JP4955739B2 - 鋳造装置 - Google Patents

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本発明は金属が溶融状態で収納された溶融金属槽から溶融金属を金型に充填した後、この金型内で溶融金属を凝固させて鋳物を成型する鋳造装置に関し、特に鋳物成型後の金型の脱型時における金型の湯口側での溶融金属の冷却、硬化を防止し、鋳造サイクルの短縮化、鋳造歩留まりの向上を図った鋳造装置に関する。
溶湯と金型内の鋳物形状のキャビティとの間の圧力差に対抗して、キャビティ内に溶湯を充填して鋳造する方法に、低圧鋳造法、差圧鋳造法及び減圧鋳造法等がある。このうち低圧鋳造法は、溶金属を収納した密閉炉に不活性ガスや二酸化炭素等のガスによる比較的低い圧力を付加し、この圧力で密閉炉内の溶融金属をストークを介して上方に押し上げ、密閉炉の上位に配置された鋳型に溶融金属を充填し、鋳物を製造する方法である。この低圧鋳造法は、車輌の部材等に使用されるアルミニウム合金等の鋳物製品を製造するのに広く利用されている。
図7は従来の低圧鋳造装置を示す断面図である。気密に密閉された密閉炉1の上部に設けたガス注入口20に不活性ガスや二酸化炭素等のガスの図示してない供給源が接続され、密閉炉1の中にガスが圧送される。密閉炉1の内部に上面が開口した耐熱黒鉛容器であるルツボ2が収納され、このルツボ2の外壁に沿ってヒータ3が配設されている。このルツボ2の中央部に密閉炉1の蓋に取付けられたストーク8の下端が浸漬されている。密閉炉1の上に下金型5と上金型6とからなる金型4が配置されている。下金型5と上金型6との合わせ面にそれぞれ凹部が形成されており、この下金型5と上金型6とを重ね合わせたときに、前記凹部により鋳物形状のキャビティ10が形成される。またこのキャビティ10内には必要に応じて中子7が収納される。前記ストーク8の上端は金型4の底部に設けられたキャビティ10に通じる湯口9に接続されている。
このような鋳造装置においては、不活性ガスをガス注入口20から密閉炉1内に注入する。このガス圧力により、ルツボ2内の溶融金属の湯面が加圧されて、溶融金属溶湯が押し上げられ、ストーク8を介して金型のキャビティ10内に充填される。キャビティ10に充填した溶融金属が冷却されて凝固した後、図示していない油圧機構により上金型6を上昇させてキャビティ10を開き、下金型5から鋳物を取り出す。
図8は密閉炉1に収納した溶融金属をストーク8’を通して湯溜め12に送り、この湯溜め12から金型4のキャビティ10内に充填する例である。密閉炉1の中の溶融金属は浸漬ヒータ13で加熱され、溶融状態が維持される。密閉炉1の中へは溶湯供給口11から溶融金属が供給される。ストーク8’から湯溜めに至る部分は溶融金属の温度低下による凝固を防ぐためヒータ3で加熱される。その他の構成は基本的に図7の従来例と同じであり、同じ部分は同じ符合で示している。
図9は図7により前述した従来の鋳造装置において、金型4への溶融金属の汲み上げをガスの圧力によらず、溶融金属電磁ポンプにより行うものである。すなわちストーク(ダクト)8の中間部の外側に溶融金属電磁ポンプの誘導子14を設け、これに対応してストーク8の中に誘導子14で発生した磁界の磁路を形成するためのコア15を配置している。誘導子14に三相電流を通電し、これにより誘導子14とコア15との間で移動磁界を発生させて、ストーク8の中の溶融金属に上方の推力を与え、溶融金属を金型4のキャビティ10内に充填する。その他の構成は基本的に図7の従来例と同じであり、同じ部分は同じ符合で示している。
図10は図8により前述した従来の鋳造装置において、金型4への溶融金属の汲み上げをガスの圧力によらず、溶融金属電磁ポンプにより行うものである。すなわちストーク(ダクト)8’の中間部の外側に溶融金属電磁ポンプの誘導子14を設け、これに対応してストーク8’の中に誘導子14で発生した磁界の磁路を形成するためのコア15を配置している。誘導子14に三相電流を通電し、これにより誘導子14とコア15との間で移動磁界を発生させて、ストーク8’の中の溶融金属に上方の推力を与え、溶融金属を金型4のキャビティ10内に充填する。その他の構成は基本的に図8の従来例と同じであり、同じ部分は同じ符合で示している。
