JP5867714B2 - 鋳造品の鋳造方法 - Google Patents

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本発明は、鋳造品の鋳造方法に関し、特に、薄肉鋳造品の鋳造方法に関する。
従来、ロボットの回動動作によりラドルを傾けてラドル内のアルミニウム湯を砂型へ注湯する際に、注湯速度を変化させる注湯方法が知られている(特許文献1)。
特開平8−243728号公報
ところで近年では、製品の軽量化やコスト低減の観点から、鋳造品の薄肉化が要求されている。このような薄肉鋳造品(例えば最小肉厚が1.5mm以上3.5mm以下である鋳造品)を製造する場合、この薄肉鋳造品の疲労強度の低下を防止するためには、特に湯廻り不良やピンホール等の鋳造欠陥を発生させないことが重要である。しかしながら、溶湯の体積に対して鋳型との接触面積が大きくなる薄肉鋳造では溶湯の温度が低下しやすいため、溶湯の流動性が低下して湯廻り不良が発生するおそれがある。これに対し、溶湯温度が低下する前に注湯を完了するために注湯速度を上げると、溶湯の流入に応じて鋳型内の残存気体の圧力が急激に上昇し、この残存気体に溶湯が押し戻されることにより湯廻り不良が発生したり、鋳型内に溶湯が噴出することにより気体が巻き込まれ、ピンホールが発生する可能性がある。
しかしながら、上述のような従来の注湯方法は、良品限界速度以上の注湯速度により注湯を開始し、最終的に良品限界速度以下になるまで注湯速度を段階的に低下させるものに過ぎず、湯道の容積や鋳型内に形成されている各キャビティの容積まで考慮した上で適切な注湯速度が決定されていない。即ち、ゲートを介して湯道から製品キャビティに溶湯が流入する部分や、製品の薄肉縦壁に対応するキャビティから製品の天板面に対応するキャビティに溶湯が流入する部分等、溶湯が流入する空間の容積が大きく変化する部分が存在するにも関わらず、これらの容積の相違が考慮されていない。
その結果、例えば、湯道と比較して容積の小さい製品キャビティに溶湯が流入する際、製品キャビティの容積に対して注湯速度が大き過ぎるために溶湯の吹き上がりが発生し、溶湯にガスが巻き込まれることによりピンホールが生成され鋳造不良となる場合がある。
あるいは、湯道と比較して容積の小さい天板面に対応するキャビティに溶湯が流入する際、天板面に対応するキャビティの容積に対して注湯速度が大き過ぎるために溶湯の急激な衝突が発生し、鋳型への溶湯の差込やガスの巻込によるピンホールが生じる可能性がある。
また、上述のようなピンホールの生成を防止するために注湯速度を低下させると、製品の天板面に対応するキャビティに溶湯が流入する際、天板面に対応するキャビティの容積に対して注湯速度が小さ過ぎるために溶湯の温度が過度に低下し、湯廻り不良が発生する可能性もある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ピンホールの生成及び湯廻り不良を防止することができる鋳造品の鋳造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明によれば、鋳型内に形成された湯道から、鋳型内において湯道の上側に形成され且つ上下方向に分割された上側キャビティと下側キャビティとからなる製品キャビティに、これらの湯道と下側キャビティとの間に形成されたゲートを介して溶湯を注湯する鋳造品の鋳造方法であって、湯道の容積は、上側キャビティの容積及び下側キャビティの容積よりも大きく設定され、湯道の容積と湯道に溶湯を注湯するための注湯時間とに基づき算定された第1流量により、鋳型内に注湯された溶湯の湯面レベルがゲートの中間を通る水平面に到達するまで溶湯を注湯する工程と、湯面レベルがゲートの中間を通る水平面に到達した後、製品キャビティの下側キャビティの容積と下側キャビティに溶湯を注湯するための注湯時間とに基づき算定された流量であって、第1流量より小さい第2流量により、湯面レベルが下側キャビティと上側キャビティとの境界に到達するまで溶湯を注湯する工程と、湯面レベルが下側キャビティと上側キャビティとの境界に到達した後、製品キャビティの上側キャビティの容積と上側キャビティに溶湯を注湯するための注湯時間とに基づき算定された流量であって、第1流量より小さく第2流量より大きい第3流量により、湯面レベルが上側キャビティの最上部に到達するまで溶湯を注湯する工程と、を有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、湯道、下側キャビティ、及び上側キャビティのそれぞれについて、容積と溶湯を注湯するための注湯時間とに基づき算定された個別の流量により順次注湯を行うので、最も容積が大きい湯道には迅速に注湯を行うことができ、溶湯の温度低下に伴う湯廻り不良を防止することができる。