一 今津
Takenori Oshita
武範 大下
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健 上田
Hiroshi Ono
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Abstract

【課題】樹脂製ブーツの径大側取付部を非円形のアウターケース外周に対して、全周にわたり均等に締め付け安定したシール性を確保して取り付けることができる等速ジョイント用樹脂製ブーツと樹脂製ブーツを取り付けるための取付具を提供する。
【解決手段】径大側取付部33の内周側がアウターケース14外周形状に対応する非円形形状をなし、内側への凸状をなす厚肉部31と薄肉部32とが交互に形成されてなる等速ジョイント用樹脂製ブーツ1において、前記厚肉部31の中央部軸方向に、前記薄肉部32外接円(R1)に対して外側に増厚した肉厚部40を設ける。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、等速ジョイントに用いられる樹脂製ブーツ、及び樹脂製ブーツを等速ジョイントに取り付けるために用いられる取付具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車輌のドライブシャフト等に用いられる等速ジョイントの1つとして、トリポートタイプのジョイントがあり、例えば前輪駆動自動車の駆動用に使用されている。この等速ジョイントにおいても、ジョイント内部への塵埃や異物の侵入防止、及びジョイント内部のグリス等の漏出防止のためのカバーとして樹脂製ブーツが設けられている。
【0003】
図10は、上記トリポートタイプの等速ジョイント10に従来の樹脂製ブーツ4を取り付けた状態の縦断面図、図11は、図10におけるA−A線断面図である。
【0004】
図に示すように、等速ジョイント10は、シャフト16にローラ11を持つ3本のトラニオン12を軸直角方向に突設して構成したトリポート13と、他方のシャフト20の端部に設けたアウターケース14とからなり、アウターケース14はその内周にトリポート13と対応する軸方向の3本の摺動溝15を形成するための凹部17を有し、ローラ11がこの溝15に嵌め合わされ、軸方向の摺動および両シャフトの角度付けを可能にし、エンジンの回転を伝達するように構成されている。
【0005】
従来の樹脂製ブーツ4は、上記等速ジョイント10の一方のシャフト20に有するアウターケース14に取り付けられる一端側の径大側取付部21と、トリポート13側のシャフト16に取り付けられる径小側取付部22と、これら両取付部を連接するテーパ状の蛇腹部23とからなり、これらがポリエステル系等の熱可塑性エラストマーによりプレスブロー成形等によって一体成形されたカバー体であり、アウターケース14及びシャフト16の外周にクランプリング28、29により締め付け取り付けられている。
【0006】
上記アウターケース14は、摺動溝15の配置に対応して、外周形状が周方向に凹部17と凸部18を有す凹凸形状をなすため、これに固定される樹脂製ブーツ4の径大側取付部21は、装着安定性やシール性を確保するために、その内周をアウターケース14の外周形状に対応させる必要がある。
【0007】
そこで、上記樹脂製ブーツ4は、径大側取付部21がその外周が略円形をなすとともに、内周がアウターケース14の外周形状に対応した非円形断面をなし、周方向の所要間隔にアウターケース14外周の凹部17に対応する内側への凸状をなす厚肉部24が形成されている。これにより、径大側取付部21の内周には、厚肉部24と薄肉部25とが交互に形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
従来より、樹脂製ブーツ4は、図に示すように径大側取付部21とアウターケース14の外周とが互いに対応する形状をなして嵌合し、クランプリング28で径大側取付部21の外周を締め付け取り付けられている。しかしながら、クランプリング28により締め付けられると、径大側取付部21の厚肉部24と薄肉部25とでアウターケース14外周にかかる圧力に差が生じ、すなわち薄肉部25に比べ厚肉部24での面圧が低くなる。