JP2013098191A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光電変換効率の高い光電変換装置を提供する。
【解決手段】 光電変換装置11は、電極層2と、電極層2上に位置する、ガリウム元素を含むI−III−VI族化合物層4a〜4cが複数積層されて成る半導体層4と、複数のI−III−VI族化合物層同士の界面に独立して複数配置されている、I−III−VI族化合物層よりもガリウム元素および酸素元素を多く含む中間層とを具備する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、I−III−VI族化合物を用いた光電変換装置に関するものである。
太陽電池等の光電変換装置として、カルコパライト系のI−III−VI族化合物を光吸収層として用いたものがある。この光電変換装置は、例えば、ソーダライムガラスからなる基板上にMoからなる電極層が形成され、この電極層上に光吸収層が形成されている。さらに、その光吸収層上には、ZnS、CdS、Inなどを含むバッファ層を介して、ZnO、ITOなどからなる透明の透明導電膜が形成されている。
特開平08−330614号公報
光電変換装置は光電変換効率のさらなる向上が望まれている。よって、本発明の目的は、光電変換効率の高い光電変換装置を提供することである。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置は、電極層と、該電極層上に位置する、ガリウム元素を含むI−III−VI族化合物層が複数積層されて成る半導体層と、前記複数のI−III−VI族化合物層同士の界面に独立して複数配置されている、前記I−III−VI族化合物層よりもガリウム元素および酸素元素を多く含む中間層とを具備する。
本発明によれば、光電変換効率の高い光電変換装置を提供することができる。
光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置を示す断面図であり、図2はその断面図である。光電変換装置11は、基板1と、第1の電極層2と、I−III−VI族化合物層4a〜4cが積層されて成る半導体層(以下では第1の半導体層ともいう)4と、第2の半導体層5と、第2の電極層6とを具備している。
第1の半導体層4と第2の半導体層5は導電型が異なっており、第1の半導体層4と第2の半導体層5とで光照射により生じた正負のキャリアの電荷分離を良好に行うことができる。例えば、第1の半導体層4がp型であれば、第2の半導体層5はn型である。あるいは、第2の半導体層5が、バッファ層と第1の半導体層4とは異なる導電型の半導体層とを含む複数層であってもよい。本実施形態では、第1の半導体層4が一方導電型の光吸収層であり、第2の半導体層5がバッファ層と他方導電型半導体層とを兼ねている例を示している。
また、本実施形態における光電変換装置11は第2の電極層6側から光が入射されるものを示しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射されるものであってもよい。
図1において、光電変換装置11は複数個の光電変換セル10が並べられて形成されている。光電変換セル10は、第1の半導体層4の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層9を具備している。そして、第1の半導体層4に設けられた接続導体7によって、第2の電極層6と第3の電極層9とが電気的に接続されている。図1においては、この第3の電極層9は、隣接する光電変換セル10の第1の電極層2が延伸されたものである。この構成により、隣接する光電変換セル10同士が直列接続されている。また、一つの光電変換セル10内において、接続導体7は第1の半導体層4および第2の半導体層5を貫通するように設けられており、第1の電極層2と第2の電極層6とで挟まれた第1の半導体層4と第2の半導体層5とで光電変換が行なわれる。
基板1は、第1の半導体層4および第2の半導体層5を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。
第1の電極層2および第3の電極層9は、Mo、Al、TiおよびAu等から選ばれる導電体が用いられ、基板1上にスパッタリング法および蒸着法等から選ばれる方法で形成される。
