JP5654937B2 - フタル酸塩可塑化エステルの改良 - Google Patents

フタル酸塩可塑化エステルの改良 Download PDF

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Description

本発明は可塑剤についての改良に関し、特に、ポリ塩化ビニル合成物に有効なフタル酸エステル系可塑剤に関する。
可塑剤の品質に対する要求はその可塑剤が何に用いられるかにより変わる。可塑剤の重要な特性の1つはその電気抵抗率であり、特に、電線及びケーブルの絶縁物のような電気材料に用いられたときの電気抵抗率が重要である。
具体的には、本発明は、電線及びケーブルの絶縁物及び他の電気絶縁材に有用な組成物に採用されるポリ塩化ビニルとともに用いるのに適した高品質の可塑化エステルの製造プロセスに関する。
可塑化ポリ塩化ビニルは、電気工業及び電子工業で広く絶縁材料として用いられ、高品質の可塑化エステルを必要とする。例えば、高い体積抵抗率を有する可塑剤が電機業界で必要とされる。可塑化ポリ塩化ビニル合成物抵抗率はパッド体積抵抗率(PVR)として測定される。産業界では、可塑剤のリキッド体積抵抗率(LVR)として知られる可塑剤そのものの抵抗率を計測することも多く行なわれている。自動車におけるフード下やダッシュボード下の電線やケーブルの電気絶縁材料のような電気材に対して、可塑剤は高いLVRをもち、臭気や自動車の内部でフォギングの問題を起こすような揮発分が少ないことが好ましい。自動車における電気用品はますます複雑かつ洗練されたものになってきている。最近の自動車は、センサーと電気で動く装置をますます多く装備するようになってきている。これらのセンサーと接続し、これらの装置を制御し電力を供給するのに必要な電線やケーブルの量も増え続けている。これらの配線は、自動車内装品の下の比較的ボディの外に近い見えないところに配置されていて、そこは換気が悪くエンジンの熱により、または自動車が日光にさらされているときに、温度が高くなる。
可塑剤は、従って、臭気が許容範囲でなければならず、自動車フロントガラスの内側に光を散乱させるフィルムの形成やフォギングの原因となってはいけない。また可塑剤は、紫外線に対する耐性がなければならない。可塑剤は、製造過程においても最終的な製品においても、低い臭気レベルとするために、含有する揮発分やライトエンドの量を最小限にしなければならない。
可塑化エステルは、CからCl3のアルコールを酸又は無水物によりエステル化することにより普通作られる。アルコールそのものは、多くの場合、オレフィンのヒドロホルミル化により作られる。この工程は、オレフィンオリゴメリゼーションに続くヒドロホルミル化と水素付加、又は、オレフィンヒドロホルミル化に続くアルドール縮合と水素付加を伴う。ジ・2エチルヘキシル・フタレートを製造する場合の出発物質は一般にケミカルグレード(chemical grade)のプロピレンである。しかし、他のアルコールについては、出発物質は、普通オレフィンの混合物である。ヒドロホルミル化反応、水素付加反応、及び縮合反応は全て触媒反応である。従って、製造過程における多くのステップで複雑な反応混合物が形成されやすい。最終的にアルコールにするには、従って、未反応の原材料、好ましくない副生成物や触媒残留物を取り除くため広範囲にわたる精製を必要とする。精製には、一般に洗浄、さらには水素付加又は水素処理(hydrofinishing)及び分別蒸留を伴う。しかし、厳しい精製にもかかわらず、精製されたアルコールには常に少量の不純物が含まれる。
可塑化エステルは、適当なアルコールと、しばしば無水フタル酸、無水トリメリット酸又は無水マイレン酸のような無水酸との反応により、又は、酸との反応により製造される。酸は、しばしば、アジピン酸、トリメリット酸、シクロヘキサノン、一塩基酸及び二塩基酸、安息香酸、クエン酸等が用いられる。エステル化は一般に、特に、チタニウムやスズをベースとする有機金属化合物触媒を用いるが、硫酸、メチルスルフォン酸、及びパラトルエンスルフォン酸のような他の多くのエステル化触媒もまた知られている。エステル化の後にも生のエステルは汚染物質を含んでいるので精製を必要とする。これらの汚染物質は、酸性の残留物、未反応アルコール、触媒残留物、水、及びアルコール供給時にすでに存在していた汚染物質の系統に属し、これらの物質は、後で説明する可塑剤ガスクロマトグラム又はGC−スペクトラムのいわゆる「ライトエンド」領域で溶出されるいわゆる一量体成分である。生のエステルはまた、アルコール(ジアルキル基)エーテル、ベンゾアートエステル、二塩基酸からのモノエステル、アルコールオキソ酸エステル、ヘミアセタール、及びビニルエーテル(これらはいわゆる二量体成分と呼ばれ、可塑剤ガスクロマトグラム又はGC−スペクトラムにより単量体のライトエンドと「三量体の」ジエステルとの間で抽出されるので総称的に「エーテル」又は「中間体」と呼ばれる)のような、副生成物も含むことがある。これらの二量体の物質の多くは、「三量体の」化合物であるアセタールと同様、アルデヒド及び/又はライトエンドのような臭気を生じさせるものを処理する後段階で、加水分解される。
精製には、生のエステルを水溶性アルカリ化合物と接触させることを伴う。アルカリを加えることで触媒残留物を加水分解し、存在する可能性のある好ましくないアルキル・水素・フタラート・モノエステルを中和する。このような加水分解及び/又は中和反応による生成物は固体又は分離された遊離水に溶け込んだ形で現れ、あるいは、部分的にこのような形態で現れることもある。遊離水は、例えば、フラッシング又は蒸留により除去することができ、固体として現れる量が増えることもある。あるいは、遊離水はデカンティング(decanting)により除去することができるが、さらに精製するために付加的な洗浄工程を先におくことが好ましい。中和されたエステルは、通常は濾過助剤と接触し、アルキル・水素・フタラート・モノエステルのようなアルカリ塩、チタニウム水酸化物のような有機金属触媒の水酸化物、二酸化チタン又は一酸化スズのような有機金属触媒の酸化物、及び重炭酸ナトリウムのような塩を除去するために濾過される。アルカリは炭酸ナトリウム又は場合によっては水酸化ナトリウムの水溶液であることが好ましく、アルカリによる処理の後、残留水酸化ナトリウムを水と(重)炭酸ナトリウムに変化させるために二酸化炭素を吹き込む。最後に、例えば蒸気又は窒素、又はこれらの組み合わせによるフラッシング又はトリッピングにより、過剰アルコールと水が除去される。
