JP5658609B2 - マグネシウム合金材およびエンジン部品 - Google Patents

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Description

本発明は、Gd−Zn系(あるいはZn−Gd系)マグネシウム合金材、および、このマグネシウム合金材からなるエンジン部品に関するものである。以下、マグネシウムをMgとも言い、Gd−Zn系マグネシウム合金をMg−Gd−Zn系合金とも言う。また、本発明で言う「マグネシウム合金材」とは、マグネシウム合金の鋳造材を、鍛造、押出、圧延などの塑性加工することによって製造した、形材、板材などの所定の断面形状を有するマグネシウム合金製品(例えばエンジン部品の素材)の意味である。
マグネシウム合金は実用化されている合金の中で最も密度が低く軽量で強度も高い。マグネシウムは比重が1.8で、機械用部品等の構造材として用いることができる金属の中では、実質的に最も比重が軽く(アルミニウムの約2/3、鉄の約1/4)、また、比強度、比剛性、熱伝導性等にも優れるという特性を有している。
このため、マグネシウム合金は、電気製品の筐体、自動車のホイール、足回り部品等の、自動車部品等への適用が進められている。特に、自動車、自動二輪車等の車両に適用した場合は、軽量化による大幅な燃費の向上が期待できる。このため、最近では、自動車、自動二輪車、航空機等のエンジン或いはターボチャージャーなどの周辺機器を含めたエンジン部品(耐熱部品)への適用も検討されている。
従来から、高い機械的性質が要求される場合(用途)には、マグネシウム合金の中でも、GdなどのREM(希土類元素)やZnを合金元素として添加したZn−REM系マグネシウム合金が、耐熱性にも優れる合金として注目されている(例えば、特許文献1、特許文献2および非特許文献1参照)。
ただ、これらの文献では、片ロール法、急速凝固法などの特殊な方法により、製品形状のマグネシウム合金材を製造している。このため、このような特殊な製造方法では、マグネシウム合金の高い機械的性質は得られるものの、特殊な製造設備が新たに必要であり、しかも常法に比して生産性も低く、製造できるマグネシウム合金材の形状も限定される、という問題もある。
これに対して、生産性の高い、溶解鋳造、塑性加工(押出、鍛造、圧延など)からなる通常の製造方法(常法)で製造しても、高い機械的性質が得られるGd−Zn系マグネシウム合金が、例えば特許文献3〜6などで提案されている。このGdは、Yなどの他のREM(希土類元素)に比して、鋳造が容易であるなど、前記生産性の高い通常の製造方法に適している。
これら公知のGd−Zn系マグネシウム合金材は、共通して、長周期積層構造と呼ばれる組織を有しており、これによって高い機械的性質が得られる。この長周期積層構造(Long Period Stacking Ordered略してLPSO)とは、Mgの六方晶構造における最密面の原子積層構造が、通常のAB型ではなく、ABACAB型など長周期の構造を持つものをいう。このLPSO構造が存在すると、マグネシウム合金材の引張強さおよび耐力、特に、高温での引張強さおよび耐力が向上することが知られている。
これら長周期積層構造組織を有し、溶解鋳造、塑性加工(押出)からなる通常の製造方法で製造されたマグネシウム合金材について、更に、強度や伸びなどの機械的性質を高める手段も種々提案されている(例えば、特許文献7〜11参照)。
これら特許文献7〜11では、Gd、Znを所定量含有するGd−Zn系マグネシウム合金を、溶解鋳造後に熱間押出加工をして、組織がこの長周期積層構造からなるマグネシウム合金材を製造している。また、この長周期積層構造の分断部に微細化したα−Mgが形成されている組織ともしている。そして、このような組織により、優れた引張強度、耐力、伸びを有するマグネシウム合金材が得られるとしている。
このうち、特許文献7では、高温での使用を模擬して、マグネシウム合金鋳造材を、更に200〜300℃で20時間以上(実施例の図4では最大40時間)保持する熱処理を施している。そして、このマグネシウム合金鋳造材の組織を長周期積層構造とするとともに、その図1のTEM組織写真で示しているように、この組織中に、Mg−GdまたはMg−Gd−Znなどからなる、長径が400nm(0.4μm)程度の微細な板状晶析出物を多数析出させている。但し、この特許文献7などでは、長周期積層構造(LPSO)がマグネシウム合金材の粒内および粒界に析出する析出物であって、特に粒界には濃度の高いLPSOがラメラ状にMgGd化合物とともに存在することを記載しているものの、前記板状晶析出物の存在が、粒内にあるのか粒界にあるのかは明確に記載していない。
また、特許文献10では、マグネシウム合金鋳造材を溶体化処理後に熱処理することによって、針状または板状の晶析出物を析出させている。この実施例の図10のTEM写真では、鋳造材を300℃で60時間熱処理し、長径が1200nm(1.2μm)程度の微細な板状晶析出物を多数析出させている。そして、これによって、単に、長周期積層構造を備えるマグネシウム合金材よりも、0.2%耐力が向上するとしている。そして、この特許文献10では、その段落0031で、前記板状晶析出物の存在が結晶粒界にあることを記載している。
特開平06−041701号公報 特開2002−256370号公報 国際公開第2005/052204号パンフレット 国際公開第2005/052203号パンフレット 国際公開第2006/036033号パンフレット 特開2006−97037号公報 特開2008−127639号公報 特開2008−138249号公報 特開2008−150704号公報 特開2007−284782号公報 特開2008−75183号公報
