JP2012017844A - 固定式等速自在継手及び等速自在継手用ブーツ - Google Patents

固定式等速自在継手及び等速自在継手用ブーツ Download PDF

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Abstract

【課題】軽量化、コンパクト化を図ることができる固定式等速自在継手およびこのような固定式等速自在継手に用いることができかつコンパクト化を図ることができるブーツを提案する。
【解決手段】外側継手部材2は、少なくとも内側継手部材1とボール3とケージ4とで構成される内部部品Sが収納されるマウス部22を有する。マウス部22の軸方向長さを、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角において対応する短寸とする。これにより、等速自在継手の作動角が0°である状態において、ケージ4の継手開口側の端部を外側継手部材2の開口部よりも外方に突出させる。蛇腹部14の山部20と谷部19の数をいずれも2つとする。少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角においては、内部部品Sが蛇腹部内面に接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定した。
【選択図】図13

Description

この発明は、自動車のドライブシャフトに用いる固定式等速自在継手、特に後輪ドライブシャフト用として好適な固定式等速自在継手及び等速自在継手用ブーツに関する。
自動車のドライブシャフトには、前輪駆動車用ドライブシャフトの他、後輪駆動車や四輪駆動車の後輪ドライブシャフトがある。これらのドライブシャフトは、通常、インボード側(デフ側)に摺動式等速自在継手が組み込まれ、アウトボード側(車輪側)に固定式等速自在継手が組み込まれる。等速自在継手は作動角をとりながら回転トルクを伝達するものであるが、固定式等速自在継手は角度変位にのみに対応できるもので、一方、摺動式等速自在継手は角度変位と共に軸方向の変位に対応できるものである。アウトボード側に組み込まれる固定式等速自在継手は、前輪ドライブシャフトでは操舵車輪に連結されるので、大きな作動角(例えば、40°以上)が必要であるが、後輪ドライブシャフトでは非操舵車輪に連結されるので、前輪用に比較して小さな作動角(例えば、25°以下)で使用される。
従来の固定式等速自在継手であるツェッパ型等速自在継手は、図16に示すように、外側継手部材62、内側継手部材61、ボール63およびケージ64からなる。外側継手部材62の球状内周面65には複数のトラック溝66が円周方向等間隔に、かつ軸方向に沿って形成されている。内側継手部材61の球状外周面67には、外側継手部材62のトラック溝66と対向するトラック溝68が円周方向等間隔に、かつ軸方向に沿って形成されている。外側継手部材62のトラック溝66と内側継手部材61のトラック溝68との間にトルクを伝達する複数のボール63が介在されている。外側継手部材62の球状内周面65と内側継手部材61の球状外周面67の間に、ボール63を保持するケージ64が配置されている。内側継手部材61の内径孔69にシャフト70の軸端部71がスプライン嵌合されている。外側継手部材62の開口端部の外周と、シャフト70の外周に蛇腹状ブーツ72が取り付けられ、継手内部を密封している。継手内部には、潤滑剤としてグリースが封入されている。
図16に示すように、外側継手部材62の球状内周面65と内側継手部材61の球状外周面67の曲率中心は、いずれも継手中心Oに形成されている。これに対して、外側継手部材62のトラック溝66の曲率中心Aと、内側継手部材61のトラック溝68の曲率中心Bとは、継手中心Oに対して軸方向に等距離Lだけオフセットされている。これにより、継手が作動角をとった場合、外側継手部材62と内側継手部材61の両軸線がなす角度を二等分する平面上にボール63が常に案内され、二軸間で等速に回転トルクが伝達されることになる。
蛇腹状ブーツ72は、外側継手部材62の開口端部外周に装着される大径部73aと、シャフト70に装着される小径部73bと、これらの間に配置された蛇腹部74からなる。大径部73aの外周面に形成された嵌合溝75にブーツバンド76を嵌着することによって、大径部73aを外側継手部材62に固定し、小径部73bの外周面に形成された嵌合溝77にブーツバンド78を嵌着することによって、小径部73bをシャフト70に固定している。
蛇腹部74の谷部79はその断面形状をU字形状とし、谷部79と山部80とを連結する連結部81を直線状としている。蛇腹部74は、小径部73b側から大径部73a側に向かって順に第1山部80a、第2山部80b、第3山部80c、第4山部80d、第5山部80eおよび大径肩部81aとなっている。谷部79は、小径部73b側から大径部73a側に向かって順に第1谷部79a、第2谷部79b、第3谷部79c、第4谷部79d、第5谷部79eとなっている。このように従来の固定式等速自在継手に用いられている蛇腹形状のブーツ72は、多くの山部と谷部を有し、軸方向および径方向の寸法が大きくなっていた。
また、特許文献1に記載するものは、大きな作動角を許容するために、湾曲部とそれより曲率半径の大きい湾曲部からなるダイヤフラム領域に向かってS字状に形成された蝶番領域を備えた折りたたみ領域が配置された折りたたみベローズである。
特開平7−151160号公報
図16に示す従来の固定式等速自在継手は、上記のように実用域の最大作動角として40°以上を確保しているためにトラック溝66の軸方向の長さが必要であるので、外側継手部材62の開口端部に対してケージ64の全体が内部に収まっている。しかし、この設計思想のままの固定式等速自在継手を、実用域の最大作動角が25°から30°程度である後輪ドライブシャフトの用途に使用する場合、外側継手部材62の軸方向寸法が必要以上に長いため、コンパクト化や軽量化に問題が生じる。
また、固定式等速自在継手に装着する蛇腹状ブーツ72は、等速自在継手が作動角を取る動きに追従するために変形する。この変形に伴い、隣接する山部80が干渉することで摩耗を生じたり、谷部79の内面とシャフト70の外周が干渉することで摩耗が生じることがある。また、実用域の最大作動角が40°以上の固定式等速自在継手では、高作動角での耐久性を適切に保持するために、図16に示すように、山部と谷部の数が多い蛇腹部形状の設計を必要とする。しかし、実用域の作動角が25°から30°程度までである後輪ドライブシャフトの用途に使用する場合、ブーツ72のコンパクトさに欠けるという問題がある。
また、特許文献1に記載のブーツの構造では山部と谷部の数を減少できる可能性はあるものの、大きな座屈角度、すなわち高作動角での使用が前提になっており、ブーツが複雑な形状をなすことから、等速自在継手への組付性が悪いという問題がある。更に、実用域の最大作動角が25°や30°までの用途に使用する等速自在継手のブーツの場合は、不要なブーツ耐久性を保持する点で、ブーツのコンパクトさに不利という問題がある。
この発明は、上記の問題に鑑みて、固定式等速自在継手とそれに装着されるブーツという二つの面に着目し、固定式等速自在継手としての新たな設計思想に挑戦したものである。この発明は、継手の軽量化、コンパクト化と共に装着されるブーツのコンパクト化を図った、後輪ドライブシャフト用として特に好適な固定式等速自在継手を提供することを目的とする。
本発明者は、以下のような複合した新たな点に着目し、各項目についての解決構成を融合させて本発明を成したもので、後輪ドライブシャフト用として特に好適な固定式等速自在継手の新たな設計基準への扉を開けたものである。
(1)実用域の作動角範囲と自動車への装着時の作動角範囲を区分した挙動検討
(2)外側継手部材の軸方向、外形寸法
(3)外側継手部材とケージの組込み寸法
(4)継手と蛇腹状ブーツの寸法関係
(5)蛇腹状ブーツの形状、材料
本発明の第1の固定式等速自在継手は、内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成すると共に内径孔にシャフトの一端が連結された内側継手部材と、これら内外継手部材のトラック溝間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材と内側継手部材との間に配置されボールを保持するケージとからなり、前記外側継手部材の開口側外径面と前記シャフトの外径面との間に取り付けられた蛇腹状ブーツを有する固定式等速自在継手において、前記外側継手部材の継手中心から開口端部までの軸方向長さを短縮し、前記ケージの一部が外側継手部材の前記開口端部よりも外方に突出した構造とすると共に、前記ブーツを、その蛇腹部の山部と谷部の数をいずれも3つ以下とし、実用域の任意の作動角において、前記内側継手部材、ケージおよびボールが前記ブーツの蛇腹部内面に接触しないように蛇腹部の形状と膜長を設定したことを特徴とするものである。
本発明の第2の固定式等速自在継手は、内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成すると共に内径孔にシャフトの一端が連結された内側継手部材と、これら内外継手部材のトラック溝間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材と内側継手部材との間に配置されボールを保持するケージとからなり、前記外側継手部材の開口側外径面と前記シャフトの外径面との間に取り付けられた蛇腹状ブーツを有する固定式等速自在継手において、前記外側継手部材の継手中心から開口端部までの軸方向長さを短縮し、前記ケージの一部が外側継手部材の前記開口端部よりも外方に突出した構造とすると共に、前記ブーツを、その蛇腹部の山部と谷部の数をいずれも2つとし、実用域の任意の作動角において、前記内側継手部材、ケージおよびボールが前記ブーツの蛇腹部内面に接触しないように蛇腹部の形状と膜長を設定したものである。
