JP2000086236A - 酸性活性アルミナ及びその製法 - Google Patents

酸性活性アルミナ及びその製法

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JP2000086236A JP10263559A JP26355998A JP2000086236A JP 2000086236 A JP2000086236 A JP 2000086236A JP 10263559 A JP10263559 A JP 10263559A JP 26355998 A JP26355998 A JP 26355998A JP 2000086236 A JP2000086236 A JP 2000086236A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性アルミナの吸着性能に加えて、酸性側p
Hを有し、金属成分や他の塩基成分に対して吸着性を示
し、吸着剤として有用な酸性活性アルミナ及びその製法
を提供する。 【解決手段】 ギブサイト型水酸化アルミニウム、擬ベ
ーマイト型水酸化アルミニウム、バイヤライト型水酸化
アルミニウムの内少なくとも一つの水酸化アルミニウム
と、前記水酸化アルミニウム中に存在する金属成分より
も過剰の塩化及び/又は硫酸アンモニウムとを混合し、
この混合物を焼成することにより、生成する酸性活性ア
ルミナ及びその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性活性アルミナ
及びその製法に関するもので、より詳細には、従来の活
性アルミナの吸着性能に加えて、金属成分や他の塩基成
分に対しても吸着性能を有する酸性活性アルミナ及びそ
の製法に関する。本発明は、更に酸性活性アルミナから
なる吸着剤にも関する。
【0002】
【従来の技術】吸着剤等の用途に使用されているアルミ
ナ(Aluminum oxide)は、活性アルミナ
(Activated alumina)あるいはアル
ミナゲル(Alumina gel)ともいわれ、一般
的に使用されている無機質多孔質体の一つである。アル
ミナの既存化学物質No.は1−23、CAS No.
は、1344−28−1である。
【0003】活性アルミナは単一の物理構造ではなく、
水酸化アルミニウムから高温安定相であるα−アルミナ
への転移過程における準安定相である比較的高い表面積
を有する数種類の物理構造を有するアルミナの総称であ
る。化学的には固体酸、固体塩基性を有しており、極性
分子の吸着剤あるいは触媒、触媒担体として広く使用さ
れている。
【0004】公知の活性アルミナの殆どのものは、アル
ミン酸アルカリ原料から出発することに関連して、ナト
リウム等のアルカリ金属分を含有しており、そのpHは
一般に9乃至10のアルカリ側にある。
【0005】低ナトリウム含量アルミナの製造法も既に
知られており、例えば特開昭64−37416号公報に
は、ナトリウム化合物を原料の少なくとも一部として用
いて形成したナトリウム分を含むアルカリ性アルミナヒ
ドロゲルを含む水性液を、アルカリ性のまま濾過し、得
られたアルカリ性アルミナヒドロゲルを乾燥、焼成した
後、アンモニウム塩水溶液と接触させることが記載さ
れ、この方法によれば、アンモニウム塩水溶液処理によ
り、アルミナ中のナトリウム分は、アンモニウム塩と反
応し、水溶液中に溶出されることも記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の公知方法によれ
ば、ナトリウム含量が0.2重量%以下、特に0.1重
量%以下の高表面積多孔性アルミナが製造され、このア
ルミナは中和されない酸性点を数多く有するとしても、
水洗、濾過、乾燥、焼成等の工程を複数回にわたって反
復する必要があり、手間のかかる工程を多数必要とし、
工程数の点でも、また生産性の点でも未だ満足しうるも
のではない。しかも、上記方法によると、活性アルミナ
中のナトリウム分を可及的に少なくすることはできると
しても、活性アルミナ中に酸成分を含有させるという技
術思想は全くなく、またその手段についても何ら記載さ
れていない。
【0007】一方、活性炭等の物理的吸着剤では、酸添
着処理が屡々行われており、この酸添着吸着剤は塩基性
物質の吸着に有効な作用を示すことが知られている。活
性アルミナにおいて、このような酸添着活性アルミナが
存在しないことはちょっと奇異な感じもするが、これは
活性アルミナが酸との反応性が大きく、酸を活性のある
状態で担持させることが困難であることに関連している
と認められる。
【0008】本発明者らは、特定の水酸化アルミニウム
と塩化及び/又は硫酸アンモニウムとを混合し、この混
合物を焼成するときには、酸性の活性アルミナが得ら
れ、この酸性活性アルミナは特異な吸着特性を示すこと
を見出した。
【0009】即ち、本発明の目的は、活性アルミナの吸
着性能に加えて、酸性側pHを有し、金属成分や他の塩
基成分に対して吸着性を示し、吸着剤として有用な酸性
活性アルミナ及びその製法を提供するにある。本発明の
他の目的は、上記酸性活性アルミナを、面倒な操作や工
程を要することなしに、少ない工程で製造しうる方法を
提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、150
℃乾燥基準で測定して97重量%以上のAlを含
有し、150乃至400m/gのBET比表面積と
0.2乃至0.7cc/gの細孔容積とを有し、且つ2
重量%水性懸濁液として測定したpHが4.0乃至7.