山崎倫昭、他3名,「高温熱処理法により長周期積層構造が形成する新規Mg−Gd−Zn合金」,軽金属学会第108回春期大会講演概要(2005),社団法人軽金属学会,2005年,p.43−44
前記したエンジン部品(耐熱部品)では、マグネシウム合金材が200〜300℃の高温雰囲気下で使用されることとなる。このため、少なくとも300℃付近までの温度領域での耐熱性(高温強度)として、300℃の温度領域での高温疲労強度が要求される。
これに対して、鋳造材を塑性加工(鍛造、押出、圧延)する常法で製造された、従来のGd−Zn系マグネシウム合金材は、特に、このようなエンジン部品(耐熱部品)としては、まだその高温疲労強度に改良の余地がある。
本発明は、この課題を解決するためになされたもので、300℃の温度領域で優れた高温疲労強度を備えたマグネシウム合金材と、このマグネシウム合金材からなる(このマグネシウム合金材を用いて作製した)エンジン用部品を提供することを課題とする。
この課題を達成するための本発明の高温疲労強度特性に優れたマグネシウム合金材の要旨は、原子%で、Gd:0.4〜5.0%、Zn:0.2〜2.5%を各々含有し、残部Mgおよび不可避的不純物からなり、長周期積層構造の相と、長周期積層構造とα−Mgとで形成されるラメラ相とを有するマグネシウム合金材組織において、前記長周期積層構造の相が全体の3%以上、20%以下であり、前記長周期積層構造の相の領域内に、最大径が0.1μm以上、3μm未満の範囲の粒状析出物が1.0個/μm以上、10個/μm 以下の平均個数密度で存在するとともに、前記ラメラ相の領域内に、長径が3μm以上の粗大な板状析出物が0.1個/μm以上、0.5個/μm 以下の平均個数密度で存在していることである。
ここで、本発明のマグネシウム合金材組織が、規定通り、長周期積層構造の相と、長周期積層構造とα−Mgとで形成されるラメラ相との両者を有することは、後述する図1の通り、500倍のSEMによる観察像によって、規定する色彩の通りに、明確に(容易に)識別できる。また、この長周期積層構造の相の領域内に規定する粒状析出物が多数存在することや、このラメラ相の領域内に規定する粗大な板状析出物が多数存在することも、この500倍のSEMによる観察像で分かる。
ただ、本発明の規定に沿って、これら特定の大きさと形状とを有する粒状析出物や板状析出物の平均個数密度を、より正確に、かつ再現性よく測るためには、前記各領域の、更に倍率の高い、5000倍のSEMによる観察が必要である。
本発明者らは、Gd−Zn系マグネシウム合金材をエンジン部品(耐熱部品)に適用するために必要な、高温疲労強度を向上させる手段につき、鋭意検討した。この結果、Gd−Zn系マグネシウム合金材が、前提として、前記長周期積層構造の相と、長周期積層構造とα−Mgとで形成される前記ラメラ相とを有するようなマグネシウム合金材組織となっている場合は、これらの相ごとに析出する主たる析出物は、互いに、その大きさや形状が大きく異なることを知見した。そして、これら各相ごとに大きさや形状が異なる主たる析出物の、各々の個数密度が、高温疲労強度に大きく影響していることを知見した。
より具体的に、前記長周期積層構造の相の領域内では、比較的粗大な粒状析出物が主たる析出物として多数存在しており、これがGd−Zn系マグネシウム合金材の高温疲労強度を大きく向上させている要因であることを知見した。
その一方で、長周期積層構造とα−Mgとで形成される前記ラメラ相の領域内では、比較的粗大な板状析出物が主たる析出物として多数存在しており、これがGd−Zn系マグネシウム合金材の高温疲労強度を大きく向上させている要因であることを知見した。
これらの各相の存在と、これらの相ごとに析出する主たる析出物が何であるかを把握し、更に、これら主たる析出物の高温疲労強度への効果(効き方)を把握した上でなければ、本発明のように、各相の各主たる析出物の個数密度を規定し得ない。この点、本発明では、前記長周期積層構造の相の領域内に比較的粗大な粒状析出物を多数存在させるとともに、前記ラメラ相の領域内に粗大な板状析出物を多数存在させることによって、Gd−Zn系マグネシウム合金材の高温疲労強度を大きく向上させる。ここで、析出物が粗大であるとは、ナノメーターサイズの微細なサイズ(制御)ではなく、μmオーダの比較的粗大なサイズとする(制御する)ことである。
本発明では、このように、Gd−Zn系マグネシウム合金材を、長周期積層構造の相とラメラ相との組織的な組み合わせと、粗大な粒状析出物と板状析出物との互いに異なる析出物の組み合わせとの、互いの相乗効果によって、Gd−Zn系マグネシウム合金材の高温疲労強度を大きく向上させている。言い換えると、構造が互いに相異なるふたつの相に、形状が互いに相異なるふたつの粗大な析出物を各々析出させ、これらの組み合わせの相乗効果によって、高温疲労強度を大きく向上させている点が、本発明の大きな特徴である。
ここで、高温疲労強度を確保するためには、マグネシウム合金材が繰り返し荷重を受ける中で、マグネシウム合金に導入される転位セルの集積を防止して、均一に分散させることが重要である。転位セルの集積サイトは通常は結晶粒界であるため、結晶粒の均一微細化が、高温疲労強度を確保するために有効であると考えるのが一般的である。ただ、Gd−Zn系マグネシウム合金材では、圧延、鍛造等の塑性加工によって、結晶粒を均一微細化するには大きな限界があり、現実的に、平均結晶粒径を5μmより小さくすることは困難である。したがって、通常の結晶粒微細化手段では、Gd−Zn系マグネシウム合金材の、300℃での高温疲労強度を充分に高めることができない。