また、湯道と比較して容積の小さい下側キャビティには、溶湯の吹き上がりが生じない程度の流量により注湯を行うことができ、ガスの巻き込みに伴うピンホールの生成を防止することができる。更に、最後に注湯が行われる上側キャビティには、溶湯の急激な衝突を防止し且つ溶湯の温度低下を抑制可能な流量により注湯を行うことができ、溶湯の差込、ピンホールの生成、及び湯廻り不良を防止することができる。
また、本発明において、好ましくは、注湯する工程は、それぞれ、電磁ポンプを用いて行われ、この電磁ポンプへの印加電圧を制御することにより、第1流量、第2流量、及び第3流量の注湯を供給する。
このように構成された本発明においては、湯道、下側キャビティ、及び上側キャビティに注湯を行う際の各流量を確実に制御することができる。
また、本発明において、好ましくは、鋳型は砂型であり、上側キャビティの上方に配置されている砂型の少なくとも一部の厚さが、砂型の他の部分の厚さよりも薄く形成されている。
このように構成された本発明においては、砂型内に残存する気体の砂型外部への通気性が向上し、製品キャビティの上部まで溶湯が注湯される際に砂型内の残存気体が圧縮されることによる背圧上昇を抑制することができる。その結果、溶湯が残存気体に押し戻されることによる湯廻り不良や、残存気体によるピンホールの生成を防止することができる。
また、本発明において、好ましくは、鋳型を用いて鋳造される鋳造品の最小肉厚が1.5mm以上3.5mm以下である。
このように構成された本発明においては、いわゆる薄肉鋳造品の製造に本鋳造方法を適用することができる。
本発明による鋳造品の鋳造方法によれば、ピンホールの生成及び湯廻り不良を防止することができる。
本発明の実施形態による鋳造方法に用いられる鋳型及び電磁ポンプを示す概略断面図である。 本発明の実施形態による鋳造方法における電磁ポンプへの印加電圧の制御パターンを例示した線図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
まず、図1により本発明の実施形態による鋳造方法を使用するための鋳型及び電磁ポンプの構成について説明する。図1は、本発明の実施形態による鋳造方法を使用するための鋳型及び電磁ポンプを示す概略断面図である。
図1に示すように、鋳型1の内部の下方には、外部から鋳型1内に溶湯(例えばアルミニウム合金等の溶融金属)を供給するための湯道2が形成され、この湯道の上方には、製品キャビティ4が形成され、これらの湯道2と製品キャビティ4とを連通させるためのゲート6が形成されている。湯道2には、この湯道2に接続されたストーク10を介して、電磁ポンプ20が接続され、この電磁ポンプ20により、鋳型1内に溶湯が注湯されるようになっている。製品キャビティ4は、溶湯が注湯されることにより鋳造品が形成される空間である。本実施形態において、製品キャビティ4は、鋳型1を用いて鋳造される鋳造品の最小肉厚が1.5mm以上3.5mm以下となるように形成されており、いわゆる薄肉鋳造品を鋳造するようになっている。
ここで、本実施形態による鋳型1は、ロールオーバー注湯方式に対応した砂型である(以下、鋳型1を砂型1と呼ぶことがある)。このロールオーバー注湯方式では、図1に示したように製品キャビティ4の下側に湯道2が配置されている状態で、溶湯を湯道2から製品キャビティ4に押し上げるように注湯が行われる。そして溶湯が製品キャビティ4全体に充填された後、ストーク10と湯道2とをつなぐ流路8の長手方向軸(図1におけるA軸)を回転軸として砂型1を180度回転(ロールオーバー)させる。これにより、湯道2に充填されている溶湯が自重により製品キャビティ4に補給され、製品キャビティ4内の鋳物の凝固収縮に対する押し湯となる。特に、湯道2の容積を製品キャビティ4の容積より大きく(即ち、湯道2内の溶湯の熱容量を製品キャビティ4内の溶湯の熱容量より大きく)することにより、製品キャビティ4に対して湯道2の溶湯の温度を高くする。このように製品キャビティ4に対して温度が高い湯道2の溶湯を押し湯とすることで、製品キャビティ4内の溶湯を先に凝固させ、湯道2内の押し湯を後から凝固させることができる。即ち、容易に指向性凝固を図ることができ、引け巣等の鋳造欠陥を防止することができる。