0の範囲にあることを特徴とする酸性活性アルミナが提
供される。本発明の酸性活性アルミナは、 1.蛍光X線法で測定して、下記式(1) R=C/CAl ‥(1) 式中、Xは塩素(Cl)又は硫黄(S)であり、C
は塩素成分または硫黄成分のX線強度(KCPS)であ
り、CAlはAlのX線強度(KCPS)である、で定
義される強度比(R)において、RClが0.001
以上又はRが0.010以上であること、 2.体積基準の中位径が5乃至100μmの範囲にある
こと、が好ましい。
【0011】本発明によればまた、ギブサイト型水酸化
アルミニウム、擬ベーマイト型水酸化アルミニウム、バ
イヤライト型水酸化アルミニウムの内少なくとも一つの
水酸化アルミニウムと、前記水酸化アルミニウム中に含
有するアルカリ金属分よりも過剰の塩化及び/又は硫酸
アンモニウムとを混合し、この混合物を焼成することを
特徴とする酸性活性アルミナの製法が提供される。本発
明の製法においては、 1.水酸化アルミニウムと塩化及び/又は硫酸アンモニ
ウムとを乾式で混合すること、 2.150℃乾燥基準のギブサイト型水酸化アルミニウ
ム、擬ベーマイト型水酸化アルミニウム、バイヤライト
型水酸化アルミニウムの内少なくとも一つの水酸化アル
ミニウムに対して、0.5乃至3.0重量%の塩化及び
/又は硫酸アンモニウムを混合すること、 3.混合物の焼成を450乃至700℃の温度で行うこ
と、が好ましい。 本発明によれば更に、上記の酸性活性アルミナから成る
吸着剤が提供される。
【0012】
【発明の実施形態】本発明は、特定の水酸化アルミニウ
ム、即ちギブサイト型水酸化アルミニウム、擬ベーマイ
ト型水酸化アルミニウム、バイヤライト型水酸化アルミ
ニウムの内少なくとも一つの水酸化アルミニウムと、前
記水酸化アルミニウム中のアルカリ金属分よりも過剰の
塩化及び/又は硫酸アンモニウムとを混合し、この混合
物を焼成すると、生成する活性アルミナ中に塩素又は硫
酸分が有効に固定され、この活性アルミナは従来のもの
には認められなかった酸性側pHを示すという知見に基
づくものである。
【0013】即ち、本発明による酸性活性アルミナは、
150℃乾燥基準で測定して97重量%以上のAl
を含有するという化学的組成の点では従来の活性アル
ミナと同様であるが、150乃至400m/gのBE
T比表面積と0.2乃至0.7cc/gの細孔容積とで
表されるように、優れた表面活性及び多孔性を保持しな
がら、酸性側pHを示すように改質されていることが顕
著な特徴である。
【0014】活性アルミナが酸性側pHを示すことは、
用いた塩化及び/又は硫酸アンモニウム中の塩素及び/
又は硫酸分が活性アルミナ中に固定されているためであ
り、この固定の程度は、第一に、2重量%水性懸濁液と
して測定したとき、4.0乃至7.0、特に4.5乃至
6.5の範囲のpHにあること、及び第二に、蛍光X線
法で測定して、下記式(1) R=C/CAl ‥(1) 式中、Xは塩素(Cl)または硫黄(S)であり、C
は塩素成分または硫黄成分のX線強度(KCPS)であ
り、CAlはAlのX線強度(KCPS)である、で定
義される強度比(R)において、RClが0.001
0以上、特に0.0010乃至0.0040であるこ
と、又はRが0.010以上、特に0.010乃至
0.040であることによって確認できる。
【0015】本発明による酸性活性アルミナは、活性ア
ルミナとして、優れた一般的吸着特性に加えて、酸とし
ての化学的吸着特性乃至吸着活性をも有している。この
ため、通常の活性アルミナ(2重量%水性懸濁液のpH
が9.0乃至10.0)では、例えば金属塩として、6
塩化タングステン(WCl)を20ppmの濃度で含
有する100ml溶液について、1重量%の量で添加
し、25℃の温度で2時間処理したときの金属(タング
ステン)イオンの除去率が78%のオーダーであるのに
対して、本発明の酸性活性アルミナでは、上記と同様な
処理条件下において、金属(タングステン)イオンの除
去率が97%以上のオーダーに向上するのである(後述
の応用例1を参照)。
【0016】かくして、本発明の酸性活性アルミナは、
通常の活性アルミナの高比表面積及び吸着活性に加え
て、金属成分や他の塩基成分にも高い吸着性能を示すの
で、この吸着性能をも併せて有することが望まれる吸着
剤、触媒、触媒担体などの分野に有用である。
【0017】本発明の酸性活性アルミナは、格別の面倒
な操作を必要とせず、その製造も至って簡単且つ容易で
あるという利点をも有している。即ち、活性アルミナ
は、一般に水酸化アルミニウムを焼成することにより製
造されるが、本発明の方法では、この焼成操作に先立っ
て、水酸化アルミニウムに所定量の塩化及び/又は硫酸
アンモニウムを混合するだけでよく、一切面倒な操作を
必要としない。塩化及び/又は硫酸アンモニウムの混合
量は、水酸化アルミニウムに含有されるナトリウム分に
対して過剰な量であればよく、一層具体的には、上記懸
濁液pHを与えるような量である。
【0018】[製造法]本発明の酸性活性アルミナは、
ギブサイト型水酸化アルミニウム、擬ベーマイト型水酸
化アルミニウム、バイヤライト型水酸化アルミニウムの
内少なくとも一つの水酸化アルミニウムと、前記水酸化
アルミニウム中に含有するアルカリ金属分よりも過剰の
塩化及び/又は硫酸アンモニウムとを混合し、この混合
物を焼成することにより、製造される。
【0019】アルミニウムの水酸化物には、ギブサイト
型、ベーマイト乃至擬ベーマイト型、バイヤライト型の