この一連の反応は可塑剤の生成を伴うので、それにより複雑な混合物や多くの副生成物及び不純物を誘発する触媒反応が生じる。従って、多くの用途に用いることのできる可塑化エステルを生成させるために広範囲な精製が必要となる。上述した汚染物質が存在することは、特にリキッド体積抵抗率及び臭気に関して、可塑剤の特性に悪い影響を及ぼす恐れがある。特にライトエンドは、可塑剤自身又はそれを含む製品の強い臭気の形成を助長する可能性がある。ジ・ノニルフタレート (LNP)、ジイソノニルフタレート (DINP)、 ジ・イソデシニルフタレート (DIDP)、ジ・アンデシルフタレート (DUP)、ジ・イソアンデシルフタレート (DIUP)、アンデシル・ドデシルフタレート (UDP)、及びジ・(イソ)トリデシルフタレート (DTDP)のような高い分子量のフタル酸塩に対して、ハイレベルのエーテル又は中間体により可塑剤のフォギングが増大することが分かっている。特に、不純物の存在により、可塑剤のLVRが下がり、紫外線による可塑剤の安定性が悪くなることが分かっている。
同じ設備でより多く生産するためには、可塑剤の製造設備の処理能力を改善する必要がある。しかしながら、処理能力を上げることはできるが、可塑剤のLVRの低下に見られるように、処理能力を上げると可塑剤の電気的特性が劣化する可能性があることが分かった。本発明の1つの特徴は、この問題を打開することに関する。
米国特許5,880,310は、日本工業規格JIS K-6751により計測したとき、高いリキッド体積抵抗率を持つ可塑化エステルの製造に関する。米国特許5,880,310によれば、水酸化ナトリウムで処理された生のエステルに二酸化炭素を吹き込み、残留アルカリを(重)炭酸塩に変化させ、一般的にはスチームストリッピングにより過剰アルコールを回収し、抽出したエステルに濾過助剤を用いた精密濾過と吸収処理の組み合わせによる処理をおこなうことにより、体積抵抗率の高い可塑化エステルを得る。従って、精密濾過で除去される炭酸ナトリウムのような固体が存在しているところでストリッピングがなされる。アルカリが存在する下でスチームによるストリッピングを行なうことはエステルの加水分解を引き起こす可能性があり、これによりライトエンドが増大する。さらには、固体が存在する下でのストリッピングは、タワー内部の汚れや詰まりのためタワーのような構成で行なうことが難しい。
米国特許5,880,310で用いられる濾過助剤は、例えば、市場で手に入る珪藻土[例えば、ラヂオライト(昭和化学工業K.K.製)、セライト(ジョーンズ・マンビール・セールス・コーポレーション製)]と、パーライト[例えば、トプコ・パーライト(昭和化学工業K.K.製)、ディカライト・パーライト(ディカライト・オリエントK.K.製)]から製造される。少なくとも濾過助剤の20%は5ミクロン以下の粒径である。
米国特許5,880,310で用いられる吸着剤は、例えば、活性アルミナ、活性陶土、活性炭、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、及び酸化シリコンである。これらは単独でも組み合わせても用いられる。用いられる吸着剤の量は重量ベースで原料エステルの0.1%から1%の間である。米国特許5,880,310の例では、吸着剤として活性炭を使用しても、2エチルヘキシルアルコール(実施例1〜13参照)をベースとするエステル又はイソノニルアルコール(実施例14〜22参照)をベースとするエステルの体積抵抗率には影響はないことを示している。この特許によれば、微細な濾過助剤と組み合わせて用いたとき体積抵抗率を改善する吸着剤はセカードKW(アルミナ・シリカ)である。
米国特許6,310,235では、最初に100〜160℃で酸又は無水酸をアルコールと反応させて水を除去し、触媒を加え反応温度を約250℃に上げることで反応を完了させることでエステルを製造する。反応混合物は、水溶性アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物により中和される。過剰アルコールは、分離されエステルは乾燥させて濾過される。米国特許6,310,235では、中和時に用いるモノエステル、触媒、及び試薬を完全に除去することにより低導電率のエステルが得られることを示唆している。しかしながら、きわめて低い導電率が何を意味するのかが示されてはいない。また、ライトエンドを除去することの重要性の認識はなく、ましてライトエンドと臭気の形成を阻止するため精製を行なうことについては全く認識していない。
我々はしかしながら、濾過助剤及び/又は吸着剤が強い酸性である場合、この処理を行なうと、可塑剤に含まれるライトエンドが増加しエーテル又は中間体が減少することを見つけた。この可塑化エステルに含まれるライトエンド及び中間体は、後で説明するガスクロマトグラフィーにより計測することができる。中間体とライトエンドにおけるこの変化は可塑化エステル中の不純物を酸触媒により加水分解したためと考えられる。さらに、酸性度の強い濾過助剤及び/又は吸着剤を用いたとき、処理された可塑剤が不快な臭気を持つ傾向にあることを見つけた。我々はまた、生のエステルを(米国特許5,880,310での二酸化炭素を吹き込んだ後水酸化ナトリウムで中和するのとは反対に)炭酸ナトリウムで中和する工程において、中和と加水分解に続いて活性炭でエステルをを処理することにより、可塑化エステルのリキッド体積抵抗率が顕著に改善されることを見つけた。これは特にCからC13のアルコール、特にCからC13のフタレートジエステルから誘導される可塑剤の場合であり、我々は、C10からC13のフタレートジエステルが、特に、電線及びケーブルの絶縁のような電気的用途に役に立つ合成物の製造に使われるポリ塩化ビニルの可塑剤として有効であることを見つけた。イソC13フタレートは、自動車のフード下での配線のような、高温雰囲気で特に便利である。さらに、我々は、可塑剤が不快な臭気を持つ程度とライトエンド及び可塑剤のカルボニル数との間に相関関係があることを見つけた。
本発明によれば、カルボニル数が0.2mgKOH/g未満で、ライトエンド含有量が1000ppm wt未満で、リキッド体積抵抗率が、
i) ジアルキル基がジ・2・エチルヘキシルの場合は、0.3×1012ohm・cm以上
ii)ジアルキル基がジイソノニルの場合は、0.6×1012ohm・cm以上
