JP5644768B2 - ポリイミドフィルムの製造方法およびテンター装置 - Google Patents

ポリイミドフィルムの製造方法およびテンター装置 Download PDF

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Description

本発明は、ポリイミドフィルムの製造方法に関し、詳しくは改良されたテンター装置を使用して加熱処理を行うポリイミドフィルムの製造方法に関する。また、本発明は、ポリイミドフィルムの製造に好ましく使用されるテンター装置に関する。
ポリイミドフィルムは、軽量で、柔軟性、フィルム強度および耐熱性等の諸特性において優れていることから、種々の分野、特に電子・電気分野において、例えばフレキシブル配線基板材料およびCOF用基板材料等として使用されている。
一般的なポリイミドフィルムの製造方法としては、ポリアミック酸などのポリイミド前駆体の溶媒溶液を、支持体上にキャストして得た自己支持性フィルム(ゲル状フィルム、ゲルフィルム等とも呼ばれる)を、テンター装置によりその両端を把持しながら、例えば300〜500℃で加熱処理する方法(熱キュアともよばれる)が知られている。イミド化には、化学イミド化、熱イミド化、または両者を併用した反応が利用される。一例を挙げると、例えば特開2009-67042号公報(特許文献1)、特開2003−268133号公報(特許文献2)、特開2000−204178号公報(特許文献3)に、熱イミド化および/または化学イミド化を主体とするフィルム製造方法が記載されている。
イミド化方法の違い(熱イミド化、化学イミド化)と共に、使用するテトラカルボン酸成分およびジアミン成分等の原料の違いにより、自己支持性フィルムのイミド化率および溶媒含有率が適宜決められ、また、最終の加熱処理(熱キュア)条件等も適宜選ばれる。最終的に、加熱処理(熱キュア)によって、イミド化が完了し、溶媒も除去されて、ポリイミドフィルムが製造される。
自己支持性フィルムの加熱処理の際に、自己支持性フィルムは体積収縮するため、安定してフィルムを製造するには、テンター装置によりフィルム両端を保持した状態で加熱する。必要により、両端の幅を徐々に拡大して延伸したり両端の幅を縮小して収縮(応力緩和)したりすることも行われる。自己支持性フィルムの両端の固定は、自己支持性フィルムの端部に多数のピンを刺して固定する方式(ピン式テンター)、自己支持性フィルムの端部を把持する方式(クリップ式テンター、チャック式テンター)等により行われる。テンター装置は、ポリイミドフィルムのみならず他の種類のフィルムの製造にも広く用いられている。
従来のテンター装置は、特開2001−146344号公報(特許文献4)に記載されているように、テンターレール内のローラ上をテンターチェーンが移動する構造を有している。
以下、特許文献4に開示されたテンター装置について、その一方の側のテンターレールおよびテンターチェーンの断面図である図12を参照して説明する。図12に示すように、テンターレール140は、互いに間隔をあけて配置された支持壁141と、支持壁141の間に回転自在に支持されたチェーン支持ローラ142とを有しており、テンターチェーン150は支持壁141の間に配置されて、チェーン支持ローラ142上に支持されている。
テンターチェーン150は、一対の内プレート151a、151bを有する内リンクと、一対の外プレート154a、154bを有する外リンクとを、連結ピン155によって交互に連結して構成される。内リンクはさらに、ブシュ(不図示)を介して連結ピン155が挿通されるローラ153a、153bを有している。これらローラ153a、153bは連結ピン155の軸方向に配置され、それぞれ連結ピン155に対して独立して回転することができる。
このテンターチェーン150は、外プレート154a、154bの対向方向を上下方向とした姿勢で使用され、従って、使用時には下側の外プレート154bがチェーン支持ローラ142上に支持される。
使用時に上側に位置する外プレート154aは、クランク状に屈曲して横方向に延びており、その先端部には、複数の突き刺しピン165を有するピンプレート164が取り付けられている。フィルムFは、その縁部が突き刺しピン165で突き刺されて把持され、この状態でテンターチェーン150を移動させることによってフィルムFが搬送される。
ポリイミドフィルムの製造にこの装置を使用した場合、自己支持性フィルムの体積収縮に加えて、テンターレールの拡縮機能を利用して延伸を行うと、テンターチェーン150には横方向(図示矢印A方向)への非常に大きな張力が作用し、テンターチェーン150は傾いた状態で移動する。テンターチェーン150が傾くと、上側のローラ153aは内側の支持壁141と接触し、下側のローラ153bは外側の支持壁141と接触する。その状態でテンターチェーン150が移動することによってローラ153a、153bは互いに逆方向に回転することができるので、テンターチェーン150が傾いてもローラの回転は妨げられない。
特許文献1:特開2009-67042号公報
特許文献2:特開2003−268133号公報
特許文献3:特開2000−204178号公報
特許文献4:特開2001−146344号公報
上述したテンター装置では、テンターチェーンのローラを上下二段としているが、ローラを上下二段としても、テンターチェーンが傾くことに変わりはない。テンターチェーンが傾いた状態では、ローラは局部的に支持壁と接触するので、ローラには局部的に高い接触圧力が作用する。そのため、ローラが回転することによって、ローラおよびそれを支持する部材は局部的に大きな力が作用した状態で摺動する。結果的に、ローラおよびそれを支持する部材はローラの回転により次第に摩耗し、この摩耗による金属粉が発生する。金属粉は、テンターチェーンを長期間にわたって動作させ続けると、テンターチェーンを構成する部品間に蓄積され、ローラの回転能力およびテンターチェーンの動作を妨げることがある。また、処理中のフィルムに金属粉が付着すると、フィルムの品質が低下し、好ましくない。
テンターチェーンを構成する部品間の摩擦を低減するために潤滑油を用いることが考えられる。しかし、例えばポリイミドフィルムの製造においては最高温度が200〜600℃に達することがあり、このような高温環境下では潤滑油が蒸発してしまうことに加え、蒸発した潤滑油がポリイミドフィルムに付着してポリイミドフィルムの品質低下を引き起こすこともあるため、潤滑油を使用するのは難しい。
そのため、ポリイミドフィルムの品質を低下させないためには、テンターチェーンおよびテンターレールのメンテナンスが頻繁に必要である。
本発明の目的は、改良されたテンター装置を用いることによって、ポリイミドフィルムを高品質で、効率よく製造できるポリイミドフィルムの製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、テンターチェーンが傾きにくい構造とすることにより、偏荷重および摺動摩擦抵抗を低減し、摩耗による金属粉が生じにくいテンター装置を提供することである。本発明のさらに他の目的は、潤滑油を用いることなく運転することが可能であり、高温環境下での使用に適したテンター装置を提供することである。
本発明は、以下の事項に関する。
1. ポリイミド前駆体の溶媒溶液を支持体上にキャストし、自己支持性フィルムとする第1工程と、
前記自己支持性フィルムの幅方向の両端をテンター装置で把持し長手方向に搬送しながら、加熱処理する第2工程とを有するポリイミドフィルムの製造方法であって、
前記テンター装置は、
前記自己支持性フィルムの搬送路の両側に配置されたガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動し、それぞれ前記自己支持性フィルムの縁部を把持するフィルム保持機構を備えた一対のテンターチェーンとを有し、
前記テンターチェーンは、前記テンターチェーンを移動可能に支持させるための、前記自己支持性フィルムの搬送面に平行かつ前記ガイド部材の長手方向と直角な方向に延びる軸部材を中心に回転自在に支持された回転体を有し、前記軸部材は、前記フィルム保持機構が固定されている部材と同じ部材に直接または間接的に固定されていることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
2. 複数の前記回転体を有し、前記複数の回転体の少なくとも1つが軸受である上記1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
3. 複数の前記軸受を有し、前記複数の軸受の少なくとも1つが転がり軸受である上記2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
4. 前記転がり軸受は、外輪と、内輪と、前記外輪と内輪との間に配された複数の転動体と、前記複数の転動体を円周方向に離間させるためのスペーサとを有し、前記スペーサおよび/または転動体の少なくとも一部は固体潤滑剤を含有している上記3に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
5. 複数の前記軸受を有し、前記複数の軸受の少なくとも1つが滑り軸受である上記2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
6. 前記滑り軸受は多層構造であり、その最内層が固体潤滑剤を含有している上記5に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
7. 前記回転体はローラである上記1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
8. 前記ローラは多層構造であり、その最内層が固体潤滑剤を含有している上記7に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
9. 前記テンターチェーンは、複数の内リンクと複数の外リンクとを交互に連結して構成されている上記1から8のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