本発明の第1の等速自在継手用ブーツは、等速自在継手の外側継手部材の開口側外径面のブーツ装着部に外嵌固定される大径部と、等速自在継手の内側継手部材の内径孔に端部が嵌入されるシャフトにおけるブーツ装着部に外嵌固定される小径部と、大径部と小径部との間に配設される蛇腹部とを有する等速自在継手用ブーツにおいて、前記外側継手部材は、少なくとも内側継手部材とボールとケージとで構成される内部部品が収納されるマウス部を有し、前記マウス部の軸方向長さを、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角において対応する短寸として、等速自在継手の作動角が0°である状態において、前記ケージの継手開口側の端部を外側継手部材の開口端部よりも外方に突出させ、前記蛇腹部の山部と谷部の数をいずれも3つ以下とし、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角においては、前記内部部品が前記蛇腹部内面に接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定したものである。ここで、実用域の高使用頻度範囲の作動角とは、例えば、0°から25°や30°である。
本発明の第2の等速自在継手用ブーツは、等速自在継手の外側継手部材の開口側外径面のブーツ装着部に外嵌固定される大径部と、等速自在継手の内側継手部材の内径孔に端部が嵌入されるシャフトにおけるブーツ装着部に外嵌固定される小径部と、大径部と小径部との間に配設される蛇腹部とを有する等速自在継手用ブーツにおいて、前記外側継手部材は、少なくとも内側継手部材とボールとケージとで構成される内部部品が収納されるマウス部を有し、前記マウス部の軸方向長さを、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角において対応する短寸として、等速自在継手の作動角が0°である状態において、前記ケージの継手開口側の端部を外側継手部材の開口端部よりも外方に突出させ、前記蛇腹部の山部と谷部の数をいずれも2つとし、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角においては、前記内部部品が前記蛇腹部内面に接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定したものである。
前記したように、後輪ドライブシャフトであれば、実用域の作動角が25°や30°程度までである。このため、この範囲の作動角において、本発明にかかるブーツでは、内部部品が蛇腹部内面に接触しないように設定している。これによって、適切な摩耗性や疲労性等のブーツ耐久性を維持した上でコンパクトなブーツ設計を取ることができる。また、実用域の作動角が25°から30°程度までであれば、外側継手部材のマウス部の軸方向長さを短くしてもこの実用域での最大作動角に対応することができる。このため、このブーツが装着される固定式等速自在継手においては、作動角が40°以上の固定式等速自在継手に比べて、コンパクト化を図ることができる。
前記等速自在継手用ブーツにおいて、大径部と蛇腹部との間に大径肩部を有し、この大径肩部の外径寸法を前記外側継手部材の外径寸法の1.05倍〜1.08倍とするとともに、前記外側継手部材の開口端部に最も近い谷部の内径寸法を外側継手部材の外径寸法の0.75倍〜0.85倍とするのが好ましい。なお、外側継手部材の外径寸法は、通常、コンパクト化を図るために可能な限り小さい外径寸法に留める設計を取ることから、外側継手部材のブーツ装着部の外径寸法は外側継手部材の外径寸法と同一寸法かほぼ同一寸法(同一乃至近似するよう)に設計される。しかし、その他の要因によって、外側継手部材の外径寸法が、ブーツ装着部の外径寸法よりも大きく設計される場合がある。この様な場合、各寸法設定の基準にしている外側継手部材の外径寸法は、ブーツ装着部の外径寸法に置き換えて設定することが好ましい。前記近似とは、比べる2つの値に関し、いずれかを基準として、他方の値がその基準の値の±3%以内の範囲内に入る値である。
大径肩部の外径寸法が、外側継手部材の外径寸法の1.05未満であれば、外部から異物が干渉した際、外側継手部材と異物にブーツの大径肩部が挟まれるおそれがある。また、1.08を越えれば、大径肩部が大径になりすぎて、大径肩部が他の部材と干渉するおそれがある。また、外側継手部材の開口端部に最も近い谷部の内径寸法が外側継手部材の外径寸法の0.75倍未満であれば、この谷部の内径寸法が小さくなりすぎて作動角を取った際に、この谷部が内部部品と接触するおそれがある。この谷部の内径寸法が外側継手部材の外径寸法の0.85を越えれば、蛇腹の変形性や耐久性に劣ることになる。
前記外側継手部材の開口端部に最も近い谷部を省く谷部の外径寸法を、ブーツ内シャフトの外径Dsの1.4倍〜2.0倍とするのが好ましい。この谷部の外径寸法がシャフトの外径Dsの1.4倍未満であれば、谷部の外径寸法が小さすぎて作動角を取った際に、谷部がシャフトに接触するおそれがある。逆に、この谷部の外径寸法がシャフトの外径Dsの2.0倍を越えれば、蛇腹部が大径化したり、蛇腹の変形性や耐久性が低下したりする。
前記外側継手部材の開口端部に最も近い谷部の軸方向位置を、ケージの軸方向突出量をGとしたときに、外側継手部材の開口端面から2G以上離すようにするのが好ましい。谷部の軸方向位置が外側継手部材の開口端面から2G未満であれば、谷部の軸方向位置が外側継手部材の開口端面に近すぎて作動角を取った際に、谷部が外側継手部材に接触するおそれがある。なお、外側継手部材の開口端面は、外側継手部材の開口端部の形状(例えば、面取り)によっては、面の形状を呈さない場合も考えられ、この形状は、厳密には開口端縁と表現すべきであるが、ここでは、この開口端縁も含めて開口端面と表現している。
前記等速自在継手用ブーツにおいて、大径部と蛇腹部との間に大径肩部を有し、この大径肩部の外径寸法を前記外側継手部材の外径寸法の1.05倍〜1.08倍とし、実用域の高使用頻度範囲の作動角を越えた作動角にて、蛇腹部圧縮側において、大径肩部とこの大径肩部に近い側の山部との間の連結部と、小径部に近い側の山部とが接触することによって、ストッパとしての役割を果たし、反圧縮方向への力が生じ、この蛇腹部圧縮側とは軸心に関して180°反対の蛇腹部引張側において、蛇腹部が延びきった伸張状態となすことによって、反引張方向の力が生じるようにできる。このように設定すれば、さらに大きな作動角をとることを規制することができる。
また、蛇腹部の山部と谷部の数がいずれも2つであって、2つの谷部の外径寸法をブーツ内シャフトの外径Dsの1.4倍〜2.0倍とし、大径部と蛇腹部との間の大径肩部とこの大径肩部に近い側の山部との間の軸方向寸法は、小径部に近い側の山部と大径肩部に近い側の山部との間の軸方向寸法の1.5倍以上であり、小径部に近い側の山部と小径部に近い側の谷部との間の軸方向寸法と、小径部に近い側の谷部と大径肩部に近い側の山部との間の軸方向寸法と、大径肩部に近い側の山部と大径肩部に近い側の谷部との間の軸方向寸法とが同一乃至近似し、大径肩部と大径肩部に近い側の谷部とを繋ぐ連結部は、傾斜角が異なる2つの傾斜壁から成り、大径肩部に近い側の傾斜壁の軸線方向に対する傾斜角は他方の傾斜壁の軸線方向に対する傾斜角よりも大きく、かつ、前記大径肩部に近い側の傾斜壁の軸方向寸法は他方の傾斜壁の軸方向寸法の1/3以下であるように設定できる。ここで、近似とは、いずれかの値を基準として、他の値がその基準の値の±2mm以内の範囲内に入る値であることをいう。
2つの山部の外径寸法がそれぞれ前記外側継手部材の外径寸法の0.75倍以下であり、かつ、2つの山部の外径寸法が同一乃至近似するとともに、2つの谷部の外径寸法が同一乃至近似するようにできる。ここで、近似とは、比べる2つの値に関し、いずれかを基準として、他方の値がその基準の値の±10%以内の範囲内に入る値である。
前記外側継手部材の開口端部に近い側(ブーツの大径肩部に近い側)の山部の外径寸法が前記小径部に近い側の山部の外径寸法よりも小さく設定できる。
実用域の高使用頻度範囲の作動角において、2つの谷部がシャフトと接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定することができる。
外側継手部材の開口端部に最も近い前記ブーツの谷部の内径寸法Hを、ボールのピッチ円直径PCDと前記外側継手部材のトラック溝の最大径Iに対して、PCD<H<Iとするのが好ましい。この谷部の内径寸法が外側継手部材のトラック溝の最大径より、大きいとブーツのコンパクト性が阻害される。
前記外側継手部材の開口端部に最も近い谷部(ブーツの大径肩部に近い谷部)の内径寸法を、ボールのピッチ円直径PCD以下にするのが好ましい。谷部とシャフトが接触しない設計を取った場合、内径寸法がボールのピッチ円直径PCDを越えると、圧縮側の蛇腹がシャフト方向に入り込んでしまい、適切な変形を得ることができない。あるいは、引張側においても、蛇腹膜長が不足するか、不足しない程度に山部外径を大きくするとコンパクトさに欠けた設計となってしまう。シャフトが作動角を取る際にブーツが縮む方向の変形を受ける位相を圧縮側と称し、その180°反対側のブーツが引張られる側の位相を引張側と称する。