第1の半導体層4はカルコパイライト構造を有するI−III−VI族化合物を主に含んだI−III−VI族化合物層4a〜4cが複数積層されて成る。また、I−III−VI族化合物層4a〜4cはIII−B族元素として少なくともGaを含んでいる。図1、2では、第1の半導体層4は3層のI−III−VI族化合物層4a〜4cが積層された例が示されているが、これに限定されず、2層あるいは4層以上であってもよい。
なお、I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物である。
第1の半導体層4における光電変換効率をさらに高めるという観点から、第1の半導体層4はインジウム元素をさらに含んでいてもよい。また、この場合、第1の半導体層4において、III−B族元素の合計モル数(In+Ga)に対するGaのモル比(Ga/(In+Ga))が、第1の電極層2に近いほど大きくなるようにGa濃度が傾斜していてもよい。これにより伝導帯が傾斜し、電荷移動がさらに良好と成る。
III−B族元素として少なくともGaを含むI−III−VI族化合物としては、例えば、Cu(In,Ga)Se(CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSともいう)、およびCuGaSe(CGSともいう)等が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Seとは、CuとInとGaとSeとから主に構成された化合物をいう。また、Cu(In,Ga)(Se,S)とは、CuとInとGaとSeとSとを主成分として含む化合物をいう。
第1の半導体層4は、I−III−VI族化合物層4a〜4cの各界面において、独立して複数配置された中間層を有している。言い換えれば、中間層はI−III−VI族化合物層4a〜4cの各界面において点在している。また、中間層は、I−III−VI族化合物層4a〜4cよりもガリウム元素および酸素元素を多く含んでいる。つまり、隣接するI−III−VI族化合物層同士の界面に存在する中間層のガリウム元素の平均含有率は、隣接するI−III−VI族化合物層のそれぞれにおけるガリウム元素の平均含有率よりも多いとともに
隣接するI−III−VI族化合物層のそれぞれにおける酸素元素の平均含有率よりも多い(隣接するI−III−VI族化合物層に酸素元素は含まれていなくてもよい)。例えば、隣接するI−III−VI族化合物層4aとI−III−VI族化合物層4bとの界面に存在する中間層のガリウム元素の平均含有率は、I−III−VI族化合物層4aにおけるガリウム元素の平均含有率よりも多いとともにI−III−VI族化合物層4bにおけるガリウム元素の平均含有率よりも多い。また、隣接するI−III−VI族化合物層4aとI−III−VI族化合物層4bとの界面に存在する中間層の酸素元素の平均含有率は、I−III−VI族化合物層4aにおける酸素元素の平均含有率よりも多いとともにI−III−VI族化合物層4bにおける酸素元素の平均含有率よりも多い(I−III−VI族化合物層4a、4bに酸素元素は含まれていなくてもよい)。
このような中間層は、例えば、Ga等の酸化ガリウムとして存在している可能性が高いと考えられる。このような中間層が設けられることにより、I−III−VI族化合物層4a〜4cの各界面における接着性が向上するとともにキャリアの再結合を低減できる。その結果、光電変換装置11の光電変換効率が向上する。
中間層は、例えば、数nm〜数十nm程度の粒子状(例えば、5nm以上50nm以下)のものが、I−III−VI族化合物層4a〜4cの各界面において点在していてもよい。このような構成により、I−III−VI族化合物層4a〜4cの各層間での電荷移動が良好に行なわれ、光電変換装置11の光電変換効率がより向上する。
また、中間層は非晶質構造または微結晶構造を有していてもよい。この場合、I−III−VI族化合物層4a〜4cの各層間の接着性がより向上する。なお、微結晶構造とは、平均粒径が10nm以下のナノサイズの結晶粒子で主に構成されたものを言う。
