JP2003144921A - 脱ハロゲン化触媒及び高純度モノクロロ酢酸の製造法 - Google Patents
脱ハロゲン化触媒及び高純度モノクロロ酢酸の製造法Info
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Abstract
よく脱ハロゲン化できる脱ハロゲン化触媒を提供する。 【解決手段】 パラジウムが担体に0.1〜5重量%担
持され、担持されたパラジウムの70重量%以上が担体
の表面から深さ50μmまでの層に担持されており、且
つ一酸化炭素の化学吸着量が20ml/g−Pd以上で
ある脱ハロゲン化触媒。前記担体として、例えば活性
炭、二酸化ケイ素などが使用できる。担体の形状は、例
えば、(a)直径1〜15mm、長さ1〜30mmの円
柱状、(b)直径1〜15mmの球状、又は(c)外径
1〜15mm、内径0.5〜14mm、長さ1〜30m
mのリング状である。
Description
媒、この脱ハロゲン化触媒を用いたα−ハロカルボン酸
又はそのエステルの脱ハロゲン化方法、及び前記脱ハロ
ゲン化触媒を用いた高純度モノクロロ酢酸の製造法に関
する。高純度モノクロロ酢酸は薬品及び化粧品分野等に
おける基礎化学品の合成原料として有用な化合物であ
る。
はカルボン酸又はそのエステルをハロゲン化することに
より製造されるが、この際対応するα,α−ジハロカル
ボン酸、α,α,α−トリハロカルボン酸やそれらのエ
ステルが副生する。しかし、α−モノハロカルボン酸又
はそのエステルと上記の副生物とは一般に沸点が近似し
ている(例えば、モノクロロ酢酸の沸点が188℃であ
るのに対し、ジクロロ酢酸の沸点は192℃である)た
め、蒸留により両者を分離することは困難である。そこ
で、α−モノハロカルボン酸又はそのエステルと上記副
生物との混合物を、パラジウム触媒の存在下で水素化処
理し、α,α−ジハロカルボン酸又はそのエステル等を
脱ハロゲン化して対応するα−モノハロカルボン酸又は
そのエステルに変換し、それによって純度の高いα−ハ
ロカルボン酸又はそのエステルを得る方法が提案されて
いる。しかしながら、この方法では、目的物であるα−
モノハロハロカルボン酸又はそのエステルの脱ハロゲン
化反応も並行して起こるため、反応の選択性を高めるこ
とが要求される。
工程でモノクロロ酢酸とジクロロ酢酸との混合物の水素
化反応を400〜600ppmのジクロロ酢酸残留含有
率になるまで行い、第二工程においてこの混合物を溶融
結晶化処理に付すことを特徴とする高純度モノクロロ酢
酸の製造方法が開示されている。しかし、工業的には一
工程で高純度のモノクロロ酢酸を得ることが望ましい。
細な活性炭にパラジウムを担持した触媒を用いてα−ハ
ロカルボン酸又はそのエステルを水素により脱ハロゲン
化する方法が開示されている。この方法によれば、モノ
クロロ酢酸80重量%、ジクロロ酢酸4重量%、酢酸1
6重量%の混合物を水素化処理することにより、ジクロ
ロ酢酸を900〜1700ppm程度にまで低減される
(実施例1)。しかし、ジクロロ酢酸の含有量としては
未だ不十分である。
第1,581,391号及び第2,046,424号、
英国特許第1,188,745号、米国特許第2,86
3,917号、ドイツ特許第1,915,037号、特
開昭50−30828号公報などに開示がある。例え
ば、特開昭50−30828号公報には、貴金属が担体
材料の幾何学的表面上に著しく富化されている触媒を使
