JP2023095237A - 内燃機関の制御装置、及び、内燃機関の制御方法 - Google Patents

内燃機関の制御装置、及び、内燃機関の制御方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023095237000001
【課題】燃料カット状態から復帰するときの排気性状を向上させ、また、燃費性能を改善できる、内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法は、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射装置と、燃料成分を回収し、回収した燃料成分を含むガスを、電子制御式のバルブを備えた配管を介して前記内燃機関の吸気通路に供給する回収燃料処理装置と、前記内燃機関の排気通路に配置された、酸素ストレージ能力を有する排気浄化触媒と、を備えた前記内燃機関に適用され、燃料噴射装置による燃料噴射を停止する燃料カット中に、前記バルブを開状態に制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置、及び、内燃機関の制御方法に関する。
特許文献1の空燃比制御装置及び空燃比制御方法は、排気空燃比に応じて排気中の酸素を取り込みあるいは放出する酸素ストレージ能力を有する触媒を有する内燃機関において、所定条件が成立したときに燃料カットを行い、その後に別の所定条件が成立したときに燃料カットリカバリーを行い、更に、燃料カットリカバー時にリッチスパイク処理を行う。
特開2009-162195号公報
ところで、燃料カットリカバー時におけるリッチスパイク処理では、燃料噴射装置による燃料噴射量の増量が行われるから、燃費性能の低下が懸念される。
また、排気浄化触媒における酸素ストレージ量が飽和した状態でリッチスパイク処理が行われる場合、酸素ストレージ量が低下するまでに時間を要し、この間、還元性能の低下によってNOx排出量が増えるおそれがあった。
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料カット状態から復帰するときの排気性状を向上させ、また、燃費性能を改善できる、内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法を提供することにある。
そのため、本発明は、その一態様として、燃料成分を回収し、回収した燃料成分を含むガスを、電子制御式のバルブを備えた配管を介して内燃機関の吸気通路に供給する回収燃料処理装置を備えた内燃機関において、燃料噴射装置による燃料噴射を停止する燃料カット中に、前記バルブを開状態に制御する。
上記発明によると、燃料カット状態から復帰するときの排気性状を向上させ、また、燃費性能を改善できる。
内燃機関のシステム構成図である。 燃料カット中のブローバイガス還流または蒸発燃料処理の制御手順の一例を示すフローチャートである。 燃料カット中のブローバイガス還流または蒸発燃料処理の一例を示すタイムチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、内燃機関の一態様を示す構成図である。
図1に示した内燃機関101は、自動車などの車両に搭載される火花点火ガソリン機関である。
内燃機関101は、点火装置200、燃料噴射装置300、電子制御式スロットル108、排気浄化触媒112を備える。
点火装置200は、点火プラグ201と、パワートランジスタを内蔵した点火コイル202とを有し、燃焼室110内の混合気を火花点火によって着火燃焼させる。
燃料噴射装置300は、吸気弁119の上流の吸気ポート102に配置された燃料噴射弁301と、燃料噴射弁301から噴射させる液状燃料(ガソリン)を貯留する燃料タンク302と、燃料タンク302内の液状燃料を燃料噴射弁301に供給する燃料配管304と、を有する。
そして、燃料噴射弁301が開弁すると、燃料が吸気ポート102内に噴射され、燃料噴射弁301から噴射された燃料と空気とを混合して燃焼室110内に混合気が形成される。
なお、燃料噴射装置300は、燃料噴射弁301が燃焼室110内に燃料を直接噴射する筒内直接噴射式であってもよい。
電子制御式スロットル108は、バタフライバルブであるスロットルバルブ108aと、スロットルモータ108bと、スロットルバルブ108aの開度を検出するスロットル開度センサ108cとを有し、スロットルモータ108bでスロットルバルブ108aを開閉する装置である。
そして、エアークリーナ107を通過した空気は、スロットルバルブ108aで流量調節される。
排気浄化触媒112は、内燃機関101の排気管103(排気通路)に配置され、触媒によって内燃機関101の排気を浄化する。
排気浄化触媒112は、酸素ストレージ能力を有する三元触媒を備える。
また、内燃機関101は、内燃機関101の運転状態を検出するための各種センサを備える。