第2の半導体層5は上記第1の半導体層4上に、その厚みが10〜200nm程度で形成されている。本実施形態では、第1の半導体層4が一方導電型の光吸収層であり、第2の半導体層5がバッファ層と他方導電型半導体層とを兼ねている例を示している。リーク電流の低減という観点からは、第2の半導体層5は抵抗率が1Ω・cm以上であってもよい。第2の半導体層5としては、CdS、ZnS、ZnO、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。第2の半導体層5は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。なお、In(OH,S)とは、InとOHとSとを主成分として含む化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnとInとSeとOHとを主成分として含む化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnとMgとOとを主成分として含む化合物をいう。第2の半導体層5は、第1の半導体層4の吸収効率を高めるため、第1の半導体層4が吸収する光の波長領域に対して高い光透過性を有するものであってもよい。
第2の電極層6は、ITO、ZnO等の0.05〜3.0μmの厚みを有する透明導電膜である。第2の電極層6は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成される。第2の電極層6は、第2の半導体層5よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層4で生じた電荷を取り出すためのものである。電荷を良好に取り出すという観点からは、第2の電極層6の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
第2の電極層6としては、第1の半導体層4の吸収効率を高めるため、第1の半導体層4の吸収光に対して高い光透過性を有するものが用いられてもよい。光透過性を高めると同時に光反射ロス低減効果および光散乱効果を高め、さらに光電変換によって生じた電流を良好に伝送するという観点から、第2の電極層6は0.05〜0.5μmの厚さであってもよい。また、第2の電極層6と第2の半導体層5との界面での光反射ロスを低減する
観点からは、第2の電極層6と第2の半導体層5の屈折率は略等しくてもよい。
第2の電極層6上には、集電電極8が設けられていてもよい。集電電極8が設けられることによって、第2の電極層6の厚さを薄くして光透過性を高めることができるとともに第1の半導体層4で発生した電流が効率よく取り出される。その結果、光電変換装置11の光電変換効率が高められる。
集電電極8の幅は、第1の半導体層4への光を遮るのを低減するとともに良好な導電性を有するという観点からは、50〜400μmとされ得る。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた導電ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
光電変換セル10は、複数個が並べられて電気的に接続され、光電変換装置11と成る。隣接する光電変換セル10同士を容易に直列接続するために、図1に示すように、光電変換セル10は、第1の半導体層4の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層9を具備している。そして、第1の半導体層4に設けられた接続導体7によって、第2の電極層6と第3の電極層9とが電気的に接続されている。図1および図2においては、接続導体7は、集電電極8の一部が第3の電極層9に達するように延出されることによって形成されている。
<(2)光電変換装置の製造方法>
上記第1の半導体層4を有する光電変換装置11は以下のようにして作製される。まず、溝P1によって分割された所望のパターンを有する第1の電極層2が表面に設けられた基板1が準備される。次に、第1の電極層2上にI−B族元素およびIII−B族元素を含む原料溶液を用いて皮膜が形成される。原料溶液は、有機溶媒等の溶媒にI−B族元素およびIII−B族元素が種々の化合物の状態で溶解されている。この原料溶液中のI−B族元素とIII−B族元素との混合比は、I−III−VI族化合物と成る理論比よりもIII−B族元素が過剰となるように調整される。原料溶液を用いた皮膜の形成方法としては、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレーまたはダイコータなどを用いた方法が用いられる。なお、原料溶液にはVI−B族元素が含有されていてもよい。