iii)ジアルキル基がジイソデシルの場合は、1.35×1012ohm・cm以上
であることを特徴とするジアルキルフタレートが提供される。
一実施の形態において、本発明は、
i)LVRが0.3×1012ohm・cm以上
ii)ライトエンドの割合が1000ppm wt未満
iii)カルボニル数が0.2mgKOH/g未満
である、ジ・2エチルヘキシルフタレートが提供される。
ジ・2エチルヘキシルフタレートのLVRは、0.5(×1012ohm・cm)以上であることが好ましく、0.8(×1012ohm・cm)以上であることがより好ましく、1.0(×1012ohm・cm)以上であることが特に好ましく、1.1(×1012ohm・cm)以上であることが更に好ましい。
他の実施の形態において、本発明は、
i)LVRが0.6×1012ohm・cm以上
ii)ライトエンドの割合が1000ppm wt未満
iii)カルボニル数が0.2mgKOH/g未満
である、ジイソニルフタレートが提供される。
ジイソニルフタレートのフタレートのLVRは、0.7(×1012ohm・cm)以上であることが好ましく、1.0(×1012ohm・cm)以上であることがより好ましく、1.5(×1012ohm・cm)以上であることが特に好ましく、2.0(×1012ohm・cm)以上であることが更に好ましい。
更に他の実施の形態において、本発明は、
i)LVRが1.35×1012ohm・cm以上
ii)ライトエンドの割合が1000ppm wt未満
iii)カルボニル数が0.2mgKOH/g未満
である、ジイソデシルフタレートが提供される。
ジイソデシルフタレートのLVRは、1.4(×1012ohm・cm)以上であることが好ましく、2.0(×1012ohm・cm)以上であることがより好ましく、2.5(×1012ohm・cm)以上であることが特に好ましく、3.0(×1012ohm・cm)以上であることが更に好ましい。
上記フタル酸塩は今まで知られておらず、またフタル酸塩可塑剤製造分野で手に入れることもできなかった。
カルボニル数が0.2mgKOH/gが以上である場合は、ライトエンド含有量がどうであろうと、不快な臭気を有すると考えられる。カルボニル数は、0.2より十分小さい、例えば0.1以下が好ましく、ほぼゼロであることが最も好ましい。
フタル酸エステルは、ライトエンドの含有量が600ppm以下であることが好ましく、500ppm以下であることがより好ましく、200ppm以下、例えば30から150ppmのように20から170ppmの間にあることが最も好ましい。これとは独立してエステルは、中間体の程度が750ppm以下であることが好ましく、500ppm以下であることがより好ましく、250ppm以下のように300ppm以下であることが最も好ましい。エステルは、1000ppm以下のライトエンドと中間体の結合量を有することが好ましい。ここで表したppmはすべて重量基準で示されている。ppm wt値の基準は、ppm値が関係するフタル酸エステルと汚染物質 (ライトエンド及び/又は中間体)のトータル重量である。
「ライトエンド」と「中間体」の用語は、当業者にはよく分かっており、「ターゲットエステル」のガスクロマトグラフィーのスペクトラムにおけるピークのグループで表し、それぞれ明確に区別でき、ターゲットエステル自身の対応するピークから明確に区別できる。ライトエンドは、エステルの親アルコールが溶出する領域に現れるピークのグループにより表される。ターゲットエステルは、主ピークの肩部にみられる小さなピークも含めて、ターゲットエステルのピークの特徴により表現される。中間体は、ライトエンドとターゲットエステルとの間の領域にあるピークのグループにより表現される。
製造したサンプル中のライトエンドと中間体の量の計算を容易にするために、我々は、内部標準を導入することを選択し、このような内部標準としてn−ヘキサデカンを選んだ。これにより、中間体(又は「二量体」)領域からライトエンド(又は「一量体」)領域を描き、ライトエンドと中間体のレベルの正確な定量化が可能となる。この利便性は、工業的に重要なフタル酸エステル系可塑剤のスペクトルのほとんどに適用できる。DIDPよりきわめて低いか又は高い分子量のフタル酸塩に対しては、必要に応じて便宜上異なった内部標準を用いてもよい。本発明の対象である全ての分子量の可塑化エステルに対して、ライトエンドと中間体とターゲットエステルとの識別は明確である。我々の研究結果によれば、例えば、ターゲットエステルとしてブチルオクチルフタレートを製造するために用いるCアルコールとCアルコールのような大きく異なる分子量のアルコールからなるアルコール混合物を母体として製造されたようなフタル酸エステルについては、GCスペクトラムにおけるこのような識別性、従ってライトエンドと中間体との容易な識別性、を失う危険性がある。しかし、このような産品は、本発明の範囲には含まれない。
更なる本発明の実施の形態によれば、
(i)6から13の炭素原子を具備するアルコールを有する酸又は無水物をエステル化し、生のエステルを形成するステップと、
(ii)塩基により前記生のエステルを処理し、処理したエステルにするステップと、
(iii)液体生成物を分離するために前記処理したエステルを濾過するステップと、
(iv)ストリッピングされた材料を製造するために前記液体生成物をストリッピングするステップと、
(v)前記ストリッピングされた材料を吸着剤で処理するステップと、
(vi)可塑化エステルから吸着剤を除去するために、随意的に濾過助剤の存在下で、ステップ(v)の産品を濾過するステップと、
を具備する、可塑化エステルの製造方法が提供される。
更なる本発明の実施の形態において、pHが6から11の範囲の、エステルと吸着剤の混合物を形成するステップと、この混合物を実質的に濾過するステップとを具備する、可塑化エステルを精製する方法が提供される。
前記pHは、イオン除去を行なった300グラムの水に30グラムの処理物質をスラリーにし、室温で15分間撹拌する。この水は逆浸透を用いてイオン除去を行ない、続いて、Hイオン交換樹脂とOHイオン交換樹脂により、導電率が8から11マイクロシーメンス/cmとなるまで、洗浄(polishing)した。この混合物は2枚のマシナリー&ナジェル(Macherey & Nagel)MN616フィルター紙により2度濾過される。次いで、フィルターのpHを、pH4.00とpH7.00とpH10.00の緩衝溶液により校正したメトローム(Metrohm)6.0202100電極を持つメトローム(Metrohm)691pH計により測定した。