また、図1に示すように、製品キャビティ4の上方に配置されている砂型1の少なくとも一部の厚さ(図1中のd1)が、砂型1の他の部分(例えば製品キャビティ4の側方)の厚さ(図1中のd2)よりも薄く形成されている。これにより、砂型1内に残存する気体の砂型1外部への通気性が向上し、製品キャビティ4の上部まで溶湯が注湯される際に砂型1内の残存気体が圧縮されることによる背圧上昇を抑制することができる。その結果、溶湯が残存気体に押し戻されることによる湯廻り不良や、残存気体によるピンホールの生成を防止することができる。
なお、砂型1には、砂型1内に注湯された溶湯の湯面レベルを検出するための湯面レベルセンサ(図示省略)が設けられている。この湯面レベルセンサとしては、例えば渦流式やレーザ式の既知の湯面レベルセンサが使用可能である。
電磁ポンプ20は、電磁誘導作用により溶湯金属を吐出する電磁誘導式の電磁ポンプである。この電磁ポンプ20は、保持炉22、コイル24、コア26、及びダクト28を有している。コイル24に電圧を印加することにより、コイル24とコア26との間に溶湯の吐出方向に進行する進行磁界が形成され、この進行磁界によってダクト28内の溶湯に誘導電流が生成され、進行磁界と誘導電流との相互作用によって溶湯に進行方向の推力が発生して、ダクト28からストーク10に溶湯が吐出される。このように電磁ポンプ20から吐出される溶湯の吐出圧力及び吐出流量は、コイル24に印加される電圧を制御することにより調整されるようになっている。
次に、図1及び図2により、上述した鋳型1及び電磁ポンプ20を用いた本実施形態による鋳造品の鋳造方法について説明する。
ここで図1に示すように、製品キャビティ4は、この製品キャビティ4の最上部(図1中のP4)から所定距離(例えば5mmから10mm程度)下方の水平面(図1中のP3)を境界として、上下方向に上側キャビティ4aと下側キャビティ4bとに仮想的に分割されている。また、ゲート6の中間点を通る水平面(図1中のP2)を境界として、下側キャビティ4bと湯道2とが区分されているものとする。このように、砂型1内に形成されているキャビティを湯道2、下側キャビティ4b、及び上側キャビティ4aに分割した上で、それぞれのキャビティに対して個別に算出された流量により溶湯を注湯する。
表1に、湯道2、下側キャビティ4b、及び上側キャビティ4aの各容積と、これらの湯道2、下側キャビティ4b、及び上側キャビティ4aに対する注湯流量との関係を示す。
Figure 0005867714
表1において、湯道2、下側キャビティ4b、及び上側キャビティ4aの各容積は、計算あるいは実測により求められる。表1は、湯道2の容積が9.934[l(リットル)]、下側キャビティ4bの容積が2.346[l]、上側キャビティ4aの容積が1.117[l]である場合について例示している。
また、湯道2、下側キャビティ4b、及び上側キャビティ4aのそれぞれに溶湯を注湯するための所要時間(以下「注湯時間」)は、これらの湯道2、下側キャビティ4b、及び上側キャビティ4aの各容積に基づき算定される。注湯時間は、容積と少なくとも溶湯の材質に応じて決定される鋳込み速度係数との関数として算定される。本実施形態においては、注湯時間=鋳込み速度係数×√(容積)により、注湯時間が算定される場合について説明する。また本実施形態においては、湯道2及び下側キャビティ4bについては、溶融アルミニウム合金によりコンバータハウジングの薄肉縦壁を鋳造する場合の鋳込み速度係数1.5を使用し、上側キャビティ4aについては、溶融アルミニウム合金によりコンバータハウジングの天板面を鋳造する場合の鋳込み速度係数1.0を使用する場合について説明する。即ち表1においては、湯道2の注湯時間T1は、T1=1.5×√9.934=4.7[s(秒)]と算定される。また、下側キャビティ4bの注湯時間T2は、T2=1.5×√2.346=2.3[s]と算定される。更に、上側キャビティ4aの注湯時間T3は、T3=1.0×√1.117=1.1[s]と算定される。
