JP5642256B1 - アルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機及びアルミニウム合金を金属材料に用いたホットチャンバー鋳造方法 - Google Patents

アルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機及びアルミニウム合金を金属材料に用いたホットチャンバー鋳造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5642256B1
JP5642256B1 JP2013232498A JP2013232498A JP5642256B1 JP 5642256 B1 JP5642256 B1 JP 5642256B1 JP 2013232498 A JP2013232498 A JP 2013232498A JP 2013232498 A JP2013232498 A JP 2013232498A JP 5642256 B1 JP5642256 B1 JP 5642256B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
main cylinder
injection main
melting furnace
metal injection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013232498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015093286A (ja
Inventor
満 江口
満 江口
香 江口
香 江口
江口 毅
毅 江口
潤 江口
潤 江口
Original Assignee
満 江口
満 江口
香 江口
香 江口
江口 毅
毅 江口
潤 江口
潤 江口
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 満 江口, 満 江口, 香 江口, 香 江口, 江口 毅, 毅 江口, 潤 江口, 潤 江口 filed Critical 満 江口
Priority to JP2013232498A priority Critical patent/JP5642256B1/ja
Priority to TW103138301A priority patent/TWI568520B/zh
Priority to KR1020157035428A priority patent/KR101854968B1/ko
Priority to CN201480034462.3A priority patent/CN105339109A/zh
Priority to PCT/JP2014/079415 priority patent/WO2015068757A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5642256B1 publication Critical patent/JP5642256B1/ja
Publication of JP2015093286A publication Critical patent/JP2015093286A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
    • B22D17/02Hot chamber machines, i.e. with heated press chamber in which metal is melted

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

【課題】 鋳造速度が速く、アルミニウム合金の溶湯を用いても内部機構の溶損という問題が生じないアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機を提供する。【解決手段】 溶解炉110内にセラミック製の溶湯射出主筒部120を設ける。溶湯射出主筒部120内には射出路130よりも低い位置に弁体150が設けられ、加圧部160により溶湯射出主筒部120の内部空間123に対して所定圧力のガス圧の印加および除去を制御される。加圧部160がガス圧を印加すると弁体150が閉鎖される方向に働き、溶湯射出主筒部120の内部の溶湯が射出路130から金型200へダイカストされる。加圧部160がガス圧を除去すると弁体150が開放される方向に働き、次回のダイカストに必要量の溶湯が内部空間123に供給される。【選択図】図1

