JP2008264846A - 羽根車の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 石膏鋳型を用いた吸引鋳造法により羽根車を鋳造形成するにあたり、鋳造欠陥の発生を防止し、高品質で信頼性の高い羽根車を安定して形成できる羽根車の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、羽根車形状に対応する空間形状を有するキャビティが通気性を有する石膏部材と冷し金で画成され、前記冷し金に対向する位置に湯口部を有する石膏鋳型を、前記石膏鋳型の羽根車形状の羽根部を画成する部分の外周が減圧空間となるチャンバー内に導入し、該チャンバーに設置された減圧制御部により圧力を制御しつつ、前記減圧空間を減圧することにより前記石膏鋳型を介して前記キャビティを減圧し、前記湯口部から溶湯を吸引して前記キャビティに鋳造する、羽根車の製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明は、羽根車形状に対応する空間形状を有するキャビティが通気性を有する石膏部材と冷し金で画成され、前記冷し金に対向する位置に湯口部を有する石膏鋳型を、前記石膏鋳型の羽根車形状の羽根部を画成する部分の外周が減圧空間となるチャンバー内に導入し、該チャンバーに設置された減圧制御部により圧力を制御しつつ、前記減圧空間を減圧することにより前記石膏鋳型を介して前記キャビティを減圧し、前記湯口部から溶湯を吸引して前記キャビティに鋳造する、羽根車の製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、吸引鋳造手段を用いた羽根車の製造方法に関する。詳しくは、石膏鋳型を介してキャビティを減圧して溶湯を吸引する羽根車の製造方法に関する。
一般に、羽根車は各種の機械装置に使用されている。例えば、自動車等の過給機においては、鋳造形成されたタービン羽根車やコンプレッサ羽根車が多く使用されている。特に過給機の吸気側に使用されるコンプレッサ羽根車には、外気の吸引や圧縮をより高効率に行うことが所望される。このためにコンプレッサ羽根車は、羽根車のハブ軸の周りに、空力学的曲面を有する形状の複雑な複数のブレードが放射状に配列されることが多い。また、複数のブレードは、形状の異なる長羽根とスプリッタ羽根とも呼ばれる短羽根とが交互に配置されたり、ブレード空間にアンダーカットが設けられることもある。
上述したコンプレッサ羽根車のように複雑な形状を有する羽根車の鋳造においては、石膏鋳型を用いた吸引鋳造法を適用した製造方法が知られている。吸引鋳造法を用いた羽根車の製造方法としては、例えば特開平2−142666号公報(特許文献1)が知られている。具体的には、石膏鋳型は、羽根車形状に対応するキャビティと、キャビティの下部に設けた湯口部と、キャビティの上部に設けたチル板(冷し金)とを有し、チャンバー内に配設される。また、チャンバー内は、溶湯を吸引する湯口部を除き、気密状態にされる。そして、鋳造時には、真空ポンプでチャンバーを減圧することにより、石膏鋳型とチル板との合わせ面を通してキャビティが減圧され、これにより溶湯が湯口部から吸引されてキャビティに鋳造される。このとき、キャビティへの溶湯の充填時間をセンサで検出することで充填不良の有無を判定する提案がなされている。
また、例えば、特開2005−206927号公報(特許文献2)には、石膏鋳型を用い、低圧鋳造法または減圧鋳造法または重力鋳造法により、アルミニウム合金からなる羽根車を形成する手段が開示されている。開示される鋳造法に関し、技術的な詳細については不明であるが、具体的には、羽根車は、質量%でCu:1.4〜3.2%、Ni:0.5〜2.0%、Mg:1.0〜2.0%、Fe:0.5〜2.0%、Ti:0.01〜0.35%、さらに不純物元素としてSi:0.3%以下を含むアルミニウム合金からなる溶湯を用いて鋳造形成される。また、石膏鋳型には、羽根車のディスク面に接する面に冷し金が設けられている。そして、鋳造時には、石膏鋳型が180〜250℃に設定されることから、キャビティに充填される溶湯の急冷が抑止され、不廻りや湯境といった鋳造欠陥は抑止されやすいと考えられる。
上述した吸引鋳造法は、吸引によってキャビティを減圧することで、キャビティに溶湯を充填する鋳造方法である。このとき、キャビティに残存するガスが吸引されることから、溶湯がキャビティに充填するときにガスが巻込まれ難くなり、ガス巻込みといった鋳造欠陥は抑止されやすい。これは低圧鋳造法や重力鋳造法では得難い利点である。
