JP5657730B2 - リチウムイオン電池からの有価物の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン電池、とりわけ民生用リチウムイオン電池から有価物を回収する方法に関する。
リチウムイオン電池はエネルギー密度が高く、比較的高い電圧が得ることができるという特徴を有し、ノートパソコン、ビデオカメラ、デジタルカメラ、タブレット型端末、携帯電話等の電子機器に多用されている。
リチウムイオン電池はケース、正極、負極、電解液、セパレータ等によって構成されている。ケースには鉄やアルミニウムが使用されることが多い。正極は典型的にはアルミニウム箔でできた正極集電体とその表面にバインダーを介して接着されたLiCoO2、LiNiO2及びLiMn24といったリチウム複合酸化物を材料とする正極活物質とで構成される。負極は典型的には銅製の負極集電体とその表面に接着されたグラファイトなどの炭素材料からなる負極活物質から構成される。電解液は例えばエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどの非水溶媒にリチウム塩を溶解させてなる。セパレータにはポリエチレン、ポリプロピレンなどが使用されるのが一般的である。
リサイクルの観点から、使用済みリチウムイオン電池に含まれる有価物を分離回収することが望ましい。特に正極は市場価値の高いコバルト等の有価金属が含まれていることが多く、これら有価金属の回収効率を上げることがリチウムイオン電池のリサイクル事業を行う際の採算を大きく左右する。リチウムイオン電池から有価物を回収する方法としては従来、使用済みのリチウムイオン電池を焙焼した後、破砕、磁選及び篩別を組み合わせて行う方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
一方で、コバルトなどの有価金属は正極活物質中に存在しているところ、正極活物質は集電体と強固に接着されていることから、これを容易に分離回収することのできる技術が要望されている。集電体と正極活物質を分離する技術の一つとして、正極を湿式処理する方法が知られている。特許文献4には、リチウムイオン二次電池の電極を酸性溶液、アルカリ金属の水酸化物溶液、アルカリ金属のアルコール溶液若しくは有機溶媒のうちのいずれかに浸漬し、前記電極を電極材と集電体とに分離する方法が記載されている。特許文献5には、正極基板と正極活物質とからなる正極板を切断し、pH0〜3の硫酸水溶液中で浸漬撹拌することより、正極基板と正極活物質を固体のまま分離回収する方法が記載されている。
また、特許文献6には正極板を振動ミル、ターボミル、ヘンシェルミキサー、デゾルバー等の高速のシェアや衝撃力による各種破砕機によって、正極板を粉砕することが記載されている(段落0033〜0034)。そして、望ましい具体例としてターボミル及びヘンシェルミキサーが記載されており、これらによって、正極板を粉砕するとともに導電性基板から正極合剤層が剥離されることが記載されている。破砕機によって得られた粉砕物は、導電性基板の粉砕物と正極合剤層の粉砕物の混合物であるので、この混合物から粒径や比重の差を利用して導電性基板と正極合剤層を振動ふるい装置などで分離することが記載されている(段落0045〜0046)。
特許第3079285号公報 特許第3450684号公報 特許第3079287号公報 特開平10−255862号公報 特開2005−327482号公報 特開平10−092417号公報
このように、リチウムイオン電池から有価物を回収する技術が知られているが、特許文献1〜3においては、正極活物質と集電体の分離に関する議論が不十分である。特許文献4〜6においては、正極活物質と集電体の分離に焦点を当てているが、酸を利用する湿式処理では、回収物であるCo、Ni等の溶出によるロスや不純物であるAlの溶解、混入といった欠点がある。有機溶媒による分離方法では回収率は高いが、回収された正極材からの溶媒の除去や溶媒を取り扱う上での安全性の問題がある他、処理コストが高いという欠点がある。また、正極を粉砕することにより正極活物質の剥離を促進する方法では集電体と正極活物質の分離回収効率に改善の余地が残されている。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、リチウムイオン電池から有価物を回収する方法において、正極活物質と集電体の高い分離回収効率を低コストで達成することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、リチウムイオン電池を焙焼した後に破砕してケースを篩上に篩別し、次いで、篩下に回収された正極を所定の方法で正極活物質と集電体に分離することが有効であることを見出した。
上記知見を基礎として完成した本発明は第一の側面において、
(A):ケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えたリチウムイオン電池を焙焼して焙焼物を得る工程と、
(B):前記焙焼物を破砕して破砕物を得る工程と、
(C):前記破砕物を篩別して、篩上側に主としてケースの破砕物を、篩下側に主として正極の破砕物及び負極の破砕物を回収する工程と、
(D):工程(C)で得られた篩下に含まれる正極及び負極の破砕物に観察視野1mm2当たりに複数の凹凸を付与する衝撃力を与える過程を通じて、正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する工程と、
(E):工程(D)の結果物を篩別して、篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する工程と、
を含むリチウムイオン電池からの有価物の回収方法である。
本発明に係る方法の一実施形態においては、工程(D)の後、正極集電体から剥離せずに付着している正極活物質の比率が5%以下である。
本発明の第一の側面に係る方法の別の一実施形態においては、工程(D)が衝撃式ミルにより行われる。
本発明の第一の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、衝撃式ミルがハンマーミルである。
本発明の第一の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、衝撃式ミルが15〜30秒の滞留時間で運転される。
本発明の第一の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、衝撃式ミルが3000rpm以上の回転数で運転される。
本発明は第二の側面において、(A):ケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えたリチウムイオン電池を焙焼して焙焼物を得る工程と、
(B):前記焙焼物を破砕して破砕物を得る工程と、
(C):前記破砕物を篩別して、篩上側に主としてケースの破砕物を、篩下側に主として正極の破砕物及び負極の破砕物を回収する工程と、