Description

本発明は、ダイカスト用のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機およびそれを用いたダイカスト方法に関するものである。特に、本発明にかかるアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機は、従来のホットチャンバー鋳造機の持つ問題点を回避し、従来のホットチャンバー鋳造機では不向きとされ、コールドチャンバー鋳造機が用いられていた鋳造分野についても利用可能なホットチャンバー鋳造機である。
製品や部品を造形する方法として、溶けた金属を金型に流し込み必要な形状を得る方法を鋳造といい、この製造方法で製作される製品は『鋳物』と呼ばれる。
鋳造のうち、ダイカストは金型(Die)に対して、溶けた金属(溶湯)をピストンにより所定圧力で圧入射出(Cast)する製造方法である。
ダイカスト鋳造機は、大別するとホットチャンバー鋳造機とコールドチャンバー鋳造機に分類される。ホットチャンバー鋳造機、コールドチャンバー鋳造機とも、ダイカスト用の金属材料を溶融し、溶湯状態の金属材料を成形金型に射出して鋳造する。
まず、従来のホットチャンバー鋳造機を説明する。
ホットチャンバー鋳造機は、溶解炉と鋳造機が一体になっており、ピストン−シリンダ射出部および導入管が溶解炉の溶湯中にあり、一緒に加熱されているところからホットチャンバー鋳造機と呼ばれる。溶解炉の溶湯中に沈んでいるピストン−シリンダ射出部から溶湯が押し出され、導入管を通り、金型に到達して鋳造される。
図6は、従来のホットチャンバー鋳造機の基本構成を示す図である。
図6に示すように、ホットチャンバー鋳造機10は、溶解炉11に対してピストン−シリンダ射出部12が収められており、内部は溶湯で満たされている。ピストン13はピストン駆動機構(図示せず)に接続され駆動される。ピストン−シリンダ射出部12の側面には溶湯吸入口14が設けられており、また、ピストン−シリンダ射出部12の端部から射出路15が導かれている。射出路15の先端近くにはノズル16を介して溶解炉11の外に金型17が設置されている。なお、射出路15のノズル16の先端の高さは、溶解炉11内の溶湯面の高さより高い位置に設けられている。
図6に示した従来のホットチャンバー鋳造機10の鋳造工程は、次の手順で行われる。ピストン−シリンダ射出部12のピストン13の押圧により、ピストン−シリンダ射出部12内の溶湯が押し出される。ピストンの押圧は、10MPから30MPの圧力が通例である。例えば、圧力は図示しない油圧機やリニアモーターでピストンに印加することで発生させる。ピストンの押圧により溶湯がシリンダ内から射出路15に注入され、ノズル16を介して金型17に射出される構造となっている。金型17が分離して内部の成形済みの製品が取り出される。ピストン13の上昇に伴い、ノズル16、射出路15から空気が逆流を開始する場合もあるが、ピストン13の先端が溶湯吸入口14より上部に達すると、今度は溶解炉11中の溶湯が溶湯吸入口14からピストン−シリンダ射出部12に溶湯が流れ込む。なお、溶解炉11の溶湯面の高さよりノズル16の先端の高さの方が高いため溶湯吸入口14から流れ込んだ溶湯はノズル16から溢れることはなく、ピストン13の押圧面の高さまで溶湯が満たされる。
溶湯注入部分が溶解炉内部にある鋳造機として、上記基本構成とは異なる構成のものがある。例えば、特開2004−122134号公報に開示されたものがある。
図6に記載したホットチャンバー鋳造機10の特徴としては、溶湯のピストン−シリンダ射出部12への給湯工程が溶解炉11中でのピストン−シリンダ射出部12のピストン運動に伴って自動的に行えるので、コールドチャンバー鋳造機に比べて鋳造サイクルが早いという点がある。
また、図6に示したホットチャンバー鋳造機では、ダイカストの経路となる射出部12が溶湯中にあるため、外部からの空気の巻き込みがないという点がある。空気が入り込むとダイカスト製品中に鬆(す)が入り製品に不具合が生じるが、ホットチャンバー鋳造機10であれば空気がピストン−シリンダ射出部12内に入ることがないため、ダイカスト製品中に鬆が入いるという不具合が生じることが少ない。
さらに、コールドチャンバー鋳造機に比べて、射出圧力が低くて良いので金型17への過渡な負荷がかからないという点もある。
次に、従来技術におけるコールドチャンバー鋳造機を説明する。コールドチャンバー鋳造機は、溶解炉と鋳造機が別々になっており、溶湯を溶解炉から1ショット分の溶湯を汲み出して溶解炉の外にある鋳造機に入れ、溶解炉の外で鋳造を行うものである。鋳造機が溶解炉中になく外に設けられ、加熱されていないところからコールドチャンバー鋳造機と呼ばれている。
図7は、従来のコールドチャンバー鋳造機20の基本構成を示す図である。
図7に示すように、コールドチャンバー鋳造機20は、溶解炉21の外にスリーブ22とプランジャー23からなる押し出し成形機24が設けられており、プランジャー23には押圧装置27が接続されて稼働する構造となっている。スリーブ22の先端には金型25が設置されている。また溶解炉21から溶湯を汲み出すラドル26がある。
図7に示した従来のコールドチャンバー鋳造機20の鋳造工程は、次の手順で行われる。図7(a)に示すように、ラドル26で溶解炉21中の溶湯を汲み出し、1ショット分の溶湯をスリーブ22に注ぎ込む。次に、図7(b)に示すように、所定量の溶湯をスリーブ22に注ぎ込まれた後、プランジャー23で圧入して金型25に押し込まれて成形される。プランジャー23の押圧は60MPから100MPの圧力が通例である。例えば、圧力は図示しない油圧機やリニアモーターでプランジャー23に印加することで発生させる。
ここで、コールドチャンバー鋳造機20の特徴としては、融点の高い金属素材を用いたダイカストに対応できるという点がある。アルミニウム合金や銅合金など融点が高い金属素材を用いる場合でも、図7に示したコールドチャンバー鋳造機20は、溶解炉21と鋳造機である押し出し成形機24が別々になっているため、押し出し成形機24が溶解炉21の高温にさらされる必要はなく、それら部品が溶損するおそれがない。それゆえ融点の高い金属素材やアルミニウム合金溶湯のように鋳造機の部品を溶損させる材料を用いたダイカストが可能である。
また、コールドチャンバー鋳造機20の他の特徴としては、大型の金型を用いた大物製品の成形に対応しやすいという点がある。大物の成形を行うということは鋳造機自体が大きくなるが、ホットチャンバー方式のように溶解炉中に鋳造機構が収められている機構であれば、溶解炉がかなり大きなものとなってしまう。この点、コールドチャンバーダイカストであれば溶解炉と鋳造機が別々になっているため溶解炉の大きさを抑えることが可能となる。
特開2004−122134号公報
従来のコールドチャンバー鋳造機20にはデメリットがある。
まず、従来のコールドチャンバー鋳造機20では鋳造速度が比較的遅いという問題がある。従来のコールドチャンバー鋳造機20では溶解炉21からラドル26で汲み出してスリーブ22に注入する作業が必要である。また、後述する空気を確実に抜くためプランジャー23の押し込みを慎重にゆっくりと行う必要がある。そのため鋳造時間が長くなってしまう問題が発生する。
次に、従来のコールドチャンバー鋳造機20では、ダイカスト製品中に空気が混入して鬆(す)が入る不具合が発生するおそれがある。従来のコールドチャンバー鋳造機20は押し出し成形機24が空気中に設置されているため、どうしてもスリーブ22中に空気が混入しやすく、注入した溶湯中に空気が混在しやすい。溶湯に空気が混入していると金型25内にダイカストした結果、鋳造製品において空気溜ができ鬆が入る結果となってしまう。そのため真空鋳造法やPF法(ポアフリー法)等、製品の鬆(す)に対する対策が立てられているが、そのいずれもが煩雑である。
