JP2014228123A - 等速ジョイント用ブーツ - Google Patents

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Abstract

【課題】バンドに過大な張力が生じることを抑制し得、寒冷環境下においても、外形が非円筒形状のカップ部との間に良好なシール性を発揮することが可能な等速ジョイント用ブーツを提供する。【解決手段】等速ジョイント用ブーツ10は、円弧面24a〜24cと、凹部26a〜26cとが外壁に形成されることで外形が非円筒形状のカップ部20に外嵌される大径環状部30を有する。該大径環状部30は、薄肉部34と、薄肉部34に比して肉厚に設定される厚肉部36とを有し、カップ部20の円弧面24a〜24cに沿う円弧形状の薄肉部34の内壁に第1シール部38が突出形成されている。また、カップ部20の凹部26a〜26cに沿う凸形状の厚肉部36の内壁に、第1シール部38に比して突出長さが大きい第2シール部40が突出形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、等速ジョイントのアウタ部材を構成して外形が非円筒形状であるカップ部に装着される等速ジョイント用ブーツに関する。
自動車等に用いられる等速ジョイントは主に、アウタ部材と、インナ部材とから構成されている。アウタ部材は、有底円筒形状のカップ部と、該カップ部の底部に突出形成された軸部とを有している。インナ部材は、駆動力伝達軸の先端部に固定されて、アウタ部材のカップ部内に挿入されている。そして、カップ部の先端から駆動力伝達軸の一部が、等速ジョイント用ブーツ(以下、単にブーツともいう)によって覆われる。具体的には、ブーツは、熱可塑性樹脂等のエラストマー系材料から形成され、カップ部に外嵌する大径環状部と、駆動力伝達軸に外嵌する小径環状部と、大径環状部と小径環状部との間に伸縮自在に設けられる蛇腹部とを有している。
大径環状部及び小径環状部はそれぞれ、カップ部及び駆動力伝達軸に外嵌された状態で、その外周面から例えば金属製のバンドによって巻締め固定されている。このブーツにより、カップ部内に潤滑用のグリスを封入するとともに、該カップ部内に塵埃や水等が進入することを防止している。従って、アウタ部材及び駆動力伝達軸と、ブーツとの間は良好にシールされている必要がある。
この等速ジョイントでは、例えば、軽量化を図るために、いわゆる肉盗みとして、アウタ部材のカップ部の外壁に軸方向に沿って延在する凹部を設ける場合がある。すなわち、カップ部の外形は、円弧面と凹部とから形成される非円筒形状になっている。この場合、カップ部に外嵌されるブーツの大径環状部は、外形が円筒形状に維持されたまま、内壁がカップ部の外壁の形状に対応する形状に設定される。すなわち、大径環状部は、カップ部の外形形状に応じて肉厚が変化する。具体的には、大径環状部は、内壁がカップ部の円弧面に沿って円弧形状に形成される薄肉部と、内壁がカップ部の凹部に沿って凸形状に形成される厚肉部とから形成され、薄肉部に比して厚肉部の肉厚が大きくなっている。
また、大径環状部の内壁には、カップ部と大径環状部とのシール性を向上させるべく、軸心に向かって突出するシール部が周回するように形成されている。大径環状部にバンドが巻締められると、厚肉部の凸形状の内壁がカップ部の凹部の壁面を押圧し、且つ薄肉部の円弧形状の内壁がカップ部の円弧面を押圧する。さらに、前記シール部が圧潰されるように変形してカップ部の外壁に密着し、これによって、ブーツとカップ部との間がシールされる。
この種のシール部は、薄肉部であるか厚肉部であるかに関わらず、同一の突出長さに設定されるのが一般的である。その一方で、特許文献1において、シール性を一層向上させることを目的とし、厚肉部における凸形状の内壁の底部から頂部に向かうにつれて、シール部の突出長さを低くし且つシール部の幅を広くすることが提案されている。
また、特許文献2には、大径環状部の厚肉部と薄肉部の境界付近に、他の部分よりも突出長さが大きいシール部が設けられ、さらに、前記境界付近に、シール部の倒れを防止するリブを備えたブーツが記載されている。
これらの技術は、シール性が低下する理由が、厚肉部と薄肉部の境界付近とカップ部との接触圧が低下するためであるとの推察に基づき構成されたものである。つまり、上記の構成を採用することで、前記境界付近とカップ部との間のシール性が低下する懸念を払拭しようとするものである。
特許第4258329号公報 特許第4428080号公報