しかしながら、上述した特許文献1に提案されるように溶湯の充填時間を好適に設定して吸引鋳造しても、羽根車の羽根部には、不廻りや湯境といった鋳造欠陥や、ガス巻込みに起因する鋳造欠陥を生じることがあった。これは、湯口からキャビティへ入った溶湯の流れに起因すると考えられた。また、キャビティに残存するガスが、羽根部の先端付近に対応する個所に残存することによると考えられた。
また、羽根部における上記鋳造欠陥を防止するため、上述した特許文献2に提案されるように石膏鋳型を180〜250℃に設定して鋳造してみた。しかしながら、羽根車の羽根部にはガス巻込みに起因する鋳造欠陥を生じることがあった。
本発明の目的は、石膏鋳型を用いた吸引鋳造法により羽根車を鋳造形成するにあたり、鋳造欠陥の発生を防止し、高品質で信頼性の高い羽根車を安定して形成できる、羽根車の製造方法を提供することである。
本発明者は、吸引された溶湯がキャビティへ充填される際、羽根車の羽根部に対応する位置において、溶湯の流れが不安定になることを突き止めた。そして、石膏鋳型を介してキャビティを減圧する際、石膏鋳型における羽根車形状の羽根部を画成する部分の外周を介してキャビティを減圧することにより、羽根部に対応する位置における溶湯の流れを安定化できることを見出して本発明に到達した。
すなわち本発明は、羽根車形状に対応する空間形状を有するキャビティが通気性を有する石膏部材と冷し金で画成され、前記冷し金に対向する位置に湯口部を有する石膏鋳型を、前記石膏鋳型の羽根車形状の羽根部を画成する部分の外周が減圧空間となるチャンバー内に導入し、該チャンバーに設置された減圧制御部により圧力を制御しつつ、前記減圧空間を減圧することにより前記石膏鋳型を介して前記キャビティを減圧し、前記湯口部から溶湯を吸引して前記キャビティに鋳造する、羽根車の製造方法である。
本発明において望ましくは、石膏鋳型のキャビティは、ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面とディスク面を有するハブディスク部と、複数の長羽根と短羽根が前記ハブ面に交互隣接して配設される羽根部とを有する羽根車形状に対応する空間形状を有し、前記ディスク面に対応する空間形状が冷し金により画成されている、羽根車の製造方法である。
また、鋳造時には、石膏鋳型が、180〜230℃に加熱された状態で鋳造することが望ましい。
また、鋳造時には、石膏鋳型が、180〜230℃に加熱された状態で鋳造することが望ましい。
本発明の羽根車の製造方法は、アルミニウム合金を用いて鋳造形成する場合に適用できる。
本発明の製造方法によれば、羽根車の羽根部に生じることがあったガス巻込みに起因する鋳造欠陥の発生を十分に低減できる。また、不廻りや湯境といった鋳造欠陥も同様に低減できる。それが故に、高品質で信頼性の高い羽根車を安定して供給できる。また、本発明では、例えばコンプレッサ羽根車に好適な高強度のアルミニウム合金を使用することができ、これにより高い空力学的性能を有するコンプレッサ羽根車を安定して形成できるようになる。よって、本発明は、工業上極めて有益な技術となる。
本発明の羽根車の製造方法における重要な特徴は、上述したように石膏鋳型を介してキャビティを吸引する際、石膏鋳型の羽根車形状の羽根部を画成する部分の外周を介してキャビティを減圧したことである。これにより、減圧によって湯口部からキャビティへ注入された溶湯に対して、羽根車の羽根部の先端方向に対応する側からの吸引力を直接作用させることができる。それ故に、本発明においては羽根部の先端にまで溶湯を確実に注入することができ、羽根部の先端に生じていた溶湯の不廻りといった鋳造不良が抑制される。
また、上記構成により、キャビティの羽根部の先端付近に対応する個所に残存するガスを、石膏鋳型を介して排出することができる。これにより、溶湯に押しやられたガスが、羽根部の先端付近に対応する個所に残存することがなくなり、それ故に、羽根部の先端に生じていたガス巻込みに起因する鋳造不良が抑制される。
また、本発明においては、チャンバーに減圧制御部を設置する。減圧制御部を設けることにより、減圧空間の圧力を制御することができる。これはすなわち、石膏鋳型を介し、キャビティの圧力が制御できることを意味する。つまり、キャビティに溶湯を吸引して充填するために作用させる溶湯への吸引力が制御できる。
例えば、真空ポンプなどを駆動して減圧空間を減圧する際、あまりにも短時間のうちにキャビティが減圧されると、湯口部から吸引される溶湯には過大な吸引力が作用することとなる。このような場合、本発明によれば、減圧制御部を具備することで、溶湯に作用する吸引力を初期段階から制御できるため、キャビティに充填される溶湯の湯面のゆらぎを抑制でき、キャビティの羽根部に対応する空間に流れ込む溶湯の流れの乱れを抑制することができる。
