JP2005002867A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Norihisa Nakagawa
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Abstract

【課題】内燃機関の排気浄化システムにおいて、内燃機関の停止時に排気通路に残留する未燃燃料成分が大気中へ放出されることを抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】排気浄化触媒と、排気浄化触媒が活性状態であるか否か判定する触媒活性判定手段と、内燃機関を停止させる要求があったときに該内燃機関への燃料の供給を停止させる燃料供給停止手段と、内燃機関を停止させる要求があった場合であって、触媒活性判定手段により排気浄化触媒が活性化していると判定されたときに限り、排気浄化触媒上流に空気を供給し、前記排気浄化触媒に流入する排気若しくは空気の量を増加させる空気供給手段と、を具備した。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気中へ空気を供給する内燃機関の排気浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の停止後に排気の流通が停止すると、該内燃機関から排気浄化触媒の間に排気が残留する。この排気が次回内燃機関始動時に排気浄化触媒を通過するが、この際に排気浄化触媒の温度が低下していると、有害成分が浄化されないまま大気中へ放出されてしまう。
【0003】
この有害成分を浄化するために、内燃機関停止後、所定の時間電動ポンプにより排気通路に空気を供給する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、イグニッションスイッチOFF時に吸気通路へ空気を供給する技術(例えば、特許文献2参照。)、内燃機関停止時にリーン燃焼後アイドル回転数制御装置を全開とする技術(例えば、特許文献3参照。)、内燃機関停止時にアイドル回転数制御装置を全開として回転数を上昇させてから燃料を停止する技術(例えば、特許文献4参照。)、触媒の酸素貯蔵量が少ないときに、内燃機関の停止処理開始後リーン燃焼若しくは非燃焼運転を行い触媒の酸素貯蔵量を増加させる技術(例えば、特許文献5参照。)が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−187231号公報
【特許文献2】
特開2001−280143号公報
【特許文献3】
特開平7−54681号公報
【特許文献4】
特開2002−54469号公報
【特許文献5】
特開2003−27933号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、触媒が活性化していない場合には、排気通路へ空気を供給しても触媒にて未燃燃料成分が反応せずに通過してしまい、大気中へ放出される虞がある。
【0006】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気浄化システムにおいて、内燃機関の停止時に排気通路に残留する未燃燃料成分が大気中へ放出されることを抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の排気浄化システムは、以下の手段を採用した。即ち、
内燃機関の排気系に設けられ排気中の有害成分を浄化する排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒が活性状態であるか否か判定する触媒活性判定手段と、
前記内燃機関を停止させる要求があったときに該内燃機関への燃料の供給を停止させる燃料供給停止手段と、
前記内燃機関を停止させる要求があった場合であって、前記触媒活性判定手段により前記排気浄化触媒が活性化していると判定されたときに限り、前記排気浄化触媒上流に空気を供給し、前記排気浄化触媒に流入する排気若しくは空気の量を増加させる空気供給手段と、
を具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の最大の特徴は、前記内燃機関の停止時であって、排気浄化触媒が活性化しているときに限り該排気浄化触媒に空気を導入し、これにより排気通路に残留する有害成分の浄化や排気浄化触媒への酸素の供給を行うことにある。
【0009】
このような内燃機関の排気浄化システムでは、内燃機関の停止時に空気供給手段により排気通路へ空気が供給される。これにより、排気通路内に空気の流れができ、排気通路に残留している有害成分が、この空気と共に排気浄化触媒へ流入する。しかし、排気浄化触媒には活性状態となる温度があり、活性状態となっていなければ、有害成分の浄化率が低くなる。従って、排気浄化触媒が活性化していなければ、該排気浄化触媒で有害成分を殆ど浄化することができないため、排気浄化触媒が活性化している場合に限り排気通路へ空気を供給する。これにより、排気通路に残留している有害成分を浄化することができる。このようにして、必要のないときに排気通路へ空気が供給されることを抑制することが可能となる。ここで、内燃機関の停止時には、燃料の供給を停止しても慣性力により内燃機関が回転する。この際に、内燃機関から空気が排出され、排気浄化触媒に少量ではあるが排気が流入する。しかし、空気供給手段は、それよりも多くの排気若しくは空気を排気浄化触媒に流入させるという意味で、「排気浄化触媒に流入する排気若しくは空気の量を増加させる」としている。
【0010】
本発明においては、前記排気浄化触媒は酸素貯蔵能力を備え、前記排気浄化触媒に貯蔵された酸素量を推定する酸素貯蔵量推定手段を更に備え、前記空気供給手段は、前記排気浄化手段の酸素貯蔵量が規定の量となるように前記排気浄化触媒に流入する空気の量を調整することができる。
