JP5665692B2 - 半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 - Google Patents

半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、I−III−VI族化合物を含む半導体層の製造方法およびこの半導体層を具備した光電変換装置の製造方法に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CISやCIGS等のカルコパイライト系のI−III−VI族化合物によって半導体層が形成されたものがある。
このようなI−III−VI族化合物を含む光電変換装置の光電変換効率を高めるために、特許文献1では、I−III−VI族化合物を含む半導体層にZnやCd等のII−B族元素をドープすることにより、半導体層表面をn型化してpn接合を形成している。
しかしながら特許文献1では、II−B族元素を含む化合物をガス化し、このガスによりII−B族元素を半導体層中に拡散させているため、製造工程が複雑になるとともにII−B族元素のドープ率にばらつきが生じやすく、光電変換効率の高い光電変換効率を安定して供給することが困難である。
特開2008−235794号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光電変換効率の高い光電変換装置を安定かつ容易に作製することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る半導体層の製造方法は、I−B族元素およびIII−B族元素
を含む皮膜を作製する工程と、前記皮膜上に、構造式(1)で表されるII族錯体を含む半導体層形成用液を被着する工程と、該皮膜を加熱して、II−B族元素がドープされたI−III−VI族化合物を含む半導体層を作製する工程とを具備する。
本発明の他の実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、電極上にI−B族元素およびIII−B族元素を含む皮膜を作製する工程と、該皮膜上に、構造式(1)で表されるII族
錯体を含む半導体層形成用液を被着する工程と、前記皮膜を加熱して、前記電極とは反対側の表面部にII−B族元素がドープされたI−III−VI族化合物を含む半導体層を作製す
る工程とを具備する。
本発明によれば、光電変換効率の高い光電変換装置を安定かつ容易に作製することが可能と成る。
光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。
以下に本発明の実施形態に係る半導体層の製造方法、光電変換装置の製造方法および半導体形成用溶液について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<光電変換装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る半導体層の製造方法を用いて作製した光電変換装置の一例を示す斜視図であり、図2はその断面図である。光電変換装置11は、基板1と、第1の電極層2と、I−III−VI族化合物を含む半導体層である第1の半導体層3と、第2の半導体層4と、第2の電極層5とを具備している。なお、これに限定されず、第2の半導体層4がI−III−VI族化合物を含む半導体層であってもよい。
第1の半導体層3と第2の半導体層4とは導電型が異なっており、これらが電気的に接続されている。これにより、電荷を良好に取り出すことが可能な光電変換体が形成される。例えば、第1の半導体層3がp型であれば、第2の半導体層4はn型である。なお、第1の半導体層3と第2の半導体層4との間に高抵抗のバッファ層が介在していてもよい。本実施形態では、第1の半導体層3が一方導電型の光吸収層であり、第2の半導体層4がバッファ層と他方導電型半導体層とを兼ねている例を示している。
また、本実施形態における光電変換装置11は、第2の電極層5側から光が入射されるものを想定しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射されるものであってもよい。
図1、図2において、複数の光電変換セル10が並べられて互いに電気的に接続され、光電変換装置11が構成されている。光電変換セル10は、第1の半導体層3の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、第1の半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。図1、図2においては、この第3の電極層6は、隣接する光電変換セル10の第1の電極層2が延伸されたものである。この構成により、隣接する光電変換セル10同士が直列接続されている。なお、一つの光電変換セル10内において、接続導体7は第1の半導体層3および第2の半導体層4を貫通するように設けられており、第1の電極層2と第2の電極層5とで挟まれた第1の半導体層3と第2の半導体層4とで光電変換が行なわれる。
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。