10. 前記軸部材および前記フィルム保持機構は、前記外リンクを構成する部品の一つである外プレートに固定されている上記1から9のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
11. 前記フィルム保持機構は、アタッチプレートを介して前記外プレートに取り付けられている上記10に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
12. 前記アタッチプレートの板厚は、前記外プレートの板厚よりも薄い上記11に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
13. 前記テンターチェーンは、前記自己支持性フィルムの幅方向で前記ガイド部材に隣接して回転自在に支持されたローラおよび第2軸受の少なくとも一方を有する上記9に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
14. 前記内リンクは、対向配置された一対の内プレートと、前記一対の内プレートを連結するブシュと、を有し、前記第2軸受が前記ブシュの外周に支持されている上記13に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
15. 前記テンターチェーンは複数の前記第2軸受を有し、前記複数の第2軸受の少なくとも一つが転がり軸受である上記13または14に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
16. 前記テンターチェーンは複数の前記第2軸受を有し、前記複数の第2軸受の少なくとも一つが滑り軸受である上記13または14に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
17. 前記第2軸受は固体潤滑剤により潤滑される軸受である上記15または16に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
18. 前記フィルム保持機構は、ピンプレートと、前記ピンプレートに設けられた複数の突き刺しピンとを有し、前記複数の突き刺しピンをフィルムに突き刺すことによってフィルムが把持される上記1から17のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
19. ポリイミド前駆体の溶媒溶液を支持体上にキャストし、自己支持性フィルムとする第1工程と、
前記自己支持性フィルムの幅方向の両端をテンター装置で把持し搬送しながら、加熱処理する第2工程とを有するポリイミドフィルムの製造方法であって、
前記テンター装置は、
フィルムの搬送路の両側に配置された不動のガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動し、それぞれ前記自己支持性フィルムの縁部を把持するフィルム保持機構を備えた一対の可動のテンターチェーンとを有し、
前記第2工程において、前記不動のガイド部材と前記可動のテンターチェーンの間にずり摩擦が実質的に生じないようにして、前記自己支持性フィルムが搬送され、加熱処理されることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
20. ポリイミド前駆体の溶媒溶液を支持体上にキャストし、自己支持性フィルムとする第1工程と、
前記自己支持性フィルムの幅方向の両端をテンター装置で把持し搬送しながら、加熱する第2工程とを有するポリイミドフィルムの製造方法であって、
前記テンター装置は、
前記自己支持性フィルムの搬送路の両側に配置された不動のガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動し、それぞれ前記自己支持性フィルムの縁部を把持するフィルム保持機構を備えた一対の可動のテンターチェーンとを有し、
前記第2工程において、前記フィルム保持機構に対して前記自己支持性フィルムから張力が加えられたときに、前記テンターチェーンが傾かないようにして、前記自己支持性フィルムが搬送され、加熱処理されることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
21. フィルムの搬送路の両側に配置されたガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動し、それぞれ前記フィルムの縁部を把持するフィルム保持機構を備えた一対のテンターチェーンとを有し、
前記テンターチェーンは、前記テンターチェーンを移動可能に支持させるための、前記フィルムの搬送面に平行かつ前記ガイド部材の長手方向と直角な方向に延びる軸部材を中心に回転自在に支持された回転体を有し、前記軸部材は、前記フィルム保持機構が固定されている部材と同じ部材に直接または間接的に固定されていることを特徴とするテンター装置。
22. 複数の前記回転体を有し、前記複数の回転体の少なくとも1つが軸受である上記21に記載のテンター装置。
23. 複数の前記軸受を有し、前記複数の軸受の少なくとも1つが転がり軸受である上記22に記載のテンター装置。
24. 前記転がり軸受は、外輪と、内輪と、前記外輪と内輪との間に配された複数の転動体と、前記複数の転動体を円周方向に離間させるためのスペーサとを有し、前記スペーサおよび/または転動体の少なくとも一部は固体潤滑剤を含有している上記23に記載のテンター装置。
25. 複数の前記軸受を有し、前記複数の軸受の少なくとも1つが滑り軸受である上記22に記載のテンター装置。
26. 前記滑り軸受は多層構造であり、その最内層が固体潤滑剤を含有している上記25に記載のテンター装置。
27. 前記回転体はローラである上記21に記載のテンター装置。
28. 前記ローラは多層構造であり、その最内層が固体潤滑剤を含有している上記27に記載のテンター装置。
29. 前記テンターチェーンは、複数の内リンクと複数の外リンクとを交互に連結して構成されている上記1から28のいずれか1項に記載のテンター装置。
30. 前記軸部材および前記フィルム保持機構は、前記外リンクを構成する部品の一つである外プレートに固定されている上記29に記載のテンター装置。
31. 前記フィルム保持機構は、アタッチプレートを介して前記外プレートに取り付けられている上記30に記載のテンター装置。
32. 前記アタッチプレートの板厚は、前記外プレートの板厚よりも薄い上記31に記載のテンター装置。
33. 前記テンターチェーンは、前記自己支持性フィルムの幅方向で前記ガイド部材に隣接して回転自在に支持されたローラおよび前記第2軸受の少なくとも一方を有する上記29に記載のテンター装置。
34. 前記内リンクは、対向配置された一対の内プレートと、前記一対の内プレートを連結するブシュと、前記第2軸受が前記ブシュの外周に支持されている上記33に記載のテンター装置。
35. 前記テンターチェーンは複数の前記第2軸受を有し、前記複数の第2軸受の少なくとも一つが転がり軸受である上記33または34に記載のテンター装置。
36. 前記テンターチェーンは複数の前記第2軸受を有し、前記複数の第2軸受の少なくとも一つが滑り軸受である上記33または34に記載のテンター装置。
37. 前記第2軸受は固体潤滑剤により潤滑される軸受である上記35または36に記載のテンター装置。
38. 前記フィルム保持機構は、ピンプレートと、前記ピンプレートに設けられた複数の突き刺しピンとを有し、前記複数の突き刺しピンをフィルムに突き刺すことによってフィルムが把持される上記21から37のいずれか1項に記載のテンター装置。
本発明において使用されるテンター装置は、回転体により自己支持性フィルムの長手方向に移動可能に支持されたテンターチェーンを用いているために駆動摩擦が小さく、且つ、フィルムの張力がテンターチェーンに作用してもテンターチェーンが傾きにくい構造となっているので、テンターチェーンを構成する各部品の動作がスムーズとなり、結果的に、各部品の摩耗による金属粉の発生を低減することができる。さらに、テンターチェーンの駆動エネルギーを低減することができるので、省エネルギー化が達成できる。そのため、高温環境下においても、長期間安定して高品質のポリイミドフィルムを製造することができる。
本発明において使用されるテンター装置の1例の平面図である。 図1に示すテンターチェーンのII部を拡大した図である。 図2に示すテンターチェーンをピンプレート側から見た側面図であり、一部の外プレートを断面で示している。 図2に示すテンターチェーンのIV−IV線断面図である。 図2に示すテンターチェーンのV−V線断面図である。 本発明において使用されるテンター装置の他の例を、テンターチェーンの長手方向に隣接する外プレートの間で切断した断面図である。 本発明のさらに他の形態によるテンター装置の、図4と同様の断面図である。 図7に示すテンター装置の一変形例の、図4と同様の断面図である。 図7に示すテンター装置の他の変形例の、図4と同様の断面図である。 本発明のさらに他の形態によるテンター装置の、テンターチェーンの一部を拡大した平面図である。 本発明のさらに他の形態によるテンター装置の、軽量化された軸部材を示す図である。 従来から使用されるテンター装置のテンターレールおよびテンターチェーンの、テンターチェーンの移動方向に垂直な面での断面図である。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、ポリイミド前駆体の溶媒溶液を支持体上にキャストし、自己支持性フィルムとする第1工程と、前記自己支持性フィルムの幅方向の両端をテンター装置で把持し搬送しながら、加熱処理する第2工程とを有する。
最初に、第2工程において好ましく使用されるテンター装置の例について図面を参照して説明する。
<<テンター装置>>
図1を参照すると、ポリイミドフィルムの製造工程で用いられ、特に自己支持性フィルムの加熱処理において自己支持性フィルムをその縁部(幅方向両端部)を把持した状態で搬送する、テンター装置の例が示されている。以下のテンター装置の説明中、簡単のために、自己支持性フィルムを「フィルムF」で示す。