【0011】
ここで、排気浄化触媒に酸素貯蔵能力がある場合には、排気の空燃比がリーンのときに排気中の酸素が排気浄化触媒に貯蔵され、排気の空燃比がリッチとなると貯蔵されていた酸素が放出される。そして、排気浄化触媒に貯蔵された酸素により、次回内燃機関始動時に排出される未燃燃料成分を酸化させることができる。即ち、内燃機関の始動時に排出される未燃燃料成分により排気の空燃比がリッチとなっている場合には、排気浄化触媒に貯蔵されていた酸素が放出され、該酸素により、未燃燃料成分や一酸化炭素が酸化される。しかし、内燃機関の停止前に該内燃機関がリッチ空燃比で運転されたいた場合には、排気浄化触媒に貯蔵されていた酸素が放出されてしまい、次回内燃機関始動時に排出される未燃燃料成分を酸化できなくなる。そこで、内燃機関停止時に、排気浄化触媒に貯蔵されている酸素の量を規定の量とすることで、排気通路に残留していた未燃燃料成分が次回内燃機関始動時に排気浄化触媒に流入しても、該排気浄化触媒から放出される酸素により該未燃燃料成分を酸化させることが可能となる。ここで、「規定の量」とは、内燃機関始動時に排出される未燃燃料成分を酸化可能な量である。また、酸素濃度が高くなりすぎてNOxの浄化が困難とならない酸素貯蔵量としても良い。
【0012】
本発明においては、前記排気浄化触媒は酸素貯蔵能力を備え、前記排気浄化触媒に貯蔵された酸素量を推定する酸素貯蔵量推定手段を更に備え、前記空気供給手段は、前記排気浄化手段の酸素貯蔵量が規定の量以下の場合に限り、前記排気浄化触媒に空気を供給することができる。
【0013】
ここで、前記排気浄化触媒に酸素貯蔵能力が備わる場合には、該排気浄化触媒に貯蔵された酸素により未燃燃料成分を酸化させることができる。しかし、酸素貯蔵量が多くなりすぎると、該排気浄化触媒において酸素濃度が高くなりNOx等の還元を行うことが困難となる。従って、排気浄化触媒の周囲雰囲気の酸素濃度が過剰に高くならないように該排気浄化触媒に酸素を貯蔵させることにより、未燃燃料成分を酸化させつつ、次回内燃機関始動時にNOx等が大気中へ排出されることを抑制できる。ここで、「規定の量」とは、内燃機関始動時に排出される未燃燃料成分を酸化可能な量であり、且つ、酸素濃度が高くなりすぎてNOxの浄化が困難とならない酸素貯蔵量である。
【0014】
本発明においては、前記排気浄化触媒より下流若しくは上流の排気通路を流通する排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段を更に備え、前記酸素貯蔵量推定手段は、酸素濃度検出手段により検出される酸素濃度に基づいて前記排気浄化触媒に貯蔵された酸素の量を推定することができる。
【0015】
排気浄化触媒の下流若しくは上流の酸素濃度が高い場合には、該排気浄化触媒の周囲雰囲気の酸素濃度も高く、酸素貯蔵量が多くなると考えられる。一方、排気浄化触媒の下流若しくは上流の酸素濃度が低い場合には、該排気浄化触媒の周囲雰囲気の酸素濃度も低く、酸素貯蔵量が少なくなると考えられる。これらを積算することにより、排気浄化触媒に貯蔵されている酸素の量を推定することが可能となる。
【0016】
本発明においては、前記空気供給手段は、前記内燃機関よりも下流で且つ前記排気浄化触媒よりも上流に空気を供給する二次空気供給手段からなることができる。
【0017】
このように内燃機関よりも下流から空気を供給することで、内燃機関の運転状態によらず排気通路へ空気を供給することが可能となる。
【0018】
本発明においては、前記空気供給手段は、前記燃料供給停止手段により燃料の供給が停止された後に前記内燃機関を回転させる手段からなることができる。
【0019】
燃料の供給が停止された後も内燃機関を回転させると、内燃機関に吸入された空気がそのまま排出される。そして、排出される空気の量が多ければ、該空気が排気浄化触媒に到達し、これにより、排気通路に存在していた有害成分が排気浄化触媒を通過する。従って、内燃機関への燃料の供給が停止されてから、未燃燃料成分が酸化されるまでの間、前記内燃機関を回転させることにより、排気通路に存在する有害成分を浄化することが可能となる。また、排気浄化触媒に酸素貯蔵能力が備わる場合には、該排気浄化触媒に酸素を貯蔵させることができる。
【0020】
本発明においては、前記空気供給手段は、内燃機関の吸入空気量を増加させる吸気量制御手段からなることができる。
【0021】
内燃機関の吸気量が増加すると、それに伴い排気の量も増加する。これにより、排気通路に存在する有害成分を排気浄化触媒に導入することが可能となる。
【0022】
本発明においては、前記触媒活性判定手段は、前記排気浄化触媒の温度が規定の温度以上の場合、内燃機関の冷却水温度が規定の温度以上の場合、吸入空気量の積算値が規定の量以上の場合の少なくとも一に該当する場合に触媒が活性化していると判定することができる。
【0023】
前記したように、排気浄化触媒は温度が上昇することにより活性状態となり、有害成分が除去される。この活性状態となる温度を排気浄化触媒の温度に関する「規定の温度」として定めておけば、排気浄化触媒の温度がこの「規定の温度」以上となった場合に、触媒が活性化していると判定することが可能となる。また、内燃機関の冷却水温度は、内燃機関の始動時から上昇し、その後内燃機関の運転に適した温度に維持される。ここで、冷却水温度が規定の温度まで上昇するまでには時間を要するが、この時間内燃機関が運転された場合には、排気浄化触媒にも多くの熱が供給され該排気浄化触媒の温度も上昇する。即ち、冷却水温度と排気浄化触媒の温度との間には相関関係がある。そして、排気浄化触媒が活性状態となるときの冷却水温度を内燃機関の冷却水温度に関する「規定の温度」として定めておけば、冷却水温度が規定の温度以上となった場合に、排気浄化触媒が活性化していると判定することができる。