用して、粗製モノクロロ酢酸中に含まれるジクロロ及び
トリクロロ酢酸を水素で部分的に脱ハロゲン化する方法
が開示されている。この方法によれば、約92.6%の
モノクロロ酢酸、4.8%のジクロロ酢酸、0.1%の
トリクロロ酢酸及び2.5%の酢酸よりなる混合物か
ら、ジクロロ酢酸を0.5%含有するモノクロロ酢酸が
得られる(例)。しかし、ジクロロ酢酸の含有量として
は未だ十分といえない。
は、α−ハロカルボン酸又はそのエステルを効率よく脱
ハロゲン化できる脱ハロゲン化触媒及び脱ハロゲン化方
法を提供することにある。本発明の他の目的は、α,α
−ジハロカルボン酸若しくはα,α,α−トリハロカル
ボン酸又はそれらのエステルを選択的にα−モノハロカ
ルボン酸又はそのエステルに変換できる脱ハロゲン化触
媒及び脱ハロゲン化方法を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、ジクロロ酢酸を含有する低純度の
モノクロロ酢酸からジクロロ酢酸含量の極めて少ない高
純度のモノクロロ酢酸を一工程で効率よく製造する方法
を提供することにある。
を達成するため鋭意検討した結果、特定量のパラジウム
が担体に担持され、担持されたパラジウムのうち一定量
以上のパラジウムが担体の表面から一定の深さまでの層
に担持されており、且つ一酸化炭素の化学吸着量が一定
量以上である担持触媒を水素による脱ハロゲン化方法に
用いると、α−モノハロカルボン酸又はそのエステルの
脱ハロゲン化を抑制しつつ、α,α−ジハロカルボン酸
若しくはα,α,α−トリハロカルボン酸又はそれらの
エステルを効率よく脱ハロゲン化して対応するα−モノ
ハロカルボン酸又はそのエステルに変換できることを見
いだし、本発明を完成した。
0.1〜5重量%担持され、担持されたパラジウムの7
0重量%以上が担体の表面から深さ50μmまでの層に
担持されており、且つ一酸化炭素の化学吸着量が20m
l/g−Pd以上である脱ハロゲン化触媒を提供する。
まれる。担体の形状は、好ましくは(a)直径1〜15
mm、長さ1〜30mmの円柱状、(b)直径1〜15
mmの球状、又は(c)外径1〜15mm、内径0.5
〜14mm、長さ1〜30mmのリング状である。
の存在下、α−ハロカルボン酸又はそのエステルを水素
と反応させて脱ハロゲン化するα−ハロカルボン酸又は
そのエステルの脱ハロゲン化方法を提供する。
一又は異なって、塩素原子、臭素原子、水素原子又は炭
素数1〜10のアルキル基を示す)で表される化合物が
含まれる。好ましいα−ハロカルボン酸として、例えば
ジクロロ酢酸が挙げられる。脱ハロゲン化反応は、例え
ば、圧力が1〜1000kPa、温度が100〜250
℃、水素使用量がα−ハロカルボン酸又はそのエステル
1モルに対して1〜50モルの条件で行うことができ
る。
媒の存在下、ジクロロ酢酸を含有するモノクロロ酢酸を
水素と反応させて前記ジクロロ酢酸を脱塩素化する高純
度モノクロロ酢酸の製造法を提供する。脱塩素化反応
は、例えば、圧力1〜1000kPa、温度100〜2
50℃の条件で行うことができる。
ハロゲン化触媒では、担体にパラジウムが0.1〜5重
量%担持されている。担体としては、多孔質で耐酸性を
有するものが好ましく、例えば、活性炭、二酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素などが
挙げられる。これらのなかでも、活性炭及び二酸化ケイ