テンター装置1は、フィルムFの搬送路の両側に配置された一対のテンターチェーン5と、各テンターチェーン5の移動をガイドする一対のテンターレール4とを有する。各テンターチェーン5は、無端となるように構成されて、駆動スプロケット2および従動スプロケット3に噛み合っている。テンターレール4は、フィルムFの搬送方向に沿って延び、互いに平行に配置された一対のガイド板41を有し、テンターチェーン5は、そのガイド板41の間を通ることができる。
各テンターチェーン5は、詳しくは後述するように、複数のフィルム保持機構を有しており、フィルムFの両縁部は、各テンターチェーン5に設けられたフィルム保持機構によって把持される。フィルムFの両縁部が把持された状態で駆動スプロケット2を駆動すると、テンターチェーン5がテンターレール4に沿って移動し、これによってフィルムFが搬送される。
図1に示したテンター装置1では、フィルムFをその幅が一定の状態で搬送するように一対のテンターレール4が平行に配置されている。しかし、テンターレール4をその間隔がフィルムFの搬送方向下流に向かうに従って広くなるように、または狭くなるように配置することもできる。テンターレール4の間隔をフィルムFの搬送方向下流に向かうに従って広くすることによって、フィルムFを横方向に延伸することができ、また、この逆にテンターレール4の間隔を次第に狭くすることによって、フィルムFの応力緩和に対応することができる。また、一対のテンターレール4は、その間隔が一定の部分、次第に広くなる部分、および次第に狭くなる部分のうち2つ以上を適宜組み合わせて配置することもできる。
次に、テンターチェーン5について、図2〜5を参照して詳細に説明する。
テンターチェーン5は、複数の内リンクと複数の外リンクとを交互に連結して無端としたローラーチェーンである。内リンクは、対向配置された一対の内プレート51a、51bと、これらを連結する2つのブシュ52と、内プレート51a、51bの間で各ブシュ52の外周に回転自在に支持された2つのローラ53とを有する。内プレート51a、51bは長手方向を有するように形成された部材であり、2つのブシュ52はその長手方向に間隔をあけて配置されている。ローラ53は、フィルムFの幅方向において一対のガイド板41の間でガイド板41に隣接して位置し、かつ、ガイド板41と接触することができるように、ローラ53の直径は、一対のガイド板41の間隔よりも小さく、かつ内プレート51aおよび/または51bの幅よりも大きい。
外リンクは、内リンクの外側に対向配置された一対の外プレート54a、54bと、外プレート54a、54bを内リンクと連結するために内プレート51a、51bおよびブシュ52を貫通する2つの連結ピン55とを有する。外プレート54a、54bも長手方向を有するように形成された部材であり、隣り合う2つの内リンクを連結できる長さを有している。本形態では連結ピン55はネジ付きピンであり、ワッシャ56およびナット57によって、連結ピン55が外プレート54a、54bから抜けないように保持されている。
一対の外プレート54a、54bのうち上側に位置する一方の外プレート54aには、アタッチプレート63が固定されている。アタッチプレート63は、外プレート54aの長手方向と直角な幅方向においてテンターチェーン5の一方の側に延びるように、外プレート54aの片面に取り付けられている。アタッチプレート63の先端には、フィルムFを保持するための複数の突き刺しピン65が設けられたピンプレート64が固定されている。ピンプレート63およびピン64は、本発明におけるフィルム保持機構を構成する。アタッチプレート63とピンプレート64とは一体であってもよい。
アタッチプレート63は、ピンプレート64を外プレート54aの幅方向の一方の側に位置させることができれば任意の形状とすることができる。本形態では、アタッチプレート63は、図4に示すように、ピンプレート64が取り付けられる先端部が外プレート54a、54bの対向方向において両者の間に位置して外プレート54a、54bと平行に延びるクランク状の断面形状を有して形成されている。
アタッチプレート63が固定された外プレート54aには、軸部材60が、その軸方向が外プレート54aの幅方向と平行となる向き、言い換えればフィルムFの搬送面に平行で、かつ、テンターレール4の長手方向と直角な方向に延びる向きで固定されている。軸部材60は、両端部が他の部位に比べて小径とされた段付きの部材であり、その小径の部位に、回転体として、軸部材60のラジアル荷重を受ける軸受61が、軸部材60を中心に回転自在に配置されている。
軸部材60の両端部に取り付けられた軸受61は、これらが一対のガイド板41の上面に支持されることができるように、2つの軸受61の間隔が、ガイド部材41の間隔とほぼ等しく設計されている。軸受61は、例えばCワッシャ62によって、軸部材60に対する軸方向の位置が固定されている。また、軸部材60は、例えば図11に示すように、切削等によって部分的に除去されて軽量化されていることが好ましい。
軸受61としては、ラジアル荷重を受けるものであれば、転がり軸受および滑り軸受など任意の軸受を用いることができる。本形態では、図5に示すように、転がり軸受を用いている。転がり軸受は、外輪、内輪、および外輪と内輪との間に配された複数の転動体(玉)と、転動体を円周方向に離間するスペーサとを有している。内輪は軸部材60に固定されており、外輪が軸部材60に対して回転する。
以上のように軸受61を設けることにより、テンターチェーン5は、軸受61によって、テンターチェーン5の長手方向に移動可能にテンターレール4上に支持される。
以上説明したテンターチェーン5を構成する各部品は、通常のテンターチェーンと同様、ステンレス鋼などで作ることができる。
テンターチェーン5は、連結ピン55の軸方向を鉛直方向に向け、アタッチプレート63が固定された外プレート54aを上側とした姿勢で使用される。そして各テンターチェーン5は、ピンプレート64が外向きとなるように無端状とされて、駆動スプロケット2および従動スプロケット3に噛み合わせられる。また、各テンターチェーン5は、テンターレール4が設置された領域では、軸受61によってガイド板41の上面に支持されており、ローラ53はガイド板41の間に位置している。
上記のように一対のテンターチェーン5を設置することにより、一対のテンターチェーン5の互いに向き合った領域では、ピンプレート64が互いに内側を向いている。テンターチェーン5の間隔を、フィルムFの幅に合わせて適宜設定すれば、対向するピンプレート64の突き刺しピン65でフィルムFを突き刺すことにより、フィルムFの両縁部を支持把持することができる。
フィルムFの両縁部を把持した状態で駆動スプロケット2を駆動すると、テンターチェーン5が移動し、これによってフィルムFが搬送される。また、アタッチプレート63の長さや折り曲げ角度を調整することにより、フィルムFの把持面の高さを制御することができる。
テンターチェーン5は、軸受61がガイド板41上を回転することによって移動する。内リンクおよび外リンクはガイド板41の間に位置しており、これによってテンターチェーン5の横方向の位置が規制されるので、テンターチェーン5はテンターレール4に沿って移動する。ガイド板41の上面は、軸受61と接して軸受61の回転を阻害しない構造であれば良く、軸受61に対して摩擦が小さいことが好ましい。そのためには、ガイド板41の上面は、平坦もしくは平滑であることが好ましい。また、ガイド板41の上面は、軸受61との摩擦を小さくする表面加工が施されていてもよい。
テンター装置1は、テンターレール4の拡縮機能を利用し、フィルムFの延伸処理などに用いることができる。このように、フィルムFの幅方向に張力をかける処理にテンター装置1が用いられる場合、フィルムFを把持するピンプレート64は、図4に矢印Aで示方向に引っ張られる。このフィルムFによる引張り力により、テンターチェーン5には、そのテンターチェーン5を対となるもう一方のテンターチェーン5側に傾かせるモーメントが作用する。
以下、テンターチェーン5に作用するモーメントについて、図12に示した従来のテンターチェーンと比較して説明する。ただし、以下の説明では、外リンクと内リンクとの連結部からピンプレートまでの構造および形状の違いによる影響を排除するため、上側の外プレートが平板であり、その平板の外プレートにフィルムFの引張り力が作用するものとして考える。
この場合、フィルムFの引張りによってテンターチェーンに生じるモーメントの大きさは、鉛直方向における、テンターチェーンのテンターレールによって支持されている面から上側の外プレートまでの距離に依存し、この距離が大きいほどモーメントが大きくなる。つまり、この距離が大きいほど、より小さな力でテンターチェーンは傾く。
図12に示したテンターチェーン150では、下側の外プレート154bとチェーン支持ローラ142との接触面が、テンターレール140への支持面BS1となる。支持面BS1は、一対の内プレート151a、151bを有する内リンクを上側の外プレート154aとともに挟む下側の外プレート154bの下面と一致しており、支持面BS1から上側の外プレート154aまでの距離D1は、外プレート154a、154b間の距離よりも大きい。
一方、図4に示すように、本形態のテンターチェーン5では、軸受61とガイド板41との接触面が、テンターレール40への支持面BS2となる。支持面BS2は、上側の外プレート54aに固定された軸部材60に支持された軸受61の外周面と接する面であり、支持面BS2から上側の外プレート54aまでの距離D2は、軸部材60の外径および軸受61の外径にもよるが、通常の設計の範囲では、図12に示す距離D1よりも格段に小さくすることができる。
よって、本形態のテンターチェーン5によれば、フィルムFの引張り力によるモーメントを従来と比較して極めて小さくすることができ、その結果、フィルムFの張力によるテンターチェーン5の傾きを抑制することができる。テンターチェーン5の傾きが抑制されることによって、テンターチェーン5を構成する各部品は、無理な力が局部的に作用することなくスムーズに動作するので、各部品の摩擦による金属粉や摩擦音が発生しにくくなり、フィルム上への金属粉の付着が防止できるので、安定した品質のフィルムFを製造することができる。さらに、テンターチェーン5は回転体を使用しているため摺動摩擦抵抗が小さく、動作させるために必要なエネルギーが小さくて済むため、省エネルギー化も達成できる。回転体は固体潤滑剤による潤滑を行っているため、潤滑油を用いることなくテンター装置1を運転することが可能となる。