また、当業者の技術常識として「析出物を粗大化させた場合には、そこが応力集中箇所となって、特に高温強度を低下させる可能性が高い」と、当然推考される。しかし、本発明者らの知見によれば、この析出物の粗大化の観点だけからしても、従来の技術常識に反して、高温強度を向上させることができる。 すなわち、本発明のような、長周期積層構造の相の領域内に析出する粒状析出物を粗大化させて多数存在させる一方、ラメラ相の領域内に析出する板状析出物を粗大化させて多数存在させれば、これらの粗大な析出物が、高温下で各相に(マグネシウム合金材に)導入される、転位セルの集積をブロックする、障壁の役割を果たすものと推考される。このような、粗大析出物の障壁効果によって、高温下でマグネシウム合金材が繰り返し荷重を受ける中でも、導入される転位セルの集積を防止して、これらの転位セルを均一に分散させることができる。
また、本発明は、このような析出物の粗大化だけではなく、析出物の母相との関係からしても、従来の技術常識に反して、高温強度を向上させることができる。例えば、前記粒状析出物は、その高温強度の向上効果の大きさは、後述する段落0045で詳しく記載する通り、析出物形状や大きさの効果だけでは説明がつかず、存在する長周期積層構造の母相との関係の影響が大きいものと推考される。前記ラメラ相の粗大板状析出物よりも相対的に大きな意味を持つとも言える。
したがって、従来のように、微細な板状析出物や粒状析出物を、例え各相に多数存在させ得たとしても、この母相との相関性や、前記障壁効果が弱いなど、総じて転位セルを均一に分散させることができない。これが、微細な板状析出物や粒状析出物を存在させた従来技術が、300℃での高温疲労強度を充分に高めることができない理由でもある。これに対して、本発明によれば、Gd−Zn系マグネシウム合金の300℃の温度領域での高温疲労強度を、大きく向上させることができる。
本発明マグネシウム合金材の組織を示す500倍のSEM像(図面代用写真)である。 図1のA部を部分的に拡大して示す5000倍のSEM像(図面代用写真)である。 図1のB部を部分的に拡大して示す5000倍のSEM像(図面代用写真)である。
(マグネシウム合金材組織)
本発明マグネシウム合金材(鍛造材)の特徴的な組織を、図1:500倍のSEM像、図2:図1のA部を部分的に拡大して示す5000倍のSEM像、図3:図1のB部を部分的に拡大して示す5000倍のSEM像で各々示す。この図1(図2、3)は後述する実施例表1の発明例1のSEM像である。
図1のように、本発明マグネシウム合金材組織は、SEM像において(SEM像によって)明確に識別される、明るい灰色(グレー色)に見える、白っぽい網目状の長周期積層構造の相と、暗い灰色(グレー色)に見える、黒っぽい島状乃至鱗片状の長周期積層構造とα−Mgとで形成されるラメラ相を有する。本発明の組織は、基本的には、これら長周期積層構造の相と、長周期積層構造とα−Mgとで形成されるラメラ相とからなるが、製造方法や製造条件によっては、少量ではあるが他の構造の相を含むこともあり、これらを含むことを許容する。
(粗大な粒状析出物)
このようなマグネシウム合金材組織において、本発明では、前記長周期積層構造の相の領域内に、図2に拡大して示す通り、白い、粒状、棒状、線状などの様々な不定形の形状を有する、比較的粗大な粒状析出物を多数存在させる。これら図2に見えている、言い換えると、図2の視野で測定する、白い不定形の比較的粗大な粒状析出物の大きさの範囲は、最大径が0.1μm以上、3μm未満の範囲の粒状析出物であり、この粒状析出物を1.0個/μm以上の平均個数密度で存在させる。
ここで、粒状析出物の最大径とは、粒状析出物の前記不定形の形状のうちで、長さが最大となる辺の長さである。
本発明で規定する粒状析出物は、長周期積層構造の相の領域内に存在する他の析出物、例えば粗大な板状析出物とは、その形状と大きさも含めて、明確に(容易に)区別および特定(測定)しうる。この粒状析出物はFCC構造のMgGdが主となっており、Znのほかに、ZrやAl等の元素を含有している場合は、それらの元素も、この粗大板状析出物の構成元素として存在しうる。
(粗大な板状析出物)
また、同時に、本発明では、長周期積層構造とα−Mgとで形成されるラメラ相の領域内に、図3に拡大して示す通り、比較的均一な長さ(後述する長径)を有し、互いの向く方向が規則性をもった白っぽい直線(直線状)として見える、粗大な板状析出物を多数存在させる。
この粗大な板状析出物を10000倍程度のTEMにて観察し、かつTEM像の観察角度を、例えば−40°傾斜させて、立体的に観察すれば、この図3では直線状に見える、これらの板状析出物が、図3の奥行き方向に幅(板幅=短径)をもった、立体的な板状の形状を共通して有することが確認できる。すなわち、図3に示す、白っぽい直線を長径とし、図3の奥行き方向に短径を有し、かつ、厚み(図3における白っぽい直線の平面的な幅)を持った、長方形(矩形)の板状の形状として確認できる。したがって、粗大板状析出物の長径とは、図3では一つ一つの白っぽい直線に見える、各粗大板状析出物の直線の長さ(図3における線の平面的な長さ)である。このような長径が3μm以上の粗大な板状析出物を0.1個/μm以上の平均個数密度で存在させる。
このような本発明の粗大板状析出物は、その形状と大きさと合わせて、前記ラメラ相の領域内に存在する、他の微細な板状析出物や、粒状、棒状、線状などの様々な不定形の形状を有する粒状析出物とは、明確に(容易に)区別および特定(測定)しうる。また、本発明の粗大板状析出物は、本発明の粒状析出物と同様、FCC構造のMgGdが主となっており、Znのほかに、ZrやAl等の元素を含有している場合は、それらの元素も、この粗大板状析出物の構成元素として存在しうる。
粗大板状析出物の規定意義:
前記効果の欄で記載した通り、高温疲労強度を確保するためには、マグネシウム合金材からなるエンジン部品が高温下で繰り返し荷重を受ける中、マグネシウム合金に導入される転位セルの集積を均一分散化させることが重要となる。そこで、マグネシウム合金が繰り返し荷重を受ける中で、転位セルが集積するサイトとして、ひとつは、前記ラメラ相の領域内に析出する主たる析出物に着目し、その主たる析出物の存在形態について検討した。そして、高温疲労強度特性に優れたマグネシウム合金材を得るためには、まず、前記ラメラ相に特有の析出物の存在形態が規定する条件を満たすことが有効であることを知見した。
