JP2010247220A - 鋳造における溶湯供給装置および溶湯供給法 - Google Patents

鋳造における溶湯供給装置および溶湯供給法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属あるいは合金を溶解した炉から、鋳型あるいは他の容器に溶融金属あるいは合金を供給する浴湯供給装置および浴湯供給法を提供する。
【解決手段】金属又は合金を溶融又は半溶融状態としたもの(以下「溶湯」)を炉から鋳型あるいは他の容器に移動する溶湯供給装置であって、1)0.2MPa以下の低圧で溶湯を駆動する溶湯駆動手段に、一端が接続され、かつ前記炉内の溶湯中に浸漬されたU字状のパイプ、2)上記U字状パイプの最下部に前記炉内の溶湯を流入させる開口部とその開閉用部材、を有し、前記溶湯駆動手段が、a)プランジャ、あるいはb)ガス加圧による駆動であり、前記開口部がa)U字状パイプに直接、あるいはb)U字状パイプに設けた側管に設置することを特徴とする溶湯供給装置および、この装置を使用した溶湯供給方法に係る。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋳造における新規な溶湯供給装置および溶湯供給方法に関する。
金属又は合金を溶融又は半溶融状態として、鋳型に注入し、鋳造品を製造する鋳造加工法が種々の自動車部品、機械・電気部品等の製造に利用されている。特に高品質Al合金に対しては、低圧鋳造法が採用されている(非特許文献1、2、3)。
低圧鋳造法では、保持炉内の湯面をガス加圧するか、電磁ポンプを溶湯中に浸漬して鋳型空隙部に溶湯を供給している。しかし、炉内全体のガス加圧では、鋳型空隙部での溶湯流動を制御するのが容易でなく、また作業環境が悪く、炉の保守も大変である。電磁ポンプの使用は作業環境的には良いが、電磁ポンプの効率は低いので、省エネルギ上問題である。この他、鋳型空隙部を減圧し、この減圧を利用して溶湯を吸引する真空吸引法は、環境的には最も良く、使用エネルギも小さいが、減圧度が小さく鋳型内でのガス巻き込みの制御が容易でないし、気密性が悪いとガスを巻き込み欠陥が増大する。さらに、これらの方法では、ダイカスト法に比較し生産性が悪いという大きな問題がある。
これらに対して本発明者は、ストーク上部に開口部を設けた開閉用部材を配置し、ストーク内のプランジャを保持炉外部から駆動する鋳造装置を発明した(特許文献1)。この装置では湯面の酸化皮膜を除去して清浄な溶湯のみを鋳型に供給でき、また溶湯を加圧できるので、低圧鋳造法以上の品質とダイカスト法並みの生産性が得られる。しかし、プランジャ駆動軸が保持炉を貫通する部分で凝固し、駆動が困難になる、あるいは貫通部分から溶湯が流出する危険性がある。
このため、本発明者は、炉内に浸漬したU字状パイプの一端に溶湯駆動手段を配置して、炉底を貫通する構造を避ける鋳造装置を発明した(特許出願中)。しかし、この方法では、U字状パイプへの溶湯流入口がU字状パイプの最下点ではないため、U字状パイプ内に残留する溶湯の排出が困難であり、また、炉内の溶湯のかなりの部分が残留するという問題があった。
また、鋳造においては、炉から他の容器に溶湯を移動あるいは供給する工程がある。この溶湯供給装置としては、取鍋が多用され、炉を傾動して取鍋に移動したり、取鍋で汲み取ることが多いが、場合によっては電磁ポンプや真空吸引も利用されている。また、回転プロペラやピストンを利用した機械式溶湯ポンプも使用されている。しかし、取鍋による供給は放熱による熱損失が大きく、また湯面が酸化する問題がある。また、電磁ポンプでは使用エネルギが大きく、真空吸引では装置コストが高いなどの問題がある。また、機械式ポンプでは、アルミニュウム合金など比較的融点が高い溶湯の場合、耐久性や保守、装置コストなどが問題となる。
このように従来の溶湯供給装置あるいは溶湯供給方法では、炉内の溶湯をなるべく多く、安全に効率良く制御して、鋳型あるいは他の容器に低コストで供給するのに問題があり、これらの解決が望まれている。