空気流量センサ109は、電子制御式スロットル108の上流の吸気ダクト104に配置され、内燃機関101の吸入空気流量を検出する。
クランク角センサ106は、クランクシャフト117の回転角を計測するためのセンサであって、リングギア114の突起を検出して、クランクシャフト117の所定回転角毎に立ち上がるパルス信号を出力する。
空燃比センサ111は、排気浄化触媒112の上流の排気管103に配置され、排気中の酸素濃度に基づき排気空燃比を検出する。
酸素センサ116は、排気浄化触媒112の下流の排気管103に配置され、排気浄化触媒112の下流の排気管103内(排気通路内)の酸素濃度に基づき、排気空燃比のリッチ、リーンを検出する。
水温センサ118は、内燃機関101の冷却水ジャケット105に配置され、冷却水ジャケット105内の冷却水の温度を検出する。
また、内燃機関101は、ブローバイガス還流装置400を備える。
ブローバイガス還流装置400は、燃焼室110からクランク室151内に流れ出たブローバイガスを、電子制御式スロットル108下流の吸気コレクタ152(換言すれば、吸気通路)に還流させる装置である。
ブローバイガス還流装置400は、クランク室151と吸気コレクタ152とを連通させる還流配管401と、還流配管401に配置され、ブローバイガス流量を調整する電子制御式の還流制御バルブ402とを有する。
なお、ブローバイガスは、未燃焼燃料、燃焼ガス、オイルのミスト成分で構成される。
つまり、ブローバイガス還流装置400は、クランク室151から回収した燃料成分を含むガスを、電子制御式の還流制御バルブ402を備えた還流配管401を介して内燃機関101の吸気コレクタ152に供給し、未燃焼燃料成分を燃焼処理する回収燃料処理装置である。
また、内燃機関101は、蒸発燃料処理装置500を備える。
蒸発燃料処理装置500は、燃料タンク302から回収した蒸発燃料(ガソリンベーパ-)を、電子制御式スロットル108下流の吸気コレクタ152(換言すれば、吸気通路)に導入させる装置である。
蒸発燃料処理装置500は、蒸発燃料を吸着するための活性炭が充填されたキャニスタ501と、キャニスタ501と燃料タンク302とを連通する蒸発燃料配管502と、キャニスタ501と内燃機関101の吸気コレクタ152(換言すれば、吸気通路)とを連通するパージ配管503と、パージ配管503に配置された電子制御式のパージ制御バルブ504と、を有する。
キャニスタ501は、燃料タンク302で発生した蒸発燃料が蒸発燃料配管502を介して流入すると、内部の活性炭に蒸発燃料を吸着捕集する。
パージ制御バルブ504が開制御され、内燃機関101の吸気負圧によってパージ配管503内が負圧になると、キャニスタ501内に外気導入孔501aを介して外気(大気)が吸引され、キャニスタ501の内部を通過してパージ配管503に流入する。
このとき、キャニスタ501の活性炭に吸着されていた蒸発燃料が脱離し、脱離した蒸発燃料は外気とともにパージ配管503に導かれ、吸気コレクタ152で内燃機関101の吸気と合流して燃焼室110に流入し、燃焼室110で燃焼処理される。
つまり、蒸発燃料処理装置500は、燃料タンク302から回収した燃料成分を含むガスを、電子制御式のパージ制御バルブ504を備えたパージ配管503を介して内燃機関101の吸気コレクタ152に供給し、燃料タンク302内で発生した蒸発燃料を燃焼処理する回収燃料処理装置である。
なお、還流制御バルブ402及びパージ制御バルブ504は、たとえば、電磁バルブである。
制御装置600は、MPU(Microprocessor Unit)601を備え、内燃機関101の運転を制御する電子制御装置である。
なお、MCU601は、マイクロコンピュータ、プロセッサ、処理装置、演算装置などと言い換えることができる。
制御装置600は、前述した各種センサが出力する信号(換言すれば、内燃機関101の運転状態に関する情報)を取得し、取得した信号に基づき制御対象それぞれに関する操作量を演算して出力する。
具体的には、制御装置600は、点火コイル202(点火装置200)、燃料噴射弁301(燃料噴射装置300)、スロットルモータ108b、還流制御バルブ402、パージ制御バルブ504を制御する。
制御装置600は、内燃機関101における燃焼サイクル毎の混合気形成のために、燃料噴射弁301(燃料噴射装置300)による燃料噴射を制御する。
また、制御装置600は、所定の燃料カット条件が成立したときに、燃料噴射弁301による燃料噴射を停止させ、所定の燃料リカバリー条件が成立すると、燃料噴射弁301による燃料噴射を再開させる、燃料カットを行なう。
上記の燃料カットは、たとえば、内燃機関101の減速運転状態で実施される。なお、内燃機関101の減速運転で実施される燃料カットは、減速燃料カットとも称される。
