JPH08200127A - 空燃比制御装置 - Google Patents

空燃比制御装置

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JPH08200127A
JPH08200127A JP1232695A JP1232695A JPH08200127A JP H08200127 A JPH08200127 A JP H08200127A JP 1232695 A JP1232695 A JP 1232695A JP 1232695 A JP1232695 A JP 1232695A JP H08200127 A JPH08200127 A JP H08200127A
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intake
air
engine
high temperature
fuel
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JP1232695A
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衛 ▲吉▼岡
Mamoru Yoshioka
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温再始動時に、蒸発による燃料噴射量の不
足を補充すべく、エバポパージを実行するに際し、燃料
蒸気の供給制御性を改善し、内燃機関の高温再始動性を
高める。 【構成】 水温THW及び吸気温THAを取り込んで高
温状態を検出し、さらに始動中であることを検出する。
高温再始動時においては、エバポパージを実行するとと
もに、始動時ISCV開度(ステップ値)を、水温TH
Wによって決定される値から更に閉側に制御することに
より、吸気管負圧を大きくし、燃料蒸気の供給制御性を
良くする。なお、その閉じステップ値は、始動時間Tに
基づき、徐々に大きくしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関(エンジン)
において、吸入空気量に応じて適量の燃料を供給するこ
とにより、空気と燃料との混合比(空燃比:A/F)を
所望の値に制御する空燃比制御装置に関し、より詳細に
は、高温再始動時における空燃比制御精度の向上を図っ
た空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンの高温再始動時(すな
わち、エンジン停止後、エンジン温度が下がらないうち
に再び始動する場合)においては、インジェクタ(燃料
噴射弁)や燃料配管に気泡が発生して燃料噴射量が減少
し、その結果、A/Fがリーンとなり、始動性が問題と
なることがある。そのような場合に、燃料を増量すべく
インジェクタの噴射時間を延長しても、インジェクタの
先端部に気泡が発生している場合等、気泡の発生状態に
よっては、実際に噴射される燃料量は増加せず、かかる
A/Fリーンを防止することができない可能性がある。
【0003】そのため、インジェクタによる燃料噴射量
の増量に代えて、エバポパージ(キャニスタパージ)制
御を利用し、かかる高温再始動性を向上させる技術が提
案されている。ここで、エバポパージ制御とは、大気汚
染防止及び燃料損失防止を目的として、燃料タンクから
蒸発した燃料蒸気(ベーパ)をキャニスタ(活性炭など
の吸着剤を収納した容器)に一時的に貯蔵し、エンジン
運転状態に応じて吸気系に放出する処理を行うものであ
る。エバポパージを利用する理由は、高温再始動時にお
いては、それまで高温で走行していたことにより、キャ
ニスタがベーパを吸着していると判断することができる
からである。例えば、特開昭61-98956号公報に開示され
た技術は、燃料温度が設定値以上の高温再始動時であ
り、かつ、空燃比がリーン状態であるときに、キャニス
タに吸着された燃料蒸気をスロットル弁下流に供給する
ことにより、高温再始動時に蒸発によって不足する燃料
を補充し、高温再始動性を改善しようとするものであ
る。また、特公平 6-74773号公報に開示された技術も、
また、吸気温度及びエンジン冷却水温度に基づいて高温
再始動時であることを検出し、高温再始動時には、前述