次に、従来のコールドチャンバー鋳造機20では、成形された鋳造製品の内部に金属の断裂が生じるおそれがある。従来のコールドチャンバー鋳造機20では、押し出し成形機24が空気中に設置されているため、放熱・冷却されやすく、プランジャー23で押し出した後にスリーブ22内に残ったアルミニウム合金残渣が冷えてスリーブ壁面や角部に小さな塊片が形成されることがあるが、次のダイカストにおいて注湯された溶湯と完全に一体化する前にプランジャー23で押し出されて金型にダイカストされることが有り得る。そのため小さな塊片が混入した状態で鋳造製品が製作されてしまう問題がある。また、通常、スリーブ22の温度はアルミニウム合金の融点より低いため、ラドル26でアルミニウム合金溶湯をスリーブ22に給湯した際にアルミニウム合金溶湯が一部凝固してしまい、溶湯に固形分が混入した状態で金型へ送られて、製品中にその固形分が点在した状態で成形が行われる。これを通常破断チル層と呼び、製品強度を不安定にする。
上記したようにコールドチャンバー鋳造機にはデメリットがあり、特に、その鋳造速度が早いことと鋳造圧力が低いことに注目すればホットチャンバー鋳造機の方が優れた方式と言える。
しかし従来のホットチャンバー鋳造機10には大きなデメリットがある。
それは、従来のホットチャンバー鋳造機10ではアルミニウム合金を用いることができないという問題である。もし、アルミニウム合金を溶解炉で溶解すれば溶解炉11、ピストン−シリンダ射出部12、ノズル16等が鉄系合金で出来ているため、アルミニウム合金による溶損を受け、アルミニウム合金中に溶け出し本来の機能が失われる。鉄系合金に限らず、ほとんどの金属はアルミニウム合金に侵食を受け、窒化、溶射等で保護しても満足できる結果は得られない。
そこで、ホットチャンバー鋳造機に改良を加え、アルミニウム合金を用いても鋳造できる実用に耐えるホットチャンバー鋳造機が求められている。
ここで、図6の基本構造とは異なる改良型の砂型低圧鋳造機が知られている。ピストン方式のピストン−シリンダ射出部12に代えてガス圧を用いて溶湯を押し出す方式となっている。また、溶解炉中にはストークの筒体を立てるのみで射出路となる部分の大半を溶解炉の上に設ける構造である。
図8は、特開2004−122134号公報に開示された砂型低圧鋳造機である。なお、図中の付番は特開2004−122134号公報の図中に使われている付番をそのまま使用しており、本明細書中の他の付番とは関係ないものとなっている。
図8に示すように、この製造装置は、炉本体1の内部に、軽金属溶湯2を貯留する溶解炉3が設けられている。炉本体1には、溶解炉3を加熱するガスバーナなどの加熱装置8が設けられている。この炉本体1の上方には砂型11を載置する型置台12が配設されている。溶解炉3は、蓋部材4により上部を密閉されており、蓋部材4には溶解炉3の内部に加圧ガス5を低圧で供給する加圧ガス供給口6が形成されている。この加圧ガス供給口6には加圧ガス供給手段7が接続されている。溶湯中にはストーク21が立てられており、さらに上方の溶湯溜まり29を介してストーク33が立てられており、砂型11に接続されている。溶湯面センサ34が設けられている。
鋳造工程としては、まず、ストーク21内の酸化防止ガスまたは燃焼防止用ガス28を砂型11内のキャビティ16内の空気を酸化防止ガスまたは燃焼防止用ガス28で置換する。次に、溶解炉3に貯留された軽金属溶湯2の湯面に加圧ガス5によって低圧で圧力をかけ、溶湯に立てられたストーク21を介して、溶湯溜まりとなるチャンバー29、さらにストーク33を通じて、砂型11のキャビティ16へ軽金属溶湯2を押上げる。キャビティ16内に軽金属溶湯2が充填されたら、そのままの状態でキャビティ16内の軽金属溶湯2を凝固させる。
このように、加圧ガス供給手段7による加圧ガス5を用いて溶解炉3中の溶湯を押し上げて鋳型に押し入れるものとなっており、ピストンのような機構系を用いないものとなっている。
しかし、図8に記載した砂型低圧鋳造機にも解決すべき問題がある。
まず、図8に記載した砂型低圧鋳造機では、アルミニウム合金の金属材料を扱うにはまだ不十分である。射出経路の部品の大部分は溶解炉中にはないため放熱しやすい構造となっているが、溶湯は高温であり、ストーク21、溶湯溜まり29、ストーク33などの金属部品が高温のアルミニウム合金にさらされる点には変わりがなく、やはり溶損する問題が発生してしまう。
次に、図8に記載した砂型低圧鋳造機では、鋳造速度の点で問題がある。図8に示す構造では、砂型低圧鋳造法において、大きな溶解炉の溶湯の液面全体に圧力を加えて溶湯を持ち上げて溶解炉中の溶湯溜まり29に保持しておく必要があるため、圧力制御が難しく、慎重に圧力をかけて溶湯の液面高さを調整する必要があるため、鋳造サイクルは図6の基本形に比べて遅くなる問題がある。そのため溶湯面センサ34により溶湯面の上昇位置をセンサしながら行うものであり、慎重に行われる。また、砂型11に溶湯を満たす際、大きな溶解炉の溶湯の液面全体に圧力を加えて溶湯を砂型11内に注入するため、やはり、溶解炉の溶湯の液面全体に加える圧力制御が難しい。そこで、加圧は慎重に行う必要がある。本来、ホットチャンバー鋳造機では、ピストンサイクルに応じてワンショットで打ち込むようにダイカストできるので、鋳造速度の点で問題がある。
そこで、上記問題に鑑み、本発明は、ホットチャンバー鋳造機を改良することにより、鋳造速度が速く、アルミニウム合金の溶湯を用いても溶損という問題が生じないアルミニウム合金用のホットチャンバー鋳造機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機は、溶湯を入れる溶解炉と、前記溶解炉内に立設したセラミックにより形成された溶湯射出主筒部と、前記溶湯射出主筒部の側面に設けられた射出路と、前記射出路の先端に設けられ、金型へ溶湯をダイカストするノズルと、前記溶湯射出主筒部において、前記射出路よりも低い位置に設けられ、前記溶解炉内と前記溶湯射出主筒部の内部空間との導通を開閉する弁体と、前記溶解炉の上部に配設され、前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して所定圧力のガス圧の印加および除去を制御するガス加圧部を備え、前記ガス加圧部が前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して前記ガス圧を印加すると前記弁体が閉鎖される方向に働き、前記溶湯射出主筒部の内部の溶湯が前記射出路から前記金型へダイカストされ、前記ガス加圧部が前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して前記ガス圧を除去すると前記弁体が開放される方向に働き、前記溶解炉内から次回のダイカストに必要量の溶湯が前記溶湯射出主筒部の内部に供給されるアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機において、前記溶解炉の下部に設けた固定部を介して前記溶湯射出主筒部の下方壁面を前記溶解炉に対して固定する構造と、前記溶湯射出主筒部の上端にフランジを設け、前記溶解炉の上部に設けた上部取り付け凹部を介して前記溶湯射出主筒部上端のフランジを前記溶解炉に対して固定する構造と、前記溶解炉の上部に配設したガス加圧部を前記溶湯射出主筒部の上端の前記フランジに当接させつつガス圧を前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して下方に印加する構造とを設けたアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機である。