素が好ましく、特に活性炭が好ましい。
ー系等の何れの原料から得られた活性炭であってもよい
が、なかでも植物系の原料から得られた活性炭、特にヤ
シ殻炭が好ましい。活性炭は、一般に、炭化、整粒した
原料を、水蒸気、空気(酸素)及び燃焼ガス(二酸化炭
素)によって賦活するガス賦活法、又は原料に塩化亜鉛
水水溶液などを含浸させて焼成する薬品賦活法等により
製造される。本発明における活性炭は、前記何れの方法
によって製造されたものでもよい。
あるのが好ましく、2000m2/gを超えてもよい
が、一般には500〜2000m2/g程度、特に60
0〜1500m2/g程度の比表面積を有する活性炭が
用いられる。活性炭の細孔容積は特に限定されないが、
一般には0.5〜1.5ml/gの範囲である。
いが、円柱状、球状、リング状(円筒状を含む)、薄片
状、粉末状などが好ましい。なかでも、(a)直径1〜
15mm(特に2〜10mm)、長さ1〜30mm(特
に2〜20mm)の円柱状、(b)直径1〜15mm
(特に2〜10mm)の球状、又は(c)外径1〜15
mm(特に2〜10mm)、内径0.5〜14mm(特
に1.5〜9mm)、長さ1〜30mm(特に2〜20
mm)のリング状(円筒状を含む)が好ましい。
体触媒は、例えば、パラジウム塩(広くパラジウム原子
を含有する塩を意味する)の水溶液中に担体を投入して
該担体にパラジウム塩を担持し、このパラジウム塩を還
元剤で還元することにより調製できる。パラジウム塩と
しては、例えば、塩化パラジウム、硝酸パラジウム等の
有機酸又は無機酸のパラジウム塩;テトラクロロパラジ
ウム酸ナトリウム、テトラニトロパラジウム酸ナトリウ
ム等のパラジウム含有酸のアルカリ金属塩などが挙げら
れる。還元剤としては、特に限定されず、例えば、ホル
マリン、メタノール、ギ酸、ヒドラジン、水素化ホウ素
ナトリウム、水素ガスなどが例示される。パラジウム担
持量は、好ましくは0.3〜4重量%程度である。
は、担体に担持されたパラジウムの70重量%以上が担
体の表面から深さ50μmまでの層に担持されており、
且つ一酸化炭素の化学吸着量が20ml/g−Pd以上
(例えば20〜120ml/g−Pd程度)である点に
ある。担体の表面から深さ50μmまでの層に担持され
ているパラジウムの割合が、担体に担持されたパラジウ
ム全量に対して70重量%未満である場合や、一酸化炭
素の化学吸着量が20ml/g−Pd未満の場合には触
媒活性や反応の選択性が不十分となる。
表面から深さ50μmまでの層に担持パラジウムの90
重量%以上が担持されているのがより好ましい。特に、
担体の外表面から深さ30μmまでの層、とりわけ20
μmまでの層に担持パラジウムの70重量%以上(特に
90重量%以上)が担持されているのが好ましい。一酸
化炭素の化学吸着量は、より好ましくは25ml/g−
Pd以上(例えば25〜100ml/g−Pd程度)で
ある。
て、一酸化炭素の化学吸着量から担持パラジウムの比表
面積Sは次式により算出できる。 S(m2/g)=(Pd1g当たりの吸着COガス分子
数)×(格子定数)2格子定数=3.89Å
は担持パラジウムの比表面積が大きく、それによって高
い触媒活性が得られるものと推察される。本発明の脱ハ
ロゲン化触媒において、担持パラジウムの比表面積は、
通常82m2/g−Pd以上(82〜490m2/g−P
d程度)であり、好ましくは100m2/g−Pd以上
(100〜410m2/g−Pd程度)である。