特願2009−11077
大中逸雄、溶融加工学、コロナ社(2004) 素形材、Vol.44(2003)1,6(財)素形材センター ダイカスト技術の展望(1998.6)日本ダイカスト協会
本発明の主たる目的は、鋳造のための溶湯供給において、なるべく多くの溶湯を安全に効率良く制御して鋳型あるいは他の容器に、低コストで供給する装置および供給方法を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の溶湯供給装置及び溶湯供給方法に係る。
1.金属又は合金を溶融又は半溶融状態としたもの(以下「溶湯」)を炉から鋳型あるいは他の容器に供給する装置であって
1)溶湯を0.2MPa以下の低圧で駆動する溶湯駆動手段に、一端が接続され、かつ前記炉内の溶湯中に浸漬されたU字状のパイプ、
2)前記U字状パイプの最下部に前記炉内の溶湯を流入させる開口部とその開閉用部材、を有することを特徴とする溶湯供給装置
2.前記開口部と開閉用部材を前記U字状パイプに設けた側管に設置することを特徴とする、1に記載の溶湯供給装置
3.前記U字状パイプの炉底側の断面形状を高さが幅より低い扁平なものとし、かつ、前記開口部がより低い位置となるように炉底側の部分を傾斜させた1に記載の溶湯供給装置
4.前記溶湯駆動手段を、1)前記U字状パイプ内に設けたプランジャ、2)このプランジャを駆動する駆動装置とした1に記載の溶湯供給装置
5.1に記載の溶湯駆動手段を、加圧ガス供給装置とした1に記載の溶湯供給装置
6.鋳型の減圧を利用して溶湯を供給する1に記載の溶湯供給装置
7.1に記載のU字状パイプが、
1)炉底の一部を高くした前記U字状パイプの設置場所、
2)前記開閉用部材の下部に湯だまり部、
3)この湯だまり部に、るつぼ状の可搬式容器
を有する炉に設置されていることを特徴とする溶湯供給装置
8.炉中に浸漬したU字状パイプを利用して、炉中の溶湯を鋳型あるいは他の容器に移動あるいは供給する溶湯供給方法であって、
1)前記U字状パイプの開口部を開けて炉内の溶湯を前記U字状パイプに流入させる第1工程
2)前記U字状パイプの開口部を閉鎖し、前記U字状パイプの一端に設けられた溶湯駆動手段あるいは鋳型の減圧により0.2MPa以下の低圧で溶湯を駆動し、鋳型や他の容器に溶湯を供給する第2工程
4)溶湯駆動を止め、U字状パイプ内の湯面を低下させる第3工程
5)炉内の湯面がある限度以上に低下するまでは、上記第1工程から第3工程を繰り返す、繰り返し工程
からなることを特徴とする溶湯供給方法。
本発明の溶湯供給装置および溶湯供給方法によれば、炉内のなるべく多くの溶湯を安全に効率良く制御して供給できる。より具体的には、下記(1)〜(8)のような効果を得ることができる。
(1)加圧されるのはU字状パイプ内だけあり、低圧鋳造装置のように炉内全体を加圧するより、制御は容易で、かつ使用エネルギも少ない。
(2)溶湯圧が低く、構造が簡単なため、脆く、加工性が悪いセラミックスが使用できるので、溶湯に悪い影響を与えない。また、コストも安くなる。
(3)溶湯と外気との接触面積が小さいので、溶湯品質が低下しにくい。
(4)U字状パイプの最下部に開口部が存在し、下部は扁平になっているので、湯面が低下しても溶湯がU字状パイプの下部を充満しやすく、より残湯量が少なくなるまで供給できる。
(5)U字状パイプの最下点に開口部が位置し、開口部の下部に湯だまり部を設けることで、U字状パイプ内に溶湯が残留しない。
(6)側管に開口部を設けることで、開閉用部材を駆動する装置の配置自由度が増す。
(7)湯だまり部に可搬式容器を設置することで、炉内の溶湯を全て除去でき、保守や溶湯管理が容易になる。
(8)溶湯供給装置が炉内に存在し、貫通部などがないので、安全で、熱損失も少ない。
実施例1の正面図である 実施例2の正面図である 開閉用部材の他の例である
1 U字状パイプ
2 開口部
3 側管
4 炉
5 溶湯
6 開閉用部材
7 開閉用部材駆動軸
8 プランジャ
9 プランジャ駆動軸
10 湯だまり部
11 可搬式容器
12 鋳型