上記構成により、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機において、溶解炉中に設けられた部材はセラミック製の溶湯射出主筒部であるので、アルミニウム合金に対して溶損することはない。また、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機では、加圧部により印加されるガス圧は溶湯射出主筒部という小さな湯面を押圧するのみで良く、かつ溶湯を押し込むだけで良いので、圧力制御が簡単であり、ダイカスト速度を速くすることができる。
また、従来のピストン−シリンダ方式ではピストン及びシリンダの壁面には高い加工精度が求められその製作にコストがかかる上、稼動後のメンテナンスにおいても壁面の歪みや減損などの対策が必要となるが、本発明ではガス圧を利用することによりシリンダ内に圧力を掛けるため、シリンダ内の壁面の歪みや誤差などは問題とならず、シリンダの製作コストが低減できる上、稼動後のメンテナンスも簡単に済むというメリットが得られる。
次に、上記構成において、セラミック製である溶湯射出主筒部の外壁側面に当接する壁面構造を溶解炉内に設け、溶湯射出主筒部が溶解炉内において水平方向に固定されるようにし、溶湯射出主筒部の上端面にフランジを設け、フランジと溶湯射出主筒部の底壁面とを固定することにより、溶湯射出主筒部が溶解炉内において上下方向に固定することが好ましい。
ここで、弁体がボール弁であり、ボール弁が導通孔に導かれやすいように溶湯射出主筒部の下部内面がすり鉢状になっており、すり鉢状の壁面の最下部にボール弁の径よりも小さな導通孔が開いて溶解炉内に導通した構造とすることが好ましい。
ボール弁であれば上方からの圧力で確実に閉鎖することができ、上方からの圧力が負圧になれば、確実に開放することができる。ボール弁が導通孔に設置されておれば、溶解炉内の溶湯の出し入れが制御できる。また、溶湯の供給時も前回のダイカストで消費された溶湯に見合う量の溶湯を次のダイカスト用に供給することができる。
なお、溶湯射出主筒部の内部空間に、加圧部からガス圧印加により突入するガス流速を減速するガス減速部を設けておくことが好ましい。ガス流が勢いよく溶湯射出主筒部の中に打ち出されると内部の溶湯表面に飛沫が生じたり波立ったりするため、その突入するガス流を減速する。ガス減速部としては、例えば、ガス導入パイプに対向する位置に設けた板材、ラビリンス、ダンパーなどがある。
さらに、ガス圧印加時に溶湯射出主筒内部の溶湯面の波立ちや溶湯の飛散を防ぐため、アルミニウム合金溶湯が空気と触れてできる固体状の酸化物やアルミニウム合金溶湯より比重が小さく、さらにアルミニウム合金溶湯から溶損を受けないポーラスな酸化アルミニウム等で出来た蓋状の物体を溶湯射出主筒内部の溶湯面に浮かせることが好ましい。
加圧部の構成としては、ガスタンクと電磁弁とガス導入パイプを備えたものとすることが好ましい。電磁弁であれば開閉動作が素早く、電磁弁の開閉動作により印加するガス量を正確に制御することができる。
本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機は、溶解炉中に設けられた部材はセラミック製の溶湯射出主筒部、ノズル、ボール弁であり、溶解炉内部のアルミニウム合金に触れる部分はセラミック塗料でコーティングされているので、アルミニウム合金に対して溶損することはないため、アルミニウム合金を金属材料として使用できる。
また、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機は、加圧部により印加されるガス圧は溶湯射出主筒部という小さな湯面を押圧するのみで良く、かつ下方向に押し込むだけで良いので、圧力制御が簡単であり、ダイカスト速度を速くすることができる。
また、従来のピストン−シリンダ方式ではピストン及びシリンダの壁面には高い加工精度が求められその製作にコストがかかる上、稼動後のメンテナンスにおいても壁面の歪みや減損などの対策が必要となるが、本発明ではガス圧を利用することによりシリンダ内に圧力を掛けるため、シリンダ内の壁面の歪みや誤差などは問題とならず、シリンダの製作コストが低減できる上、稼動後のメンテナンスも簡単に済むというメリットが得られる。
以下、図面を参照しつつ、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機の実施形態を説明する。ただし、本発明の技術的範囲は以下の実施形態に示した具体的な用途や形状・寸法などには限定されない。
図1は本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機100の構成例を簡単に示す図である。
図1では内部の構造が分かりやすいように、各部材を縦断面において示している。図1では部材の特徴が分かるように簡単に図示しており、本発明を理解する上で必要な部材のみを図示しており、他の一部の部材については図示していない場合もある。
図1の構成例では、アルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機100は、溶解炉110、溶湯射出主筒部120、射出路130、ノズル140、弁体150、ガス加圧部160を備えている。また、金型200が併せて示されている。
溶解炉110は、加熱装置111と、金属材料を溶融した溶湯を貯留するルツボ112が設けられている。このルツボ112の上面には蓋材113が設けられ、その一部には開口部116があり、この開口部116から鋳造により消耗したアルミニウム合金材料の供給を行うようになっている。蓋材113には、溶湯射出主筒部120の上部が収まる上部取り付け凹部117が設けられている。ここで、溶湯は、アルミニウム合金を溶解した溶湯である。
また、図1の構成例では、溶解炉110のルツボ112には、溶湯射出主筒部120を内部において立設状態で固定するための固定部114が設けられており、固定部114を取り付けるための下部取り付け凹部118が設けられている。
また、射出路130を金型へ導出するためのノズル140が設けられている。
固定部114は、溶湯射出主筒部120をルツボ112内部で安定して固定するための部材で、溶湯射出主筒部120の外壁面や部材に当接する形で固定する。図1の構成例では、溶湯射出主筒部120の上端にはフランジ122が設けられており、溶湯射出主筒部120の上部側は、フランジ122が上部取り付け凹部117に嵌りこみ、さらにガス加圧部160が上から当接しているために、溶湯射出主筒部120のフランジ122の側面、上面を取り囲むように固定されている。これで溶湯射出主筒部120の上部付近における上方向の移動、水平方向への移動を制限することができる。また、溶湯射出主筒部120の下部には下方壁面126が立設されており、下部取り付け凹部118に嵌合する固定部114が溶湯射出主筒部120の下方壁面126に対して外方から当接する部材となっている。これで溶湯射出主筒部120の下部付近における下方向の移動、水平方向への移動を制限することができる。このように固定部114によって溶湯射出主筒部120はその上部、その下部とも上下方向の移動、水平方向への移動が制限されるため、安定して固定されることとなる。