等速ジョイントを搭載した自動車は、例えば、−40〜120℃といった幅広い温度範囲内で使用されることが想定されるが、特に、極低温下において、ブーツとカップ部との間のシール性が十分に得られないことがある。本発明者の鋭意検討によれば、厚肉部と凹部との間からグリスが若干漏洩することが認められた。特に、特許文献1、2記載の技術では、他の部分に比して厚肉部におけるシール部の突出長さが小さいので、この傾向が顕著となる懸念がある。
前記シール性を向上させるべく、バンドの締め付け力を大きくすることが想起される。しかしながら、この場合、厚肉部の圧縮変形量が大きくなり、その結果、厚肉部の反発力が増大する。このため、バンドに過大な張力が発生してしまい、バンドが破断に至る可能性もある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、バンドに過大な張力が生じることを抑制し得、寒冷環境下においても、外形が非円筒形状のカップ部との間に良好なシール性を発揮することが可能な等速ジョイント用ブーツを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、等速ジョイントのアウタ部材を構成し、外壁に円弧面と、該円弧面から軸心に向かって湾曲状に凹み且つ軸線方向に沿って延在する凹部とが形成されたカップ部に外嵌された状態でバンドによって締め付け固定される環状部を有する等速ジョイント用ブーツであって、
前記環状部は、薄肉部と、前記薄肉部に比して肉厚に設定される厚肉部とを有し、
前記薄肉部の内壁は、前記カップ部の前記円弧面に沿う円弧形状であり、該薄肉部の内壁には、前記円弧面に対して変形自在に当接して、該円弧面と前記薄肉部との間をシールする第1シール部が前記環状部の軸心に向かって突出形成され、
前記厚肉部の内壁は、前記カップ部の前記凹部に沿う凸形状であり、該厚肉部の内壁には、前記凹部の壁面に対して変形自在に当接して、該凹部と前記厚肉部との間をシールする第2シール部が前記環状部の軸心に向かって突出形成され、
前記第2シール部の突出長さは、前記第1シール部に比して大きいことを特徴とする。
ブーツの周囲温度を常温から極低温に変化させると、ブーツが収縮を起こす。本発明者の鋭意検討によれば、この際、肉厚が大きい部位では収縮率が大きくなるとの知見が得られた。すなわち、大径環状部では、薄肉部に比して厚肉部が大きく収縮する。極低温下で厚肉部と凹部との間のシール性が低下する理由は、このためであると推察される。
そこで、本発明では、環状部中で肉厚が小さい薄肉部の内壁に第1シール部を設け、且つ肉厚が大きい厚肉部の内壁に第2シール部を設けている。そして、第1シール部よりも第2シール部の突出長さを大きくすることで、薄肉部に比して厚肉部の締代を大きくしている。ここで、締代とは、カップ部に外嵌される前の環状部の内径と、カップ部の外径との差である。
例えば、−40℃等の寒冷環境下では、温度低下による環状部の収縮率は、肉厚が大きいほど大きくなる。従って、厚肉部では、薄肉部に比して収縮率が大きくなる。このように、収縮率が大きくなる厚肉部では、上記の通り締代が大きく設定されている。これによって、寒冷環境下において、厚肉部が大きく収縮しても、厚肉部とカップ部の凹部との間を良好にシールすることができる。
また、環状部とカップ部との間には、変形自在な第1シール部及び第2シール部が介在している。第2シール部では、第1シール部に比して突出長さが大きい分、変形可能な量も大きい。従って、上記のように厚肉部の締代を大きくして該厚肉部とカップ部とのシール性を高めても、変形するのは第2シール部がほとんどであり、厚肉部自体はほとんど圧縮変形されない。すなわち、第2シール部が大きく変形することにより、厚肉部の圧縮変形量が増大することを抑制できる。
その結果、バンドに過大な張力が発生することを抑制できる。バンドが厚肉部から受ける反発力が小さくなるからである。
さらに、上記の通り、厚肉部と薄肉部との間で、バンドの締め付け力による圧縮変形量の差、すなわち、バンドに対する反発力の差が生じることを抑制できるため、カップ部に対して環状部全体を略均等に押圧することが可能となる。これによって、厚肉部と薄肉部の境界付近とカップ部とのシール性が低下することを抑制できる。
以上から、この等速ジョイント用ブーツでは、バンドに過大な張力が生じることを抑制しつつ、寒冷環境下においても、環状部とカップ部とのシール性を良好に維持することが可能になる。
また、この等速ジョイント用ブーツでは、上記の通り薄肉部に設けられる第1シール部の突出長さを小さくすることで、等速ジョイント用ブーツの成形性や、カップ部に対する環状部の装着性を向上させることができる。