各種のものが知られている。
【0020】ギブサイト(gibbsite)は、組成
式Al(OH)で表わされるアルミニウム水酸化物で
ある。ベーマイト(boehmite)は組成式AlO
(OH)で表わされるアルミニウム酸化・水酸化物であ
るが、擬ベーマイト(pseud−boehmite)
は、性状としてはゲル状であるが、ベーマイト類似のブ
ロードなX線回折像を示すものである。また、バイヤラ
イト(bayerite)は、組成式Al(OH)で
表わされる水和アルミナである。図1〜4に、ギブサイ
ト、ベーマイト、擬ベーマイト及びバイヤライトの各X
線回折像を示す。
【0021】本発明では、上記ギブサイト、擬ベーマイ
ト、バイヤライトは、各々単独で使用することもできる
し、或いは組み合わせでも使用することができる。擬ベ
ーマイト型の水酸化アルミニウムは活性が大きく、粒子
強度の大きい活性アルミナを与えるという点で優れたも
のではあるが、ギブサイト型の水酸化アルミニウムに比
してかなり高価であるという難点がある。本発明では、
擬ベーマイトの一部乃至全部をギブサイトで置き換えて
使用できるので、その製造コストをかなり低減できる。
用いる水酸化アルミニウム原料は必ずしも純粋であるも
のに限定されず、アルカリ金属分等の不純物を含有する
ものであってもかまわない。一般に入手しうる上記の水
酸化アルミニウムは、ナトリウム分を0.1乃至0.3
重量%程度含有しており、この水酸化アルミニウムは十
分に本発明の原料として用いることができる。
【0022】本発明では、上記水酸化アルミニウムに添
加混合するアンモニウム塩として、塩化及び/又は硫酸
アンモニウムを用いることができる。後述する比較例に
示すとおり、硝酸アンモニウムなどの他のアンモニウム
塩を用いたのでは、酸成分を有効に活性アルミナ中に固
定することができない。
【0023】添加混合する塩化及び/又は硫酸アンモニ
ウムは、水酸化アルミニウム中に含まれるアルカリ金属
分に対して過剰な量で使用されるべきであり、一般に1
50℃乾燥基準の水酸化アルミニウムに対して、0.5
乃至3.0重量%である。又、上記のアンモニウム塩を
それぞれ単独で用いた場合、塩化アンモニウムは、0.
5乃至2.0重量%、硫酸アンモニウムは、2.0乃至
3.0重量%の量で用いるのが好ましい。塩化及び/又
は硫酸アンモニウムの量が上記範囲を下回ると、水性懸
濁液のpHを前記範囲に制御することが困難となる傾向
があると共に、生成する活性アルミナは金属成分等に対
する吸着性能も低下する傾向がある。また、塩化及び/
又は硫酸アンモニウムを上記範囲を上回る量で使用して
も、生成する活性アルミナの性能の点では格別のメリッ
トがなく、処理コストが増大するので経済的には不利と
なる。
【0024】水酸化アルミニウム原料と、塩化及び/又
は硫酸アンモニウムとの混合は、両者の混合が比較的均
一に行いうるものであればよく、特に限定されない。操
作の簡便さ及び固液分離が不必要であることなどの利点
からは、乾式で両者を混合することが望ましく、この乾
式混合には、水平円筒型混合機、V型混合機、リボン型
混合機、攪拌型混合機、回転円盤型混合機、ボールミル
等の混合機を用いることができる。
【0025】得られた混合物は、そのまま次の焼成操作
に付することもできるし、必要あれば造粒、成形等の操
作を行ったのち、焼成を行うこともできる。水酸化アル
ミニウムとして、擬ベーマイト型の水酸化アルミニウム
を含有するものを用いた場合には、バインダーとしての
作用も得られると共に、自己焼結性をも有しているの
で、強度の高い粒状物や成形品も得られる。
【0026】本発明では、必要により成形した混合物を
焼成して、活性アルミナとする。焼成温度は、水酸化ア
ルミニウムの水和水の脱水が行われるが、α−アルミナ
の生成にまでは至らないような温度であり、一般に45
0乃至700℃、特に500乃至600℃の温度が適当
である。焼成時間は、温度によっても相違するが、一般
に1乃至3時間の範囲から、適当な比表面積と細孔容積
とが得られるように焼成時間を選択する。この焼成に際
して、水酸化アルミニウム中に含有される過剰の塩化及
び/又は硫酸アンモニウムは分解し、塩素及び/又は硫
酸分は活性アルミナに固定される一方で、アンモニア分
は焼成雰囲気中に揮散する。
【0027】混合物の焼成には、混合物の形状等を考慮
して、固定床式、移動床式、或いは流動床式の焼成炉が
使用され、混合物が粉粒体である場合にはロータリキル
ン等の移動式焼成炉が特に適している。焼成により生成
した活性アルミナは、必要に応じ分級等の操作を行った
のち製品とする。
【0028】[活性アルミナ及び用途]本発明による活
性アルミナは、150℃乾燥基準で測定して97重量%
以上、特に98重量%以上のAlを含有し、15
0乃至400m2/g、特に150乃至300m
gのBET比表面積と、0.2乃至0.7cc/g、特
に0.2乃至0.5cc/gの細孔容積とを有する。こ
の酸性活性アルミナは、2重量%水性懸濁液として測定
したpHが、従来の活性アルミナでは一般に9.0乃至
10.0の範囲にあるのに対して、4.0乃至7.0、
特に4.5乃至6.5の範囲にある。
【0029】また、 蛍光X線法で測定して、下記式
(1) R=C/CAl ‥(1) 式中、Xは塩素(Cl)又は硫黄(S)であり、C
は塩素成分又は硫黄成分のX線強度(KCPS)であ
り、CAlはAlのX線強度(KCPS)である、で定
義される強度比(R)において、RClが0.001