(F):工程(C)で得られた篩下に含まれる正極及び負極の破砕物に対して、塊状の粉砕媒体を用いて正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する工程(F−1)と、篩別により篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を回収し、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する工程(F−2)とを同時に行うこと、
を含むリチウムイオン電池からの有価物の回収方法である。
本発明は第三の側面において、
(A):ケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えたリチウムイオン電池を焙焼して焙焼物を得る工程と、
(B):前記焙焼物を破砕して破砕物を得る工程と、
(C):前記破砕物を篩別して、篩上側に主としてケースの破砕物を、篩下側に主として正極の破砕物及び負極の破砕物を回収する工程と、
(D):工程(C)で得られた篩下に対して観察視野1mm2当たりに複数の凹凸を付与する衝撃力を与える過程を通じて正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する工程と、
(G):工程(D)の結果物に対して、塊状の粉砕媒体を用いて正極を正極集電体と正極活物質に更に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に更に分離する工程(G−1)と、篩別により篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する工程(G−2)とを同時に行うこと、
を含むリチウムイオン電池からの有価物の回収方法である。
本発明の第二の側面に係る方法の一実施形態においては、工程(D)の後、正極集電体から剥離せずに付着している正極活物質の比率が5%以下である。
本発明の第二の側面に係る方法の別の一実施形態においては、工程(D)が衝撃式ミルにより行われる。
本発明の第二の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、衝撃式ミルがハンマーミルである。
本発明の第二の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、衝撃式ミルが15〜30秒の滞留時間で運転される。
本発明の第二の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、衝撃式ミルが3000rpm以上の回転数で運転される。
本発明の第一、第二又は第三の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、(H):工程(E)、工程(F)又は工程(G)により篩下に回収された正極活物質及び負極活物質を磁選して、磁性物と非磁性物に分別する工程を更に含む。
本発明の第一、第二又は第三の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、(I):工程(E)、工程(F)又は工程(G)により篩上に回収された正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を磁選して、磁性物と非磁性物に分別する工程を含む。
本発明の第一、第二又は第三の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、(J):工程(I)によって回収された非磁性物に渦電流を発生させ、渦電流を発生させた非磁性物に磁石からの磁界を印加して、非磁性物を該磁石から反発させることにより、非磁性物を更に分別する工程を含む。
本発明の第一、第二又は第三の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、正極活物質が磁性を帯びたコバルトを含有する。
本発明の第一、第二又は第三の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、リチウムイオン電池が民生用である。
本発明の第二又は第三の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、工程(F−2)又は工程(G−2)に使用する篩の目開きが0.01〜2.0mmである。
本発明の第二又は第三の側面に係る方法の更に別の一実施形態においては、工程(F−2)又は工程(G−2)に使用する篩が振動篩である。
本発明によれば、使用済みリチウムイオン電池から有価物、とりわけコバルト等の有価金属を高い分離回収効率で回収できるようになる。また、本発明に係る方法は乾式処理であり、正極材から正極活物質を分離する際に薬品を使用する湿式処理に比べて処理コストが安く、処理操作や安全管理も容易である。そのため、本発明はリチウムイオン電池から有価物を分離回収する上で工業的利用価値の極めて高い方法を提供することとなる。
本発明の第一の実施形態に係る処理フローの例を示す。 凹凸を与えられながら粒状に粉砕された正極材のサンプル写真である。 凹凸を与えられながら粒状に粉砕された正極材のサンプルの拡大写真である。 凹凸が十分に与えられずに平板形状で粉砕された正極材のサンプル写真である。 凹凸が十分に与えられずに平板形状で粉砕された正極材のサンプルの拡大写真である。 本発明の第二の実施形態に係る処理フローの例を示す。 本発明の第三の実施形態に係る処理フローの例を示す。 焙焼時の加熱時間と正極材の重量減少率の関係を示す。 焙焼時の加熱時間と回収物Al混入率の関係を示す。
1.第一の実施形態
本発明に係るリチウムイオン電池からの有価物の回収方法の第一の実施形態について説明する。本実施形態の処理フローの例を図1に示す。本実施形態は以下の工程を含む。
(A):ケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えたリチウムイオン電池を焙焼して焙焼物を得る工程
(B):前記焙焼物を破砕して破砕物を得る工程
(C):前記破砕物を篩別して、篩上側に主としてケースの破砕物を、篩下側に主として正極の破砕物及び負極の破砕物を回収する工程
(D):工程(C)で得られた篩下に含まれる正極及び負極の破砕物に観察視野1mm2当たりに複数の凹凸を付与する衝撃力を与える過程を通じて、正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する工程
(E):工程(D)の結果物を篩別して、篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する工程
<工程(A)>
工程(A)ではケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えたリチウムイオン電池を焙焼して焙焼物を得る。
リチウムイオン電池は使用済品、未使用品、未完成品、製造過程等で発生した不良品(オフスペック)等の何れでも構わないが、一般には使用済品が対象となることが多い。また、本発明が処理対象とするリチウムイオン電池は特に用途は問われない。例えば、本発明はノートパソコン、ビデオカメラ、デジタルカメラ、タブレット型端末、携帯電話等で近年需要が急増している民生用リチウムイオン電池に好適に使用可能である。その他、車載用、定置用、航空軍事用のリチウムイオン電池にも使用可能である。