上記の減速燃料カットにおいて、制御装置600は、電子制御式スロットル108が閉じられたとき(換言すれば、運転者がアクセルペダルを離したとき)の機関回転速度NEが燃料カット回転速度NE1を超えていると、燃料噴射弁301による燃料噴射を停止させる。
そして、制御装置600は、燃料噴射弁301による燃料噴射を停止させた後、電子制御式スロットル108が開かれたとき(換言すれば、運転者がアクセルペダルを踏み込んだとき)に、燃料噴射弁301による燃料噴射を再開させる。
また、制御装置600は、燃料噴射弁301による燃料噴射を停止させた後、機関回転速度が燃料カット回転速度NE1よりも低い燃料リカバー回転速度NE2を下回ったときに、燃料噴射弁301による燃料噴射を再開させる。
係る燃料カットが行われると、燃料カット中に排気浄化触媒112に大気が流入することで、排気浄化触媒112の酸素ストレージ量が増加して、飽和状態に至る場合がある。
排気浄化触媒112の酸素ストレージ量が飽和した状態では、排気浄化触媒112におけるNOxの還元能力が低下するため、燃料噴射弁301による燃料噴射を再開したときにNOxの排出量が増えてしまう。
ここで、燃料噴射が再開されるときのNOxの排出量を抑える制御として、燃料噴射弁301による燃料噴射量を一時的に増量してリッチ燃焼させる制御であるリッチスパイクがある。
制御装置600が、燃料噴射を再開するときにリッチスパイクを実施すれば、HCやCOが多いリッチ排気が排気浄化触媒112に流入することで、排気浄化触媒112の酸素ストレージ量の減少を促進させ、NOxの還元能力を早期に復活させることが可能である。
しかし、リッチスパイクは燃料の増量補正であるから、リッチスパイクによる燃費性能の低下が懸念される。
また、リッチスパイクの実施によってNOx排出量は減るものの、酸素ストレージ量が飽和状態から減少する過程では依然としてNOx排出量が増えてしまう。
そこで、制御装置600は、燃料カット中に、ブローバイガス還流装置400及び/または蒸発燃料処理装置500によって吸気コレクタ152(吸気通路)に燃料成分を供給することで、燃料カット中に排気浄化触媒112の酸素ストレージ量が飽和することを抑止する。
酸素ストレージ量が飽和することを抑止できれば、酸素ストレージ量を適切な値にまで減らすために必要となるリッチスパイクでの燃料増量分を減らすことができ、また、酸素ストレージ量を適切な値にまで早期に減らすことができるためNOx排出量を抑えることができる。
つまり、制御装置600は、燃料カット中に、ブローバイガス還流装置400及び/または蒸発燃料処理装置500によって吸気コレクタ152(吸気通路)に燃料成分を供給することで、燃料カット状態から復帰するときの排気性状を向上させ、また、燃費性能を改善できる。
なお、燃料カットに、アイドルストップ(アイドルリダクション:idle reduction)を含めることができる。
アイドルストップは、車両の信号待ちなどにおいて燃料噴射弁301(燃料噴射装置300)による燃料噴射を停止させることで内燃機関101を自動停止させる制御である。
そして、制御装置600は、アイドルストップ中にブローバイガス還流装置400及び/または蒸発燃料処理装置500によって吸気コレクタ152(吸気通路)に燃料成分を供給することで、内燃機関101の運転を再開するときの排気性状を向上させ、また、燃費性能を改善できる。
図2のフローチャートは、制御装置600が実施する、燃料カット中におけるブローバイガス還流装置400及び/または蒸発燃料処理装置500の制御手順の一態様を示す。
制御装置600は、ステップS701で、燃料カットが開始されたか否かを判断する。
制御装置600は、燃料カットが開始されていない場合(換言すれば、燃料カット中ではない場合)、ステップS711に進んで、ブローバイガス還流装置400及び蒸発燃料処理装置500の通常制御を実施する。
制御装置600は、ブローバイガス還流装置400の通常制御として、たとえば、クランク室151内の圧力が閾値よりも高いときに還流制御バルブ402を開制御する。
また、制御装置600は、蒸発燃料処理装置500の通常制御として、たとえば、内燃機関101の吸入空気量に比例したパージ率になるように、内燃機関101の負荷、回転速度などに基づきパージ制御バルブ504の開度をデューティ制御によって調整する。
一方、制御装置600は、燃料カットが開始されると、ステップS702に進んで、排気浄化触媒112の酸素ストレージ量OSCを、内燃機関101の運転状態に基づき求める。
制御装置600は、空燃比センサ111が検出する排気浄化触媒112の上流の排気空燃比(換言すれば、排気浄化触媒112に流入する排気の空燃比)、及び、空気流量センサ109が検出する内燃機関101の吸入空気流量(換言すれば、排気浄化触媒112に流入する排気の流量)に基づき酸素ストレージ量OSCを推定する。