このような低圧鋳造装置において、金型4のキャビティ10内で溶融金属が凝固したとき、凝固収縮した容積分の溶融金属が金型4の湯口9を通して常に供給されなければならない。そのために図7や図9で示すように、湯口9に接続されたストーク8が、それぞれルツボ2側から熱輻射で加熱され、図9ではさらにヒータ3’で直接加熱されるようにしている。また図8や図10で示すように密閉炉1から離して金型4を配置しているものでは金型4の下に湯溜め12を設け、この湯溜め12をヒータ3で加熱している。このような構造とすることにより、金型4は温度の高い順に湯口9、下金型5、上金型6の順で温度勾配が形成され、キャビティ10内の溶融金属は上から下へと凝固していき、最後に湯口9の溶融金属が凝固するという指向性凝固がなされる。この間に凝固収縮した容積分の溶融金属は湯口9側からキャビティ10内に供給される。これによりいわゆる引け巣や引け緩みの無い鋳物を鋳造することが出来る。
低圧鋳造法は、ガスを巻き込まずにルツボ2や密閉炉1’内の酸化物の少ない溶融金属を静かに金型4のキャビティ10内に下から上へと充填することにより、気泡や酸化物を含まない鋳物を容易に鋳造出来る利点がある。さらに前記のような温度勾配により、キャビティ10内で上から下へと溶融金属の凝固が起こり、最後に湯口9の部分の溶融金属が凝固することにより、キャビティ10内で溶融金属が凝固して収縮した容積分だけ湯口9から溶融金属を追加して充填される。これによりキャビティ10内で溶融金属が凝固中に引け巣や引け緩みが起こらない。これらの理由から低圧鋳造法では重力鋳造法やダイカスト法等の他の鋳造法に比べて良質の鋳物を鋳造することが出来る。
しかし低圧鋳造法では金型4の熱容量が大きいうえに、ストーク8や湯溜め12にある溶融金属からの熱伝導により金型4に絶えず熱供給される。また溶融金属が凝固するときに放出される凝固潜熱により鋳造サイクル毎に金型4が温度上昇する。これらが原因でキャビティ10内に充填した溶融金属が凝固しにくい。キャビティ10内で溶融金属が凝固し、それが或る程度の強度になる温度、例えばアルミニウムの場合では変形させずに鋳物を金型から取り出すには400℃以下にならないと出来ないので、1サイクルの鋳造時間が長くなってしまう。
鋳造サイクルが短く、量産性が高いダイカストの例では、常温に近い金型のキャビティ内に高圧で瞬時に溶融金属を射出、充填し、これを凝固させた後、脱型して鋳物を取り出し、キャビティの内面に離型剤を塗布し、金型を閉めるまでの1鋳造サイクルは小さい鋳物で数十秒程度であり、大きい鋳物でも数分以内である。これに対し、一般的に低圧鋳造では1鋳造サイクルが7分〜10数分かかる。
低圧鋳造において重要なのは前述した金型の温度勾配である。すなわち鋳物に引け巣や引け緩みを生じさせないようにするためにはキャビティ10の中に充填された溶融金属がまず湯口9から最も遠い位置から凝固を始め、最後に湯口9の部分で凝固することが必要となる。そのためには温度が高い順に湯口9、下金型5、上金型6の順で温度勾配を形成することが特に重要である。例えばストーク8を交換した後、その予熱が十分で無い場合には湯口9の温度が下がり、溶融金属が凝固してキャビティ10を塞いでしまうこともある。これを防ぐための対策として、湯口9の開口径をストーク8の径より小さくしている。しかしそれでも溶融金属の温度が低いときは湯口9で溶融金属が凝固することもある。
金型は一般に鋼材で作られており、熱容量が大きく、昇降温に時間がかかる。例えば鋳造準備の昇温では1〜2時間、ガスバーナー加熱で200℃程度の温度に予熱してから鋳造を開始する。鋳造サイクルを繰り返していくと金型の温度が徐々に上昇していくが、所定の定常温度(アルミニウムの鋳造の場合は約350℃)以上に金型の温度が高くならないように、金型や架台も含めたその周辺部材から自然放熱がなされ、飽和温度となるように設計されている。しかしこれでは注湯後金型の湯口にある溶融金属からの熱供給によってキャビティ内の鋳物を変形させずに脱型出来る温度(アルミニウムの鋳造の場合は350℃ )以下に降温するのに時間がかかってしまう。