前記方法の好ましい実施の形態において、前記吸着剤は、活性炭を具備し、前記混合物は、pHが6から11の濾過助剤を具備する。濾過助剤のpHも、前記吸着剤について説明したようなイオン除去を行なった水に10wt%の濾過助剤をスラリーにしたものを用いて測定する。
更に他の側面によれば、本発明は、可塑化エステルの濾過による精製において、活性炭と濾過助剤の混合物の使用が提供され、ここで前記活性炭と濾過助剤はそれぞれ6から11の間のpHを有する。
可塑剤の他の重要な特性は、光学的に透明であり、時間の経過により可塑剤の透明性を劣化させる不純物の存在により影響を受ける可能性があることである。我々は、アルカリによる触媒中和時に存在する酸の塩が形成されることが、透明性の劣化の原因のひとつであることを見つけた。例えば、炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウムで少量のフタル酸を含むフタル酸エステルを中和した結果、又は、モノエステル又はその塩から、フタル酸水素ナトリウムが形成される。これらの化合物は、極性を持ち、イオンに分離することができるので、可塑剤のLVRの減少につながる。我々は、本発明の精製工程によれば、長期間の保存中に透明性の劣化が起こる可能性もまた減少させることが分かった。
本発明の工程で用いられる酸又は無水物は、有機物であることが好ましい。エステル化反応に使われる有機酸又はその無水物には、例えば、安息香酸で代表される芳香族モノカルボキシル酸、葉酸;フタル酸や無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメシン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、及び無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸のような多塩基の芳香族カルボキシル酸又はその無水物;アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸及びクエン酸のような多塩基脂肪族のカルボキシル酸;マレイン酸、フマル酸のような多塩基不飽和脂肪族のカルボキシル酸が含まれる。さまざまなフタル酸又は無水フタル酸が好ましい。
エステル化反応に用いられるアルコールの例として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、ノルマル−ペンタノール、イソペンタノール、ノルマル−ヘキサノール、イソ−ヘキサノール、ノルマル−ヘプタノール、イソ−ヘプタノール、ノルマル−オクタノール、イソ−オクタノール、2エチルヘキサノール、ノルマル−ノニルアルコール、イソ−ノニルアルコール、ノルマル−デカノール、イソ−デカノール、2プロピルヘプタノール、ノルマル−ウンデカノール、イソ−ウンデカノール、ノルマル−トリデカノール、イソ−トリデカノールのような一水酸基の飽和脂肪族アルコール、及び、エチレン・グリコール、プロピレン・グリコール及びその二量体、三量体及び四量体のような多水酸基の脂肪族アルコールが含まれる。このアルコールは、必要に応じて組み合わせて用いてもよい。CからC13のアルコールを採用するのが好ましく、CからC11までのアルコール、特にC10及びC11のアルコールは、電線やケーブルの被覆のような電気的用途に用いられるポリ塩化ビニル製品に使われる可塑化エステルの製造に適する。
エステル化反応には、有機金属化合物触媒を用いることが好ましい。その例として、テトラ‐イソプロピルチタネート、テトラ‐n−ブチルチタネート、あるいはテトラ‐イソ‐オクタルチタネートのようなアルキルチタネート、又は、エステル化反応温度で触媒作用を呈する、シュウ酸スズ、オクタン酸スズ,マイレン酸スズ、のような有機スズが含まれる。
本製造工程の一実施の形態によれば、エステル化反応は、有機酸又はその無水物にアルコールを加え、その混合物を、好ましくは150℃から220℃で1〜4時間、形成された水を除去しつつ、不活性ガス雰囲気中において有機金属化合物触媒の存在下で反応させることで行なわれる。反応時間は、蒸気時間範囲の短い側、例えば1.5時間から2時間、最適には1.5時間以下が好ましい。塩基と水を、好ましくは塩基水溶液の形態で、反応後の溶液に加え未反応の酸及び/又はモノエステルを中和し、触媒を加水分解する。特にこの処理が塩基水溶液で行なわれた場合、生のエステルを塩基で処理した後濾過する前に遊離水を除去することが好ましい。好ましい塩基には、アルカリ金属塩、特に、炭酸ナトリウムのようなナトリウム塩や、例えば水溶性水酸化ナトリウムとかの水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物のようなナトリウム塩が含まれる。余剰アルコールは、一般にストリッピング(これは、アルコールと水と他の軽量物質を除去する)により回収され、できたエステル産品は可塑剤を得るために精製される。
可塑化エステルを精製するとき固形物を取り除くため最終濾過を行なうことを示唆するWO94/17028とは異なり、本発明における精製エステルの製造における精製では、少なくともライトエンド及び/又は中間体を除去する吸着剤を用いるが、ライトエンドや不快な臭気を広範囲に生み出す副生成物の加水分解に対する触媒作用は行わない。吸着剤によりこの処理の後、吸着剤を除去するために濾過助剤の存在下で濾過を行なう。一実施の形態においては、吸着剤もまた濾過助剤となる。つまり、1つの物質がストリップされた材料の処理に使われ、それがまた最終濾過ステップをも容易にさせる。本発明の好ましい実施の形態においては、濾過助剤と吸着剤を組み合わせて可塑化エステルに添加し、この例では濾過助剤は吸着効果をも持つ。精製は一般に、吸着剤と場合によっては(異なった)濾過助剤を含んだ可塑剤をそこからフィルターに送る、撹拌ドラム内の可塑化エステルに吸着剤と濾過助剤(ここで、吸着剤は必ずしも濾過助剤ではない)とを加えることにより行なわれ、フィルターは、場合によっては、例えば木粉又はパーライトのような適当なプレコーティング材でプレコートされたフィルター布を備えたキャンドルフィルターが好ましく、吸着剤と、場合により濾過助剤とが、フィルター上に保持され、濾過されて精製されたエステルが得られる。先に説明したように、吸着剤はまた濾過助剤としての役割も果たす。