13 鋳型空隙部
14 溶湯導入部
15 加圧ピストン
16 継手
17 つかみ部
18 排出栓
19 回転支点
20 加圧ガス導入パイプ
21 取鍋
1.溶湯供給装置
本発明の溶湯供給装置は金属又は合金を溶融又は半溶融状態とした溶湯を、炉から鋳型あるいは他の容器に供給する装置であって
1)溶湯を0.2MPa以下の低圧で駆動する溶湯駆動手段に、一端が接続され、かつ前記炉内の溶湯中に浸漬されたU字状のパイプ、
2)前記U字状パイプの最下部に前記炉内の溶湯を流入させる開口部とその開閉用部材、を有することを特徴とする溶湯供給装置である。
本発明装置は、Al合金、Zn合金、Mg合金、Cu合金、Fe合金、純Al、純Cuその他種々の合金や金属に適用できる。
本発明の装置は、炉内に浸漬したU字状パイプに炉内の溶湯を流入させ、溶湯駆動手段により、U字状パイプ内の溶湯を0.2MPa以下の低圧で鋳型あるいは他の容器に供給する装置である。なお、鋳型は金型や砂型、セラミックス型でも良い。
溶湯駆動手段としては、プランジャとプランジャ駆動装置、あるいはガス加圧を用いる装置を有する。プランジャ駆動の場合、プランジャとU字状パイプ間に不活性ガスを供給して摩擦を防いでも良い。また、加圧により溶湯を供給するのではなく、鋳型の減圧により溶湯を鋳型に導入することも可能である。あるいは、プランジャ駆動やガス加圧と鋳型減圧を併用しても良い。減圧を利用する場合、溶湯駆動手段は溶湯導入の制御手段として作用する。すなわち、鋳型内での溶湯流動は鋳型内の減圧度だけでは決定されず、溶湯駆動手段部での溶湯の移動が影響するので、プランジャの移動速度やガス圧を制御することで、鋳型内での溶湯流動を制御できる。ただし、プランジャ部での漏れが大きいほど、プランジャ移動の効果が減るので、高真空で吸引したい場合には洩れが小さくなるように、プランジャとU字状パイプ間の隙間を小さくする。
このU字状パイプには、ダイカスト法のような高圧を作用させないので、耐圧性には劣るが溶湯との反応が少ないセラミックスを使用できる。しかし、溶湯との反応や耐久性に問題がなければ金属系材料や複合材料も使用できる。なお、U字状パイプの形状は厳密にU字状である必要はなく、下方に向かって凸状であれば良い。また、U字状パイプを分岐して、複数の鋳型に接続しても良い。U字状パイプの断面形状は円形でなく矩形等他の形状でも良く、寸法も均一でなくても良い。例えば、前記プランジャ部の断面積を大きくしておけばプランジャの移動量を小さくしても多くの溶湯を供給できるし、鋳型側の断面積を小さくしておけば早い速度で溶湯を鋳型に導入できる。なお、U字状パイプの一端は通常鋳型の下部に位置させるが、側面としても良い。
本装置で炉内の溶湯をなるべく多く他の場所に供給するには、開口部がU字状パイプの最下点になることが望ましい。このため、U字状パイプの下部を傾斜させ、前記開口部がより低い位置となるようにする。また、少なくともU字状パイプの下部が溶湯で充満していないと溶湯を供給できないので、U字状パイプの下部を高さが幅より低い扁平な断面とするのが良い。ただし、断面形状は矩形でも楕円でも、他の形状でも良い。
開口部はU字状パイプに直接設置しても良いが、U字状パイプの下部に側管を設けて、この側管に開口部とその開閉用部材を設置することもできる。U字状パイプの上部には鋳型や容器が存在するので、開閉用部材の駆動手段の設置場所が制限されるが、側管を利用することで、解決できる場合が多い。
開口部の開閉用部材としては、ストッパー的なものやスライディング・ゲート、その他種々の仕切弁的なものが利用できる。その駆動方向は垂直方向でも、横方向でも良い。横方向に駆動する場合、平行駆動させても良いし、支点を利用して円弧状に駆動させても良い。あるいはウェッジ仕切弁のような構造にすれば駆動軸を回転させて開閉できる。
開閉用部材とその接触面の耐摩耗性と気密性が重要であり、接触面にのみ、より耐摩耗性の良い材料を使用することもできる。耐摩耗性は必ずしも硬さだけでは決まらず、BNなどのように溶湯との反応が少なく、摩擦抵抗の小さいものも利用できる。また、溶湯となるべく濡れないものが望まれる。