ケースは金属製であることが一般的である。本発明が適用可能な材料の種類については特に制限されるものではないが、例えば鉄製、アルミニウム製及びこれらを含有する合金製が挙げられる。
正極は一般的に、正極活物質、バインダー並びに必要に応じて導電剤及び電解質等を含む電極材料を溶媒に分散して正極活物質スラリーを調製し、この正極活物質スラリーを正極集電体上に塗布して乾燥させた後にプレスすることにより、正極集電体の片面又は両面に正極活物質が接着されている。
正極集電体としては、限定的ではないが、アルミニウム、銅、ニッケル、銀、金、クロム、鉄、スズ、鉛、タングステン、モリブデン、亜鉛又はこれらを含む合金等の金属が使用されるのが通常であり、アルミニウムが多用されている。集電体は金属箔の形態で提供されるのが一般的である。本発明に係る方法は集電体としてアルミニウム又はアルミニウム合金を使用した正極に特に好適に使用可能である。
正極活物質としてはリチウムイオン電池用の正極活物質として公知のものであれば特に制限はないが、一般的にはリチウムの他、コバルト、ニッケル、マンガン、チタン、バナジウム、鉄及び銅の何れか1種又は2種以上を含有する複合酸化物又は塩の形態として提供される。
バインダーとしては一般に樹脂が使用されており、限定的ではないが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリイミド、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂及びユリア樹脂等が挙げられる。典型的にはPVDFが使用される。
負極は負極集電体とその表面にバインダーによって接着された負極活物質を有する。負極集電体としては、正極集電体と同様の各種金属が使用されているが、銅又は銅合金が多用されている。バインダーは正極と同様のものが使用されている。負極活物質としては炭素系材料が主に使用されている。炭素系材料としては石炭、コークス、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、有機物の炭素化(低温熱処理)品、天然黒鉛、人造黒鉛、合成黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、有機物の黒鉛化(高温熱処理)品、黒鉛繊維等が挙げられる。
電解液は例えばエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどの非水溶媒にLiPF6及びLiBF4などの各種リチウム塩を溶解させたものが挙げられる。
セパレータにはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンに代表される樹脂が使用されるのが一般的である。
以上のような材料で構成されるリチウムイオン電池を焙焼すると、電解液、セパレータ、バインダー、負極活物質などに含まれる炭素系材料や有機物の大部分は分解、燃焼、又は揮発する。焙焼することにより、正極から活物質が剥離しやすくなるという効果も得られる。また、還元ガスとなるCOが発生することで、正極活物質などとして使用されている金属酸化物の一部は還元される。還元されると、湿式処理する場合に還元剤を必要としなくなるため、湿式処理時のコスト低減につながる。そのため、例えば、本発明に係る工程をすべて実施した後に、更に湿式処理するようなときに有利である。焙焼温度は低過ぎると、電解液、セパレータ及びバインダー等有機物の分解が不十分となる。そのため、破砕工程での発火の危険性がある他、集電体と活物質の剥離性も悪化する。一方で、焙焼温度が高過ぎるとアルミニウムなどの金属が溶融凝固して回収対象たる有価物を巻き込み、その回収が困難となるとともに、更には破砕も困難になるので、好ましくは400〜600℃である。
焙焼のための加熱炉の種類は特に限定はされないが、固定床炉、電気炉、及び重油炉などでバッチ処理することができ、また、キルン炉、ストーカー炉、流動床炉などで連続処理することもできる。使用済みリチウム電池を破砕せずに焙焼することにより、電池内部で上記した有機物の燃焼、COガスの発生などが起こり、電池のケース内の空間で酸化物の還元が進む。この焙焼により酸化ニッケル、酸化コバルトの一部が還元され、一方銅箔などは金属形態を保っている。得られる焙焼物はリチウム電池に対して約60〜80重量%が金属の粉、塊、箔、板、カーボン又はこれらが電池内の結合構造を一部維持しているものとなる。これらは主としてケース、正極及び負極に由来する。金具、配線、端子、ばね部材、基板などに由来する金属も含まれる。焙焼により発生した有機物を含むガスはそのまま放出すると環境へ悪影響が大きい。そのため、当該ガスをできる限り完全に分解して無害化するために更に二次燃焼炉で900〜1000℃の高温で加熱することが好ましい。焙焼物は例えばLi、Al、Ni、Fe、Cu、Co、Au及びCを含有する。
<工程(B)>
工程(B)では、前記焙焼物を破砕して破砕物を得る。焙焼後に破砕することで、電解液を含む電池自体を直接破砕するのではないため、破砕時の引火爆発の危険性がなくなり、また、水分をほとんど含まないので破砕機への投入に適している。
破砕により、焙焼物は解砕されながら寸法が小さく変化する。ケースは電池の全体を覆う保護部材であるため、他の構成部品に比べて寸法が大きく頑丈であることから、破砕後も相対的に大きい寸法を保持しやすい。そのため、破砕後に篩別すると、ケースとその他の構成部品とを効率よく分離することができる。破砕機としては、限定されるものではないが、一軸破砕機や二軸破砕機などを好ましく使用することができる。
また、破砕機の出口側にスクリーンを設置することが、破砕物の大きさを調整し、ケースとその他の構成部品の分離効率を高める点で、望ましい。スクリーンを設置することで、スクリーンを通過できる大きさにまで破砕された焙焼物のみが破砕機から排出される一方で、焙焼物が過度に破砕されることなく排出される。スクリーンの目開きは大きすぎるとあまり破砕されないことから、50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましい。一方、スクリーンの目開きは小さすぎるとケースの構成材料とその他の構成部材との篩別効率が悪化することから、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましい。
本発明におけるスクリーンの目開きは、形状を円形とし、その直径で定義される。しかしながら、本発明では篩目の形状は円形に限られるものではなく、例えば正方形、長方形、菱形又は楕円形でもよい。そのため、目開きがxmmのスクリーンというのは、目開きの形状が円形で直径がxmmのスクリーンのみならず、これと実質的に同等の特性を有する他の目開き形状のスクリーンも包含するものとする。
<工程(C)>
工程(C)では、工程(B)で得られた破砕物を篩別する。これにより、篩上側には主としてケースの破砕物が回収され、篩下側にはその他の構成部品(主として正極及び負極)の破砕物が回収される。なお、本発明において、「主として」とは、指示された構成要素の質量割合が他の構成要素よりも高いことを意味する。