また逆にキャビティ内の鋳物が変形しない程度に硬化する温度まで降下させたとき、湯口の手前にあるストークや湯溜めの温度が金型側に奪われてしまい、溶融金属の凝固点付近まで温度が下がってしまう。この温度で金型に溶融金属を注入すると溶融金属が湯口9やキャビティ10の中で一部凝固し、これが溶融金属の流動を妨げるいわゆる湯回り不良を起こす原因となる。よってそのまま溶融金属をキャビティに充填することは出来ないので、一旦ストークや湯溜めの溶融金属を密閉炉1、1’側に戻して再加熱してから再供給するという面倒な操作が必要となる。またこのとき湯溜めやストークに空気が入り込み、溶融金属の空気と接触する部分に酸化物が出来てしまい、酸化物の除去作業等のメンテナンスが必要となる。
湯溜め12を大きくすれば溶融金属の温度低下を抑えることが出来るが、装置が大形になってしまう。この湯溜めは金型の湯口を加熱し、この湯口から金型の上にいくに従って次第に温度が低くなるような温度勾配を形成する必要から、金型の下に配置しなければならない。そのため低圧鋳造装置ではダイカスト鋳造機のように金型を横に置いて鋳造することが出来ない。金型を湯溜めの上に配置すると金型の位置は必然的に高くなる。それだけ金型の取り付け、金型の開閉を行うための油圧機構等も高い位置に配置しなければならず、操作やメンテナンスが面倒である。
金型へ注湯された溶湯が、湯口9から遠い所から凝固して、順次湯口9まで凝固して来て、鋳物が取り出し可能な温度まで降下し、かつ湯口9の下部では溶湯が固まらない状態で維持されている間に、ストーク内の溶湯を下げるべく炉内のガス圧を下げたり、電磁ポンプの出力を下げたりして、凝固している鋳物と溶湯を切り離さなければならない。しかし、金型内のキャビティーと湯口も鋳物と溶湯で密閉状態になっているので、炉内のガス圧を下げても電磁ポンプの出力を下げても湯口9の下部にある溶湯は下がらない。従って、上金型を図示していない油圧機構で上に切り離した時に初めて金型内に空気が入って湯口9の下部にある溶湯が下がる。
このときにストーク内の湯が勢い良く炉側に戻ってしまい、炉底にある酸化物等を舞い上げてしまい、次の注湯時に酸化物を巻き込んでしまう事になる。この逆流を少なくする為に、炉内のガス圧を少し残したり、電磁ポンプの出力を少し残して置く事も可能であるが、ストーク内に温度が低下した溶湯が残ることに成るので、次の注湯が可能な温度の680℃以上で、出来れば700℃以上なるまで待たなければ成らない。注湯可能な温度以下で注入すると金型内に充填完了する前に湯が固まってしまう湯廻り不良を起こしてしまうことになる。この待ち時間を無くす為にはストーク内の湯を炉に一旦戻せば良いが、上記の様な問題が生じてしまう事になる。
特開2006−272448号公報 特開平11−216555号公報 特開平10−058116号公報 特開平10−015656号公報 特開平09−300060号公報 特開平09−103865号公報 特開平08−229661号公報 特表平09−501872号公報
本発明は前記従来の鋳造装置における課題に鑑み、金型の湯口に近い溶融金属を常に高い温度に保持することが可能であり、これにより脱型毎の溶融金属の炉側への戻しも不要となり、鋳造サイクルを短くすることが可能であると共に、溶融金属に酸化物が発生しにくい鋳造装置を提供することを目的とする。
本発明では前記の目的を達成するため、金型の湯口の手前に所要の断熱性能と厚さを有する断熱材を設けて湯口以外の湯が当たる金型を断熱し、この断熱材に形成した溶融金属の流路を介して金型を溶融金属の供給源側に接続すると共に、溶融金属を湯口からキャビティに充填する前の注入準備段階の溶融金属液位を前記断熱材の流路の中に設定し、維持するようにした。さらに、前記断熱材と前記金型の湯口との間にセラミック系繊維や粉体を固めたパッキング材を介在させて、金型の湯口から断熱材にかけて完全な密閉状態には成らないようにした。