作動角が20°以下において、前記蛇腹部の谷部の全てがシャフトと接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定するのが好ましい。これにより、谷部がシャフトと接触しながら回転するのを避けることで、谷部の摩耗を防止する。
前記蛇腹部の谷部断面形状をU字状にするのが好ましい。このように、U字状とすることによって、谷部の疲労性が向上できる。
JIS K6253に規定されるタイプDデュロメーターによる硬さが35以上53以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーからなるのが好ましい。これによって、高い耐久性を発揮できる。
作動角25°以上において一時的に歪を生じた後、作動角を戻したときに、元のブーツ形状に復元するように、ブーツ仕様を設定することができる。このように設定することによって、長期にわたって安定したブーツ機能を発揮することができる。
外側継手部材の開口端面から継手中心までの軸方向寸法をEとし、外側継手部材の外径寸法をFとしたときに、比E/Fを0.2以下に設定できる。また、前記外側継手部材の開口端面からのケージの軸方向突出量をGとし、外側継手部材の外径寸法をFとしたときに、比G/Fを0.02以上に設定できる。比G/Fが0.02未満では、外側継手部材の軸方向長さが増すため、等速自在継手の軽量化を阻害する。また、比E/Fが0.2を越えれば、外側継手部材の軸方向長さが増すため、等速自在継手の軽量化を阻害する。
作動角が少なくとも40°を越えた範囲では、前記外側継手部材のトラック溝におけるボールとの接触点が存在せず、かつ、静止時最大作動角において、前記ケージに設けられたポケットからボールが脱落しないように、前記外側継手部材の開口端面から継手中心までの軸方向寸法を設定することができる。このように設定することによって、よりコンパクトで軽量化された等速自在継手を得ることができる。
前記ボールが8個であっても、6個であってもよい。また、この固定式等速自在継手は後輪ドライブシャフトの一端に取り付けられている。
本発明の第1および第2の固定式等速自在継手は、外側継手部材のトラック溝とボールとの接触関係について、トラック溝とボールとの接触が必要な実用域の作動角範囲と、トラック溝とボールとの接触点が存在しない自動車への装着時の作動角範囲を区分した新たな設計基準とすることにより、外側継手部材の軸方向および半径方向の寸法を抑制し、大幅な軽量、コンパクト化を図ることができた。
上記の軽量、コンパクトな外側継手部材と相俟って、蛇腹状ブーツは、実用時の使用頻度が高い作動角の範囲では、継手の構成部材であるケージ、内側継手部材、ボール、あるいはシャフトにブーツ内面が接触することなくブーツが変形できる蛇腹部の形状、膜長に設定しているので、耐久性を確保し、極めてコンパクトなものとなる。また、実用域の最大作動角近辺でも軽い接触に止める設定にしているので、上記の耐久性を確保したコンパクト化への自由度を広げる効果がある。
蛇腹状ブーツは、自動車への継手装着時に、一時的に実用域最大作動角を越えて歪が生じても、その後、作動角を戻すことで元のブーツ形状に復元し、再び適切なブーツ耐久性を保持することができるブーツ形状に設定しているので、一層のコンパクト化が達成される。
また、蛇腹状ブーツをコンパクトにすることにより、ブーツ内の容積を抑えることができるので、グリースの封入量を削減できる。その結果、高速回転時のブーツの回転膨張を抑制することができると共に、低コスト化やグリースの原材料使用量の削減による環境配慮にもつながる。
以上の作用効果が効果的に発揮されて、極めて軽量、コンパクトな、後輪ドライブシャフト用として特に好適な固定式等速自在継手が実現できた。
本発明の第1および第2の等速自在継手用ブーツでは、適切な摩耗性や疲労性等のブーツ耐久性を維持した上でコンパクトなブーツ設計を取ることができる。このため、このブーツを固定式等速自在継手に用いることによって、等速自在継手のコンパクト化及び軽量化を図ることができる。
特に、実用域の高使用頻度範囲を越えた場合、蛇腹部圧縮側において反圧縮方向への力が生じ、蛇腹部引張側において反引張方向の力が生じるものでは、さらに大きな作動角をとることを規制することができ、ブーツの性能に支障を来たす異常な変形や損傷を防止することができる。
前記[0023]〜[0029]のように構成することによって、コンパクト化を安定して図ることができ、しかも、適切な耐久性を保持したブーツ形状とすることができる。
この等速自在継手用ブーツを用いる固定式等速自在継手では、コンパクト化及び軽量化を達成でき、しかも、この固定式等速自在継手に用いられるブーツでは、適切な摩耗性や疲労性などのブーツ耐久性を維持でき、しかもコンパクトなブーツ設計を取ることができる。
上述の設計思想により構成された等速自在継手用ブーツと等速自在継手の組合せは、作動角25度以下で使用される自動車用ドライブシャフトに適用することが好ましく、更に詳しくは、後輪駆動車や四輪駆動車の後輪用ドライブシャフトに最適となる。
この発明の第1の実施形態である固定式等速自在継手の縦断面図である。 図1のK−K線における横断面図である。 第1の実施形態である固定式等速自在継手の特徴を示した縦断面図である。 第1の実施形態である固定式等速自在継手が静止時最大作動角を取ったときの状態を示した図である。 第1の実施形態である固定式等速自在継手が実用域の作動角を取ったときの状態を示した図である。 この発明の第2の実施形態である固定式等速自在継手の縦断面図である。 図6のM−M線における横断面図である。 この発明の第3の実施形態である固定式等速自在継手の縦断面図である。 前記図8に示す固定式等速自在継手の寸法関係の説明図である。 前記図8の固定式等速自在継手が作動角をとった場合を示し、(a)は作動角が15°のときの簡略図であり、(b)は作動角が35°のときの簡略図であり、(c)は作動角が39°のときの簡略図である。 この第4の実施形態である固定式等速自在継手の縦断面図である。 前記図11の固定式等速自在継手が作動角を取った場合を示し、(a)は作動角が15°のときの簡略図であり、(b)は作動角が35°のときの簡略図であり、(c)は作動角が38°のときの簡略図である。 この発明の第5の実施形態である固定式等速自在継手の縦断面図である。 前記図13の固定式等速自在継手の拡大断面図である。 前記図13の固定式等速自在継手が作動角を取った場合を示し、(a)は作動角が12°のときの簡略図であり、(b)は作動角が32°のときの簡略図である。 従来の固定式等速自在継手の縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図2は、図1のK−K線における横断面であり、ブーツ部分は省略したものである。図1、図2に示すように、本実施形態の固定式等速自在継手は、外側継手部材2、内側継手部材1、ボール3およびケージ4からなり、蛇腹状ブーツ12が装着されている。この固定式等速自在継手は、軽量、コンパクトな、8個のボールを有するツェッパ型等速自在継手である。外側継手部材2の球状内周面5には8本のトラック溝6が円周方向等間隔に、かつ軸方向に沿って形成されている。内側継手部材1の球状外周面7には、外側継手部材2のトラック溝6と対向するトラック溝8が円周方向等間隔に、かつ軸方向に沿って形成されている。外側継手部材2のトラック溝6と内側継手部材1のトラック溝8との間にトルクを伝達する8個のボール3が介在されている。外側継手部材2の球状内周面5と内側継手部材1の球状外周面7との間に、ボール3を保持するケージ4が配置されている。ボール3はケージ4のポケット4aに収容されている。ケージ4の球状外周面4bは外側継手部材2の球状内周面5と、ケージ4の球状内周面4cは内側継手部材1の球状外周面7とそれぞれ嵌合している。内側継手部材1の内径孔1aにシャフト10の軸端部10aがスプライン嵌合され、止め輪11によって軸方向に固定されている。
外側継手部材2の球状内周面5と内側継手部材1の球状外周面7の曲率中心は、それぞれ継手中心Oに形成されている。外側継手部材2のトラック溝6は軸方向に沿って円弧状に延び、その曲率中心O2を有する。内側継手部材1のトラック溝8も軸方向に沿って円弧状に延び、曲率中心O1を有する。曲率中心O1とO2は継手中心Oに対して軸方向に等距離Pだけオフセットされている。これにより、継手が作動角をとった場合、外側継手部材2と内側継手部材1の両軸線がなす角度を二等分する平面上にボール3が常に案内され、二軸間で等速に回転が伝達されることになる。
ところで、外側継手部材2は、前記トラック溝6が形成された球状内周面5を有するマウス部22と、このマウス部22の底壁から突設されるステム部23とからなる。そして、このマウス部22に、内側継手部材1とボール3とケージ4等にて構成される内部部品Sが収納される。
蛇腹状ブーツ12は、図1に示すように、外側継手部材2の開口端部外周に装着される大径部12aと、シャフト10に装着される小径部12bと、これらの間に配置された蛇腹部14とからなる。大径部12aの外周面に形成された嵌合溝12cにブーツバンド16を嵌着することによって、大径部12aを外側継手部材2に固定し、小径部12bの外周面に形成された嵌合溝12dにブーツバンド18を嵌着することによって、小径部12bをシャフト10に固定している。