上記の等速ジョイント用ブーツにおいて、前記凸形状の底部から頂部に向かって前記厚肉部の肉厚が大きくなるにつれ、前記第2シール部の突出長さも大きくなることが好ましい。すなわち、寒冷環境下において収縮率が大きくなる部分ほど、第2シール部の突出長さも大きくなるため、厚肉部とカップ部の凹部との間のシール性を一層良好に維持することができる。
上記の等速ジョイント用ブーツがエラストマー系材料から形成される場合に、寒冷環境下におけるシール性の低下をより効果的に抑制することが可能となる。エラストマー系材料は、例えばゴム等に比べて、環境温度の低下による収縮率が大きいためである。
本発明では、等速ジョイント用ブーツの環状部中の薄肉部に設ける第1シール部に比して、厚肉部に設ける第2シール部の突出長さを大きくしている。これによって、環状部における締代を該環状部の肉厚に応じて設定することができる。その結果、寒冷環境下においても、バンドに過大な張力を生じさせることなく、外径が非円筒形状のカップ部と環状部との間を良好にシールすることが可能になる。
本実施形態に係る等速ジョイント用ブーツが装着されるトリポート型の等速ジョイントの分解斜視図である。 図1に示す等速ジョイント用ブーツの要部拡大斜視図である。 図1に示す等速ジョイント用ブーツの大径環状部側からの概略正面図である。
以下、本発明に係る等速ジョイント用ブーツ(以下、単にブーツともいう)につき好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るブーツ10が装着されるトリポート型の等速ジョイント12の分解斜視図である。なお、図1では、等速ジョイント12を構成するインナ部材を省略して示している。
はじめに、等速ジョイント12につき説明する。この等速ジョイント12は、アウタ部材16と、該アウタ部材16に形成された有底穴に挿入されたインナ部材(いずれも不図示)とを有する。
アウタ部材16は、長尺な軸部18と、該軸部18の先端部に設けられたカップ部20とを具備する。軸部18には、デファレンシャルギア(不図示)が連結され、該デファレンシャルギアの回転駆動力を、カップ部20及びインナ部材を介してドライブシャフト22に伝達する。
カップ部20の内壁には、アウタ部材16の軸線方向に沿って延在するとともに互いに120°で離間した3本のトラック溝(不図示)が形成される。また、カップ部20の外壁には、3個の円弧面24a〜24cと、該円弧面24a〜24cから軸心に向かって湾曲状に凹み且つ軸線方向(図1中の矢印X方向)に沿って延在する3個の凹部26a〜26cとが形成されている。
円弧面24a〜24cは、内壁に前記トラック溝が設けられた部位の外壁に設けられている。すなわち、円弧面24a〜24cは互いに等間隔で離間して設けられ、該円弧面24a〜24c同士の間に凹部26a〜26cがそれぞれ設けられている。このように、凹部26a〜26cを設けることで、いわゆる肉盗みとして、カップ部20を軽量化することができる。つまり、カップ部20の外形形状は、円弧面24a〜24cと凹部26a〜26cとから形成される非円筒形状になっている。
さらに、カップ部20の開口側の外壁には、円弧状段部28a〜28cが形成されている。凹部26a〜26cは、円弧状段部28a〜28cを横切るようにしてカップ部20の軸線方向(X方向)に延在している。このため、円弧状段部28a〜28cは、凹部26a〜26cが横切る位置で3つに区分されている。
これら円弧状段部28a〜28c及び凹部26a〜26cに対して、ブーツ10の大径環状部30(環状部)が外嵌される。一方、ドライブシャフト22の端部にブーツ10の小径環状部31が外嵌される。そして、大径環状部30及び小径環状部31各々の外周面から不図示のバンドが巻締められることで、ブーツ10が等速ジョイント12に装着される。
すなわち、ブーツ10はエラストマー系材料から形成され、一端部に前記大径環状部30が設けられるとともに他端部に前記小径環状部31が設けられている。また、大径環状部30と小径環状部31との間に蛇腹部32が伸縮自在に設けられている。従って、上記のように等速ジョイント12にブーツ10を装着することで、アウタ部材16の開口側からドライブシャフト22の端部にわたる部位をブーツ10の蛇腹部32によって囲繞することができる。これによって、ブーツ10内において、カップ部20内に潤滑用のグリスを封入するとともに、該カップ部20内に塵埃や水等が進入することを防止できる。