すなわち、本発明による鋳造装置は基本的には金属が溶融状態で収納された溶融金属の供給源側から溶融金属を金型4の湯口9を通してその中のキャビティ10に充填するための溶融金属の供給路を有し、この金型4内で充填された溶融金属を凝固させて鋳物を成型するものである。この鋳造装置において、金型4の湯口9の手前に熱伝導率0.16W/mK〜0.5W/mK、厚さ50mm〜150mmの断熱材17を設け、断熱材17と前記金型4の湯口9との間にセラミック系繊維や粉体を固めたパッキング材24を介在させ、パッキング材24と前記断熱材17に形成した流路21を介して金型4の湯口9と前記溶融金属の供給源側とを接続し、断熱材17の流路21の中に溶融金属を前記キャビティ10に充填する直前の溶融金属の液位22を設定したものである。
ここでいう「溶融金属の供給源」とは一般には金属が溶融状態で収納されたルツボやセラミックスを内張りした保持炉等の溶融金属槽である。この溶融金属の供給源から金型4の湯口9に溶融金属を供給する供給路は一般にストーク8、8’であり、湯口9の手前に湯溜め12を設けている場合はそれも溶融金属の供給路に含まれる。
また金型4にヒータ18、19を設け、その湯口9とキャビティ10内の前記湯口9から最も遠い位置との間で前者が後者より温度が高くなるような温度勾配を形成する。
以上説明した本発明による鋳造装置では金型4の湯口9の手前に断熱材17を配置し、さらにセラミック系繊維や粉体を固めたパッキング材24を介在させて、金型4の湯口9から断熱材17にかけて完全な密閉状態には成らないようにしている。従って、脱型前にストーク内の圧力を少し下げると、その圧力に応じて湯面は脱型前に断熱材17に下がり、脱型に伴う湯口9の手前の溶融金属が冷却されない。これにより湯口9の温度低下は最小限になり溶融金属の充填直後の凝固も防げるので、いわゆる湯回り不良も防止出来る。また、前記断熱材17を熱伝導率0.16W/mK〜0.5W/mK、厚さ50mm〜150mmとしたことにより、湯面保持の制御性を確保出来ると共に、製造上の限界厚さ以下で良好な断熱性を確保することが出来る。そしてこの断熱材17の流路21の中に溶融金属を金型4のキャビティ10に充填する直前の溶融金属の液位22を設定したので、溶融金属を金型4のキャビティ10に充填した後にその都度溶融金属の供給源側に溶融金属を戻す必要がない。これにより鋳造サイクルの短縮が図れるのに加え、ストーク8、8’等の溶融金属の供給路に溶融金属の酸化物が発生しないため、鋳造歩留まりの向上を図ることが出来る。
本発明による鋳造装置の一実施例を示す断面図である。 本発明による鋳造装置の他の実施例を示す断面図である。 本発明による鋳造装置の他の実施例を示す断面図である。 本発明による鋳造装置の他の実施例を示す断面図である。 本発明による鋳造装置の他の実施例を示す断面図である。 本発明による鋳造装置の金型の湯口の断面形状の例を示す拡大部分断面図である。 鋳造装置の従来例を示す断面図である。 鋳造装置の他の従来例を示す断面図である。 鋳造装置の他の従来例を示す断面図である。 鋳造装置の他の従来例を示す断面図である。
本発明ではその目的を達成するため、金型の湯口とその手前の流路との間にセラミック系繊維や粉体を固めたパッキング材と断熱材を配置し、この断熱材に金型の湯口と溶融金属の供給源側とを接続する流路を形成した。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例をあげて詳細に説明する。
図1は本発明による低圧鋳造装置の一実施例を示す断面図である。この低圧鋳造装置の構成は基本的に図7により前述した従来例と同じであり、同じ部分は同じ符合で示している。
気密に密閉された密閉炉1の上部に設けたガス注入口20に不活性ガスや二酸化炭素等のガスの供給源が接続され、密閉炉1の中にガスが圧送される。密閉炉1の内部に上面が開口した耐熱黒鉛容器であるルツボ2が収納され、このルツボ2の外壁に沿ってヒータ3が配設されている。このルツボ2の中央部に密閉炉1の蓋に取付けられたストーク8の下端が浸漬されている。密閉炉1の上に下金型5と上金型6とからなる金型4が配置されている。下金型5と上金型6との合わせ面にそれぞれ凹部が形成されており、この下金型5と上金型6とを重ね合わせたときに、前記凹部により鋳物形状のキャビティ10が形成される。またこのキャビティ10内には必要に応じて中子7が収納される。前記ストーク8の上端は金型4の底部に設けられたキャビティ10に通じる湯口9に通じる。