工程(C)で使用可能な篩としては例えば、振動篩、撹拌篩等が挙げられるが、振動篩の構造を有する篩が好ましい。篩の目開きはケースとその他の構成部品との分離効率が最大化するように設定すればよいが、経験的には例えば2〜20mm、好ましくは4〜15mm、より好ましくは6〜10mmの目開きをもつ篩を使用することが推奨される。工程(C)における篩の目開きは工程(B)でのスクリーンの目開きと同様に定義される。
<工程(D)>
工程(D)では、工程(C)で得られた篩下に含まれる正極及び負極の破砕物に観察視野1mm2当たりに複数の凹凸を付与する衝撃力を与える過程を通じて正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する。これにより、集電体と活物質を高効率で分離することが可能になる。負極活物質は焙焼処理でも一部除去されているが、工程(C)後の篩下にも多く含まれている。
理論によって本発明が限定されることを意図するものではないが、観察視野1mm2当たりに複数の凹凸を与えることで正極活物質の分離効率が上昇する理由について以下に考察する。正極材を構成する集電体は一般に金属箔であり、その表面にバインダーを介して活物質が接着されている。そのため、物理的な力によって活物質を剥離する場合、集電体に剪断力を与えて粉砕するだけでは切断箇所近傍の活物質しか十分に剥離することができない。しかしながら、集電体に数多くの凹凸(皺)を与えて集電体上の活物質に亀裂を生じさせ、それに対して衝撃力を加え続けると、亀裂が伝播して活物質が集電体から剥離しやすくなる。そして、集電体は後に篩分けによって正極活物質と分離される必要があるので、できるだけ大きな状態で保持されていることが好ましいところ、微細な凹凸を与えるような外力の場合、集電体が小さくなり過ぎないので好都合である。従って、衝撃力によって正極活物質を破壊し、集電体の大きさを大きくは変えることなく、正極活物質を集電体から脱落させる方法の方が、一般的な方法である剪断によって集電体と一緒に正極活物質を微細化する過程で正極活物質を集電体から脱落させる方法よりも、有利である。
凹凸を与えられながら粒状に粉砕された正極材のサンプル写真を図2及び図3(拡大図)に示す。また、図4及び図5(拡大図)には板状に粉砕された正極材のサンプル写真を示す。図5は、ほとんどが黒色であるが、これは微細な凹凸が付与されなかったために正極材が剥離せずにほとんど残留しているためである。
粉砕時に、正極材に微細な凹凸を与えるためには、粉砕対象物に線接触して剪断力を与える粉砕機ではなく、粉砕対象物に面接触して衝撃力を与えるような粉砕機を使用することが望ましい。そのような粉砕機としては、例えば、原料の投入が回分式又は連続式の装置であり、投入した材料が粉砕を受ける空間に、材料と面接触する回転式の破砕歯を1本又は複数本有する構造を持ち、この回転式の破砕歯により、1秒間に複数回衝撃を与えることができる装置が好適である。そのような装置としては、サンプルミル、ハンマーミル、ピンミル、ウィングミル、トルネードミル等の衝撃式ミルが好ましく、ハンマーミルがより好ましい。
また、粉砕機が指定した大きさよりも小さくなるまで粉砕物が機内に滞留する構造を有することにより、粉砕機から排出される粉砕物の大きさを調整することができる。そのような構造としては例えば粉砕機の出口に設置されたスクリーンが挙げられる。スクリーンを粉砕機の出口に設置することにより、粉砕物がスクリーンを通過できる程度の大きさにまで粉砕されると迅速に粉砕機よりスクリーンを通じて排出されることになる。そのため、粉砕された正極材の大きさの分布が均一化されるので、品質安定性が高まる。
粉砕された集電体の平均サイズは、大きすぎると正極活物質や負極活物質の剥離が十分ではない状態となりやすいので、20mm以下であることが好ましく、15mm以下であることがより好ましい。ただし、粉砕された集電体の平均サイズは、小さくなりすぎても正極活物質や負極活物質との篩別時の分離効率が低下するため、0.5mm以上とすることが好ましく、1mm以上とするのがより好ましく、典型的には1〜10mmとすることができる。
正極及び負極の集電体のサイズは、集電体を平面上に自立可能であってその高さが最小になる向きに置いたときに、平面上で当該集電体を取り囲むことの出来る最小円の直径として定義し、その任意の100個以上の平均値を集電体の平均サイズとする。
1回当たりの投入重量は、少ないと処理量が少なくなり、多すぎると正極材や負極材がミル装置の内部で押し固められ微粉砕しにくくなるため、ミルの空間容量に対する正極材の投入量を125〜375kg/m3として正極材や負極材をミル内に投入するのが好ましく、150〜250kg/m3として正極材や負極材をミル内に投入するのがより好ましい。ここで、ミルの空間容量とは、投入した材料が粉砕を受ける空間の容量を指す。
破砕歯の回転数は、例えば、3000rpm以上、好ましくは5000rpm以上の回転数とすることができ、30〜80m/s、好ましくは60〜70m/sの周速とすることができ、5〜60秒、好ましくは15〜30秒の滞留時間とすることができる。
正極材や負極材に衝撃力を与える際の留意事項としては、以下が挙げられる。1秒あたりに正極材や負極材に接触・衝突する回数を多くすることで、衝撃力を与える回数が多くなり、与える力の方向が1次元的ではなく、3次元方向であることで、正極材に微小で多数の凹凸が顕微鏡写真により確認でき、集電体からの活物質の剥離性がよくなる。例えば、回転式の歯の場合は回転数を上げることで、その条件を満たすことができる。
一実施形態においては、工程(D)によって得られた正極材(実質的には正極活物質が剥離された集電体)は、観察視野1mm2当たりに複数の凹凸が存在し、好ましくは平均で10個以上、典型的には平均で15〜30個の凹凸が存在する。当該凹凸の数は光学顕微鏡により目視により測定する。
本発明によれば、工程(D)の後、集電体から剥離せずに付着している正極活物質の比率を10%以下とすることができ、好ましくは5%以下とすることができ、より好ましくは3%以下とすることができる。
<工程(E)>
工程(D)の後、回収された粉砕物を篩で篩別する。粉砕物は、主に正極活物質、正極集電体、負極活物質及び負極集電体に由来する。篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質が回収される。(正極又は負極の)集電体と(正極又は負極の)活物質の大きさを比較すると、活物質は粉状で細かいのに対して、集電体は粒状で大きい。そのため、適切な目開きを有する篩を利用することにより両者を高い分離効率で篩別することが可能となる。
工程(E)で使用する篩の目開きが小さすぎると篩上側に移行する正極活物質及び負極活物質の量が増える一方で、篩の目開きが大きすぎると篩下側に移行される正極集電体及び負極集電体の量が増えることになる。そこで、篩の適切な目開きは0.01〜2.0mmであり、好ましくは0.05〜1.0mmであり、より好ましくは0.1〜0.8mmである。工程(E)における篩の目開きは工程(B)でのスクリーンの目開きと同様に定義される。