次に、上記皮膜が水または酸素を含む雰囲気下で50〜350℃の温度で加熱される。この加熱処理では有機成分が蒸発されるか、または熱分解されてもよい。この加熱処理の際、皮膜中のI−B族元素およびIII−B族元素の少なくとも一部が酸化され、酸化物が形成される(第1の電極層2上に形成された、上記加熱処理が施された皮膜を以下では第1前駆体という)。なお、皮膜の形成時に用いた原料溶液の溶媒としてアルコール等の酸素を含む溶媒が用いられた場合、上記酸化物の形成がより促進される。
この第1前駆体の上に、上記原料溶液を用いて上記第1前駆体と同様にして皮膜が形成され加熱処理が施される(以下、第1前駆体上に形成された、上記加熱処理が施された皮膜を第2前駆体という)。さらに、この第2前駆体の上に、上記原料溶液を用いて上記第1前駆体と同様にして皮膜が形成され加熱処理が施される(以下、第2前駆体上に形成された、上記加熱処理が施された皮膜を第3前駆体という)。
次に、これら第1前駆体、第2前駆体および第3前駆体の積層体が、カルコゲン元素(カルコゲン元素とは、VI−B族元素のうち、S、SeおよびTeをいう)を含む雰囲気下で400〜600℃の温度で焼成される。この焼成時に皮膜中の酸素がカルコゲン元素によって置き換えられるとともに、このカルコゲン元素がI−B族元素およびIII−B族元
素と反応し、I−III−VI族化合物が生成して結晶化し、I−III−VI族化合物層4a〜4cが形成される。ここで、上記第1前駆体〜第3前駆体の上面近傍は、水や酸素を含む雰囲気中での加熱処理の際、雰囲気中の水や酸素との接触確率が高いため、特に酸化物が多く形成されている。よって、第1前駆体層〜第3前駆体層の界面近傍では、他の部位に比較して酸素がカルコゲン元素に置き換えられるのに時間がかかることとなる。この界面近傍に酸素が残存した状態で焼成が終了されれば、I−III−VI族化合物層4a〜4cの各界面において、過剰に含まれるIII−B族元素の酸化物が残存して中間層になると考えられる。なお、上記の第1前駆体〜第3前駆体の積層体がカルコゲン元素を含む雰囲気下で焼成される際、積層体の上方からIRランプ等でIR照射されながら焼成されれば、積層体の上面側での結晶化が促進されるため、界面部に酸素がより残存しやすくなり、中間層がより容易に形成されやすくなる。
なお、生成した中間層およびI−III−VI族化合物層4a〜4cの構成元素については、中間層およびI−III−VI族化合物層4a〜4cの各断面がエネルギー分散型X線分析法(EDS:Energy Dispersive x-ray Spectroscopy)によって分析されることよって特定される。あるいはスパッタリングでI−III−VI族化合物層4a〜4cおよび中間層を深さ方向に削りながらX線光電子分光法(XPS:X-ray photoelectron spectroscopy)、オージェ電子分光(AES:Auger Electron Spectroscopy)または2次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)等によって分析されてもよい。
中間層およびI−III−VI族化合物層4a〜4cの作製は、上記のような工程に限らず、他の方法で形成されてもよい。例えば、I−III−VI族化合物層が形成された後、この上に酸化ガリウムを含む薄膜が溶液塗布やスパッタリング法等で形成されてもよい。
以上のようにして中間層およびI−III−VI族化合物層4a〜4cを有する第1の半導体層4が形成された後、第1の半導体層4上にCBD法等によって第2の半導体層5が形成され、されにその上にスパッタリング法等によって第2の電極層6が形成される。
次に、第1の半導体層4、第2の半導体層5および第2の電極層6の積層体の一部がメカニカルスクライブ等によって除去されることによって、接続導体7を形成するための溝P2が形成される。そして、第2の電極層6上にスクリーン印刷法等によって金属ペーストが印刷されるとともに上記溝P2内にも金属ペーストが充填されることで、集電電極8と接続導体7が形成される。
最後に、上記接続導体7から少しずれた位置における第1の半導体層4から集電電極8までの積層体がメカニカルスクライブ等によって除去されることによって、個々の光電変換セル10に分離するための溝P3が形成される。以上により、隣接する光電変換セル10同士が直列接続された光電変換装置11が完成する。