このような鋳造装置において、ストーク8とこれに続く金型4の湯口9との間にセラミック系繊維や粉体を固めたパッキング材24と後述するように所要の断熱性、厚さを有する断熱材17とを設ける。パッキング材24と断熱材17の中心は空孔となっていて、その部分がストーク8と金型4の湯口9との間の溶融金属の流路21となっている。さらに金型4のキャビティ10に溶融金属の充填を繰り返すとき、充填直前の準備段階、いわゆる鋳造スタンバイ時の溶融金属の液位22を前記断熱材17の流路21の中に設定する。この溶融金属の液位22は前記ガス注入口20から密閉炉1の中に注入される不活性ガスや二酸化炭素等のガスの気圧により設定し、これを維持する。
このように断熱材17を金型4の湯口9の手前に配置することにより、金型4の湯口9の温度が維持され、金型4にはヒータ18,19を設けて湯口9、下金型5、上金型6の順で温度が高い温度勾配が形成される。これによりキャビティ10内の溶融金属は上金型6側から下金型5の順で凝固していき、最後に湯口9の溶融金属が凝固するという指向性凝固がなされる。このとき凝固収縮した容積分の溶融金属は湯口9側からキャビティ10内に追加供給されることによっていわゆる引け巣や引け緩みの無い鋳物を鋳造することが出来る。
いわゆる鋳造スタンバイ時の溶融金属の液位22を前記断熱材17の流路21の中に設定したので、キャビティ10に溶融金属を充填した後、湯口9付近の溶融金属をそのルツボ2に戻す必要はない。従って溶融金属を戻した時にストーク8の内壁等に生じていた酸化物が発生せず、酸化物による鋳造物の品質低下が起こらない。また溶融金属を金型4のキャビティ10に充填する毎に供給源側に溶融金属をその供給源側へ戻さないので、金型4への溶融金属の充填サイクルを速くすることが出来、鋳造サイクルの高速化が可能となる。
前記のような金型4の温度勾配を形成するため、金型4にヒータ18、19を設ける。例えば図1に示した実施例では、金型4の下金型5と上金型6とにそれぞれカートリッジヒータ等の棒状のヒータ18、19が埋め込まれている。下金型5のヒータ18は下金型5に開けた湯口9を加熱するヒータを兼ねる。
この鋳造装置で鋳物を鋳造する場合は不活性ガスをガス注入口20から密閉炉1内に注入する。このガス圧力により、ルツボ2内の溶融金属の湯面が加圧されて、溶融金属溶湯が押し上げられ、ストーク8を介して金型のキャビティ10内に充填される。キャビティ10に充填した溶融金属が冷却されて凝固した後、図示していない油圧機構により上金型6を上昇させてキャビティ10を開き、下金型5から鋳物を取り出す。この鋳物を取り出すための脱型のときにはすでに湯口9の下の前記断熱材17まで湯面が戻っていて温度が維持されるため、湯口9の手前にある溶融金属をルツボ2側に戻す必要がない。すなわちガス注入口20から密閉炉1内に注入するガスの圧力を必要な気圧に維持し、これにより溶融金属の液位22を断熱材17の流路21の中に維持する。
前記の断熱材17は所要の熱伝導率が低いという断熱性能を有する他、、機密性、耐熱性、溶融金属に対する耐腐食性等の特性を備える必要がある。熱伝導率としては0.5W/mK以下であることが必要条件となる。次の表は鋳造用の金属がアルミニウムである場合に前記の断熱材17として使用することが出来る材料の熱伝導率と断熱材17の必要厚さを示す。
Figure 0004955739
熱伝導率が0.5W/mKでは断熱材17の必要厚さは製造上の限界となる150mm程度となる。熱伝導率がそれより小さければそれだけ薄い断熱材17で済む。
しかし、湯面保持の制御性から50mm以上の厚みがあったほうが良く、電気的な力を用いる電磁ポンプによる湯面制御が望ましい。
表1においてセラミックファイバのハードボードとフェームドシリカはシリカ成分が多いと溶融アルミニウムに対する耐食性が悪いので、シリカ成分は20重量%以下であることが要求される。また表1中の「フェームドシリカ」は酸化チタンや酸化ジルコニウムを配合した粒径7μm程度の超微粒子シリカを意味する。