特に、本形態では軸受61として転がり軸受を用いており、これによって、テンターチェーン5を、より小さな駆動力で、よりスムーズに移動させることができる。
テンターチェーン5は摩擦による金属粉が発生しにくいが、全く発生しないわけではない。テンター装置1の長期間の運転により多少の金属粉は発生する。この金属粉が転がり軸受の外輪と内輪との間の空隙部に入り、それが長期間の運転の間に蓄積されると、転がり軸受の動作に支障を来すことになるかもしれない。さらには、長期間の運転により、軸受の外輪と内輪との間の空隙部で発生する固体潤滑剤が外部に飛散するのを防止する必要がある。そこで、転がり軸受は、外輪と内輪との間の空隙部に金属粉が入りにくくなるように、あるいは空隙部で発生する固体潤滑剤が外部に飛散しないように、この空隙部を覆う蓋(シールド)を有することが好ましい。さらに、転がり軸受が蓋を有する場合、転がり軸受は、蓋の外側の空間が内輪と外輪との間の空隙部と直線的に連通しないようにするラビリンス構造を有していることが好ましい。また、転がり軸受を軸部材60に取り付ける際に、シールドの外側とCワッシャ62の間に新たに別のワッシャ等を用いても良い。
前述したように本形態では、各外リンクに2つの軸受61が、外プレート54aの幅方向に間隔をあけて配置されている。この軸受61の配置は、フィルムFの張力によるテンターチェーン5の傾きに効果的に対抗し得る配置であり、これによって、テンターチェーン5の姿勢をより安定させることができる。また、各外リンクが2つの軸受61を有することによって、既存のテンターレール40の設備をそのまま利用することができるので、図12に示したテンター装置を本形態のテンター装置に置き換える場合の設備変更コストを低減することができる。
また、軸受61は、外プレート54aに固定された軸部材60に取り付けられており、これによって、テンターチェーン5の重心は支持面BS2よりも下方に位置している。このことも、テンターチェーン5の姿勢の安定化に貢献している。
さらに本形態では、従来と異なり、ピンプレート64を外プレート54aに直接取り付けるのではなく、アタッチプレート63を介して外プレート54aに取り付けている。外リンクおよび内リンクを構成する各プレート51a、51b、54a、54bは、テンターチェーン5の動作中に駆動スプロケット2から受ける大きな引張荷重に耐え得る十分な機械的強度をもつように設計されており、その結果、板厚もある程度厚くなる。一方、フィルムFの張力は、駆動スプロケット2から受ける引張荷重と比較すると非常に小さい。
従って、ピンプレート64を、外プレート54aとは別部材のアタッチプレート63を介して外プレート54aに取り付けることで、外プレート54aは十分な機械的強度を確保しながらも、アタッチプレート63は外プレート54aよりも薄い板厚で形成することができる。これによりテンターチェーン5の軽量化が達成され、テンターチェーン5をより小さな駆動力で動作させることに貢献している。
このように、アタッチプレート63を介してピンプレート64を外プレート54aに取り付けることは、テンターチェーン5の軽量化のうえで好ましいものであるが、このことは本発明においては必須ではなく、外プレート54aを、ピンプレート64を固定するのに適した形状(例えばクランク形状)とし、その先端部にピンプレート64を直接固定してもよい。
本形態のテンター装置1は、回転体によりテンターレール上に支持されたテンターチェーン5が極めて傾きにくい構造であるため、潤滑油を用いることなくスムーズに運転することができ、潤滑油が使用できないような高温環境下での使用に適している。
このように、テンター装置1は高温環境下での使用に適しているが、テンター装置1を高温環境下で使用する場合に特に重要なのは軸受61である。本形態では軸受61として転がり軸受を用いているが、一般的な転がり軸受は、潤滑油またはグリースなどの潤滑剤で潤滑される。高温環境下では潤滑剤が蒸発してしまうため、このような潤滑剤の使用は難しい。
そこで、転がり軸受は、固体潤滑剤で潤滑される構造とすることが望ましい。固体潤滑剤は、例えば、外輪と内輪との間の空隙部に複数の転動体を円周方向に離間させるためのスペーサおよび/または転動体の少なくとも一部に含有させることができる。固体潤滑剤としては、天然または人造の黒鉛材料、窒化ホウ素、二硫化タングステンおよび二硫化モリブデンなど公知の固体潤滑剤を、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。このように、固体潤滑剤を用いることにより、高温環境下でも転がり軸受を長期間にわたって好適に使用することができる。
軸受61としては、転がり軸受の代わりに滑り軸受を使用したり、あるいは転がり軸受と滑り軸受を併用したりすることもできるが、高温環境下で使用されるテンターチェーン5の軸受61に滑り軸受を用いる場合、滑り軸受を2層以上の多層構造とし、その最内層を、固体潤滑剤を含有する層で構成することが好ましい。
さらに、上述した形態では回転体として軸受61を用いた例を示したが、回転体はローラであってもよい。回転体としてローラを用いる場合も、高温環境下での使用を考慮するならば、ローラを多層構造とし、その最内層を、固体潤滑剤を含有する層で構成することが好ましい。また、ローラは、軸部材60に直接支持されていてもよいし、適宜の軸受を介して支持されていてもよい。
また、上述した形態では、上側の外プレート54aに、アタッチプレート63を介してピンプレート64を取り付けるとともに、軸部材60を介して軸受61を支持した構成を示した。しかし、図6に示すように、ピンプレート64を支持するアタッチプレート63および回転体である軸受61を支持する軸部材60は、それぞれ下側に位置する外プレート54bに固定してもよい。テンターチェーンの支持は、ガイド板41に限らず、平板とすることができる。また、テンターチェーンが所定の搬送路から外れないように、ローラ53の側方に適宜のガイド板43を配置するか、軸部材60の下方に、ローラ53と同様の他のローラ53bを配置するか、またはこれらを組み合わせることができる。図6ではこれらのすべての構成を組み合わせた例を示すが、テンターチェーンがローラ53bを備えていない構成とすることも可能であり、その場合、テンターチェーンは、テンターレールを構成するガイド板41上ではなく、平板上に支持させることができる。
また、上述した形態では、フィルムFの保持機構として突き刺しピン方式の保持機構を示したが、その代わりに、フィルムFの縁部を掴むことによって把持するクリップ方式またはチャック方式の保持機構とすることもできる。
また、上述した形態では、テンターチェーン5の内リンクと外リンクとを組み合わせた構造が通常のローラーチェーンと同様に構成されていることを示した。ここで、内リンクが備えるローラ53は、スプロケットとの噛み合わせをスムーズにする働きの他に、テンターチェーン5の移動中におけるガイド板41との摩擦を低減させる働きを有する。そこで、ガイド板41との摩擦をより低減させるために、テンターチェーン5の内リンクは、ローラ53に代えて、図7に示すようにブシュ52の周囲に第2軸受73を備えていてもよい。ローラ53の代わりに第2軸受73を用いることで、より少ない摩擦抵抗でテンターチェーン5を移動させることができ、結果的に、テンターチェーン5をより小さな駆動力で動作させるとともに、金属摩耗粉の発生をより低減させることができる。さらに、軸受73を用いることで、テンターチェーンの動作中の騒音をより低減させることができる。
なお、各内リンクは2つのブシュ52を有しており、また、テンターチェーンは複数の内リンクを有しており、従って、テンターチェーン全体では、第2軸受73を支持可能なブシュ52が複数存在することになる。第2軸受73を用いることによる上記の効果は、テンターチェーン全体が複数の第2軸受73を有することによって効果的に発揮されるが、複数のブシュ52のうちどのブシュ52で第2軸受73を支持するかは任意である。
第2軸受73は、図6に示した構成においても用いることができる。図6に示すように、テンターチェーンが下側および上側でそれぞれガイド板41、43によってガイドされる場合は、ローラ53、53bの少なくとも一方を第2軸受に置き換えることができる。また、テンターチェーンが下側のガイド板41のみでガイドされる場合は、そのガイド板41に隣接するローラ53bが第2軸受に置き換えられ、上側のガイド板43のみでガイドされる場合は、内リンクの間のローラ53が第2軸受に置き換えられる。
第2軸受73としては、本発明における回転体として用いた軸受61と同様、転がり軸受および滑り軸受など任意の軸受を用いることができる。また、テンターチェーンが複数の第2軸受73を有する場合、それらはすべて同じ軸受である必要はなく、少なくとも一つが転がり軸受であってもよいし、少なくとも一つが滑り軸受であってもよい。転がり軸受および滑り軸受の何れを用いた場合であっても、第2軸受73は、前述した軸受61と同様の構造を有することができる。その中でも固体潤滑剤により潤滑される軸受を用いることは、高温環境下での使用に特に好ましい。固体潤滑剤による潤滑は、内リンクがローラ53を備える場合にも適用することができる。さらに、テンターチェーン5に傾きが生じた場合であってもローラ53または軸受がスムーズに回転できるようにするために、ローラ53または軸受を、図12の従来例のように上下2段に配置してもよい。
また、テンターチェーンの内リンクは、図8に示すように、ローラ53および第2軸受73の両方を備えていてもよい。ローラ53および第2軸受73は、内プレート51a、51bを連結するブシュ52の軸方向に沿って配置され、それぞれが個別に動作できるように、ローラ53はブシュ52の外周に回転自在に支持され、第2軸受73は、内輪がブシュ52の外周に固定されて支持されている。第2軸受73をブッシュ52に支持する場合、内プレート51aと第2軸受け73の間にワッシャを入れても良い。