また、内燃機関の吸入空気量と排気浄化触媒の温度との間にも相関関係があり、内燃機関の吸入空気量の積算値が多くなるほど排気浄化触媒の温度は高くなる。即ち、吸入空気量の積算値が多くなるほど内燃機関に供給された燃料量が多くなり、内燃機関での発熱量が多くなるので、排気浄化触媒の温度は高くなる。そして、排気浄化触媒が活性状態となるときの吸入空気量の積算値を「規定の量」として定めておけば、吸入空気量が規定の量以上となった場合に、排気浄化触媒が活性化していると判定することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムの具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。ここでは、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムを車両駆動用のガソリン機関に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態に係るエンジンとその吸排気系及び二次空気供給機構の概略構成を示す図である。図1に示すエンジン1は、4つの気筒2を有する水冷式の4サイクル・ガソリン機関である。
【0026】
エンジン1には、吸気枝管3が接続されており、吸気枝管3の各枝管は、各気筒2の燃焼室と吸気ポート1aを介して連通している。
【0027】
前記吸気枝管3は、吸気管4に接続されている。前記吸気管4における吸気枝管3の直上流に位置する部位には、該吸気管4内を流通する吸気の流量を調節するスロットル弁5が設けられている。このスロットル弁5の開度を調整することにより、エンジン1の吸入空気量を調整することができる。このスロットル弁5には、ステップモータ等で構成されて該スロットル弁5を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ6が取り付けられている。また、スロットル弁5の上流の吸気管4には、該吸気管4内を流通する吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ7が取り付けられている。
【0028】
また、吸気枝管3には、各気筒2に流入する吸気中へ燃料を噴射する燃料噴射弁8が備えられている。各燃料噴射弁8は、燃料を分配する燃料分配管9に接続されている。
【0029】
このように構成された吸気系では、吸気は吸気管4を介して吸気枝管3に流入する。吸気枝管3に流入した吸気は、各枝管を介して各気筒2の燃焼室へ分配される。この際に燃料噴射弁8に駆動電流が印加されて燃料噴射弁8が開弁し、その結果、燃料噴射弁8から吸気枝管3内若しくは吸気ポート1a内へ燃料が噴射される。吸気枝管3内に噴射された燃料は吸気とともに混合気となって各気筒2に流入する。気筒2内では点火プラグ(図示省略)により点火された混合気が燃焼する。
【0030】
一方、エンジン1には、排気枝管10が接続され、排気枝管10の各枝管が排気ポート1bを介して各気筒2の燃焼室と連通している。
【0031】
前記排気枝管10は、排気管11と接続されている。排気管11の途中には、排気浄化触媒12が設けられている。この排気浄化触媒12には三元触媒が担持され、還元雰囲気でNOxを還元浄化することができる。一方、排気浄化触媒12に担持された三元触媒は、リーン空燃比のときに酸化作用が活発となり、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)等を酸化させ浄化させることができる。そして、理論空燃比近傍のときに排気浄化触媒12に担持された三元触媒は最も有効に働く。
【0032】
前記排気浄化触媒12より上流の排気管11には、該排気管11内を流通する排気の酸素濃度に対応した電気信号を出力する上流側酸素濃度センサ13が取り付けられている。一方、排気浄化触媒12より下流の排気管11には、該排気管11内を流通する排気の酸素濃度に対応した電気信号を出力する下流側酸素濃度センサ14が取り付けられている。
【0033】
このように構成された排気系では、エンジン1の各気筒2で燃焼された混合気(既燃ガス)が排気ポート1bを介して排気枝管10へ排出され、次いで、排気管11を介して排気浄化触媒12へ流入し、有害成分が浄化された後大気中に放出される。
【0034】
また、エンジン1には、各気筒2からの排気中に二次空気を供給するための二次空気供給機構が備えられている。
【0035】
二次空気供給機構は、各気筒2から排気ポート1b若しくは排気枝管10へ流入する排気中へ二次空気を噴射する二次空気噴射弁20を備えている。各二次空気噴射弁20は、空気分配管21に接続されている。空気分配管21には、空気導入管22の一端が接続され、該空気導入管22の他端はエアポンプ23に接続されている。このエアポンプ23は、電気モータを駆動源として作動するポンプである。
【0036】
このように構成された二次空気供給機構により、排気ポート1b若しくは排気枝管10内に噴射された空気は、排気中の未燃燃料である炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化させる。
【0037】
以上述べたように構成されたエンジン1には、該エンジン1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)28が併設されている。このECU28は、エンジン1の運転条件や運転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御するユニットである。
【0038】
ECU28には、各種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種センサの出力信号がECU28に入力されるようになっている。一方、ECU28には、スロットル用アクチュエータ6、燃料噴射弁8、エアポンプ23等が電気配線を介して接続され、これらを制御することが可能になっている。また、前記ECU28は、各種アプリケーションプログラム及び各種制御マップを記憶している。