蛇腹部14の谷部19はその断面形状をU字形状とし、谷部19と山部20とを連結する連結部21を直線状としている。なお、連結部21は、曲線状であっても良い。谷部19の断面形状をU字形状とすることにより、谷部19の疲労性が向上する。蛇腹部14は、小径部12b側から大径部12a側に向かって順に第1山部20a、第2山部20b、第3山部20cと3つの山部からなっている。谷部19は、小径部12b側から大径部12a側に向かって順に第1谷部19a、第2谷部19b、第3谷部19cと3つの谷部からなっている。各山部20a、20b、20cと各谷部19a、19b、19cは、図8に示した従来の固定式等速自在継手のブーツに比べて、半径方向および軸方向のいずれの寸法も小さくされており、極めてコンパクトな形状となっている。山部20と谷部19の数は3つに削減されているが、蛇腹部の膜長が確保されるように形成されている。
図3に本実施形態の固定式等速自在継手の構造的な特徴を示す。外側継手部材2は、継手中心Oから開口端面2aまでの寸法Eを、従来の固定式等速自在継手の外側継手部材62よりも短縮されている(図16参照)。寸法Eは、実用域の最大作動角に基づいて設定されている。ここで、実用域最大作動角とは、ドライブシャフトが自動車に装着された後に実際の運転時に発生する最大作動角をいい、また、静止時最大作動角とは、自動車への装着時に外側継手部材2の開口端部とシャフト10とが接触する作動角をいう。本実施形態の固定式等速自在継手の実用域最大作動角は25°、静止時最大作動角は46°としている。後輪用ドライブシャフトは、後輪駆動車や四輪駆動車の後輪とデファレンシャルとの間に装着されるが、本発明では実用域最大作動角を30°以下、好ましくは25°以下とする。しかしながら、静止時最大作動角は、40°以上、好ましくは42°以上の作動角が取れる構造とする。
図3の固定式等速自在継手は、実用域最大作動角を抑えてあるので、低作動角での強度、耐久性を確保する最適設計としている。そのため、外側継手部材2の外径寸法Fおよびケージ4の肉厚は、従来の固定式等速自在継手のものよりも、小さくされている。低作動角のためボール3の半径方向の移動量が小さくなるので、ケージ4の肉厚は低減できる。一方、ブーツ12内に位置するシャフト10の外径を大きく設定している。そして、外側継手部材2の継手中心Oから開口端面2aまでの寸法Eと外側継手部材2の外径寸法Fとの比E/Fを0.2以下に設定している。当該数値が0.2を越えると、外側継手部材2の軸方向長さが増すため、継手の軽量化を阻害するので望ましくない。なお、本実施形態の具体的数値としてE/F=0.13となっているが、この数値は一例である。一方、従来の固定式等速自在継手の一例としては、E/F=0.21である。
もう一つの構造的な特徴として、外側継手部材2の継手中心Oから開口端面2aまでの寸法Eが短縮されているので、ケージ4の一部が外側継手部材2の開口端面2aから突出した構造になっている。この突出量Gと外側継手部材2の外径寸法Fとの比G/Fを0.02以上に設定している。この比G/Fが0.02未満では、外側継手部材2の軸方向長さが増すため、継手の軽量化を阻害するので望ましくない。なお、本実施形態の具体的数値としてG/F=0.023となっているが、この数値は一例である。一方、従来の固定式等速自在継手の一例としては、G/Fはマイナス0.032である。
更なる構造的な特徴として、作動角が少なくとも40°を越えた範囲では、外側継手部材2のトラック溝6におけるボール3との接触点が存在せず、かつ、静止時最大作動角においても、ケージ4に設けられたポケット4aからボール3が脱落しないように、外側継手部材2の継手中心Oから開口端面2aまでの寸法Eを設定したことである。図4は、本実施形態の固定式等速自在継手が静止時最大作動角46°をとった状態を示している。この状態で、外側継手部材2のトラック溝6の開口端部の溝底とケージ4のポケット4aとの間の空間長さJはボール3の直径よりも小さく設定している。そのため、外側継手部材2のトラック溝6におけるボール3との接触点が存在しないけれども、ケージ4に設けられたポケット4aからボール3が脱落しない。本実施形態の固定式等速自在継手の実用域最大作動角は25°であり、この作動角以下では、外側継手部材2のトラック溝6におけるボール3との接触点が存在するように設定されている。このため、本実施形態の固定式等速自在継手は、自動車への継手の装着時に40°以上の作動角をとってもボール3がケージ4のポケット4aから脱落することがなく、作動角を戻せばトラック溝6の正常な位置にボール3を戻すことができる。
図16に示す従来の固定式等速自在継手は、実用域最大作動角が40°以上の設計となっていたため、その作動角範囲において外側継手部材62のトラック溝66におけるボール63との接触点が存在するものとなっていた。この設計思想のため、外側継手部材62の軸方向長さを確保することが必要となり、継手のコンパクト化、軽量化を阻害していた。
次に、本実施形態の固定式等速自在継手に装着される蛇腹形状のブーツ12の特徴を説明する。図1に示すものは、蛇腹部14が山部20と谷部19の数がいずれも3つのものである。各山部20a、20b、20cと各谷部19a、19b、19cは、半径方向および軸方向のいずれの寸法も小さくされており、極めてコンパクトな形状となっている。また、山部20と谷部19の数は3つに削減されているが、蛇腹部の膜長が確保されるように形成されている。このように、ブーツをコンパクト化するためには、山部と谷部の数は3つ以下であることが望ましい。大径部12aに最も近い谷部19cは、大径部12aに隣接する大径肩部21aが外方に向けて拡径した形状とし連結部21を介して繋がれている。なお、この大径肩部21aは外方に突出した山部として形成してもよく、また、大径肩部21aは縮径した錘状や円筒状に形成してもよい。
図4に示す静止時最大作動角46°をとった状態では、シャフト10が作動角をとる際にブーツ12が縮む方向の変形を受ける位相の圧縮側は、各山部20、各谷部19、および連結部21が重畳している。その180°反対側のブーツ12が引っ張られる側の位相の引張側は各山部20および谷部19のアール部の半径が大きくなる方向に変形し、かつ、各山部20および谷部19を接続する連結部21が開いた形に変形する。そして、蛇腹部14の一部に歪が生じることがある。しかしながら、この蛇腹状ブーツ12は、後述するように、作動角を戻すと、元のブーツ形状に復元し、再び適切なブーツ耐久性を保持することができる。
図5に、本実施形態の固定式等速自在継手が実用域の作動角20°をとった状態を示す。蛇腹状ブーツ12は、実用域の任意の作動角において、内側継手部材1、ケージ4およびボール3が蛇腹部14の谷部19内面に接触しないように蛇腹部14の形状と膜長を設定している。前述のように、ケージ4の一部が外側継手部材2の開口端部よりも外方に突出した構造となっていることもあり、ブーツ12は、実用域の任意の作動角において、内側継手部材1、ケージ4およびボール3がブーツ12の蛇腹部14の谷部19内面に接触しない形状設計にすることが、ブーツ12の損傷防止に重要である。
上記の条件を満足した上で、最もコンパクトで、かつ適切な耐久性を確保したブーツ形状とすることが重要である。そのためには、図3に示したものは、外側継手部材2の開口端部に最も近いブーツ12の蛇腹部14の谷部19c内径寸法Hを、ボールのピッチ円直径PCDよりも小さく設定したものである。ここで、ピッチ円直径PCDは、図3に示したボール3の中心と、外側継手部材2のトラック溝6の曲率中心O2との線分、すなわち、ピッチ円半径PCRを2倍したものである。図3に示したものは、外側継手部材2の開口端部に最も近いブーツ12の蛇腹部14の谷部19c内径寸法Hを、ボールのピッチ円直径PCDよりも小さく設定したものであるが、谷部19c内径寸法Hを、ボール3のピッチ円直径PCDと外側継手部材2のトラック溝6の最大径Iに対して、PCD<H<Iの範囲に設定することも可能である。ただし、いずれの場合でも、作動角0°における谷部19c内径寸法Hは、実用域の任意の作動角におけるケージ4の外径の可動範囲より大きく設計することが必要である。
上記の条件から外れて、谷部19c内径寸法Hが外側継手部材2のトラック溝6の最大径Iより、大きいとブーツ12のコンパクト化が阻害される。また、作動角0°における谷部19c内径寸法Hが、実用域の任意の作動角におけるケージ4の外径の可動範囲より小さいと、作動角を取った際に蛇腹部14の谷部19がケージ4と干渉する可能性がある。
次の特徴として、図5に示すように、実用時の使用頻度が高い作動角である0〜20°の範囲では、ブーツ12の蛇腹部14の谷部19の全てがシャフト10と接触しないように蛇腹部14の形状と膜長を設定している。これにより、蛇腹部14の谷部19とシャフト10とが接触しながら回転することを避けることで、谷部19の摩耗を防止できる。
一方、自動車への継手の装着時は作動角が大きくなる場合が想定されるが、この場合には蛇腹部14の谷部19とシャフト10をあえて接触させることで変形を円滑にさせる形状としている。20°を越える作動角で谷部19とシャフト10が接触しない設計にした場合、圧縮側の蛇腹部14がシャフト10の方向に入り込んでしまうこともあり、適切な変形を得るための設計自由度が阻害される。例えば、その改善のため、引張側においても、蛇腹部14の膜長を延ばして山部20の外径を大きくするとコンパクトさに欠けた設計となってしまう。したがって、本実施形態におけるブーツ12では、実用時の使用頻度が高い作動角である0〜20°の範囲では、ブーツ12の蛇腹部14の谷部19の全てがシャフト10と接触しないように蛇腹部14の形状と膜長を設定し、その範囲を越えた作動角では、蛇腹部14の谷部19とシャフト10を接触させる形状としている。谷部19の断面形状は、U字形状とすることにより、谷部19の疲労性が向上する。