更に、湯道2、下側キャビティ4b、及び上側キャビティ4aのそれぞれに溶湯を注湯する際の平均流量は、これらの湯道2、下側キャビティ4b、及び上側キャビティ4aの各容積と各注湯時間とに基づき算定される。即ち、平均流量[l/s]=容積[l]÷注湯時間[s]により算定される。表1においては、湯道2に注湯する際の第1流量F1は、F1=9.934÷4.7=2.10[l/s]と算定される。また、下側キャビティ4bに注湯する際の第2流量F2は、F2=2.346÷2.3=1.02[l/s]と算定される。更に、上側キャビティ4aに注湯する際の第3流量F3は、F3=1.117÷1.1=1.06[l/s]と算定される。このように、第1流量F1、第2流量F2、及び第3流量F3の間において、F1>F3>F2の関係が成り立っている。
湯道2、下側キャビティ4b、及び上側キャビティ4aのそれぞれに溶湯を注湯する際の電磁ポンプ20への印加電圧は、上述したように算定された各流量に基づき決定される。本実施形態においては、電磁ポンプ20の特性や注湯時の水力学的圧力損失等に基づき予め特定された流量と電圧との対応関係を示す表を用いて、電磁ポンプ20への印加電圧を決定する場合について説明する。
表2に、注湯時に必要とされる溶湯の平均流量と、その平均流量を達成するために必要な電磁ポンプ20への印加電圧との対応関係を示す。
Figure 0005867714
表2において、電圧換算表Aは、溶融アルミニウム合金によりコンバータハウジングの天板面を鋳造する場合(即ち上側キャビティ4aに注湯する場合)について用いられるものであり、溶融アルミニウム合金を所望の流量により注湯し、且つコンバータハウジングの最上部まで押し上げることが可能な最低限の電圧値が得られるようになっている。一方、電圧換算表Bは、溶融アルミニウム合金を湯道2に注湯する場合、及び溶融アルミニウム合金によりコンバータハウジングの薄肉縦壁を鋳造する場合(即ち下側キャビティ4bに注湯する場合)について用いられるものであり、砂型1内壁と溶湯との摩擦損失が大きい薄肉縦壁部分に溶融アルミニウム合金を所望の流量により注湯することが可能な電圧値が得られるようになっている。即ち電圧換算表Bにおいては、電圧換算表Aを用いる場合と比較して高い吐出圧力を得るために、同一の平均流量に対して電圧換算表Aよりも高い電圧値が設定されている。
表1においては、湯道2に注湯する際の第1流量F1は2.10[l/s]と算定されている。この流量を達成するために必要な電磁ポンプ20への印加電圧は、電圧換算表Bによれば、48.3[V]と特定される。また、コンバータハウジングの薄肉縦壁に対応する下側キャビティ4bに注湯する際の第2流量F2は1.02[l/s]と算定されている。この流量を達成するために必要な電磁ポンプ20への印加電圧は、電圧換算表Bによれば、39.0[V]と特定される。更に、コンバータハウジングの天板面に対応する上側キャビティ4aに注湯する際の第3流量F3は1.06[l/s]と算定されている。この流量を達成するために必要な電磁ポンプ20への印加電圧は、電圧換算表Aによれば、29.6[V]と特定される。
図2は、上述のように特定された電磁ポンプ20への印加電圧の制御パターンを例示した線図である。この図2において、横軸は注湯開始からの時間を示し、縦軸は電磁ポンプ20への印加電圧を示している。
図2においては、電磁ポンプ20の制御装置は、注湯開始後、溶湯がストーク10と湯道2とをつなぐ流路8の高さ(図1中のP1)に到達したことが湯面レベルセンサにより検出されるまで、印加電圧を一定の割合により上昇させる。
溶湯がストーク10と湯道2とをつなぐ流路8の高さ(図1中のP1)に到達したことが湯面レベルセンサにより検出されると、制御装置は、上述のように算定された第1流量F1=2.10[l/s]により湯道2に注湯を行うため、電磁ポンプ20への印加電圧を48.3[V]に上昇させ、溶湯がゲート6の中間点を通る水平面(図1中のP2)に到達したことが湯面レベルセンサにより検出されるまで、その印加電圧を維持する。
溶湯がゲート6の中間点を通る水平面(図1中のP2)に到達したことが湯面レベルセンサにより検出されると、制御装置は、上述のように算定された第2流量F2=1.02[l/s]により下側キャビティ4bに注湯を行うため、電磁ポンプ20への印加電圧を39.0[V]に降下させ、溶湯が下側キャビティ4bと上側キャビティ4aとの境界(図1中のP3)に到達したことが湯面レベルセンサにより検出されるまで、その印加電圧を維持する。
溶湯が下側キャビティ4bと上側キャビティ4aとの境界(図1中のP3)に到達したことが湯面レベルセンサにより検出されると、制御装置は、上述のように算定された第3流量F3=1.06[l/s]により上側キャビティ4aに注湯を行うため、電磁ポンプ20への印加電圧を29.6[V]に降下させ、溶湯が製品キャビティ4の最上部(図1中のP4)に到達したことが湯面レベルセンサにより検出されるまで、その印加電圧を維持する。