燃料カットの開始から内燃機関101は惰性で回転し、係る惰性回転によって内燃機関101は空気を吸い込んで排気通路に空気を送り出し、排気浄化触媒112に空気が流入して酸素ストレージ量OSCを増大させることになる。
そこで、制御装置600は、ステップS702で、燃料カットによる酸素ストレージ量OSCの増大変化を、内燃機関101の運転状態(排気空燃比、吸入空気流量)に基づき推定する。
次いで、制御装置600は、ステップS703で、ステップS702で推定した酸素ストレージ量OSCと、所定量OSCSLとを比較する。
所定量OSCSLは、排気浄化触媒112における酸素ストレージ量OSCの飽和量(最大酸素ストレージ量)を基準に設定される値であって、酸素ストレージ量OSCが略飽和状態であるか否か、若しくは、飽和状態に達すると予測される状態であるか否かを判定するための値である。
制御装置600は、酸素ストレージ量OSCが所定量OSCSLを超えていて、酸素ストレージ量OSCが略飽和状態であるか否か、若しくは、飽和状態に達すると予測される状態である場合、ステップS703からステップS704に進む。
一方、制御装置600は、酸素ストレージ量OSCが所定量OSCSL以下であって、酸素ストレージ量OSCが飽和状態になるまでに余裕がある場合、換言すれば、燃料カットにともなう酸素ストレージ量OSCの増大変化がまだ少ない場合、ステップS703からステップS701に戻る。
つまり、制御装置600は、酸素ストレージ量OSCが所定量OSCSL以下である場合、ブローバイガス還流装置400及び/または蒸発燃料処理装置500の制御を開始することなく(換言すれば、還流制御バルブ402及びパージ制御バルブ504を閉状態に保持して)待機する。
制御装置600は、ステップS704で、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を開制御することで、クランク室151または燃料タンク302から回収された燃料成分を含むガスを内燃機関101に供給する。
つまり、制御装置600は、燃料噴射弁301による燃料噴射を停止した後、酸素ストレージ量OSCが所定量OSCSLにまで上昇してから、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を開く。
ここで、燃料カットが実施されても内燃機関101が慣性で回転する間は、吸気負圧が発生する。
このとき、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504が開制御されると、燃料成分を含むガスが内燃機関101の吸気コレクタ152(換言すれば、吸気通路)に導入されることになる。
内燃機関101の吸気コレクタ152に導入された燃料成分(HC)は、燃焼室110を通過して排気浄化触媒112に流入する。
そして、排気浄化触媒112は、酸素を用いて燃料成分(HC)を酸化処理する。
つまり、排気浄化触媒112が、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504の開制御によって内燃機関101に供給された燃料成分を酸化処理することで、酸素ストレージ量OSCが減ることになる。
燃料カット開始後の内燃機関101が慣性で回転している間は、空気が排気浄化触媒112に流入することで、排気浄化触媒112における酸素ストレージ量OSCは直ぐに飽和量に達してしまう。
このとき、排気浄化触媒112に燃料成分を流入させれば、燃料成分の酸化処理に酸素が用いられる分だけ、排気浄化触媒112における酸素ストレージ量OSCを飽和量から減らすことができる。
制御装置600は、ステップS704で還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を開制御すると、次のステップS705で、酸素センサ116の出力がリーン出力からリッチ出力に反転したか否かを判定することで、排気浄化触媒112の下流における排気空燃比がリーンからリッチに切り替わったか否かを判断する。
そして、制御装置600は、酸素センサ116の出力がリーン出力からリッチ出力に反転したことを検知すると、ステップS706に進む。
制御装置600は、ステップS706において、ステップS704で開制御した還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を閉じ、還流制御バルブ402及びパージ制御バルブ504が閉弁された状態に戻す。
つまり、制御装置600は、酸素センサ116の出力がリーン出力からリッチ出力に反転したことを検知すると、それ以上の燃料成分の供給は不要と判断して、燃料成分の供給のために開制御した還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を閉じ、燃料成分の供給を遮断する。
制御装置600は、次のステップS707で、燃料噴射弁301による燃料噴射を再開させるときのリッチスパイクを不要とする設定を行う。