<(3)光電変換装置の製造方法の他の例>
上記の光電変換装置の製造方法において、第1前駆体層〜第3前駆体層の各前駆体層を形成する際の条件をそれぞれ異なるものとしてもよい。例えば、第2の半導体層5側の前駆体層である第3前駆体層については、第2の半導体層5との電気的な接続を良好にするという観点から、その作製工程において、中央部の前駆体層(第2前駆体層)よりも水や酸素の濃度の低い雰囲気(水や酸素が含まれていない場合も含む)中で加熱処理が行なわれてもよい。これにより、第3前駆体層の第2の半導体層5側の表面に酸化物が生成するのを低減でき、良好なpn接合が形成可能となる。
同様に、第1の電極層2側の前駆体層である第1前駆体層については、第1の電極層2との電気的な接続を良好にするという観点から、その作製工程において、中央部の前駆体
層(第2前駆体層)よりも水や酸素の濃度の低い雰囲気中で加熱処理が行なわれてもよい。これにより、第1の電極層2の表面が酸化されるのを低減でき、第1の半導体層4と第1の電極層2との間の電気的な接続が良好となる。
例えば、第1前駆体層の作製時においては、水分を50ppmv含む窒素雰囲気で加熱処理され、第2前駆体層の作製時においては、水分を100ppmv含む窒素雰囲気で加熱処理され、第3前駆体層の作製時においては、水分を0ppmv含む窒素雰囲気で加熱処理されてもよい。これにより、光電変換効率のさらなる向上が可能となる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が施されることは何等差し支えない。
<原料溶液の調整>
まず、I−B族元素とIII−B族元素とVI−B族元素が1つの分子内に含まれる単一源前駆体が以下のa1〜a3のようにして作製された。
[a1]10ミリモル(mmol)のCu(CHCN)・PFと、100mmolのP(Cとが、100mlのアセトニトリルに溶解された後、室温(25℃)における5時間の攪拌によって第1錯体溶液が調製された。
[a2]40mmolのナトリウムメトキシド(CHONa)と、カルコゲン元素含有有機化合物である40mmolのフェニルセレノール(CSeH)とが、300mlのメタノールに溶解され、更に、6mmolのInClと4mmolのGaClとが溶解された後、室温における5時間の攪拌によって第2錯体溶液が調製された。
[a3]工程[a1]で調製された第1錯体溶液に対して、工程[a2]で調製された第2錯体溶液が滴下され、沈殿物が生じた。上記沈殿物が抽出され、メタノールで洗浄され、室温で乾燥されることで、一般式(1)および一般式(2)に示すような単一源前駆体の混合体を含む沈殿物が得られた。この単一源前駆体の混合体では、1つの錯体分子に、CuとGaとSeとが含まれるか、またはCuとInとSeとが含まれる。
Figure 2013098191
Figure 2013098191
次に、ガリウム元素を含む錯体化合物が以下のb1〜b3のようにして作製された。
[b1]10mmolのアニリンと、10mmolのフェニルセレノールとが混合されて混合液Mが作製された。
[b2]この混合液Mに2mmolの金属Gaが溶解された。
[b3]このガリウムが溶解した混合液Mにヘキサンが添加されることによって、Gaとフェニルセレノールとの錯体化合物を含む沈殿物が析出し、この沈殿物が取り出された。
次に、[a3]で得られた単一源前駆体を含む沈殿物と、[b3]で得られたGaの錯体化合物を含む沈殿物が、ピリジンに溶解されることで原料溶液が作製された。
<第1の半導体層の作製>
次に、ガラスを含む基板の表面に、Mo等を含む第1の電極層が成膜されたものが複数枚用意された。そして、窒素ガスの雰囲気下において、各第1の電極層の上に上記原料溶液がブレード法によって塗布され、皮膜が形成された。
次に、これらの皮膜のうちの1つ(試料No.1)が、100ppmvの濃度の水分を有する窒素ガスの雰囲気下において、300℃で10分間加熱され、皮膜中の有機成分が熱分解により除去されることによって、第1前駆体が形成された。さらに、この工程が繰り返され、第1前駆体の上に第2前駆体が形成され、さらにこの第2前駆体の上に第3前駆体が形成された。