我々は、求める高いLVRを取得し、ライトエンドや臭気を生じる物質や好ましくないカルボニル基を含む化合物の精製を避けるために、吸着剤の適切な選定と、濾過助剤が使われている場合はその濾過助剤の適切な選定と、精製条件の適切な選定とが重要であることを見つけた。加えて、我々は、本発明を採用すると、可塑剤によるヘイズの形成が減る傾向がでてくることを発見した。重要な基準は濾過助剤と吸着剤のpHである。我々は、両方の材料のpHが6と11の間でなければならず、6と9の間が好ましく、5〜20wt%で測って6.5と8.5の間がより好ましく、減イオン化水中で10wt%の材料のスラリーが好ましいことを見つけた。濾過助剤が使用されているときの粒径も性能に関係する。一般に粒径が小さければ小さいほどよい。考慮しなければならない他の基準には、吸着剤の粒径分布、内表面積、微細孔サイズ、及び微細孔の容積が含まれる。
処理時間、処理の影響が及んでいる期間における温度、及び撹拌の程度も、本発明の範囲であり、精製に影響を及ぼすことが分かっている。
濾過助剤及び吸着剤として有用であることが分かった材料の例として、アタパルガイト又はフラー土、モンモリロナイト、カオリナイト、及びモスコバイトで構成される、漂白土、ベントナイト又は活性粘土がある。効率に影響を与える粘土の特性には、鉱物、粒径分布、表面酸性度、及び熱活性の程度が含まれる。熱活性が、表面積、微細孔の容積、湿分量、及びカチオン交換能力を定める。製品例としてEngelhard Attasorb(商標)アタパルガイト、ともにアメリカの自動車レース用油除去剤会社製であるPure−Flo(商標)B80ナチュラル及びPure−Flo(商標)B85/20、TONSIL 3191FF(Sud−Chemie AG)、VOLCANSIL RN−70及びVOLCANSIL D.E./11(ともにBentonitas Especiales,S.A.)、及びfrieTON frieBEがある。特に我々は、ドイツの、Friedland clay by Friedlander Ton−Industriegesellschaft mbHで製造されたfrieBEを推奨する。これは一般に以下の構成と特性を有している。
代表的な化学成分(重量)
Si0 59.0% MgO 2.1%
Al 19.5% CuO 0.5%
Fe 6.9% Na0 0.9%
Ti0 1.0% K0 3.1%
代表的な鉱物成分(重量)
50% 膨張混合層鉱
12% カオリナイト
12% モスコバイト
20% 石英
<6% 長石、カーボネイト
代表的な粒径分布
>75%<40μm
含水分: 約5%
pH: 8.3
表面積: 185m/g
微細孔の容積: 0.30(cm/g、N吸収により計測)
もう1つの好ましく有効な製品は、Sud−Chemie AGからTERRANA(商標)510の名で入手可能であり、カルシウムベントナイトを熱活性させることにより製造された天然漂白土である。TERRANA510もfrieTONfrieBEも共にモンモリロナイトである。
我々は、吸着剤として活性炭を用いることを選定し、以下の一般的な特性を有する、蒸気による活性炭であるNorit SA 4Gとして工業的に入手可能な製品を用いることを推奨する。代わりの等級としてSA 4 PAHとSA 4 PAH−HFとがあり、これらは同様な活性炭であるが濾過特性に違いがある。

糖蜜番号(Molasses number)(EUR) 525 最大580
メチレンブルー吸収 11g/lOOg
ヨード価(ASTM D4607) 700 mg Iodine/g carbon
全表面積(B. E. T.) 800m/g
水分(梱包時) 2mass%(最大10mass%)
灰分 8mass%
塩素(酸抽出法) 0.04mass%
pH アルカリ
見掛け密度(タンプ法) 545kg/m
粒径D10 4μm
粒径D50 32μm
粒径D90 180μm

イオンを除去したpH5〜6の水を用いてNorit SA 4GのpHを計測した結果は10であった。
精製すべき可塑化エステルの重量の0.01から10wt%、例えば0.01から5wt%の吸着剤又は吸着剤と濾過助剤の組み合わせを用いることが好ましい。更に好ましくは0.02から2wt%の、最も好ましいのは0.03から0.1wt%、特に0.04から0.3wt%のものを用いることが好ましい。実施例において、濾過助剤と吸着剤、例えば活性炭とは異なる材料であり、これらは、処理のステップ(v)と(vi)でエステルに別々に加えられる。しかし、両方の材料をステップ(v)で、好ましくは混合物として、加えることが好ましい。この場合、例えば混合物は90から30重量部の濾過助剤と10から70重量部の吸着剤とを含有する。この混合物は70から30重量部の濾過助剤と30から70重量部の吸着剤とを含有することが好ましい。さらにはこの混合物が60から40重量部の濾過助剤と40から60重量部の吸着剤とを含有することがもっと好ましい。最も好ましいのは、混合物が、45から55重量部の吸着剤、従って、55から45重量部の濾過助剤を含有することである。コスト上の理由から、吸着剤の含有量は少ないほうが好ましいが、吸着剤の量が少なくなるにつれて、効率も下がる。従って普通は、混合物中に少なくとも30重量部の吸着剤を用いることが好ましい。しかし、濾過助剤自身に特別な効果があるときは、吸着剤例えば活性炭を、例えば、混合物の10、15、又は20重量部に減らし、従って濾過助剤を混合物の90、85又は80重量部とすることもできる。
我々は、混合物を使うことは、紫外線に対する可塑剤の安定性を改善する上でさらなる利点があることを発見した。これは、日光、特に直射日光に長くさらされる場所での電気絶縁に用いるポリ塩化ビニル形成品に使う可塑剤には特に重要である。ライトエンドと臭気源の濃度を低くすることも、製品が宇宙船、飛行機又はトラックの運転席、自動車の車内又は温室のような閉ざされた空間で用いられる場合は、重要である。混合物が濾過助剤と吸着剤とを用いそれらが異なるとき、これらを別々に可塑化エステルに加えてもよいが、精製容器における単一の注入位置を用いて注入することができるので、これらを混合物にして加えたほうが好ましい。
吸着剤及び/又は濾過助剤を、撹拌を強化するためにバッフルを随意的に設けた撹拌容器を経由して連続的に流し込むことで、可塑剤に添加することが好ましい。