ここで、ブーツ10の要部拡大斜視図を図2に示すとともに、ブーツ10の大径環状部30側からの概略正面図を図3に示す。これら図2及び図3に示すように、大径環状部30は、外壁が円筒形状に形成され、且つ内壁がカップ部20の円弧状段部28a〜28cの外壁の形状に対応する形状に形成されている。
具体的には、大径環状部30は、内壁が円弧面24a〜24cに沿う円弧形状に形成される3個の薄肉部34と、内壁が凹部26a〜26cに沿う凸形状に形成される3個の厚肉部36とを有している。厚肉部36は、凸形状に突出している分、薄肉部34に比して肉厚が大きく設定されている。また、厚肉部36の内壁は、凹部26a〜26cの湾曲状に凹んだ形状に対応するべく、隣接する薄肉部34同士の中間である頂部に向かって緩やかに膨出(湾曲)した形状をなしている。このため、厚肉部36の肉厚は、頂部で最大となり、薄肉部34に近接する裾部に向かうに従って小さくなっている。
薄肉部34の内壁には、並列配置された2本の第1シール部38が大径環状部30の軸心に向かって突出形成されている。第1シール部38は、円弧面24a〜24cに対して変形自在に当接して、該円弧面24a〜24cと薄肉部34との間をシールする。
厚肉部36の内壁には、並列配置された2本の第2シール部40が大径環状部30の軸心に向かって突出形成されている。第2シール部40は、凹部26a〜26cの壁面に対して変形自在に当接して、凹部26a〜26cと厚肉部36との間をシールする。
第1シール部38と第2シール部40は周回方向で互いに連なり、これによって、大径環状部30の内壁を周回する2本のシール部が構成されている。
また、第1シール部38及び第2シール部40の突出長さは、大径環状部30の肉厚が大きくなるにつれて大きくなるように設定されている。従って、第2シール部40の突出長さは、第1シール部38に比して大きく設定されている。また、第2シール部40の突出長さは、厚肉部36の裾部から頂部に向かって、該厚肉部36の肉厚が大きくなるにつれて、大きくなるように設定されている。
図3に示すように、例えば、大径環状部30の半径rが38mm程度であるとき、第1シール部38の突出長さL1は、0.7mm程度に設定すればよい。また、この際、第2シール部40の突出長さは、最小突出長さL2を1.0mm程度、最大突出長さL3を1.7mm程度に設定すればよい。
本実施形態に係るブーツ10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき説明する。
このブーツ10は、上記したように、大径環状部30がカップ部20に外嵌される。この際、厚肉部36が凹部26a〜26cに進入し、且つ薄肉部34が円弧状段部28a〜28cを覆う。すなわち、第1シール部38が円弧状段部28a〜28cに着座し、一方、第2シール部40が凹部26a〜26cに着座する。また、小径環状部31がドライブシャフト22の端部に外嵌される。この外嵌の後、大径環状部30及び小径環状部31各々の外周面に不図示のバンドが巻締められる。
大径環状部30は、この巻締めによってカップ部20側に押圧される。その結果、第1シール部38及び第2シール部40が圧潰されるように変形する。
本実施形態では、薄肉部34に設けられる第1シール部38の突出長さに比して、厚肉部36に設けられる第2シール部40の突出長さを大きくしている。すなわち、薄肉部34に比して厚肉部36の締代が大きくなっている。ここで、締代とは、カップ部20に外嵌される前の大径環状部30の内径と、カップ部20の外径との差である。
第1シール部38及び第2シール部40の各々は変形自在であり、第2シール部40では、第1シール部38に比して突出長さが大きい分、変形可能な量も大きい。従って、上記のように厚肉部36の締代を大きくしても、バンドの締め付け力が加えられた際には、第2シール部40が大きく変形し、厚肉部36自体はほとんど圧縮変形されない。このため、厚肉部36の圧縮変形量が増大することを抑制できる。その結果、バンドに過大な張力が発生することを抑制できる。
ブーツ10が装着された等速ジョイント12(図1参照)は、自動車に搭載される。この自動車は、寒冷地で運転されることもある。場合によっては、環境温度が−40℃の極低温に達することも想定される。
このような寒冷環境下でブーツ10を使用する際、該ブーツ10が収縮する。ここで、ブーツ10はエラストマー系材料から形成されているため、例えば、金属等から形成される等速ジョイント12に比して、周囲温度が低下した際の収縮率が大きくなり易い。さらに、この収縮率は、大径環状部30中、肉厚が小さい薄肉部34に比して、肉厚が大きい厚肉部36で大きい。