第1の電極層2および第3の電極層6は、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体が用いられ、基板1上にスパッタリング法または蒸着法等で形成される。
第1の半導体層3は第1の第1の電極層2側の本体部3aと第1の電極層2とは反対側の表面部3bとを有している。本体部3aはI−III−VI族化合物を含んでいる。I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物であり、カルコパイライト構造を有し、カルコパイライト系化合物と呼ばれる(CIS系化合物ともいう)。I−III−VI族化合物としては、例えば、Cu(In,Ga)Se(CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSともいう)、およびCuInSe(CISともいう)が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Seとは、CuとInとGaとSeとを主に含んだ化合物をいう。また、Cu(In,Ga)(Se,S)とは、CuとInとGaとSeとSとを主に含んだ化合物をいう。このようなI−III−VI族化合物は光電変換効率が高く、10μm以下の薄層として用いても有効な起電力を得ることができる。
また、表面部3bは、上記I−III−VI族化合物にII−B族元素(12族元素ともいう)がドープされている。これにより、表面部3bにおいてキャリアの分離が良好に行なわれ、光電変換効率が高くなる。II−B族元素としては、ZnやCd等が用いられ、環境負荷を低減するという観点からZnが用いられてもよい。
表面部3bにおけるII−B族元素の濃度は、例えば、0.01〜1at%であってもよい。また、表面部3bの厚みは、例えば、第1の半導体層3の厚みの0.01〜0.3倍であってもよい。
光電変換装置11では、第1の半導体層3の表面部3b上に第1の半導体層3の本体部3aとは異なる導電型の第2の半導体層4が形成されている。つまり、本体部3aがp型であり第2半導体層4がn型である。このような構成により、光電変換によって生じた正負キャリアの分離が良好に行なわれる。なお、第1の半導体層3と第2の半導体層4とは、直接接合されていてもよく、他の層が介在していてもよい。例えば、第1の半導体層3と第2の半導体層4との間に、i型の半導体層が介在していてもよい。
第2半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。この場合、第2半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成される。なお、In(OH,S)とは、InとOHとSとを主に含む化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnとInとSeとOHとを主に含む化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnとMgとOとを主に含む化合物をいう。
第2の電極層5は、ITO、ZnO等の0.05〜3μmの透明導電膜である。透光性および導電性を高めるため、第2の電極層5は第2の半導体層4と同じ導電型の半導体で構成されてもよい。第2の電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成される。第2の電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3で生じた電荷を取り出すためのものである。電荷を良好に取り出すという観点からは、第2の電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
光電変換セル装置11は、複数個の光電変換セル10が並べられて電気的に接続されている。隣接する光電変換セル10同士を容易に直列接続するために、図1、図2に示すように、光電変換セル10は、第1の半導体層3の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、第1の半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。
図1、図2において、接続導体7は、第1の半導体層3、第2の半導体層4および第2の電極層5を貫通する溝内に、導電性ペースト等の導体が充填されて形成されている。接続導体7はこれに限定されず、第2の電極層5が延長されて形成されていてもよい。
また、図1、図2に示すように、第2の電極層5上に集電電極8が形成されていてもよい。集電電極8は、第2の電極層5の電気抵抗を小さくするためのものである。集電電極8は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3の光電変換によって生じた電流が第2の電極層5を介して集電電極8に集電され、接続導体7を介して隣接する光電変換セル10に良好に導電される。よって、集電電極8が設けられていることにより、第1の半導体層3への光透過率を高めるために第2電極層5を薄くした場合でも、第1の半導体層3で発生した電流を効率よく取り出すことができる。その結果、光電変換効率を高めることができる。