このように、湯道2、下側キャビティ4b、及び上側キャビティ4aのそれぞれについて、容積と鋳込み速度係数とに基づき算定された個別の流量により注湯を行うので、最も容積が大きい湯道2には迅速に注湯を行うことができ、溶湯の温度低下に伴う湯廻り不良を防止することができる。また、湯道2と比較して容積の小さい下側キャビティ4bには、溶湯の吹き上がりが生じない程度の流量により注湯を行うことができ、ガスの巻き込みに伴うピンホールの生成を防止することができる。更に、最後に注湯が行われる上側キャビティ4aには、溶湯の急激な衝突を防止し且つ溶湯の温度低下を抑制可能な流量により注湯を行うことができ、溶湯の差込、ピンホールの生成、及び湯廻り不良を防止することができる。
溶湯が製品キャビティ4の最上部(図1中のP4)に到達したことが湯面レベルセンサにより検出されると、制御装置は、電磁ポンプ20への印加電圧を、製品キャビティ4の最上部まで押し上げられた溶湯を維持することができる最低限の電圧値(図2においては25.6[V])まで降下させ、その印加電圧を一定時間(図2においては3.5[s])維持する。
その後、砂型1のロールオーバーが開始されると(図2における「RO開始」)、制御装置は、ロールオーバー中においても製品キャビティ4内に溶湯を維持することができるように電磁ポンプ20への印加電圧を変化させ、ロールオーバーが完了すると(図2における「RO完了」)、電磁ポンプ20による注湯を終了する。
なお、上述した実施形態においては、鋳型1が砂型である場合について説明したが、砂型以外の鋳型(例えば金型や耐熱シリコン型等)に本発明を適用しても良い。また、本実施形態においては、車両用エンジンのコンバータハウジングを鋳造する場合について説明したが、これ以外の各種鋳造品を鋳造するために本発明による鋳造方法を用いても良い。
1 鋳型
2 湯道
4 製品キャビティ
4a 上側キャビティ
4b 下側キャビティ
6 ゲート
8 流路
10 ストーク
20 電磁ポンプ
22 保持炉
24 コイル
26 コア
28 ダクト

Claims (4)

  1. 鋳型内に形成された湯道から、鋳型内において湯道の上側に形成され且つ上下方向に分割された上側キャビティと下側キャビティとからなる製品キャビティに、これらの湯道と下側キャビティとの間に形成されたゲートを介して溶湯を注湯する鋳造品の鋳造方法であって、
    上記湯道の容積は、上記上側キャビティの容積及び上記下側キャビティの容積よりも大きく設定され、
    上記湯道の容積と上記湯道に溶湯を注湯するための注湯時間とに基づき算定された第1流量により、上記鋳型内に注湯された溶湯の湯面レベルが上記ゲートの中間を通る水平面に到達するまで溶湯を注湯する工程と、
    上記湯面レベルが上記ゲートの中間を通る水平面に到達した後、上記製品キャビティの下側キャビティの容積と上記下側キャビティに溶湯を注湯するための注湯時間とに基づき算定された流量であって、上記第1流量より小さい第2流量により、上記湯面レベルが上記下側キャビティと上記上側キャビティとの境界に到達するまで溶湯を注湯する工程と、
    上記湯面レベルが上記下側キャビティと上記上側キャビティとの境界に到達した後、上記製品キャビティの上側キャビティの容積と上記上側キャビティに溶湯を注湯するための注湯時間とに基づき算定された流量であって、上記第1流量より小さく上記第2流量より大きい第3流量により、上記湯面レベルが上記上側キャビティの最上部に到達するまで溶湯を注湯する工程と、を有することを特徴とする鋳造品の鋳造方法。
  2. 上記注湯する工程は、それぞれ、電磁ポンプを用いて行われ、この電磁ポンプへの印加電圧を制御することにより、上記第1流量、上記第2流量、及び上記第3流量の注湯を供給する請求項1に記載の鋳造品の鋳造方法。
  3. 上記鋳型は砂型であり、上記上側キャビティの上方に配置されている砂型の少なくとも一部の厚さが、砂型の他の部分の厚さよりも薄く形成されている、請求項1又は2に記載の鋳造品の鋳造方法。
  4. 上記鋳型を用いて鋳造される鋳造品の最小肉厚が1.5mm以上3.5mm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鋳造方法。
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