また、厚肉部36では、裾部から頂部に向かって肉厚が大きくなるように変化している。従って、厚肉部36では、裾部に比して頂部の収縮率が大きくなる。
以上のような理由から、厚肉部36の特に頂部が、凹部26a〜26cから離間する方向に向かって収縮する。この際、第2シール部40が弾性作用によって伸張する。
本実施形態では、第1シール部38に比して第2シール部40の突出長さを大きくするとともに、第2シール部40の突出長さも、上記の通り、厚肉部36の肉厚変化に対応して周方向に沿って変化させるようしている。すなわち、第2シール部40では、凸形状の厚肉部36の裾部から頂部に向かって収縮率が大きくなることに合わせて、前記締代も大きくなるように設定されている。
従って、薄肉部34に比して厚肉部36が大きく収縮しても、第2シール部40は、締代(ないし圧縮変形量)が大きい分、厚肉部36の裾部や頂部の収縮量に対応して伸張することが可能である。このため、第2シール部40が凹部26a〜26cから離間することが回避される。すなわち、第2シール部40の全体が凹部26a〜26cに着座した状態が維持される。以上のような理由から、該厚肉部36と凹部26a〜26cとの間のシール性を良好に維持することができる。
なお、第1シール部38も弾性作用によって伸張し、円弧状段部28a〜28cに着座した状態を維持することは勿論である。
さらに、上記の通り、厚肉部36と薄肉部34との間で、バンドの締め付け力による圧縮変形量の差、すなわち、バンドに対する反発力の差が生じることを抑制できるため、カップ部20に対して大径環状部30全体を略均等に押圧することが可能となる。これによって、厚肉部36と薄肉部34の境界付近とカップ部20とのシール性が低下することも抑制できる。
以上から、この等速ジョイント用ブーツ10では、バンドに過大な張力が生じることを抑制しつつ、寒冷環境下においても、大径環状部30とカップ部20とのシール性を良好に維持することが可能になる。
また、この等速ジョイント用ブーツ10では、第2シール部40に比して、第1シール部38の突出長さが小さく設定されている。これによって、等速ジョイント用ブーツ10の成形性や、カップ部20に対する大径環状部30の装着性を向上させることができる。
本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、3個の円弧面24a〜24cと、3個の凹部26a〜26cとが形成されたカップ部20の外壁の形状に応じて、大径環状部30に設けられる厚肉部36及び薄肉部34の各々の個数を3個とした。しかしながら、これらの個数は3個に限定されるものではなく、任意の個数に設定することが可能である。
10…等速ジョイント用ブーツ 12…等速ジョイント
16…アウタ部材 18…軸部
20…カップ部 22…ドライブシャフト
24a〜24c…円弧面 26a〜26c…凹部
28a〜28c…円弧状段部 30…大径環状部
31…小径環状部 32…蛇腹部
34…薄肉部 36…厚肉部
38…第1シール部 40…第2シール部

Claims (3)

  1. 等速ジョイントのアウタ部材を構成し、外壁に円弧面と、該円弧面から軸心に向かって湾曲状に凹み且つ軸線方向に沿って延在する凹部とが形成されたカップ部に外嵌された状態でバンドによって巻締め固定される環状部を有する等速ジョイント用ブーツであって、
    前記環状部は、薄肉部と、前記薄肉部に比して肉厚に設定される厚肉部とを有し、
    前記薄肉部の内壁は、前記カップ部の前記円弧面に沿う円弧形状であり、該薄肉部の内壁には、前記円弧面に対して変形自在に当接して、該円弧面と前記薄肉部との間をシールする第1シール部が前記環状部の軸心に向かって突出形成され、
    前記厚肉部の内壁は、前記カップ部の前記凹部に沿う凸形状であり、該厚肉部の内壁には、前記凹部の壁面に対して変形自在に当接して、該凹部と前記厚肉部との間をシールする第2シール部が前記環状部の軸心に向かって突出形成され、
    前記第2シール部の突出長さは、前記第1シール部に比して大きいことを特徴とする等速ジョイント用ブーツ。
  2. 請求項1記載の等速ジョイント用ブーツにおいて、前記凸形状の底部から頂部に向かって前記厚肉部の肉厚が大きくなるにつれ、前記第2シール部の突出長さも大きくなることを特徴とする等速ジョイント用ブーツ。
  3. 請求項1又は2記載の等速ジョイント用ブーツにおいて、エラストマー系材料から形成されることを特徴とする等速ジョイント用ブーツ。
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