表1に記載した断熱材は、気密性は無く、僅かに通気性があるので、パッキン24と合わせてストーク内の圧力を僅かに下げると湯面が自然に断熱材17の位置に低下させることが出来る。
図2は密閉炉1’に収納した溶融金属を密閉炉1’からその外部に引き出したストーク8を通して金型4のキャビティ10内に充填する例である。密閉炉1’の中の溶融金属は浸漬ヒータ13で加熱され、溶融状態が維持される。密閉炉1’の中へは溶湯供給口11から溶融金属が供給される。ストーク8は密閉炉1’から金型4のキャビティ10の湯口9の手前の断熱材17の流路21に至るまで設けられている。このストーク8には溶融金属の温度低下による凝固を防ぐためヒータ3で加熱される。その他の構成は基本的に図1の実施例と同じであり、同じ部分は同じ符合で示している。
図3は図1により前述した従来の鋳造装置において、金型4への溶融金属の汲み上げをガスの圧力によらず、溶融金属電磁ポンプにより行うものである。すなわちストーク(ダクト)8の中間部の外側に溶融金属の誘導子14を設け、これに対応してストーク8の中に誘導子14で発生した磁界の磁路を形成するためのコア15を配置している。誘導子14に三相電流を通電し、これにより誘導子14とコア15との間で移動磁界を発生させて、ストーク8の中の溶融金属に上方の推力を与え、これを金型4のキャビティ10内に充填する。その他の構成は基本的に図1の実施例と同じであり、同じ部分は同じ符合で示している。
断熱材17の中に形成した流路21に溶融金属の液面22を設定する場合、図1や図2により前述したガスの圧力により溶融金属を押し出して液面22を保持する方式のものでは、ガスの圧力を精度良く短時間に制御することが難しい。そのため、この図3に示すような溶融金属電磁ポンプを使用した給湯方式がより好ましいと言える。
図4は図2により前述した従来の鋳造装置において、金型4への溶融金属の汲み上げをガスの圧力によらず、ストーク8の途中に設けた溶融金属電磁ポンプにより行うものである。すなわち密閉炉1’のストーク(ダクト)8の中間部の外側に溶融金属の誘導子14を設け、これに対応してストーク8の中に誘導子14で発生した磁界の磁路を形成するためのコア15を配置している。誘導子14に三相電流を通電し、これにより誘導子14とコア15との間で移動磁界を発生させて、ストーク8の中の溶融金属に上方の推力を与え、溶融金属を金型4のキャビティ10内に充填する。その他の構成は基本的に図2の実施例と同じであり、同じ部分は同じ符合で示している。
図5は図2により前述した従来の鋳造装置において、金型4を横方向に配置した横向き射出型の鋳造装置を示したものである。金型4の湯口9も横に開くため、ストーク8の湯口9側は横向きとなり、ストーク8と金型4の湯口9との間にパッキン材24と横向きの流路21を有する断熱材17が配置される。
この鋳造装置は断熱材17を使用して金型4とストーク8とを熱的に分離する方式なので、金型4の横方向に開いた湯口9から溶融金属を充填出来る構成を簡単に組むことができる。この実施例では金型4が横向きなので、同金型4を取り付けたり或いは上金型を開いて脱型するための油圧機構を金型4の横に配置することが出来る。これにより同油圧機構を低い位置に設置出来る利点があり、メンテナンス性に優れている。
さらにこの図5に示した実施例では図2の実施例と異なり、金型4への溶融金属の汲み上げをガスの圧力によらず、密閉炉1’の中の溶融金属に浸漬した錘21とストーク8の途中に設けた溶融金属電磁ポンプにより行う。すなわちストーク(ダクト)8の中間部の外側に溶融金属の誘導子14を設け、これに対応してストーク8の中に誘導子14で発生した磁界の磁路を形成するためのコア15を配置している。また密閉炉1’の中の溶融金属に錘23を浸漬し、この錘23の上下動によりストーク8側の溶融金属の液位を調整する。