前述したように、テンターチェーンは駆動スプロケット2および従動スプロケット3(図1参照)と噛み合っており、駆動スプロケット2が回転駆動されることによって動作し、テンターチェーンは、その動作中、駆動スプロケット2から繰り返し大きなスラスト荷重を受ける。よって、図7に示すような構成の場合は、第2軸受73が駆動スプロケット2と噛み合うことから、第2軸受73が駆動スプロケット2から繰り返し受けるスラスト荷重の大きさによっては、第2軸受73の耐用寿命が通常よりも短くなってしまうおそれがある。
そこで、図8に示すように、ローラ53および第2軸受73を備えることで、ローラ53には駆動スプロケット2および従動スプロケット3の受けとしてこれらと噛み合う働きを持たせ、そして第2軸受73にはガイド板41の受けとしてガイド板41と接触する働きを持たせるようにすることができる。これによって、テンターチェーンは、長期にわたる使用に対する十分な耐久性を有しながらも、より小さな駆動力での動作、金属摩耗分の発生の低減、および動作中の騒音の低減を可能とする。
第2軸受73をガイド板41の受けとして確実に機能させるためには、ローラ53の直径は第2軸受73の直径よりも小さいことが好ましい。こうすることにより、テンターチェーンがガイド板41に接近する方向に引っ張られたときに、ローラ53がガイド板41に接触するのを防止することができる。
ローラ53および第2軸受73の相互の位置関係は任意であり、図8に示すように第2軸受73がローラ53の上方に配置されていてもよいし、その逆に第2軸受73がローラ53の下方に配置されていてもよい。ただし、第2軸受73がガイド板41と接触したときに第2軸受73がガイド板41から受ける力を小さくできるという観点からは、第2軸受73は、図8に示すようにローラ53の上方に配置されることが好ましい。また、図9に示すように、2つの第2軸受73を上下に間隔をあけて配置し、その2つの第2軸受73の間にローラ53を配置することもできる。
テンター装置の好ましい形態においては、多数の軸受が使用される可能性がある。特に、テンター装置がフィルムFを把持しながら搬送する距離が長くなればなるほど、テンターチェーンの長さが長くなり、結果的に、膨大な数の軸受が使用される。膨大な数の軸受の使用は、メンテナンス作業の煩雑化を招く。また、本形態では各外リンクが軸部材60を有し、さらに各軸部材60が2つずつ軸受61を備えているが、テンターチェーン5がバランスよく支持され、フィルムFの搬送に支障がなくフィルムFの製造に問題が生じなければ、すべての外リンクが軸部材60を有している必要はなく、また、各軸部材60が備える軸受61は1つで良い場合がある。
そこで、例えば図10に示すように、テンターチェーンの移動用の軸受61を、各軸部材60に対してそれぞれ1つずつ備えた構成とすることもできる。軸受61を軸部材60のどちらの端に配置するかは任意であり、すべての軸受61をピンプレート64側に配置したり、すべての軸受61をピンプレート64と反対側に配置したり、一部の軸受61をピンプレート64側に配置するとともに残りをその反対側に配置し、これらが適宜順番で並ぶように配置することができる。テンターチェーンの動作中にテンターチェーンに作用する力を考慮すると、テンターチェーンの安定した動作のためには、図10に示すように、複数の軸受61が、テンターチェーンの移動方向において、ピンプレート64側とその反対側に交互に配置されるようにすることが好ましい。
あるいは、図には示さないが、2つの軸受61を備えた軸部材60と1つの軸受61のみを備えた軸部材60とを適宜配置で組み合わせたり、複数の外リンクのうち一部の外リンクのみに軸部材60を取り付けることもできる。一部の外リンクに軸部材60を取り付けた場合であっても、各軸部材60がどのような配置で1つまたは2つの軸受61を備えているか、および、軸部材60がどの内リンクに取り付けられているかは任意である。
上述したように、テンターチェーン5全体における軸部材60および軸受61の配置は、テンターチェーン5がバランスよく支持され、フィルムFの搬送に支障がなくフィルムFの製造に問題が生じないような配置であれば任意である。
一方、図8および図9に示したようにテンターチェーンの内リンクがブシュ52の周囲に第2軸受73を有する場合、すべてのブシュ52にではなく一部のブシュ52のみに第2軸受73を取り付けることもできる。この場合、第2軸受73が取り付けられていないブシュ52にはローラ53のみが取り付けられる。
以上のように使用する軸受の数を削減することによって、テンターチェーンのメンテナンス作業を軽減できる。また、使用する軸受の数を少なくすることによって、テンターチェーンの軽量化が達成されるためテンター装置をより小さい駆動力で駆動できるようになるとともに、テンターチェーンを安価に提供できる。
以上、本発明のポリイミドフィルムの製造方法において好ましく使用されるテンター装置について説明したが、上述したテンター装置は、ポリイミドフィルムの製造のみならず他の種類のフィルムの製造においても広く用いることができる。
<<ポリイミドフィルムの製造>>
前述のとおり、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、ポリイミド前駆体の溶媒溶液を支持体上にキャストし、自己支持性フィルムとする第1工程と、この自己支持性フィルムの幅方向の両端をテンター装置で把持しながら、イミド化及び/又は熱処理などを目的とする加熱する第2工程とを有する。
本発明においては、ポリイミドフィルムを、熱イミド化、化学イミド化、または熱イミド化と化学イミド化とを併用した方法で製造することができる。
<第1工程>
第1工程において自己支持性フィルムを形成するためのポリイミド前駆体としては、公知の酸成分とジアミン成分とから得られるポリアミック酸などの公知のポリイミド前駆体を用いることができる。
本発明では、最終的に製造されるポリイミド層は、1層で構成されても、成分の異なる多層で構成されてもよい。ポリイミドフィルムを構成する層のうちで少なくとも1層は、耐熱性ポリイミドで構成される層であることが好ましい。多層構造の例としては、耐熱性ポリイミドで構成される層の片面または両面に熱圧着性ポリイミドで構成される層が形成された例、表面が平滑性に優れる層と他面が易滑性に優れる層で形成された例、少なくとも1層が透明性又は非透明性に優れる層で形成された例、などが挙げられる。
最終的に製造されるポリイミドフィルムに対応して、自己支持性フィルムも、1層で構成されても、ポリイミド前駆体の成分が異なる多層で構成されてもよい。
耐熱性ポリイミドとしては、
(1)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物及び1,4−ヒドロキノンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物より選ばれる成分を少なくとも1種含む酸成分、好ましくはこれらの酸成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む酸成分と、
(2)ジアミン成分としてp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、m−トリジン及び4,4’−ジアミノベンズアニリドより選ばれる成分を少なくとも1種含むジアミン、好ましくはこれらのジアミン成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むジアミン成分とから得られるポリイミドなどを用いることができる。
耐熱性ポリイミドを構成する酸成分とジアミン成分との組み合わせの例として、次のものが挙げられる。
1)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)と、p−フェニレンジアミン(PPD)と、必要により4,4−ジアミノジフェニルエーテル(DADE)を含む組み合わせ。この場合、PPD/DADE(モル比)は100/0〜85/15であることが好ましい。
2)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物(PMDA)と、p−フェニレンジアミンと必要により4,4−ジアミノジフェニルエーテルを含む組み合わせ。この場合、BPDA/PMDAは0/100〜90/10であることが好ましい。PPDとDADEを併用する場合、PPD/(DADEは、例えば90/10〜10/90が好ましい。
3)ピロメリット酸二無水物と、p−フェニレンジアミン及び4,4−ジアミノジフェニルエーテルの組み合わせ。この場合、DADE/PPDは90/10〜10/90であることが好ましい。
4)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとを主成分(合計100モル%中の50モル%以上)として得られるものを挙げることができる。
上記1)〜4)において、4,4−ジアミノジフェニルエーテル(DADE)の一部又は全部を、目的に応じて3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、又は下記に示す他のジアミンに置き換えても良い。
これらのものは、プリント配線板、フレキシブルプリント回路基板、TABテープ等の電子部品の素材として用いられ、広い温度範囲にわたって優れた機械的特性を有し、長期耐熱性を有し、耐加水分解性に優れ、熱分解開始温度が高く、加熱収縮率と線膨張係数が小さい、難燃性に優れるために好ましい。
耐熱性ポリイミドを得ることができる酸成分として、上記に示す酸成分の他に目的の特性を損なわない範囲で、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、などの酸二無水物成分を用いることができる。
耐熱性ポリイミドを得ることができるジアミン成分として、上記に示すジアミン成分の他に目的の特性を損なわない範囲で、m−フェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンなどのビス(アミノフェノキシ)ベンゼン類、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルなどのジアミン成分を用いることができる。
一方、熱圧着性ポリイミドは、