溶湯射出主筒部120は、溶解炉110のルツボ112内に立設したセラミック製の筒体である。セラミック製として耐熱性に優れたものを製作し、アルミニウム合金の溶湯であっても溶損・破損しないものを選択することが好ましい。
溶湯射出主筒部120の形状は限定されないが、ここでは、図1に図示したようなものとする。図1の構成例では、円筒形をした主筒部分121に対して上端にフランジ122が張り出している。主筒部分121の内部空間が123である。主筒部分121の底面にはすり鉢状に成形された底面部124があり、その最下方には導通孔125が設けられている。この導通孔125には開閉を制御する弁体150が取り付けられている。
主筒部分121の底面近くには主筒部分121の外壁面を下方に延設した下方壁面126が立設されており、主筒部分121の底面下にある底部空間127を取り囲んでいるが、下方壁面126には少なくともその一部には溶湯を底部空間127に導き入れるための開口128が設けられている。この開口128を介して溶湯は底部空間127に導通している。このように弁体150の開閉動作を介して、内部空間123と底部空間127の導通/遮断が制御される。
また、図1の構成例では、溶湯射出主筒部120の内部空間123の上方付近に、ガス減速部129が設けられている。このガス減速部129は、後述する加圧部160のガス圧の印加によりガス導入パイプ164から突入するガス流速を減速する部材である。ガス流に当たることでガス流速を弱める構造であり、単なる板状体や、ダンパー、内部で導通管の通り道がつづら状に折れ曲がったラビリンス管など部材の構造は特に限定されない。このようなガス減速部129が設けられることにより、ガス流が勢いよく溶湯射出主筒部120の中に打ち出されて溶湯表面に突入することによる飛沫の発生や波立ち、溶湯射出主筒部120の損傷などを抑制することができる。
射出路130は、溶湯射出主筒部の側面に設けられた経路であり、溶湯射出主筒部120の内部空間123と導通しており、溶湯射出主筒部120の内部空間123が加圧部160のガス印加により押圧された溶湯がこの射出路130を通過して金型200へダイカストされる。
ノズル140は、射出路130の先端付近に設けられた部材であり、金型200へ接続される。溶湯はノズル140から金型200内へダイカストされる。ノズル140は射出路導出部115を介してルツボ112の外部へ導かれ金型200へ接続されている。
弁体150は、溶湯射出主筒部120において、射出路130よりも低い位置に設けられ、溶解炉110のルツボ112内と溶湯射出主筒部120の内部空間123との導通を開閉する部材である。図1の構成例では弁体150はボール弁となっている。なお、上述したように溶湯射出主筒部120の内部空間123の底面部124はすり鉢状に形成されており、ボール弁が導通孔125に導かれやすいようになっている。導通孔125はボール弁の径よりも小さく、ボール弁が嵌まることにより導通孔125が閉鎖される仕組みとなっている。
弁体150が押圧された閉鎖状態において、溶解炉110のルツボ112と、溶湯射出主筒部120の内部空間123とが遮断され、両者間の溶湯の移動はなくなる。ここで、弁体150は射出路130よりも低い位置に設けられているので、溶湯射出主筒部120の内部空間123と射出路130の導通は保たれており、その結果、弁体150に対して上方から圧力がかかって弁体150が閉じた状態において、溶湯は射出路130に向かって導かれることとなる。
一方、弁体150への押圧がなくなった開放状態において、詳しくは後述するように、電磁弁163の操作により溶湯射出主筒部120の内部空間123が大気圧となると、弁体150の上面に掛かる圧力は内部空間123にあった溶湯が金型200にダイカストされて無くなっているため小さくなっており、一方、弁体150の下面に掛かる圧力はルツボ112の溶湯から受ける圧力が大きいので、弁体150は上方へ押し上げられることとなる。弁体150が押し上げられると、導通孔125と弁体150の間に隙間が生じ、溶解炉110のルツボ112と、溶湯射出主筒部120の内部空間123とが導通する。弁体150が開放されると、両者の圧力差がなくなるまで、つまり、溶湯射出主筒部120の内部空間123の溶湯の上面が、ルツボ112内の溶湯の上面に略等しくなるまで溶湯が内部空間123に流れ込む。なお、弁体150には重量があるため、弁体150の重量分の影響は考慮する必要がある。
加圧部160は、溶湯射出主筒部120の内部空間123に対して所定圧力のガス圧の印加および除去を制御する部分である。
図1の構成例では、ガス加圧部160は、高圧ポンプ161、ガスタンク162、電磁弁163、ガス導入パイプ164、飛散防止蓋165を備えた構成となっている。
高圧ポンプ161はガスタンク162内に高圧ガスを送り込む装置である。ガスタンク162は後述するように電磁弁163の開閉により高圧のガスを一気に溶湯射出主筒部120の内部空間123に対して送り込むため、所定圧力のガスを蓄積しておく容器である。
ガスタンク162に蓄積するガス圧としては、電磁弁163を開いたときに、一般にホットチャンバー鋳造機で必要とされるピストン圧力に相当する10MPから30MPになるガス圧とする。ここで考慮すべき点は、電磁弁163を開放する直前の溶湯射出主筒部120の内部空間123の溶湯が満たされていない空間は大気圧(約0.1MP)の圧力しかないため、電磁弁163を開きガスタンク162のガスを内部空間123に導入した際、内部空間123の大気圧分とガスタンク162の圧力分が合わさって溶湯面に印加される。つまり、当初のガスタンク162の蓄積分の高いガス圧が、内部空間123の大気圧分によって減じられて溶湯面への印加圧力されるため、ガスタンク162が蓄積しておくガス圧力は、射出に必要な圧力(10MPから30MP)よりも内部空間123の大気圧分による減少分を考慮した上で大きめに設定しておく必要がある。
電磁弁163は、弁シャッター速度が速く、瞬時に弁動作が可能なものが好ましい。ここでは、ガスタンク162側への接続と大気圧側への接続が瞬時に切り換えることができるものとなっている。電磁弁163はガスタンク162と接続されており、電磁弁163がガスタンク162側を開放すると、ガス導入パイプ164は即座に10MPから30MPのガス圧を溶湯射出主筒部120の内部空間123に対して印加することができる。一方、電磁弁163がガスタンク162側を閉鎖して大気圧側を開放すれば、溶湯射出主筒部120の内部空間123を大気圧に戻すことができる。
飛散防止蓋165は、アルミニウム合金溶湯から溶損を受けないポーラスな酸化アルミニウム等で出来た蓋状の物体であり、溶湯射出主筒内部の溶湯面に浮かせておくことにより、ガス圧印加時に溶湯射出主筒内部の溶湯面の波立ちや溶湯の飛散を防ぐためのものである。なお、アルミニウム合金溶湯が空気と触れてできる固体状の酸化物が形成された状態であれば、その酸化物が飛散防止蓋165の代わりとなることは有り得る。
上記のように電磁弁163の開閉で導入されるガス圧が大きいため、溶湯射出主筒部の壁面にガス減速部129を設けてガス流速を減速させ、溶湯面の波立ちや溶湯の飛散防止の工夫を行っているが、さらに、溶湯面の上に飛散防止蓋165を浮かせておくことにより、確実に溶湯面の波立ちや溶湯の飛散を防ぐことが可能となる。
以上が、図1に示した本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機の各部材の説明である。
