JPH1036319A - エステルの製造方法 - Google Patents

エステルの製造方法

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JPH1036319A
JPH1036319A JP8233013A JP23301396A JPH1036319A JP H1036319 A JPH1036319 A JP H1036319A JP 8233013 A JP8233013 A JP 8233013A JP 23301396 A JP23301396 A JP 23301396A JP H1036319 A JPH1036319 A JP H1036319A
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JP
Japan
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ester
acid
compound
magnesium
molecule
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JP8233013A
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English (en)
Inventor
Maki Matsudou
真樹 松堂
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属イオンの含有量が低く、加水分解による
アルコールや酸などの生成の少ないエステルの製造方法
を提供する。上記に加えて、更に、色相に優れたエステ
ルの製造方法を提供する。 【解決手段】 アルコールと酸とを反応させて得られた
エステル(例、ジイソノニルフタレート)を、分子中に
固体酸と固体塩基とを含む化合物(例、シリカ・マグネ
シア系化合物、例えば、6ケイ酸マグネシウム、3ケイ
酸マグネシウム)と接触させるエステルの製造方法。お
よび、アルコールと酸とを反応させて得られたエステル
(例、ジイソノニルフタレート)を、分子中に固体酸と
固体塩基とを含む化合物(例、シリカ・マグネシア系化
合物、例えば、6ケイ酸マグネシウム)および酸化マグ
ネシムと接触させるエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エステルの製造方
法に関する。更に詳しくは、請求項1または2記載の発
明は、金属イオンの含有量が低く、加水分解物の生成が
少ないエステル可塑剤の製造方法に関し、請求項3記載
の発明は、上記に加えて、更に色相に優れたエステル可
塑剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エステル可塑剤は、プラスチックの可塑
化に広く使用されており、エステル可塑剤のもつ諸特性
が可塑化されたプラスチックの特性に大きな影響を及ぼ
す。例えば、軟質塩化ビニル樹脂を被覆した電線の特性
は、用いたエステル可塑剤の電気特性に負うところが大
きい。例えば、電線からの電力損失を少なくするため
に、被覆に用いる軟質塩化ビニル樹脂には高い電気特性
が要求され、用いるエステル可塑剤の導電性は最小、即
ちエステル可塑剤自体の電気抵抗が大であることが要求
され、このためには、金属イオンが少ないことが必要で
ある。
【0003】また、エステル可塑剤は商品的価値からも
無色であること、酸価が低いことが要求される。エステ
ル可塑剤のこれらの特性が劣ることは、製造原料中の不
純物、反応時や精製時の副生物、または触媒残留物等、
種々の不純物がエステル可塑剤に残留していることを示
すものであり、これら不純物が存在するとエステル可塑
剤の熱安定性が阻害され、ひいては可塑化したプラスチ
ックの熱安定性、電気特性など全てに渡って悪影響を及
ぼす。そのためエステル可塑剤を製造する場合は、使用
する原料として良質のものを使用し、合成を適正な条件
下で行い、更には合成後の精製も綿密に行うことが必要
である。
【0004】このように、エステルの製造においては、
最終製品のエステルに金属イオンが少ないこと、無色で
あること、酸価が低いことなどが要求される。このた
め、アルコールと酸とを酸性触媒や金属化合物触媒の存
在下で反応させて得られたエステルを吸着剤で処理し
て、製造原料中の不純物、反応時や精製時の副生物又は
触媒残留物など、種々の不純物を除去することが行われ
ている。上記吸着剤としては、活性炭;活性白土;酸化
マグネシウム及び/又は酸化カルシウム(特開昭49−
126614号公報、特開昭49−135911号公報
など);アルミナ(特公昭31−4125号公報);活
性白土及び酸化マグネシウムもしくは酸化カルシウム
(特公昭59−38254号公報)などが提案されてい
る。
【0005】しかしながら、上記活性炭の場合は、吸着
が物理吸着が主体であるため、エステル中に残存する金
属イオンなどを除去することができない、という問題が
あった。また、特公昭59−38254号公報などの活
性白土を使用する提案の場合は、物理吸着と静電気吸着
が主体であるため、活性白土とエステル中に残存する金
属イオンとの間でカチオン交換が起こり、その結果、プ
ロトンが放出され、このプロトンによってエステルの加
水分解が起こり、アルコールと酸が生成し、エステルの
酸価が上昇し安定性が低下する、という問題があった。
また、酸化マグネシウム及び/又は酸化カルシウムを使
用する場合は、吸着が静電気吸着のみで起こるため化学
的吸着によるものに比較して金属イオンの除去が不十分
となり最終製品のエステルの体積固有抵抗が小さいとい
う問題、および酸化マグネシウムが水分を吸着して膨潤
し、濾過工程時における目詰まりの原因にもなるという
問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであり、請求項1または2記載の発明の
目的は、金属イオンの含有量が低く、加水分解によるア
ルコールや酸などの生成の少ないエステルの製造方法を
提供することにあり、請求項3記載の発明の目的は、請
求項1または2記載の発明の目的に加えて、更に、色相
に優れたエステルの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のエステル
の製造方法(以下、本発明1という)は、アルコールと
酸とを反応させて得られたエステルを、分子中に固体酸
と固体塩基とを含む化合物と接触させることを特徴とす
る。
【0008】請求項2記載のエステルの製造方法(以
下、本発明2という)は、分子中に固体酸と固体塩基と
を含む化合物が、シリカ・マグネシア系化合物である請
求項1記載のエステルの製造方法である。
【0009】請求項3記載のエステルの製造方法(以
下、本発明3という)は、分子中に固体酸と固体塩基と
を含む化合物に加えて、更に酸化マグネシムと接触させ
る請求項1または2記載のエステルの製造方法である。
【0010】本発明1〜3の適用されるエステルとして
は、アルコールと酸とを反応させて得られるエステルで
あれば、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル樹脂
などのプラスチックの可塑化に用いられるエステル可塑
剤が好適である。上記エステル可塑剤としては、炭素原
子数4〜13の直鎖または分枝を有するアルコールと、
芳香族の酸(無水物も含む)または炭素原子数5〜10
の脂肪酸とを触媒の存在下で反応させて得られるエステ
ルが好適である。エステル可塑剤としては、例えば、ジ
ブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジ
イソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジラ
ウリルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペー
ト、ジイソデシルアジペートが挙げられる。
【0011】上記触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、
燐酸などの無機酸類;トルエンスルホン酸などの有機ス
ルホン酸類;有機アンチモン化合物、有機スズ化合物、
有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物などの有機
金属化合物が挙げられる。
【0012】以下、本発明1について説明する。上記分
子中に固体酸と固体塩基とを含む化合物としては、その
固体酸強度がハメットの酸度関数で表した最高酸強度
(H0 )で−5以上であることが好ましく、例えば、シ
リカ・マグネシア系化合物が挙げられる。シリカ・マグ
ネシア系化合物の組成としては、SiO2 として40〜
95重量%、MgOとして5〜60重量%のものが好ま
しく、SiO2 として80〜90重量%、MgOとして
10〜20重量%のものが更に好ましい。シリカ・マグ
ネシア系化合物としては、例えば、6ケイ酸マグネシウ
ム、3ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。
【0013】本発明1で使用される化合物の粒度は、細
かくなると該化合物をエステルから分離するために濾過
する際に目詰まりし易くなるので、25μm以上が好ま
しく、化合物の比表面積としては、BET比表面積が1
00m2 /g以上が好ましい。
【0014】本発明1のエステルの製造方法は、常法に
より、アルコールと酸とを酸性触媒や有機金属化合物触
媒の存在下で減圧状態で反応させ、反応後、未反応物な
どを中和する為、アルカリを添加して中和、水洗を行
い、さらに、減圧蒸留による脱アルコール、脱水などの
処理を行って得られたエステルを、分子中に固体酸と固
体塩基とを含む化合物と接触させる。
【0015】エステルを分子中に固体酸と固体塩基とを
含む化合物と接触させる方法としては、例えば、処理し
ようとするエステルと該化合物とを混合して接触させた
後、該化合物を濾過して除きエステルを得るバッチ処理
方法;処理しようとするエステルを、該化合物からなる
層を連続的に通過させる連続処理方法が挙げられる。該
化合物からなる層を作成するには、例えば、ロート内に
メンブレンフィルタ−を取り付け、これに該化合物が懸
濁された液を通して液のみを通過せしめ、該化合物から
なる層を残す方法が挙げられる。
【0016】上記製造方法において、分子中に固体酸と
固体塩基とを含む化合物の使用量は、少なくなると金属
イオンを除去する能力が低くなり、多くなると該化合物
を濾過する際の圧力損失が大きくなり濾過能力が悪くな
る。上記バッチ処理方法の場合は、処理しようとするエ
ステル100重量部に対して、該化合物が0.01〜5
重量部が好ましい。
【0017】エステルと分子中に固体酸と固体塩基とを
含む化合物と接触させる際の温度は、低くなるとエステ
ルの粘度が高くなり濾過効率が悪くなり、高くなるとエ
ステル中の残存水分により加水分解が起こり易くなるの
で、50〜95℃が好ましい。
【0018】以下、本発明3について説明する。本発明
3で用いられる、上記分子中に固体酸と固体塩基とを含
む化合物としては、本発明1と同様である。
【0019】本発明3で用いられる、酸化マグネシムと
しては特に限定されず、一般に市販されているいずれも
使用可能である。
【0020】本発明3で使用される化合物の粒度は、細
かくなると該化合物をエステルから分離するために濾過
する際に目詰まりし易くなるので、分子中に固体酸と固
体塩基とを含む化合物は、篩い目が75μmの篩いの篩
い通過率(重量%)が90重量%以下のものが好まし
い。酸化マグネシムについては、後述のように、分子中
に固体酸と固体塩基とを含む化合物に比べて使用量が少
ないので、上記の篩い通過率(重量%)が90重量%を
超えても差し支えない。
【0021】本発明3のエステルの製造方法は、常法に
より、アルコールと酸とを酸性触媒や有機金属化合物触
媒の存在下で減圧状態で反応させ、反応後、未反応物な
どを中和する為、アルカリを添加して中和、水洗を行
い、さらに、減圧蒸留による脱アルコール、脱水などの
処理を行って得られたエステルを、分子中に固体酸と固
体塩基とを含む化合物および酸化マグネシムと接触させ
る。
【0022】上記接触方法としては、例えば、処理しよ
うとするエステルと該化合物および酸化マグネシムとを
混合して接触させた後、該化合物および酸化マグネシム
を濾過して除きエステルを得るバッチ処理方法;処理し
ようとするエステルを、該化合物および酸化マグネシム
からなる層を連続的に通過させる連続処理方法が挙げら
れる。
【0023】上記製造方法において、分子中に固体酸と
固体塩基とを含む化合物の使用量は、少なくなると金属
イオンを除去する能力が低くなり、多くなると該化合物
を濾過する際の圧力損失が大きくなり濾過能力が悪くな
る。上記バッチ処理方法の場合は、処理しようとするエ
ステル100重量部に対して、該化合物が0.01〜5
重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部が更に好まし
い。また、酸化マグネシムの使用量は、少なくなると色
相の改善効果が小さくなり、一方、酸化マグネシムはエ
ステル可塑剤中で膨潤する性質があるため、多くなる
と、処理後の濾過時に濾過フィルターの目詰まりを起こ
し易くなるので、上記バッチ処理方法の場合は、処理し
ようとするエステル100重量部に対して、酸化マグネ
シムが0.001〜0.2重量部が好ましく、0.01
〜0.1重量部が更に好ましい。
【0024】エステルと、分子中に固体酸と固体塩基と
を含む化合物および酸化マグネシムとを接触させる際の
温度は、低くなるとエステルの粘度が高くなり濾過時の
効率が悪くなったり、処理効果が十分発揮され難くなっ
たりし易く、高くなるとエステル中に僅かに残留する水
分によりエステルの加水分解が起こり易くなるので、5
0〜95℃が好ましい。
【0025】(作用)本発明1で使用される分子中に固
体酸と固体塩基とを含む化合物は、固体酸強度が活性白
土に比べて弱いので、エステル中に残存する金属イオン
との間でカチオン交換を起こしにくいため、エステルの
加水分解反応を起こしにくい。また、上記化合物の固体
酸部分と、エステル中に残存する金属イオンとの間でカ
チオン交換してプロトンが放出されたとしても、該プロ
トンがエステルの加水分解反応に使用されるよりも前
に、上記化合物の固体塩基部分と反応するのでエステル
の加水分解反応を起こしにくい。従って、活性白土など
を使用する製造方法よりも、アルコールや酸のような加
水分解反応物の含有量が低いエステルを製造できる。従
って、本発明1で得られたエステルの酸価は低い。
【0026】また、酸化マグネシウムを使用する従来方
法よりも、本発明1の製造方法によると、得られるエス
テルの金属含有量が低くなるが、その理由は以下の通り
と推定される。酸化マグネシムはエステル可塑剤中に残
存している水分と反応し、その一部が水酸化マグネシム
に変化し、それが酸化マグネシムの表面から微細な粒子
となって遊離し、その結果、酸化マグネシムの表面が著
しく活性化されて吸着能力が高まる。また、上記の水分
と未反応の酸化マグネシムにおいても、酸化マグネシウ
ムはマグネシウム原子の電気陰性度が小さいので、酸素
原子の負電荷が大きくなり塩基性が強くなるので、酸素
原子の部分に金属イオンが吸着するものと考えられる。
これらの金属イオン吸着機構は静電気吸着によるため、
金属イオンの吸着力が化学吸着に比較して弱い。一方、
分子中に固体酸と固体塩基とを含む化合物の場合は、静
電気吸着の他に化学吸着も行う為、金属分などの除去能
力が高くなる。
【0027】以下、本発明3の作用を説明する。接触処
理時に活性白土を使用する場合、活性白土は優れた脱色
剤であるため、色相の良好なエステル可塑剤を製造でき
る。しかしながら、上述のように、活性白土は、エステ
ル可塑剤を加水分解し、酸価の上昇を引き起こす。そこ
で、本発明1の分子中に固体酸と固体塩基とを含む化合
物を用いて接触処理すると、上述のように、加水分解が
抑制されると共に、金属イオン含有量については、活性
白土を用いた場合とほぼ同等の低レベルとなり、体積固
有抵抗値もほぼ同等の高レベルとなる。しかしながら、
色相については、分子中に固体酸と固体塩基とを含む化
合物の場合は、化学吸着が主となるので、静電吸着能の
大きい活性白土に比較して、その改善効果が小さくな
る。
【0028】また、表面正電荷の大きい酸化マグネシム
のみを使用すると、色相および酸価については優れたエ
ステル可塑剤が得られるが、体積固有抵抗値の大きいも
のが得られない。その理由は、酸化マグネシムの金属イ
オン吸着機構は、上述のように、静電気吸着によるた
め、化学吸着と比較して金属イオン吸着力が弱くなり、
エステル可塑剤中の金属イオン含有量がより大きくなる
からである。
【0029】本発明3では、分子中に固体酸と固体塩基
とを含む化合物および酸化マグネシムを併用して使用す
るため、金属イオンの含有量が低く、加水分解物の生成
が少なく、色相に優れたエステル可塑剤が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例に基づいて
詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるもの
でない。
【0031】(実施例1)イソノニルアルコールと無水
フタル酸とをテトラブチルチタネート触媒の存在下で反
応させた後、反応後、未反応物などを中和する為、アル
カリを添加して中和、水洗を行い、さらに、減圧蒸留に
よって脱アルコール、脱水処理を行って得られたジイソ
ノニルフタレートを6ケイ酸マグネシウムと接触させ
た。
【0032】具体的な接触方法は以下のようにした。 濾過助剤及び6ケイ酸マグネシウムプリコート層の調
製 まず、図1に示したメンブレンフィルター装置1(増田
理化学工業社製、商品名「オムニポアメンブレンフィル
ター」、フィルターの孔径5μm、ポリ四フッ化エチレ
ン製、フィルターの直径47mm)に、精製ジイソノニ
ルフタレート100gと濾過助剤(ダイカライト・オリ
エント社製、商品名「ダイカライト」、ケイソウ土)
0.847gの混合物を投入し、吸引濾過することによ
り精製ジイソノニルフタレートを抜き出し、メンブレン
フィルター装置1中に濾過助剤の層2を形成した。次い
で、この濾過助剤の層2に、精製ジイソノニルフタレー
ト100gと6ケイ酸マグネシウム(協和化学工業社
製、商品名「キョーワード600BUP−S」、最高酸
強度−3、比表面積550m2 /g)2.209gの混
合物を投入し、吸引濾過することにより精製ジイソノニ
ルフタレートを抜き出し、メンブレンフィルター装置1
中の濾過助剤の層2の上に、6ケイ酸マグネシウムの層
3を形成した。上記フィルターの単位面積当たりの6ケ
イ酸マグネシウム量は0.127g/cm2 となった。
【0033】エステル処理装置の作成 上記のプリコートされたメンブレンフィルター装置1
を、図1に示すように、内部に処理済エステルの受け器
としてビーカー4を備え、排気口5aが真空ポンプ(図
示せず)に接続されたデシケーター5に取り付けた。別
に、滴下ロート7、温度計8、攪拌器9を備え、さらに
胴部にオーバーフロー液の抜き出し口10を備えた、3
つ口フラスコ6を用意し、この3つ口フラスコ6の抜き
出し口10を、上記のメンブレンフィルター装置1の上
方にセットし、抜き出し口10から抜き出された液がメ
ンブレンフィルター装置1に滴下されるように配置し
た。また、メンブレンフィルター装置1内に滴下された
液の温度を測定するための温度計11を取り付けた。
【0034】エステルの処理 上記のように作成されたエステル処理装置の滴下ロート
7に処理しようとする上記のジイソノニルフタレート2
0を連続的に入れてゆき、5ml/分の速度で3つ口フ
ラスコ6に滴下し、オーバーフロー液の抜き出し口10
からジイソノニルフタレート20をメンブレンフィルタ
ー装置1中に滴下し、6ケイ酸マグネシウムの層3及び
濾過助剤の層2に接触させた。デシケーター5の減圧度
を調整することにより、ジイソノニルフタレート20と
6ケイ酸マグネシウムの接触時間を調整し、接触処理済
のジイソノニルフタレート30をビーカー4に取った。
フィルターの単位面積、単位時間あたりの接触ジイソノ
ニルフタレート量を、0.29ml/分/cm2 として
行った。また、接触時の温度は約80℃とした。
【0035】上記接触前のジイソノニルフタレート20
と、接触後メンブランフィルター装置から抜き出された
ジイソノニルフタレート30について、ジイソノニルフ
タレートの沸点よりも低沸点の物質の含有量をガスクロ
マトグラフィー法にて測定し、金属含有量を原子吸光分
析法にて測定(日立製作所社製、偏光ゼーマン原子吸光
分析装置180−80型を使用)し、これらの測定結果
を表1に示した。
【0036】(実施例2)実施例1における、6ケイ酸
マグネシウムの代わりに、3ケイ酸マグネシウム(協和
化学工業社製、商品名「キョーワード630PH」、最
高酸強度−2)を使用したことの他は、実施例1と同様
に操作し、測定結果を表1に示した。
【0037】(比較例1)実施例1の6ケイ酸マグネシ
ウムの代わりに、活性白土(水澤化学工業社製、商品名
「ガレオンアースN3」、最高酸強度−8.2)を使用
したことの他は、実施例1と同様に操作し、測定結果を
表1に示した。表1から分かる通り、低沸点物質が接触
前に比較して大きく増えているが、これはエステルの加
水分解により生成したイソノニルアルコールを主成分と
するアルコール類であった。
【0038】(比較例2)実施例1の6ケイ酸マグネシ
ウムの代わりに、酸化マグネシウム(協和化学工業社
製、商品名「キョーワマグ150」)を使用したことの
他は、実施例1と同様に操作し、測定結果を表1に示し
た。
【0039】(比較例3)実施例1の6ケイ酸マグネシ
ウムの代わりに、水酸化アルミニウム(協和化学工業社
製、商品名「キョーワード200」)を使用したことの
他は、実施例1と同様に操作し、測定結果を表1に示し
た。
【0040】(比較例4)実施例1の6ケイ酸マグネシ
ウムの代わりに、Al2 Mg6 (OH)16CO3・4H
2 O(協和化学工業社製、商品名「キョーワード50
0」)を使用したことの他は、実施例1と同様に操作
し、測定結果を表1に示した。
【0041】(比較例5)実施例1の6ケイ酸マグネシ
ウムの代わりに、スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂
(オルガノ社製、商品名「アンバーリスト15」)を使
用したことの他は、実施例1と同様に操作し、測定結果
を表1に示した。表1から分かる通り、低沸点物質が接
触前に比較して大きく増えているが、これはエステルの
加水分解により生成したイソノニルアルコールを主成分
とするアルコール類であった。なお、スチレン系強酸性
陽イオン交換樹脂を比較例に挙げた理由は、該交換樹脂
が不純物を全く含んでいない固体酸であるため、化合物
中の不純物の影響で加水分解が起こっているのではない
ということを証明する為と、酸強度が強い化合物では加
水分解が起こってしまうことの証明のためである。
【0042】(比較例6)実施例1の6ケイ酸マグネシ
ウムの代わりに、活性炭(武田薬品工業社製、商品名
「白鷺C」)を使用したことの他は、実施例1と同様に
操作し、測定結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】(実施例3)イソノニルアルコールと無水
フタル酸とをテトラブチルチタネート触媒の存在下で反
応させた後、反応後、未反応物などを中和する為、アル
カリを添加して中和、水洗を行い、さらに、減圧蒸留に
よって脱アルコール、脱水処理を行ってジイソノニルフ
タレートを得た。
【0045】得られたジイソノニルフタレート100重
量部に対して、6ケイ酸マグネシウム(協和化学工業社
製、商品名「キョーワード600S」、篩い目75μm
の篩い通過率80重量%、比表面積150m2 /g)
0.76重量部および酸化マグネシム(協和化学工業社
製、商品名「キョーワマグ150」、篩い目75μmの
篩い通過率99.7重量%)0.04重量部を加えて、
85℃で30分間攪拌処理した後、5種C濾紙にて濾過
を行い、濾液について、色相、酸価、体積固有抵抗、ガ
スクロマトグラフ測定によるアルコール含有量の測定を
行った。なお、色相測定は、アメリカ公衆衛生協会(A
PHA)法に準じて行い、酸価および体積固有抵抗の測
定は、JIS K 6751(フタル酸エステル試験方
法)に基づいて行った。これらの測定結果を表2に示し
た。
【0046】(実施例4〜9、比較例7)ジイソノニル
フタレート100重量部に対する、6ケイ酸マグネシウ
ムおよび酸化マグネシムの使用量を表2に示したように
代えたことの他は、実施例3と同様に操作し、測定結果
を表2に示した。
【0047】(比較例8)6ケイ酸マグネシウム0.7
6重量部および酸化マグネシム0.04重量部の代わり
に、活性白土(水澤化学工業社製、商品名「ガレオンア
ースN3」、篩い目75μmの篩い通過率70重量%)
0.50重量部および酸化マグネシム0.30重量部と
したことの他は、実施例3と同様に操作し、測定結果を
表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明1のエステルの製造方法の構成
は、上述の通りであり、この方法を用いると、金属イオ
ンの含有量が低く、アルコールや酸などの含有量が低い
エステルを製造できる。本発明2のエステルの製造方法
の構成は、上述の通りであり、シリカ・マグネシア系化
合物を用いるので、この方法を用いると、金属イオンの
含有量が特に低く、アルコールや酸などの含有量が低い
エステルを製造できる。本発明3のエステルの製造方法
の構成は、上述の通りであり、分子中に固体酸と固体塩
基とを含む化合物および酸化マグネシムと接触させるの
で、この方法を用いると、金属イオンの含有量が低く、
アルコールや酸などの含有量が低く、且つ、色相に優れ
たエステルを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エステルの製造装置の構成の一例を示す概略図
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコールと酸とを反応させて得られた
    エステルを、分子中に固体酸と固体塩基とを含む化合物
    と接触させることを特徴とするエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 分子中に固体酸と固体塩基とを含む化合
    物が、シリカ・マグネシア系化合物である請求項1記載
    のエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 分子中に固体酸と固体塩基とを含む化合
    物に加えて、更に酸化マグネシムと接触させる請求項1
    または2記載のエステルの製造方法。
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