酸素センサ116の出力がリーン出力からリッチ出力に反転したことは、排気浄化触媒112における酸素ストレージ量OSCが減っていて、燃料成分の酸化処理の効率が低下する一方、NOxの還元処理の効率が十分に高い状態であることを示す。
そして、排気浄化触媒112における酸素ストレージ量OSCが、NOxの還元処理が高い効率で行われる程度に少なければ、酸素ストレージ量OSCを減らすためのリッチスパイクは不要となる。
そこで、制御装置600は、ステップS705において酸素センサ116の出力がリーン出力からリッチ出力に反転したことを検知すると、ステップS706で燃料成分の供給を遮断し、また、ステップS707で燃料噴射弁301による燃料噴射を再開させるときのリッチスパイクを実施しないように設定する。
制御装置600が、燃料カット中に還流制御バルブ402及びパージ制御バルブ504を閉状態に保持する場合、排気浄化触媒112の酸素ストレージ量OSCが飽和し、NOxの浄化効率が低い状態で燃料噴射弁301による燃料噴射を再開させることになる。
したがって、制御装置600は、燃料噴射弁301による燃料噴射を再開させたときのNOx排出量を抑えるために、リッチスパイクを実施して酸素ストレージ量OSCを速やかに低下させる必要が生じる。
しかし、リッチスパイクは、燃料噴射弁301による燃料噴射量を増量する処理であるため、燃費性能を低下させることになり、また、リッチスパイクによって酸素ストレージ量OSCが低下するまでの間はNOx排出が多くなってしまう。
これに対し、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504の開制御によって内燃機関101に供給される燃料成分は、クランク室151または燃料タンク302から回収されたものであるため、燃費性能への影響が少ない。
また、制御装置600が、燃料カット中に還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を開制御すれば、排気浄化触媒112の酸素ストレージ量OSCが少ない状態で燃料噴射を再開させることができる。
したがって、排気浄化触媒112は、燃料噴射の再開直後からNOxを効率良く還元処理でき、NOx排出量を抑えることができる。
一方、制御装置600は、ステップS705で、酸素センサ116の出力がリーン出力に保持されていると判断すると、ステップS708に進む。
制御装置600は、ステップS708において、燃料噴射を再開させる条件が成立しているか否か、換言すれば、燃料カットの継続が予測される状態であるか否かを判断する。
ここで、制御装置600は、燃料噴射を再開させる条件が成立していないと判断すると、ステップS705に戻って、酸素センサ116の出力がリーン出力からリッチ出力に反転したか否かを判別する。
一方、制御装置600は、燃料噴射を再開させる条件が成立していると判断すると、ステップS709に進む。
制御装置600は、ステップS709において、燃料噴射を再開させる前に、ステップS704で開制御した還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を閉じ、還流制御バルブ402及びパージ制御バルブ504を閉弁状態に戻してから、燃料噴射を再開させる。
つまり、制御装置600は、酸素センサ116の出力がリーン出力からリッチ出力に反転すれば、還流制御バルブ402及びパージ制御バルブ504を閉弁状態に戻すが、反転に至る前に燃料噴射を再開させる条件が成立すると、反転を待たずに還流制御バルブ402及びパージ制御バルブ504を閉弁状態に戻す。
換言すれば、制御装置600は、遅くとも燃料噴射装置300による燃料噴射が再開される前に還流制御バルブ402及びパージ制御バルブ504を閉じる。
還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504が開状態であると、空燃比の制御精度が低下するなどによって内燃機関101の燃焼安定性が低下し、内燃機関101を自立運転に安定して戻すことが難しくなる。
そこで、制御装置600は、還流制御バルブ402及びパージ制御バルブ504を閉弁状態に戻してから、燃料噴射を再開させることで、内燃機関101を自立運転状態に安定的に戻すことができる。
制御装置600は、次いで、ステップS710に進み、燃料噴射弁301による燃料噴射を再開させるときにリッチスパイクを実施する設定を行う。
酸素センサ116の出力が反転せずにリーン出力に保持されている場合、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504の開制御によって酸素ストレージ量OSCの増加をある程度抑止できたものの、最大限の抑止には至らなかったことになる。
そこで、制御装置600は、酸素ストレージ量OSCの増加によるNOxの浄化効率の低下を早期に復活させるために、燃料噴射を再開するにあたってリッチスパイクを実施する。