次に、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機の動作について順を追って説明する。
まず、鋳造サイクルの第1工程を説明する。
図2は第1工程の初期状態を示す図である。図2に示すように、電磁弁163は大気圧側に接続され、溶湯射出主筒部120の内部空間123には溶湯がルツボ112内の溶湯の高さからボール弁150の密度を考慮した高さに相当する程度満たされている。ボール弁の弁体150は自然に溶湯射出主筒部120の底面部124に落ち着いている。溶湯はアルミニウム合金であり、所定の温度にまで昇温され、良好な状態で液体状態となっている。
次に、第1工程に入る。図3は鋳造サイクルの第1サイクルを示す図である。図3に示すように、電磁弁163がガスタンク162側へ接続されるよう切り換えられ、ガスタンク162側を開放すると、ガス導入パイプ164を介して即座にダイカストに必要な10MPから30MPのガス圧に見合った圧力の高圧ガスが溶湯射出主筒部120の内部空間123に対して印加される。その結果、溶湯射出主筒部120の内部空間123の溶湯に当該圧力がかかり、ボール弁である弁体150は下方に押圧されて導通孔125が閉鎖される。ここで、溶湯射出主筒部120の内部空間123と射出路130は導通しているので、内部空間123の溶湯は押圧されると内部空間123から射出路130に向かって射出されることとなる。射出路130の先のノズル140を介して金型200が設置されており、金型200内にアルミニウム合金の溶湯がダイカストされる。
次に、第2工程に入る。図4は鋳造が完了した時点を示す図である。射出が終わって第1工程が終了した後、電磁弁163を切り換え、内部空間123を大気圧とする。所定の時間経過を待ち、ダイカスト成型品が所定温度まで冷却されるのを待ち、冷却後、図4に示すように、金型200を開放してダイカスト成型品を取り出す。
図5は第2工程において、図2の状態に復元しつつある様子を示す図である。図5に示すように、図4の鋳造が完了した時点で電磁弁163が大気圧側へ接続されるよう切り換えられ、ガスタンク162側の接続が遮断されると、ガス導入パイプ164を介して即座に溶湯射出主筒部120の内部空間123が大気圧となる。溶湯射出主筒部120の内部空間123の溶湯の液面高さは図3の状態、つまり、溶湯の液面高さはルツボ112内の溶湯の液面の高さよりも低くなっている。ここで、弁体150に対して上面から掛かる圧力は、大気圧下の内部空間123の溶湯の高さから生じる圧力であり、弁体150に対して下面から掛かる圧力は、ルツボ112の溶湯の高さから生じる圧力である。図3の状態では内部空間123の溶湯の高さはルツボ112の溶湯の高さより低いため、弁体150の下面から受ける圧力の方が大きい。そのため弁体150は上昇し、溶湯射出主筒部120の底面部124と弁体150の間に隙間が生じ、導通孔125が導通する。その結果、ルツボ112の溶湯が溶湯射出主筒部120の内部空間123に対して流れ込む。図5は、弁体150が上昇し、溶湯射出主筒部120の内部空間123に溶湯が供給された状態となっている。弁体150の重量を無視すれば溶湯射出主筒部120の内部空間123の溶湯液面がルツボ112内の溶湯液面と同じ高さになった時点で供給が停止される。実際には弁体150の重量があるため、弁体150の重量の影響分だけ内部空間123の溶湯液面はルツボ112内の溶湯液面よりも少し低い状態で供給が停止される。この供給量が次回のダイカストに必要な溶湯量であれば良い。
図5の状態(弁体150が浮いている状態)から図2の状態(弁体150が底面部124に収まる状態)に移り、鋳造サイクルが終了する。この鋳造サイクルの繰り返しにより鋳造が繰り返される。
以上、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機によれば、溶解炉内にアルミニウム合金の溶湯が満たされても溶損してしまう部材がなく、アルミニウム合金を溶湯としてダイカストすることができるホットチャンバー鋳造機が得られる。
また、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機の鋳造工程は、従来のホットチャンバー鋳造機のピストン−シリンダ方式のサイクルと変わらない速度で行うことができ、鋳造サイクルが早いという利点がある。
また、従来のピストン−シリンダ方式ならば両者の壁面の加工精度が要求されたり使用による歪みや減耗に対するメンテナンスが要求されたりするところ、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機によれば、ガス圧を用いてシリンダ内の溶湯面を印加するので、そのような加工精度の要求やメンテナンスの要求が少ないという利点がある。
また、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機では、溶湯の経路となる射出路130が溶湯中にあるため、外部からの空気の巻き込みがなく、ダイカスト製品中に鬆が入るという不具合が生じることが少ない。
また、従来技術の課題で説明したようなコールドチャンバー鋳造機で見られる破断チル層の発生も抑えることができる。
また、本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機では、比較的射出圧力が低くて良いので金型への過渡な負荷がかからないというメリットもある。
以上、本発明の机における好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明は、アルミニウム合金を溶湯として用いるホットチャンバー鋳造機として広く利用可能である。
本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機100の構成例を簡単に示す図である。 本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機100の鋳造サイクルの初期状態を示す図である。 本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機100の鋳造サイクルの第1工程を示す図である。 本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機100の鋳造サイクルの第2工程を示す図である。 本発明のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機100の鋳造が完了し、鋳造サイクルの初期状態に復元する様子を示す図である。 従来のホットチャンバー鋳造機の基本構成を示す図である。 従来のコールドチャンバー鋳造機の基本構成を示す図である。 特開2004−122134号公報に開示された砂型低圧鋳造機である。
100 アルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機
110 溶解炉
111 加熱装置
112 ルツボ
113 蓋材
114 固定部
115 射出路導出部
116 開口部
117 上部取り付け凹部
118 下部取り付け凹部
120 溶湯射出主筒部
121 主筒部分
122 フランジ
123 内部空間
124 底面部
125 導通孔
126 下方壁面
127 底部空間
128 開口
129 ガス減速部
130 射出路
140 ノズル
150 弁体
160 ガス加圧部
161 高圧ポンプ
162 ガスタンク
163 電磁弁
164 ガス導入パイプ
165 飛散防止蓋

