JP2016127221A - 半導体形成材料、半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 - Google Patents

半導体形成材料、半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 塩化物イオンなどの不純物を低減しながら、アルカリ金属を11−13−16族化合物を含む半導体層に均一に分散することによって、半導体層の結晶成長を促進し、光電変換効率を向上させる。【解決手段】 半導体形成材料は、11族元素および13族元素の少なくとも一方ならびに16族元素を含む原料と、構造式(1)で表される化合物とを含む。【化1】【選択図】 なし

Description

本発明は、11−13−16族化合物を含む半導体層を形成するための半導体形成材料、上記半導体層を形成するための半導体層の製造方法および上記半導体層を用いた光電変換装置を製造するための光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽電池等の光電変換装置の光吸収層として、シリコンや化合物半導体が採用されている。化合物半導体としては、GaAs等の13−15族化合物、CdSやCdTe等の12−16族化合物、Cu-In-Ga-Se(以下、CIGSという)等の11−13−16族化合物がある。
このうちカルコゲナイド系の化合物、中でもCIGSは光吸収係数が大きいために、光吸収層の薄膜化が可能であり、また高い変換効率が得られていることから、従来のシリコンに代わる次世代太陽電池として注目されている。
CIGSを光吸収層に用いる太陽電池の光電変換特性に、アルカリ金属元素が強く影響を与えることが知られている。たとえば、非特許文献1に示されるように、基板にソーダライムガラスを用いて、その上に背面電極としてモリブデン薄膜および、光吸収層を形成する場合、真空プロセスを用いた光吸収層形成時のプロセス温度(約500℃)によって、ソーダライムガラスに含まれるナトリウムが、モリブデン薄膜を通して光吸収層へ拡散される。これにより、CIGSからなる光吸収層の結晶成長が促進され、高い光電変換効率が得られる。
しかしながら、基板からの熱拡散を利用する方法では、基板の組成や、モリブデン薄膜の密度などの影響を受けるため、ナトリウムを均等に拡散することが困難である。
アルカリ金属元素を、均一にCIGSからなる光吸収層へ拡散させる技術として、例えば特許文献1では、NaMoOの水溶液をCIGSのプレカーサー上にスプレー噴霧する方法、特許文献2ではNaClOをCIGSのプレカーサーの原料溶液に混合する方法が開示されている。
M.Bodegard et al., "The Influence of Sodium on the Grain Structure of CuInSe2 Films of Photovoltaic Applications", Proc. 12th Eur. Photovoltaic Solar Conf., 1994
特開平8−222750号公報 国際公開第2013/002057号
しかしながら、非特許文献1の製造方法では、真空プロセスを使用するために、製造コストが高くなるという問題があった。また、CIGS層の形成に溶液塗布法を用いた場合
、非特許文献1や特許文献1で使用しているアルカリ金属源は有機溶媒への溶解性が低く、析出や凝集などの問題がある。また、特許文献2で開示されている化合物では、不純物として塩化物イオン等のアルカリ金属の対イオンが、半導体層に残存しやすい。このような不純物は、CIGSのプレカーサーの熱処理によってCIGS層の結晶化を行なう際、結晶化反応に影響を与えやすく、生成されるCIGS層の特性がばらつきやすくなる。
よって、本発明の1つの目的は、塩化物イオンなどの不純物を低減しながら、アルカリ金属を11−13−16族化合物を含む半導体層に均一に分散することによって、半導体層の結晶成長を促進し、光電変換効率を向上させることである。
本発明の一態様は、11−13−16族化合物を含む半導体層を形成するための半導体形成材料として、11族元素および13族元素の少なくとも一方、ならびに16族元素を含む原料と、構造式(1)で表される化合物を用いることを特徴としている。
Figure 2016127221
構造式1において、Mはアルカリ金属であり、Mは13族元素である。X〜Xはそれぞれ独立にカルコゲン元素を表す。なお、カルコゲン元素とは、16族元素のうち硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)をいう。また、R〜Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。ここで、R〜Rのうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。
本発明の他の態様は、半導体層の製造方法として、上記半導体形成材料を用いて11−13−16族化合物を含む半導体層を形成する半導体形成工程を具備することを特徴とする。
本発明の他の態様は、光電変換装置の製造方法として、電極層上に上記半導体層の製造方法を用いて第1の半導体層を形成する工程と、前記第1の半導体層上に前記第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を形成する工程とを具備する。
本発明により、溶液塗布法に用いられる有機溶剤に良好な溶解度を有するアルカリ金属源を提供することができる。これにより、アルカリ金属を11−13−16族化合物を含む半導体層に均一に分散することが可能となり、半導体層の結晶成長を促進するとともに
、半導体層に含まれる塩化物イオンなどの不純物を削減できることから、光電変換効率を安定して向上させることが可能となる。
光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法、他の一実施形態に係る半導体層の製造方法および、他の一実施形態に係る半導体形成材料について、図面を用いて詳細に説明する。