及び一酸化炭素(CO)吸着量の制御は、例えば、上記
のパラジウム/担体触媒の調製法において、パラジウム
塩を担体に担持するときの水溶液のpHを調整すること
により可能である。例えば、パラジウム塩の水溶液に活
性炭等の担体を投入してパラジウム塩が平衡吸着に達し
たときのpHを4〜12、より好ましくは6〜11の範
囲になるように、担体を浸漬する前のパラジウム塩の水
溶液のpHを制御することにより、パラジウム/担体触
媒における担持パラジウム粒子の位置制御及び一酸化炭
素吸着量をコントロールできる。
還元性の官能基が存在する場合、パラジウム塩水溶液中
に担体を投入すると、パラジウム塩が担体の表面で直ち
に還元されてパラジウム金属の薄いフィルムを形成する
ため、所望の物性を有する触媒が得られない場合があ
る。このような場合は、予め過酸化水素などの酸化剤で
担体表面を酸化するか、或いは、パラジウム塩水溶液と
酸化剤を混合してパラジウム塩の還元を防止することが
望ましい。
度は、担持するパラジウム量、使用する担体の吸水量な
どにより異なるが、一般的には0.1〜5重量%であ
り、好ましくは担体を浸漬したときにパラジウム塩が全
量担体に吸着される濃度以下である。パラジウム塩が担
体に吸着されずに水溶液中に残存する場合には、還元に
より比較的大きなパラジウム粒子として担体上に析出す
るため、所望の物性を有する触媒が得られないことが多
い。パラジウム塩水溶液の量は、パラジウム塩濃度やパ
ラジウム担持量等により異なるが、担体がパラジウム塩
を全量吸着できるような量以下で、且つ担体の吸水可能
な量以上の水を含むのが好ましい。パラジウム塩水溶液
中の水の量が、担体の吸水可能な量未満の場合には、担
体を浸漬したとき、パラジウム塩(ひいてはパラジウ
ム)が担体表面上に均一に吸着されにくくなる。
温度は、特に限定されないが、通常水溶液の沸点以下の
温度である。好ましい温度範囲は5〜80℃程度であ
る。以上、触媒の調製法(パラジウムの担持法)の一例
を示したが、触媒の調製法としてはこれに限定されるも
のではない。
位置、分布等)は、X線電子マイクロプローブ分析(E
MPA)、或いは走査電子顕微鏡(SEM)により測
定、観察できる。触媒の一酸化炭素(CO)化学吸着量
は、サンプル(触媒)に既知容量の一酸化炭素を供給す
ることにより測定できる。一酸化炭素の供給は、サンプ
ルが一酸化炭素で飽和し、もはや化学吸着せず、供給し
た容積に対応する一酸化炭素の一定量が放出されるまで
行われる。測定は50℃で実施する。サンプルは一酸化
炭素を吸着させる前に、予めパラジウム表面の酸素を除
去する目的で、200℃で水素により還元処理を施し、
さらにパラジウム表面に吸着した水素を除去するために
200℃でヘリウムによりフラッシュする。ヘリウム気
流中で50℃にサンプルを維持し、ヘリウム気流中に一
定量の一酸化炭素をパルスとして供給し、一酸化炭素の
吸収が無くなるまでパルスによる一酸化炭素の供給を繰
り返し、一酸化炭素の吸着量を測定する。
法では、上記の脱ハロゲン化触媒の存在下、α−ハロカ
ルボン酸又はそのエステルを水素と反応させて脱ハロゲ
ン化する。α−ハロカルボン酸としては、カルボキシル
基のα位の炭素原子にハロゲン原子が結合している化合
物であれば特に限定されないが、その代表的な例とし
て、前記式(1)で表される化合物が挙げられる。
1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチ
ル、デシル基などの直鎖状又は分岐鎖状のC1-10アルキ
ル基が挙げられる。R2としては、塩素原子、臭素原子
又は水素原子が好ましく、特に水素原子が好ましい。
は、ジクロロ酢酸及びトリクロロ酢酸であり、本発明は
特にジクロロ酢酸に対して有用である。
広範なエステルが使用できるが、その代表的な例とし
て、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステ
ル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチ
ルエステル、t−ブチルエステル、ヘキシルエステルな
どのアルキルエステル(例えば、C1-20アルキルエステ
ル);シクロヘキシルエステルなどの脂環式エステル;
フェニルエステルなどのアリールエステル;ベンジルエ
ステルなどのアラルキルエステルなどが挙げられる。
存在下又は非存在下で行われる。溶媒としては、反応に
不活性な溶媒であればよいが、代表的な例として、酢酸
などの脂肪族カルボン酸又はそのエステル、反応生成物
(目的化合物)などが挙げられる。反応は液相反応、気
相反応の何れであってもよい。
床等の何れの方式も使用でき、また連続式、バッチ式、
セミバッチ式の何れであってもよい。好ましくは、α−
ハロカルボン酸又はそのエステルと水素とを連続的に固
定床に供給する方法が採用される。
ましくは110〜200℃程度である。反応温度が10
0℃未満では反応速度が遅くなり経済的ではない。反応
温度が250℃を超えると望まない副反応が起きるため
好ましくない。反応は減圧下から加圧下まで広い圧力範
囲で実施できるが、一般的には1〜1000kPa、好
ましくは5〜500kPa程度である。圧力が1kPa
より低い場合には生産性が悪くなりやすく、1000k
Paより高くしても反応速度の促進効果は小さく得策で
はない。水素の使用量はα−ハロカルボン酸又はそのエ
ステル1モルに対して1〜50モル程度が好ましい。
を含有するモノクロロ酢酸を水素と反応させ、前記ジク
ロロ酢酸を脱塩素化して高純度モノクロロ酢酸を製造す
るのに特に有用である。この脱塩素化反応は、圧力1〜
1000kPa程度、温度100〜250℃程度の条件
で行うのが好ましい。
はそのエステルを効率よく脱ハロゲン化できる。また、
α−モノハロカルボン酸又はそのエステルの脱ハロゲン
化を抑制しつつ、α,α−ジハロカルボン酸若しくは
α,α,α−トリハロカルボン酸又はそれらのエステル
を高い選択率でα−モノハロカルボン酸又はそのエステ
ルに変換できる。さらに、本発明によれば、ジクロロ酢
酸を含有する低純度のモノクロロ酢酸からジクロロ酢酸
含量の極めて少ない高純度のモノクロロ酢酸を一工程で
効率よく製造できる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
00gを水1000ml中に投入し、脱気処理を20分
間実施した後、水切りを行った。テトラクロロパラジウ
ム酸ナトリウム4.16gを水500mlに溶解し、さ
らに30重量%過酸化水素水35gを添加し、重炭酸ソ
ーダの水溶液を加えてpHを4に調整した。このパラジ
ウム塩水溶液中に水切りをした活性炭を投入し、室温で
1時間浸漬することにより、パラジウム塩を活性炭に完
全に吸着させた。1時間後の溶液のpHは8.0であっ
た。このままの状態で60℃に昇温し、ギ酸ソーダ5.