(1)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物及び1,4−ヒドロキノンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物などの酸二無水物より選ばれる成分を少なくとも1種含む酸成分、好ましくはこれらの酸成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む酸成分と、
(2)ジアミン成分としては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンなどのジアミンより選ばれる成分を少なくとも1種含むジアミン、好ましくはこれらのジアミン成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むジアミン成分とから得られるポリイミドなどを用いることができる。
熱圧着性ポリイミドを得ることができる酸成分とジアミン成分との組合せの一例としては、
(1)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の酸二無水物より選ばれる成分を少なくとも1種含む酸成分、好ましくはこれらの酸成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む酸成分と、
(2)ジアミン成分としては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンなどのジアミンより選ばれる成分を少なくとも1種含むジアミン、好ましくはこれらのジアミン成分を少なくとも70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むジアミン成分とから得られるポリイミドなどを用いることができる。
熱圧着性ポリイミドを得ることができるジアミン成分として、上記に示すジアミン成分の他に本発明の特性を損なわない範囲で、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、などのジアミン成分を用いることができる。
ポリイミド前駆体の合成は、公知の方法で行うことができ、例えば、有機溶媒中で、略等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物などの酸成分とジアミン成分とをランダム重合またはブロック重合することによって達成される。また、予めどちらかの成分が過剰である2種類以上のポリイミド前駆体を合成しておき、各ポリイミド前駆体溶液を一緒にした後反応条件下で混合してもよい。このようにして得られたポリイミド前駆体溶液はそのまま、あるいは必要であれば溶媒を除去または加えて、自己支持性フィルムの製造に使用することができる。
また溶解性に優れるポリイミドでは、ポリイミド前駆体溶液を150〜250℃に加熱するか、またはイミド化剤を添加して150℃以下、特に15〜50℃の温度で反応させて、イミド環化した後溶媒を蒸発させる、もしくは貧溶媒中に析出させて粉末とする。その後、該粉末を有機溶液に溶解してポリイミドの有機溶媒溶液を得ることができる。
ポリイミド前駆体溶液の有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリイミド前駆体溶液には、必要に応じてイミド化触媒、有機リン含有化合物、無機微粒子や有機微粒子などの微粒子などを加えてもよい。
イミド化触媒としては、置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物、該含窒素複素環化合物のN−オキシド化合物、置換もしくは非置換のアミノ酸化合物、ヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素化合物または芳香族複素環状化合物が挙げられ、特に1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、5−メチルベンズイミダゾールなどの低級アルキルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどのベンズイミダゾール、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、4−n−プロピルピリジンなどの置換ピリジンなどを好適に使用することができる。イミド化触媒の使用量は、ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.01〜2倍当量、特に0.02〜1倍当量程度であることが好ましい。イミド化触媒を使用することによって、得られるポリイミドフィルムの物性、特に伸びや端裂抵抗が向上することがある。
また、化学イミド化を意図する場合には、通常、脱水閉環剤と有機アミンを組み合わせた化学イミド化剤をポリイミド前駆体溶液中に含有させる。脱水閉環剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、および無水酢酸、無水プロピオン酸、無水吉草酸、無水安息香酸、トリフルオロ酢酸二無水物等の酸無水物が挙げられ、有機アミンとしては、ピコリン、キノリン、イソキノリン、ピリジン等が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリイミド前駆体溶液としては、支持体上にキャストすることができ、自己支持性フィルムを支持体より剥離でき、その後第二工程で少なくとも一方向に延伸できる自己支持性フィルムが形成できるものであれば、ポリマーの種類、重合度、濃度など、溶液に必要に応じて配合する各種の添加剤の種類、濃度など、ポリイミド前駆体溶液の粘度などは適宜設定することができる。
ポリイミド前駆体溶液中のポリイミド前駆体の濃度は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜25質量%、さらに好ましくは15〜20質量%である。ポリイミド前駆体溶液の溶液粘度は、100〜10000ポイズ、好ましくは400〜5000ポイズ、さらに好ましくは1000〜3000ポイズが好ましい。
第1工程において自己支持性フィルムを製造するには、単層または複層の押出形成用ダイスを備える製膜装置を使用して、前記ダイスに、1種または複数の種類のポリイミド前駆体の溶媒溶液を供給し、ダイスの吐出口(リップ部)から単層または複層の薄膜状体として支持体(エンドレスベルトやドラムなど)上に押出して、ポリイミド前駆体の溶媒溶液の略均一な厚さの薄膜を形成し、キャスティング炉の内部で、支持体(エンドレスベルトやドラムなど)を移動させながらポリイミド前駆体のイミド化が完全には進まない温度かつ有機溶媒の一部または大部分が除去できる温度に加熱し、自己支持性フィルムを支持体から剥離する。
また、多層ポリイミドフィルムを製造する場合においては、最初に特定の組成のポリイミド前駆体の溶媒溶液から、自己支持性フィルムを形成した後、その表面に異なる組成のポリイミド前駆体の溶媒溶液をキャストしてキャスティング炉で加熱して多層の自己支持性フィルムを製造することもできる。
第一工程において、支持体としては、公知の材料を用いることができるが、表面がステンレス材料などの金属材料、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂材料からなるものが好ましく、ステンレスベルト、ステンレスのロール、ポリエチレンテレフタレートのベルトなどを挙げることができる。支持体の表面は、溶剤の薄膜が均一に形成できることが好ましい。支持体の表面は、平滑でも、表面に溝やエンボスが形成されていても良い。特に平滑であることが好ましい。
キャスティング炉の内部での加熱温度は、ポリイミド前駆体のイミド化が完全には進まない温度かつ有機溶媒の一部または大部分が除去できる温度であればよく、例えば30〜200℃の範囲であり、熱イミド化の場合(化学イミド化剤を添加しない場合)は好ましくは100〜200℃である。
自己支持性フィルムは、半硬化状態またはそれ以前の乾燥状態である。この半硬化状態またはそれ以前の状態とは、加熱および/または化学イミド化によって自己支持性の状態にあることを意味する。自己支持性フィルムは、支持体から剥がせるものであればよく、溶媒含有率やイミド化率はどのような範囲でも良い。
また、自己支持性フィルムは、支持体と剥離した後、さらに必要に応じて自己支持性フィルムの片面または両面に、溶液(例えば、表面処理剤、ポリイミド前駆体、ポリイミドなどを含んでも良い)などを塗工、吹き付け、浸漬などを行い、さらに必要に応じて主として塗工溶媒を乾燥や抽出などの手段で除去してもよい。
表面処理剤としては、シランカップリング剤、ボランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、アルミニウム系キレート剤、チタネート系カップリング剤、鉄カップリング剤、銅カップリング剤などの各種カップリング剤やキレート剤などを挙げることが出来る。
自己支持性フィルムの溶媒含有量およびイミド化率は、製造を意図するポリイミドフィルムにより適宜設定できる。ここで、溶媒含有量とは、前駆体溶液中の溶媒の他に、生成水分を含む揮発可能な成分の含有量を意味する。例えば、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を80モル%以上含み、ジアミン成分としてp−フェニレンジアミンを80モル%以上含むポリイミド前駆体からポリイミドフィルムを製造する場合、好ましくは熱イミド化によりポリイミドフィルムを製造する場合、イミド化率は、1〜80%、好ましくは5〜40%であり、溶媒含有率は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは25〜45質量%である。
また、例えば、テトラカルボン酸成分として、ピロメリット酸二無水物を80モル%以上含み、p−フェニレンジアミンを80モル%以上含むポリイミド前駆体からポリイミドフィルムを製造する場合、好ましくは熱イミド化によりポリイミドフィルムを製造する場合、イミド化率は、50〜100%、好ましくは70〜100%であり、ポリイミド前駆体の溶媒含有率は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%である。