本発明によれば、工程(E)の前後で、篩下に回収される正極集電体の分配率を30%以下とすることができ、好ましくは20%以下とすることができ、より好ましくは10%以下とすることができ、例えば5〜20%とすることができる。当該割合は、(工程E後の篩下に回収された正極集電体成分の質量)/(工程Eの直前の試料中に含まれる正極集電体成分の質量)×100(%)で表される。
本発明によれば、工程(E)の前後で、篩下に回収される正極活物質の金属成分の分配率を80%以上とすることができ、好ましくは85%以上とすることができ、より好ましくは90%以上とすることができ、更により好ましくは95%以上とすることができる。当該割合は、(工程E後の篩下に回収された正極活物質の金属成分の質量)/(工程Eの直前の試料中に含まれる正極活物質の金属成分の質量)×100(%)で表される。
2.第二の実施形態
本発明に係るリチウムイオン電池からの有価物の回収方法の第二の実施形態について説明する。本実施形態の処理フローの例を図6に示す。本実施形態は以下の工程を含む。
(A):ケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えたリチウムイオン電池を焙焼して焙焼物を得る工程
(B):前記焙焼物を破砕して破砕物を得る工程
(C):前記破砕物を篩別して、篩上側に主としてケースの破砕物を、篩下側に主として正極の破砕物及び負極の破砕物を回収する工程
(F):工程(C)で得られた篩下に含まれる正極及び負極の破砕物に対して、塊状の粉砕媒体を用いて正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する工程(F−1)と、篩別により篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を回収し、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する工程(F−2)とを同時に行うこと
<工程(A)、工程(B)、工程(C)>
工程(A)、工程(B)、及び工程(C)に関しては、第一の実施形態で述べた通りであるので、説明を省略する。第一の実施形態においては、正極から正極活物質及び正極集電体を分離する工程を工程(D)及び工程(E)により行うのに対して、第二の実施形態ではこれを工程(F)によって行う。
<工程(F)>
工程(F)では、工程(C)で得られた篩下に含まれる正極及び負極の破砕物に対して、塊状の粉砕媒体を用いて正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する工程(F−1)と、篩別により篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を回収し、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する工程(F−2)とを同時に行う。
工程(C)で得られた篩下に含まれる正極及び負極の粉砕物に対して、塊状の粉砕媒体がもつ運動エネルギーを伝達すると、正極及び負極は更に粉砕されながら、集電体と活物質に効率的に分離することが可能である。シュレッダー、一軸破砕機、二軸破砕機等による剪断的な粉砕だと集電体まで粉々になり、後の篩分工程において篩下に集電体が移行しやすいところ、塊状の粉砕媒体を使用することにより、粉砕媒体が正極及び負極に面接触しやすいので、集電体があまり小さくならずに活物質が分離するので、集電体と活物質の分離効率が高いという利点が得られる。塊状の粉砕媒体は、ハンドリングや粉砕効率の理由によりボール状であることが好ましい。
粉砕媒体の材料としては、正極及び負極を粉砕できる限り特に制限はないが、正極及び負極を粉砕するのに適した硬度を有する材料であることが好ましく、例えば、セラミック、アルミナ製の磁性ボール、正極活物質に使用される金属等が挙げられる。また、粉砕媒体の成分が摩耗や破損などにより、次工程の篩分において篩下に移行しても、回収された正極活物質の純度に悪影響を与えないようにするために、正極活物質に使用される金属を材料とするのが好ましい。例えば、リチウム、コバルト、ニッケル、マンガン、チタン、バナジウム、鉄及び銅の何れか1種の金属又はこれらの2種以上を組み合わせた合金を使用したり、或いは、これら1種又は2種以上の金属成分から構成されるセラミックとしたりすることが好ましい。
粉砕媒体の大きさは、特に制限はないが、大きくなりすぎると使用できる媒体の数が少量となり、正極及び負極と接触する部分が少なくなるため分離効率が下がる一方で、小さくなりすぎても正極及び負極より下部で粉砕媒体が振動することが多くなるため分離効率が下がる。そこで、例えばボール状の粉砕媒体を使用する場合は、直径5〜50mmとするのが好ましく、直径10〜30mmとするのがより好ましい。また、異なる直径のボールを併用しても良い。例えば、ボールの大きさを2グループに分け、第一グループのボールの直径を15〜30mmとして、第二グループのボールの直径を10〜15mmとすることができる。これにより第一グループのボールが大きいリチウムイオン電池用正極材を細かくし、第二グループのボールが効率的に剥離する効果が得られる。3つ以上のグループにボールの大きさを区分けすることも可能であるが、効果には限りがあるので過度に分ける必要はない。
効率的な分離操作のためには、粉砕装置の大きさに応じて粉砕媒体は複数使用することが一般的である。例示的には、処理する篩下の重量(g)に対する粉砕媒体の数(個)は、0.001〜100個/gとすることができ、典型的には0.01〜10個/gとすることができる。
工程(F−1)の実施時間は、振動数や媒体の数にもよるが、短すぎると分離効率が悪くなる一方で、長すぎると処理コストが高くなると共に、集電体までが小さく粉砕されてしまうので、集電体と活物質の分離効率、集電体の混入率を考慮すると、10〜120分が好ましく、30〜60分がより好ましい。
工程(F−2)では、篩別により篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を回収し、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する。通常、集電体から剥離した活物質は軟質であるために粉状になる一方で、集電体は比較的硬質であるために活物質ほどは小さくなりにくい。そのため、適切な目開きをもつ篩を使用することにより、集電体の混入を防ぎながら、高い回収率で活物質を回収することが可能となる。本発明者の知見によれば、工程(F−2)に使用する篩の目開きは0.01〜2.0mmとするのが好ましく、0.05〜1mmとするのがより好ましく、0.1〜0.8mmとするのが更により好ましい。工程(F−2)における篩の目開きは工程(B)でのスクリーンの目開きと同様に定義される。
工程(F−1)及び工程(F−2)を同時に実施する方法としては、例えば工程(F−1)を篩上で実施する方法が挙げられる。具体的には、振動篩の上に塊状の粉砕媒体を乗せた状態で運転することで工程(F−1)と工程(F−2)を同時に且つ連続的に実施することができる。この場合、工程(F−1)によって集電体から分離され、篩目を通過できる程度の大きさにまで粉砕された活物質は、すぐさま篩下に移行する。これにより、過度に小さくなる前に活物質が篩下に移行することができるので、活物質が過度に粉砕されて、微粉になるのを防ぐ。微粉になると、非常に舞いやすく環境面に対して悪影響を及ぼす。
振動篩としては、面内振動篩(例:ジャイロシフター、レシプロスクリーン、水平式又は傾斜式のバイブレーティングスクリーン)、三次元振動篩(例:円形スクリーン、ローテックススクリーン)、超音波振動篩、強制撹拌篩等が挙げられ、縦方向の振動が大きい理由により、三次元振動篩、超音波振動篩が好ましい。振動篩機の振動数としては、1〜100Hzの振動数であることが好ましく、20〜80Hzの振動数であることがより好ましい。
3.第三の実施形態
本発明に係るリチウムイオン電池からの有価物の回収方法の第三の実施形態について説明する。本実施形態の処理フローの例を図7に示す。本実施形態は以下の工程を含む。
(A):ケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えたリチウムイオン電池を焙焼して焙焼物を得る工程
(B):前記焙焼物を破砕して破砕物を得る工程
(C):前記破砕物を篩別して、篩上側に主としてケースの破砕物を、篩下側に主として正極の破砕物及び負極の破砕物を回収する工程
(D):工程(C)で得られた篩下に対して観察視野1mm2当たりに複数の凹凸を付与する衝撃力を与える過程を通じて正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する工程
(G):工程(D)の結果物に対して、塊状の粉砕媒体を用いて正極を正極集電体と正極活物質に更に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に更に分離する工程(G−1)と、篩別により篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する工程(G−2)とを同時に行うこと
<工程(A)、工程(B)、工程(C)、工程(D)>
工程(A)、工程(B)、工程(C)及び工程(D)に関しては、第一の実施形態で述べた通りであるので、説明を省略する。第三の実施形態においては、正極から正極活物質及び正極集電体を分離する工程を工程(D)及び工程(G)の二段階で実施する。工程(D)の後に工程(G)を実施することで、分離効率が一段と向上する。
工程(D)だけでも大部分の正極活物質を正極から剥離することは可能であり、また、工程(D)では比較的短時間で処理可能であるというメリットがあるものの、正極活物質が剥離しきれない部分も残りやすい。一方、工程(G)において使用する塊状の粉砕媒体は運動の自由度が高く、正極との接触頻度も高くなるので正極の剥離効率は上昇するが、長時間を要するという欠点がある。そこで、工程(D)において大部分の正極活物質を剥離しつつ、工程(G)によって分離工程の仕上げを行うことで、工程(D)及び工程(G)の互いの欠点を補うことが可能となる。
工程(G)の内容は工程(F)と同様であるので、詳細な説明は省略する。工程(F−1)は工程(G−1)に、工程(F−2)は工程(G−2)にそれぞれ対応する。
4.付加的な工程
本発明に係るリチウムイオン電池からの有価物の回収方法においては、上述した工程に加えて、当業者に知られた任意の工程を付加することが可能である。例えば、以下に説明するような磁選や渦電流を用いた分別工程を実施することができる。
<工程(H)>
本発明に係るリチウムイオン電池からの有価物の回収方法においては、工程(E)、工程(F)又は工程(G)により篩下に回収された正極活物質を磁選して、磁性物と非磁性物に分別する工程(H)を付加的に実施することができる。工程(H)で回収される磁性物としては、正極活物質(特に、磁性コバルトを含有する正極活物質)、コバルト、酸化コバルトなどが挙げられ、工程(H)で回収される主な非磁性物としては、負極活物質由来の炭素が挙げられる。磁選機としては、ドラム型磁選機の他、磁選コンベヤの途中に磁石を吊り下げた型式のものを好ましく使用することができる。工程(H)を実施することにより、正極活物質と負極活物質を効率良く、低コストで分離できる利点が得られる。磁選は800G以上の磁場の強さで行うことが分離効率の理由により好ましい。
<工程(I)>
本発明に係るリチウムイオン電池からの有価物の回収方法においては、工程(E)、工程(F)又は工程(G)により篩上に回収された正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を磁選して、磁性物と非磁性物に分別する工程(I)を付加的に実施することができる。工程(I)で回収される主な磁性物としては、Fe、Niを含有する金属製部材が挙げられる。これらはリチウムイオン電池中の金具、端子、又はばね等に由来することが多い。工程(I)で回収される主な非磁性物としては、Al、Cu、Auを含有する金属製部材が挙げられる。これらは正極集電体、負極集電体、基板又は配線等に由来することが多い。磁選は800G以上の磁場の強さで行うことが分離効率の理由により好ましい。
<工程(J)>
本発明に係るリチウムイオン電池からの有価物の回収方法においては、工程(I)によって回収された非磁性物に渦電流を発生させ、渦電流を発生させた非磁性物に磁石からの磁界を印加して、非磁性物を該磁石から反発させることにより、非磁性物を更に分別する工程(J)を付加的に実施することができる。
高周波磁界を印加された非磁性金属中に発生する渦電流は金属の導電率に比例する。一方、高周波磁界発生源とは別に永久磁石を非磁性金属の近くに配置しておくと、渦電流の永久磁石からの磁界との反発作用によって粉末が跳出される。この反発距離は金属の導電率が大きいほど、また比重が小さいほど大きくなる。例えば、銅とアルミニウムを比較すると、導電率は前者が約1.54倍、比重は前者が約3.2倍後者より大きい。これらを総合するとアルミニウムが銅より反発距離が大きくなる。同様に、Auもアルミニウムより反発距離が大きくなる。上記方法において高周波磁界は周波数が100〜200Hz、強度は1000〜3000Gが好ましく、永久磁石としてはSm−Co系磁石を好ましく使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、実施例は例示目的であって発明が限定されることを意図しない。
(発明例)
使用済みのリチウムイオン電池700gを用意した。当該リチウムイオン電池はケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えており、それぞれ表1に示す材料で構成されている。その他、金具、配線、端子、ばね部材、基板などに由来するNi、Fe及びAuも含まれていた。
当該リチウムイオン電池を電気炉を用いて、大気雰囲気下、炉温500℃で5時間焙焼した。得られた焙焼物500gについて、Co、Ni、Li、Cu、Fe、Alは酸溶解しICP定量分析、Auは試料をアルカリ融解し融解物を酸で溶解し水で薄めた後ICP定量分析、Cは燃焼法により成分分析したところ、表2の結果が得られた。
次いで、この焙焼物500gを一軸式スクリーンミル(スクリーンの目開き:18mm)にて、出力1kW、ローター回転速度125rpmで破砕した。