【0039】
ここで、従来の内燃機関の排気浄化システムでは、エンジン1停止時に該エンジン1から排気浄化触媒12までの間の排気枝管10若しくは排気管11に残留しているHC、CO、NOx等の有害成分は浄化されていなかった。このように残留した有害成分は、次回エンジン1始動時に排気浄化触媒12を通過するが、エンジン1が停止されている間に排気浄化触媒12の温度が活性温度以下に低下してしまうので、殆ど浄化されていなかった。また、エンジン1停止時に排気浄化触媒12の上流から二次空気を導入して、排気枝管10及び排気管11に残留する有害成分を排気浄化触媒に導入させる技術が知られているが、エンジン1の始動後すぐにエンジン1を停止させた場合等では、排気浄化触媒の温度が上昇しておらず有害成分は浄化されない。このような場合には、バッテリに充電されている電力を無駄に消費してしまう。
【0040】
そこで、本実施の形態では、エンジン1停止時であって、排気浄化触媒12が活性化している場合に限り排気枝管10へ二次空気を導入して、排気枝管10及び排気管11に残留している有害成分の浄化を行う。
【0041】
次に、本実施の形態による二次空気の導入について説明する。
【0042】
図2は、本実施の形態による二次空気の導入フローを示したフローチャート図である。
【0043】
ステップS101では、イグニッションスイッチ(以下、IGスイッチという。)がOFFとされたか否か判定する。即ち、運転者がエンジン1を停止させるときには、IGスイッチをOFFの位置とするため、この操作が行われたか否か判定する。
【0044】
ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
【0045】
ステップS102では、排気浄化触媒12が活性状態か否か判定する。ここでは、冷却水温度Twが規定の温度To(例えば、70℃)以上であるか否か判定する。冷却水温度Twが規定の温度Toよりも低い場合には、排気浄化触媒12が活性状態になっていないと判定される。この場合には、有害成分を該排気浄化触媒12に導入させても殆ど浄化されないため、空気の導入は行わない。尚、本実施の形態においては、冷却水温度に代えて、エンジン始動時からの吸入空気量の積算値が規定の値以上の場合に排気浄化触媒12が活性状態となっていると判定しても良い。ここで、規定の値は予め実験等により求めておくことができる。更に、本実施の形態では、排気浄化触媒12の床温を直接測定するセンサを備え、該床温が活性温度であるか否かにより判定しても良い。
【0046】
ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS107へ進む。
【0047】
ステップS103では、エアポンプ23を駆動する。これにより、排気枝管10に二次空気が導入され、排気枝管10及び排気管11に空気の流れができる。そして、該排気枝管10及び排気管11に残留している有害成分が排気浄化触媒12に導入される。
【0048】
ステップS104では、エアポンプ23が駆動されている時間Nをカウントするカウンタがカウントアップされる。
【0049】
ステップS105では、所定の時間Noエアポンプ23が駆動されたか否か判定する。ここで、「所定の時間No」とは、エアポンプ23が駆動されてから、排気枝管10及び排気管11に残留していた有害成分の殆どが排気浄化触媒12に流入するまでにかかる時間であり、例えば5秒である。この所定の時間Noは予め実験等により求めておいても良い。所定の時間Noが経過した場合には、排気枝管10及び排気管11に残留していた有害成分の殆どが排気浄化触媒12にて浄化されている。
【0050】
ステップS105で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
【0051】
ステップS106では、エアポンプ23の駆動を停止する。
【0052】
ステップS107では、ECU28の電源が切られる。
【0053】
このようにして、排気浄化触媒12が活性状態の場合に限りエンジン1停止時に二次空気を導入して、排気枝管10及び排気管11に残留している有害成分を浄化することが可能となる。
【0054】
また、排気浄化触媒12が活性状態のときにエンジン1が再始動された場合には、排気枝管10及び排気管11に残留する空気により排気中の未燃燃料成分を酸化させることができる。
【0055】
更には、排気浄化触媒12に酸素貯蔵能力が備わる場合には、該排気浄化触媒12に空気を導入することにより、該排気浄化触媒12に酸素を貯蔵することが可能となる。そして、エンジン1が再始動されたときに排気浄化触媒12が活性状態にあれば、エンジン1から排出される未燃燃料成分を該排気浄化触媒12に貯蔵されている酸素で酸化させることが可能となる。
【0056】
尚、本実施の形態においては、排気浄化触媒12より上流且つ上流側酸素濃度センサ13よりも下流にHC吸着触媒を備え、エンジン1停止時に該HC吸着触媒に二次空気を導入するようにしても良い。ここで、HC吸着触媒は、排気中に含まれるHCを吸着し、ある温度となったときにHCを放出する触媒である。このHC吸着触媒を備えることにより、エンジン1始動時に排出される未燃燃料成分であるHCを該HC吸着触媒に吸着させ、大気中へのHCの放出を抑制することができる。そして、エンジン1停止時にHC吸着触媒へ二次空気を導入することにより、該HC吸着触媒に吸着されているHCを放出させ下流の活性状態にある排気浄化触媒12にて酸化させておけば、該HC吸着触媒のHC吸着能力を向上させることができる。これにより、次回エンジン1始動時により多くのHCを吸着させることが可能となり、大気中へHCが放出されることを抑制できる。
【0057】