0以上、特に0.0010乃至0.0040であるこ
と、又はRが0.010以上、特に0.010乃至
0.040であり、従来の活性アルミナの強度比の50
倍以上である。
【0030】この活性アルミナは、非晶質乃至微結晶性
であり、微結晶性のものは、γ型等の結晶構造をとりう
るが、結晶の発達の程度は小さい。添付図面の図5に、
本発明による活性アルミナのX線回折像を示す。
【0031】活性アルミナの形状としては、粉末乃至顆
粒状が一般的であるが、円柱状、円筒状、ハニカム状、
繊維状、膜(シート)状など多岐にわたる形状でも使用
することができる。粉粒体の場合、体積基準の中位径
(D50)は、一般に5乃至100μm、特に5乃至8
0μmの範囲にあることが取り扱いの点で有利である。
【0032】本発明による活性アルミナは、前述した利
点を生かして、各種吸着剤、触媒担体、触媒、樹脂配合
剤等の用途に用いることができ、上記用途において、各
種金属成分、例えばLi、Na、K、Rb等の周期律表
第IA族金属、Cu、Ag、Au等の周期律表第IB族
金属、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等の周期律表第II
A族金属、Zn、Cd、Hg等の周期律表第IIB族金
属、Sc、Y、ランタノイド等の周期律表第IIIA 族金
属、Al、Ga、In、Tl等の周期律表第IIIB 族金
属、Ti、Zr、Hf等の周期律表第IVA族金属、G
e、Sn、Pb等の周期律表第IVB族金属、V、Nb、
Ta等の周期律表第VA族金属、As、Sb、Bi等の
周期律表第VB族金属、Cr、Mo、W等の周期律表第
VIA族金属、Se、Te、Po等の周期律表第VIB族金
属、Mn、Tc、Re等の周期律表第VIIA 族金属、F
e、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt
等の周期律表第VIII族金属などの成分や、アンモニア、
各種有機塩基、例えば1級、2級または3級の脂肪族ア
ミン、脂環族アミン、芳香族アミン、含窒素複素環化合
物、4級有機アンモニウム化合物などの吸着、捕集乃至
保持に利用することができる。
【0033】例えば、活性アルミナは水分に対する吸着
性を有しており、各種ガスの除湿、液体の脱水、樹脂中
の水分捕捉などの目的に使用されており、他に、液体の
脱酸、リン酸イオンの吸着、フッ素イオンの吸着、砒酸
イオンの吸着除去、更には臭気成分の脱臭などにも使用
されているが、本発明の活性アルミナを用いると、これ
らの作用と同時に金属成分、アンモニア、有機塩基等の
吸着捕集を同時に行うことができる。
【0034】本発明の酸性活性アルミナは、重合体中の
汚染金属成分を除去するための吸着剤として特に有用で
ある。例えば、線状乃至環状のオレフィン類の重合乃至
共重合には、遷移金属のハロゲン化物やシクロペンタジ
エニル錯体(所謂メタロセン)と有機アルミニウム化合
物との組合せが使用されており、得られる重合体乃至共
重合体中には、触媒として用いた金属の残渣成分が必然
的に含有されている。これは、付加重合体に限られるも
のではなく、例えばエステル交換触媒等を用いる縮重合
型重合体においても同様である。また、樹脂中への汚染
金属成分の混入は、重合触媒を使用する場合に限定され
ず、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン重合体の
ように、重合体を水素添加触媒の存在下に水素添加する
場合にも同様に生じる。これらの残渣成分は、樹脂を着
色したり、樹脂製品の光学的特性を経時的に低下させた
り、或いは樹脂製品の電気的特性を低下させる傾向があ
るため、これらの汚染金属成分を、簡単な処理によっ
て、重合体の特性を低下させることなく、有効に除去す
ることは非常に望ましいことである。
【0035】本発明によれば、汚染金属成分を含有する
樹脂溶液に対して、酸性活性アルミナを添加し、混合し
たのち、これを分離することにより、樹脂中の汚染金属
成分を除去することができる。
【0036】対象とする樹脂の適当な例は、熱可塑性樹
脂、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1
−ペンテンあるいはエチレン、ピロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志
のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニル
アルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等
のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、ア
クリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチ
ルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化
ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタ
クリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナ
イロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイ
ロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド等