本実施形態の固定式等速自在継手に装着するブーツ12は、上述の特徴に加えて、更に発展させた特徴を有している。実用域最大作動角(25°)以上においてブーツ12が一時的に歪を生じた後、作動角を戻したときに、元のブーツ形状に復元するように、ブーツ12の蛇腹部14の形状、膜長を設定している。実用域の作動角では適切なブーツ耐久性を保持し、かつ、一時的に実用域最大作動角を越えて歪が生じても、その後、作動角を戻すことで元のブーツ形状に復元し、再び適切なブーツ耐久性を保持することができる。実用域の作動角での適切なブーツ耐久性とは、実用時の使用頻度が高い作動角(0〜20°)の範囲では、谷部19とシャフト10とが接触しないので摩耗は生じず、かつ、実用域最大作動角近辺では摩耗を生じる場合もあるが、摩耗が生じても適切なブーツ耐久性(摩耗寿命)を保持していることを意味する。
蛇腹状ブーツ12の材料は、JIS K6253に規定されるタイプDデュロメーターによる硬さが35以上53以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーからなるので、高い耐久性を発揮することができる。熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、加硫ゴムのような柔軟な材料と、熱可塑性樹脂のような高剛性な材料との中間の弾性率を持つ材料である。この熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、加硫ゴムと熱可塑性樹脂の両者の特徴を有し、変形を受けても元の形状に復元する弾性、加硫ゴムより高い機械的強度、一般的な熱可塑性樹脂に適用できる全ての成形加工法が適用できる特徴を示す材料である。
また、蛇腹状ブーツ12をコンパクトにすることにより、ブーツ内の容積を抑えることができるので、グリースの封入量を削減できる。その結果、高速回転時のブーツの回転膨張を抑制することができると共に、低コスト化やグリースの原材料使用量の削減による環境配慮にもつながる。
本発明の第2の実施形態の固定式等速自在継手を図6、図7に基づいて説明する。
図7は、図6のM−M線における横断面であり、ブーツ部分は省略したものである。図6、図7に示すように、第2の実施形態の固定式等速自在継手は6個のボールを有するツェッパ型等速自在継手である。外側継手部材32、内側継手部材31、ボール33およびケージ34からなり、蛇腹状ブーツ42が装着されている。外側継手部材32の球状内周面35には6本のトラック溝36が円周方向等間隔に、かつ軸方向に沿って形成されている。内側継手部材31の球状外周面37には、外側継手部材32のトラック溝36と対向するトラック溝38が円周方向等間隔に、かつ軸方向に沿って形成されている。外側継手部材32のトラック溝36と内側継手部材31のトラック溝38との間にトルクを伝達する6個のボール33が介在されている。外側継手部材32の球状内周面35と内側継手部材31の球状外周面37との間に、ボール33を保持するケージ34が配置されている。ボール33はケージ34のポケット34aに収容されている。ケージ34の球状外周面34bは外側継手部材32の球状内周面35と、ケージ34の球状内周面34cは内側継手部材31の球状外周面37とそれぞれ嵌合している。内側継手部材31の内径孔31aにシャフト40の軸端部40aがスプライン嵌合され、止め輪41によって軸方向に固定されている。外側継手部材32の開口端面32aから継手中心Oまでの寸法は、第1の実施形態と同様に短く設定している。
外側継手部材32の球状内周面35と内側継手部材31の球状外周面37の曲率中心は、それぞれ継手中心Oに形成されている。外側継手部材32のトラック溝36は軸方向に沿って円弧状に延び、その曲率中心O4を有する。内側継手部材31のトラック溝38も軸方向に沿って円弧状に延び、曲率中心O3を有する。曲率中心O3とO4は継手中心Oに対して軸方向に等距離Nだけオフセットされている。これにより、継手が作動角をとった場合、外側継手部材32と内側継手部材31の両軸線がなす角度を二等分する平面上にボール33が常に案内され、二軸間で等速に回転が伝達されることになる。
蛇腹状ブーツ42は、図6に示すように、外側継手部材32の開口端部外周に装着される大径部42aと、シャフト40に装着される小径部42bと、これらの間に配置された蛇腹部44とからなる。大径部42aの外周面に形成された嵌合溝42cにブーツバンド46を嵌着することによって、大径部42aを外側継手部材32に固定し、小径部42bの外周面に形成された嵌合溝42dにブーツバンド48を嵌着することによって、小径部42bをシャフト40に固定している。
蛇腹部44の谷部49はその断面形状をU字形状とし、谷部49と山部50とを連結する連結部51を直線状としている。なお、連結部51は、曲線状であっても良い。蛇腹部44は、小径部42b側から大径部42a側に向かって順に第1山部50a、第2山部50b、第3山部50cと3つの山部からなっている。谷部49は、小径部42b側から大径部42a側に向かって順に第1谷部49a、第2谷部49b、第3谷部49cと3つの谷部からなっている。
第2の実施形態の固定式等速自在継手の主な構造は、以上のとおりであるが、外側継手部材32の寸法やケージとの寸法関係などの構造的な特徴や蛇腹状ブーツ42の特徴については第2の実施形態は、第1の実施形態において段落[0054]から[0068]に記載した内容と同じであるので説明は省略する。
次に図8は第3の実施形態を示し、この場合、等速自在継手の作動角が0°である状態において、ケージ4の継手開口側の端部30が外側継手部材2の開口端部よりも外方に突出するように、マウス部22をその軸方向長さが短縮された短寸マウスとしている。すなわち、マウス部22の軸方向長さを実用域の最大作動角が25°や30°に対応するのに必要な長さとしている。言い換えれば、マウス部22の軸方向長さを、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角において対応する短寸として、等速自在継手の作動角が0°である状態において、ケージ4の継手開口側の端部30を外側継手部材2の開口部(開口端部)よりも外方に突出させている。実用域の高使用頻度範囲の作動角としては、最大作動角が25°や30°の場合である。なお、静止時最大作動角は、40°以上、好ましくは42°以上とることができる構造としている。
この場合も、外側継手部材2の継手中心Oから開口端面2aまでの寸法Eと外側継手部材2の外径寸法Fとの比E/Fを0.2以下に設定している。ケージ4の一部(継手開口側の端部30)が外側継手部材2の開口端面2aから突出した構造になっている。この突出量Gと外側継手部材2の外径寸法Fとの比G/Fを0.02以上に設定している。
蛇腹状ブーツ12は、外側継手部材2のマウス部22の開口端部であるブーツ装着部に外嵌固定される大径部12aと、シャフト10のブーツ装着部に外嵌固定される小径部12bと、これらを連結する蛇腹部14と、この蛇腹部14と大径部12aとの間に設けられる大径肩部15とを備える。なお、シャフト10は、その端部10aの雄スプラインが内側継手部材1の内径孔1aの雌スプラインにスプライン嵌合されている。また、シャフト10の端部10aの雄スプライン端部に周方向溝が設けられ、この周方向溝に抜け止め用の止め輪11が装着されている。
ところで、外側継手部材2のマウス部22の外径面は、その外径寸法が開口端部から底壁までが同一とされた円筒面であり、外側継手部材2のブーツ装着部は、マウス部22の開口端部の外径面に形成された嵌合溝12eを有し、シャフト10のブーツ装着部は、シャフト10の外径面に形成された嵌合溝12fを有する。なお、嵌合溝12eおよび嵌合溝12fの周辺は、適宜突起が設けられていてもよい。
大径部12aをマウス部22の開口端部のブーツ装着部に外嵌した状態で、この大径部12aをブーツバンド16にて締め付ける。また、小径部12bをシャフト10のブーツ装着部に外嵌した状態で、この小径部12bをブーツバンド18にて締め付ける。蛇腹部14は、山部20と谷部19の数をいずれも3つとし、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角においては、内部部品Sが蛇腹部内面に接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定している。
大径肩部15は、図9に示すように、作動角が0°である状態において、大径の短円筒形状を成す。なお、この短円筒形状は、外方に突出した短山部として形成してもよく、また、縮径した短錘状に形成しても良い。この大径肩部15の外径寸法を外側継手部材2の外径寸法の1.05倍〜1.08倍、好ましくは1.05倍〜1.07倍とする。すなわち、大径肩部15の外径寸法をDとし、ブーツ装着部、つまり外側継手部材2の外径面の外径寸法をFとした場合、D=(1.05〜1.08)×F、好ましくはD=(1.05〜1.07)×Fである。また、外側継手部材2の開口端部に最も近い谷部19cの内径寸法を外側継手部材2の外径寸法の0.75倍〜0.85倍、好ましくは0.78倍〜0.82倍としている。すなわち、谷部19cの内径寸法をHとし、ブーツ装着部、つまり外側継手部材2の外径面の外径寸法をFとした場合、H=(0.75〜0.85)×F、好ましくはH=(0.78〜0.82)×Fである。なお、外側継手部材2の外径寸法は、通常、コンパクト化を図るために可能な限り小さい外径寸法に留める設計を取ることから、外側継手部材2のブーツ装着部の外径寸法は外側継手部材2の外径寸法と同一寸法かほぼ同一寸法に設計されるが、その他の要因によって、外側継手部材2の外径寸法が、ブーツ装着部の外径寸法よりも大きく設計された場合、好ましくは、各寸法設定の基準にしている外側継手部材2の外径寸法は、ブーツ装着部の外径寸法に置き換えて設定する。