このラメラ相の領域内に存在する粗大な板状析出物の場合を説明すると、1点目は、析出物が球体状ではなく、板状であることである。また2点目は、析出物のサイズは、例え形状が板状であっても、従来のようなナノメータオーダのような微細なサイズではなく、ミクロン(μm)オーダの比較的粗大なサイズとすることである。最後に3点目は、析出物に適切な厚みを持たせて、繰り返し荷重を受ける中で割れることのない形態とすることである。
この考え方に基づき、本発明では、前記ラメラ相の領域内に多数存在させる、粗大な板状析出物の大きさを規定し、前記長径が3μm以上と規定する。そして、同時に、この板状析出物が0.1個/μm以上の平均個数密度で前記ラメラ相の領域内に多数存在させるように規定した。
高温疲労強度を確保するためには、マグネシウム合金材が繰り返し荷重を受ける中で、マグネシウム合金に導入される転位セルの集積を防止して、均一に分散させることが重要である。本発明のように、前記ラメラ相の領域内に多数析出する析出物を、粗大な板状の形状に制御できれば、マグネシウム合金材が繰り返し荷重を受ける中で、この粗大な板状析出物が、マグネシウム合金材に導入される転位セルの集積をブロックする障壁効果によって、転位セルを均一に分散させることができる。この結果、Gd−Zn系マグネシウム合金材の高温疲労強度を、従来の微細な板状析出物を組織内に有するものに比して、大きく向上させることができる。
粗大板状析出物の長径:
これに対して、前記ラメラ相の領域内に多数存在させる、板状析出物の長径が3μm未満と小さくては、このような微細な板状析出物を例え前記ラメラ相の領域内に、0.1個/μm以上の平均個数密度で、多数存在させ得たとしても、この障壁効果が弱く、転位セルを均一に分散させることができない。したがって、この板状析出物の長径は少なくとも3μmは必要である。これより長径が短い板状析出物は、障壁効果が弱く、高温疲労強度特性の向上に寄与することができない。一方、板状析出物の長径の上限については特に規定しないが、これら板状析出物を含有する前記ラメラ相の領域の長径(最大径、最大長さ)より長くなることはない。
粗大板状析出物の個数密度:
また、例え前記ラメラ相の領域内に、規定する大きさと形状の粗大な板状析出物を存在させ得たとしても、この粗大板状析出物の平均個数密度が0.1個/μm未満では、少なすぎて、やはり、この障壁効果が弱く、転位セルを均一に分散させることができず、十分な高温疲労強度特性を確保することができなくなる。したがって、前記した長径を満足する板状析出物の平均個数密度は少なくとも0.1個/μmは必要である。板状析出物を0.1個/μm以上分散させることで、高温疲労強度特性の確保に有効な疲労ダメージにより導入される転位セル構造集積の障壁を設けることができる。なお、この個数密度の上限は製造限界により定まり、0.5個/μmを超える個数密度にすることは実質的に困難であるので、0.5個/μmを上限とする。
ちなみに、粗大板状析出物の、前記長径と、図3では一つ一つの白っぽい線に見える各板状析出物の線の平均幅(図3における線の平面的な幅=平均的な厚み)である「厚み」との比、長径/厚みは、好ましくは10以上とする。板状析出物の長径が3μm以上であっても、この長径/厚みが10未満の形状では、板状析出物が繰り返し荷重を受けることで破壊して(割れて)しまい、十分な高温疲労強度特性を確保するための形態を維持できなくなる可能性がある。一方、この長径/厚みの上限については特に規定しないが、板状析出物の形状を確保するための最小厚みは、結晶構造上5〜15nmであるため、実際の上限は8000〜10000の範囲であると考えられる。
粒状析出物の規定意義:
前記長周期積層構造の相の領域内に存在する粒状析出物の場合も、高温疲労強度特性を向上させる機構は、粗大板状析出物の場合と同じである。前記効果の欄で記載した通り、高温疲労強度を確保するためには、マグネシウム合金材からなるエンジン部品が高温下で繰り返し荷重を受ける中、マグネシウム合金に導入される転位セルの集積を均一分散化させることが重要となる。そこで、マグネシウム合金が繰り返し荷重を受ける中で、転位セルが集積するサイトとして、もうひとつの、前記長周期積層構造の相の領域内に析出する主たる析出物に着目し、その主たる析出物の存在形態について検討した。そして、高温疲労強度特性に優れたマグネシウム合金材を得るためには、もうひとつ、この長周期積層構造の相に特有の析出物の存在形態が規定する条件を満たすことが有効であることを知見した。
ただ、この粒状析出物の場合には、粗大板状析出物のような形状ではなく、ミクロン(μm)オーダの比較的粗大なサイズの効果である。このように、従来のようなナノメータオーダのような微細なサイズではなく、ミクロン(μm)オーダのサイズに大きくすることによって、板状のような形状効果は無いものの、析出物が適切な厚みを持たせて、繰り返し荷重を受ける中で割れることのない形態となっている。
そして、この粒状析出物は、その形状や大きさの効果だけではなく、存在するこの長周期積層構造の母相との関係も、効果発揮への影響が大きいものと推考される。すなわち、長周期積層構造の母相に粗大な粒状析出物が多数存在することによって、母相としての転位セルを均一に分散させる効果が高まるものと推考される。というのも、この長周期積層構造の相は、多くても全体の約2割程度と、前記ラメラ相と比較して、その割合(面積率など)はいたって小さい。そして、例えばGdの添加量(含有量)が少ないと、その相の割合とともに、主たる析出物である、粗大な粒状析出物の個数も、更に減少する。しかし、このように、相の存在割合が小さい割には、その高温疲労強度特性向上効果は、割合が大きな前記ラメラ相や、その粗大な板状析出物と同等に大きい。すなわち、もともと、その存在割合の少ない相の析出物の規定であるので、その個数密度の範囲を満たす意義は、高温特性向上に関しては、むしろ、前記ラメラ相の粗大板状析出物よりも相対的に大きな意味を持つとも言える。なお、長周期積層構造の相は少なくとも全体の3%程度は必要である。