2.溶湯供給方法
本発明の溶湯供給方法は、炉中に浸漬したU字状パイプを利用して、炉中の溶湯を鋳型あるいは他の容器に移動あるいは供給する溶湯供給方法であって、
1)前記U字状パイプの開口部を開けて炉内の溶湯を前記U字状パイプに流入させる第1工程
2)前記U字状パイプの開口部を閉鎖し、前記U字状パイプの一端に設けられた溶湯駆動手段あるいは鋳型の減圧により0.2MPa以下の低圧で溶湯を駆動し、鋳型や他の容器に溶湯を供給する第2工程
4)溶湯駆動を止め、U字状パイプ内の湯面を低下させる第3工程
5)炉内の湯面がある限度以上に低下するまでは、上記第1工程から第3工程を繰り返す、繰り返し工程
からなることを特徴とする。
本発明方法は、前記で掲げた種々の合金や金属に適用できる。
第1工程
この工程では、U字状パイプの開口部を開ける。すると、重力効果により炉内の湯面位置とU字状パイプ内の湯面位置が同じになるまで、炉内の溶湯がU字状パイプに流入する。
第2工程
この工程では、前記U字状パイプの開口部を閉鎖し、前記U字状パイプの一端に設けられた溶湯駆動手段により溶湯を駆動し、鋳型や他の容器に溶湯を供給する。駆動に必要な溶湯圧は、動圧と鋳型空隙部上端から湯面までの溶湯ヘッド圧および流れ損失圧の和のオーダであり、通常は0.1MPa以下と低いので、開口部の閉鎖に必要な力は小さい。また、必ずしも完全に密閉する必要はない。多少洩れても、必要とする溶湯供給量が十分であれば、効率が落ちるだけである。鋳型を減圧して溶湯を供給する場合は、漏れが大きいほど、減圧できる程度が小さくなる。従って、高真空で吸引したい場合は洩れが小さくなるように、閉鎖部の隙間を小さくする。また、溶湯駆動手段での洩れも少なくする必要がある。なお、ガス加圧で溶湯を駆動する場合、油面位置をセンサーで検知して、必要な加圧力の設定に考慮することが望ましい。
第3工程
この工程では、駆動を停止する。駆動を停止すると、U字状パイプと鋳型との接合部の隙間が大きく気密性が悪い場合には、外気が流入してU字状パイプ内の湯面位置が低下する。気密性が良い場合には、ガスを導入して湯面を下げる。湯面を下げないと溶湯導入部で凝固が生じて、最悪の場合、鋳造不能となる。
繰り返し工程
炉内の湯面がある限度以上に低下するまでは、上記第1工程から第3工程を繰り返す。この限度は、湯温低下の程度や、作業予定等で変化する。湯面位置が低下しすぎたら、溶湯を追加する。また、作業を終了し、炉内の溶湯を全て排出したい場合は、開口部を開放し、湯だまり部の溶湯を取り鍋等でくみ出し、前記可搬式容器のつかみ部が見えた時点で、可搬式容器を取り出す。あるいは炉に設けた排出栓を開けて溶湯を排出しても良い。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。但し、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
<実施例1>
図1に実施例1における溶湯供給装置の正面図を示す。U字状パイプ1は、継手16で直管が接続された構造となっており、炉床の高い部分に設置されており、炉4は湯だまり部10および可搬式容器11を有している。U字状パイプ1の一端には溶湯駆動手段の一部であるプランジャ8とプランジャ駆動軸9が、他端には溶湯導入部14を通じて鋳型12が接続されている。U字状パイプ1の下部に、側管3が取り付けられており、開口部2および仕切弁6がある。また、仕切弁6には駆動軸7が接続されている。開口部2の位置がU字状パイプ1内で一番下になるように、U字状パイプの下部は傾斜している。また、U字状パイプ1を設置している炉底も湯だまり部10に向かって僅かに傾斜している。これは、最終的には浴湯を全て湯だまり部10に移動させるためである。なお、U字状パイプ1と炉底の間には可撓性のある材料を挿入しておいた方が良い。