また、本実施の形態においては、排気浄化触媒12に酸化還元触媒である三元触媒を担持させたが、HC及びCOの浄化のみを目的とした場合には、単なる酸化触媒を担持させても良い。この場合、NOxを還元させる触媒を別途設けても良い。
【0058】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態と比較して以下の点で相違する。即ち、本実施の形態では、空気供給手段としてエンジン1に備わるスタータモータ30を駆動させる。そして、前記した二次空気供給機構は必要としない。
【0059】
尚、適用対象となるエンジン1やその他ハードウェアの基本構成については、第1の実施の形態と共通なので説明を割愛する。
【0060】
図3は、スタータモータ30の取り付け状態を示した図である。
【0061】
スタータモータ30は、エンジン1の側面に備えられ、該エンジン1のクランク軸31に取り付けられたフライホイール32を回転させる。これにより、クランク軸31が回転しエンジン1が回転される。
【0062】
ここで、エンジン1が停止される際であって、燃料の供給が停止された場合には、エンジン1の回転数が低下していき、最後にはエンジン1の回転が止まる。このようにエンジン1の回転数が低下している間に、スタータモータ30を駆動させることにより、エンジン1の回転数がスタータモータ30から得られる駆動力に応じた回転数となる。このようにして、燃料の供給が停止された後であってもエンジン1の回転を維持することができる。しかも、この間は、燃料の供給が停止されているため、エンジン1に吸入された空気は、そのまま排気となって排出される。従って、スタータモータ30によりエンジン1を回転させている間は、排気枝管10及び排気管11に空気を供給することができ、該排気枝管10及び排気管11に残留している有害成分を排気浄化触媒12に導入させ、浄化することが可能となる。
【0063】
更に、吸気枝管3及び吸気管4、更には気筒2に残留するEGRガスや蒸発燃料等の有害成分をも排気枝管10へ排出することが可能となり、排気浄化触媒12にて浄化することが可能となる。
【0064】
また、排気浄化触媒12に酸素貯蔵能力が備わる場合には、該排気浄化触媒12に空気を導入することにより、該排気浄化触媒12に酸素を貯蔵することが可能となる。そして、エンジン1が再始動されたときに排気浄化触媒12が活性状態にあれば、エンジン1から排出される未燃燃料成分を該排気浄化触媒12に貯蔵されている酸素で酸化させることが可能となる。
【0065】
このように、本実施の形態によれば、吸気系、排気系、気筒2内に残留する有害成分を排気浄化触媒12に導入することが可能となる。これにより、次回エンジン1始動時に、有害成分が浄化されないまま大気中へ放出されることを抑制できる。
【0066】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態と比較して以下の点で相違する。即ち、本実施の形態では、空気供給手段としてエンジン1の停止時にスロットル弁5を開き側へ制御する。そして、前記した二次空気供給機構は必要としない。
【0067】
尚、適用対象となるエンジン1やその他ハードウェアの基本構成については、第1の実施の形態と共通なので説明を割愛する。
【0068】
ここで、エンジン1が停止される際であって、燃料の供給が停止された場合には、エンジン1の回転数が低下していき、最後にはエンジン1の回転が止まる。このようにエンジン1の回転数が低下している間に、スロットル弁5が閉弁されていると、エンジン1のポンプ損失が大きくなり、該エンジン1の回転が速やかに減少する。また、スロットル弁5が閉弁されているとエンジン1の吸入空気量が少なくなり、従って、該エンジン1から排出される空気量も少なくなる。
【0069】
その点、本実施の形態では、エンジン1の停止時にスロットル弁5を開き側へ制御する。ここで、エンジン1の停止時には、燃料の供給が停止されるため、エンジン1に吸入された空気は、そのまま排気となって排出される。そして、スロットル弁5が開き側へ制御されているため、エンジン1の回転が止まるまでに時間がかかると共に、エンジン1の吸入空気量即ち排出される空気量が多くなる。そのため、排気枝管10及び排気管11により多くの空気を供給することができる。そのため、排気枝管10及び排気管11に残留している有害成分を排気浄化触媒12に導入することが可能となる。また、吸気枝管3及び吸気管4、更には気筒2に残留する有害成分をも排気枝管10へ排出することが可能となり、排気浄化触媒12に導入することが可能となる。尚、スロットル弁5は、全開状態としても良く、全閉から全開までの間の規定の開度としても良い。
【0070】
次に、本実施の形態による排気浄化触媒12への空気の導入制御について説明する。
【0071】
ここで、図4は、本実施の形態によるエンジン1停止時のエンジン回転数、スロットル弁開度、吸入空気量、クランク角度、IGスイッチ位置、メインリレー状態の時間推移を示したタイムチャート図である。
【0072】
また、図5は、本実施の形態による排気浄化触媒への空気導入フローを示したフローチャート図である。
【0073】
ステップS201では、IGスイッチがOFFとされたか否か判定する。前記ステップS101と同様の判定が行われる。
【0074】
ステップS201で肯定判定がなされた場合にはステップS202へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS209へ進む。
【0075】
ステップS202では、燃料噴射弁8からの燃料の噴射を停止する。
【0076】
ステップS203では、排気浄化触媒12が活性状態であるか否か判定する。
【0077】
ここでは、前記ステップS102と同様の判定が行われる。
【0078】