これに基づき、本発明では、比較的粗大な、最大径が0.1μm以上、3μm未満の範囲の粒状析出物を1.0個/μm以上の平均個数密度で前記長周期積層構造の相の領域内に存在させるように規定した。本発明のように、前記長周期積層構造の相の領域内に多数析出する析出物を、このような比較的粗大な粒状析出物に制御できれば、マグネシウム合金材が繰り返し荷重を受ける中で、この粗大な粒状析出物が、マグネシウム合金材に導入される転位セルの集積をブロックする障壁効果によって、転位セルを均一に分散させることができる。この結果、Gd−Zn系マグネシウム合金材の高温疲労強度を、従来の微細な析出物を組織内に有するものに比して、大きく向上させることができる。
これに対して、前記長周期積層構造の相の領域内に多数存在させる、粒状析出物の最大径が0.1μm未満と小さくては、このような微細な板状析出物を例え前記長周期積層構造の相の領域内に、1.0個/μm以上の平均個数密度で、多数存在させ得たとしても、この障壁効果が弱く、転位セルを均一に分散させることができない。また、例え結晶粒内に、規定する大きさの粗大な粒状析出物を存在させ得たとしても、この粗大粒状析出物の平均個数密度が1.0個/μm未満では、少なすぎて、やはり、この障壁効果が弱く、転位セルを均一に分散させることができない。なお、この平均個数密度の上限も、製造限界により定まり、10個/μmを超える個数密度とすることは実質的に困難であるので、上限値は10個/μmとする。
一方、前記長周期積層構造の相の領域内には、長径が3μm以上の粗大な板状析出物も存在する。このような粗大な板状析出物にも効果がないとは言えないが、その個数密度の少なさからして、高温疲労強度への寄与は、粒状析出物に比して小さい。このため、この粗大な板状析出物と区別して、粒状析出物の個数密度を正確に把握するために、粒状析出物の最大径は、3μm未満を上限とする。
粗大析出物の製造方法:
本発明で規定する各粗大析出物は、その生成履歴からも、従来のような析出物とは区別される。本発明の組織と、これらの組織にまつわる粗大析出物は、後述する通り、Gd−Zn系マグネシウム合金鋳造材(インゴット)を、高温と低温での2回(2段階)の熱処理と、熱間鍛造や熱間押出などの熱間での塑性加工後の、長時間の人工時効処理とによって生成させる。したがって、従来のような、鋳造時に晶出する晶出物や、あるいは鋳造材の溶体化処理後の人工時効処理によって析出する析出物、更には、従来のような、鋳造材を溶体化処理および人工時効処理後に押出などの熱間での塑性加工によって析出する析出物ではない。すなわち、鋳造材を2段階で熱処理後に、熱間での塑性加工を介して、更に人工時効処理を行い、新たに析出、成長させた、従来にはない、新規な析出物であり、この点でも、従来の析出物とは明確に区別される。前記従来技術では、鋳造材を溶体化処理後に人工時効処理して、あるいは、この後に熱間押出などの塑性加工して、板状析出物を生成させたことが記載されている。しかし、このような製造方法(製造履歴)では、端的には、板状や粒状の析出物を、本発明のような形状に粗大化させることができない。
というのも、析出(生成)する板状や粒状の析出物の形状や粗大化は、その生成する母体となる相の構造や組成と深く関わっている。長周期積層構造の相からの多くは粒状の析出物として、長周期積層構造とα−Mgとで形成されるラメラ相からの多くは板状の析出物として、各々生成する。しかも、これら析出(生成)した板状や粒状の析出物の形状や粗大化は、製造条件にも大きく左右される。例えば、人工時効処理の温度が適切で、処理時間が長くないと、板状や粒状の析出物は粗大化しない。また、前記従来技術のように、鋳造材を溶体化処理後に人工時効処理後に、熱間押出などの塑性加工した場合、人工時効処理で生成した析出物が、ちょうど、高温使用下でマグネシウム合金材が繰り返し受ける荷重のように、熱間での塑性加工による荷重によって壊されて、微細化し、粗大化しない。したがって、本発明のように、Mg−Gd−Zn系マグネシウム合金材の組織を、長周期積層構造の相と、長周期積層構造とα−Mgとで形成されるラメラ相とからなるものとした上で、この長周期積層構造の相の領域内に粗大な粒状析出物を多数存在させる一方、このラメラ相の領域内に粗大な板状析出物を多数存在させることができない。
(マグネシウム合金成分組成)
本発明では、前提となるマグネシウム合金の成分組成を、優れた機械的性質を得るための基本として、原子%で、Gd:0.4〜5.0%、Zn:0.2〜2.5%、を各々含有し、残部Mgおよび不可避的不純物からなるGd−Zn系マグネシウム合金組成とする。以下に各成分元素について説明する。但し、各元素の含有量の%表示は全て原子%の意味である。
Gd:
Gd(ガドリウム)は、同じ効果を有するY、Dy、Ho、Er、Tmなど他の希土類元素(REM:Rare−Earth−Metal)に比して、鋳造しやすく常法にて製造しやすいという、大きな利点がある。Gdは、Znと共に特定の量含有することにより、Mg−Gd−Zn系合金の合金組織中に長周期積層(LPSO)構造を形成させやすくなる。また、高温疲労強度を確保するために必要な、本発明で規定する、結晶粒内の粗大な板状析出物を構成する元素である。