本装置で、溶湯供給方法を説明する。開口部2を開けるとU字状パイプ1内の湯面が炉4内の湯面と同じ位置になるまで、溶湯が流入する(第1工程)。次に、開口部2を閉じ、プランジャ8を下げると溶湯が溶湯導入部14を通じて鋳型空隙部13に供給される(第2工程)。鋳型空隙13部が充満されたら、溶湯導入部14を移動して鋳型空隙部13内の溶湯を遮断する。この溶湯導入部14は、紙面に向かって垂直方向に移動できるようになっている。従来の低圧鋳造法に適用した場合には、鋳型空隙部13が凝固するまで、溶湯を加圧し続ける。このようにして、溶湯が遮断され、あるいは、鋳型空隙部での凝固が終了したら、プランジャ8を引き上げ、U字状パイプ内の湯面を低下させ(第3工程)、同時に開口部2を開け、第1工程に戻る。U字状パイプ1内の湯面位置は、溶湯導入部14からなるべく早く離して、その部分での凝固を防ぐ必要がある。気密性が良い場合には、U字状パイプ上部に不活性ガスを導入する。炉内の湯面位置がある限度以上に低下したら溶湯を追加する。これには従来の取鍋等を利用しても良い。あるいは、実施例2(図2)で示す本発明原理による溶湯供給装置を利用しても良い。また、鋳造を終了し、炉内の溶湯を全て他の保持炉等に移動したい場合には、図2に示すように鋳型側の端部を変更して取鍋を設置し、上記の方法で溶湯をくみ出せるだけくみ出し、さらに、小さい取鍋で、湯だまり部10の溶湯をくみ出す。そして、可搬式容器11の上部、あるいはつかみ部17が見えたら、つかみ部17を利用して、可搬式容器11を引き上げる。このようにして、炉内の溶湯を全て排出できる。なお、炉4に直接設置した排出栓18を開けて溶湯を排出し、最後の溶湯を可搬式容器11で排出しても良い。排出栓を炉底に設ければ、このような湯だまり10や可搬式容器11は不要だが、炉底より下部に容器を置く必要があり、その分炉底を上げる必要がある。
プランジャ駆動により、溶湯圧を作用させる際、プランジャ8とU字状パイプ1の間隙に不活性ガスを吹き込み、摩擦を少なくして駆動部の耐久性を上げることもできる。また、プランジャ8を使用せず、実施例2(図2)に示すように加圧ガスを作用させても良い。あるいは、鋳型空隙部13を減圧して溶湯を吸引しても良い。あるいは吸引と加圧を併用しても良い。吸引する場合、溶湯導入部14とU字状パイプ1の接合部や鋳型12などの気密性を良くしておかないとガスを巻き込む。気密性が良く、プランジャ8とU字状パイプ1との隙間での溶湯流動抵抗が大きいほど、鋳型空隙部13の減圧度を大きくできる。また、鋳型空隙部13への溶湯流入速度は、プランジャ8の速度で主に律速されるので、プランジャ8の移動速度を制御することで、湯面での酸化を防ぎ、湯回りを確保して、かつ、ガス化した塗型剤の巻き込みなどを防ぐことができ、高品質な鋳造品が得られる。なお、鋳型を真空ボックスに入れることで、セラミックシェル型や砂型にも利用できる。
U字状パイプ1は、実施例1では、直管を継手16でつないでいるが、一体ものとしても良い。また、その形状はU字状でなくても下方に向かって凸状であれば、V字状など他の形状でも良い。また、上端部の形状も水平方向あるいは下向きになっていても良い。後述の実施例2(図2)に示すように下部で水平部がほとんどなくても良い。断面形状も円形以外に楕円や矩形など他の形状でも良い。ただし、下部の断面形状は扁平な形状の方がより湯面が低下してもU字状パイプ1の下部が充満されやすく、より多くの溶湯を供給できる。その場合、矩形断面でなくても、楕円形断面でもよい。開口部2は側管3に設けなくても、U字状パイプ1に直接設置しても良い。また側管3の設置場所も図1のようなU字状パイプの立ち上がり部分でなくても下部であればどこでも良い。上部に付けても良いが、開口部2が上になるほど、湯面が開口部2までくれば、それ以上は溶湯を供給できない。
U字状パイプ1の材質はAl合金などではセラミックスが良いが、Mg合金など低融点の溶湯の場合には金属製パイプでも良い。あるいは金属とセラミックスの複合材製でも良い。側管3の材質はU字状パイプ1と同じものの方が熱応力などの点で有利であるが、他の材質でも良い。