ステップS203で肯定判定がなされた場合にはステップS204へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS206へ進む。
【0079】
ステップS204では、エンジン回転数が0以上であるか、即ち、エンジン1がまだ慣性力により回転しているか否か判定する。
【0080】
ステップS204で肯定判定がなされた場合にはステップS205へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS206へ進む。
【0081】
ステップS205では、スロットル弁5の目標開度を全開とする。これにより、エンジン1のポンプ損失が減少し、エンジン1の回転が停止するまでの時間を長くすることができる。従って、より多くの空気を排気枝管10に排出させることができる。
【0082】
ステップS206では、スロットル弁5の目標開度を全閉とする。これにより、次回エンジン1始動時にエンジン回転数が必要以上に上昇することを抑制できる。
【0083】
ステップS207では、スロットル弁5の開度が0であるか否か判定する。
【0084】
ステップS207で肯定判定がなされた場合にはステップS208へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを終了させる。
【0085】
ステップS208では、メインリレーをOFFとして、ECU28の電源を切り処理を終了する。即ち、スロットル弁5が閉弁された後にECU28の電源が切られる。
【0086】
ステップS209では、メインリレーをONとして、エンジン1の運転が継続される。
【0087】
このようにして、排気枝管10及び排気管11に残留する有害成分を排気浄化触媒12に導入させ、浄化することができる。
【0088】
また、吸気枝管3及び吸気管4、更には気筒2に残留するEGRガスや蒸発燃料等の有害成分をも排気枝管10へ排出することが可能となり、排気浄化触媒12にて浄化することが可能となる。
【0089】
更に、排気浄化触媒12に酸素貯蔵能力が備わる場合には、該排気浄化触媒12に空気を導入することにより、該排気浄化触媒12に酸素を貯蔵することが可能となる。そして、エンジン1が再始動されたときに排気浄化触媒12が活性状態にあれば、エンジン1から排出される未燃燃料成分を該排気浄化触媒12に貯蔵されている酸素で酸化させることが可能となる。
【0090】
このように、本実施の形態によれば、吸気系、排気系、気筒2内に残留する有害成分を排気浄化触媒12に導入することが可能となる。これにより、次回エンジン1始動時に、有害成分が浄化されないまま大気中へ放出されることを抑制できる。
【0091】
尚、本実施の形態においては、エンジン1の停止時にスロットル弁5を開き側へ制御して排気系へ空気を供給しているが、これに代えて、アイドルスピードコントロール装置を開き側へ制御して排気系へ空気を供給しても良い。ここで、アイドルスピードコントロール装置は、スロットル弁5の閉弁時に該スロットル弁5を迂回してエンジン1に空気を導入し、アイドル回転数を調整する装置である。即ち、エンジン1の停止時であってスロットル弁5が閉弁されても、アイドルスピードコントロール装置を開くことにより、エンジン1の吸入空気量を増加させることができる。このようにしても、排気系へ空気を供給することができる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第3の実施の形態と比較して以下の点で相違する。即ち、本実施の形態では、排気浄化触媒12の酸素貯蔵量に基づいてスロットル弁5の開弁制御を行う。
【0092】
尚、適用対象となるエンジン1やその他ハードウェアの基本構成については、第1の実施の形態と共通なので説明を割愛する。
【0093】
ここで、排気浄化触媒12がその酸素貯蔵能力の限界まで酸素を貯蔵していると、該排気浄化触媒12に流入する排気の空燃比がリーンとなったときに酸素を貯蔵することができなくなり、排気浄化触媒12の周囲雰囲気はリーンとなる。従って、三元触媒にて排気中のNOxを十分に浄化することができなくなる。また、酸素を放出しきって酸素を全く貯蔵していなければ、排気浄化触媒12に流入する排気の空燃比がリッチとなったときに酸素を放出することができないので、排気浄化触媒12の周囲雰囲気はリッチとなる。従って、三元触媒にて排気中のHCやCOを十分に浄化することができなくなる。
【0094】
その点、排気浄化触媒12の酸素貯蔵量が適正なものとなっていれば、該排気浄化触媒12の周囲雰囲気を理論空燃比とすることができ、三元触媒によりHC、CO、NOxを浄化することができる。そして、酸素貯蔵量が規定量以下となるように、若しくは、規定量となるようにスロットル弁5の開弁制御を行うことにより、酸素貯蔵量を適正なものとすることができる。
【0095】
ここで、IGスイッチがOFFとされる前の排気浄化触媒12の周囲雰囲気がリッチ空燃比である場合には、該排気浄化触媒12に貯蔵されていた酸素が放出された状態となっている。従って、エンジン1停止時に排気浄化触媒12に空気を導入することにより酸素を貯蔵することができ、次回エンジン1始動時に排出されるHCを酸化させることができる。しかし、IGスイッチがOFFとされる前の排気浄化触媒12の周囲雰囲気がリッチ空燃比でない場合、即ちリーン空燃比となっている場合には、排気浄化触媒12に空気を導入すると、該排気浄化触媒12の周囲雰囲気が過リーン状態となる虞があり、次回エンジン1始動時にNOxを浄化することができなくなる虞が生じる。
【0096】
その点、本実施の形態では、下流側酸素濃度センサ14により排気浄化触媒12の周囲雰囲気がリッチ空燃比であるか否かを判定し、リッチ空燃比の場合に限り該排気浄化触媒12に酸素を導入する。このように酸素の貯蔵量に基づいたスロットル弁5の制御を行う。
【0097】
次に、本実施の形態による排気浄化触媒への空気の導入について説明する。