集電電極8は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
<第1の半導体層3の製造方法(第1の方法)>
このような第1の半導体層3は、例えば、以下のような方法で作製される。まず、本体部3aと成る第1の皮膜が原料溶液を用いて形成される。
原料溶液はI−B族元素およびIII−B族元素を含んでいる。原料溶液は、ピリジンやアニリン、アルコール等の溶媒にI−B族元素の原料およびIII−B族元素の原料が溶解または分散されることにより作製される。また、原料溶液はさらにVI−B族元素としてカルコゲン元素を含んでいてもよい。なお、カルコゲン元素とは、VI−B族元素のうちのS、Se、Teをいう。
原料溶液に用いられるI−B族元素の原料としては、I−B族元素の塩や錯体等、種々の化合物が用いられる。カルコゲン化反応を促進してI−III−VI族化合物を良好に形成するという観点からは、I−B族元素の原料として、カルコゲン元素含有有機化合物がI−B元素に配位した錯体が用いられてもよい。カルコゲン元素含有有機化合物とは、カルコゲン元素を含む有機化合物であり、炭素元素とカルコゲン元素との共有結合を有する有機化合物である。カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、チオール、スルフィド、ジスルフィド、チオフェン、スルホキシド、スルホン、チオケトン、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸アミド、セレノール、セレニド、ジセレニド、セレノキシド、セレノン、テルロール、テルリド、ジテルリド等がある。特に、配位力が高くI−B元素と安定な錯体を形成しやすいという観点からは、チオール、スルフィド、ジスルフィド、セレノール、セレニド、ジセレニド、テルロール、テルリド、ジテルリドが用いられてもよい。
このようなI−B族元素にカルコゲン元素含有有機化合物が配位した錯体の具体例としては、I−B族元素(例えばCu)とフェニルセレノールとの錯体がある。カルコゲン化反応をさらに促進し、I−III−VI族化合物をさらに良好に作製するという観点からは、I−B族元素にカルコゲン元素含有有機化合物が配位した錯体として、I−B族元素とIII−B族元素とカルコゲン元素含有有機化合物とが互いに結合して一つの分子を形成して
成る単一源錯体を含んだものが用いられてもよい。単一源錯体の例としては、構造式(3)に示されるような化合物が挙げられる(単一源錯体の例としては、例えば、米国特許第6992202号明細書を参照できる)。
構造式(3)において、L31〜L32はルイス塩基である。ルイス塩基は、非共有電子対を有する化合物である。ルイス塩基としては、非共有電子対を有するV−B族元素(15族元素ともいう)を具備した官能基や非共有電子対を有するVI−B族元素を具備した官能基を有する有機化合物が用いられる。
構造式(3)において、MはI−B族元素を表わし、MはIII−B族元素を表わす。また、R31〜R34は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。また、R31〜R34のうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。また、X31〜X34はそれぞれ独立にカルコゲン元素を表す。つまり、R31〜R34の有機基とX31〜X34のカルコゲン元素とでカルコゲン元素含有有機化合物が構成されている。
原料溶液に用いられるIII−B族元素の原料としては、III−B族元素の塩や錯体等、種々の化合物が用いられる。カルコゲン化反応を促進してI−III−VI族化合物を良好に形成するという観点からは、III−B族元素の原料として、カルコゲン元素含有有機化合物がIII−B族元素に配位した錯体が用いられてもよい。
このようなIII−B族元素にカルコゲン元素含有有機化合物が配位した錯体の具体例としては、III−B族元素(例えばGaまたはIn)とフェニルセレノールとの錯体がある。カルコゲン化反応をさらに促進し、I−III−VI族化合物をさらに良好に作製するという観点からは、III−B族元素にカルコゲン元素含有有機化合物が配位した錯体として、上記単一源錯体を含んだものが用いられてもよい。
以上のような原料溶液が第1の電極2を有する基板1の表面に、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレーまたはダイコータなどを用いて塗布されることによって、本体部3aと成る第1の皮膜が形成される。この第1の皮膜は、例えば、50〜300℃の温度で熱処理されることによって、第1の皮膜中の有機成分が熱分解されてもよい。
次にこの本体部3aと成る第1の皮膜上に、表面部3bと成る第2の皮膜が、半導体層形成用液(以下、第1の方法で用いられる半導体層形成用液を第1の半導体層形成用液と
いう)を用いて形成される。
第1の半導体層形成用液は、II−B族元素にカルコゲン元素含有有機化合物が配位したII族錯体、I−B族元素およびIII−B族元素を含んでいる。つまり、第1の半導体層形成用液は、上記原料溶液に、II族錯体がさらに添加されている。