密閉炉1’内の錘23により同密閉炉1’内の溶融金属をストーク8側に押し出し、溶融金属の液位22が前記断熱材17の流路21の中のレベルに設定する。この状態で誘導子14に三相電流を通電し、これにより誘導子14とコア15との間で移動磁界を発生させて、ストーク8の中の溶融金属に上方の推力を与え、これを前記断熱材17の流路21から金型4の湯口9を通してキャビティ10内に充填する。
その他の図5に示した実施例の構成は基本的に図2の実施例と同じであり、同じ部分は同じ符合で示している。
図6は前述した実施例において使用する断熱材17の流路21の断面形状の例を示す。図1〜図5により前述した実施例による鋳造装置では、断熱材17の流路21はストレートの円筒形であった。これに対して図6(a)〜(c)では流路21にテーパを設けている。図6(a)、(b)は流路21のテーパが上下で一定であり、図6(a)と図6(b)とではそのテーパが逆方向である。図6(c)は流路21のテーパが中間部で上下正逆反対になっており、流路21の中間部が最も細くなっている。いずれも流路21は、必要最小限の口径で、かつ図6の様に絞りを入れて金型方向に熱が必要以上に流れてないようにしている。
現在は有限要素法等の解析法が発達しているため、金型4内の非定常の溶融金属の凝固解析が出来、さらにストーク8の溶融金属の温度分布も比較的容易に計算することが出来る。これにより金型4のキャビティ10に溶融金属を充填した後、湯口9で何秒後に固まり、溶融金属をストーク8に何秒後に戻すのがよいか解析的に計算によって求めることが出来る。
しかし実際の鋳造装置では解析的に求めにくい接触熱抵抗が多く存在する押え金具等の影響があり、厳密には計算通りにならないことも多い。従って実際の鋳造装置の設計と製造に当たっては、設計、製造した鋳造装置を試運転し、その結果から断熱材17の流路21の断面積や形状を修正する必要がある。前述の通り金型4は一般に鋼材からなっており、その湯口9を機械加工により修正することは手数と時間がかかる。しかも湯口9を拡大することは或る程度可能であっても、細く絞り込む修正を行うときは別材で口金を加工し、これをネジ等の手段で湯口に取り付ける必要がある。これに対し表1に示した断熱材用の材質は機械加工が可能なセラミックであるうえ、金型4に比べて小さいため、断熱材17の流路21の径や形状の変更は比較的容易である。
本発明は、鋳造準備及び鋳造サイクルの時間を短くして歩留まり良く鋳物の鋳造を行うことが出来るので、車輌の部材等に使用されるアルミニウム合金等の鋳物製品を能率よく製造するのに利用することが可能である。
4 金型
8 ストーク
9 金型の湯口
12 湯溜め
17 断熱材
18 ヒータ
19 ヒータ
21 断熱材の流路

Claims (4)

  1. 金属が溶融状態で収納された溶融金属の供給源側から溶融金属を金型(4)の湯口(9)を通してその中のキャビティ(10)に充填するための溶融金属の供給路を有し、この金型(4)内で充填された溶融金属を凝固させて鋳物を成型する鋳造装置において、金型(4)の湯口(9)の手前に熱伝導率0.16W/mK〜0.5W/mK、厚さ50mm〜150mmの断熱材(17)を設けると共に、断熱材(17)と前記金型(4)の湯口(9)との間にセラミック系繊維や粉体を固めたパッキング材(24)を介在させ、パッキング材(24)と前記断熱材(17)に形成した流路(21)を介して金型(4)の湯口(9)と前記溶融金属の供給源側とを接続し、断熱材(17)の流路(21)の中に溶融金属を前記キャビティ(10)に充填する直前の溶融金属の液位(22)を設定したことを特徴とする鋳造装置。
  2. 金型(4)にヒータ(18)、(19)を設けたことを特徴とする請求項に記載の鋳造装置。
  3. 金型(4)の湯口(9)からその奥部にわたり前者の温度が後者より高くなるような温度勾配を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳造装置。
  4. 湯口(9)を横向きに向けて金型(4)を配置し横向射出型としたことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の鋳造装置。
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