第1工程において製造した自己支持性フィルムは、必要により表面処理剤塗布等を行った後、第2工程に送られる。
<第2工程>
第2工程においては、第1工程で製造した自己支持性フィルムを、加熱処理(熱キュア)して目的のポリイミドフィルムとする。本発明では、加熱処理の際に前述のテンター装置により、自己支持性フィルムの幅方向の両端を把持しながら加熱する。
第2工程に用いられるテンター装置は、前述した装置が好ましい。図2〜11に示したようなピン式テンターの場合、自己支持性フィルムの両端が、ピン65に刺し通されて保持される。そして、フィルムを把持したテンターチェーン5が、所定温度の加熱ゾーンの中を、所定の速度で移動することで、フィルムが搬送され、その間にフィルムが熱処理されてイミド化が進行し、最終的にポリイミドフィルムが得られる。
第2工程では、最高温度が、200〜600℃の範囲、好ましくは350〜550℃の範囲、特に好ましくは300〜500℃の範囲となるような条件で、例えば約0.05〜5時間で徐々に加熱されることが好ましい。好ましくは最終的に得られるポリイミドフィルム中の有機溶媒および生成水等からなる揮発物の含有量が1重量%以下になるように、自己支持性フィルムから溶媒などを充分に除去するとともに前記フィルムを構成しているポリマーのイミド化を充分に行う。
加熱ゾーンは、温度勾配を有していることも好ましく、また加熱温度の異なるいくつかブロックに分かれていてもよい。1例を挙げると、約100〜170℃の比較的低い温度で約0.5〜30分間第一次加熱処理し、次いで170〜220℃の温度で約0.5〜30分間第二次加熱処理して、その後、220〜400℃の高温で約0.5〜30分間第三次加熱処理し、必要により400〜600℃の高い温度で第四次高温加熱処理する。また、別の1例では、80〜240℃で第一次加熱処理し、必要により中間加熱温度で加熱処理し、350〜600℃で最終加熱処理する。
本発明において、フィルム幅方向でフィルムを把持している1対のテンターチェーンの間隔を、チェーンが移動している間に拡大または縮小するように変化させてもよい。例えば、幅方向の両側に1対のテンターチェーンの間隔を徐々に広げると、フィルムに延伸をかけることができる。
上記の加熱処理は、熱風炉、赤外線加熱炉などの公知の種々の加熱装置を使用して行うことができる。フィルムの初期加熱温度、中間加熱温度および/または最終加熱温度などの加熱処理は、窒素、アルゴンなどの不活性ガスや、空気などの加熱ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
以上の製造方法により、ポリイミドフィルムは長尺状に製造されるので、一般的には、テンター装置により幅方向に保持した自己支持性フィルムの両端部を切断除外した部分を、ロール状に巻いて保存され、次の加工に提供される。
ポリイミドフィルムの厚みは、適宜選択すればよく特に限定されるものではないが、厚さが150μm以下、好ましくは5〜120μm、より好ましくは6〜50μm、さらに好ましくは7〜40μm、特に好ましくは8〜35μmとすることができる。
また、本発明の異なる態様は、
ポリイミド前駆体の溶媒溶液を支持体上にキャストし、自己支持性フィルムとする第1工程と、
前記自己支持性フィルムの幅方向の両端をテンター装置で把持し搬送しながら、加熱する第2工程とを有するポリイミドフィルムの製造方法であって、
前記テンター装置は、
フィルムの搬送路の両側に配置された不動のガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動し、それぞれ前記自己支持性フィルムの縁部を把持するフィルム保持機構を備えた一対の可動のテンターチェーンとを有し、
前記第2工程において、前記不動のガイド部材と前記可動のテンターチェーンの間で、ずり摩擦(すべり摩擦)の発生が著しく低減され、好ましくは実質的に生じないようにして、前記自己支持性フィルムが搬送され、加熱処理されることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法に関する。
この方法によれば、不動部材と可動部材の間での摺動摩擦の発生が低減されるので、ポリイミドフィルムに付着しての品質低下を招く金属粉の発生がほとんど無いので、高品質のポリイミドフィルムを長期間メンテナンスなしで、安定して製造することができる。またテンターチェーンの駆動エネルギーも低減され、製造コストの低減に有益である。
使用されるテンター装置としては、好ましくは前述した装置(図2〜11で示した装置)が使用される。第1工程における自己支持性フィルムの詳細、第2工程における熱処理の条件は前述したとおりである。
さらに本発明の異なる態様は、ポリイミド前駆体の溶媒溶液を支持体上にキャストし、自己支持性フィルムとする第1工程と、
前記自己支持性フィルムの幅方向の両端をテンター装置で把持し搬送しながら、加熱する第2工程とを有するポリイミドフィルムの製造方法であって、
前記テンター装置は、
前記自己支持性フィルムの搬送路の両側に配置された不動のガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動し、それぞれ前記自己支持性フィルムの縁部を把持するフィルム保持機構を備えた一対の可動のテンターチェーンとを有し、
前記第2工程において、前記フィルム保持機構に対して前記自己支持性フィルムから張力が加えられたときに、前記テンターチェーンが傾かないようにして、前記自己支持性フィルムが搬送され、加熱処理されることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法に関する。
この方法によれば、フィルムが両側で把持される間隔が一定で安定するために、フィルム品質が安定する。加えて、不動部材と可動部材の間での摺動摩擦の発生も低減されるので、ポリイミドフィルムの品質低下を招く金属粉の発生がほとんど無く、高品質のポリイミドフィルムを長期間メンテナンスなしで、安定して製造することができる。またテンターチェーンの駆動エネルギーも低減され、製造コストの低減に有益である。
使用されるテンター装置としては、好ましくは前述した装置(図2〜11で示した装置)が使用される。第1工程における自己支持性フィルムの詳細、第2工程における熱処理の条件は前述したとおりである。
実施例により、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。実施例の評価方法は以下の通りである。
<テンターチェーン駆動音の測定>
従来のテンターチェーン(比較例1)と、図2〜5に示した本発明のテンターチェーン(実施例1)と、図8に示した本発明のテンターチェーン(実施例2)とを同じ速度で使用して、騒音計(リオン製NL−20)を用い、テンターチェーン摺動部の前後左右の8ケ所で音量を測定し、それらの平均値で示した。
<テンターチェーン駆動エネルギーの測定>
従来のテンターチェーン(比較例1)と本発明のテンターチェーン(実施例1、2)とを同じ速度で使用して、チェーンの駆動モーターの電力値を測定した。表1には、従来のテンターチェーンの測定値を100とした相対値を示す。
<モーター負荷率の測定>
従来のテンターチェーン(比較例1)と本発明のテンターチェーン(実施例1、2)とを同じ速度で使用して、チェーンの駆動モーターの負荷率を測定した。表1には、従来のテンターチェーンの測定値を100とした相対値を示す。
<金属磨耗粉量の定量>
延伸、加熱工程におけるテンターレールの下部にプレートをネジ止めして設置し、従来のテンターチェーン(比較例1)と本発明のテンターチェーン(実施例1、2)とを同じ速度で使用して、70時間製膜を続けた後に、プレートを取り外し、プレート上に堆積した金属磨耗粉重量を測定した。得られた金属磨耗粉(黒色)を蛍光X線で分析したところ、鉄、ニッケル、クロムが主成分として検出され、テンターチェーン摺動部に使用されているステンレス鋼の磨耗粉であることが確認された。表1には、従来のテンターチェーンの測定値を100とした相対値を示す。
<実施例1>
[自己支持性フィルムの作成]
s−BPDAとPPDを概略等モル混合したDMAc(ジメチルアセトアミド)溶液(ポリマー濃度:18質量%、溶液粘度(30℃):1800ポイズ)をエンドレスベルト状のステンレス製の支持体上に流延し、120℃から140℃で温度、加熱時間を調整して乾燥し、溶媒含量が37.0質量%、イミド化率が15.3モル%の自己支持性フィルムを作成した。
(延伸、加熱工程)
図2〜5に示したテンター装置を使用し、自己支持性フィルムの幅方向の端部をピンにより把持し、105℃×1分、150℃×1分、280℃×1分で初期加熱処理をするとともに、幅方向に最大で1.1倍の延伸を行った。その後、延伸することなく最終加熱温度として、350℃×2分でイミド化を完結させて、ポリイミドフィルムを得た。その際のテンターチェーンの駆動音量、テンターチェーンの駆動エネルギー、モーター負荷率および金属磨耗粉量の値を表1に示した。
<実施例2>
図8に示したテンター装置を用いた以外は、実施例1と同様な方法でポリイミドフィルムを得た。その時のテンターチェーンの駆動音量、テンターチェーンの駆動エネルギー、モーター負荷率および金属磨耗粉量の値を表1に示した。
<比較例1>
図12に示したテンター装置を用いた以外は、実施例1と同様な方法でポリイミドフィルムを得た。その時のテンターチェーンの駆動音量、テンターチェーンの駆動エネルギー、モーター負荷率および金属磨耗粉量の値を表1に示した。
表1に示すとおり、比較例1においては、テンターチェーン駆動時の著しい金属摩擦に伴い、駆動音、駆動エネルギー、金属磨耗粉量のレベルがいずれも高かったが、実施例1、2においては、それらの値が大きく低下していることが分かる。また、実施例1と実施例2を比較すると、すべての評価項目において実施例2のほうが優れた結果が得られている。
このように、本発明のテンターチェーンを用いてポリイミドフィルム製造すれば、騒音、駆動エネルギー、金属磨耗粉量共に大幅に低減することができる。
Figure 0005644768
1 テンター装置
2 駆動スプロケット