このために、樹脂製ブーツ4は剛性が比較的高いことから締め付け具で締め付けても変形し難いことも加え、厚肉部24とアウターケース14の凹部17との密着性が薄肉部25に比べて低下し、シール性が十分にないアウターケース14周上の凹部17でのジョイント内部への塵埃侵入やグリス等の液漏れの問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−13546号公報(第3頁、第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、トリポートタイプ等の非円形形状をなすアウターケースを有する等速ジョイントにおいて、樹脂製ブーツの径大側取付部を非円形のアウターケース外周に対して、全周にわたり均等に締め付け安定したシール性を確保して取り付けることができる等速ジョイント用樹脂製ブーツと樹脂製ブーツを取り付けるための取付具を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、周方向に凹部と凸部を交互に有するアウターケースに取り付けられる軸方向一端側の径大側取付部と、シャフトに取り付けられる径小側取付部と、前記両取付部間の蛇腹部とが樹脂材料により一体成形されてなり、前記径大側取付部の内周側が前記アウターケース外周形状に対応する非円形形状をなし、内側への凸状をなす厚肉部と薄肉部とが交互に形成されてなる等速ジョイント用樹脂製ブーツにおいて、前記厚肉部の中央部軸方向に、前記薄肉部外接円に対して外側に増厚した肉厚部を設けたことを特徴とする等速ジョイント用樹脂製ブーツである。
【0012】
本発明の等速ジョイント用樹脂製ブーツによれば、非円形形状をなすアウターケースの外周に対して、これに対応する形状の径大側取付部の内周を嵌合し締め付け具の締め付けにより固定することで、径大側取付部の外周は締め付け具の内周に沿う円形に形成され取り付けることができる。この時、厚肉部の外側に設けられた肉厚部が内方に圧縮変形されて反発力を発生し、径大側取付部の厚肉部とアウターケース凹部との接触圧を上昇させることで凹部と凸部での面圧差を無くし、アウターケースに対する径大側取付部の厚肉部と薄肉部との締め付け性を均一化して全周に渡りシール性を良好に確保することができる。
【0013】
請求項2の発明は、周方向に凹部と凸部を交互に有するアウターケースに取り付けられる軸方向一端側の径大側取付部と、シャフトに取り付けられる径小側取付部と、前記両取付部間の蛇腹部とが樹脂材料により一体成形されてなり、前記径大側取付部が前記アウターケースの外周に対応する非円形形状をなし、かつ、その肉厚が全周にわたって略一定の薄肉に形成された等速ジョイント用樹脂製ブーツに用いられ、前記等速ジョイント用樹脂製ブーツを等速ジョイントに取り付けるため、前記径大側取付部の凹部と締め付け具の間に配される取付具であって、前記取付具の中央部軸方向に、前記締め付け具の前記アウターケース凸部における内接円に対して外側に増厚した肉厚部を設けたことを特徴とする等速ジョイント用樹脂製ブーツの取付具である。
【0014】
また、前記取付具は、請求項3に記載のように、外周側が略円形をなし、かつ内周側が前記アウターケース外周に対応する非円形形状をなして内側への凸状をなす厚肉部と薄肉部とを交互に有するリング状に一体成形され、前記肉厚部が、前記厚肉部の中央部において前記薄肉部外接円に対して外側に増厚して設けられたものでもよい。
【0015】
本発明の等速ジョイント用樹脂製ブーツの取付具は、非円形形状をなすアウターケース外周に対応する形状を有し、かつ薄肉である径大側取付部を取り付けるためのもので、取付具を径大側取付部と締め付け具の間に配して締め付け固定することで、取付具外側が締め付け具内周に沿う円形に形成される。これにより、取付具の外側に設けた肉厚部が内方に圧縮変形され反発力を発生し、径大側取付部とアウターケース凹部との接触圧を高めてアウターケース凹部での密着性を向上することができ、アウターケース周方向の面圧差を無くして全周に渡り均等にシール性を確保することができる。
【0016】
また、前記取付具は、内周側にアウターケース外周に対応する厚肉部と薄肉部とを交互に有するリング状に一体成形することにより、等速ジョイントへの組み付け性や装着安定性を向上することができる。
【0017】
請求項4の発明は、周方向に凹部と凸部を交互に有する非円形なアウターケースに取り付けられる軸方向一端側の円形断面の径大側取付部と、シャフトに取り付けられる径小側取付部と、前記両取付部間の蛇腹部とが樹脂材料により一体成形されてなる等速ジョイント用樹脂製ブーツに用いられ、前記等速ジョイント用樹脂製ブーツを等速ジョイントに取り付けるため、前記径大側取付部と前記アウターケースの凹部の間に配される取付具であって、前記取付具の中央部軸方向に、前記径大側取付部の前記アウターケース凸部における内接円に対して外側に増厚した肉厚部を設けたことを特徴とする等速ジョイント用樹脂製ブーツの取付具である。
【0018】