なお、制御装置600は、リッチスパイクにおける燃料噴射量の増量分を、酸素ストレージ量OSCや、排気浄化触媒112上流における排気空燃比などに応じて可変に設定することができる。
図3は、制御装置600が、燃料カット中に還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を開制御するときの機関回転速度、燃料噴射量、酸素ストレージ量OSCなどの変化を例示するタイムチャートである。
制御装置600は、時刻t1で燃料カット条件が成立すると、燃料噴射弁301(燃料噴射装置300)による燃料噴射を停止させる。
燃料噴射の停止によって内燃機関101の回転速度は低下し始め、このとき、排気浄化触媒112に空気が流入することで、排気浄化触媒112の酸素ストレージ量OSCは増加する。
制御装置600は、酸素ストレージ量OSCの推定値が所定量OSCSLを超えたタイミングである時刻t2において、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を閉から開に切り替える。
還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を閉から開に切り替えられると、燃料成分を含むガスが内燃機関101の吸気通路に導入されることで、排気浄化触媒112に流入するガスがリッチ化する。
排気浄化触媒112にリッチガスが流入すると、燃料成分の還元処理が行われるようになって酸素ストレージ量OSCは減少に転じる。
そして、排気浄化触媒112の酸素ストレージ量OSCが減ることで燃料成分の浄化効率が低下すると、排気浄化触媒112の下流における排気空燃比がリーンからリッチに反転する。
制御装置600は、時刻t3にて、酸素センサ116の出力に基づき排気浄化触媒112の下流における排気空燃比がリーンからリッチに反転したことを検知すると、酸素ストレージ量OSCの推定値が所定量OSCSLを超えたタイミングで開制御した還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を閉制御し、ブローバイガス還流装置400及び蒸発燃料処理装置500からの燃料成分の供給を停止させる。
係る還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504の開制御によって、燃料カットから復帰されるときの酸素ストレージ量OSCを、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を開制御しない場合に比べて少なくできる。
そして、燃料噴射が再開されるとき(時刻t4)の酸素ストレージ量OSCが少なければ、時刻t4から時刻t5までの間のリッチスパイクにおける燃料増量を少なく或いは零にでき、また、燃料噴射の再開直後からNOxを高い効率で浄化できる。
したがって、制御装置600が、燃料カット中に還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を開制御することで、リッチスパイクによる燃費性能の低下を抑止でき、また、燃料カット状態から復帰するときのNOx排出量を抑えることができる。
上記実施形態で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて使用することができる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、ブローバイガス還流装置400と蒸発燃料処理装置500とのいずれか一方を備えた内燃機関にも適用できることは明らかである。
また、蒸発燃料処理装置500は、燃料タンク302から回収した蒸発燃料をポンプによって内燃機関101の吸気通路に圧送する装置であってもよい。
また、制御装置600は、還流制御バルブ402とパージ制御バルブ504とのいずれか一方を開制御する状態と、還流制御バルブ402とパージ制御バルブ504との双方を開制御する状態とに切り替えることができる。
たとえば、制御装置600は、パージ制御バルブ504を閉状態に維持して還流制御バルブ402のみを開制御し、係る状態での排気浄化触媒112の上流での排気空燃比に基づき、排気浄化触媒112に流入する燃料成分の不足を判断したときに、さらにパージ制御バルブ504を開制御することができる。
なお、制御装置600は、パージ制御バルブ504の開制御後に、追加で還流制御バルブ402を開制御することもできる。
また、制御装置600は、ブローバイガス還流装置400におけるブローバイガスの燃料濃度、及び、蒸発燃料処理装置500におけるパージガスの燃料濃度をそれぞれ学習し、学習した燃料濃度に基づき、還流制御バルブ402とパージ制御バルブ504とのいずれを開制御するかを切り替えることができる。