あるいはそれらの混合物;エラストマー重合体、例えば
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポ
リブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、ブ
チルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム(EP
R)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリルゴム
等;熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体等である。
【0037】これらの重合体は、一般に有機溶媒溶液の
形で汚染金属成分の除去処理に用いることができ、有機
溶媒としては、上記重合体を溶解しうるそれ自体公知の
任意の有機溶媒が使用される。オレフィン系樹脂やエラ
ストマーに対する有機溶媒としては、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒が適
当である。溶液中の重合体濃度は、処理が容易に行える
ように適宜決定され、一般に0.1乃至50重量%、特
に1乃至40重量%の範囲とするのが適当である。
【0038】酸性活性アルミナの添加量は、汚染金属成
分の含有量によっても相違するが、一般的にいって、重
合体を基準として、重合体100重量部当たり、0.1
乃至30重量部、特に1乃至20重量部が適当である。
吸着処理は、酸性活性アルミナを添加した溶液を1乃至
30分間攪拌することにより行われ、汚染金属成分を吸
着したアルミナは、濾過、遠心分離等の固液分離操作に
より重合体溶液から分離する。
【0039】本発明による酸性活性アルミナは、樹脂中
の水分に対する吸着剤として使用し得るほか、樹脂中の
金属成分のイミグレーション(移行)防止剤としても使
用できる。電子部品等においては、樹脂中での金属成分
の移行が電気的特性の経時的低下の原因となるが、酸性
活性アルミナを樹脂中に配合しておくことにより、金属
成分の移行を防止できる。
【0040】このような用途に用いる樹脂としては、前
述した熱可塑性樹脂やエラストマーのほかに、熱硬化性
樹脂、例えばフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ア
ルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱
硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等
が挙げられる。本発明の酸性活性アルミナは、重合体1
00重量部当たり0.01乃至10重量部、特に1乃至
5重量部の量で配合するのがよい。
【0041】本発明による酸性活性アルミナは、それ自
体で、脱水、脱水素、C−C結合、C−N結合、C−S
結合を伴う縮合反応、分解反応の促進などの触媒として
使用できる。脱水反応用触媒としては、アルコールと酸
からのエステルの合成があり、また、炭化水素の異性
化、改質、芳香族化の触媒としても使用される。また、
本発明の酸性活性アルミナは、前述した金属成分を担持
させる触媒担体としても有用であり、この触媒は例えば
脱硫反応、過酸化水素合成、オキシクロリネーション、
自動車排気ガス処理、NO分解などの用途に使用され
る。
【0042】また、本発明の酸性活性アルミナは、煙草
の抽出液を吸着し、汚染成分又は悪臭成分を除去する
(後述の応用例2を参照)。
【0043】さらに本発明の活性アルミナは、無機物の
シリカゾル、エアロジル、疎水処理エアロジル等の微粒
子シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の
ケイ酸塩、フィロケイ酸アルミニウム亜鉛乃至その非晶
質シリカ複合体、フィロケイ酸亜鉛、フィロケイ酸アル
ミニウムマグネシウム、フィロケイ酸マグネシウム等の
複合フィロケイ酸塩、カルシア、マグネシア、チタニア
等の金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等の金属水酸化物、炭酸カルシウム等の金属炭酸
塩、ハイドロタルサイト、ベントナイト、A型、X型、
Y型、P型等の合成ゼオライト及びその酸処理物又はそ
の金属イオン交換物から成る定形粒子等、有機物として
はシラン系、アルミニウム系、チタン系或いはジルコニ
ウム系のカップリング剤、高級脂肪酸、金属石鹸或いは
樹脂酸石鹸、または界面活性剤等を上記の目的に応じて
混合もしくは表面に被覆して用いることもできる。
【0044】混合は均一に混合されるのであればどのよ
うな方法でも良く、例えば、スーパーミキサー等で摩砕
混合しても良い。混合割合は酸性活性アルミナに対し1
〜50wt%が好適である。また、被覆の場合は酸性活
性アルミナに対し1〜30wt%が好適である。
【0045】さらに、抗菌性物質として銀、銅、亜鉛タ
イプのゼオライト、アパタイト、銀を添着したガラス、
トルマリン等を用いることができる。また、光触媒(光
反応性半導体)として、例えば、酸化チタン、酸化タン
グステン、酸化亜鉛、酸化セリウム、チタン酸ストロン
チウム、及びニオブ酸カリウム等を用いることもでき
る。
【0046】
【実施例】以下に、実施例を示し本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例における測定方法は、次の通りであ