Gd含有量が少なすぎると、長周期積層構造や板状析出物を形成させることができない。一方で、Gd含有量が多すぎると、粗大なMg−Gd系金属間化合物が粒界側に分散してしまい、マグネシウム合金鍛造材の伸びが大きく低下する(脆化する)。したがって、Gdは0.4〜5.0原子%の範囲で含有させる。
Zn:
Zn(亜鉛)は、Gdと共に特定の量含有することにより、Mg−Gd−Zn系合金の合金組織中に長周期積層構造を形成させる。Zn含有量が少なすぎると、長周期積層構造を形成させることができない。一方で、Zn含有量が多すぎると、粗大なMg−Zn系金属間化合物が粒界に分散して、マグネシウム合金鍛造材の伸びが低下する(脆化する)。したがって、Znは0.2〜2.5原子%の範囲で含有させる。
Zr、Mn:
Zr(ジルコニウム)、Mn(マンガン)は結晶粒を微細化する効果がある元素であり、必要がある場合には、選択的に0.05〜1.0原子%の範囲で含有させる。
Al、Ni、Cu、Ca:
Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Ca(カルシウム)は、固溶強化または分散強化の作用でマグネシウム合金の高温強度を高める元素であり、板状析出物を分散制御することに組み合わせることで、高温での耐疲労強度を底上げする効果を発揮する。これらの元素を選択的に含有させる場合は、これらの合計の含有量で0.05〜6.0原子%とする。
不可避的不純物:
なお、Mg−Gd−Zn系合金は、Mg地金だけではなく、Mgスクラップを溶解原料として使用するなど、前記した成分以外の元素が必然的に含まれる可能性がある。この点、上記添加元素以外にも、本発明に係るマグネシウム合金鍛造材の効果に悪影響を与えない範囲内であれば、不可避的不純物の範囲で、他の成分を含有することができる。例えば、Fe(鉄)、Si(シリコン)等を、許容量として、各々0.2原子%以下だけ含んでいても構わない。
(製造方法)
本発明マグネシウム合金材および、このマグネシウム合金材からなるエンジン部品を得るための好ましい製造方法、製造条件について以下に説明する。
本発明のマグネシウム合金は、溶解鋳造された鋳造材(インゴット)を2段階で熱処理後に、熱間での塑性加工を介して、更に人工時効処理を行い、新たに析出、成長させて製造する。
熱処理:
熱処理は、長周期積層構造や、長周期積層構造の相に粗大粒状析出物を形成させるために必要である。この熱処理は、1回目の熱処理である、480〜550℃、より好ましくは500〜530℃の温度で1〜20時間の保持と、2回目の熱処理である、360〜500℃、より好ましくは380〜480℃の温度で1〜20時間の保持を行う、2段階(2回)の熱処理の組合せで行う。
このうち、1回目の熱処理温度が2回目の温度よりも高くなるようにして、この1回目の熱処理で、GdやZnを十分に固溶させる処理(溶体化処理)を行う。この熱処理温度が低過ぎる、あるいは処理時間が短過ぎると、Gd、Znなどの合金元素の固溶量が不足する可能性がある。一方、この熱処理温度が高過ぎる、あるいは時間が長過ぎると、結晶粒が粗大化する可能性がある。この1回目の熱処理(溶体化処理)の直後は、10℃/s以上の平均冷却速度で200℃以下まで急冷する。この冷却速度が10℃/s未満の場合は、続く2回目の熱処理で生成する粒状析出物の分散状態が本発明で規定する状態にならない。尚、冷却は、空冷、ガス冷却、水冷の何れによって実施しても構わないが、部材の中心まで確実に冷却するためには、冷水または数10℃の湯の中に投入することが好ましい。
この1回目の熱処理に続く、2回目の熱処理にて、長周期積層構造や、長周期積層構造の相に最大径が0.1μm以上、3μm未満の範囲の粒状析出物を形成させる。この2回目の熱処理温度が360〜500℃の範囲を上下に外れたり、処理時間が短過ぎたりすると、粒状析出物の形成量が少なくなって、その個数密度が小さくなる。また、処理時間が長過ぎると、結晶粒が粗大化する可能性がある。
塑性加工:
塑性加工は、製品形状に合わせて、熱間での鍛造、押出、圧延などの周知の加工が適宜選択され、続いて、冷間で鍛造、抽伸、圧延などの周知の加工が適宜選択されてよい。以下は、熱間鍛造を例にとって説明する(以下の文章は熱間押出や熱間圧延にも適用でき、読み替えられる)。前記熱処理したマグネシウム合金鋳塊を、前記2回目の熱処理後に一旦冷却したて再加熱するか、あるいは前記2回目の熱処理後に、熱間での塑性加工(鍛造などの)開始温度まで冷却して、塑性加工を施す。熱間鍛造では、前記した鋳造、熱処理工程により生じたラメラ相を微細化すると共に、キンク帯を形成させて、高温疲労強度を向上させる。したがって、できるだけ低温で塑性加工し、必要十分な歪みを与えることが好ましい。
このため、前記成分組成のGd−Zn系マグネシウム合金鋳造材を熱間鍛造するに際しては、300〜400℃の温度範囲で金型を用いて熱間鍛造する。熱間鍛造の際のインゴットの加熱温度(鍛造温度)の上限は400℃以下、好ましくは380℃以下とし、下限は、加工限界である300℃以上、好ましくは340℃以上とする。インゴットの加熱温度(鍛造温度)が300℃未満では、割れたり、プレス能力が不足する。
人工時効処理:
本発明のGd−Zn系マグネシウム合金材の製造方法では、優れた高温疲労強度特性を付与するために、前記熱間鍛造を行った後に、人工時効処理を行う。具体的には、270〜330℃の範囲で50時間以上の時効処理を施し、長周期積層構造とα−Mgとで形成されるラメラ相の領域内に、長径が3μm以上の粗大な板状析出物を形成させる。人工時効処理の温度が270℃未満の場合は、析出物が成長できないため、粗大な板状析出物が本発明で規定する形態とならず、その結果、高温疲労強度特性を確保できなくなる。一方、人工時効処理の温度が330℃を上回ると、析出物の主要元素であるGdの固溶温度に近くなり、粗大な板状析出物が本発明で規定する形態とならない。