また、外側継手部材2の開口端部に最も近い谷部19cの軸方向位置を、ケージの軸方向突出量をGとしたときに、外側継手部材の開口端面2aから2G以上、好ましくは3G以上離している。なお、外側継手部材2の開口端面2aは、外側継手部材2の開口端部の形状(例えば、面取り)によっては、面の形状を呈さない場合もあり、この形状は、厳密には開口端縁と表現すべきであるが、ここでは、この開口端縁も含めて開口端面と表現している。
このように、前記設定範囲を逸脱すると、ブーツのコンパクトさを阻害したり、作動角を取った際に谷部19がケージ4と干渉したりするおそれがある。また、静止時最大作動角を取った際に、蛇腹部14が外側継手部材2とシャフト10の間に挟まれて異常変形したり損傷したりするおそれがある。
また、外側継手部材2のブーツ装着部に最も近い谷部19cを省いた谷部19b、19aの外径寸法を、ブーツ内シャフトの外径の1.4倍〜2.0倍としている。すなわち、谷部19b、19aの外径寸法をDb,Daとし、ブーツ内シャフト10の外径をDsとしたときに、Db,Da=(1.4〜2.0)×Dsである。
全山部20の外径は、隣接する谷部19の外径よりも大きく設定する。隣接する山部20において、小径部12b側の山部20の外径を、大径部12a側の山部20の外径の0.9倍以下とする。好ましくは、大径部12aに隣接する山部20cの外径は、大径肩部15の外径の0.9倍以下とし、大径部12a側から2番目の山部20bの外径は、大径部12aに隣接する山部20cの外径の0.85倍以下とする。
ところで、一般に、ブーツ(樹脂ブーツ)は、40°以上の高作動角での使用を考慮して、圧縮した状態で取り付けることが一般的である。しかしながら、本発明では、ブーツ12は、自然状態の長さ(自然長)にて、等速自在継手の外側継手部材2とシャフト10に取り付ける。この固定式等速自在継手での使用には、実使用域でのブーツ変形状態を安定させるために、自然長付近で取り付けることが好ましいからである。そして、ブーツ全長は、外側継手部材2の外径寸法Fの0.5倍から0.85倍の範囲とする。0.5倍未満では、適切なブーツ耐久性を得ることができず、静止時の最大作動角時に適切な蛇腹変形ができずにブーツ12が損傷する恐れがある。また、0.85倍を超えるとブーツ12のコンパクトさに欠ける。
また、ブーツ12の変形状態として、実用域の作動角である0°以下、好ましくは25°以下では、蛇腹部14は一般的な変形状態を保持するように設計するのが好ましい。また、実用域を超える作動角以上では、圧縮側の位相において、小径部12bに隣接する山部20aが、外側継手部材2の外径寸法Fよりも内側の位置で、外側継手部材2の開口端部方向に他の蛇腹部14を介して接触する位置関係に設計して、静止時最大作動角まで作動することが出来ない様にストッパーとしての役割を果たす設計を取ることが好ましい。但し、この場合でも、より過大な折り曲げ力を掛けることで小径部12bに隣接する山部20aが変形する。
このようにブーツ形状及びブーツ膜長等を設定することによって、図10(a)(b)(c)のように、ブーツ12の全谷部19が内部部品に接触しない。すなわち、図10(a)は、作動角θを15度とした場合(通常の変形状態)を示し、図10(b)は、作動角θを35度とした場合(小径部12bに隣接する山部20aが、前記ストッパーとしての役割を果たしている状態)を示し、図10(c)は、作動角θを39度とした場合(過大変形させた状態)を示している。
大径肩部15の外径寸法が、外側継手部材2の外径寸法Fの1.05倍未満であれば、外部から異物が干渉した際、外側継手部材2と異物にブーツ12の大径肩部15が挟まれるおそれがある。また、1.08倍を越えれば、大径肩部15が大径になりすぎて、大径肩部15が他の部材と干渉するおそれがある。このため、大径肩部15の外径寸法を外側継手部材2の外径寸法Fの1.05倍〜1.08倍とすることによって、外側継手部材2と異物にブーツ12の大径肩部15が挟まれることを回避できるとともに、大径肩部15が他の部材と干渉するおそれもなくなる。
外側継手部材2の開口端面2aに最も近い谷部19cの内径寸法が外側継手部材2の外径寸法Fの0.75倍未満であれば、この谷部19cの内径寸法が小さくなりすぎて作動角を取った際に、この谷部19cが内部部品Sと接触するおそれがある。この谷部19cの内径寸法が外側継手部材2の外径寸法Fの0.85倍を越えれば、蛇腹の変形性や耐久性に劣ることになる。このため、外側継手部材2の開口端部に最も近い谷部19cの内径寸法を外側継手部材2の外径寸法Fの0.75倍〜0.85倍とすることによって、外側継手部材2の開口端面2aに最も近い谷部19cが内部部品Sと接触するおそれがなく、蛇腹の変形性や耐久性に劣ることがない。
外側継手部材2の開口端面2aに最も近い谷部19cを除く谷部19a,19bの外径寸法がシャフト10の外径Dsの1.4倍未満であれば、谷部19a,19bの外径寸法が小さすぎて実用域の作動角を取った際に、谷部19a,19bがシャフト10に接触するおそれがある。逆に、この谷部19a,19bの外径寸法がシャフトの外径Dsの2.0倍を越えれば、蛇腹部14が大径化したり、蛇腹の変形性や耐久性が低下したりする。このため、外側継手部材2の開口端面2aに最も近い谷部19cを除く谷部19a,19bの外径寸法を、ブーツ内シャフト10の外径Dsの1.4倍〜2.0倍とすることによって、実用域の作動角を取った際に、谷部がシャフト10に接触するおそれがなく、蛇腹の変形性や耐久性に劣ることがない。
外側継手部材2の開口端面2aに最も近い谷部19cの軸方向位置が外側継手部材2の開口端面2aから2G未満であれば、谷部19cの軸方向位置が外側継手部材2の開口端面2aに近すぎて作動角を取った際に、谷部19cが外側継手部材2に接触するおそれがある。このため、外側継手部材2の開口端面2aに最も近い谷部19cの軸方向位置を、外側継手部材2の開口端面2aから2G以上離すようにすることによって、谷部19cが外側継手部材2に接触することを有効に防止できる。
作動角が20°以下において、蛇腹部14の谷部19の全てがシャフト10と接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定することにより、谷部がシャフトと接触しながら回転するのを避けることで、谷部の摩耗を防止する。
蛇腹部14の谷部断面形状をU字状にすることによって、谷部19の疲労性が向上できる。JIS K6253に規定されるタイプDデュロメーターによる硬さが35以上53以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーから構成することにより、高い耐久性を発揮できる。
作動角25°以上において一時的に歪を生じた後、作動角を戻したときに、元のブーツ形状に復元するように、ブーツ仕様を設定することにより、長期にわたって安定したブーツ機能を発揮することができる。
外側継手部材2の開口端面2aから継手中心Oまでの軸方向寸法をEとし、外側継手部材2の外径寸法をFとしたときに、比E/Fを0.2以下に設定できる。また、外側継手部材2の開口端面2aからのケージ4の軸方向突出量をGとし、外側継手部材2の外径寸法をFとしたときに、比G/Fを0.02以上に設定できる。比G/Fが0.02未満では、外側継手部材の軸方向長さが増すため、等速自在継手の軽量化を阻害する。また、比E/Fが0.2を越えれば、外側継手部材の軸方向長さが増すため、等速自在継手の軽量化を阻害する。
作動角が少なくとも40°を越えた範囲では、外側継手部材2のトラック溝6におけるボール3との接触点が存在せず、かつ、静止時最大作動角において、ケージ4に設けられたポケット4aからボールが脱落しないように、外側継手部材2の開口端面2aから継手中心Oまでの軸方向寸法を設定することができる。このように設定することによって、よりコンパクトで軽量化された等速自在継手を得ることができる。
次に、図11は、山部20と谷部19とがそれぞれ2個の蛇腹部14を有するブーツ12を用いたものである。このブーツ12であっても、H=(0.75〜0.85)×Fとし、Da=(1.4〜2.0)×Dsとし、比E/Fを0.2以下としている。突出量Gと外側継手部材2の外径寸法Fとの比G/Fを0.02以上としている。さらに、外側継手部材2の開口端面2aに最も近い谷部19cの軸方向位置を、外側継手部材2の開口端面2aから2G以上離すようにしている。
このようなブーツ12を用いた等速自在継手であっても、図12(a)(b)(c)に示すように、ブーツ12の全谷部19が内部部品Sに接触しない。すなわち、図12(a)は、作動角θを15度とした場合(通常の変形状態)を示し、図12(b)は、作動角θを35度とした場合(小径部12bに隣接する山部20aが、前記ストッパーとしての役割を果たしている状態)を示し、図12(c)は、作動角θを38度とした場合(過大変形させた状態)を示している。
このため、図11に示す等速自在継手及び等速自在継手用ブーツであっても、前記図8に示す等速自在継手及び等速自在継手用ブーツと同様の作用効果を奏する。
次に図13は、前記図11に示す固定式等速自在継手と同様、山部20と谷部19とがそれぞれ2個の蛇腹部14を有するブーツ12を用いたものである。この場合、大径肩部15と、大径肩部15に近接する谷部19bとを連結する連結部21Aは、傾斜角度(軸方向に対する角度)が相違する2つの傾斜壁55,56からなる。この場合、第1の傾斜壁55の傾斜角度をα1とし、第2の傾斜壁56の傾斜角度をα2としたときに、α1<α2としている。すなわち、大径肩部側の傾斜壁56の傾斜角度が、反大径肩部側の傾斜壁55の傾斜角度よりも大きく設定されている。
また、傾斜壁55の軸方向長さが傾斜壁56の軸方向長さよりも長く設定されている。すなわち、傾斜壁55の軸方向長さをL1とし、傾斜壁56の軸方向長さをL2としたときに、L2≦1/3L1とする。