る。
【0047】(1)化学組成 JIS.M.8855.に準拠して行った。ただしIg
−Loss分はゼロとし、その他の化学組成よりアルミ
ナの含有割合を求めた。
【0048】(2)BET比表面積、細孔容積 カルロエルバ社製Sorptomatic Serie
s 1900を使用し、BET法により測定した。
【0049】(3)スラリーpH JIS.K.5101.24Aに準じて測定した2%サ
スペンジョンのpH値。
【0050】(4)蛍光X線 理学電機工業(株)製 RIX2100を用いて生成物
中のAl、Cl、Sを同定した。なお、測定条件は以下
のとおりである。 ターゲット ;Rh 管電圧(KV);30 管電流(mA);130 検出器 ;PC 分光結晶 ;GE 分析線 ;Kα
【0051】(5)粒径測定 平均粒径(メジアン径;μm)はコールターカウンター
社製のレーザー回折型粒子サイズアナライザー(コール
ターR LS130)を用いて測定した。
【0052】(6)XRD 理学電機(株)製、X線発生装置4036A1、ゴニオ
メータ2125D1、計数装置5071を用いて、Cu
−Kαにて測定した。
【0053】実施例で用いた水酸化アルミニウムは、ギ
ブサイト型水酸化アルミニウム、擬ベーマイト型水酸化
アルミニウム、バイヤライト型水酸化アルミニウムをそ
れぞれ用いた。ギブサイト型水酸化アルミニウムは日本
軽金属製のものを用い、擬ベーマイト型水酸化アルミニ
ウム、バイヤライト型水酸化アルミニウムは、それぞれ
以下の合成法で得た物を用いた。
【0054】(擬ベーマイトの合成)擬ベーマイトは、
以下のように合成した。100℃の加温撹拌条件下にあ
る炭酸カルシウムの濃度100g/Lスラリー中に、A
として80g/L濃度の微酸性(pH2.8)
の硝酸アルミニウム溶液を200ml/minの速度で
注加し、注加終了後の反応スラリーのpHが7.5、温
度85℃の条件でゆっくり撹拌しながら1時間の熟成処
理をして、水和アルミナとした。次いで、濾過、水洗を
し110℃で乾燥して擬ベーマイト型水和アルミナの粉
末を得た。
【0055】(バイヤライトの合成)バイヤライトは、
以下のように合成した。2Lのステンレスビーカーに市
販のアルミン酸ソーダ(Al濃度21.4%、N
O濃度17.6%、Na O/Al=1.3
5)を706g(全液量中のAl濃度として8
%)秤取り純水212mlを加えた後、20℃に調節し
た恒温槽に入れ、ハイスターラーで撹拌しながらアクリ
ルアミドポリマー水溶液(和光純薬製約10%水溶液、
平均分子量50万)を423g加えて(Al分に
対してポリアクリルアミド無水物として28%)十分分
散した。次いで5%硫酸545gを約1分間で加え、注
加終了後撹拌を止めそのまま12時間静置した。静置後
沈殿物と母液を濾別分離し、得られたケーキを純水中で
再分散し十分分散後、pHが2.0になるまで5%硫酸
を加えpHが2.0でほぼ安定したらそのまま1時間撹
拌し、以後濾過、水洗し、更に110℃で乾燥してバイ
ヤライト型水和アルミナを得た。
【0056】(実施例1)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム100gに、市販の塩化アンモ
ニウム(NHCl)1.0gをハイスピードミキサー
(深江工業製FS−GS−40Jタイプ)で2分間混合
した。その後、混合品を150℃で10時間乾燥した後
550℃で2時間焼成を行った。焼成後、粉砕機で粉砕
を行い、酸性活性アルミナを得た。得られたアルミナに
ついて物性を測定し、結果を表1に示す。また、XRD
を図5に、IRを図6にそれぞれ示す。
【0057】(実施例2)150℃乾燥基準で擬ベーマ
イト型水酸化アルミニウム100gに、市販の塩化アン
モニウム(NHCl)1.0gをハイスピードミキサ
ーで2分間混合した。その後、混合品を150℃で10
時間乾燥した後450℃で2時間焼成を行った。焼成
後、粉砕機で粉砕を行い、酸性活性アルミナを得た。得
られたアルミナについて物性を測定し、結果を表1に示
す。
【0058】(実施例3)150℃乾燥基準でバイヤラ
イト型水酸化アルミニウム100gに、市販の塩化アン
モニウム(NHCl)1.0gをハイスピードミキサ
ーで2分間混合した。その後、混合品を150℃で10
時間乾燥した後700℃で2時間焼成を行った。焼成
後、粉砕機で粉砕を行い、酸性活性アルミナを得た。得
られたアルミナについて物性を測定し、結果を表1に示
す。
【0059】(実施例4)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム50gと、擬ベーマイト型水酸
化アルミニウム50gに、市販の塩化アンモニウム(N
Cl)1gをハイスピードミキサーで2分間混合し
た。混合品を成形機で3mm押し出し成形後、150℃
で10時間乾燥した後550℃で2時間焼成を行った。
焼成後、粉砕機で粉砕を行い、酸性活性アルミナを得
た。得られたアルミナについて物性を測定し、結果を表
1に示す。
【0060】(実施例5)150℃乾燥基準で擬ベーマ
イト型水酸化アルミニウム100gに、市販の塩化アン
モニウム(NHCl)0.5gをハイスピードミキサ
ーで2分間混合した。その後、混合品を150℃で10
時間乾燥した後550℃で2時間焼成を行った。焼成
後、粉砕機で粉砕を行い、酸性活性アルミナを得た。得
られたアルミナについて物性を測定し、結果を表1に示
す。