3 従動スプロケット
4 テンターレール
5 テンターチェーン
51a、51b 内プレート
52 ブシュ
53 ローラ
54a、54b 外プレート
55 連結ピン
60 軸部材
61 軸受
63 アタッチプレート
64 ピンプレート
65 突き刺しピン

Claims (35)

  1. ポリイミド前駆体の溶媒溶液を支持体上にキャストし、自己支持性フィルムとする第1工程と、
    前記自己支持性フィルムの幅方向の両端をテンター装置で把持し長手方向に搬送しながら、加熱処理する第2工程とを有するポリイミドフィルムの製造方法であって、
    前記テンター装置は、
    前記自己支持性フィルムの搬送路の両側に配置されたガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動し、それぞれ前記自己支持性フィルムの縁部を把持するフィルム保持機構を備えた一対のテンターチェーンとを有し、
    前記テンターチェーンは、交互に連結された複数の内リンクおよび複数の外リンクと、前記テンターチェーンを移動可能に支持させるための、前記自己支持性フィルムの搬送面に平行かつ前記ガイド部材の長手方向と直角な方向に延びる軸部材を中心に回転自在に支持された回転体を有し、前記軸部材および前記フィルム保持機構前記外リンクに固定されていることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  2. 複数の前記回転体を有し、前記複数の回転体の少なくとも1つが軸受である請求項1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 複数の前記軸受を有し、前記複数の軸受の少なくとも1つが転がり軸受である請求項2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  4. 前記転がり軸受は、外輪と、内輪と、前記外輪と内輪との間に配された複数の転動体と、前記複数の転動体を円周方向に離間させるためのスペーサとを有し、前記スペーサおよび/または転動体の少なくとも一部は固体潤滑剤を含有している請求項3に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 複数の前記軸受を有し、前記複数の軸受の少なくとも1つが滑り軸受である請求項2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  6. 前記滑り軸受は多層構造であり、その最内層が固体潤滑剤を含有している請求項5に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  7. 前記回転体はローラである請求項1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  8. 前記ローラは多層構造であり、その最内層が固体潤滑剤を含有している請求項7に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  9. 前記軸部材および前記フィルム保持機構は、前記外リンクを構成する部品の一つである外プレートに固定されている請求項1からのいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  10. 前記フィルム保持機構は、アタッチプレートを介して前記外プレートに取り付けられている請求項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  11. 前記アタッチプレートの板厚は、前記外プレートの板厚よりも薄い請求項1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  12. 前記テンターチェーンは、前記自己支持性フィルムの幅方向で前記ガイド部材に隣接して回転自在に支持されたローラおよび第2軸受の少なくとも一方を有する請求項1から11のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  13. 前記内リンクは、対向配置された一対の内プレートと、前記一対の内プレートを連結するブシュと、を有し、前記第2軸受が前記ブシュの外周に支持されている請求項12に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  14. 前記テンターチェーンは複数の前記第2軸受を有し、前記複数の第2軸受の少なくとも一つが転がり軸受である請求項1または1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  15. 前記テンターチェーンは複数の前記第2軸受を有し、前記複数の第2軸受の少なくとも一つが滑り軸受である請求項1または1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  16. 前記第2軸受は固体潤滑剤により潤滑される軸受である請求項1または1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  17. 前記フィルム保持機構は、ピンプレートと、前記ピンプレートに設けられた複数の突き刺しピンとを有し、前記複数の突き刺しピンをフィルムに突き刺すことによってフィルムが把持される請求項1から1のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  18. ポリイミド前駆体の溶媒溶液を支持体上にキャストし、自己支持性フィルムとする第1工程と、
    前記自己支持性フィルムの幅方向の両端をテンター装置で把持し搬送しながら、加熱処理する第2工程とを有するポリイミドフィルムの製造方法であって、
    前記テンター装置は、
    フィルムの搬送路の両側に配置された不動のガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動し、それぞれ前記自己支持性フィルムの縁部を把持するフィルム保持機構を備えた一対の可動のテンターチェーンとを有し、
    前記第2工程において、交互に連結された複数の内リンクおよび複数の外リンクと、前記テンターチェーンを移動可能に支持させるための、前記自己支持性フィルムの搬送面に平行かつ前記ガイド部材の長手方向と直角な方向に延びる軸部材を中心に回転自在に支持された回転体を有し、前記軸部材および前記フィルム保持機構は前記外リンクに固定されている前記テンターチェーンによって前記自己支持性フィルムが搬送され、加熱処理されることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  19. フィルムの搬送路の両側に配置されたガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動し、それぞれ前記フィルムの縁部を把持するフィルム保持機構を備えた一対のテンターチェーンとを有し、
    前記テンターチェーンは、交互に連結された複数の内リンクおよび複数の外リンクと、前記テンターチェーンを移動可能に支持させるための、前記フィルムの搬送面に平行かつ前記ガイド部材の長手方向と直角な方向に延びる軸部材を中心に回転自在に支持された回転体を有し、前記軸部材および前記フィルム保持機構前記外リンクに固定されていることを特徴とするテンター装置。
  20. 複数の前記回転体を有し、前記複数の回転体の少なくとも1つが軸受である請求項19に記載のテンター装置。
  21. 複数の前記軸受を有し、前記複数の軸受の少なくとも1つが転がり軸受である請求項2に記載のテンター装置。
  22. 前記転がり軸受は、外輪と、内輪と、前記外輪と内輪との間に配された複数の転動体と、前記複数の転動体を円周方向に離間させるためのスペーサとを有し、前記スペーサおよび/または転動体の少なくとも一部は固体潤滑剤を含有している請求項2に記載のテンター装置。
  23. 複数の前記軸受を有し、前記複数の軸受の少なくとも1つが滑り軸受である請求項2に記載のテンター装置。
  24. 前記滑り軸受は多層構造であり、その最内層が固体潤滑剤を含有している請求項2に記載のテンター装置。
  25. 前記回転体はローラである請求項19に記載のテンター装置。
  26. 前記ローラは多層構造であり、その最内層が固体潤滑剤を含有している請求項2に記載のテンター装置。
  27. 前記軸部材および前記フィルム保持機構は、前記外リンクを構成する部品の一つである外プレートに固定されている請求項19から26のいずれか1項に記載のテンター装置。
  28. 前記フィルム保持機構は、アタッチプレートを介して前記外プレートに取り付けられている請求項27に記載のテンター装置。
  29. 前記アタッチプレートの板厚は、前記外プレートの板厚よりも薄い請求項28に記載のテンター装置。
  30. 前記テンターチェーンは、前記自己支持性フィルムの幅方向で前記ガイド部材に隣接して回転自在に支持されたローラおよび前記第2軸受の少なくとも一方を有する請求項21から29のいずれか1項に記載のテンター装置。
  31. 前記内リンクは、対向配置された一対の内プレートと、前記一対の内プレートを連結するブシュと、を有し、前記第2軸受が前記ブシュの外周に支持されている請求項3に記載のテンター装置。
  32. 前記テンターチェーンは複数の前記第2軸受を有し、前記複数の第2軸受の少なくとも一つが転がり軸受である請求項3または3に記載のテンター装置。
  33. 前記テンターチェーンは複数の前記第2軸受を有し、前記複数の第2軸受の少なくとも一つが滑り軸受である請求項3または3に記載のテンター装置。
  34. 前記第2軸受は固体潤滑剤により潤滑される軸受である請求項3または3に記載のテンター装置。
  35. 前記フィルム保持機構は、ピンプレートと、前記ピンプレートに設けられた複数の突き刺しピンとを有し、前記複数の突き刺しピンをフィルムに突き刺すことによってフィルムが把持される請求項19から3のいずれか1項に記載のテンター装置。
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