2つの谷部19a、19bの外径寸法Da、Dbをブーツ内シャフトの外径Dsの1.4倍〜2.0倍とされる。谷部19a,19bの外径寸法Da、Dbがブーツ内シャフトの外径Dsの1.4倍未満であれば、谷部19a,19bの外径寸法Da、Dbが小さすぎて実用域の作動角を取った際に、谷部19a,19bがシャフト10に接触するおそれがある。逆に、この谷部19a,19bの外径寸法Da、Dbがブーツ内シャフトの外径Dsの2.0倍を越えれば、蛇腹部14が大径化することで、ブーツのコンパクトさが阻害される。また、大径肩部15側の山部20bから大径肩部15までの間の軸方向長さL5は、小径部12b側の山部20aと大径肩部15側の山部20bとの間の軸方向長さL6の1.5倍以上としている。なお、この実施形態では、谷部19a、19bの外径寸法Da、Dbを同一乃至近似した寸法としている。近似とは、外径寸法Da、Dbのいずれかを基準として、他方の値がその基準の値の±10%以内の範囲内に入る値である。
山部20aと谷部19aとの間の軸方向長さL7と、谷部19aと山部20bとの間の軸方向長さL8と、山部20bと谷部19bとの間の軸方向長さL9とは、それぞれ、同一乃至近似した寸法としている。近似とは、軸方向長さL7、L8、L9のいずれかの値を基準として、他のL7、L8、L9の値がその基準の値の±2mm以内の範囲内に入る値であることをいう。
大径肩部15の外径寸法Dを外側継手部材2の外径寸法Fの1.05倍〜1.08倍としている。そして、山部20a、20bの外径寸法D1、D2は、外側継手部材2の外径寸法Fの0.75倍以下とし、同一乃至近似した寸法としている。また、山部20bの外径寸法D2を、山部20aの外径寸法D1と同一乃至近似した寸法では無く、小さくしても良い。
ところで、図13と図14に示す固定式等速自在継手は、実用域では、図15(a)に示すように、内側継手部材1とボール3とケージ4等で構成される内部部品S(図13参照)が、ブーツ12の蛇腹部内面に接触しない形状設定となっている。なお、図15(a)では作動角が12°である。この場合、外側継手部材2の開口端部(端面乃至端縁を含む)とは接触してもよい。
また、図15(b)に示すように、実用域の高使用頻度範囲を越えた場合(図例では、作動角が32°である)、蛇腹部圧縮側において反圧縮方向(蛇腹部圧縮方向と反対の方向)への力が生じ、この蛇腹部圧縮側とは軸心に関して180°反対の蛇腹部引張側において反引張方向(蛇腹部引張と反対の方向)の力が生じる。すなわち、大径肩部15とこの大径肩部15に近い側の山部20bとの間の連結部21Aと、小径部12bに近い側の山部20aとが接触することによって、さらに大きな作動角となるのを防止するストッパとしての役割を果たす。また、蛇腹部圧縮側とは軸心に関して180°反対の蛇腹部引張側においては、蛇腹部14が延びきった伸張状態となすことによる引張力にて、さらに大きな作動角をとることを規制する。そして、作動角を戻すと、元のブーツ形状に復元し、再び適切なブーツ耐久性を保持することができる。
図15(b)に示す状態では、二つの山部20a,20bが連結部21Aに接触しているが、外側継手部材2の開口端部側(大径肩部15に近い側)の山部20bが連結部21Aに接触しないようにしてもよい。また、外側継手部材2の開口端部側(大径肩部15に近い側)の谷部19bはシャフト10に接触しないように設計する。
実用域の高使用頻度範囲の作動角のうち、特に実用性が高い20度以下において、2つの谷部19a,19bがシャフト10と接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定するのが好ましい。これにより、蛇腹部14の谷部19とシャフト10とが接触しながら回転することを避けることで、谷部19の摩耗を防止できる。
ところで、このような等速自在継手用ブーツ(樹脂ブーツ)は、40度以上の高作動角での使用を考慮して、圧縮した状態で取り付けることが一般的である。しかしながら、本発明の固定式等速自在継手では、実用域でのブーツ変形状態を安定させるために、自然長(自由状態での軸方向長さ)付近で取り付けることが好ましい。そして、ブーツ全長は、外側継手部材2の外径寸法Fの0.5倍から0.9倍の範囲とする。0.5倍未満では、小径部12bに近い側の山部20aの大径肩部15に繋がる連結部21Aとの接触時の変形状態を適切に得ることができない。また、0.9倍を超えるとブーツのコンパクトさに欠ける。
このように、図13と図14等に示す固定式等速自在継手においては、コンパクト化を安定して図ることができ、しかも、適切な耐久性を保持したブーツ形状とすることができる。特に、実用域の高使用頻度範囲を越えた場合、蛇腹部圧縮側において反圧縮方向への力が生じ、蛇腹部引張側において反引張方向の力が生じる。これによって、さらに大きな作動角をとることを規制することができ、ブーツの性能に支障を来たす異常な変形や損傷を防止することができる。
本発明のように構成された等速自在継手用ブーツと等速自在継手の組み合わせは、作動角25度以下で使用される自動車用ドライブシャフトに適用することが好ましく、さらには、後輪駆動車や四輪駆動車の後輪用ドライブシャフトに適用することが好ましい。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、外側継手部材2の短縮量(寸法E)として、実用域の最大作動角に応じて種々設定でき、これに応じて、突出量G等を任意に設定できる。また、図8と図11に示す固定式等速自在継手において、PCD<H<Iとなるように設定するのが好ましい。
また、図13や図14に示す等速自在継手用ブーツにおいて、図例のものでは、連結部21Aは、その断面形状が直線状であった。これに対して、断面形状が円弧状に湾曲したものであってもよい。この場合、両傾斜壁55、56を円弧状としても、いずれか一方のみを円弧状に形成してもよい。また、円弧状とする場合、外径側に凸状となっても、内径側に凸状となってもよい。内径側に凸状とするほうが、コンパクト化及び作動角と取った際の蛇腹状態から好ましい。また、図13や図14に示す等速自在継手用ブーツにおいても、大径肩部15が外方に突出した山部としてもよく、また、縮径した錘状や円筒状に形成してもよい
1、31 内側継手部材
2a,32a 開口端面
2、32 外側継手部材
3、33 ボール
4、34 ケージ
4a、34a ポケット
5,35 球状内周面
6、8 ,36,38トラック溝
7,37 球状外周面
10,40 シャフト
12,42 蛇腹状ブーツ
12a,42a 大径部
12b,42b 小径部
14,44 蛇腹部
15 大径肩部
19、49 谷部
20、50 山部
21a 大径肩部
21、21A、51 連結部
55,56 傾斜壁
S 内部部品

Claims (25)

  1. 内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成すると共に内径孔にシャフトの一端が連結された内側継手部材と、これら内外継手部材のトラック溝間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材と内側継手部材との間に配置されボールを保持するケージとからなり、前記外側継手部材の開口側外径面と前記シャフトの外径面との間に取り付けられた蛇腹状ブーツを有する固定式等速自在継手において、
    前記外側継手部材の継手中心から開口端部までの軸方向長さを短縮し、前記ケージの一部が外側継手部材の前記開口端部よりも外方に突出した構造とすると共に、前記ブーツを、その蛇腹部の山部と谷部の数をいずれも3つ以下とし、回転時の任意の作動角において、前記内側継手部材、ケージおよびボールが前記ブーツの蛇腹部内面に接触しないように蛇腹部の形状と膜長を設定したことを特徴とする固定式等速自在継手。
  2. 内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成すると共に内径孔にシャフトの一端が連結された内側継手部材と、これら内外継手部材のトラック溝間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材と内側継手部材との間に配置されボールを保持するケージとからなり、前記外側継手部材の開口側外径面と前記シャフトの外径面との間に取り付けられた蛇腹状ブーツを有する固定式等速自在継手において、
    前記外側継手部材の継手中心から開口端部までの軸方向長さを短縮し、前記ケージの一部が外側継手部材の前記開口端部よりも外方に突出した構造とすると共に、前記ブーツを、その蛇腹部の山部と谷部の数をいずれも2つとし、実用域の任意の作動角において、前記内側継手部材、ケージおよびボールが前記ブーツの蛇腹部内面に接触しないように蛇腹部の形状と膜長を設定したことを特徴とする固定式等速自在継手。
  3. 等速自在継手の外側継手部材の開口側外径面のブーツ装着部に外嵌固定される大径部と、等速自在継手の内側継手部材の内径孔に端部が嵌入されるシャフトにおけるブーツ装着部に外嵌固定される小径部と、大径部と小径部との間に配設される蛇腹部とを有する等速自在継手用ブーツにおいて、