の公報と同様にエバポパージを行うようにするものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術は、燃料蒸気の供給制御性について深く考究
したものではない。その理由は、以下の通りである。通
常、かかるエバポパージは、キャニスタと吸気通路とを
接続するパージ通路にその通路を開閉する電磁弁を設
け、電磁弁の開弁時には、吸気管圧力が負圧であること
に起因して、パージガスが吸気通路に吸入されることに
より実現される。しかし、始動時には、その吸入負圧が
低い状態にあり、かかるパージ制御弁を開弁しても、キ
ャニスタと吸気通路との間の圧力差が大きくならず、燃
料蒸気の供給制御性が悪化するのである。そして、最悪
時には、所望量の燃料蒸気を供給することができなくな
り、パージ制御を利用してリーン状態を回避することが
できなくなる。
【0005】かかる実情に鑑み、本発明の目的は、高温
再始動時において、蒸発による燃料噴射量の不足を補充
すべくエバポパージを実行するに際し、燃料蒸気の供給
制御性を改善することにより、高温再始動時における空
燃比制御精度の向上を図った空燃比制御装置を提供し、
もって内燃機関の高温再始動性を高め、ひいては運転性
の更なる向上に寄与することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アイドル時の
空気流量を調節するアイドルスピードコントロールバル
ブ(ISCV)を制御して、高温再始動時における吸入
負圧を確保し、エバポパージ制御における燃料蒸気の供
給制御性を保証する、という基本的着想に基づき、以下
に記載されるような技術構成を採用することにより、上
記目的を達成するものである。
【0007】すなわち、本願第1の発明に係る空燃比制
御装置は、機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
と、燃料蒸気を吸着するキャニスタと、吸気通路内に設
けられた第1吸気制御弁をバイパスする吸気バイパス通
路と、前記吸気バイパス通路を流れる吸入空気量を前記
運転状態検出手段により検出された検出値に応じて制御
する第2吸気制御弁と、前記運転状態検出手段により検
出された検出値より機関の運転状態が高温再始動時であ
るか否かを判定する高温再始動時判定手段と、前記高温
再始動時判定手段により高温再始動時と判定されたとき
に、前記キャニスタに吸着された燃料蒸気を吸気通路内
に供給する燃料蒸気供給手段と、を備えた空燃比制御装
置において、前記高温再始動時判定手段により高温再始
動時と判定されたときに、前記運転状態検出手段により
検出された検出値に応じて、前記第2吸気制御弁の開度
を更に閉側に制御する第2吸気制御弁開度制御手段、を
具備することを特徴とする。
【0008】また、第2の発明によれば、前記第1の発
明に係る空燃比制御装置の一態様として、さらに、機関
の始動時間を検出する始動時間検出手段と、前記始動時
間検出手段により検出された始動時間が短いときには前
記第2制御弁の開度を開側に補正し、検出された始動時
間が長いときには前記第2制御弁の開度を閉側に補正す
る補正手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
【作用】上述の如く構成された、第1の発明に係る空燃
比制御装置においては、高温再始動時に、運転状態検出
手段により検出された検出値に応じて第2吸気制御弁の
開度が更に閉側に制御される。そのため、吸入負圧は、
燃料蒸気の供給制御性を良好とするような状態に保た
れ、キャニスタから吸気通路へ供給される燃料蒸気の量
は、常に精度良く制御されることができる。従って、高
温再始動時における空燃比リーン状態が回避され、機関
の始動が容易に行われることとなる。
【0010】また、第2の発明に係る空燃比制御装置に
おいては、機関の始動時間に応じて第2吸気制御弁の開
度が補正される。すなわち、始動時間が短いときには、
第2吸気制御弁の開度が開側に補正されて、吸入負圧が
低くされ、そのため、吸入されるべき燃料蒸気の量が少
なめに設定される。そして、始動時間が長くなるにつれ
て第2吸気制御弁の開度が閉側に補正されて、吸入負圧
が徐々に高くされることにより、燃料蒸気の供給量が徐
々に多くされることができる。すなわち、確実に機関運