本発明の等速ジョイント用樹脂製ブーツの取付具は、非円形形状をなすアウターケース外周に円形断面の径大側取付部を取り付けるためのもので、アウターケースに嵌合された径大側取付部と共に取付具を締め付け固定することで、取付具外側は径大側取付部内周に沿う円形状に形成され取り付けられる。これにより、取付具の外側に設けた肉厚部が圧縮変形され反発力を発生し、アウターケースと取付具と径大側取付部との3者の間での接触圧を上昇しアウターケース凹部でのこれら界面の密着性を向上することができ、アウターケース凹部でのシール性を改善し、アウターケース全周に渡り良好なシール性を確保することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の等速ジョイント用樹脂製ブーツ1(以下、ブーツという)をトリポートタイプの等速ジョイント10に取り付けた状態の縦断面図、図2は図1のX−X線断面におけるブーツ1の径大側取付部33の横断面図、図3は径大側取付部33の断面図である。
【0021】
この等速ジョイント10は、上記の従来と同様のものであり、その説明を省略する。
【0022】
図に示すように、等速ジョイント10には、アウターケース14からトリポート13側のシャフト16の部分を覆うように樹脂製ブーツ1が設けられ、アウターケース14及びシャフト16にクランプリング28、29により締め付けられ取り付けられている。
【0023】
このブーツ1は、等速ジョイント10のアウターケース14に取り付けられるその外周が略円形をなすとともに、内周がアウターケース14の外周形状に対応した非円形断面をなし、周方向の所要間隔にアウターケース14外周の凹部17と摺動溝15の凸部18に対応する厚肉部31と薄肉部32とが交互に形成されている径大側取付部33と、トリポート13側のシャフト16に取り付けられる径小側取付部35と、これら両取付部33、35を連接するテーパ状の蛇腹部34とからなり、これらがポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPE)によりインジェクションブロー成形によって一体に成形されたものである。
【0024】
径大側取付部33の周上に交互に形成された厚肉部31の外周側には、薄肉部32の外接円(R1)に対して外側に増厚した肉厚部40がアウターケース14の軸方向に設けられている。
【0025】
すなわち、この肉厚部40は、アウターケース側シャフト20の軸心を中心(O)とし、径大側取付部33をアウターケース14外周に取り付けた時のこの中心(O)と薄肉部32外周(P1)との距離を半径とする円弧に対して、厚肉部31の中央部に頂点41を有し径方向外方に突出する断面三日月形状に形成されている。
【0026】
肉厚部40は、その外面が湾曲面状をなし、頂点41に対して左右対称に薄肉部32に向かって徐々に薄肉となり、厚肉部31と薄肉部32の境界部近傍の厚肉部31内の周上(E1)で肉厚部40が終端するように形成されている。
【0027】
これにより、厚肉部31は、アウターケース14の外周に径大側取付部33を嵌合しクランプリング28で締め付けた際、径大側取付部33の外周がクランプリング28の内周に圧迫され、肉厚部40を内方に圧縮変形するように形成されている。
【0028】
この径大側取付部33の外周をクランプリング28により締め付けることで、径大側取付部33の外周はクランプリング28の内周に沿って円形状に形成され、肉厚部40は厚肉部31の内部に押し込まれ厚肉部31自体に反発力を発生しアウターケース14の凹部17との接触圧を上昇させ径大側取付部33とアウターケース凹部17との密着性を改善することができ、アウターケース14周上での面圧差に基づく問題を解消することができる。
【0029】
上記肉厚部40は、厚肉部31の中央の頂点41に対して左右対称に薄肉部32に向かって徐々に薄肉となって形成されることで、締め付けによる厚肉部31の変形の偏りを防ぎ反発力の発生を厚肉部31の左右で均等化し密着性を良好にし、また、厚肉部31内で終端することで薄肉部32或いは境界部でのシール性を確保することができる。
【0030】
また、厚肉部31の内周側は、アウターケース凹部17の外形に対応する形状としてシール性を確保しておく必要がある。
【0031】
これによって、径大側取付部33の厚肉部31とアウターケース14の凹部17での面圧低下による密着性不足を改善し、アウターケース14の凹部17と凸部18でのシール性の差を無くし、アウターケース14全周に渡り安定して良好なシール性を確保することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態の取付具50をブーツ2と共にトリポートタイプの等速ジョイント10に取り付けた状態の縦断面図、図5は図4のY−Y線断面における横断面図、図6は取付具50の断面図である。等速ジョイント10は、上記第1の実施形態と同様のものであり、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