    前記外側継手部材は、少なくとも内側継手部材とボールとケージとで構成される内部部品が収納されるマウス部を有し、前記マウス部の軸方向長さを、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角において対応する短寸として、等速自在継手の作動角が0°である状態において、前記ケージの継手開口側の端部を外側継手部材の開口端部よりも外方に突出させ、前記蛇腹部の山部と谷部の数をいずれも3つ以下とし、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角においては、前記内部部品が前記蛇腹部内面に接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定したことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
  4. 等速自在継手の外側継手部材の開口側外径面のブーツ装着部に外嵌固定される大径部と、等速自在継手の内側継手部材の内径孔に端部が嵌入されるシャフトにおけるブーツ装着部に外嵌固定される小径部と、大径部と小径部との間に配設される蛇腹部とを有する等速自在継手用ブーツにおいて、
    前記外側継手部材は、少なくとも内側継手部材とボールとケージとで構成される内部部品が収納されるマウス部を有し、前記マウス部の軸方向長さを、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角において対応する短寸として、等速自在継手の作動角が0°である状態において、前記ケージの継手開口側の端部を外側継手部材の開口端部よりも外方に突出させ、前記蛇腹部の山部と谷部の数をいずれも2つとし、少なくとも実用域の高使用頻度範囲の作動角においては、前記内部部品が前記蛇腹部内面に接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定したことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
  5. 大径部と蛇腹部との間に大径肩部を有し、この大径肩部の外径寸法を前記外側継手部材の外径寸法の1.05倍〜1.08倍とするとともに、前記外側継手部材の開口端部に最も近い谷部の内径寸法を外側継手部材の外径寸法の0.75倍〜0.85倍としたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の等速自在継手用ブーツ。
  6. 前記外側継手部材の開口端部に最も近い谷部を除いた谷部の外径寸法を、ブーツ内シャフトの外径Dsの1.4倍〜2.0倍としたことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  7. 前記外側継手部材の開口端部に最も近い谷部の軸方向位置を、ケージの軸方向突出量をGとしたときに、外側継手部材の開口端面から2G以上離したことを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  8. 大径部と蛇腹部との間に大径肩部を有し、この大径肩部の外径寸法を前記外側継手部材の外径寸法の1.05倍〜1.08倍とし、実用域の高使用頻度範囲の作動角を越えた作動角にて、蛇腹部圧縮側において反圧縮方向への力が生じ、この蛇腹部圧縮側とは軸心に関して180°反対の蛇腹部引張側において反引張方向の力が生じることを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  9. 前記外側継手部材の開口端部に最も近い谷部の内径寸法をHとし、前記外側継手部材のトラック溝の最大径をIとしたときに、H<Iとするとともに、ボールのピッチ円直径PCDを前記谷部の内径寸法Hよりも小さくしたことを特徴とする請求項3〜請求項8のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  10. 前記外側継手部材の開口端部に最も近い谷部の内径寸法を、ボールのピッチ円直径以下にしたことを特徴とする請求項3〜請求項8のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  11. 蛇腹部の山部と谷部の数がいずれも2つであって、2つの谷部の外径寸法をブーツ内シャフトの外径Dsの1.4倍〜2.0倍とし、大径部と蛇腹部との間の大径肩部とこの大径肩部に近い側の山部との間の軸方向寸法は、小径部に近い側の山部と大径肩部に近い側の山部との間の軸方向寸法の1.5倍以上であり、小径部に近い側の山部と小径部に近い側の谷部との間の軸方向寸法と、小径部に近い側の谷部と大径肩部に近い側の山部との間の軸方向寸法と、大径肩部に近い側の山部と大径肩部に近い側の谷部との間の軸方向寸法とが同一乃至近似し、大径肩部と大径肩部に近い側の谷部とを繋ぐ連結部は、傾斜角が異なる2つの傾斜壁から成り、大径肩部に近い側の傾斜壁の軸線方向に対する傾斜角は他方の傾斜壁の軸線方向に対する傾斜角よりも大きく、かつ、前記大径肩部に近い側の傾斜壁の軸方向寸法は他方の傾斜壁の軸方向寸法の1/3以下であることを特徴とする請求項10に記載の等速自在継手用ブーツ。
  12. 2つの山部の外径寸法がそれぞれ前記外側継手部材の外径寸法の0.75倍以下であり、かつ、2つの山部の外径寸法が同一乃至近似するとともに、2つの谷部の外径寸法が同一乃至近似することを特徴とする請求項3〜請求項11のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  13. 前記外側継手部材の開口端部に近い側の山部の外径寸法が前記小径部に近い側の山部の外径寸法よりも小さいことを特徴とする請求項3〜請求項12のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  14. 実用域の高使用頻度範囲の作動角において、2つの谷部がシャフトと接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定したことを特徴とする請求項3〜請求項13のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  15. 作動角が20°以下において、前記蛇腹部の谷部の全てがシャフトと接触しないようにブーツ形状とブーツ膜長を設定したことを特徴とする請求項3〜請求項14のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  16. 前記蛇腹部の谷部断面形状をU字状にしたことを特徴とする請求項3〜請求項15のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  17. JIS K6253に規定されるタイプDデュロメーターによる硬さが35以上53以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーからなることを特徴とする請求項3〜請求項16のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  18. 作動角25°以上において一時的に歪を生じた後、作動角を戻したときに、元のブーツ形状に復元するように、ブーツ仕様を設定したことを特徴とする請求項3〜請求項18のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  19. 内周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成した外側継手部材と、外周面に軸方向に延びる複数のトラック溝を形成すると共に内径孔にシャフトの一端が連結された内側継手部材と、これら内外継手部材のトラック溝間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材と内側継手部材との間に配置されてボールを保持するケージとを備え、前記請求項3〜請求項18のいずれか1項に記載のブーツにて前記外側継手部材の開口部を密封したことを特徴とする固定式等速自在継手。
  20. 前記外側継手部材の開口端面から継手中心までの軸方向寸法をEとし、外側継手部材の外径寸法をFとしたときに、比E/Fを0.2以下にしたことを特徴とする請求項19に記載の固定式等速自在継手。
  21. 前記外側継手部材の開口端面からのケージの軸方向突出量をGとし、外側継手部材の外径寸法をFとしたときに、比G/Fを0.02以上としたことを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の固定式等速自在継手。
  22. 作動角が少なくとも40°を越えた範囲では、前記外側継手部材のトラック溝におけるボールとの接触点が存在せず、かつ、最大作動角において、前記ケージに設けられたポケットからボールが脱落しないように、前記外側継手部材の開口端面から継手中心までの軸方向寸法を設定したことを特徴とする請求項19〜請求項21のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  23. 前記ボールが8個であることを特徴とする請求項19〜請求項22のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  24. 前記ボールが6個であることを特徴とする請求項19〜請求項22のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
  25. 後輪ドライブシャフトの一端に取り付けられていることを特徴とする請求項19〜請求項24のいずれか1項に記載の固定式等速自在継手。
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JP2014084952A (ja) * 2012-10-24 2014-05-12 Ntn Corp 固定式等速自在継手
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