好ましい吸着剤による処理は、可塑化エステルの性質と吸着剤及び/又は濾過助剤の性質による。しかし、この処理は、20から180℃の温度範囲で行なわれることが好ましく、50から150℃の範囲がより好ましく、80から120℃の範囲例えば80から115℃の範囲、特に90又は100から110℃の範囲が最も好ましい。特に、CからC13のジアルキルフタレートの処理に用いる場合、80から120℃の範囲、例えば80から115℃の範囲の温度が特に有用であることが分かった。処理は、処理ドラム中で可塑剤と共に滞留する時間が少なくとも1時間、例えば1から8時間、好ましくは1から2時間であることが好ましい。
本発明について以下の実施例を参照して説明するが、全ての試験は、本発明の(i)から(iv)のステップに従い製造された、ストリッピングされた可塑剤に対して行なった。
Tettex Instrumentsからの液体の電気絶縁材、タイプ2905に対しては、ヒューレットパッカードの抵抗計HP4329Aを用いて、パイロットセルでLVRを測定した。測定するセルとサンプルは、セルとサンプルが同じ温度になるよう雰囲気が制御され、計測がなされる部屋で、一晩保存された。計測を行なうためのセルを少なくとも2回計測する製品により洗浄し、再びその製品を充填した。セルに500Vの直流電圧を120秒間加え、その後抵抗率を計測した。+/−0.1℃の精度で可塑剤の温度を測定するためにサンプルのボトルに温度計を挿入した。セルから排出しセルを空にして二回目の計測のために再度充填した。もし二回の計測値が近似していない、すなわち10%以内になってない場合は、セルが十分洗浄されていないと推定された。このような場合、続く計測値が近似するまでこの手順を繰り返した。計測値は十分近似する最後のいくつかの計測の平均値に近づく。LVRは非常に温度に依存するので、計測結果は標準温度で記録した。記録した値は以下の補正式を適用することにより20.0℃の標準温度に対応する計測値を計算することにより算出した

20℃の記録値=T℃における計測値*{(1.05)exp(T−20.0)}
カルボニル数は、ISO1843に基づいて、オキシムを形成するサンプルと塩化ヒドロキシルアンモニウムとのカルボニル反応に続き、塩酸とテトラ‐n‐ブチル水酸化アンモニウムによる電位差滴定により測定した。詳細な手順は以下の通りである。
塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液は、20.00gの塩化ヒドロキシルアンモニウム[Merck 4616]を100gの蒸留水に溶かし、さらに1000.0mlまでエタノールで薄めて作った。+/−0.1mgの精度で計測した約30グラムの重量の可塑剤を試料としてこの塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液の入った平底フラスコに入れた。さらに、10.00mlの塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液のみが入ったフラスコを準備した。次いで、200mlの蒸留水と800mlのエタノールで作った25mlの溶液を各平底フラスコに加えた。還流クーラを各フラスコにつなぎ、加熱時間も含めて45分間溶液を沸騰させた。還流クーラをつないだままで、フラスコを加熱マントルから外し、そのフラスコを15分間冷やした。次に10mlのエタノールをフラスコに入れて各還流クーラを洗浄し、そして、エタノールを用いて洗浄および100mlまでトッピングするために、フラスコの中身を定量的に250mlプラスチックのビーカーに移した。プラスチックのビーカーの中身を2−プロパノール/メタノール[Merck 9162]中の0.1000Nのテトラ‐n−ブチルアンモニウム水酸化物(TBAH)の溶液で電位差滴定した。この目的のために我々は、メトローム(Metrohm)サンプルチャンジャー674を有するメトローム(Metrohm)チトロプロセッサー670(titroprocessor670)と、20.00mlのビュレットを有するメトローム(Metrohm)ドシメート665(Dosimat665)を用いた。電極として、我々は、メトロームプラチナ電極6.0302.110、メトローム銀塩化銀参照電極6.0729.110、およびメトローム分離型pHガラス電極6.0130.100を用いた。
(mlで)滴定された容積のTBAHV1およびV2は、サンプルとブランクのそれぞれの滴定における変曲点で規定される。カルボニル数は、サンプルのmgKOH/gで表され以下のように計算される。
(V1−V0)*56.1*0.1000 N
カルボニル数=------------------------------------------------------
グラム単位のサンプル重量
ライトエンドと中間体の含有量は以下のガスクロマトグラフィーにより測定した。すなわち、0.1mgの精度で計った約3gの可塑剤サンプルを、10μlの注射器を用いて10mlのガラス瓶に入れ、内部標準として(濃度:0.773)、5.0μlのC16炭化水素を加えた。次いで、このガラス瓶にスナップキャップで蓋をした。ガラス瓶中の液体がスナップキャップのセプタムと接触しないようにしながら、ガラス瓶中の混合物を均一になるまでよく振って混ぜる。ここで、内部標準の濃度が可塑剤サンプルの重さで割って加えられた標準(3.865mg)の重さとなる。分析器は直接注入のHP6890シリーズガスクロマトグラフィーを用いた。カラムはHP-1(架橋メチルシリコンガム、内径0.53mm、長さ30m、フィルム厚さ0.88μm)とした。分析試験の条件は以下の通りである

オーブン温度: 8℃/分の割合で100℃から320℃まで上昇させ、さらに25分間一定に保つようプログラムした
注入器: 温度:300℃
圧力:77.2kPa(G)ヘリウム雰囲気
キャリアガス: ヘリウム、流量14ml/minに制御(100℃にて)
FID検出器: 温度:320℃
流量:35ml/min
空気流量:350ml/min
検出器補充ガス(ヘリウム):11ml/min(100℃にて)
サンプルサイズ:0.1〜0.2μl
図2は、典型的なDIDPのGCスペクトラムを示し、横軸Tは分単位の時間(スパン27分)、縦軸Rはミリボルト単位の応答(スパン250mV)を示す。スペクトラムは、可塑剤自身のフィンガープリント(Cで示されている)及びノルマルヘキサデカン(C16)の内部標準ピーク(Dで示されている)以外に、2つのピークのグループがあり、