本実施形態においても、ブーツ2が等速ジョイント10のアウターケース14からトリポート13側のシャフト16の部分を覆うように、アウターケース14及びシャフト16にクランプリング28、29により締め付けられ取り付けられている。
【0034】
このブーツ2は、等速ジョイント10のアウターケース14に取り付けられる径大側取付部53と、トリポート13側のシャフト16に取り付けられる径小側取付部55と、これら両取付部53、55を連接するテーパ状の蛇腹部54とからなり、これらがTPEによりプレスブロー成形によって一体に成形されたものである。
【0035】
ブーツ2の径大側取付部53は、アウターケース14外周の凹部17に対応する3箇所の凹部57と摺動溝15の凸部18に対応する3箇所の凸部58とを周上に交互に有する非円形断面をなしている。かつ、その肉厚は全周にわたって略一定の厚さを有する薄肉に形成されている。
【0036】
このブーツ2に用いられる取付具50は、径大側取付部53とクランプリング28の間に配されるリング状に一体成形された取付具であり、その外周をクランプリング28で締め付け固定される。
【0037】
取付具50は、その外周側が略円形をなし、内周側はブーツ2の径大側取付部53の外周形状に対応した非円形断面をなし、周方向の所要間隔に径大側取付部53外周の凹凸部57、58に対応する厚肉部51と薄肉部52とが交互に配されリング状の一体に形成されたものである。
【0038】
この取付具50の厚肉部51の外周側の中央部には、径大側取付部53装着時の前記アウターケース凸部18におけるクランプリング28の内接円、即ち、薄肉部52の外接円(R2)に対して外側に増厚した肉厚部60がアウターケース14の軸方向に設けられている。
【0039】
すなわち、この肉厚部60は、アウターケース側シャフト20の軸心を中心(O)とし、径大側取付部53をアウターケース14外周に取り付けた時のこの中心(O)とアウターケース凸部18におけるクランプリング28内周(P2)との距離を半径とする円弧に対して、厚肉部51の中央部に頂点61を有し径方向外方に突出する断面三日月形状に形成されている。
【0040】
肉厚部60は、その外面が湾曲面状をなし、頂点61に対して左右対称に薄肉部52に向かって徐々に薄肉となり、厚肉部51と薄肉部52の境界部近傍の厚肉部51内の周上(E2)で終端するように形成されている。
【0041】
これにより、アウターケース14の外周に径大側取付部53を嵌合し取付具50と共にクランプリング28で締め付けた際、取付具50の外周がクランプリング28の内周に圧迫され肉厚部60を内方に圧縮し厚肉部51に反発力を発生するように形成されている。
【0042】
径大側取付部53をこの取付具50と共にクランプリング28により締め付けることで、取付具50の外周はクランプリング28の内周に沿う円形状に形成され、これにより肉厚部60は厚肉部51の内側に押し込まれ厚肉部51自体に反発力を発生することでアウターケース14の凹部17との接触圧を高め、径大側取付部53とアウターケース凹部17との密着性を高めることで、アウターケース14周上での面圧差を無くして全周のシール性を良好にすることができる。
【0043】
この肉厚部60は、厚肉部51の中央の頂点61に対して左右対称に薄肉部52に向かって徐々に薄肉となって形成されることで、締め付けによる厚肉部51の変形の偏りを防ぎ反発力の発生を厚肉部51で均等化して密着性を良好にし、また、厚肉部51内で終端することで薄肉部52やその境界部でのシール性を確保することができる。
【0044】
また、厚肉部51の内周側は、アウターケース凹部17の外形に対応する形状とすることでシール性を確保することができ、肉厚部60は取付具50の外側に設ける必要がある。
【0045】
これによって、径大側取付部53の凹部57は、取付具50の厚肉部51の反発力によりアウターケース14に対して強く押し当てられアウターケース14の凹部17での面圧不足を解消し、アウターケース14の凹部17と凸部18とのシール性の差を無くし、アウターケース14全周に渡り安定して良好なシール性を得ることができる。
【0046】