破砕後の焙焼物500gについて、目開き8mmの振動篩にかけた。篩上には180g(500gの36質量%に相当)が残存した。篩上を回収して先と同様に成分分析したところ、表3の結果が得られた。篩上のほとんどはケースに由来するAlであることが分かった。これはアルミニウム製品の原料として利用可能である。
一方、篩下には320g(500gの64質量%に相当)が移行したので、これをスクリーン付きハンマーミルに投入し、回転数10000rpm、周速60m/sの条件で剥離処理を行った。投入した篩下のすべてを排出するのに1分間要した。
得られた正極材(実質的には正極活物質が剥離された集電体)の任意の10片を、光学顕微鏡で測定したところ、観察視野1mm2当たりに平均で26個の凹凸が存在した。また、粉砕後の集電体の平均サイズを、先述した方法に従って測定したところ、2mmであった。
次いで、ハンマーミルからの回収物を磁性ボールと共に振動篩機内に投入し、正極活物質及び正極集電体の分離及び篩別を同時に行った。振動篩と磁性ボールの条件は以下である。
<電磁式篩振とう機>
メーカ:興和工業所
型式:KGO−1000−2D
振幅:3.0−4.0mm
篩の目開き:0.25mm
振動方式:三次元運動
振動数:1,800回/min
篩径:150mm
運転時間:10min
<磁性ボール>
材質:アルミナ
投入個数:直径20mmが20個、直径15mmが20個
振動篩機の篩上101g(500gの20.2質量%に相当)について、ドラム型磁選機を用いて1000Gの条件で磁選した。35g(500gの7質量%に相当)の磁性物が回収された。磁性物について先と同様の方法で成分分析したところ、表4の結果が得られた。これは例えばステンレスの原料として利用可能である。
非磁性物については更に、交流磁場(150Hz,2000G)を発生する電磁コイル及び希土類永久磁石を使用して15gのAl粉(500gの3%に相当)と51gのCu粉(500gの10.2%に相当)とに分別した。それぞれについて先と同様の方法により成分分析したところ、表5及び表6の結果が得られた。Al粉はアルミニウム製品の原料として利用可能であり、Cu粉は銅製錬原料や、金製品の原料として利用可能である。
振動篩機の篩下219g(500gの43.8質量%に相当)について、ドラム型磁選機を用いて1000Gの条件で磁選した。
110g(500gの22質量%に相当)の磁性物が回収された。磁性物について先と同様の方法により成分分析したところ、表7の結果が得られた。これは例えば正極活物質の原料として利用可能である。
また、109g(500gの21.8質量%に相当)の非磁性物が回収された。非磁性物について先と同様の方法により成分分析したところ、表8の結果が得られた。これは炭素原料として利用可能である。成分分析では炭素の正確な濃度が測定できなかったが、他の分析値から推測すると99質量%以上になると思われる。
(スクリーン付きハンマーミルの効果の検証)
ここでは、金属の分析は王水溶解によるICP発光分光分析装置による測定により行った。
集電体としてはアルミニウム箔を、バインダーとしてはPVDFを使用したリチウムイオン電池用正極材を用意した。
当該正極材を、破砕歯の下部に目開き100mmの振動篩の付いた二軸せん断式破砕機にて、12round/min、50kg/minの投入量、出力37kWで裁断した。
次いで、篩下に回収された正極材をハンマーミルに375kg/m3の空間容量に対する投入量で投入し、回転数3000rpm以上、周速60m/s、滞留時間15秒又は5秒の条件で剥離処理を行った。得られた正極材(実質的には正極活物質が剥離された集電体)の任意の10片を、光学顕微鏡で測定したところ、滞留時間が15秒のケースでは、観察視野1mm2当たりに平均で26個の凹凸が存在した(凹凸状態は図2及び図3と同等)のに対し、滞留時間が5秒のケースでは、そのような凹凸が実質的に見出せなかった(凹凸状態は図4及び図5と同等)。そして、図2と図4の比較から明らかなように、凹凸が付与された場合では正極活物質が付着したままの正極材がほとんど観察されないのに対して、凹凸のない場合では正極活物質が付着したままの正極材が大量に観察される(写真中、黒色の部分が正極活物質である。)。
滞留時間が15秒のケースについて、剥離処理後の正極材を分析したところ、表9に記載の金属成分が検出された。当該正極材をサンプルによって目開きを変えて振動篩で篩別したところ、表10に記載の結果が得られた。分析誤差はあるものの、篩上サンプルの分析値から、アルミニウム箔から剥離せずに付着したままの正極活物質は約2%程度と推察される。
(ボールを乗せた振動篩の効果の検証)
種々のメーカの正極材をサンプル(A〜E)として準備した。これらの正極材において、集電体はアルミニウム箔であり、正極活物質の金属成分は、主にLi、Mn、Co及びNiである。表11に記載の重量の各サンプルをハサミで一辺が10〜20mmの正方形にカットした。次いで、正極材を磁性ボールと共に篩振とう機内に投入し、正極活物質及び集電体の分離及び篩別を連続的に行った。
<電磁式篩振とう機>
メーカ:Retsch社
型式:AS200
振幅:2.0mm
篩の目開き:0.5mm
振動方式:三次元運動
振動数:3,600回/min
<磁性ボール>
材質:アルミナ
投入個数:直径20mmが10個、直径14mmが10個
結果を表11に示す。表1より、サンプルA以外のサンプルは焙焼せずとも、集電体の混入を防止しながら正極活物質の高い回収率が得られていることが分かる。表1中、正極活物質の回収率(%)は、篩上及び篩下のMn,Co,Ni,Liの合計金属重量を100%として以下の式により算出した。
正極活物質回収率=(篩下Mn,Co,Ni,Li量)/(篩上Mn,Co,Ni,Li量+篩下Mn,Co,Ni,Li量)
また、回収物Al混入率は、篩上及び篩下の合計Al重量を100%として以下の式により算出した。
回収物Al混入率=(篩下Al量)/(篩上Al量+篩下Al量)
なお、各金属の重量はサンプルを酸溶解してICPにて分析した結果より算定した。
(例2)
例1において分離回収率の低かったサンプルAについて、焙焼による効果を試験した。サンプルAの正極材をハサミで一辺が10〜20mmの正方形にカットした。次いで、この正極材を電気炉内で表12に記載の種々の加熱温度及び加熱時間で焙焼した。その後、例1と同様の条件で、正極材を磁性ボールと共に篩振とう機内に投入し、正極活物質及び集電体の分離及び篩別を連続的に行った。振とう時間は30分とした。
結果を表12に示す。表12より、焙焼によってサンプルAの正極材においても、集電体の混入を防止しながら正極活物質の高い回収率が得られていることが分かる。また、図8に、加熱時間と重量減少率の関係を示し、図9に、加熱時間と回収物Al混入率の関係を示した。

Claims (20)

  1. (A):ケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えたリチウムイオン電池を焙焼して焙焼物を得る工程と、
    (B):前記焙焼物を破砕して破砕物を得る工程と、