‐C標準の前に溶出したピークのグループとしてライトエンドが示されている。これらは、オレフィン、パラフィン、アルデヒド、アルコール、蟻酸塩、フタリド、及び、フタル酸からなり、図2でAで示されていて、
‐中間体は、n−C16の内部標準ピークと可塑化エステル自身のピークの間で溶出したピークのグループで示される(滞留時間は8分以上であるが可塑剤よりも短い)。これらは、ジアルキルエーテル、ヘミカセタール(hemicacetals)、ベンゾアート、及びその他のエステルからなり、図2でBで示されていて、
ライトエンドの濃度は、以下の式によりスペクトラムから得られる、
ライトエンド領域×C16のwtppm
ライトエンドppm=-----------------------------------------------
領域C16

ここで、「C16のwtppm」はサンプル中のノルマルヘキサデカン標準の濃度であり、ppm重量で表され、「ライトエンド領域」は、図2のAで示された領域のライトエンド成分を構成するすべてのピークの領域の合計であり、「領域C16」はノルマルヘキサデカンのGCスペクトラムの内部標準ピークである。
中間体の濃度は図2のBで示された領域ピーク領域を積算することで同様に求められる。
表1に示した物資を別々に電磁撹拌器上のガラスビーカーに入れ、撹拌しながら100℃まで加熱した。この温度に達したとき、表1に示した処理剤又は混合物をこのビーカーに入れた。使った処理剤又は混合物の量は常に、ビーカー中の液体量の相対重量比が5%となるようにした。1分後、表1に示した処理時間を開始させた。処理の後、撹拌を停止しビーカーの中身を直ちに濾過した。サンプルは2回濾過し、ブフナー漏斗に毎回2層のフィルター紙(Machery & Nagel MN616)を使った。フィルター漏斗を置いたフィルターフラスコを真空引きすることで濾過を補助した。
濾過されたサンプルをガラスボトルにいれ、室温まで冷やした。LVR値は次の日に計測した。GCと臭気テストも行なった。テスト結果は表1にまとめた。実験は3つのグループについて行なった。各グループの全ての実験において同じ出発物質を使った。出発物質の特性は表1の各グループの最初の行に示した(処理剤又は混合物が「None」で示されている)。表1の最後の欄に、「全軽質成分」としてライトエンドと中間体を合わせたwtppmを示した。
表1において、
‐使われたNoritはNorit SA4Gであった
‐frieBEとNorit SA4Gの成分は後述の通りである
‐Tonsil314はトンシル標準の314FF高活性漂白土であり、Sud−Chemie AGとして市販され、天然カルシウムベントナイトを酸で活性化して作られる
‐Ton 02/BはGalleon Earthであり、Ashapura Volclay Limitedから入手可能な酸活性粘土であり、高純度のモンモリロナイト粘度(ベントナイト)を硫酸で処理して作る。
‐DINP=ジイソノニルフタレート
‐DOP=ジオクチルフタレート(ここで、ジオクチルとはジ−2−エチルヘキシルのことである)
‐臭気表示は
−=臭気なし
+=僅かな臭気
++=強い臭気
+++=非常に強い臭気
である
Figure 0005654937
表1の結果から、粘土(frieBE, Ton02/B, Tonsil314) だけの処理では、LVRを改善するが、ライトエンドの濃度の増大及び/又はカルボニル数の増大と結びつき、臭気を生じさせることが分かる。活性炭のみ(Norit)の処理ではこのような欠点もなくLVRを改善する。さらにライトエンド及び/又はカルボニル数の減少も示しているが、経済性に乏しく濾過が難しい。濾過助剤(frieBE/Norit)としての粘土と活性炭との混合物のほうがろ濾過が容易でLVRの大きな改善が得られる。90/10の比率の粘土/活性炭混合物では、少しの臭気が生じ、50/50の比率の混合物では、臭気のない産品ができた。
ジイソデシルフタレート(DIDP)の種々のサンプルを、図1に示す容器内で1時間、0.2wt%の特定の処理試薬又は混合物で処理した。容器は、直径Dが300mm、高さHvが400mmの垂直な円筒である。容器の内側には、容器の内壁と5mmの隙間を持たせて壁に垂直に、25mm幅の4枚のバッフルがそれぞれ90度の角度で取り付けられている。バッフルは高さHBが300mmである。液面の高さHLは常に295mmだったので、容器中の液の体積は概ね20.85リットルになる。
インペラ3は、(LIGHTNIN製の)A310型が容器の中身をかき混ぜるために用いられた。インペラ3は、容器の底からC=D/4=75mmの高さに容器の軸に沿って取り付けられている。インペラを駆動するモータはHeidolphの743.00型で、30Wの出力のものであった。測定されたインペラ速度は335rpmであった。
容器は、3個の電熱ジャケットを装備し、制御箱により温度が制御される。容器は、ブランケッティング窒素入力用継ぎ手4、サンプリングライン5、及び容器の排液用継ぎ手6を具備している。
ストリップされたDIDPで容器を満たし、ブランケッティングのために一定流量の窒素を流した。撹拌は335rpmの速度で行なった。容器の内容物を105℃まで加熱し、その後、表2に示した処理試薬又は混合物を容器に加えた。1分後に処理時間を開始した。サンプルを1時間後に取り出し、実施例1に記載した通りに直ちにに濾過した。再び濾過されたサンプルをガラスボトルにいれ、室温まで冷やした。LVR値は次の日に計測した。このサンプルについてGCも行なった。テスト結果は表2a及び2bにまとめた。
表2a及び2bにおいて、表1にも記載されている材料については、表1の説明に記載がある。表2a及び2bにおいて初めて説明する材料において、
‐Tonsil412とTonsil4121FFは、Sud−Chemie AGの高活性漂白土であり、カルシウムベントナイトを酸で活性化し、それぞれ5wt%の活性炭、及び、10wt%の活性炭を混ぜることで作られる
‐先に説明したとおり、NoritはNorit SA4Gである
‐Bent Actigelは、酸活性化したベントナイトと活性炭との混合物である漂白剤であり、BENSAN Activated Betonite Companyから入手可能である
‐Suprefast FF EXは、酸活性化したベントナイトである漂白剤であり、BENSAN Activated Betonite Companyから入手可能である
‐Norit SA 4 PAHは蒸気活性化した炭素粉末で、食用油脂の漂白のために開発されたものである。ココナツ油やひまわり油のような油からポリサイクリックアロマティック炭化水素(PAH)を除去するのに適している
‐Tonsil 3191 FFは、Sud−Chemie AGから購入可能であり、カルシウムベントナイトを適切な方法で処理することにより作った天然活性漂白土である。ベントナイトの主成分は鉱物モンモリロナイトであり、アルミナに対する珪酸の比率が4:1になっているアルミニウムハイドロシリケートである
‐Volcansil RN−70とVolcansil D.E./11は、水酸化されたアルミニウム‐マグネシウムシリケートであり、アルミニウム‐マグネシウムシリケート又はフラー土とも呼ばれていて、BENESA, Bentonitas Especiales. S. A.から入手可能である。この材料は、カルシウムベントナイトであると考えられ、酸活性化されていない粘土である。2つの材料は似た物理化学的特性を持ち、主として粒径分布が異なる。これらはオリーブ油、ワイン、及びビールの処理分野で商業的に用いられる
‐表2a及び2bにおいて、**で示したライトエンド/中間体の欄は、最初の行に「ライトエンド」、次に「中間体」、最後にこれらの合計が小計として記載されている
‐初期DIDPのカルボニル数と、中性又はアルカリ性の試薬で処理したDIDPのカルボニル数とにばらつきがほとんどない。全て0.2mgKOH/g以下でありほとんどがゼロに近い。表2bに示した4つの処理試薬又は混合物を用いて、実施例による方法で処理したDIDPのカルボニル数を表3に示した。
Figure 0005654937
Figure 0005654937
Figure 0005654937
表2a,2b,及び3の結果から、酸性のpHを持つ粘土(Tonsil 4121 FF and 412 FF, Suprefast FF EX)で処理しても、中程度のLVRの改善と中間体の減少をもたらし、ライトエンド成分の増大を伴うことが分かる。アルカリpHで活性炭(Norit)のみの処理で、良好にLVRが改善され、中間体の成分を実質的に損なわずにライトエンド部分を除去することができる。粘土と活性炭の酸性の混合物(20%炭素でのBent Actigel)での処理で、ライトエンド/中間体の削減(ライトエンドは増加し、中間体は減少する)の合計の減少とともに、良好なLVRの改善が得られる。pHがほぼ中性の、粘土(Tonsil 3191 FF, Volcansil RN−70及びD.E./11)又は粘土と活性炭の混合物(Tonsil 314 FFと10%のNorit SA 4G又はSA4PAH)による処理では、良好又はきわめて良好なLVRの改善が得られる。中間体成分はいくらか減少しライトエンド成分は増加するかもしれないが、カルボニル数は増加しない。このような固体混合物での活性炭素の成分を増やすことにより、固体をさらにアルカリ性にするが、きわめて良好なLVRの改善が得られ、カルボニル数は実質的に変化せず中間体成分とライトエンド成分の変化は最小限となる。
実施例2で用いた可塑剤処理容器は実験室規模のものである。工業的な可塑剤精製のための典型的な容器は、例えば、D=4000mmでHv=5400mmの寸法の、長円形の(korbbogen)頭部を持つ垂直円筒ドラムである。このような容器には、幅が333mmで高さが4900mmの4枚の垂直なバッフルが、容器の内壁と55mmの隙間を持たせて垂直壁に対して90度の角度で取り付けられることになるであろう。容器の液面は最大で4800mmとなろう。(これらの高さは底面から円筒に接する線の長さで表現していると考えられる)。容器は、直径1626mmで高さが137mmのHE−3のようなインペラが取り付けられるであろう。底面から接線に沿ったインペラの高さは123mmで、インペラの速度は86rpmとなるであろう。
実施例2で使った可塑剤処理容器の概略図である。 典型的なDIDPのGCスペクトラムを示した図である。

Claims (7)

  1. 電気絶縁用ポリ塩化ビニル組成物に使用するための、ジ・2・エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート又はジイソデシルフタレートから選択されるジC 〜C 10 アルキルフタレートであって、
    カルボニル数が0.2mgKOH/g以下であり、ライトエンド成分が1000ppmwt未満であり、前記ライトエンド成分はガスクロマトグラムにおいて前記エステルの親アルコールが溶出する領域に現れる一量体成分であり、リキッド体積抵抗率(LVR)は、
    i)ジC〜C10アルキル基がジ・2・エチルヘキシルのとき0.3×1012ohm・cm以上であり、
    ii)ジC〜C10アルキル基がジイソノニルのとき0.6×1012ohm・cm以上であり、
    iii)ジC〜C10アルキル基がジイソデシルのとき1.35×1012ohm・cm以上である、
    ことを特徴とするジC〜C10アルキルフタレート。
  2. 中間体成分が750ppmwt未満であり、前記中間体成分はガスクロマトグラムにおいて前記ライトエンド成分とターゲットエステルとの間の領域に現れる成分であることを特徴とする請求項1に記載のフタレート。
  3. ライトエンド成分と中間体成分の混合物が1000ppmwt未満であることを特徴とする請求項2に記載のフタレート。
  4. 生のエステルからアルコールをストリッピング除去するステップと、前記ストリッピング処理されたエステルと活性炭及び/又は粘土を含みpHが6から11の範囲の吸着剤との混合物を形成するステップと、該混合物を濾過するステップとを具備する可塑化エステルの精製方法。
  5. 前記吸着剤は活性炭を具備し、前記混合物はpHが6から11の範囲を持つ濾過助剤を具備することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のフタレート、又は請求項4若しくは請求項5に記載の方法により精製された可塑化エステル、により可塑化されたポリ塩化ビニルを具備することを特徴とする、ポリ塩化ビニルの組成物。
  7. 請求項に記載のポリ塩化ビニルの組成物を、電線及びケーブルの絶縁のために使用する方法。
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