開口部と開閉用部材の形状、構造例を図3にいくつか示したが、この他種々の形状、構造のものを使用できる。これらは、閉鎖部を摺動する形式と圧迫する形式に大別される。摺動式の方が概して気密性は高いが耐久性は圧迫式の方が良い場合が多い。接触面だけに耐摩耗性の高い、あるいは可撓性の良い材料(例えば、アルミナファイバー製ブラケットなど)を局所的に使用しても良い。
図1ではU字状パイプ1の設置場所が炉4内の高い位置になっているが、図2に示すように水平でも良いし、湯だまり部10や可搬式容器11は無くても良い。ただし、炉底は排出口に向け傾斜が有るほうが良い。可搬式容器11の形状は、円筒形でも矩形ボックス形でも他の形状でも良いが、取り出しやすいようにつかみ部17を設けておく方が良い。つかみ部17の形状は図1のような窪みの他、突出しているものでも良い。可搬式容器11の設置時には、可搬式容器11の外側に溶湯が流入しないように不定形耐火物等で密閉しておいた方が良い。
プランジャ8や開閉用部材6の駆動は、電動サーボモータが望ましいが、油圧サーボモータ、リニアモータなど他の手段でも良い。また、回転運動を直線運動に変えるには、ボールねじの他ギヤなど他の手法でも良い。
<実施例2>
図2は、実施例2の断面図で、溶湯を他の容器に供給した例を示している。この例では、開口部2はU字状パイプ1の最下端に直接設けてあり、加圧ガス導入パイプ20から加圧ガスを導入して溶湯を取鍋21に供給する。また、開口部2は水平方向に開いており、開閉用部材6は回転支点19を利用して、円弧状に移動させ開閉する。しかし、駆動軸9を水平方向に平行移動させて開口部2を開閉しても良い。あるいは、ウェッジ仕切弁状として駆動軸9を回転して開閉しても良い。このような原理を鋳型への溶湯供給に利用しても良い。

Claims (8)

  1. 金属又は合金を溶融又は半溶融状態としたもの(以下「溶湯」)を炉から鋳型あるいは他の容器に供給する装置であって
    1)0.2MPa以下の低圧で溶湯を駆動する溶湯駆動手段に、一端が接続され、かつ前記炉内の溶湯中に浸漬されたU字状のパイプ、
    2)上記U字状パイプの最下部に前記炉内の溶湯を流入させる開口部とその開閉用部材、を有することを特徴とする溶湯供給装置
  2. 前記開口部と開閉用部材を前記U字状パイプに設けた側管に設置することを特徴とする、請求項1に記載の溶湯供給装置
  3. 前記U字状パイプの炉底側の断面形状を高さが幅より低い扁平なものとし、かつ、前記開口部がより低い位置となるように炉底側部分を傾斜させた1に記載の溶湯供給装置
  4. 前記溶湯駆動手段を、1)前記U字状パイプ内に設けたプランジャ、2)このプランジャを駆動する駆動装置、を有する装置とした請求項1に記載の溶湯供給装置
  5. 請求項1に記載の溶湯駆動手段を、加圧ガス供給装置とした請求項1に記載の溶湯供給装置
  6. 鋳型の減圧を利用して、溶湯を供給する請求項1に記載の溶湯供給装置
  7. 請求項1に記載のU字状パイプが、
    1)炉底の一部を高くした前記U字状パイプの設置場所、
    2)前記開閉用部材の下部に湯だまり部、
    3)この湯だまり部に、るつぼ状の可搬式容器
    を有する炉に設置されていることを特徴とする溶湯供給装置
  8. 炉中に浸漬したU字状パイプを利用して、炉中の溶湯を鋳型あるいは他の容器に移動あるいは供給する溶湯供給方法であって、
    1)前記U字状パイプの開口部を開けて炉内の溶湯を前記U字状パイプに流入させる第1工程
    2)前記U字状パイプの開口部を閉鎖し、前記U字状パイプの一端に設けられた溶湯駆動手段あるいは鋳型の減圧により0.2MPa以下の低圧で溶湯を駆動し、鋳型や他の容器に溶湯を供給する第2工程
    4)溶湯駆動を止め、U字状パイプ内の湯面を低下させる第3工程
    5)炉内の湯面がある限度以上に低下するまでは、上記第1工程から第3工程を繰り返す、繰り返し工程
    からなることを特徴とする溶湯供給方法。
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