Claims (6)

  1. 溶湯を入れる溶解炉と、
    前記溶解炉内に立設したセラミックにより形成された溶湯射出主筒部と、
    前記溶湯射出主筒部の側面に設けられた射出路と、
    前記射出路の先端に設けられ、金型へ溶湯をダイカストするノズルと、
    前記溶湯射出主筒部において、前記射出路よりも低い位置に設けられ、前記溶解炉内と前記溶湯射出主筒部の内部空間との導通を開閉する弁体と、
    前記溶解炉の上部に配設され、前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して所定圧力のガス圧の印加および除去を制御するガス加圧部を備え、
    前記ガス加圧部が前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して前記ガス圧を印加すると前記弁体が閉鎖される方向に働き、前記溶湯射出主筒部の内部の溶湯が前記射出路から前記金型へダイカストされ、前記ガス加圧部が前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して前記ガス圧を除去すると前記弁体が開放される方向に働き、前記溶解炉内から次回のダイカストに必要量の溶湯が前記溶湯射出主筒部の内部に供給されるアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機において、
    前記溶解炉の下部に設けた固定部を介して前記溶湯射出主筒部の下方壁面を前記溶解炉に対して固定する構造と、
    前記溶湯射出主筒部の上端にフランジを設け、前記溶解炉の上部に設けた上部取り付け凹部を介して前記溶湯射出主筒部上端のフランジを前記溶解炉に対して固定する構造と、
    前記溶解炉の上部に配設したガス加圧部を前記溶湯射出主筒部の上端の前記フランジに当接させて下方に押し付けつつガス圧を前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して印加する構造とを設けたアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機。
  2. 前記弁体がボール弁であり、前記ボール弁が前記導通孔に導かれやすいように前記溶湯射出主筒部の下部内面がすり鉢状になっており、前記すり鉢状の壁面の最下部に前記ボール弁の径よりも小さな導通孔が開いて前記溶解炉内に導通した構造である請求項に記載のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機。
  3. 前記溶湯射出主筒部の内部空間に、前記ガス加圧部からガス印加により突入するガス流速を減速するガス減速部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機。
  4. 前記溶湯射出主筒部の内部空間の溶湯面に、前記溶湯による溶損を受けない素材で、かつ、前記溶湯面上に浮く比重にて形成された飛散防止蓋を設け、前記ガス加圧部からガス印加により突入するガスによる前記溶湯面の飛び散りを防止せしめることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機。
  5. 前記ガス加圧部がガスタンクと電磁弁とガス導入パイプを備え、前記電磁弁の開閉動作により印加するガス量を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機。
  6. 溶湯を入れる溶解炉と、前記溶解炉内に立設したセラミックにより形成された溶湯射出主筒部と、前記溶湯射出主筒部の側面に設けられた射出路と、前記射出路の先端に設けられ、金型へ溶湯をダイカストするノズルと、前記溶湯射出主筒部において、前記射出路よりも低い位置に設けられ、前記溶解炉内と前記溶湯射出主筒部の内部空間との導通を開閉する弁体と、前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して所定圧力のガス圧の印加および除去を制御するガス加圧部を備えた構成において、
    前記ガス加圧部が前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して前記ガス圧を印加すると前記弁体が閉鎖される方向に働き、前記溶湯射出主筒部の内部の溶湯が前記射出路から前記金型へダイカストされ、前記ガス加圧部が前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して前記ガス圧を除去すると前記弁体が開放される方向に働き、前記溶解炉内から次回のダイカストに必要量の溶湯が前記溶湯射出主筒部の内部に供給されるようにする、アルミニウム合金を金属材料に用いたホットチャンバー鋳造方法において、
    前記溶解炉の下部に設けた固定部を介して前記溶湯射出主筒部の下方壁面を前記溶解炉に対して固定する構造を設け、
    前記溶湯射出主筒部の上端にフランジを設け、前記溶解炉の上部に設けた上部取り付け凹部を介して前記溶湯射出主筒部上端のフランジを前記溶解炉に対して固定する構造を設け、
    前記溶解炉の上部に配設したガス加圧部を前記溶湯射出主筒部の上端の前記フランジに当接させて下方に押し付けつつガス圧を前記溶湯射出主筒部の内部空間に対して印加する構造とを設けたアルミニウム合金を金属材料に用いたホットチャンバー鋳造方法。
JP2013232498A 2013-11-08 2013-11-08 アルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機及びアルミニウム合金を金属材料に用いたホットチャンバー鋳造方法 Expired - Fee Related JP5642256B1 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013232498A JP5642256B1 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 アルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機及びアルミニウム合金を金属材料に用いたホットチャンバー鋳造方法
TW103138301A TWI568520B (zh) 2013-11-08 2014-11-05 Aluminum alloy hot room casting machine
KR1020157035428A KR101854968B1 (ko) 2013-11-08 2014-11-06 알루미늄 합금용 핫 챔버 주조기
CN201480034462.3A CN105339109A (zh) 2013-11-08 2014-11-06 铝合金用热室铸造机
PCT/JP2014/079415 WO2015068757A1 (ja) 2013-11-08 2014-11-06 アルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013232498A JP5642256B1 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 アルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機及びアルミニウム合金を金属材料に用いたホットチャンバー鋳造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5642256B1 true JP5642256B1 (ja) 2014-12-17
JP2015093286A JP2015093286A (ja) 2015-05-18