転状態に応じた最適空燃比が達成されることとなる。ま
た、吸入される燃料蒸気量が増加される一方、吸入され
る空気量自体の増加は抑制されるため、機関の始動が完
了した後、回転数が急上昇することが防止される。その
上、必要最小限の燃料蒸気で始動が可能となり、燃料蒸
気の節約ともなる。
【0011】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例を
説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例に係る空燃比制
御装置を備えた電子制御式内燃機関の全体概要図であ
る。エンジン20の燃焼に必要な空気は、エアクリーナ
2でろ過され、スロットルボデー4を通ってサージタン
ク(インテークマニホルド)6で各気筒の吸気管7に分
配される。なお、その吸入空気流量は、スロットルボデ
ー4に設けられたスロットル弁5により調節されるとと
もに、エアフローメータ40により計測される。また、
吸入空気温度は、吸気温センサ43により検出される。
さらに、吸気管圧力は、バキュームセンサ41によって
検出される。
【0013】また、スロットル弁5の開度は、スロット
ル開度センサ42により検出される。また、スロットル
弁5が全閉状態のときには、アイドルスイッチ52がオ
ンとなり、その出力であるスロットル全閉信号がアクテ
ィブとなる。また、スロットル弁5をバイパスする吸気
バイパス通路(アイドルアジャスト通路)8には、アイ
ドル時の空気流量を調節するためのアイドルスピードコ
ントロールバルブ(ISCV)66が設けられている。
なお、本実施例においては、ステップモータ式ISCV
が使用されている。
【0014】一方、燃料タンク10に貯蔵された燃料
は、燃料ポンプ11によりくみ上げられ、燃料配管12
を経て燃料噴射弁60により吸気管7に噴射される。吸
気管7ではそのような空気と燃料とが混合され、その混
合気は、吸気弁24を介してエンジン本体すなわち気筒
(シリンダ)20に吸入される。気筒20において、混
合気は、ピストンにより圧縮された後、点火されて爆発
・燃焼し、動力を発生する。そのような点火は、点火信
号を受けたイグナイタ62が、点火コイル63の1次電
流の通電及び遮断を制御し、その2次電流が、点火ディ
ストリビュータ64を介してスパークプラグ65に供給
されることによりなされる。
【0015】なお、点火ディストリビュータ64には、
その軸が例えばクランク角(CA)に換算して720°
CAごとに基準位置検出用パルスを発生する基準位置検
出センサ50、及び30°CAごとに位置検出用パルス
を発生するクランク角センサ51が設けられている。ま
た、エンジン20は、冷却水通路22に導かれた冷却水
により冷却され、その冷却水温度は、水温センサ44に
よって検出される。
【0016】燃焼した混合気は、排気ガスとして排気弁
26を介して排気マニホルド30に放出され、次いで排
気管34に導かれる。なお、排気管34には、排気ガス
中の酸素濃度を検出するO2 センサ45が設けられてい
る。さらにそれより下流の排気系には、触媒コンバータ
38が設けられており、その触媒コンバータ38には、
排気ガス中の未燃成分(HC,CO)の酸化と窒素酸化
物(NOx )の還元とを同時に促進する三元触媒が収容
されている。こうして触媒コンバータ38において浄化
された排気ガスが大気中に排出される。
【0017】なお、車速センサ53は、車速を検出する
センサである。また、スタータスイッチ54は、スター
タモータ(図示せず)を駆動する際に閉成されるスイッ
チである。
【0018】また、この内燃機関は、活性炭(吸着剤)
14を内蔵したキャニスタ13を具備する。このキャニ
スタ13は、活性炭14の両側にそれぞれ燃料蒸気室1
5と大気室16とを有する。燃料蒸気室15は、一方で
はベーパ捕集管17を介して燃料タンク10に連結さ
れ、他方ではパージ通路18を介してスロットル弁5よ
り下流側の吸気通路すなわちサージタンク6に連結され
る。そのパージ通路18には、パージガス量制御用の電
磁弁68が設置されている。このような構成において、
燃料タンク10で発生する燃料蒸気すなわちベーパは、
ベーパ捕集管17を通ってキャニスタ13に導かれ、キ
ャニスタ13内の活性炭(吸着剤)14に吸着されるこ
とにより一時的に貯蔵される。電磁弁68が開弁する
と、吸気管圧力は負圧のため、空気が大気室16から活
性炭14内を通ってパージ通路18に送り込まれる。空
気が活性炭14内を通過する際には、活性炭14に吸着
されている燃料蒸気が活性炭14より離脱する。かくし
て、燃料蒸気を含んだ空気すなわちベーパが、パージ通
路18を介してサージタンク6に導かれ、燃料噴射弁6
0から噴射された燃料とともに気筒20内で燃料として
使用される。
【0019】エンジン電子制御ユニット(エンジンEC
U)70は、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回
転速度制御などを実行するマイクロコンピュータシステ
ムであり、そのハードウェア構成は、図2のブロック図
に示される。ROM73に格納されたプログラム及び各
種のマップに従って、中央処理装置(CPU)71は、
各種センサ及びスイッチからの信号をA/D変換回路7
5又は入力インタフェース回路76を介して入力し、そ
の入力信号に基づいて演算処理を実行し、その演算結果
に基づき出力インタフェース回路77を介して各種アク
チュエータ用制御信号を出力する。RAM74は、その
演算・制御処理過程における一時的なデータ記憶場所と
して使用される。また、これらのECU内の各構成要素
は、システムバス(アドレスバス、データバス及びコン
トロールバスからなる)72によって接続されている。
【0020】以上のようなハードウェア構成を有する内
燃機関(エンジン)において実行されるECU70のエ
ンジン制御処理について、説明する。点火時期制御は、
クランク角センサ51から得られるエンジン回転速度及
びその他のセンサからの信号により、エンジンの状態を
総合的に判定し、最適な点火時期を決定し、出力インタ
フェース回路77を介してイグナイタ62に点火信号を
送るものである。また、アイドル回転速度制御は、アイ
ドルスイッチ52からのスロットル全閉信号及び車速セ
ンサ53からの車速信号によってアイドル状態を検出す
るとともに、水温センサ44からのエンジン冷却水温度
等によって決められる目標回転速度と実際のエンジン回
転速度とを比較し、その差に応じて目標回転速度となる
ように制御量を決定し、出力インタフェース回路77を
介してISCV66を制御して空気量を調節することに
より、最適なアイドル回転速度を維持するものである。
【0021】燃料噴射制御は、基本的には、エアフロー
メータ40により計測される吸入空気流量とクランク角
センサ51から得られるエンジン回転速度とから算出さ
れるエンジン1回転当たりの吸入空気量に基づいて、所
望の空燃比を達成する燃料噴射量すなわち燃料噴射弁6
0による噴射時間を演算し、所定のクランク角に達した
時点で燃料を噴射すべく、出力インタフェース回路77
を介して燃料噴射弁60を制御するものである。なお、
エンジン1回転当たりの吸入空気量は、バキュームセン
サ41から得られる吸気管圧力とエンジン回転速度とに
よって推定してもよい。そして、かかる燃料噴射量演算
の際には、スロットル開度センサ42、吸気温センサ4
3、水温センサ44等の各センサからの信号に基づく基
本的な補正、O2 センサ45からの信号に基づく空燃比
フィードバック補正、そのフィードバック補正値の中央
値が理論空燃比となるようにする空燃比学習補正、及び
エバポパージ(キャニスタパージ)に基づく補正、等を
加える。
【0022】以下、本発明に係る空燃比制御について詳
細に説明する。空燃比制御は、燃料噴射及びエバポパー
ジにより適量の燃料を供給することにより達成される
が、本発明は、前述したように、特に、始動時における
新規な空燃比制御方式を提供するものである。すなわ
ち、本発明は、高温再始動時において、蒸発による燃料
噴射量の不足を補充すべくエバポパージを実行するに際
し、ISCVを制御して、高温再始動時における吸入負
圧を確保し、エバポパージにおける燃料蒸気の供給制御
性を保証しようとするものである。その詳細な制御例を
説明する前に、吸気管負圧、ISCV開度、エバポパー
ジ量などの関係について説明する。
【0023】図3は、吸気管負圧の時間特性をISCV
開度が大及び小の場合について示す特性図である。同図
に示されるように、ISCVを閉じるほど、スタータに
よるクランキング時における吸気管負圧は大きくなる。
そして、図4に示されるように、吸気管負圧が大きくな
るほど、エバポパージ量は増加する。なお、図4は、吸
気管負圧とエバポパージ量との関係を、エバポパージ制
御用VSV(負圧切替え弁:vacuum switching valve)
サイズが大容量及び小容量の場合について示す特性図で
ある。そして、高温再始動時にエバポパージを実行しよ
うとする場合に要求されるパージ量は一定であるため、
吸気管負圧を大きくすれば、VSVサイズを小容量のも
のとすることができる。そして、VSVが小型であると
いうことは、コストダウンを意味するばかりでなく、エ
バポパージの精度が向上することをも意味する。
【0024】以上のような条件を考慮して具体化され
る、本発明の一実施例に係る始動時エバポパージ制御及
びアイドル回転速度制御の処理手順は、図5のフローチ
ャートに示される。なお、本ルーチンは、所定の周期で
起動されるように構成されている。まず、ステップ10
2では、エンジン冷却水温度THWによって決定される
始動時のISCVステップ値ISCsを、図6に示され
る如きマップを参照することにより求める。なお、水温
THWは、A/D変換回路75を介して水温センサ44
からの出力信号を入力することにより検出される。ま
た、前述のように、本実施例に係るISCVは、ステッ
プモータ式のものであり、従って、ISCVステップ値
は、ISCV開度すなわちバイパス吸気流量を表す。ま
た、かかるマップは、あらかじめROM73に格納され
ている。従来は、始動時、水温THWによって決定され
る値ISCsによってISCVが制御されていたが、本
発明によれば、高温再始動時においては、以下のように
エバポパージの実行とともにISCV開度が閉側に制御
される。
【0025】そして、次のステップ104では、水温T
HWが所定値(ここでは100°C)より大きいか否か
を判定し、THW>100°Cのときにはステップ10
6に進み、THW≦100°Cのときには本ルーチンの
処理を終了する。ステップ106では、吸気温センサ4
3からの出力信号に基づき、吸気温THAを取り込み、
吸気温THAが所定値(ここでは60°C)より大きい
か否かを判定し、THA>60°Cのときにはステップ
108に進み、THA≦60°Cのときには本ルーチン
の処理を終了する。
【0026】上述のように、高温であると判定された場
合に実行されるステップ108では、現在、始動中であ
るか否かを判定する。この始動判定は、例えば、スター
タがオンであるか(スタータスイッチ54からの信号に
基づいて判定される)、又はエンジン回転速度が所定値
(例えば400rpm )以下である場合に、始動中である
と判定するものである。始動中であると判定されたとき
にはステップ110に進み、一方、非始動中であると判
定されたときすなわち始動完了後のときには本ルーチン
の処理を終了する。
【0027】このようにして高温再始動時であると判定
されたときにまず実行されるステップ110では、現在
の始動時間(スタータによるクランキングが開始されて
からの経過時間)Tを取り込む。なお、このような始動
時間Tを計測するために、所定のカウンタがRAM74
の所定領域に設けられ、所定の周期で更新されている。
【0028】次のステップ112では、その始動時間T
に基づき、図7に示されるようなマップを参照すること
により、エバポパージ量E1を求め、エバポパージを実
行する。なお、始動時間Tに応じたエバポパージ量E1
を決定するためのこのようなマップは、燃料蒸気が機関
運転状態に応じた規定量まで徐々に増量されるように定
められたものであり、あらかじめROM73に格納され
ている。このように、供給する燃料蒸気を機関運転状態
に応じた規定量まで徐々に増加させることにより、高温
再始動時でありながら、インジェクタで気泡が発生して
おらず、通常の燃料噴射量が供給されているときには、
燃料蒸気が最初は少量だけ供給されていることにより、
燃料リッチが防止されることとなる。また、インジェク
タで気泡が発生しており、燃料噴射量が不足していると
きには、燃料蒸気が機関運転状態に応じた規定量まで徐
々に増量されることにより、燃料リーンが防止されるこ
ととなる。従って、どのような運転状態においても、確
実に最適な燃料量を供給することができ、機関が確実に
始動する。なお、エバポパージの実行は、パージ制御弁
68の開度を制御するためのパルス信号のデューティ比
(パルス信号のON時間の割合)をエバポパージ量E1
に基づき決定し、パージ制御弁68の駆動制御信号を作
成することによりなされる。
【0029】本実施例では、ステップ110及び112
のような制御が所定周期で実行されることにより、高温
再始動時、燃料蒸気が機関運転状態に応じた規定量まで
徐々に増量されつつ吸気系に供給されることとなるが、
他の実施例では、始動時間とは関係なく、常に、機関運
転状態に応じた規定量をパージするようにしても、もち
ろんかまわない。すなわち、機関に供給する最適な量の
燃料蒸気量を予め実験等により算出してROMに格納し
ておき、運転時に最適な燃料蒸気量を瞬時に供給するこ
とで、機関の始動時間の短縮を図ることができる。
【0030】さらに、次のステップ114では、図8に
示されるようなマップを参照することにより、始動時間
Tに応じた高温再始動時ISCV閉じステップ値ISC
eを求める。そして、ステップ116においては、 ISCsta←ISCs−ISCe なる演算により、最終的な制御ステップ値ISCsta
を求め、ISCVを制御して、本ルーチンの処理を終了
する。
【0031】本実施例では、このようなステップ114
及び116により、始動時間に応じてISCV開度が徐
々に小さくなるように制御される(すなわち、前記した
第2の発明が実現される)。このようにISCV開度を
制御することで、ISCV開度の縮小とともに内燃機関
の吸入負圧が徐々に高くなり、キャニスタから機関に吸
入される燃料蒸気の量が徐々に増加され、機関に供給さ
れる混合気の空燃比を最適な空燃比に確実に設定するこ
とができ、よって機関を確実に始動させることができ
る。パージ制御弁68の開度の制御において先に説明し
たように、機関に供給される燃料蒸気の量を始動時間に
応じて徐々に増加させるような制御を同時に行うことに
より、機関に供給される燃料蒸気量を更に精度良く制御
することができ、更に機関の始動性が向上する。
【0032】また、高温再始動時と判定されたとき、単
純に、機関運転状態に基づいて所定値だけISCV開度
が小さくされる(すなわち、前記した第1の発明が実現
される)ようにしても、もちろんかまわない。例えば、
機関に供給する最適な量の燃料蒸気量を供給するための
吸入負圧を確保すべく、図9に示されるような、水温T
HWに応じたISCV閉じステップ値ISCeのマップ
を予め実験等により算出してROMに格納しておき、運
転時に最適なISCV開度を図6及び図9の各マップに
基づき瞬時に設定することで、機関の始動時間の短縮を
図ることができる。
【0033】以上、本発明の実施例について述べてきた
が、もちろん本発明はこれに限定されるものではなく、
様々な実施例を案出することは当業者にとって容易なこ
とであろう。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高温再始動時において、蒸発による燃料噴射量の不足を
補充すべくエバポパージを実行するに際し、燃料蒸気の
供給制御性を改善することにより、高温再始動時におけ
る空燃比制御精度の向上を図った空燃比制御装置が提供
される。そのため、内燃機関の高温再始動性が高めら
れ、ひいては運転性の更なる向上が図られる、という効
果がある。
【0035】すなわち、第1の発明に係る空燃比制御装
置においては、高温再始動時に、運転状態に応じて、燃
料蒸気の供給制御性を良好とするような状態に吸入負圧
が保たれることにより、吸気通路へ供給される燃料蒸気
の量が常に精度良く制御されるので、高温再始動時にお
ける空燃比リーン状態が回避され、機関の始動が容易に
行われる、という効果がある。
【0036】また、第2の発明に係る空燃比制御装置に
おいては、機関の始動時間が短いときには、吸入負圧が
低くされて吸入されるべき燃料蒸気の量が少なめに設定
され、始動時間が長くなるにつれ、吸入負圧が徐々に高
くされて燃料蒸気の供給量が徐々に多くされるので、機
関運転状態に応じた最適空燃比が確実に達成される、と
いう効果がある。また、吸入される燃料蒸気量が増加さ
れる一方、吸入される空気量自体の増加は抑制されるた
め、機関の始動が完了した後、回転数が急上昇すること