58g含有する水溶液60mlを加え、60℃で1時間
還元処理した。還元終了後、温水で十分洗浄し、120
℃で乾燥して触媒(0.5重量%パラジウム/活性炭)
を得た。得られた触媒について一酸化炭素の化学吸着量
を測定したところ、36ml/g−Pdであった。電子
マイクロアナライザー及び電子顕微鏡を用いた反射電子
像によりパラジウムの担持状態を分析、観察したとこ
ろ、図1及び図2に示されるように、担持パラジウムの
全量が担体の外部表面から20μmまでの層に担持され
ていた。なお、図1において、横軸は担体の外部表面か
らの距離(Distance)(μm)、縦軸は強度[Intensit
y(Counts)]を示す。
せるときのpHを2とした点以外は実施例1と同様の操
作を行い、触媒(0.5重量%パラジウム/活性炭)を
調製した。得られた触媒について一酸化炭素の化学吸着
量を測定したところ、46ml/g−Pdであった。電
子マイクロアナライザーによりパラジウムの担持状態を
分析、観察したところ、パラジウムは担体のほぼ全体に
亘って担持されていた。
せるときのpHを変えて実施例1と同様の方法で、一酸
化炭素化学吸着量及びパラジウム担持状態の異なる触媒
(0.5重量%パラジウム/活性炭)を調製した。得ら
れた触媒の一酸化炭素化学吸着量及びパラジウム担持状
態を表1に示す。
000mmの反応管に上記実施例又は比較例で得られた
触媒200mlを充填した。反応管の上部よりジクロロ
酢酸(DCA)を含有するモノクロロ酢酸(MCA)と
水素とを所定の速度で供給し、所定温度で脱塩素化反応
を実施した。なお、水素の供給量はジクロロ酢酸(DC
A)1モルに対して10モルとした。反応生成物中のジ
クロロ酢酸濃度(出口DCA濃度)及び酢酸濃度(出口
酢酸濃度)を分析した。これらの結果を表2に示す。
実施例の触媒を用いた場合には、ジクロロ酢酸を含有す
るモノクロロ酢酸からジクロロ酢酸含有量の極めて少な
い高純度のモノクロロ酢酸が得られる。これに対し、パ
ラジウムが担体のほぼ全体に亘って担持されている触媒
や一酸化炭素化学吸着量が20ml/g−Pd未満であ
る触媒を用いた場合には、ジクロロ酢酸の脱ハロゲン化
が効率よく進行せず、高純度のモノクロロ酢酸を得るこ
とができない。
持状態を電子線マイクロアナライザーで分析した結果を
示す図である。
射電子像を示す写真である。
Claims (9)
- 【請求項1】 パラジウムが担体に0.1〜5重量%担
持され、担持されたパラジウムの70重量%以上が担体
の表面から深さ50μmまでの層に担持されており、且
つ一酸化炭素の化学吸着量が20ml/g−Pd以上で
ある脱ハロゲン化触媒。 - 【請求項2】 担体が活性炭又は二酸化ケイ素である請
求項1記載の脱ハロゲン化触媒。 - 【請求項3】 担体の形状が、(a)直径1〜15m
m、長さ1〜30mmの円柱状、(b)直径1〜15m
mの球状、又は(c)外径1〜15mm、内径0.5〜
14mm、長さ1〜30mmのリング状である請求項1
又は2記載の脱ハロゲン化触媒。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れかの項に記載の脱ハ
ロゲン化触媒の存在下、α−ハロカルボン酸又はそのエ
ステルを水素と反応させて脱ハロゲン化することを特徴
とするα−ハロカルボン酸又はそのエステルの脱ハロゲ
ン化方法。 - 【請求項5】 α−ハロカルボン酸が、下記式(1) 【化1】 (式中、Xは塩素又は臭素原子を示し、R1、R2は、同
一又は異なって、塩素原子、臭素原子、水素原子又は炭
素数1〜10のアルキル基を示す)で表される化合物で
ある請求項4記載の脱ハロゲン化方法。 - 【請求項6】 α−ハロカルボン酸がジクロロ酢酸であ
る請求項4又は5記載の脱ハロゲン化方法。 - 【請求項7】 脱ハロゲン化反応を、圧力が1〜100
0kPa、温度が100〜250℃、水素使用量がα−
ハロカルボン酸又はそのエステル1モルに対して1〜5
0モルの条件で行う請求項4記載の脱ハロゲン化方法。 - 【請求項8】 請求項1〜3の何れかの項に記載の脱ハ
ロゲン化触媒の存在下、ジクロロ酢酸を含有するモノク
ロロ酢酸を水素と反応させて前記ジクロロ酢酸を脱塩素
化することを特徴とする高純度モノクロロ酢酸の製造
法。 - 【請求項9】 脱塩素化反応を、圧力1〜1000kP
a、温度100〜250℃の条件で行う請求項8記載の
高純度モノクロロ酢酸の製造法。
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