<<光電変換装置の構成>>
図1は、本発明の半導体層の製造方法および光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図であり、図2はその断面図である。光電変換装置11は、基板1と、第1の電極層2と、第1の半導体層3と、第2の半導体層4と、第2の電極層5とを含んで構成される。本実施例においては、第1の半導体層3が光吸収層であり、第2の半導体層4が第1の半導体層3に接合されたバッファ層である例を示すがこれに限定されず、第2の半導体層4が光吸収層であってもよい。
図1、図2において、光電変換装置11は、複数の光電変換セル10が並べて形成されている。そして、光電変換セル10は、第1の半導体層3の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、第1の半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。図1、図2においては、この第3の電極層6は、隣接する光電変換セル10の第1の電極層2が延伸されたものである。この構成により、隣接する光電変換セル10同士が直列接続されている。なお、1つの光電変換セル10内において、接続導体7は第1の半導体層3および第2の半導体層4を貫通するように設けられており、第1の電極層2と第2の電極層5とで挟まれた第1の半導体層3と第2の半導体層4とで光電変換が行なわれる。
基板1は、光電変換セル10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。
第1の電極層2および第3の電極層6は、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体が用いられ、基板1上にスパッタリング法または蒸着法等で形成される。
第1の半導体層3は11−13−16族化合物を主に含む半導体層である。11−13−16族化合物とは、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元素(III−B族元
素ともいう)と16族元素との化合物である。11−13−16族化合物としては、例えば、CuInSe(CISともいう)、CuGaSe(CGSともいう)、Cu(In,Ga)Se(CIGSともいう)、CIGSのSeの一部が硫黄により置換されたCuInGaS2−xSe(CIGSSeともいう。なお、xは0より大きく2より小さい数である。)等が挙げられる。このような11−13−16族化合物は光吸収係数が大きいため、10μm以下の薄層として用いても有効な起電力を得ることができる。
光電変換セル10は、第1の半導体層3上に第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4が、例えば10〜200nmの厚みで形成される。第1の半導体層3および第2の半導体層4は、一方がn型で他方がp型の異なる導電型を有しており、これらがpn接合している。第1の半導体層3がp型であり第2の半導体層4がn型であってもよく、逆の関係であってもよい。なお、第1の半導体層3および第2の半導体層4によるpn接合は第1の半導体層3と第2の半導体層4とが直接接合しているものに限らない。例えば、これらの間に第1の半導体層3と同じ導電型の他の半導体層かまたは第2の半導体層4と同じ導電型の他の半導体層をさらに有していてもよい。また、第1の半導体層3と第2の半導体層4との間に、i型の半導体層を有するpin接合であってもよい。
第1の半導体層3と第2の半導体層4とはホモ接合であってもよく、ヘテロ接合であってもよい。ヘテロ接合である場合、第2の半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられ、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成される。なお、In(OH,S)とは、InとOHとSとから主に構成された化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnとInとSeとOHとから主に構成された化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnとMgとOとから主に構成された化合物をいう。
第2の電極層5は、ITO、ZnO等の0.05〜3.0μmの透明導電膜である。第2の電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成される。第2の電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3で生じた電荷を取り出すためのものである。電荷を良好に取り出すという観点からは、第2の電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
光電変換装置11は、複数個の光電変換セル10が並べられてこれらが電気的に接続されて成る。隣接する光電変換セル10同士を容易に直列接続するために、図1、図2に示すように、光電変換セル10は、第1の半導体層3の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、第1の半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。
図1において、接続導体7は、第1の半導体層3、第2の半導体層4および第2の電極層5を貫通する溝内に、導電性ペースト等の導体が充填されて形成されている。接続導体7はこれに限定されず、第2の電極層5が延長されて形成されていてもよい。
また、図1、図2のように、第2の電極層5上に集電電極8が設けられていてもよい。集電電極8は、第2の電極層5の電気抵抗を小さくするためのものである。第2の電極層5上に集電電極8が設けられることにより、第2の電極層5の厚さを薄くして光透過性を高めるとともに第1の半導体層3で発生した電流が効率よく取り出される。その結果、光電変換装置11の発電効率が高められる。
集電電極8は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3の光電変換により生じた電荷が第2の電極層5を介して集電電極8に集電され、接続導体7を介して隣接する光電変換セル10に良好に伝達される。
集電電極8の幅は、第1の半導体層3への光を遮るのを低減するとともに良好な導電性を有するという観点からは、50〜400μmとされ得る。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
前記第1の半導体層3は、次のようにして作製される。先ず、第1の半導体層3を形成
するための半導体形成材料が作製される。そして、この半導体形成材料が含まれる原料溶液が作製される。さらに、この原料溶液を用いて皮膜が形成され、この皮膜が熱処理されることにより、第1の半導体層3となる。このような半導体形成材料の作製工程、原料溶液の作製工程、および第1の半導体層3の作製工程を以下で詳細に説明する。
<<半導体形成材料の作製>>
半導体形成材料は、11族元素および13族元素の少なくとも一方ならびに16族元素を含む化合物(以下、母材という)と、構造式(1)で表される化合物を少なくとも含む。
母材は、例えば、構造式(2)で表される、特開2012−256781号公報で開示されているカルコゲン元素含有有機化合物とルイス塩基と11族元素と13族元素とを1つの錯体分子内に含んでいる化合物、構造式(3)で表される化合物、構造式(4)で表される化合物、またはこれらの化合物うち2種以上の混合物が好ましく用いられる。なお、カルコゲン元素含有有機化合物とは、カルコゲン元素を含む有機化合物であり、炭素元素とカルコゲン元素との共有結合を有する有機化合物である。カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、チオール、セレノール、テルロール等が挙げられる。
Figure 2016127221
構造式1において、Mはアルカリ金属であり、Mは13族元素である。X〜Xはそれぞれ独立にカルコゲン元素を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。ここで、R〜Rのうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。
Figure 2016127221
構造式2において、Mは11族元素であり、Mは13族元素である。L〜Lはそれぞれ一価の配位子を表し、X〜Xはそれぞれ独立にカルコゲン元素を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。ここで、R〜Rのうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。
Figure 2016127221
構造式3において、X9〜X12はそれぞれ独立にカルコゲン元素を表す。また、R9〜R12は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。ここで、R9〜R12のうち2つ以上が連結して飽和もしくは
不飽和の環を形成してもよい。
Figure 2016127221
構造式4において、X13〜X16はそれぞれ独立にカルコゲン元素を表す。また、R13〜R16は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。ここで、R13〜R16のうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。
構造式(1)で表される化合物は、例えば、反応式(1)と反応式(2)および反応式(3)に従って合成される。なお、反応式(1)〜(3)において、Xはカルコゲン元素であり、Rは有機基である。
反応式(1) 2M+3RXXR→2M(XR)
反応式(2) MOR+RXH→MXR
反応式(3) M(XR)+MXR→M1+[M(XR)
<<原料溶液の作製>>
原料溶液は、前記母材および構造式(1)で表される化合物および、これらを溶解させる溶媒からなる。溶媒としては、前記母材および構造式(1)で表される化合物を溶解可能なものが用いられ、例えば、トルエン、ピリジン、キシレン、アセトン等が挙げられる。
<<第1の半導体層の作製>>
前記母材および構造式(1)で表される化合物を含む原料溶液は、第1の電極2を有する基板1の表面に、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレーまたはダイコータなどを用いて塗布され、乾燥されて皮膜となる。乾燥は、還元雰囲気下で行うことが望ましい。乾燥時の温度は、例えば、50〜300℃で行う。
そして、上記皮膜が熱処理されて、1.0〜2.5μmの厚みの第1の半導体層3が作製される。熱処理は、酸化を防止して良好な半導体層とするために、非酸化性ガス雰囲気下で行なわれても良い。熱処理における非酸化性ガス雰囲気としては、窒素雰囲気、フォーミングガス雰囲気および水素雰囲気等がある。熱処理温度は、例えば、400℃〜600℃とされる。
以上のような半導体層の作製方法により、第1の半導体層3が良好に作製される。つまり、11−13−16族化合物の原料である母材と、構造式(1)で表される化合物が分解することにより、11−13−16族化合物の結晶成長を促進するアルカリ金属が不足なく供給される。
なお、上記皮膜は、母材および、構造式(1)で表される化合物に含まれたカルコゲン元素を原料として反応し、カルコゲン元素を含む第1の半導体層3を形成可能であるが、原料溶液に別途、カルコゲン元素が溶解されていてもよい。また、皮膜の熱処理時の雰囲気にカルコゲン元素が含まれていても良い。このような方法により蒸発等により不足しやすいカルコゲン元素が十分に供給され所望の組成を有する第1の半導体層3が形成され得る。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
<構造式(1)で表される化合物の合成例>
本発明の半導体形成材料の製造方法に基づいて、評価用の半導体形成材料として構造式(5)で表される化合物を作製した。
Figure 2016127221
以下の操作はすべて乾燥窒素にて十分に置換されたグローブボックス内で行った。まず、300mlのマイヤーフラスコに、13族元素の金属として20mmolのInと、30mmolのジフェニルジセレニドとを秤量し、さらに100mlの脱水トルエンを加えて、マグネチックスターラーにて120℃で6時間攪拌したのち、室温まで放冷し、黄色結晶を析出させた。この結晶を濾別、少量のノルマルヘキサンで乾燥させIn(SePh)を得た。
別の300mlのマイヤーフラスコに、これに10mmolのナトリウムメトキシドを秤量し、70mlの脱水メタノールを加えて、完全に溶解するまでマグネチックスターラーで撹拌した。この溶液に、10mmolのフェニルセレノールを加え、15分撹拌し、反応溶液1を作製した。
さらに、500mlのマイヤーフラスコに、15mmolのIn(SePh)と脱水メタノール70mlを秤量し、ここへ反応溶液1を滴下したのち、室温で10時間攪拌し反応溶液2を作製した。
この反応溶液2のメタノールを蒸発乾固させて得られた淡黄色結晶をトルエンから再結晶法により精製し、白色結晶のNa[In(SePh)]の粉末を得た。
<原料溶液の作製>
本発明の半導体形成材料の製造方法に基づいて、評価用の原料溶液を作製した。以下の操作はすべて乾燥窒素にて十分に置換されたグローブボックス内で行った。母材として、(PhPCu(SePh)In(SePh)、(PhPCu(SePh)Ga(SePh)および、NH[Ga(SePh)]が11:3:1になるよう秤量した。さらに、実施例1で作成した構造式(5)で表される化合物を13族に対して2mol%になるよう秤量し、半導体形成材料が45質量%となるように、脱水ピリジンを加え、完全に溶解して、原料溶液を得た。
<光電変換装置の作製>
上記の原料溶液をドクターブレード法にて、ソーダライムガラス基板1のMoからなる第1の電極層2上に塗布膜を形成した。塗布膜は、グローブボックス内で、キャリアガスとして窒素ガスを用いて原料溶液を第1の電極層2へ塗布することにより形成した。塗布の後、上記試料をホットプレートで110℃に加熱しながら、5分間乾燥させることにより皮膜を形成させた。
皮膜形成後、水素ガス雰囲気下で熱処理を実施した。熱処理条件は、525℃まで5分間で急速昇温し、525℃で1時間保持することで行い、その後、自然冷却して、厚み1
.5μmの化合物半導体薄膜からなる第1の半導体層3を作製した。
この第1の半導体層3のX線回折結果から、得られた第1の半導体層3はCu0.9In0.7Ga0.3Seであることがわかった。
この後、酢酸カドミウム、チオ尿素をアンモニア水に溶解し、これに上記基板を浸漬し、第1の半導体層3上に厚み0.05μmのCdSからなる第2の半導体層4を形成した。さらに、第2の半導体層4の上に、スパッタリング法にてAlドープ酸化亜鉛膜(第2の電極層5)を形成した。最後に蒸着にてアルミ電極(取出電極)を形成して、光電変換装置11を作製した。
<光電変換装置の評価>
前記光電変換装置11の光電変換効率が、定常光ソーラーシミュレーターを用いて測定された。ここでは、光電変換装置11の受光面に対する光の照射強度が100mW/cmであり且つエアマス(AM)が1.5である条件下で光電変換効率が測定された。なお、光電変換効率は、光電変換装置11において太陽光のエネルギーが電気エネルギーに変換される割合を示し、ここでは、光電変換装置11から出力される電気エネルギーの値が、光電変換装置11に入射される太陽光のエネルギーの値で除されて、100が乗じられることで導出された。
その結果、上記のようにして作製した光電変換装置の光電変換効率は16.3%であり、良好な特性を有することが確認された。
1:基板
2:第1の電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:第2の電極層
6:第3の電極層
7:接続導体
8:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置

Claims (4)

  1. 11族元素および13族元素の少なくとも一方ならびに16族元素を含む原料と、構造式(1)で表される化合物とを含む半導体形成材料。
    Figure 2016127221
    (式中、M1はアルカリ金属であり、M2は13族元素であり、X1〜X4はそれぞれ独立に16族元素を表す。R1〜R4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換のシリル基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。ここで、R1〜R4のうち2つ以上が連結して飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。)
  2. 請求項1に記載の半導体形成材料を用いて11−13−16族化合物を含む半導体層を形成する半導体層形成工程を具備する半導体層の製造方法。
  3. 前記半導体層形成工程は、前記半導体形成材料を有機溶媒に溶解させた原料溶液を前記電極層上に塗布して皮膜を形成し、該皮膜を加熱する工程である、請求項2に記載の半導体層の製造方法。
  4. 電極層上に請求項2または3に記載の半導体層の製造方法を用いて11−13−16族化合物を含む第1の半導体層を形成する工程と、
    前記第1の半導体層上に前記第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層を形成する工程とを具備する光電変換装置の製造方法。
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