また、この人工時効処理は50時間以上施すことが必要である。この人工時効処理時間が50時間未満の場合は、必要な粗大な板状析出物の個数密度を確保することができなくなり、高温疲労強度特性を得ることができなくなる。より安定して粗大な板状析出物の個数密度を確保するという観点からは、100時間以上の人工時効処理を施すことが好ましい。本発明では、この人工時効処理時間の上限は特に定めないが、工業的合理性、析出形態の変化挙動から考えると、200時間以上の人工時効処理を行ってもそれ以上高温疲労強度特性の向上は図れない。
以上のように製造されたマグネシウム合金材は、用途形状や構造に合わせて更に、切削、研磨、穴あけなどの冷間加工が施された上で、付属部品や冶具が装着され、必要に応じて表面処理なども施されて、エンジン部品などとされる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
以下に、本発明の実施例を説明する。表1に示す組成で、表2に示す熱間鍛造温度と、この熱間鍛造前後の熱処理条件とを変えて、組織中の規定析出物の平均個数密度が違う、Gd−Zn系マグネシウム合金鍛造材を種々製造した。そして、これら得られたマグネシウム合金鍛造材の300℃での高温疲労強度特性を測定、評価した。これらの結果を表2に示す。
より具体的には、表1に示す化学成分組成のマグネシウム合金を、それぞれアルゴン不活性雰囲気下の電気溶解炉において溶解し、鋳鉄製ブックモールドに750℃の温度で鋳込み、95mmφ×180mm長さのマグネシウム合金鋳塊を得た。そして、これらの鋳塊の表面を機械加工により面削して、各々90mmφ×35mmのマグネシウム合金ビレットとした。
この各ビレットを、各例とも共通して520℃で4時間加熱する1回目の熱処理を行い、この熱処理後に、表2に示す各冷却速度で、共通して80℃まで冷却した。次いで、表2に示す各加熱温度で、共通して4時間の2回目熱処理を行った。その後、共通して、室温まで放冷し、表2に示す、各鍛造開始温度(鍛造温度)に再加熱して、熱間鍛造加工を行い、円盤状の試験材を成形した。
この試験材を、表2に示す各温度、各時間条件で、人工時効処理を各々施した。
各例とも、前記人工時効処理後の試験材から切り出した試料を使用して、マグネシウム合金組織の、長周期積層構造(LPSO)の相の領域の最大径が0.1μm以上、3μm未満の範囲の粗大な粒状析出物の平均個数密度と、ラメラ相の領域内の長径が3μm以上の粗大な板状析出物の平均個数密度を測定し、300℃での高温疲労強度特性を、測定、評価した。
ここで、表1に示すGd−Zn系マグネシウム合金は、記載の元素含有量を除いた残部組成は、酸素、水素、窒素などの極微量不純物成分を除き、マグネシウムである。また、表1の各元素含有量において示す「−」は、元素含有量が検出限界以下であることを示す。
析出物の平均個数密度:
析出物の平均個数密度は、人工時効処理後の前記試験材を切断して、樹脂に埋め込み、その表面を鏡面研磨して平滑に仕上げた後、FE−SEM(日本電子製、JSM−7001F)で反射電子像を観察することにより求めた。FE−SEMの倍率は5000倍、加速電圧は8kVとした。
ラメラ相の領域内の粗大板状析出物は、マグネシウムマトリクスと一定の方位関係をもって析出する。このため、観察視野内で析出物が板状であることが明瞭に観察される結晶粒([0001]面が略観察できる結晶粒)を選択してラメラ相を観察、測定し、複数のラメラ相の個数密度を平均化して、平均個数密度を求めた。
また、長周期積層構造(LPSO)の相の領域の粗大粒状析出物の平均個数密度も、複数の長周期積層構造の相を選択して、観察、測定し、各長周期積層構造の相の個数密度測定結果を平均化して、平均個数密度を求めた。前記図2、3は、表の発明例1の、このFE−SEMで観察した反射電子像の事例を示す。
高温疲労強度試験:
高温疲労強度(高温破断寿命)については、小野式回転曲げ疲労試験機を用い、回転曲げ疲労試験を実施することにより確認、評価した。試験片は、前記試験材から切り出した、直径(D0):12.0mm、長さ(L):90mm、最細部径(d):8.0mm、平滑部曲率半径(R):48.0mmの、JIS Z2274の2号試験片とし、赤外線ヒータで加熱してその試験片の温度を300℃に保った状態で、回転数:3000rpmの条件で疲労試験を実施した。10回疲労試験を繰返し、試験片の10回疲労強度を測定した。そして、この疲労試験で、10回疲労強度が45MPaを超えたものを、高温疲労強度特性に優れた耐熱マグネシウム合金材と判断した。
組織の確認:
ちなみに、表1の発明例、比較例の各例とも、前記円盤状の試験材の組織は、前記図1に示した、明るい灰色の長周期積層構造の相と、長周期積層構造とα−Mgとで形成される暗い灰色のラメラ相とを有するマグネシウム合金材組織であった。発明例の長周期積層構造の相は、全体の2割以下であった。
機械的な特性の確認:
また、前記円盤状の試験材からJIS4号試験片を切り出し、JIS規定の引張試験に準じて、引張強さ、耐力(0.2%)、伸び(%)を測定した。この結果、表に個別には示さないが、表の発明例、比較例の各例とも、TSが250〜350MPa、YSが200〜300MPaの範囲にある、耐熱材として必要な機械的な特性を各々満足していることを確認した。
表1から明らかな通り、本発明組成内のGd−Zn系マグネシウム合金である発明例1〜6の鍛造材は、前記好ましい、鍛造、熱処理の製造条件で製造されている。これによって、発明例1〜6の鍛造材組織は、先ず、前提として、前記図1に示したような、明るい灰色の長周期積層構造の相と、長周期積層構造とα−Mgとで形成される暗い灰色のラメラ相とを有するマグネシウム合金材組織となっている。
その上で、発明例1〜6の鍛造材は、前記長周期積層構造の相の領域内に、最大径が0.1μm以上、3μm未満の範囲の粒状析出物が1.0個/μm以上の平均個数密度で存在するとともに、前記ラメラ相の領域内に、長径が3μm以上の粗大な板状析出物が0.1個/μm以上の平均個数密度で存在している。この結果、発明例1〜6の鍛造材は、必要な機械的特性を有した上で、疲労試験での10回疲労強度が50MPa以上であり、高温疲労強度特性に優れている。
ちなみに、これら発明例は、いずれも熱間鍛造工程において、割れが発生することなく鍛造できており、熱間鍛造などの塑性加工での生産性が高いことも確かめられた。
これに対して、比較例7は、Gdの合金元素の含有量が少なすぎ、製造条件は好ましい範囲内であるにもかかわらず、前記長周期積層構造の相の領域内の前記粗大粒状析出物の平均個数密度も、前記ラメラ相の領域内の前記粗大板状析出物の平均個数密度も、いずれも少なすぎる。このため、必要な機械的特性は有しているものの、疲労試験での10回疲労強度が30MPaしかなく、高温疲労強度特性が発明例に比して著しく劣る。
比較例8は、本発明組成内のマグネシウム合金であるものの、前記1回目の熱処理後の冷却速度が遅すぎる。このため、前記ラメラ相の領域内の前記粗大板状析出物の平均個数密度は満足するものの、前記長周期積層構造の相の領域内の前記粗大粒状析出物の平均個数密度が少なすぎる。この結果、必要な機械的特性は有しているものの、疲労試験での10回疲労強度が45MPaしかなく、高温疲労強度特性が発明例に比して劣る。
比較例9は、本発明組成内のマグネシウム合金であるものの、前記2回目の熱処理温度が高すぎる。また、前記人工時効処理時間も短すぎる。このため、前記長周期積層構造の相の領域内の前記粗大粒状析出物の平均個数密度も、前記ラメラ相の領域内の前記粗大板状析出物の平均個数密度も、いずれも少なすぎる。この結果、必要な機械的特性は有しているものの、疲労試験での10回疲労強度が35MPaしかなく、高温疲労強度特性が発明例に比して著しく劣る。
比較例10は、本発明組成内のマグネシウム合金であるものの、前記人工時効処理時間を施していない。このため、前記長周期積層構造の相の領域内の前記粗大粒状析出物の平均個数密度は満足するものの、前記ラメラ相の領域内の前記粗大板状析出物が析出していない。この結果、必要な機械的特性は有しているものの、疲労試験での10回疲労強度が40MPaしかなく、高温疲労強度特性が発明例に比して著しく劣る。
比較例11は、本発明組成内のマグネシウム合金であるものの、熱間鍛造温度が低すぎ、割れが発生して、鍛造材自体を製造できなかった。
比較例12、13は、本発明組成内のマグネシウム合金であるものの、前記人工時効処理の温度が低すぎるか、時間が短すぎる。このため、前記長周期積層構造の相の領域内の前記粗大粒状析出物の平均個数密度は満足するものの、前記ラメラ相の領域内の前記粗大板状析出物の平均個数密度が少なすぎる。この結果、必要な機械的特性は有しているものの、疲労試験での10回疲労強度が45MPa程度しかなく、高温疲労強度特性が発明例に比して劣る。
ここで、前記長周期積層構造の相の粗大粒状析出物の方の平均個数密度が少なすぎる比較例8は、前記ラメラ相の粗大板状析出物の方の平均個数密度が少なすぎる比較例12、13に比して、高温疲労強度特性が劣る。したがって、この事実から、高温特性向上に関して、粗大な粒状析出物の個数の方が、その個数密度の範囲を満たす意義が、前記ラメラ相の粗大板状析出物よりも相対的に大きいとした、前記段落0045の記載が裏付けられる。
以上の結果から、生産性良く製造でき、強度などの必要な機械的特性を有した上で、更に高温疲労強度特性を満足するための、本発明マグネシウム合金鍛造材の組成、組織と、好ましい鍛造条件の臨界的な意義が分かる。そして、これらマグネシウム合金材からなるエンジン部品が、優れた高温疲労強度特性を得るために、特に、前記長周期積層構造相内の粗大粒状析出物の平均個数密度と、前記ラメラ相内の粗大板状析出物の平均個数密度との、両方ともに満足する必要があること(技術的な意義)が裏付けられる。
以上説明したように、本発明によれば、機械的な特性とともに、高温疲労強度が優れ、かつ生産性高く製造できる、Gd−Zn系マグネシウム合金材を提供することができる。この結果、電気製品の筐体、自動車のホイール、足回り部品等の、自動車部品等は勿論、耐熱性が要求される、自動車、自動二輪車、航空機等のエンジン或いはターボチャージャーなどの周辺機器を含め、マグネシウム合金材からなるエンジン部品(耐熱部品)に好適である。

Claims (4)

  1. 原子%で、Gd:0.4〜5.0%、Zn:0.2〜2.5%を各々含有し、残部Mgおよび不可避的不純物からなり、長周期積層構造の相と、長周期積層構造とα−Mgとで形成されるラメラ相とを有するマグネシウム合金材組織において、前記長周期積層構造の相が全体の3%以上、20%以下であり、前記長周期積層構造の相の領域内に、最大径が0.1μm以上、3μm未満の範囲の粒状析出物が1.0個/μm以上、10個/μm 以下の平均個数密度で存在するとともに、前記ラメラ相の領域内に、長径が3μm以上の粗大な板状析出物が0.1個/μm以上、0.5個/μm 以下の平均個数密度で存在していることを特徴とするマグネシウム合金材。
  2. 前記マグネシウム合金材が、更に、Zr、Mnのうちのいずれか1種または2種を合計で0.05〜1.0原子%含む請求項1記載のマグネシウム合金材。
  3. 前記マグネシウム合金材が、更に、Al、Ni、Cu、Caのうちのいずれか1種または2種以上を合計で0.05〜6.0原子%含む請求項1記載のマグネシウム合金材。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のマグネシウム合金材からなるエンジン部品。
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