【0098】
ここで、図6は、本実施の形態によるエンジン1停止時前からエンジン1再始動後までの下流側酸素濃度センサ14の出力、排気浄化触媒12より下流のHC濃度、車速の時間推移を示したタイムチャート図である。図6では、エンジン1は、10分間停止されている。
【0099】
ここで、下流側酸素濃度センサ14の出力は、大きくなるほど排気中の酸素濃度が少なくなる。この出力が、0.5v以上のときにはリッチ空燃比であり、0.5vより小さいときにはリーン空燃比である。また、リッチ空燃比でエンジン1が停止(図6中では、「リッチ終了」としている。)された後の再始動時にはHC排出量が多く、一方、リーン空燃比でエンジン1が停止(図6中では、「リーン終了」としている。)された後の再始動時にはHC排出量が少なくなっている。
【0100】
図7及び図8は、本実施の形態による排気浄化触媒への空気導入フローを示したフローチャート図である。図7及び図8中、丸で囲った数字で等しいものは、夫々同一時点を示している。また、図5に示すフローチャートと同様の処理がなされるものについては、同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0101】
ステップS311では、IGスイッチがOFFとされる前の排気浄化触媒12の周囲雰囲気がリッチ空燃比であるか否か判定する。ここでは、後述するXRICHがONとなっている場合には、IGスイッチがOFFとされる前の排気浄化触媒12の周囲雰囲気がリッチ空燃比であると判定される。
【0102】
ステップS311で肯定判定がなされた場合にはステップS203へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS206へ進む。
【0103】
ステップS312では、下流側酸素濃度センサ14の出力が0.5v以上であるか否か判定する。即ち、リッチ空燃比であるか否か判定する。そして、下流側酸素濃度センサ14の出力が0.5v以上の場合には、エンジン1の停止時に排気浄化触媒12へ空気を導入する。
【0104】
ステップS312で肯定判定がなされた場合にはステップS313へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS314へ進む。
【0105】
ステップS313では、IGスイッチがOFFとされる前の排気浄化触媒12の周囲雰囲気がリッチ空燃比であることを示す変数XRICHをONとする(XRICHに1を代入する。)。
【0106】
ステップS314では、IGスイッチがOFFとされる前の排気浄化触媒12の周囲雰囲気がリッチ空燃比であることを示す変数XRICHをOFFとする(XRICHに0を代入する。)。
【0107】
このようにして、エンジン1停止時の排気浄化触媒12の周囲雰囲気がリッチ空燃比の場合に限り該排気浄化触媒12に空気を導入することができる。これにより、排気浄化触媒12の周囲雰囲気が過リーン状態となりNOxの還元が困難となることを抑制することができる。
【0108】
ここで、エンジン1停止時の下流側酸素濃度センサ14の出力により、排気系に供給する空気の量を調整しても良い。即ち、エンジン1停止時の下流側酸素濃度センサ14による排気の空燃比がリッチであるほど、排気系への空気の供給量が多くなるように、スロットル弁5の開度を大きくしても良い。
【0109】
また、下流側酸素濃度センサ14の出力に代えて、上流側酸素濃度センサ13の出力を用いても同様の制御を行うことができる。
【0110】
尚、本実施の形態においては、排気浄化触媒12の酸素貯蔵量を以下のようにして推定し、該推定量に基づいた制御を行っても良い。即ち、推定された酸素貯蔵量が規定量以下となるように、若しくは、規定量となるようにスロットル弁5の開弁制御を行っても良い。
【0111】
即ち、酸素貯蔵量は、上流側酸素濃度センサ13によって検出される排気浄化触媒12の上流側の排気空燃比から排気浄化触媒12の酸素吸脱量を推定し、これを積算していくことによって(即ち、履歴を用いることによって)得られる。ここでは、酸素吸脱量が正の値の時は酸素が排気浄化触媒12に貯蔵され、即ち、酸素貯蔵量は増加される。一方、酸素吸脱量が負の値の時は酸素が放出され、即ち、酸素貯蔵量は減少される。
【0112】
また、排気浄化触媒12が貯蔵し得る最大の酸素貯蔵量を最大貯蔵可能酸素量とする。即ち、酸素貯蔵量は、ゼロと最大貯蔵可能酸素量との間の値をとることになる。酸素貯蔵量がゼロということは、排気浄化触媒12が酸素を貯蔵していないということであり、酸素貯蔵量が最大貯蔵可能酸素量であるということは、排気浄化触媒12がその能力の限界まで酸素を貯蔵しきっているということである。最大貯蔵可能酸素量は、一定ではなく、排気浄化触媒12の状態(温度や劣化度合いなど)により変動し得る。最大貯蔵可能酸素量の更新は、下流側酸素濃度センサ14の検出結果に基づいて行われる。
【0113】
なお、酸素貯蔵量は、ある時点(例えばIGスイッチON時)を基準として算出しても良く、この場合は、基準時の酸素貯蔵量をゼロとし、これに対して上側、下側で変動するような制御をしても良い。このような場合は、その時点での排気浄化触媒12の状態に応じて酸素貯蔵量が取り得る上限値及び下限値をそれぞれ設定でき、この上下限値の差が上述した最大貯蔵可能酸素量に相当するものとなる。上述した上限値及び下限値は、排気浄化触媒12の状態に応じてそれぞれ変動し得る。これらの上限値及び下限値(即ち、最大貯蔵可能酸素量)の更新は、下流側酸素濃度センサ14の検出結果に基づいて行われる。
【0114】
尚、酸素貯蔵量の推定は、例えば、特開2002−11590号公報若しくは特開2002−195080号公報に記載された技術を用いて行うこともできる。
【0115】
そして、酸素貯蔵量と、酸素貯蔵量を規定の量若しくは規定の量以下とするために必要となるエンジン1停止時のスロットル弁5の開度と、の関係を予め実験等により求めてマップ化しておく。このマップに、推定された酸素貯蔵量を代入し、スロットル弁5の開度を得る。エンジン1の停止時にこのスロットル弁5開度とすることにより、排気浄化触媒12に空気が導入され、排気浄化触媒12の酸素貯蔵量を規定の量若しくは規定の量以下とすることができる。
【0116】
以上説明したように、本実施の形態によれば、排気浄化触媒12の酸素貯蔵量を適正な量とすることができ、エンジン1の再始動時に該エンジン1から排出される有害成分を浄化することができる。
【0117】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関の排気浄化システムでは、排気浄化触媒が活性状態となっているときに限り、内燃機関の停止時に該排気浄化触媒に空気を導入し、排気通路に残留する有害成分除去することができ、次回内燃機関始動時に排気通路に残留する有害成分が大気中へ放出されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るエンジンとその吸排気系及び二次空気供給機構の概略構成を示す図である。
【図2】実施の形態による二次空気の導入フローを示したフローチャート図である。
【図3】スタータモータの取り付け状態を示した図である。
【図4】実施の形態によるエンジン停止時のエンジン回転数、スロットル弁開度、吸入空気量、クランク角度、IGスイッチ位置、メインリレー状態の時間推移を示したタイムチャート図である。
【図5】実施の形態による排気浄化触媒への空気導入フローを示したフローチャート図である。
【図6】実施の形態によるエンジン停止時前からエンジン再始動後までの下流側酸素濃度センサの出力、排気浄化触媒より下流のHC濃度、車速の時間推移を示したタイムチャート図である。
【図7】実施の形態による排気浄化触媒への空気導入フローを示したフローチャート図である。
【図8】実施の形態による排気浄化触媒への空気導入フローを示したフローチャート図である。
【符号の説明】
1 エンジン
1a 吸気ポート
1b 排気ポート
2 気筒
3 吸気枝管
4 吸気管
5 スロットル弁
6 スロットル用アクチュエータ
7 エアフローメータ
8 燃料噴射弁
9 燃料分配管
10 排気枝管
11 排気管
12 排気浄化触媒
13 上流側酸素濃度センサ
14 下流側酸素濃度センサ
20 二次空気噴射弁
21 空気分配管
22 空気導入管
23 エアポンプ
28 ECU
30 スタータモータ
31 クランク軸
32 フライホイール

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気系に設けられ排気中の有害成分を浄化する排気浄化触媒と、
    前記排気浄化触媒が活性状態であるか否か判定する触媒活性判定手段と、
    前記内燃機関を停止させる要求があったときに該内燃機関への燃料の供給を停止させる燃料供給停止手段と、
    前記内燃機関を停止させる要求があった場合であって、前記触媒活性判定手段により前記排気浄化触媒が活性化していると判定されたときに限り、前記排気浄化触媒上流に空気を供給し、前記排気浄化触媒に流入する排気若しくは空気の量を増加させる空気供給手段と、
    を具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記排気浄化触媒は酸素貯蔵能力を備え、前記排気浄化触媒に貯蔵された酸素量を推定する酸素貯蔵量推定手段を更に備え、前記空気供給手段は、前記排気浄化手段の酸素貯蔵量が規定の量となるように前記排気浄化触媒に流入する空気の量を調整することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記排気浄化触媒は酸素貯蔵能力を備え、前記排気浄化触媒に貯蔵された酸素量を推定する酸素貯蔵量推定手段を更に備え、前記空気供給手段は、前記排気浄化手段の酸素貯蔵量が規定の量以下の場合に限り、前記排気浄化触媒に空気を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記排気浄化触媒より下流若しくは上流の排気通路を流通する排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段を更に備え、前記酸素貯蔵量推定手段は、酸素濃度検出手段により検出される酸素濃度に基づいて前記排気浄化触媒に貯蔵された酸素の量を推定することを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 前記空気供給手段は、前記内燃機関よりも下流で且つ前記排気浄化触媒よりも上流に空気を供給する二次空気供給手段からなることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
  6. 前記空気供給手段は、前記燃料供給停止手段により燃料の供給が停止された後に前記内燃機関を回転させる手段からなることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
  7. 前記空気供給手段は、内燃機関の吸入空気量を増加させる吸気量制御手段からなることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
  8. 前記触媒活性判定手段は、前記排気浄化触媒の温度が規定の温度以上の場合、内燃機関の冷却水温度が規定の温度以上の場合、吸入空気量の積算値が規定の量以上の場合の少なくとも一に該当する場合に触媒が活性化していると判定することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
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