【0061】(実施例6)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム50gと、擬ベーマイト型水酸
化アルミニウム50gに、市販の塩化アンモニウム(N
Cl)0.5gをハイスピードミキサーで2分間混
合した。混合品を成形機で3mm押し出し成形後、15
0℃で10時間乾燥した後550℃で2時間焼成を行っ
た。焼成後、粉砕機で粉砕を行い、酸性活性アルミナを
得た。得られたアルミナについて物性を測定し、結果を
表1に示す。
【0062】(実施例7)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム100gに、市販の塩化アンモ
ニウム(NHCl)2.0gをハイスピードミキサー
で2分間混合した。その後、混合品を150℃で10時
間乾燥した後550℃で2時間焼成を行った。焼成後、
粉砕機で粉砕を行い、酸性活性アルミナを得た。得られ
たアルミナについて物性を測定し、結果を表1に示す。
【0063】(実施例8)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム100gに、市販の硫酸アンモ
ニウム((NHSO)2.0gをハイスピード
ミキサーで2分間混合した。その後、混合品を150℃
で10時間乾燥した後550℃で2時間焼成を行った。
焼成後、粉砕機で粉砕を行い、酸性活性アルミナを得
た。得られたアルミナについて物性を測定し、結果を表
1に示す。
【0064】(実施例9)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム100gに、市販の塩化アンモ
ニウム(NHCl)0.5gと市販の硫酸アンモニウ
ム((NHSO)0.5gをハイスピードミキ
サーで2分間混合した。その後、混合品を150℃で1
0時間乾燥した後550℃で2時間焼成を行った。焼成
後、粉砕機で粉砕を行い、酸性活性アルミナを得た。得
られたアルミナについて物性を測定し、結果を表1に示
す。
【0065】(比較例1)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム100gを550℃で2時間焼
成を行った。焼成後、粉砕機で粉砕を行い、活性アルミ
ナを得た。得られたアルミナについて物性を測定し、結
果を表1に示す。
【0066】(比較例2)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム100gに塩化アンモニウム
(NHCl)0.4gをハイスピードミキサーで2分
間混合した。その後、混合品を150℃で10時間乾燥
した後550℃で2時間焼成を行った。焼成後、粉砕機
で粉砕を行い、活性アルミナを得た。得られたアルミナ
について物性を測定し、結果を表1に示す。
【0067】(比較例3)150℃乾燥基準で擬ベーマ
イトゲル100gに塩化アンモニウム(NHCl)
0.2gをハイスピードミキサーで2分間混合した。そ
の後、混合品を150℃で10時間乾燥した後550℃
で2時間焼成を行った。焼成後、粉砕機で粉砕を行い、
活性アルミナを得た。得られたアルミナについて物性を
測定し、結果を表1に示す。
【0068】(比較例4)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム100gに硫酸アンモニウム
((NHSO)0.4gをハイスピードミキサ
ーで2分間混合した。混合品を成形機で3mm押し出し
成形後、150℃で10時間乾燥した後550℃で2時
間焼成を行った。焼成後、粉砕機で粉砕を行い、活性ア
ルミナを得た。 得られたアルミナについて物性を測定
し、結果を表1に示す。
【0069】(比較例5)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム100gに硝酸アンモニウム
(NHNO)1gをハイスピードミキサーで2分間
混合した。その後、混合品を150℃で10時間乾燥し
た後550℃で2時間焼成を行った。焼成後、粉砕機で
粉砕を行い、活性アルミナを得た。得られたアルミナに
ついて物性を測定し、結果を表1に示す。
【0070】(比較例6)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム100gに塩化アンモニウム
(NHCl)1.0gをハイスピードミキサーで2分
間混合した。その後、混合品を150℃で10時間乾燥
した後380℃で2時間焼成を行った。焼成後、粉砕機
で粉砕を行い、活性アルミナを得た。得られたアルミナ
について物性を測定し、結果を表1に示す。
【0071】(比較例7)150℃乾燥基準でギブサイ
ト型水酸化アルミニウム100gに塩化アンモニウム
(NHCl)1.0gをハイスピードミキサーで2分
間混合した。その後、混合品を150℃で10時間乾燥
した後800℃で2時間焼成を行った。焼成後、粉砕機
で粉砕を行い、活性アルミナを得た。得られたアルミナ
について物性を測定し、結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】(応用例1) (タングステンの吸着実験)100mlビーカーに試料
(活性アルミナ)1.00gと水0.29gを混ぜた
後、シクロヘキサン80gとエチレングリコールジメチ
ルエーテル20gとを混合した溶媒に6塩化タングステ
ン(WCl)0.002g(タングステンの濃度9p
pm)混合した溶液の内50gを添加し含浸させた。そ