また、制御装置600は、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を、燃料カットの開始時に開制御したり、燃料カットの開始から所定時間経過後に開制御したりことができる。
また、制御装置600は、開制御した還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を、内燃機関101の回転速度が所定回転速度(所定回転速度>0)を下回ったとき、または、内燃機関101の回転速度が零になったときに閉制御することができる。
つまり、ブローバイガス還流装置400、蒸発燃料処理装置500が、内燃機関101の吸気負圧を利用して、燃料成分を含むガスを内燃機関101の吸気通路に供給するシステムである場合、燃料カット後に内燃機関101の回転が停止して吸気負圧が発生しなくなると、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を開状態に制御していても、燃料成分を含むガスの供給が途絶えることになる。
そこで、制御装置600は、内燃機関101の回転速度(換言すれば、内燃機関101の吸気負圧)に基づき、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を閉じるタイミングを決定することができる。
詳細には、制御装置600は、内燃機関101の回転速度が、所定回転速度(所定回転速度≧0rpm)になるか、または、前記所定回転速度未満になったときに、還流制御バルブ402及び/またはパージ制御バルブ504を閉じることができる。
101…内燃機関、112…排気浄化触媒、116…酸素センサ、152…吸気コレクタ(吸気通路)、300…燃料噴射装置、301…燃料噴射弁、302…燃料タンク、400…ブローバイガス還流装置(回収燃料処理装置)、401…還流配管、402…還流制御バルブ(電子制御式のバルブ)、500…蒸発燃料処理装置(回収燃料処理装置)、503…パージ配管、504…パージ制御バルブ(電子制御式のバルブ)、600…制御装置



Claims (7)

  1. 内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射装置と、
    燃料成分を回収し、回収した燃料成分を含むガスを、電子制御式のバルブを備えた配管を介して前記内燃機関の吸気通路に供給する回収燃料処理装置と、
    前記内燃機関の排気通路に配置された、酸素ストレージ能力を有する排気浄化触媒と、
    を備えた前記内燃機関に適用される、内燃機関の制御装置であって、
    前記燃料噴射装置による燃料噴射を停止する燃料カット中に、前記バルブを開状態に制御する、
    内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記回収燃料処理装置は、
    ブローバイガスを前記吸気通路に還流させるブローバイガス還流装置を含む、
    内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記回収燃料処理装置は、
    燃料タンクから回収した蒸発燃料を前記吸気通路に導入させる蒸発燃料処理装置を含む、
    内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記排気浄化触媒の酸素ストレージ量を前記内燃機関の運転状態に基づき求め、
    前記燃料噴射装置による燃料噴射が停止された後、前記酸素ストレージ量が所定量にまで上昇してから前記バルブを開く、
    内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関は、前記排気浄化触媒の下流の排気通路内の酸素濃度に応じた信号を出力する酸素センサを備え、
    前記酸素センサの出力がリーン出力からリッチ出力へ反転したことに基づき前記バルブを閉じる、
    内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    遅くとも前記燃料噴射装置による燃料噴射が再開される前に前記バルブを閉じる、
    内燃機関の制御装置。
  7. 内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射装置と、
    燃料成分を回収し、回収した燃料成分を含むガスを、電子制御式のバルブを備えた配管を介して前記内燃機関の吸気通路に供給する回収燃料処理装置と、
    前記内燃機関の排気通路に配置された、酸素ストレージ能力を有する排気浄化触媒と、
    を備えた前記内燃機関に適用される、内燃機関の制御方法であって、
    前記燃料噴射装置による燃料噴射を停止する燃料カット中に、前記バルブを開状態に制御する、
    内燃機関の制御方法。
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