なお、取付具50としては、ブーツ2と同様のポリエステル系、オレフィン系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマー等の樹脂材料を用いることができる。
【0047】
なお、本実施形態では、厚肉部51と薄肉部52とが交互に配されリング状に一体成形された取付具50により本発明を説明したが、厚肉部のみからなりその中央部に増厚した肉厚部を設けたものを径大側取付部53の凹部57とクランプリング28の間にスペーサーとして配して本発明を実施することもできる。
【0048】
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態の取付具70をブーツ3と共にトリポートタイプの等速ジョイント10に取り付けた状態の縦断面図、図8は図7のZ−Z線断面における横断面図、図9は取付具70の断面図である。等速ジョイント10は、上記第1、2の実施形態と同様のものであり、同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
本実施形態においても、ブーツ3が等速ジョイント10のアウターケース14からトリポート13側のシャフト16の部分を覆うように、アウターケース14及びシャフト16にクランプリング28、29により締め付けられ取り付けられている。
【0050】
このブーツ3は、アウターケース14の摺動溝15の凸部18外周に対応する円形断面をなし、アウターケース14に取り付けられる径大側取付部73と、トリポート13側のシャフト16に取り付けられる径小側取付部75と、これら両取付部73、75を連接するテーパ状の蛇腹部74とからなり、これらがTPEによりプレスブロー成形によって全体に円形断面かつ薄肉に一体成形されたものである。
【0051】
この実施形態のブーツ3に用いられる取付具70は、アウターケース14の凹部17と円形断面の径大側取付部73との間に配される略楕円断面のスペーサーであり、径大側取付部73外周をクランプリング28で締め付けることで取り付けられる。
【0052】
この取付具70の外側の中央部には、径大側取付部73のアウターケース凸部18における内接円、即ち、アウターケース14の凸部18の外接円(R3)に対して外側に増厚した肉厚部80が設けられている。
【0053】
すなわち、この肉厚部80は、アウターケース側シャフト20の軸心(O)を中心として、この中心(O)とアウターケース14の凸部18外周に共通するアウターケース凸部18における径大側取付部73の内周(P3)との距離を半径とする円弧に対して、取付具70の外側中央部に頂点81を有し径方向外方に突出する断面三日月形状に形成されている。
【0054】
肉厚部80は、その外面が湾曲面状をなし、頂点81に対して左右対称に、取付具70の両端に向かって徐々に薄肉となるように形成されている。
【0055】
図に示すように、取付具70はスペーサーとしてアウターケース14の3箇所の凹部17と円形断面の径大側取付部73の空間内に肉厚部80を外側に向けて配され、径大側取付部73の外周をクランプリング28で固定されている。
【0056】
径大側取付部73をこの取付具70と共にクランプリング28により締め付けることで、取付具70の外周は径大側取付部73の内周に沿う円形状に形成され、肉厚部80は取付具70の内側に押し込まれ圧縮されることで取付具70に反発力を生じ、アウターケース凹部17と取付具70と径大側取付部73との3者の間での接触圧を上昇し、アウターケース凹部17でのこれらの密着性を向上することができる。
【0057】
この肉厚部80の場合も、取付具70の中央の頂点61に対して左右対称に取付具70の両端部に向かって徐々に薄肉に形成されることで、締め付けによる取付具70の変形の偏りを防ぎ反発力の発生を取付具70の左右で均等化して上記3者の密着性を良好にすることができ、また、取付具70の内周側は、アウターケース凹部17の外形に対応する形状とすることでそのシール性を確保することができる。
【0058】
これにより、アウターケース14の凹部17での径大側取付部73との密着性を改善することで、アウターケース14の周上の凹部18と凸部17でのシール性の差を無くし、全周に渡り均一なシール性を得ることができる。
【0059】
なお、取付具70の樹脂材料としては、ブーツ3と同様のポリエステル系、オレフィン系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマーが好適に用いることができる。
【0060】