    (C):前記破砕物を篩別して、篩上側に主としてケースの破砕物を、篩下側に主として正極の破砕物及び負極の破砕物を回収する工程と、
    (D):工程(C)で得られた篩下に含まれる正極及び負極の破砕物に観察視野1mm2当たりに複数の凹凸を付与する衝撃力を与える過程を通じて、正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する工程と、
    (E):工程(D)の結果物を篩別して、篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する工程と、
    を含むリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  2. 工程(D)の後、正極集電体から剥離せずに付着している正極活物質の比率が5%以下である請求項1に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  3. 工程(D)が衝撃式ミルにより行われる請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  4. 衝撃式ミルがハンマーミルである請求項3に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  5. 衝撃式ミルが15〜30秒の滞留時間で運転される請求項3又は4に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  6. 衝撃式ミルが3000rpm以上の回転数で運転される請求項3〜5の何れか一項に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  7. (A):ケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えたリチウムイオン電池を焙焼して焙焼物を得る工程と、
    (B):前記焙焼物を破砕して破砕物を得る工程と、
    (C):前記破砕物を篩別して、篩上側に主としてケースの破砕物を、篩下側に主として正極の破砕物及び負極の破砕物を回収する工程と、
    (F):工程(C)で得られた篩下に含まれる正極及び負極の破砕物に対して、塊状の粉砕媒体を用いて正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する工程(F−1)と、篩別により篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を回収し、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する工程(F−2)とを同時に行うこと、
    を含むリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  8. (A):ケース、正極、負極、電解液及びセパレータを備えたリチウムイオン電池を焙焼して焙焼物を得る工程と、
    (B):前記焙焼物を破砕して破砕物を得る工程と、
    (C):前記破砕物を篩別して、篩上側に主としてケースの破砕物を、篩下側に主として正極の破砕物及び負極の破砕物を回収する工程と、
    (D):工程(C)で得られた篩下に対して観察視野1mm2当たりに複数の凹凸を付与する衝撃力を与える過程を通じて正極を正極集電体及び正極活物質に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に分離する工程と、
    (G):工程(D)の結果物に対して、塊状の粉砕媒体を用いて正極を正極集電体と正極活物質に更に分離し、負極を負極集電体及び負極活物質に更に分離する工程(G−1)と、篩別により篩上側に主として正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を、篩下側に主として正極活物質及び負極活物質を回収する工程(G−2)とを同時に行うこと、
    を含むリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  9. 工程(D)の後、正極集電体から剥離せずに付着している正極活物質の比率が5%以下である請求項8に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  10. 工程(D)が衝撃式ミルにより行われる請求項9に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  11. 衝撃式ミルがハンマーミルである請求項10に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  12. 衝撃式ミルが15〜30秒の滞留時間で運転される請求項10又は11に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  13. 衝撃式ミルが3000rpm以上の回転数で運転される請求項10〜12の何れか一項に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  14. (H):工程(E)、工程(F)又は工程(G)により篩下に回収された正極活物質及び負極活物質を磁選して、磁性物と非磁性物に分別する工程を更に含む請求項1〜13の何れか一項に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  15. (I):工程(E)、工程(F)又は工程(G)により篩上に回収された正極集電体及び負極集電体を含む金属製部材を磁選して、磁性物と非磁性物に分別する工程を含む請求項1〜14の何れか一項に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  16. (J):工程(I)によって回収された非磁性物に渦電流を発生させ、渦電流を発生させた非磁性物に磁石からの磁界を印加して、非磁性物を該磁石から反発させることにより、非磁性物を更に分別する工程を含む請求項15に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  17. 正極活物質が磁性を帯びたコバルトを含有する請求項1〜16の何れか一項に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  18. リチウムイオン電池が民生用である請求項1〜17の何れか一項に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  19. 工程(F−2)又は工程(G−2)に使用する篩の目開きが0.01〜2.0mmである請求項7〜13の何れか一項に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
  20. 工程(F−2)又は工程(G−2)に使用する篩が振動篩である請求項7〜13の何れか一項に記載のリチウムイオン電池からの有価物の回収方法。
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