また、上記皮膜のうち、別の皮膜(試料No.2)が、50ppmvの各濃度の水分を有する窒素ガスの雰囲気下において、300℃で10分間加熱され、皮膜中の有機成分が熱分解により除去されることによって、第1前駆体が形成された。さらにこの第1前駆体の上に第2前駆体が、100ppmvの濃度の水分を有する窒素ガスの雰囲気下において加熱されること以外は第1前駆体と同様に形成された。さらにこの第2前駆体の上に第3前駆体が、水分を含まない窒素ガスの雰囲気下において加熱されること以外は第1前駆体と同様に形成された。
また、上記皮膜のうち、別の皮膜(試料No.3)が、水分を含まない窒素ガスの雰囲気下において、300℃で10分間加熱され、皮膜中の有機成分が熱分解により除去されることによって、第1前駆体が形成された。さらに、この工程が繰り返され、第1前駆体の上に第2前駆体が形成され、さらにこの第2前駆体の上に第3前駆体が形成された。
次に、これら試料No.1〜3の第1前駆体〜第3前駆体から成る各積層体が、Se蒸
気(5ppmv)と水素ガスの混合ガス雰囲気下において表面からIRライトが照射されることによって、300℃で15分、さらに550℃で1時間加熱され、主にCIGSを含むI−III−VI族化合物層が積層されて成る第1の半導体層が形成された。
<光電変換装置の作製>
上述のように作製された各第1の半導体層の上に、それぞれ、第2の半導体層と第2の電極層とが順に形成されて光電変換装置が作製された。
具体的には、アンモニア水に酢酸カドミウムおよびチオ尿素が溶解された溶液に、上記第1の半導体層が形成された基板が浸漬されることで、第1の半導体層の上に厚さが50nmのCdSを含む第2の半導体層が形成された。更に、この第2の半導体層の上に、スパッタリング法によってAlがドープされた酸化亜鉛を含む第2の電極層が形成された。
以上のようにして作製された試料No.1〜3について、その断面のSEM観察を行なったところ、試料1および2については、I−III−VI族化合物層間の界面に直径が5〜40nm程度の上記I−III−VI族化合物層とは異なる相領域が界面に沿って点在しており、中間層が形成されていることがわかった。試料3にはそのような中間層は観察されなかった。
Figure 2013098191
表1より、試料No.1および2の中間層は、I−III−VI族化合物層の平均ガリウム含有率および平均酸素含有率に比べ、ガリウム含有率および酸素含有率が高くなっていることがわかった。
<光電変換装置における光電変換効率の測定>
作製された光電変換装置の光電変換効率が、定常光ソーラーシミュレーターを用いて測定された。ここでは、光電変換装置の受光面に対する光の照射強度が100mW/cmであり且つエアマス(AM)が1.5である条件下で光電変換効率が測定された。なお、光電変換効率は、光電変換装置において太陽光のエネルギーが電気エネルギーに変換される割合を示し、ここでは、光電変換装置から出力される電気エネルギーの値が、光電変換装置に入射される太陽光のエネルギーの値で除されて、100が乗じられることで導出された。
光電変換効率測定の結果、表1に示されるように、中間層を有する試料No.1および2の光電変換効率は、それぞれ12.5%、13.3%であり、中間層を有しない試料No.3の11.0%に比べて高くなっていることがわかった。
1:基板
2:第1の電極層
4:第1の半導体層
4a〜4c:I−III−VI族化合物層
5:第2の半導体層
6:第2の電極層
7:接続導体
8:集電電極
9:第3の電極層
11:光電変換装置

Claims (3)

  1. 電極層と、
    該電極層上に位置する、ガリウム元素を含むI−III−VI族化合物層が複数積層されて成る半導体層と、
    前記複数のI−III−VI族化合物層同士の界面に独立して複数配置されている、前記I−III−VI族化合物層よりもガリウム元素および酸素元素を多く含む中間層と
    を具備することを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記I−III−VI族化合物層はインジウム元素をさらに含む、請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記中間層は非晶質構造または微結晶構造を有する、請求項1または2に記載の光電変換装置。
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