II族錯体は、II−B族元素にカルコゲン元素含有有機化合物が配位した錯体であればよく、例えば、構造式(1)のような化合物がある。
構造式(1)において、MはII−B族元素を表す。また、R11〜R14は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。また、R11〜R14のうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。また、X11〜X14はそれぞれ独立にカルコゲン元素を表す。つまり、R11〜R14の有機基とX11〜X14のカルコゲン元素とでカルコゲン元素含有有機化合物が構成されている。また、Y1は1価の陽イオンを表す。
このようなII族錯体は、II−B族元素とカルコゲン元素が1つの分子内で接近して存在することから、カルコゲン化反応が良好に進行し、I−III−VI族化合物に良好にドープされ得る。
構造式(1)のようなII族錯体は、例えば以下のようにして作製される。まず、II−B族元素の塩(例えば、ZnO等の金属酸化物やZnCl等の金属塩化物を含む)と、カルコゲン元素含有有機化合物の塩(例えば、Na(SeC)等を含む)とが、メタノール、エタノール、プロパノール等の溶媒中で反応することにより、構造式(1)のようなII族錯体(例えば、Na[Zn(SeC2−)が生成する。
また、II族錯体の他の例として、例えば、構造式(2)のような化合物がある。
構造式(2)において、MはI−B族元素を表す。また、MはII−B族元素を表す。また、R21〜R24は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。また、R21〜R24のうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。また、X21〜X24はそれぞれ独立にカルコゲン元素を表す。つまり、R21〜R24の有機基とX21〜X24のカルコゲン元素とでカルコゲン元素含有有機化合物が構成されている。また、L21〜L24はそれぞれ独立に配位子を表す。また、L21〜L24のうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。
構造式(2)の場合、II−B族元素およびカルコゲン元素に加え、I−B族元素も1つの分子内で接近して存在することから、I−III−VI族化合物へII−B族元素がさらに良好にドープされ得る。
構造式(2)のようなII族錯体は、例えば以下のようにして作製される。まず、I−B族錯体が作製される。このI−B族錯体とは、I−B族元素に、任意の配位子と、この配位子よりも配位力の強いルイス塩基とが配位した錯体である。例えば、I−B族元素をMとし、任意の配位子をQとし、任意の陰イオンをZとし、ルイス塩基をLとしたときに、I−B族錯体は[Lと表わすことができる。
このようなI−B族錯体[Lの具体例としては、I−B族元素MをCuとし、任意の配位子QをCHCNとし、任意の陰イオンZをPF とし、ルイス塩基LをP(Cとしたときに、[Lは、{P(CCu(CHCN)・PFと表わされる。この{P(CCu(CHCN)・PFは、例えば、Cu(CHCN)・PFがアセトニトリル等の溶媒に溶解され、この溶液にP(Cが溶解されることによって作製される。
そして、このI−B族錯体と、上記構造式(1)で表わされるII−B族錯体とが混合されることにより、I−B族元素、II−B族元素、およびカルコゲン元素を含有する、構造式(2)で示されるII−B族錯体を含む沈殿物が生じる。この反応における設定温度は例えば0〜30℃であり、反応時間は例えば1〜5時間である。
以上のような第1の半導体層形成液が上記第1の皮膜の表面に、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレーまたはダイコータなどを用いて塗布されることによって、表面部3bと成る第2の皮膜が形成される。この第2の皮膜は、例えば、50〜30
0℃の温度で熱処理されることによって、第2の皮膜中の有機成分が熱分解されてもよい。
以上のようにして作製された第1の皮膜と第2の皮膜との積層体が、例えば、400〜600℃で熱処理されることによって結晶化が行なわれ、I−III−VI族化合物を含む本体部3aとII−B族元素がドープされたI−III−VI族化合物を含む表面部3bとを具備する第1の半導体層3が形成される。
この結晶化のための熱処理工程において、第1の皮膜および第2の皮膜は、第1の皮膜または第2の皮膜中に含まれるカルコゲン元素を原料としてカルコゲン化が行なわれるが、カルコゲン化反応をより促進するという観点からは、熱処理時の雰囲気にカルコゲン元素が含まれていても良い。雰囲気中に含まれるカルコゲン元素は、例えば、HSやHSe等のカルコゲン化合物ガスや、S蒸気やSe蒸気等のカルコゲン蒸気ガス等として雰囲気ガスに含まれ得る。
以上のような第1の方法が用いられることにより、従来のようなII−B族元素の拡散による方法が用いられた場合に比べて、第1の半導体層3の所望の領域において所望の量のII−B族元素が容易にドープされることとなる。その結果、光電変換効率の高い光電変換装置11が安定かつ容易に作製される。