が防止される、という効果がある。さらに、必要最小限
の燃料蒸気で始動が可能となり、燃料蒸気が節約され
る、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る空燃比制御装置を備え
た電子制御式内燃機関の全体概要図である。
【図2】本発明の一実施例に係るエンジンECUのハー
ドウェア構成を示すブロック図である。
【図3】吸気管負圧の時間特性をISCV開度が大及び
小の場合について示す特性図である。
【図4】吸気管負圧とエバポパージ量との関係を、エバ
ポパージ制御用VSVサイズが大容量及び小容量の場合
について示す特性図である。
【図5】本発明の一実施例に係る始動時エバポパージ制
御及びアイドル回転速度制御の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図6】エンジン冷却水温度に応じて始動時におけるI
SCVステップ値を定めるためのマップを表す図であ
る。
【図7】始動時間に応じてエバポパージ量を定めるため
のマップを表す図である。
【図8】始動時間に応じて高温再始動時におけるISC
V閉じステップ値を定めるためのマップを表す図であ
る。
【図9】エンジン冷却水温度に応じて高温再始動時にお
けるISCV閉じステップ値を定めるためのマップを表
す図である。
【符号の説明】
2…エアクリーナ 4…スロットルボデー 5…スロットル弁 6…サージタンク(インテークマニホルド) 7…吸気管 8…吸気バイパス通路(アイドルアジャスト通路) 10…燃料タンク 11…燃料ポンプ 12…燃料配管 13…キャニスタ 14…活性炭 15…燃料蒸気室 16…大気室 17…ベーパ捕集管 18…パージ通路 20…エンジン本体(気筒) 22…冷却水通路 24…吸気弁 26…排気弁 30…排気マニホルド 34…排気管 38…触媒コンバータ 40…エアフローメータ 41…バキュームセンサ 42…スロットル開度センサ 43…吸気温センサ 44…水温センサ 45…O2 センサ 50…基準位置検出センサ 51…クランク角センサ 52…アイドルスイッチ 53…車速センサ 54…スタータスイッチ 60…燃料噴射弁 62…イグナイタ 63…点火コイル 64…点火ディストリビュータ 65…スパークプラグ 66…アイドルスピードコントロールバルブ(ISC
V) 68…パージ制御弁 70…エンジンECU 71…CPU 72…システムバス 73…ROM 74…RAM 75…A/D変換回路 76…入力インタフェース回路 77…出力インタフェース回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の運転状態を検出する運転状態検出
    手段と、 燃料蒸気を吸着するキャニスタと、 吸気通路内に設けられた第1吸気制御弁をバイパスする
    吸気バイパス通路と、 前記吸気バイパス通路を流れる吸入空気量を前記運転状
    態検出手段により検出された検出値に応じて制御する第
    2吸気制御弁と、 前記運転状態検出手段により検出された検出値より機関
    の運転状態が高温再始動時であるか否かを判定する高温
    再始動時判定手段と、 前記高温再始動時判定手段により高温再始動時と判定さ
    れたときに、前記キャニスタに吸着された燃料蒸気を吸
    気通路内に供給する燃料蒸気供給手段と、 を備えた空燃比制御装置において、 前記高温再始動時判定手段により高温再始動時と判定さ
    れたときに、前記運転状態検出手段により検出された検
    出値に応じて、前記第2吸気制御弁の開度を更に閉側に
    制御する第2吸気制御弁開度制御手段、 を具備することを特徴とする空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 機関の始動時間を検出する始動時間検出
    手段と、 前記始動時間検出手段により検出された始動時間が短い
    ときには前記第2制御弁の開度を開側に補正し、検出さ
    れた始動時間が長いときには前記第2制御弁の開度を閉
    側に補正する補正手段と、 を更に具備することを特徴とする、請求項1に記載の空
    燃比制御装置。
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