Family

ID=52139139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013232498A Expired - Fee Related JP5642256B1 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 アルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機及びアルミニウム合金を金属材料に用いたホットチャンバー鋳造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5642256B1 (ja)
KR (1) KR101854968B1 (ja)
CN (1) CN105339109A (ja)
TW (1) TWI568520B (ja)
WO (1) WO2015068757A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6745642B2 (ja) * 2016-05-10 2020-08-26 芝浦機械株式会社 ダイカストマシン及び固液共存金属の成形方法
JP6335243B2 (ja) * 2016-10-27 2018-05-30 株式会社ソディック 射出成形機
KR101868784B1 (ko) * 2017-03-27 2018-07-23 현대성우메탈 주식회사 고반응성 금속재 휠 연속주조장치의 역류방지밸브 어셈블리
KR101868783B1 (ko) * 2017-03-27 2018-06-20 현대성우메탈 주식회사 고반응성 금속재 휠 연속주조장치
JP7392623B2 (ja) * 2020-10-06 2023-12-06 トヨタ自動車株式会社 定量容器

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH038549A (ja) * 1989-06-02 1991-01-16 Mazda Motor Corp 吸引鋳造方法
JPH03264155A (ja) * 1990-03-14 1991-11-25 Kawasaki Steel Corp 溶融金属ポンプおよびその制御方法
JPH06221891A (ja) * 1992-10-23 1994-08-12 Norsk Hydro As 計量装置
JPH08200127A (ja) * 1995-01-30 1996-08-06 Toyota Motor Corp 空燃比制御装置
JPH0910915A (ja) * 1995-02-23 1997-01-14 Howmet Corp 鋳型空隙部中の溶融物の鋳造方法及び鋳型空隙部中の溶融物のインベストメント鋳造方法、指向性凝固鋳物の製造方法、そしてチャンバを迅速に加圧する装置
JPH10128517A (ja) * 1996-09-06 1998-05-19 Sanki:Kk アルミニウム用ホットチャンバーダイカストマシン
JP2001205425A (ja) * 2000-01-18 2001-07-31 Hiroshima Aluminum Industry Co Ltd 自動給湯装置
JP2002336947A (ja) * 2001-05-14 2002-11-26 Minoru Kai 軽金属自動給湯装置
JP2009148796A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 Gunma Univ ホットチャンバーダイカストマシン
JP2010247220A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Ie Solution Kk 鋳造における溶湯供給装置および溶湯供給法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN2652564Y (zh) * 2003-10-29 2004-11-03 东风汽车有限公司 压铸机用气动式镁合金定量送料装置
JP4615300B2 (ja) * 2004-11-25 2011-01-19 株式会社トウネツ 低圧鋳造用保持炉
CN201353638Y (zh) * 2008-12-08 2009-12-02 亚桥企业股份有限公司 射出装置
CN201791940U (zh) * 2010-09-21 2011-04-13 沙济祥 一种全自动气动热室压铸机

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH038549A (ja) * 1989-06-02 1991-01-16 Mazda Motor Corp 吸引鋳造方法
JPH03264155A (ja) * 1990-03-14 1991-11-25 Kawasaki Steel Corp 溶融金属ポンプおよびその制御方法
JPH06221891A (ja) * 1992-10-23 1994-08-12 Norsk Hydro As 計量装置
JPH08200127A (ja) * 1995-01-30 1996-08-06 Toyota Motor Corp 空燃比制御装置
JPH0910915A (ja) * 1995-02-23 1997-01-14 Howmet Corp 鋳型空隙部中の溶融物の鋳造方法及び鋳型空隙部中の溶融物のインベストメント鋳造方法、指向性凝固鋳物の製造方法、そしてチャンバを迅速に加圧する装置
JPH10128517A (ja) * 1996-09-06 1998-05-19 Sanki:Kk アルミニウム用ホットチャンバーダイカストマシン
JP2001205425A (ja) * 2000-01-18 2001-07-31 Hiroshima Aluminum Industry Co Ltd 自動給湯装置
JP2002336947A (ja) * 2001-05-14 2002-11-26 Minoru Kai 軽金属自動給湯装置
JP2009148796A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 Gunma Univ ホットチャンバーダイカストマシン
JP2010247220A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Ie Solution Kk 鋳造における溶湯供給装置および溶湯供給法

Also Published As

Publication number Publication date
CN105339109A (zh) 2016-02-17
TWI568520B (zh) 2017-02-01
TW201529204A (zh) 2015-08-01
JP2015093286A (ja) 2015-05-18
KR20160010531A (ko) 2016-01-27
WO2015068757A1 (ja) 2015-05-14
KR101854968B1 (ko) 2018-05-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5642256B1 (ja) アルミニウム合金用ホットチャンバー鋳造機及びアルミニウム合金を金属材料に用いたホットチャンバー鋳造方法
JP5527451B1 (ja) 鋳造装置
CN101274361B (zh) 低速真空压挤铸造工艺
JP6379847B2 (ja) 鋳造装置
US7246650B2 (en) Enhanced gravity casting
US20090321036A1 (en) High vacuum suction casting method and apparatus
JP2009512558A (ja) ダイカスト方法及びダイカスト装置
JP5867714B2 (ja) 鋳造品の鋳造方法
KR101212328B1 (ko) 다이캐스팅 장치 및 다이캐스팅 방법
JP5556108B2 (ja) 半溶融金属の鋳造方法、及び半溶融金属の鋳造装置
US6880614B2 (en) Vertical injection machine using three chambers
CN105251962A (zh) 真空泵热室压铸机
CN112689544A (zh) 铸造设备
JP3842163B2 (ja) ダイカスト鋳造装置及びダイカスト鋳造方法
JPH08141731A (ja) 鋳造方法及び鋳造装置
CN211803763U (zh) 低压充型重力补缩式铸造模具
JP2005334909A (ja) ダイキャスト方法
US6578620B1 (en) Filtering molten metal injector system and method
JP2010247220A (ja) 鋳造における溶湯供給装置および溶湯供給法
JP2010240732A (ja) 鋳造装置および鋳造方法
KR101839009B1 (ko) 용락 및 산화방지를 위한 주단조 금형의 용탕주입방법
JP2021146385A (ja) 鋳造装置及び鋳造方法
CN101480716A (zh) 用于控制金属液充型的方法及其设备
McInerney Cold Chamber Die Casting
Butler High-Pressure Die Casting

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140903

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5642256

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees