JP2003056419A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

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JP2003056419A
JP2003056419A JP2001243877A JP2001243877A JP2003056419A JP 2003056419 A JP2003056419 A JP 2003056419A JP 2001243877 A JP2001243877 A JP 2001243877A JP 2001243877 A JP2001243877 A JP 2001243877A JP 2003056419 A JP2003056419 A JP 2003056419A
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JP
Japan
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fuel
internal combustion
combustion engine
air
heater
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Application number
JP2001243877A
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English (en)
Inventor
Kazuki Iwatani
一樹 岩谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、車両などに搭載される内燃機関に
おいて、内燃機関の始動性や暖機運転時における燃焼安
定性を向上させ、排気エミッションの向上に寄与するこ
とを課題とする。 【解決手段】 本発明に係る内燃機関は、燃焼式ヒータ
14から排出されるガスを内燃機関1の吸気通路2へ導
入するよう構成された内燃機関において、燃焼式ヒータ
14から内燃機関1へ気化燃料を供給する場合に、内燃
機関1の運転状態およびまたは使用環境に応じて燃焼式
ヒータ14の作動状態を変更することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに搭載さ
れる内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車などに搭載される内燃機関
では、冷間時における室内用暖房装置の性能向上や暖機
促進などを目的として、燃焼式ヒータが併設される技術
が提案されている。
【0003】上記したような燃焼式ヒータとしては、例
えば、内燃機関と独立した燃焼室と、前記燃焼室へ内燃
機関の燃料の一部を供給するポンプ機構と、前記燃焼室
へ空気を供給する送風ファンと、前記ポンプ機構により
燃焼室へ供給された燃料を加熱して気化させる気化グロ
ープラグと、気化グロープラグによって気化された燃料
及び送風ファンにより供給された空気の混合気を更に加
熱して燃焼させる点火グロープラグと、燃焼室内で発生
した燃焼熱を所定の熱媒体(機関冷却水や暖房用空気な
ど)へ伝達させる熱交換部と、燃焼室内で燃焼されたガ
スを内燃機関の吸気通路へ導く燃焼ガス供給通路とを備
えた燃焼式ヒータが知られている。
【0004】このような燃焼式ヒータが内燃機関に併設
された場合には、内燃機関の冷間時に燃焼式ヒータで燃
焼されたガスを内燃機関の吸気通路へ供給することによ
り、内燃機関の吸気温度や気筒内の雰囲気温度を高める
ことが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うな燃焼式ヒータは、効率の高い燃焼、言い換えれば完
全燃焼に近い燃焼を行うことが可能であるため、燃焼式
ヒータから排出される燃焼ガスには、少量の酸素と多量
の二酸化炭素が含まれることになる。
【0006】従って、内燃機関が冷間状態にあるときに
燃焼式ヒータから内燃機関の吸気通路へ燃焼ガスが供給
されると、燃焼ガスの熱によって吸気温度や気筒内の雰
囲気温度を高めることが可能となるものの、内燃機関に
吸入される酸素量が減少すると同時に二酸化炭素量が増
加してしまい、内燃機関における燃料の着火性や燃焼安
定性が損なわれ、それにより排気エミッションの悪化を
招く虞がある。
【0007】本発明は、上記したような種々の事情に鑑
みてなされたものであり、内燃機関において、内燃機関
における燃料の着火性や燃焼安定性を高めることができ
る技術を提供することにより、排気エミッションの悪化
防止に寄与することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した目的
を解決するために以下のような手段を採用した。すなわ
ち、本発明に係る内燃機関は、燃料を加熱して気化させ
る燃料気化機構と、前記燃料気化機構により気化された
燃料を燃焼させることなく内燃機関の吸気通路へ導く気
化燃料供給手段と、前記燃料気化機構により気化された
燃料を前記内燃機関の吸気通路へ供給するときに、前記
内燃機関の運転状態およびまたは使用環境に応じて前記
燃料気化機構の作動状態を制御する気化燃料供給制御手
段と、を備えることを特徴としている。
【0009】この発明は、燃料気化機構から内燃機関へ
気化燃料を供給する場合に、内燃機関の運転状態や使用
環境に応じて燃料気化機構の作動状態を制御することを
最大の特徴としている。
【0010】かかる内燃機関では、燃料気化機構から内
燃機関の吸気通路へ気化燃料を供給する場合に、気化燃
料供給制御手段が内燃機関の運転状態およびまたは使用
環境に応じて燃料気化機構の作動状態を変更する。
【0011】この場合、燃料気化機構は、内燃機関の運
転状態や使用環境に適した作動状態となるため、燃料気
化機構から内燃機関の吸気通路へ供給される気化燃料の
状態も内燃機関の運転状態や使用環境に適した状態とな
る。
【0012】この結果、内燃機関が如何なる運転状態お
よびまたは如何なる使用環境下にあっても、それらの運
転状態や使用環境に適した状態の気化燃料が内燃機関へ
供給されることになるため、内燃機関の燃焼室内に可燃
性の高い混合気が形成されるようになる。
【0013】また、本発明に係る内燃機関は、以下のよ
うな手段を採用してもよい。すなわち、本発明に係る内
燃機関は、内燃機関と独立した燃焼室を具備する燃焼式
ヒータと、前記燃焼室内のガスを前記内燃機関の吸気通
路へ導くガス供給通路と、前記燃焼式ヒータから前記吸
気通路へ気化燃料を供給する際に、前記内燃機関の運転
状態およびまたは使用環境に応じて前記燃焼式ヒータの
作動状態を制御する気化燃料供給制御手段と、を備える
ことを特徴としている。
【0014】この発明は、燃焼式ヒータから排出される
ガスを内燃機関の吸気通路へ導入するよう構成された内
燃機関において、燃焼式ヒータから内燃機関の吸気通路
へ気化燃料を供給する際に、内燃機関の運転状態や使用
環境に応じて燃焼式ヒータの作動状態を制御することを
最大の特徴としている。
【0015】かかる内燃機関では、燃焼式ヒータから内
燃機関の吸気通路へ気化燃料を供給する場合に、気化燃
料供給制御手段が内燃機関の運転状態およびまたは使用
環境に応じて燃焼式ヒータの作動状態を変更することに
なる。
【0016】この場合、燃焼式ヒータは、内燃機関の運
転状態や使用環境に適した作動状態となるため、燃焼式
ヒータから内燃機関の吸気通路へ供給される気化燃料の
状態も内燃機関の運転状態や使用環境に適した状態とな
る。
【0017】この結果、内燃機関が如何なる運転状態お
よびまたは如何なる使用環境下にあっても、それらの運
転状態や使用環境に適した状態の気化燃料が内燃機関へ
供給されることになるため、内燃機関の燃焼室内に可燃
性の高い混合気が形成されるようになる。
【0018】本発明に係る内燃機関において、燃焼式ヒ
ータとしては、内燃機関と独立した燃焼室と、その燃焼
室へ燃料を供給する燃料供給機構と、前記燃焼室へ供給
される燃料を加熱して気化させる加熱機構と、前記燃焼
室へ空気を供給する送風機構とを具備した燃焼式ヒータ
を例示することができる。
【0019】この場合、気化燃料供給制御手段は、内燃
機関の運転状態およびまたは使用環境に従って燃料供給
機構と加熱機構と送風機構との少なくとも一つの作動状
態を制御するようにすればよい。
【0020】例えば、気化燃料供給制御手段は、内燃機
関の機関回転数が高くなるほど又は吸入空気量が多くな
るほど、燃焼式ヒータから吸気通路へ供給される気化燃
料量が多くなるよう燃料供給機構と加熱機構と送風機構
との少なくとも一つを制御するようにしてもよい。
【0021】これは、燃焼式ヒータから吸気通路へ供給
される気化燃料量が機関回転数に関わらず一定である
と、機関回転数の上昇により吸入空気量が増加した時に
吸入空気量に対する気化燃料量が過剰に少なくなり、又
は、機関回転数の低下により吸入空気量が減少した時に
吸入空気量に対する気化燃料量が過剰に多くなる虞があ
るからである。
【0022】また、気化燃料供給制御手段は、燃料の温
度が低くなるほど加熱量が多くなるよう加熱機構を制御
するようにしてもよい。これは、燃料温度が低くなるほ
ど、燃料の気化に要する熱量が増加するからである。
【0023】尚、外気温度や機関冷却水が低くくなる環
境下では、それに応じて燃料温度も低くなるため、気化
燃料供給制御手段は、燃料温度の変わりに外気の温度や
機関冷却水の温度をパラメータとして加熱機構を制御す
るようにしてもよい。
【0024】また、本発明に係る内燃機関において、燃
焼式ヒータを構成する燃料供給機構と加熱機構と送風機
構とがバッテリの電圧を駆動源として作動する機構であ
る場合には、気化燃料供給制御手段は、バッテリの出力
電圧が低くなるほど、加熱機構の印加電圧を高めるとと
もに燃料供給機構及び送付機構の印加電圧を低下させる
ようにしてもよい。
【0025】また、本発明に係る内燃機関は、ガス供給
通路を流れるガスの空燃比を検出する空燃比検出手段を
更に備え、気化燃料供給制御手段は、空燃比検出手段の
検出値が所望の目標空燃比と一致するように燃料供給機
構と加熱機構と送風機構との少なくとも一つをフィード
バック制御するようにしてもよい。
【0026】ここで、燃焼式ヒータから内燃機関へ気化
燃料を供給する場合には、燃焼式ヒータにおいて加熱機
構により気化された燃料と送風機構により供給された空
気との混合気(以下、気化燃料ガスと称する)がガス供
給通路を介して内燃機関の吸気通路へ供給されることに
なる。
【0027】その際、前記した気化燃料ガスの空燃比が
過剰に高くなると、内燃機関で燃焼に供される混合気の
空燃比が過剰に高くなる虞がある。一方、前記した気化
燃料ガスの空燃比が過剰に低くなると、内燃機関で燃焼
に供される混合気の空燃比が過剰に低くなる虞がある。
【0028】これに対し、ガス供給通路を流れる気化燃
料ガスの空燃比を検出するとともに、検出された空燃比
が所望の目標空燃比と一致するように燃料供給機構と加
熱機構と送風機構との少なくとも一つをフィードバック
制御することにより、内燃機関で燃焼に供される混合気
の空燃比が過剰に高く又は低くなることを防止すること
が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の具
体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
【0030】<第1の実施の形態>先ず、本発明に係る
内燃機関の第1の実施の形態について図1〜図13に基
づいて説明する。
【0031】図1は、本発明を適用する内燃機関の概略
構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの
気筒1aを備えた水冷式の筒内噴射型ディーゼルエンジ
ンである。この内燃機関1には、図示しないクランクシ
ャフトが所定角度回転する度にパルス信号を出力するク
ランクポジションセンサ31と、図示しないウォーター
ジャケットを流れる冷却水の温度に対応した電気信号を
出力する水温センサ32が取り付けられている。
【0032】前記内燃機関1の各気筒1aには、その噴
孔が燃焼室に臨むよう燃料噴射弁1bが取り付けられて
いる。各燃料噴射弁1bは、蓄圧室(コモンレール室)
1cと連通している。蓄圧室1cは、燃料タンク36に
取り付けられた図示しない機関用燃料ポンプから供給さ
れる燃料を所定の圧力となるまで蓄えるよう構成されて
いる。
【0033】このような燃料噴射系では、燃料ポンプか
ら吐出された燃料が蓄熱室にて所定圧力に達するまで蓄
圧される。蓄圧室1cにて所定圧力まで蓄圧された燃料
は、各気筒1aの燃料噴射弁1bに印加され、各燃料噴
射弁1bが開弁した際に各気筒1aの燃焼室へ噴射され
る。
【0034】次に、前記内燃機関1には、吸気枝管2が
接続され、その吸気枝管2の各枝管が各気筒1aの燃焼
室と図示しない吸気ポートを介して連通している。前記
吸気枝管2は、吸気管3に接続され、吸気管3は、エア
フィルタを内装したエアクリーナボックス4に接続され
ている。
【0035】前記吸気管3における前記エアクリーナボ
ックス4の直下流の部位には、該吸気管3内を流れる吸
気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメー
タ29と、吸気の温度に対応した電気信号を出力する吸
気温度センサ30が取り付けられている。
【0036】前記吸気管3における前記エアフローメー
タ29より下流の部位には、遠心過給機(ターボチャー
ジャ)5のコンプレッサハウジング5aが設けられてい
る。コンプレッサハウジング5a内には、図示しないコ
ンプレッサホイールが回転自在に支持されている。この
コンプレッサホイールの回転軸は、後述するタービンハ
ウジング5b内に回転自在に支持されたタービンホイー
ルの回転軸と連結され、コンプレッサホイールとタービ
ンホイールとが一体で回転するようになっている。
【0037】続いて、前記コンプレッサハウジング5a
下流の吸気管3には前記コンプレッサハウジング5aに
て圧縮された際に高温となった吸気を冷却するためのイ
ンタークーラ6が設けられている。前記インタークーラ
6下流の吸気管3には、該吸気管3内の吸気流量を調節
する吸気絞り弁7が設けられ、この吸気絞り弁7には、
該吸気絞り弁7を開閉駆動する吸気絞り用アクチュエー
タ8が取り付けられている。
【0038】このように構成された吸気系では、エアク
リーナボックス4に流入した新気がエアフィルタにて埃
や塵を除去された後、吸気管3を経てコンプレッサハウ
ジング5aに導かれ、コンプレッサハウジング5a内で
圧縮される。コンプレッサハウジング5a内で圧縮され
て高温となった新気は、インタークーラ6にて冷却され
る。インタークーラ6で冷却された吸気は、必要に応じ
て吸気絞り弁7によって流量を調節された後、吸気枝管
2を経て各気筒1aの燃焼室に分配される。各気筒1a
の燃焼室へ分配された吸気は、燃料噴射弁1bから噴射
される燃料とともに燃焼される。
【0039】また、内燃機関1には、排気枝管9が接続
され、この排気枝管9の各枝管が各気筒1aの燃焼室と
図示しない排気ポートを介して連通している。前記排気
枝管9は、遠心過給器5のタービンハウジング5bを介
して排気管10に接続され、排気管10は、下流にて図
示しないマフラーに接続されている。
【0040】前記タービンハウジング5bには、前述し
たコンプレッサホイールと連結されたタービンホイール
が回転自在に内装されており、そのタービンホイールが
排気の熱エネルギを利用して回転するようになってい
る。
【0041】前記排気管10の途中には、排気中の有害
ガス成分を浄化する排気浄化触媒11が配置されてい
る。この排気浄化触媒11は、該排気浄化触媒11の床
温が所定の温度以上であるときに活性して排気中の有害
ガス成分を浄化可能となる触媒である。
【0042】上記したような排気浄化触媒11として
は、酸化触媒、選択還元型リーンNOX触媒、吸蔵還元
型リーンNOX触媒、ディーゼル・パティキュレート・
フィルタ(DPF)、ディーゼル・パティキュレート・
NOx・リダクション(DPNR)触媒等を例示するこ
とができる。
【0043】前記排気管10において排気浄化触媒11
の直上流の部位には、該排気管10を流通する排気の空
燃比に対応した電気信号を出力する機関用空燃比センサ
38が設けられている。
【0044】このように構成された排気系では、各気筒
1aの燃焼室で燃焼された混合気(既燃ガス)が排気ポ
ートを介して排気枝管9へ排出され、次いで排気枝管9
から遠心過給器5のタービンハウジング5b内に流入す
る。タービンハウジング5b内に流入した排気は、該排
気が持つ熱エネルギを利用してタービンホイールを回転
させる。その際、タービンホイールの回転トルクは、前
述したコンプレッサハウジング5aのコンプレッサホイ
ールへ伝達され、コンプレッサハウジング5aが吸気を
圧縮するための駆動源として作用する。
【0045】前記タービンハウジング5bから排出され
た排気は、排気管10を介して排気浄化触媒11に流入
する。その際、排気浄化触媒11の床温が温度浄化ウィ
ンド内にあれば、排気浄化触媒11において排気中の有
害ガス成分が除去又は浄化される。排気浄化触媒11に
て有害ガス成分を除去又は浄化された排気は、マフラー
を介して大気中に放出される。
【0046】また、前記した排気枝管9と吸気枝管2と
は、排気枝管9内を流れる排気の一部を吸気枝管2へ還
流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循
環)通路12を介して連通されている。このEGR通路
12の途中には、電磁弁などで構成され、印加電力の大
きさに応じて前記EGR通路12内を流れる排気(以
下、EGRガスと称する)の流量を変更するEGR弁1
3と、該EGR通路12内を流れるEGRガスを冷却す
るEGRクーラ120が設けられている。
【0047】このように構成された排気再循環機構で
は、EGR弁13が開弁されると、EGR通路12が導
通状態となり、排気枝管9内を流れる排気の一部がEG
RガスとしてEGR通路12へ流入する。EGR通路1
2に流入したEGRガスは、EGRクーラ120を経て
吸気枝管2へ導かれる。
【0048】その際、EGRクーラ120では、EGR
通路12内を流れるEGRガスと所定の冷媒との間で熱
交換が行われ、EGRガスが冷却されることになる。
【0049】EGR通路12を介して排気枝管9から吸
気枝管2へ還流されたEGRガスは、吸気枝管2の上流
から流れてきた新気と混ざり合いつつ各気筒1aの燃焼
室へ導かれ、燃料噴射弁1bから噴射される燃料を着火
源として燃焼される。
【0050】ここで、EGRガスには、水(H2O)や
二酸化炭素(CO2)などのように、自らが燃焼するこ
とがなく、且つ、吸熱性を有する不活性ガス成分が含ま
れているため、EGRガスが混合気中に含有された場合
には、混合気の燃焼温度が低められ、以て窒素酸化物
(NOx)の発生量が抑制される。
【0051】更に、EGRクーラ120においてEGR
ガスが冷却されると、EGRガス自体の温度が低下する
とともにEGRガスの体積が縮小されるため、EGRガ
スが燃焼室内に供給されたときに該燃焼室内の雰囲気温
度が不要に上昇することがなくなるとともに、燃焼室内
に供給される空気の量(空気の体積)が不要に減少する
こともない。
【0052】次に、内燃機関1には、燃焼式ヒータ14
が併設されている。燃焼式ヒータ14は、図2に示すよ
うに、外筒140と、外筒140に内装される中間筒1
41と、中間筒141に内装される燃焼筒142とを備
えている。
【0053】前記外筒140と前記中間筒141との間
には、内燃機関1の冷却水を流すためのヒータ内冷却水
路200が形成されている。前記外筒140には、前記
ヒータ内冷却水路200内に冷却水を取り入れるための
冷却水導入ポート143と、前記ヒータ内冷却水路20
0内の冷却水を排出するための冷却水排出ポート144
とが形成されている。
【0054】前記冷却水導入ポート143には、冷却水
導入管22が接続され、前記冷却水排出ポート144に
は、冷却水排出管23が接続されている。冷却水導入管
22と冷却水排出管23は、図1に示すように、内燃機
関1の図示しないウォータジャケットと接続されてい
る。
【0055】前記冷却水導入管22の途中には、電動式
のウォータポンプ24が設けられ、内燃機関1のウォー
タジャケット内を流れる冷却水を冷却水導入ポート14
3へ送り込むことが可能になっている。
【0056】前記冷却水排出管23の途中には、室内用
暖房装置のヒータコア25が配置され、該冷却水排出管
23を流れる冷却水の持つ熱が暖房用空気へ伝達される
ようになっている。
【0057】前記した燃焼筒142の基端部には、燃料
蒸発部(ウィック)151が設けられている。このウィ
ック151には、燃料導入管27が接続され、燃料導入
管27は、図1に示すように、燃料タンク36に取り付
けられたヒータ用燃料ポンプ39に接続されている。前
記ヒータ用燃料ポンプ39は、印加電圧の大きさに応じ
て燃料の吐出量を変更可能な電動ポンプである。
【0058】前記燃焼筒142内における前記ウィック
151の近傍には、前記燃料導入管27からウィック1
51へ供給された燃料を加熱して気化させる燃料気化用
グロープラグ152と、前記燃料気化用グロープラグ1
52によって気化された燃料を更に加熱して燃焼させる
燃料点火用グロープラグ153とが配置されている。
【0059】前記した燃料気化用グロープラグ152及
び燃料点火用グロープラグ153は、印加電圧の大きさ
に応じて加熱量を変更することができるよう構成されて
いる。尚、燃料気化用グロープラグと燃料点火用グロー
プラグとは、単一のグロープラグで兼用されるようにし
てもよい。
【0060】前記外筒140には、前記燃焼筒142へ
空気を送り込むための送風ファン149と、この送風フ
ァン149を回転駆動するファンモータ150とを内装
したハウジング148が取り付けられている。
【0061】前記ハウジング148には、該ハウジング
148内に空気を取り込むための吸気ポート146が形
成されている。前記吸気ポート146には、図1に示す
ように、吸気導入通路15が接続され、この吸気導入通
路15は、吸気管3におけるインタークーラ6と吸気絞
り弁7との間の部位に接続されている。
【0062】前記燃焼筒142の周壁における複数箇所
には、該燃焼筒142内と前記ハウジング148内とを
連通させる貫通孔142aが設けられ、前記ハウジング
148内において前記送風ファン149によって送り出
された空気が前記貫通孔142aを介して燃焼筒142
内へ流入するようになっている。
【0063】ここで、前記した複数の貫通孔142aの
うち燃焼筒142の基端部寄りに形成された貫通孔14
2aは、主に混合気形成用の空気を燃焼筒142内へ送
り込むよう機能し、前記した複数の貫通孔142aのう
ち燃焼筒142の先端部寄りに形成された貫通孔142
aは、主に燃焼筒142内のガスを該燃焼筒142外へ
送り出すよう機能するようになっている。
【0064】前記中間筒141と燃焼筒142との間に
は、前記燃焼筒142で発生した燃焼ガスを流すための
燃焼ガス通路201が形成されている。前記中間筒14
1の適当な部位には、前記燃焼ガス通路201と前記外
筒140の外部とを連通する燃焼ガス排出ポート145
が形成されている。
【0065】前記燃焼ガス排出ポート145には、図1
に示すように、燃焼ガス排出通路17が接続され、この
燃焼ガス排出通路17は、三方切換弁37に接続されて
いる。この三方切換弁37には、上記の燃焼ガス排出通
路17に加え、吸気側排出通路17aと排気側排出通路
17bとが接続されている。
【0066】前記した三方切換弁37は、吸気側排出通
路17aと排気側排出通路17bとの何れか一方を選択
的に遮断することにより、燃焼ガス排出通路17と吸気
側排出通路17aの導通又は燃焼ガス排出通路17と排
気側排出通路17bの導通を選択的に成立させるよう構
成されている。前記三方切換弁37は、ステップモータ
などからなるアクチュエータによって駆動されるように
なっている。
【0067】前記吸気側排出通路17aは、前記吸気管
3における前記吸気絞り弁7より下流の部位に接続さ
れ、前記排気側排出通路17bは、前述した排気管10
におけるタービンハウジング5bと排気浄化触媒11と
の間の部位に接続されている。前記燃焼ガス排出通路1
7には、該燃焼ガス排出通路17内を流れるガスの空燃
比に対応した電気信号を出力するヒータ用空燃比センサ
42が取り付けられている。
【0068】このように構成された燃焼式ヒータ14で
は、ヒータ用燃料ポンプ39、ファンモータ150、燃
料気化用グロープラグ152、燃料点火用グロープラグ
153、及び電動ウォーターポンプ24に駆動電圧が印
加されると、ヒータ用燃料ポンプ39が燃料タンク36
内の燃料を吸い上げて前記燃焼筒142のウィック15
1へ供給するとともに、ファンモータ150が送風ファ
ン149を作動させて吸気管3内を流れる空気の一部を
ハウジング148内へ取り込むとともに燃焼筒142内
へ向けて送り出すことになる。送風ファン149によっ
て送り出された空気は、貫通孔142aを通って燃焼筒
142内へ流入する。
【0069】続いて、前記ウィック151に供給された
燃料が燃料気化用グロープラグ152によって加熱され
て気化し、その気化燃料と送風ファン149によって供
給された空気とが混合気を形成する。前記混合気は、燃
料点火用グロープラグ153によって更に加熱されて点
火される。
【0070】前記燃焼筒142内で点火されて燃焼した
燃焼ガスは、送風ファン149によって送り出される空
気の圧力によって燃焼筒142内から燃焼ガス通路20
1へ押し出され、次いで燃焼ガス通路201から燃焼ガ
ス排出ポート145へ排出される。
【0071】燃焼ガス排出ポート145へ排出された燃
焼ガスは、燃焼ガス排出通路17へ流入し、三方切換弁
37を介して吸気管3又は排気管10へ導かれる。
【0072】一方、電動ウォーターポンプ24は、内燃
機関1のウォータジャケット内の冷却水を燃焼式ヒータ
14の冷却水導入ポート143へ圧送する。冷却水導入
ポート143へ圧送された冷却水は、前記冷却水導入ポ
ート143からヒータ内冷却水路200へ導かれ、ヒー
タ内冷却水路200を通った後に冷却水排出ポート14
4へ排出される。
【0073】その際、燃焼ガス通路201を流れる燃焼
ガスの熱が中間筒141の壁面を介してヒータ内冷却水
路200内を流れる冷却水に伝達され、冷却水の温度が
上昇する。
【0074】このようにして昇温された冷却水は、冷却
水排出ポート144から冷却水排出管23へ排出され、
ヒータコア25を経て内燃機関1のウォータジャケット
内へ戻され、ウォータジャケット内を循環する。ヒータ
コア25では、冷却水が持つ熱の一部が暖房用空気に伝
達され、暖房用空気を昇温させる。
【0075】ここで図1に戻り、上記したように構成さ
れた内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電
子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)
28が併設されている。このECU28は、内燃機関1
の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状
態を制御するユニットである。
【0076】ECU28には、前述したエアフローメー
タ29、吸気温度センサ30、クランクポジションセン
サ31、水温センサ32、機関用空燃比センサ38、及
びヒータ用空燃比センサ42に加え、図示しないアクセ
ルペダルの操作量(アクセル開度)に対応した電気信号
を出力するアクセルポジションセンサ33、イグニッシ
ョンスイッチ34、スタータスイッチ35、燃料タンク
36に取り付けられ該燃料タンク36内の燃料の温度に
対応した電気信号を出力する燃料温度センサ40等の各
種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種セ
ンサの出力信号がECU28に入力されるようになって
いる。更に、ECU28には、前述した燃料噴射弁1
b、電動ウォーターポンプ24、ヒータ用燃料ポンプ3
9、ファンモータ150、燃料気化用グロープラグ15
2、燃料点火用グロープラグ153等に駆動電力を供給
するためのバッテリ41が電気的に接続され、該バッテ
リ41の出力電圧をセンシングできるようになってい
る。
【0077】また、ECU28には、燃料噴射弁1b、
吸気絞り用アクチュエータ8、EGR弁13、電動ウォ
ーターポンプ24、三方切換弁37、ヒータ用燃料ポン
プ39、ファンモータ150、燃料気化用グロープラグ
152、燃料点火用グロープラグ153等が電気配線を
介して接続され、ECU28が上記した各種センサの出
力信号値をパラメータとして、燃料噴射弁1b、吸気絞
り用アクチュエータ8、EGR弁13、電動ウォーター
ポンプ24、三方切換弁37、ヒータ用燃料ポンプ3
9、ファンモータ150、燃料気化用グロープラグ15
2、及び燃料点火用グロープラグ153を制御すること
が可能となっている。
【0078】ここで、ECU28は、図3に示すよう
に、双方向性バス280によって相互に接続された、C
PU281と、ROM282と、RAM283と、バッ
クアップRAM284と、入力ポート286と、出力ポ
ート287とを備えるとともに、前記入力ポート286
に接続されたA/Dコンバータ(A/D)285を備え
ている。
【0079】前記入力ポート286は、クランクポジシ
ョンセンサ31、イグニッションスイッチ34、スター
タスイッチ35等のようにデジタル信号形式の信号を出
力するセンサの出力信号を入力し、それらの出力信号を
CPU281やRAM283へ送信する。
【0080】前記入力ポート286は、エアフローメー
タ29、吸気温度センサ30、水温センサ32、アクセ
ルポジションセンサ33、機関用空燃比センサ38、燃
料温度センサ40、バッテリ41、ヒータ用空燃比セン
サ42等のようにアナログ信号形式の信号を出力するセ
ンサのA/D285を介して入力し、それらの出力信号
をCPU281やRAM283へ送信する。
【0081】前記出力ポート287は、燃料噴射弁1
b、吸気絞り用アクチュエータ8、EGR弁13、電動
ウォーターポンプ24、三方切換弁37、ヒータ用燃料
ポンプ39、ファンモータ150、燃料気化用グロープ
ラグ152、燃料点火用グロープラグ153等と電気配
線を介して接続され、CPU281から出力される制御
信号を、前記した燃料噴射弁1b、吸気絞り用アクチュ
エータ8、EGR弁13、電動ウォーターポンプ24、
三方切換弁37、ヒータ用燃料ポンプ39、ファンモー
タ150、燃料気化用グロープラグ152、あるいは燃
料点火用グロープラグ153へ送信する。
【0082】前記ROM282は、燃料噴射弁1bを制
御するための燃料噴射制御ルーチン、吸気絞り弁7を制
御するための吸気絞り制御ルーチン、EGR弁13を制
御するためのEGR制御ルーチン、燃焼式ヒータ14と
三方切換弁37と電動ウォーターポンプ24を統括して
制御するヒータ制御ルーチン等のような既知のアプリケ
ーションプログラムに加え、燃焼式ヒータ14から内燃
機関1へ気化燃料を供給するための気化燃料供給制御ル
ーチンを記憶している。
【0083】前記ROM282は、上記したアプリケー
ションプログラムに加え、各種の制御マップを記憶して
いる。前記制御マップは、例えば、内燃機関1の運転状
態と基本燃料噴射量(基本燃料噴射時間)との関係を示
す燃料噴射量制御マップ、内燃機関1の運転状態と基本
燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時期制御マップ、
内燃機関1の運転状態と吸気絞り弁7の目標開度との関
係を示す吸気絞り弁開度制御マップ、内燃機関1の運転
状態と目標EGRガス量との関係を示すEGRガス量制
御マップ、目標EGRガス量とEGR弁13の目標開度
との関係を示すEGR弁開度制御マップ等である。
【0084】前記RAM283は、各センサからの出力
信号やCPU281の演算結果等を格納する。前記演算
結果は、例えば、クランクポジションセンサ31がパル
ス信号を出力する時間的な間隔に基づいて算出される機
関回転数である。これらのデータは、クランクポジショ
ンセンサ31がパルス信号を出力する都度、最新のデー
タに書き換えられる。
【0085】前記バックアップRAM284は、内燃機
関1の運転停止後もデータを記憶可能な不揮発性のメモ
リである。
【0086】前記CPU281は、前記ROM282に
記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作し
て、燃料噴射制御、吸気絞り制御、EGR制御、燃焼式
ヒータ制御に加え、本発明の要旨となる気化燃料供給制
御を実行する。
【0087】以下、本発明の要旨となる気化燃料供給制
御について述べる。内燃機関1が冷間状態にあるとき、
言い換えれば、内燃機関1が暖機運転状態にあるとき
は、気筒1a内の雰囲気温度も低くなるため、燃料噴射
弁1bから気筒1a内へ噴射された燃料が気化し難く、
可燃性の高い混合気を形成し難い。
【0088】これに対し、内燃機関1が暖機運転状態に
ある場合は、燃焼式ヒータ14において燃料の燃焼を行
わずに燃料の気化のみを行い、その気化燃料を含むガス
(以下、気化燃料ガスと称する)を内燃機関1へ供給す
る方法が考えられる。
【0089】この場合、燃焼式ヒータ14から内燃機関
1へ供給される気化燃料ガスは、未燃のガスとなるた
め、十分な量の酸素を含むガスとなる。更に、燃焼式ヒ
ータ14において気化された燃料は蒸発し易く且つ着火
し易い軽質な燃料成分となる上、そのような軽質燃料成
分が圧縮行程において圧縮されると冷炎反応を伴って遊
離基(ラジカル)を生成する。この結果、内燃機関1の
気筒1a内には、可燃性の高い混合気が形成されること
になる。
【0090】ところで、気筒1a内において気化燃料が
占める割合が過剰に少なくなると混合気の可燃性が低下
し、逆に気筒1a内において気化燃料が占める割合が過
剰に高くなると混合気の空燃比が過剰に低下して未燃燃
料成分や黒煙の排出量が増加してしまうため、燃焼式ヒ
ータ14から内燃機関1へ供給される気化燃料量を最適
化する必要がある。
【0091】例えば、内燃機関1の機関回転数が高くな
ると、内燃機関1の吸入空気量が増加するため、それに
応じて燃焼式ヒータ14から内燃機関1へ供給される気
化燃料量を増加させる必要がある。
【0092】そこで、本実施の形態における気化燃料供
給制御では、燃焼式ヒータ14から内燃機関1へ気化燃
料を供給する場合に、内燃機関1の機関回転数に応じて
燃焼式ヒータ14の作動状態を制御するようにした。
【0093】具体的には、CPU281は、図4〜図6
に示されるように、内燃機関1の機関回転数が高くなる
ほど、ファンモータ150、ヒータ用燃料ポンプ39、
及び燃料気化用グロープラグ152の駆動電圧を高くす
る。尚、図4〜図6に示されるような機関回転数とファ
ン駆動電圧との関係、機関回転数とポンプ駆動電圧との
関係、及び、機関回転数とグロープラグ駆動電圧との関
係は、予めマップ化してROM282に記憶しておくよ
うにしてもよい。
【0094】内燃機関1の機関回転数が高く吸入空気量
が多いときに、ヒータ用燃料ポンプ39、ファンモータ
150、及び燃料気化用グロープラグ152の駆動電圧
が高くされると、燃焼式ヒータ14において気化される
燃料量が増加し、それに応じて燃焼式ヒータ14から内
燃機関1へ供給される気化燃料量が増加することにな
る。
【0095】この結果、内燃機関1の各気筒1a内に
は、増加した吸入空気量に相応する量の気化燃料が供給
されることになり、気筒1a内において気化燃料が占め
る割合が過剰に少なくなることがない。
【0096】一方、内燃機関1の機関回転数が低く吸入
空気量が少ないときに、ヒータ用燃料ポンプ39、ファ
ンモータ150、及び燃料気化用グロープラグ152の
駆動電圧が低くされると、燃焼式ヒータ14において気
化される燃料量が減少し、それに応じて燃焼式ヒータ1
4から内燃機関1へ供給される気化燃料量が減少するこ
とになる。
【0097】この結果、内燃機関1の各気筒1a内に
は、減少した吸入空気量に相応する量の気化燃料が供給
されることになり、気筒1a内において気化燃料が占め
る割合が過剰に多くなることがない。
【0098】更に、CPU281は、気化燃料供給制御
において、気化燃料ガスの空燃比を所定の目標空燃比と
すべくファン駆動電圧、ポンプ駆動電圧、及びグロープ
ラグ駆動電圧をフィードバック制御するヒータ用空燃比
フィードバック制御を実行する。
【0099】ヒータ用空燃比フィードバック制御では、
CPU281は、ヒータ用空燃比センサ42の出力信号
(気化燃料ガスの空燃比)を入力し、その出力信号値が
所望の目標空燃比と一致するようにヒータ用燃料ポンプ
39、ファンモータ150、及び燃料気化用グロープラ
グ152の印加電圧を補正する。前記した目標空燃比
は、内燃機関1の燃料噴射弁1bからの噴射量を決定す
る際に用いられる目標空燃比と一致するようにしてもよ
い。
【0100】例えば、ヒータ用空燃比センサ42の出力
信号値が所望の目標空燃比より高い場合には、CPU2
81は、ヒータ用燃料ポンプ39と燃料気化用グロープ
ラグ152の駆動電圧を所定量高め、およびまたは、フ
ァンモータ150の駆動電圧を所定量低くする。
【0101】一方、ヒータ用空燃比センサ42の出力信
号値が所望の目標空燃比より低い場合には、CPU28
1は、ファンモータ150の駆動電圧を所定量高め、お
よびまたは、ヒータ用燃料ポンプ39と燃料気化用グロ
ープラグ152の駆動電圧を所定量低くする。
【0102】このようなヒータ用空燃比フィードバック
制御によれば、気化燃料ガスの空燃比が過剰なリッチ空
燃比又はリーン空燃比になることがなくなる。
【0103】尚、上記したような気化燃料供給制御が実
行される場合には、燃焼式ヒータ14から内燃機関1へ
供給される気化燃料量に応じて、内燃機関1の燃料噴射
量を補正するようにしてもよい。
【0104】次に、本実施の形態における気化燃料供給
制御について図7のフローチャートに沿って説明する。
【0105】図7に示すフローチャートは、気化燃料供
給制御ルーチンを示すフローチャートである。前記気化
燃料供給制御ルーチンは、予めROM282に記憶され
ているルーチンであり、CPU281によって所定時間
毎(例えば、クランクポジションセンサ31がパルス信
号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンであ
る。
【0106】この気化燃料供給制御ルーチンでは、CP
U281は、先ずS701において水温センサ32の出
力信号値(冷却水温度):THWを入力する。
【0107】S702では、CPU281は、前記S7
01で入力された冷却水温度:THWが所定温度(たとえ
ば、内燃機関1の暖機完了後の水温)未満であるか否か
を判別する。
【0108】前記S702において前記冷却水温度:TH
Wが所定温度以上であると判定された場合は、CPU2
81は、内燃機関1が暖機完了状態にあるとみなし、S
708へ進む。CPU281は、S708において通常
の制御を実行する。
【0109】一方、前記S702において前記冷却水温
度:THWが所定温度未満であると判定された場合は、C
PU281は、内燃機関1の運転状態が暖機運転領域に
あるとみなし、S703へ進む。
【0110】S703では、CPU281は、クランク
ポジションセンサ31がパルス信号を出力する時間的間
隔に基づき内燃機関1の機関回転数:Neを算出する。
【0111】S704では、CPU281は、前記S7
03で算出された機関回転数:Neをパラメータとして前
述した図4〜図6に示すようなマップへアクセスし、前
記機関回転数:Neに対応したファン駆動電圧:Vf、ポン
プ駆動電圧:Vp、及びグロープラグ駆動電圧:Vgを算出
する。
【0112】S705では、CPU281は、前記S7
04で算出されたファン駆動電圧:Vfとポンプ駆動電
圧:Vpとグロープラグ駆動電圧:Vgをそれぞれファンモ
ータ150とヒータ用燃料ポンプ39と燃料気化用グロ
ープラグ152に印加するとともに、排気側排出通路1
7bを遮断させるべく三方切換弁37を制御する。
【0113】この場合、燃料ポンプから吐出された燃料
が燃料導入管27を介して燃焼式ヒータ14のウィック
151へ供給されるとともに、ファンモータ150が送
風ファン149を作動させて吸気管3内を流れる空気の
一部を燃焼筒142へ供給する。
【0114】続いて、前記ウィック151に供給された
燃料が燃料気化用グロープラグ152によって加熱され
て気化する。前記燃焼筒142内で気化した燃料は、送
風ファン149によって送り出される空気とともに燃焼
筒142内から燃焼ガス通路201へ押し出され、次い
で燃焼ガス通路201から燃焼ガス排出ポート145へ
排出される。燃焼ガス排出ポート145へ排出された気
化燃料及び空気(以下、気化燃料ガスと総称する)は、
燃焼ガス排出通路17、三方切換弁37、及び吸気側排
出通路17aを介して吸気管3へ導かれる。
【0115】吸気管3へ導かれた気化燃料ガスは、吸気
管3の上流から流れてきた空気と混ざり合いつつ吸気枝
管2へ到達し、次いで吸気枝管2から各気筒1aの燃焼
室へ分配される。
【0116】ここで、燃焼式ヒータ14において気化さ
れた燃料は、蒸発し易く且つ気化し易い軽質な燃料とな
るため、吸気通路の壁面等に付着することなく空気と混
ざり合って可燃性の高い混合気を形成する。
【0117】更に、各気筒1aの燃焼室へ分配された気
化燃料ガスと空気との混合気は、圧縮行程において圧縮
されて昇温するため、その昇温過程において気化燃料が
冷炎反応を伴って部分酸化し、反応性に富んだ遊離基
(ラジカル)を生成する。
【0118】その際、各気筒1aの燃焼室へ供給される
気化燃料量は、内燃機関1の機関回転数、言い換えれば
内燃機関1の吸入空気量に相応した量となるため、各気
筒1a内において可燃性の高い混合気が好適に形成され
ることになる。
【0119】従って、各気筒1aの圧縮行程上死点近傍
において燃料噴射弁1bから燃料が噴射されると、ラジ
カルによって燃料の燃焼(酸化反応)が促進され、その
結果、各気筒1aにおいて燃料が燃焼し易くなり、以て
内燃機関1の燃焼が安定するようになる。
【0120】ここで図7のフローチャートに戻り、CP
U281は、S706へ進み、ヒータ用空燃比センサ4
2の出力信号(気化燃料ガスの空燃比):hafを入力す
る。
【0121】S707では、CPU281は、前記S7
06で入力した気化燃料ガス空燃比:hafと所定の目標
空燃比とを比較する。
【0122】その際、前記気化燃料ガス空燃比:hafが
目標空燃比より高ければ、CPU281は、ポンプ駆動
電圧及びグロープラグ駆動電圧を所定量高めるととも
に、必要に応じてファン駆動電圧を所定量低くする。
【0123】また、前記気化燃料ガス空燃比:hafが目
標空燃比より低ければ、CPU281は、ファン駆動電
圧を所定量高くするとともに、必要に応じてポンプ駆動
電圧及びグロープラグ駆動電圧を所定量低くする。
【0124】この場合、燃焼式ヒータ14から内燃機関
1へ供給される気化燃料ガスの空燃比が過剰なリッチ空
燃比やリーン空燃比となることがなく、それに応じて各
気筒1aの燃焼室において混合気が過剰なリッチ空燃比
やリーン空燃比になることもなくなる。
【0125】前記したS707の処理を実行し終えたC
PU281は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0126】以上述べたようにCPU281が前記した
気化燃料供給制御ルーチンを実行することにより、内燃
機関1が暖機運転状態にある場合には、内燃機関1の機
関回転数に応じた量の気化燃料が内燃機関1へ供給され
ることになるため、機関回転数が如何なる回転数となっ
ても各気筒1aの燃焼室内に可燃性の高い混合気を好適
に形成することが可能となる。
【0127】従って、本実施の形態に係る内燃機関によ
れば、内燃機関1の機関回転数が如何なる回転数であっ
ても内燃機関1の燃焼安定性を向上させることが可能と
なり、以て冷間時における内燃機関1の排気エミッショ
ンを向上させることが可能となる。
【0128】尚、内燃機関1の機関回転数が所定回転数
以上となる場合には、吸気絞り弁7を所定量閉弁させる
ことにより、内燃機関1へ吸入される新気の量を減少さ
せるとと同時に燃焼式ヒータ14から内燃機関1へ供給
される気化燃料ガスの量を増加させるようにしてもよ
い。
【0129】また、本実施の形態では、内燃機関1の機
関回転数をパラメータとして燃焼式ヒータ14の作動状
態を制御する例について述べたが、エアフローメータ2
9の出力信号(吸入空気量)をパラメータとして燃焼式
ヒータ14の作動状態を制御するようにしてもよく、若
しくは、機関回転数と吸入空気量の二つをパラメータと
して燃焼式ヒータ14の作動状態を制御するようにして
もよい。
【0130】機関回転数をパラメータとして燃焼式ヒー
タ14の作動状態を制御する場合は、CPU281は、
図8〜図10に示されるように、吸入空気量が多くなる
ほど、ファンモータ150、ヒータ用燃料ポンプ39、
及び燃料気化用グロープラグ152に印加すべき駆動電
圧を高くすればよい。
【0131】機関回転数と吸入空気量の二つをパラメー
タとして燃焼式ヒータ14の作動状態を制御する場合
は、CPU281は、図11〜図12に示されるよう
に、機関回転数が高く且つ吸入空気量が多くなるほど、
ファンモータ150、ヒータ用燃料ポンプ39、及び燃
料気化用グロープラグ152に印加すべき駆動電圧を高
くすればよい。
【0132】また、本実施の形態における内燃機関1の
ような圧縮着火式のディーゼルエンジンでは、アクセル
開度(アクセルポジションセンサ33の出力信号値)を
パラメータとして内燃機関1の燃料噴射量が決定される
ため、機関回転数又は吸入空気量の代わりにアクセル開
度を用いて燃焼式ヒータ14の作動状態が制御されるよ
うにしてもよい。
【0133】<第2の実施の形態>次に、本発明に係る
内燃機関の第2の実施の形態について図14〜図20に
基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施の形
態と異なる構成について説明し、同様の構成については
説明を省略する。
【0134】前述した第1の実施の形態では、燃焼式ヒ
ータ14から内燃機関1へ気化燃料を供給する場合に、
内燃機関1の運転状態に応じて燃焼式ヒータ14の作動
状態を変更する例について述べたが、本実施の形態で
は、燃焼式ヒータ14から内燃機関1へ気化燃料を供給
する場合に、内燃機関1の運転状態に加え使用環境も考
慮して燃焼式ヒータ14の作動状態を変更する例につい
て述べる。
【0135】内燃機関1が極低温下で使用される場合に
は、外気温度、燃料温度、及び冷却水温度が低くなると
ともに、バッテリ41の出力電圧も低くなることが想定
される。
【0136】外気温度、燃料温度、及び冷却水温度が低
くい場合は、燃料が気化し難くなるため、そのような状
況下で燃料を気化させるためには燃料気化用グロープラ
グ152の駆動電圧を通常時よりも高くする必要があ
る。
【0137】これは、燃焼式ヒータ14から内燃機関1
へ気化燃料を供給する場合に、燃焼式ヒータ14におい
て燃料が十分に気化されていないと、吸気通路の壁面な
どに液化した燃料が付着してしまい、内燃機関1で燃焼
に供される混合気の空燃比を所望の目標空燃比とするこ
とが困難となるからである。
【0138】また、バッテリ41の出力電圧が低い場合
は、燃料気化用グロープラグ152に所望の駆動電圧を
印加することができなくなる虞があるため、燃料気化用
グロープラグ152に対して所望の駆動電圧を印加する
ためにはヒータ用燃料ポンプ39及びファンモータ15
0に印加される駆動電圧を低下させて燃料気化用グロー
プラグ152の駆動電圧を確保する必要がある。
【0139】そこで、本実施の形態に係る気化燃料供給
制御では、CPU281は、先ず、機関回転数に基づい
て燃料気化用グロープラグ152、ヒータ用燃料ポンプ
39、及びファンモータ150の駆動基準電圧を算出
し、次いでそれらの駆動基準電圧を吸気温度センサ30
の出力信号(吸気温度)と燃料温度センサ40の出力信
号(燃料温度)と水温センサ32の出力信号(冷却水温
度)とバッテリ41の出力電圧との少なくとも一つに基
づいて補正することにより、燃料気化用グロープラグ1
52とヒータ用燃料ポンプ39とファンモータ150の
各々の駆動電圧を決定するようにした。
【0140】ここで、燃料気化用グロープラグ152、
ヒータ用燃料ポンプ39、及びファンモータ150の各
々の駆動電圧を決定する方法について具体的に述べる。
【0141】(1)燃料気化用グロープラグ152の駆
動電圧を決定する方法 CPU281は、内燃機関1の機関回転数をパラメータ
として燃料気化用グロープラグ152の駆動基準電圧
(以下、グロープラグ駆動基準電圧と称する):Vgsを
決定する。このグロープラグ駆動基準電圧:Vgsの決定
方法としては、前述した第1の実施の形態におけるグロ
ープラグ駆動電圧:Vgの決定方法と同様の方法を例示す
ることができる。
【0142】続いて、CPU281は、吸気温度センサ
30、水温センサ32、燃料温度センサ40、及びバッ
テリ41の出力信号値を読み込み、各々の出力信号値に
対応した補正電圧を決定する。
【0143】吸気温度センサ30の出力信号値(吸気温
度)をパラメータとして補正電圧を決定する場合には、
CPU281は、例えば、図14に示されるように、吸
気温度が所定温度:t1(例えば、0℃)より高い場合
には、吸気温度対応のグロープラグ駆動補正電圧:△Vg
intakeを“0”に設定し、吸気温度が前記所定温度:t
1以下である場合には、吸気温度が低くなるほど吸気温
度対応のグロープラグ駆動補正電圧:△Vgintakeを高く
設定する。
【0144】水温センサ32の出力信号値(冷却水温
度)をパラメータとして補正電圧を決定する場合には、
CPU281は、例えば、図15に示されるように、冷
却水温度が所定温度:t2(例えば、0℃)より高い場
合には、冷却水温度対応のグロープラグ駆動補正電圧:
△Vgthwを“0”に設定し、冷却水温度が前記所定温
度:t2以下である場合には、冷却水温度が低くなるほ
ど冷却水温度対応のグロープラグ駆動補正電圧:△Vgth
wを高く設定する。
【0145】燃料温度センサ40の出力信号値(燃料温
度)をパラメータとして補正電圧を決定する場合には、
CPU281は、例えば、図16に示されるように、燃
料温度が所定温度:t3より高い場合には、燃料温度対
応のグロープラグ駆動補正電圧:△Vgfuelを“0”に設
定し、燃料温度が所定温度:t3以下である場合には、
燃料温度が低くなるほど燃料温度対応のグロープラグ駆
動補正電圧:△Vgfuelを高く設定する。
【0146】バッテリ41の出力電圧をパラメータとし
て補正電圧を決定する場合には、CPU281は、図1
7に示されるように、バッテリ41の出力電圧が所定電
圧:Vsより高い場合には、バッテリ電圧対応のグロープ
ラグ駆動補正電圧:△Vgbatを“0”に設定し、バッテ
リ41の出力電圧が前記所定電圧:Vs以下である場合に
は、バッテリ41の出力電圧が低くなるほどバッテリ電
圧対応のグロープラグ駆動補正電圧:△Vgbatを高く設
定する。
【0147】上記した方法により、グロープラグ駆動基
準電圧:Vgs、吸気温度対応のグロープラグ駆動補正電
圧:△Vgintake、冷却水温度対応のグロープラグ駆動補
正電圧:△Vgthw、燃料温度対応のグロープラグ駆動補
正電圧:△Vgfuel、及びバッテリ電圧対応のグロープラ
グ駆動補正電圧:△Vgbatが決定されると、CPU28
1は、グロープラグ駆動基準電圧:Vgsに前記した全て
の補正電圧を加算して燃料気化用グロープラグ152の
駆動電圧(以下、グロープラグ駆動電圧と称する):Vg
(=Vgs+△Vgintake+△Vgthw+△Vgfuel+△Vgbat)
を算出する。以下では、吸気温度対応のグロープラグ駆
動補正電圧:△Vgintake、冷却水温度対応のグロープラ
グ駆動補正電圧:△Vgthw、燃料温度対応のグロープラ
グ駆動補正電圧:△Vgfuel、及びバッテリ電圧対応のグ
ロープラグ駆動補正電圧:△Vgbatを総称してグロープ
ラグ駆動補正電圧:△Vgと記す。
【0148】(2)ファンモータ150の駆動電圧を決
定する方法 CPU281は、内燃機関1の機関回転数をパラメータ
としてファンモータ150の駆動基準電圧(以下、ファ
ン駆動基準電圧と称する):Vfsを決定する。このファ
ン駆動基準電圧:Vfsの決定方法としては、前述した第
1の実施の形態におけるファン駆動電圧:Vfの決定方法
と同様の方法を例示することができる。
【0149】続いて、CPU281は、バッテリ41の
出力信号値を読み込み、そのバッテリ電圧をパラメータ
としてファン駆動補正電圧:△Vfbatを決定する。
【0150】その際、CPU281は、図18に示され
るように、バッテリ電圧が所定電圧:Vsより高い場合に
は、ファン駆動補正電圧:△Vfbatを“0”に設定し、
バッテリ電圧が前記所定電圧:Vs以下である場合には、
ファン駆動補正電圧:△Vfbatを負の値に設定すると同
時にバッテリ電圧が低くなるほどファン駆動補正電圧:
△Vfbatを低く設定する。
【0151】上記した方法により、ファン駆動基準電
圧:Vfsとファン駆動補正電圧:△Vfbatが決定される
と、CPU281は、ファン駆動基準電圧:Vfsにファ
ン駆動補正電圧:△Vfbatを加算してファンモータ15
0の駆動電圧(以下、ファン駆動電圧と称する):Vf
(=Vfs+△Vfbat)を算出する。
【0152】(3)ヒータ用燃料ポンプ39の駆動電圧
を決定する方法 CPU281は、内燃機関1の機関回転数をパラメータ
としてヒータ用燃料ポンプ39の駆動基準電圧(以下、
ポンプ駆動基準電圧と称する):Vpsを決定する。この
ポンプ駆動基準電圧:Vpsの決定方法としては、前述し
た第1の実施の形態におけるポンプ駆動電圧:Vpの決定
方法と同様の方法を例示することができる。
【0153】続いて、CPU281は、バッテリ41の
出力信号値を読み込み、そのバッテリ電圧をパラメータ
としてポンプ駆動補正電圧:△Vpbatを決定する。
【0154】その際、CPU281は、図19に示され
るように、バッテリ電圧が所定電圧:Vsより高い場合に
は、ポンプ駆動補正電圧:△Vpbatを“0”に設定し、
バッテリ電圧が前記所定電圧:Vs以下である場合には、
ポンプ駆動補正電圧:△Vpbatを負の値に設定すると同
時にバッテリ電圧が低くなるほどポンプ駆動補正電圧:
Vpbatを低く設定する。
【0155】上記した方法により、ポンプ駆動基準電
圧:Vpsとポンプ駆動補正電圧:△Vpbatが決定される
と、CPU281は、ポンプ駆動基準電圧:Vpsにポン
プ駆動補正電圧:△Vpbatを加算してヒータ用燃料ポン
プ39の駆動電圧(以下、ポンプ駆動電圧と称する):
Vp(=Vps+△Vpbat)を算出する。
【0156】前述した(1)〜(3)の方法により、グ
ロープラグ駆動電圧:Vg、ファン駆動電圧:Vf、及びポ
ンプ駆動電圧:Vpが決定されると、外気温度、燃料温
度、及び冷却水温度が低い環境、言い換えれば、燃料が
気化し難い環境下で内燃機関1が使用される場合には、
燃料気化用グロープラグ152の駆動電圧が高められる
ため、燃焼式ヒータ14において確実に燃料を気化させ
ることが可能となる。
【0157】更に、バッテリ41の出力電圧が低い環境
下では、ファンモータ150及びヒータ用燃料ポンプ3
9の駆動電圧が低く設定されるため、燃料気化用グロー
プラグ152の駆動電圧を確保することが可能となる。
【0158】以下、本実施の形態における気化燃料供給
制御について図20のフローチャートに沿って説明す
る。
【0159】図20に示すフローチャートは、気化燃料
供給制御ルーチンを示すフローチャートである。前記気
化燃料供給制御ルーチンは、予めROM282に記憶さ
れているルーチンであり、CPU281によって所定時
間毎(例えば、クランクポジションセンサ31がパルス
信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンであ
る。
【0160】この気化燃料供給制御ルーチンでは、CP
U281は、先ずS2001において水温センサ32の
出力信号値(冷却水温度):THWを入力する。
【0161】S2002では、CPU281は、前記S
2001で入力された冷却水温度:THWが所定温度(た
とえば、内燃機関1の暖機完了後の水温)未満であるか
否かを判別する。
【0162】前記S2002において前記冷却水温度:
THWが所定温度以上であると判定された場合は、CPU
281は、内燃機関1が暖機完了状態にあるとみなし、
S2008へ進む。S2008では、CPU281は、
通常の制御を実行する。
【0163】一方、前記S2002において前記冷却水
温度:THWが所定温度未満であると判定された場合は、
CPU281は、内燃機関1の運転状態が暖機運転領域
にあるとみなし、S2003へ進む。
【0164】S2003では、CPU281は、クラン
クポジションセンサ31がパルス信号を出力する時間的
間隔に基づき内燃機関1の機関回転数:Neを算出する。
【0165】S2004では、CPU281は、前記S
2003で算出された機関回転数:Neをパラメータとし
てグロープラグ駆動基準電圧:Vgs、ファン駆動基準電
圧:Vfs、及びポンプ駆動基準電圧:Vpsを算出する。
【0166】S2005では、CPU281は、吸気温
度センサ30の出力信号値(吸気温度)と水温センサ3
2の出力信号値(冷却水温度)と燃料温度センサ40の
出力信号値(燃料温度)とバッテリ41の出力電圧とを
RAM283から読み出す。
【0167】S2006では、CPU281は、前述し
た(1)〜(3)の方法に基づいて、グロープラグ駆動
補正電圧:△Vg、ファン駆動補正電圧:△Vfbat、及び
ポンプ駆動補正電圧:△Vpbatを算出する。
【0168】S2007では、CPU281は、前記S
2004で算出されたグロープラグ駆動基準電圧:Vgs
に前記S2006で算出されたグロープラグ駆動補正電
圧:△Vgを加算してグロープラグ駆動電圧:Vg(=Vgs
+△Vg)を算出する。CPU281は、前記S2004
で算出されたファン駆動基準電圧:Vfsに前記S200
6で算出されたファン駆動補正電圧:△Vfbatを加算し
てファン駆動電圧:Vf(=Vf+△Vfbat)を算出する。
更に、CPU281は、前記S2004で算出されたポ
ンプ駆動基準電圧:Vpsに前記S2006で算出された
ポンプ駆動補正電圧:△Vpbatを加算してポンプ駆動電
圧:Vp(=Vps+△Vpbat)を算出する。
【0169】S2008では、CPU281は、前記S
2007で算出されたグロープラグ駆動電圧:Vgとファ
ン駆動電圧:Vfとポンプ駆動電圧:Vpをそれぞれ燃料気
化用グロープラグ152とファンモータ150とヒータ
用燃料ポンプ39に印加するとともに、排気側排出通路
17bを遮断させるべく三方切換弁37を制御する。
【0170】この場合、燃焼式ヒータ14の作動状態
は、内燃機関1の機関回転数及び使用環境に適した作動
状態となるため、燃焼式ヒータ14から内燃機関1へ所
望量の気化燃料が供給されることになり、その結果、各
気筒1aの燃焼室において可燃性の高い混合気が好適に
形成され、内燃機関1の燃焼が安定する。
【0171】ここで図20のフローチャートに戻り、C
PU281は、S2009へ進み、ヒータ用空燃比セン
サ42の出力信号(気化燃料ガスの空燃比):hafを入
力する。
【0172】S2010では、CPU281は、前記S
2007で入力した気化燃料ガス空燃比:hafと所定の
目標空燃比とを比較する。
【0173】その際、前記気化燃料ガス空燃比:hafが
目標空燃比より高ければ、CPU281は、ポンプ駆動
電圧及びグロープラグ駆動電圧を所定量高めるととも
に、必要に応じてファン駆動電圧を所定量低くする。
【0174】また、前記気化燃料ガス空燃比:hafが目
標空燃比より低ければ、CPU281は、ファン駆動電
圧を所定量高くするとともに、必要に応じてポンプ駆動
電圧及びグロープラグ駆動電圧を所定量低くする。
【0175】この場合、燃焼式ヒータ14から内燃機関
1へ供給される気化燃料ガスの空燃比が過剰なリッチ空
燃比やリーン空燃比となることがなく、それに応じて各
気筒1aの燃焼室において混合気が過剰なリッチ空燃比
やリーン空燃比になることもなくなる。
【0176】前記したS2010の処理を実行し終えた
CPU281は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0177】以上述べたようにCPU281が前記気化
燃料供給制御ルーチンを実行することにより、燃焼式ヒ
ータ14から内燃機関1へ気化燃料を供給する場合に
は、燃焼式ヒータ14の作動状態が機関回転数及び使用
環境に応じた作動状態となる。その結果、如何なる機関
回転数及び使用環境においても、燃焼式ヒータ14から
内燃機関1へ所望量の気化燃料が確実に供給されること
になる。
【0178】従って、本実施の形態に係る内燃機関によ
れば、内燃機関1の運転状態及び使用環境が如何なる状
態及び環境にあるときであっても、内燃機関1の燃焼安
定性を向上させることが可能となり、以て冷間時におけ
る内燃機関1の排気エミッションを向上させることが可
能となる。
【0179】尚、本実施の形態では、内燃機関1の使用
環境に応じて燃料気化用グロープラグ152の駆動電圧
の値を補正する例について述べたが、燃料気化用グロー
プラグ152に対する駆動電圧の印加時間を補正するよ
うにしてもよい。その場合、吸気温度、冷却水温度、及
び燃料温度が低くなるほど燃料気化用グロープラグ15
2に対する駆動電圧の印加時間を長くするとともに、バ
ッテリ41の出力電圧が低くなるほど燃料気化用グロー
プラグ152に対する駆動電圧の印加時間を長くすれば
よい。
【0180】<実施の形態3>次に、本発明に係る内燃
機関の第3の実施の形態について図21〜図27に基づ
いて説明する。ここでは、前述した第1の実施の形態と
異なる構成について説明し、同様の構成については説明
を省略する。
【0181】前述した第1の実施の形態では、内燃機関
1が暖機運転状態にあるときに燃焼式ヒータ14から内
燃機関1へ気化燃料を供給する例について述べたが、本
実施の形態では、内燃機関1の始動時に燃焼式ヒータ1
4から内燃機関1へ気化燃料を供給する例について述べ
る。
【0182】内燃機関1が冷間始動される場合は、吸気
管3、吸気枝管2、及び図示しない吸気ポート内の雰囲
気温度が低く、且つ各気筒1a内の温度も低くなるた
め、燃料噴射弁1bから噴射された燃料が気化し難く、
可燃性の高い混合気を形成することが困難となる。
【0183】これに対し、内燃機関1のクランキング開
始時から完爆発生までの期間において燃焼式ヒータ14
から内燃機関1へ気化燃料が供給されると、内燃機関1
の各気筒1a内、つまり燃焼室内に可燃性の高い混合気
を形成し易くなるため、内燃機関1を早期に完爆させる
ことが可能となる。
【0184】ところで、内燃機関1のクランキング開始
時点において外気温度、燃料温度、又は冷却水温度が高
ければ、燃焼式ヒータ14において燃料を気化させ易い
が、内燃機関1のクランキング開始時点において外気温
度、燃料温度、又は冷却水温度が低ければ、燃焼式ヒー
タ14において燃料を気化させ難くなる。
【0185】更に、内燃機関1のクランキング開始時点
において、バッテリ41の出力電圧が低くなると、燃焼
式ヒータ14の燃料気化用グロープラグ152に対して
十分な駆動電圧を印加することが困難となる場合があ
る。
【0186】そこで、本実施の形態では、内燃機関1の
冷間始動時に燃焼式ヒータ14から内燃機関1へ気化燃
料を供給する場合は、内燃機関1の使用環境に応じて燃
焼式ヒータ14の作動状態を制御するようにした。
【0187】具体的には、CPU281は、イグニッシ
ョンスイッチ34がオフからオンへ切り換えられたとき
に、吸気温度センサ30と水温センサ32と燃料温度セ
ンサ40のうちの少なくとも一つのセンサの出力信号値
を読み込むとともに、バッテリ41の出力電圧を読み込
む。
【0188】CPU281は、吸気温度センサ30の出
力信号値(吸気温度)と水温センサ32の出力信号値
(冷却水温度)と燃料温度センサ40の出力信号値(燃
料温度)の何れか一つをパラメータとして、燃料気化用
グロープラグ152の駆動基準電圧(グロープラグ駆動
基準電圧:Vgs)を決定する。
【0189】その際、CPU281は、図21〜図23
に示されるように、吸気温度、冷却水温度、又は燃料温
度が所定温度(t1、t2、又はt3)より低いことを条
件に、それらの温度が低くなるほどグロープラグ駆動基
準電圧:Vgsが高くなるようにする。
【0190】続いて、CPU281は、前記したバッテ
リ電圧をパラメータとしてグロープラグ駆動補正電圧:
△Vgbatを決定する。その際、CPU281は、図24
に示されるように、バッテリ電圧が所定電圧:Vsより高
ければグロープラグ駆動補正電圧:△Vgbatを“0”に
設定し、バッテリ電圧が所定電圧:Vs以下であればバッ
テリ電圧が低くなるほどグロープラグ駆動補正電圧:△
Vgbatを高く設定する。
【0191】CPU281は、前記グロープラグ駆動基
準電圧:Vgsに前記グロープラグ駆動補正電圧:△Vgbat
を加算して、グロープラグ駆動電圧:Vg(=Vgs+△Vgb
at)を算出する。
【0192】また、CPU281は、前記したバッテリ
電圧をパラメータとして、ファンモータ150の駆動電
圧(ファン駆動電圧:Vf)及びヒータ用燃料ポンプ39
の駆動電圧(ポンプ駆動電圧:Vp)を決定する。
【0193】その際、CPU281は、図25及び図2
6に示されるように、バッテリ電圧が所定電圧:Vs以下
であることを条件に、バッテリ電圧が低くなるほどファ
ン駆動電圧:Vf及びポンプ駆動電圧:Vp電圧が低くなる
ようにする。
【0194】このようにして決定された駆動電圧により
燃焼式ヒータ14が作動された場合には、吸気温度、冷
却水温度、又は燃料温度が低くなるほど燃料気化用グロ
ープラグ152の駆動電圧が高くなるため、燃料が気化
し難い低温下においても燃料気化用グロープラグ152
が確実に燃料を気化させることが可能になる。
【0195】更に、バッテリ41の出力電圧が低い場合
には、ファンモータ150及びヒータ用燃料ポンプ39
の駆動電圧が低くされると同時に、燃料気化用グロープ
ラグ152の駆動電圧が高くされるため、燃料気化用グ
ロープラグ152の駆動電圧を確保し易くなり、以て燃
料気化用グロープラグ152が燃料を確実に気化させる
ことができる。
【0196】以下、本実施の形態に係る気化燃料供給制
御について図27のフローチャートに沿って説明する。
ここでは、燃料温度センサ40の出力信号値をパラメー
タとしてグロープラグ駆動基準電圧:Vgsを決定する場
合を例に挙げて説明する。
【0197】図27に示すフローチャートは、気化燃料
供給制御ルーチンを示すフローチャートである。前記気
化燃料供給制御ルーチンは、予めROM282に記憶さ
れているルーチンであり、イグニッションスイッチ34
がオフからオンへ切り換えられたことをトリガにしてC
PU281が実行するルーチンである。
【0198】気化燃料供給制御ルーチンでは、CPU2
81は、先ずS2701において、水温センサ32の出
力信号値(冷却水温度):THWを入力する。
【0199】S2702では、CPU281は、前記S
2701で入力された冷却水温度:THWが所定温度(た
とえば、内燃機関1の暖機完了後の水温)未満であるか
否かを判別する。
【0200】前記S2702において前記冷却水温度:
THWが所定温度以上であると判定された場合は、CPU
281は、内燃機関1が冷間状態にないとみなし、S2
710へ進む。CPU281は、S2710において燃
焼式ヒータ14を作動停止状態とし、本ルーチンの実行
を終了する。
【0201】一方、前記S2702において前記冷却水
温度:THWが所定温度未満であると判定された場合は、
CPU281は、内燃機関1が冷間状態にあるとみな
し、S2703へ進む。
【0202】S2703では、CPU281は、燃料温
度センサ40の出力信号値(燃料温度)とバッテリ41
の出力電圧とを読み込む。
【0203】S2704では、CPU281は、先ず、
前記S2703で読み込まれた燃料温度をパラメータと
してグロープラグ駆動基準電圧:Vgsを算出するととも
に、バッテリ電圧をパラメータとしてグロープラグ駆動
補正電圧:△Vgを算出する。次いで、CPU281は、
前記グロープラグ駆動基準電圧:Vgsに前記グロープラ
グ駆動補正電圧:△Vgを加算してグロープラグ駆動電
圧:Vgを算出する。更に、CPU281は、前記バッテ
リ電圧をパラメータとしてファン駆動電圧:Vfとポンプ
駆動電圧:Vpを算出する。
【0204】S2705では、CPU281は、スター
タスイッチ35がオフからオンへ切り換えられたか否か
を判別する。
【0205】前記S2705においてスタータスイッチ
35がオフからオンへ切り換えられていないと判定され
た場合は、CPU281は、前述したS2701以降の
処理を再度実行する。
【0206】一方、前記S2705においてスタータス
イッチ35がオフからオンへ切り換えられたと判定され
た場合、すなわち内燃機関1のクランキングが開始され
た場合には、CPU281は、S2706へ進み、前記
S2704で算出されたグロープラグ駆動電圧:Vgとフ
ァン駆動電圧:Vfとポンプ駆動電圧:Vpをそれぞれ燃料
気化用グロープラグ152とファンモータ150とヒー
タ用燃料ポンプ39に印加するとともに、排気側排出通
路17bを遮断させるべく三方切換弁37を制御する。
【0207】この場合、燃焼式ヒータ14の作動状態
は、クランキング開始時の環境に適した作動状態となる
ため、燃焼式ヒータ14から内燃機関1へ所望量の気化
燃料が確実に供給されることになる。
【0208】ここで、燃焼式ヒータ14において気化さ
れた燃料は、蒸発し易く且つ気化し易い軽質な燃料とな
るため、吸気通路の壁面などに付着することなく空気と
混ざり合って可燃性の高い混合気を形成する。
【0209】更に、各気筒1aの燃焼室へ分配された気
化燃料ガスと空気との混合気は、圧縮行程において圧縮
されて昇温するため、その昇温過程において気化燃料が
冷炎反応を伴って部分酸化し、反応性に富んだ遊離基
(ラジカル)を生成する。
【0210】従って、その後の圧縮行程上死点近傍にお
いて燃料噴射弁1bから燃料が噴射されると、ラジカル
によって燃料の燃焼(酸化反応)が促進され、その結
果、各気筒1aにおいて燃料が燃焼し易くなり、以て内
燃機関1の始動性が向上する。
【0211】ここで図27のフローチャートに戻り、C
PU281は、S2707において、クランクポジショ
ンセンサ31がパルス信号を出力する時間的間隔に基づ
いて内燃機関1の機関回転数:Neを算出する。
【0212】S2708では、CPU281は、前記S
2707で算出された機関回転数:Neが所定回転数(例
えば、通常時のアイドル回転数)以上であるか否かを判
別する。
【0213】前記S2708において前記機関回転数:
Neが前記所定回転数未満であると判定された場合は、C
PU281は、内燃機関1が完爆していないとみなし、
前述したS2706以降の処理を再度実行する。
【0214】一方、前記S2708において前記機関回
転数:Neが前記所定回転数以上であると判定された場合
は、CPU281は、内燃機関1が完爆したとみなし、
S2709へ進む。
【0215】S2709では、CPU281は、燃焼式
ヒータ14から内燃機関1への気化燃料の供給を停止す
べく燃焼式ヒータ14を制御し、本ルーチンの実行を終
了する。
【0216】以上述べたようにCPU281が前記気化
燃料供給制御ルーチンを実行することにより、内燃機関
1の冷間始動時に燃焼式ヒータ14から内燃機関1へ気
化燃料ガスを供給する場合に、燃焼式ヒータ14が使用
環境に適した状態で作動することになるため、燃焼式ヒ
ータ14から内燃機関1へ所望量の気化燃料を確実に供
給することが可能となり、以て内燃機関1の始動性を向
上させることが可能となる。
【0217】尚、本実施の形態に係る気化燃料供給制御
が極低温下で実行される場合には、クランキング期間の
初期において燃焼式ヒータ14から内燃機関1の吸気通
路へ比較的高温の燃焼ガスを供給した後に、気化燃料の
供給を開始するようにしてもよい。
【0218】これは、外気温度が極低温である場合は、
それに応じて吸気通路内の雰囲気温度も極低温となるた
め、そのような状況下で気化燃料を吸気通路へ供給する
と、吸気通路内で気化燃料が液化して吸気通路壁面など
に付着することが考えられるが、予め燃焼ガスによって
吸気通路内の雰囲気温度を高めておくことにより、気化
燃料が吸気通路壁面などに付着することなく内燃機関1
の燃焼室へ供給されるようになるからである。
【0219】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関では、燃料気化機
構から内燃機関へ気化燃料を供給する場合に、燃料気化
機構の作動状態が内燃機関の運転状態およびまたは使用
環境に応じた作動状態とされるため、内燃機関が如何な
る運転状態およびまたは如何なる使用環境下にあるとき
であっても、燃料気化機構から内燃機関へ確実に気化燃
料が供給されるようになる。
【0220】この結果、内燃機関の運転状態や使用環境
が如何なる運転状態や使用環境であっても、内燃機関の
燃焼室内に可燃性の高い混合気が形成されることになる
ため、内燃機関の燃焼状態が安定するようになる。
【0221】従って、本発明に係る内燃機関によれば、
如何なる運転状態や使用環境においても内燃機関の燃焼
状態を安定させることが可能となり、以て内燃機関の排
気エミッションを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す
【図2】 燃焼式ヒータの内部構成を示す図
【図3】 ECUの内部構成を示すブロック図
【図4】 ファン駆動電圧と機関回転数との関係を示す
【図5】 ポンプ駆動電圧と機関回転数との関係を示す
【図6】 グロープラグ駆動電圧と機関回転数との関係
を示す図
【図7】 第1の実施の形態における気化燃料供給制御
ルーチンを示すフローチャート図
【図8】 ファン駆動電圧と吸入空気量との関係を示す
【図9】 ポンプ駆動電圧と吸入空気量との関係を示す
【図10】 グロープラグ駆動電圧と吸入空気量との関
係を示す図
【図11】 ファン駆動電圧と吸入空気量と機関回転数
との関係を示す図
【図12】 ポンプ駆動電圧と吸入空気量と機関回転数
との関係を示す図
【図13】 グロープラグ駆動電圧と吸入空気量と機関
回転数との関係を示す図
【図14】 グロープラグ駆動補正電圧と吸気温度との
関係を示す図
【図15】 グロープラグ駆動補正電圧と冷却水温度と
の関係を示す図
【図16】 グロープラグ駆動補正電圧と燃料温度との
関係を示す図
【図17】 グロープラグ駆動補正電圧とバッテリ電圧
との関係を示す図
【図18】 ファン駆動補正電圧とバッテリ電圧との関
係を示す図
【図19】 ポンプ駆動補正電圧とバッテリ電圧との関
係を示す図
【図20】 第2の実施の形態における気化燃料供給制
御ルーチンを示す図
【図21】 グロープラグ駆動基準電圧と吸気温度との
関係を示す図
【図22】 グロープラグ駆動基準電圧と冷却水温度と
の関係を示す図
【図23】 グロープラグ駆動基準電圧と燃料温度との
関係を示す図
【図24】 グロープラグ駆動補正電圧とバッテリ電圧
との関係を示す図
【図25】 ファン駆動電圧とバッテリ電圧との関係を
示す図
【図26】 ポンプ駆動電圧とバッテリ電圧との関係を
示す図
【図27】 第3の実施の形態における気化燃料供給制
御ルーチンを示す図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関 2・・・・吸気枝管 3・・・・吸気管 10・・・排気管 11・・・排気浄化触媒 14・・・燃焼式ヒータ 15・・・吸気導入通路 17・・・燃焼ガス排出通路 17a・・吸気側排出通路 17b・・排気側排出通路 28・・・ECU 29・・・エアフローメータ 30・・・吸気温度センサ 32・・・水温センサ 39・・・ヒータ用燃料ポンプ 40・・・燃料温度センサ 41・・・バッテリ 42・・・ヒータ用空燃比センサ 149・・送風ファン 150・・ファンモータ 152・・燃料気化用グロープラグ 153・・燃料点火用グロープラグ
フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 AA03 AA05 BA09 BA11 BA13 BA14 BA24 BA26 BA29 CA02 DA01 DA02 DA05 DA09 DA10 EA11 EB01 EB02 EB06 EB11 EB12 EC03 FA02 FA07 FA10 FA11 FA13 FA20 FA26 FA33 FA36 FA37 3G092 AA01 AA06 AA17 AB02 AB06 AB11 BA01 BA03 BA06 BB01 BB02 BB08 BB20 DC01 DC08 DD03 DE03S DE15S DF03 DF05 DF09 DF10 DG07 EA01 EA09 EA11 EC01 EC02 FA01 FA03 FA31 GA02 GA16 HA01Z HA04Z HB04Z HD07Z HE01Z HE03Z HE08Z HF08Z 3G301 HA01 HA04 HA06 HA13 JA03 KA02 KA06 KA23 LA01 LB04 LB11 LC01 LC03 LC10 MA01 MA11 NB20 ND01 ND02 ND03 ND04 NE01 NE17 PA01Z PA10Z PA11Z PB01Z PB02Z PE01Z PE08Z PF03Z PG02Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を加熱して気化させる燃料気化機構
    と、 前記燃料気化機構により気化された燃料を燃焼させるこ
    となく内燃機関の吸気通路へ導く気化燃料供給手段と、 前記燃料気化機構により気化された燃料を前記内燃機関
    の吸気通路へ供給するときに、前記内燃機関の運転状態
    およびまたは使用環境に応じて前記燃料気化機構の作動
    状態を制御する気化燃料供給制御手段と、を備えること
    を特徴とする内燃機関。
  2. 【請求項2】 内燃機関と独立した燃焼室を具備する燃
    焼式ヒータと、 前記燃焼室内のガスを前記内燃機関の吸気通路へ導くガ
    ス供給通路と、 前記燃焼式ヒータから前記吸気通路へ気化燃料を供給す
    るときに、前記内燃機関の運転状態およびまたは使用環
    境に応じて前記燃焼式ヒータの作動状態を制御する気化
    燃料供給制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機
    関。
  3. 【請求項3】 前記燃焼式ヒータは、前記燃焼室へ燃料
    を供給する燃料供給機構と、前記燃焼室へ供給される燃
    料を加熱して気化させる加熱機構と、前記燃焼室へ空気
    を供給する送風機構とを具備し、 前記気化燃料供給制御手段は、前記内燃機関の運転状態
    およびまたは使用環境に従って前記燃料供給機構と前記
    加熱機構と前記送風機構との少なくとも一つの作動状態
    を制御することを特徴とする請求項2に記載の内燃機
    関。
  4. 【請求項4】 前記気化燃料供給制御手段は、前記内燃
    機関の機関回転数が高くなるほど、前記燃焼式ヒータか
    ら前記吸気通路へ供給される気化燃料量が多くなるよう
    前記燃料供給機構と前記加熱機構と前記送風機構との少
    なくとも一つを制御することを特徴とする請求項3に記
    載の内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記気化燃料供給制御手段は、前記内燃
    機関の吸入空気量が多くなるほど、前記燃焼式ヒータか
    ら前記吸気通路へ供給される気化燃料量が多くなるよう
    に前記燃料供給機構と前記加熱機構と前記送風機構との
    少なくとも一つを制御することを特徴とする請求項3に
    記載の内燃機関。
  6. 【請求項6】 前記気化燃料供給制御手段は、燃料の温
    度が低くなるほど加熱量が多くなるよう前記加熱機構を
    制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
  7. 【請求項7】 前記気化燃料供給制御手段は、外気の温
    度が低くなるほど加熱量が多くなるよう前記加熱機構を
    制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
  8. 【請求項8】 前記気化燃料供給制御手段は、前記内燃
    機関の冷却水温度が低くなるほど加熱量が多くなるよう
    前記加熱機構を制御することを特徴とする請求項3に記
    載の内燃機関。
  9. 【請求項9】 前記燃料供給機構、前記加熱機構、及び
    前記送風機構は、バッテリから出力される電圧を駆動源
    として作動する機構であり、 前記気化燃料供給制御手段は、前記バッテリの出力電圧
    が低くなるほど、前記加熱機構の印加電圧を高めるとと
    もに前記燃料供給機構及び前記送付機構の印加電圧を低
    下させることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
  10. 【請求項10】 前記ガス供給通路を流れるガスの空燃
    比を検出する空燃比検出手段を更に備え、 前記気化燃料供給制御手段は、前記空燃比検出手段の検
    出値が所望の目標空燃比と一致するように前記燃料供給
    機構と前記加熱機構と前記送風機構との少なくとも一つ
    をフィードバック制御することを特徴とする請求項3に
    記載の内燃機関。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010043548A (ja) * 2008-08-08 2010-02-25 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の燃料供給制御装置
JP2010169031A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Sanoh Industrial Co Ltd 燃料加熱システム
JP2013108507A (ja) * 2013-03-11 2013-06-06 Sanoh Industrial Co Ltd 燃料加熱システム
JP2013108508A (ja) * 2013-03-11 2013-06-06 Sanoh Industrial Co Ltd 燃料加熱システム

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