また、本実施形態では取付具を周方向に3個の別体のもので構成したが、第2の実施形態で説明したように、厚肉部と薄肉部とを交互に配したリング状に一体成形されたものでもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の等速ジョイント用樹脂製ブーツによれば、等速ジョイントの非円形形状をなすアウターケースに対して、径大側取付部の厚肉部と薄肉部における面圧差を解消し、厚肉部でのシール性の低下を防ぎ、アウターケースの全周に渡り良好なシール性を確保し等速ジョイントに取り付けることができる。
【0062】
また、本発明の等速ジョイント用樹脂製ブーツの取付具によれば、各種形状の径大側取付部を有する樹脂製ブーツを、等速ジョイントの非円形形状をなすアウターケースに対して、アウターケース凹部での面圧を向上してシール性の低下を防ぎアウターケースの全周に渡り良好なシール性を確保し取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の縦断面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】第1の実施形態の径大側取付部の断面図である。
【図4】第2の実施形態の縦断面図である。
【図5】図4のY−Y線断面図である。
【図6】第2の実施形態の取付具の断面図である。
【図7】第3の実施形態の縦断面図である。
【図8】図7のZ−Z線断面図である。
【図9】第3の実施形態の取付具の断面図である。
【図10】従来例の縦断面図である。
【図11】図10のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1,2,3……等速ジョイント用樹脂製ブーツ
10……等速ジョイント
14……アウターケース
17……アウターケース凹部
18……アウターケース凸部
31,51……厚肉部
32,52……薄肉部
33,53,73……径大側取付部
35,55,75……径小側取付部
34,54,74……蛇腹部
40,60,80……肉厚部
50,70……取付具
O……アウターケース中心

Claims (4)

  1. 周方向に凹部と凸部を交互に有するアウターケースに取り付けられる軸方向一端側の径大側取付部と、シャフトに取り付けられる径小側取付部と、前記両取付部間の蛇腹部とが樹脂材料により一体成形されてなり、
    前記径大側取付部の内周側が前記アウターケース外周形状に対応する非円形形状をなし、内側への凸状をなす厚肉部と薄肉部とが交互に形成されてなる等速ジョイント用樹脂製ブーツにおいて、
    前記厚肉部の中央部軸方向に、前記薄肉部外接円に対して外側に増厚した肉厚部を設けた
    ことを特徴とする等速ジョイント用樹脂製ブーツ。
  2. 周方向に凹部と凸部を交互に有するアウターケースに取り付けられる軸方向一端側の径大側取付部と、シャフトに取り付けられる径小側取付部と、前記両取付部間の蛇腹部とが樹脂材料により一体成形されてなり、
    前記径大側取付部が前記アウターケースの外周に対応する非円形形状をなし、かつ、その肉厚が全周にわたって略一定の薄肉に形成された等速ジョイント用樹脂製ブーツに用いられ、
    前記等速ジョイント用樹脂製ブーツを等速ジョイントに取り付けるため、前記径大側取付部の凹部と締め付け具の間に配される取付具であって、
    前記取付具の中央部軸方向に、前記締め付け具の前記アウターケース凸部における内接円に対して外側に増厚した肉厚部を設けた
    ことを特徴とする等速ジョイント用樹脂製ブーツの取付具。
  3. 前記取付具は、外周側が略円形をなし、かつ内周側が前記アウターケース外周に対応する非円形形状をなして内側への凸状をなす厚肉部と薄肉部とを交互に有するリング状に一体成形され、
    前記肉厚部が、前記厚肉部の中央部において前記薄肉部外接円に対して外側に増厚して設けられた
    ことを特徴とする請求項2記載の等速ジョイント用樹脂製ブーツの取付具。
  4. 周方向に凹部と凸部を交互に有する非円形なアウターケースに取り付けられる軸方向一端側の円形断面の径大側取付部と、シャフトに取り付けられる径小側取付部と、前記両取付部間の蛇腹部とが樹脂材料により一体成形されてなる等速ジョイント用樹脂製ブーツに用いられ、
    前記等速ジョイント用樹脂製ブーツを等速ジョイントに取り付けるため、前記径大側取付部と前記アウターケースの凹部の間に配される取付具であって、
    前記取付具の中央部軸方向に、前記径大側取付部の前記アウターケース凸部における内接円に対して外側に増厚した肉厚部を設けた
    ことを特徴とする等速ジョイント用樹脂製ブーツの取付具。
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