の後、室温下で2時間撹拌し、濾別し、濾過残渣につい
てシクロヘキサン25ml及び上記混合溶媒30mlを
使用して洗浄を行う。濾過残渣について150℃、20
時間乾燥を行い、各試料中のタングステンの含有量を分
析し、下記式(2)により除去率を求めた。 タングステン(W)除去率(%) = 100×吸着タングステン量(Wmg) /添加タングステン量(Wmg) ・・(2) 結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】(応用例2) (たばこの葉の水抽出成分の吸着除去実験)実施例によ
り試作したアルミナについて、たばこの葉からの水抽出
成分の吸着除去実験を行った。市販のたばこ(ハイライ
ト)10本分の葉を1Lイオン交換水中に投入し、90
℃で30分間抽出し、濾過後、褐色状の抽出液を得た。
吸着剤として、実施例で試作した各アルミナと、含アル
ミニウムフィロケイ酸亜鉛(水澤化学製:ミズカナイ
ト)、フィロケイ酸マグネシウム(水澤化学製:ミズカ
ライフ)を用いた。上記抽出液100mlに、試料4g
を投入し、1分撹拌混合後濾別を行い、濾液について吸
光光度率を測定した。分析機器は、日本分光製V−56
0を使用し、測定用試料セルは石英を使用し、測定波長
は200〜800nmで測定した。除去率は、吸収スペ
クトル400nmにおけるスペクトル透過率で比較し
た。結果を表3に示す。
【0076】
【表3】
【0077】表3において*印の試料は、実施例1で調
製した酸性活性アルミナとミズカライフを各2g混合し
た物である。表3において各実施例で調製した活性アル
ミナは、抽出原液および比較例で調製した活性アルミナ
と比較して400nmスペクトル透過率は向上してい
る。このことは、本発明の活性アルミナは、400nm
スペクトルで吸収する物質の吸着除去効果が著しいこと
を示している。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、ギブサイト型水酸化ア
ルミニウム、擬ベーマイト型水酸化アルミニウム、バイ
ヤライト型水酸化アルミニウムの内少なくとも一つの水
酸化アルミニウムと、前記水酸化アルミニウム中に存在
する金属成分よりも過剰の塩化及び/又は硫酸アンモニ
ウムとを混合し、この混合物を焼成することにより、生
成する活性アルミナ中に塩素及び/又は硫酸分が有効に
固定され、従来のものには認められなかった酸性側pH
を示す活性アルミナが得られる。この酸性活性アルミナ
は、従来の活性アルミナに勝るとも劣らない吸着性を有
すると共に、金属成分やアンモニア、有機塩基等に対す
る吸着性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】ギブサイトのX線回折像を示す。
【図2】ベーマイトのX線回折像を示す。
【図3】擬ベーマイトのX線回折像を示す。
【図4】バイヤライトのX線回折像を示す。
【図5】本発明(実施例1)による活性アルミナのX線
回折像を示す。
【図6】本発明(実施例1)による活性アルミナのIR
図を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 150℃乾燥基準で測定して97重量%
    以上のAlを含有し、150乃至400m/g
    のBET比表面積と0.2乃至0.7cc/gの細孔容
    積とを有し、且つ2重量%水性懸濁液として測定したp
    Hが4.0乃至7.0の範囲にあることを特徴とする酸
    性活性アルミナ。
  2. 【請求項2】 蛍光X線法で測定して、下記式(1) R=C/CAl ‥(1) 式中、Xは塩素(Cl)又は硫黄(S)であり、 Cは塩素成分又は硫黄成分のX線強度(KCPS)
    であり、 CAlはAlのX線強度(KCPS)である、で定義さ
    れる強度比(R)において、RClが0.0010
    以上又はRが0.010以上である請求項1記載の酸
    性活性アルミナ。
  3. 【請求項3】 体積基準の中位径が5乃至100μmの
    範囲にある請求項1または2記載の酸性活性アルミナ。
  4. 【請求項4】 ギブサイト型水酸化アルミニウム、擬ベ
    ーマイト型水酸化アルミニウム、バイヤライト型水酸化
    アルミニウムの内少なくとも一つの水酸化アルミニウム
    中に含有するアルカリ金属成分よりも過剰の塩化及び/
    又は硫酸アンモニウムとを混合し、この混合物を焼成す
    ることを特徴とする酸性活性アルミナの製法。
  5. 【請求項5】 水酸化アルミニウムと塩化及び/又は硫
    酸アンモニウムとを乾式で混合する請求項4記載の製
    法。
  6. 【請求項6】 150℃乾燥基準のギブサイト型水酸化
    アルミニウム、擬ベーマイト型水酸化アルミニウム、バ
    イヤライト型水酸化アルミニウムの内少なくとも一つに
    対して、0.5乃至3.0重量%の塩化及び/又は硫酸
    アンモニウムを混合する請求項4または5に記載の製
    法。
  7. 【請求項7】 混合物の焼成を450乃至700℃の温
    度で行う請求項4乃至6の何れかに記載の製法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至3の何れかに記載の酸性活
    性アルミナから成る吸着剤。
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