また、従来のようなII−B族元素の拡散による方法で作製された半導体層は、II−B族元素が主にI−III−VI族化合物の結晶粒界に存在していたが、上記第1の方法で作製した第1の半導体層は、I−III−VI族化合物の結晶粒界だけでなく、結晶粒子内にもII−B族元素が存在しやすくなる。その結果、第1の半導体層3の光電変換効率がより高くなる。
なお、上記第1の方法において、本体部3aと成る第1の皮膜は原料溶液を用いて作製されたが、これに限定されない。例えば、第1の皮膜は、スパッタリング法や蒸着法等の薄膜形成方法で形成されてもよい。また、上記第1の方法において、本体部3aと成る第1の皮膜の上に表面部3bと成る第2の皮膜が形成されたが、これに限定されない。例えば、第1の皮膜の状態ではなく、すでに本体部3aに成った状態(I−III−VI族化合物を含む半導体層に成った状態)で、この上に第2の皮膜が形成されてもよい。
<第1の半導体層3の製造方法(第2の方法)>
上記第1の半導体層3は、以下のような第2の方法で作製されてもよい。まず、上記第1の方法と同様にして、原料溶液を用いて、第1の皮膜が形成される。次に、この第1の皮膜上に、II−B族錯体が主に含まれる半導体層形成用液(以下、第2の方法で用いられる半導体層形成用液を第2の半導体層形成用液という)が被着される。ここで第2の半導体層形成用液は、第1の半導体層形成用液と異なり、I−B族元素およびIII−B族元素を含んでいなくてもよい。つまり、第2の半導体層形成用液が第1の皮膜上に被着されることにより、II−B族錯体が第1の皮膜のI−B族元素およびIII−B族元素と接近した状態となる。
そして、この第1の皮膜が、例えば、400〜600℃で熱処理されることによって結晶化が行なわれ、I−III−VI族化合物を含む本体部3aとII−B族元素がドープされたI−III−VI族化合物を含む表面部3bとを具備する第1の半導体層3が形成される。つまり、II−B族錯体は、上述したようにII−B族元素とカルコゲン元素が1つの分子内で接近して存在することから、カルコゲン化反応が良好に進行するとともに、第1の皮膜とも良好に反応し、II−B族元素がドープされたI−III−VI族化合物が表面部に良好に形成されることとなる。
この結晶化のための熱処理工程においては、第1の皮膜は、第1の皮膜またはII−B族元素中に含まれるカルコゲン元素を原料としてカルコゲン化が行なわれるが、カルコゲン化反応をより促進するという観点からは、熱処理時の雰囲気にカルコゲン元素が含まれていても良い。
以上のような第2の方法が用いられることにより、第1の方法と同様、第1の半導体層3の所望の領域において所望の量のII−B族元素が容易にドープされることとなる。その結果、光電変換効率の高い光電変換装置11が安定かつ容易に作製される。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、第1の半導体層3の表面部3b上に配された、第2の半導体層4、第2の電極および集電電極8は、いずれかが省略されてもよい。
1:基板
2:第1の電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:第2の電極層
10:光電変換セル
11:光電変換装置

Claims (2)

  1. I−B族元素およびIII−B族元素を含む皮膜を作製する工程と、
    該皮膜上に、構造式(1)で表されるII族錯体を含む半導体層形成用液を被着する工程と、
    前記皮膜を加熱して、II−B族元素がドープされたI−III−VI族化合物を含む半導体層
    を作製する工程と
    を具備することを特徴とする半導体層の製造方法。
    (式中、M はII−B族元素を表す。また、R 11 〜R 14 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。また、R 11 〜R 14 のうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。また、X 11 〜X 14 はそれぞれ独立にカルコゲン元素を表す。また、Y 1 は1価の陽イオンを表す
    。)
  2. 電極上にI−B族元素およびIII−B族元素を含む皮膜を作製する工程と、
    該皮膜上に、構造式(1)で表されるII族錯体を含む半導体層形成用液を被着する工程と、
    前記皮膜を加熱して、前記電極とは反対側の表面部にII−B族元素がドープされたI−III−VI族化合物を含む半導体層を作製する工程と
    を具備することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
    (式中、M はII−B族元素を表す。また、R 11 〜R 14 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。また、R 11 〜R 14 のうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。また、X 11 〜X 14 はそれぞれ独立にカルコゲン元素を表す。また、Y 1 は1価の陽イオンを表す
    。)
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