また、本発明においては、減圧制御部を具備することで、所望する圧力パターンを設定して減圧空間の圧力を制御することもできる。例えば、溶湯が羽根部に対応する空間に達するまでの減圧の初期には、減圧量を小さく設定しておく。次いで、溶湯が羽根部に対応する空間に十分に充填するまでの減圧の中期には、減圧量を初期よりも大きくほぼ一定に設定しておく。そして、この後に溶湯がキャビティに十分に充填され凝固までの減圧の終期には、減圧量をさらに大きく設定しておくといった圧力パターンを設定することができる。
このような圧力パターンによれば、上述の効果が得られることに加え、キャビティに対して溶湯は、初期には静かに緩やかに充填され、中期には速やかに充填されつつもその流れは乱れ難く制御される。そして終期には、キャビティの残留ガスが吸引されて排出されるとともに、キャビティからの溶湯の逆流が防止される。特にキャビティの羽根部の先端付近に対応する位置の残留ガスが吸引により積極的に排出されることから、羽根車の羽根部において生じやすいガス巻込みや溶湯の不廻りを抑制することができる。
また、本発明においては、羽根車形状のキャビティを画成するにおいて、羽根車のディスク面に対応する空間形状を、冷し金を用いて画成している。羽根車形状を有するキャビティにおいては、ディスク面を有するハブディスク部に対応する空間は、羽根部に対応する空間に比べ、容積が極めて大きく画成される。それ故に、ハブディスク部に対応する個所では、充填された溶湯の凝固が遅く、ディスク面などに凝固時の歪みなどに起因する鋳造欠陥を生じやすい。このような場合、ディスク面に対応する空間形状の画成に冷し金を用いることで、溶湯からの抜熱を、冷し金によってディスク面の側へと促進させることができる。従って、ハブディスク部に対応する個所の凝固が促進され、凝固時に生じる歪みなどが抑制される。
また、本発明においては、冷し金を設けることで凝固組織を緻密化することもでき、また、凝固組織に対し、湯口部から冷し金に向かって指向性を付与することもできる。凝固組織を緻密化することや、凝固組織に指向性を付与することは、凝固時の歪みのさらなる低減が期待できる。これとともに、鋳造形成された羽根車は、引張強さや疲労強度などの機械特性のさらなる向上が期待できる。
以下、本発明の製造方法の一例について、図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明の製造方法を適用した吸引鋳造装置の一例であって、吸引鋳造装置1における要所を模式的に示す構成図である。また、図2は、吸引鋳造装置1を用いて鋳造形成された羽根車の一例であって、自動車の過給機に使用されるコンプレッサ羽根車(以下、羽根車20という)を示す模式図である。この羽根車20は、ハブ軸部21から半径方向に延在するハブ面22とディスク面23を有するハブディスク部24と、複数の長羽根25と短羽根26がハブ面22に交互隣接して配設される羽根部とを有する。また、長羽根25および短羽根26は空力学的曲面を有しており、また隣接する羽根間には半径方向外方に向かってアンダーカットが形成されている。
図1は、本発明の製造方法を適用した吸引鋳造装置の一例であって、吸引鋳造装置1における要所を模式的に示す構成図である。また、図2は、吸引鋳造装置1を用いて鋳造形成された羽根車の一例であって、自動車の過給機に使用されるコンプレッサ羽根車(以下、羽根車20という)を示す模式図である。この羽根車20は、ハブ軸部21から半径方向に延在するハブ面22とディスク面23を有するハブディスク部24と、複数の長羽根25と短羽根26がハブ面22に交互隣接して配設される羽根部とを有する。また、長羽根25および短羽根26は空力学的曲面を有しており、また隣接する羽根間には半径方向外方に向かってアンダーカットが形成されている。
上述の複雑な形状を有する羽根車20は、吸引鋳造装置1を用いて吸引鋳造することにより鋳造形成できる。吸引鋳造装置1は、溶湯13の湯面上方に設置され、羽根車形状に対応する空間形状を有するキャビティ5と湯口部6を有する石膏鋳型2と、この石膏鋳型2を内部に導入したチャンバー7を備えている。また、チャンバー7には、減圧空間8に連通する減圧制御部9が設置され、減圧制御部9には吸引ポンプ10が接続されている。また、石膏鋳型2は、機密性を有する支持部材11、12で支持されてチャンバー7に対して位置決め配置されている。これにより、吸引鋳造において減圧空間8に機密性が確保される。
石膏鋳型2に有するキャビティ5は、羽根車形状に対応する空間形状を有するように、通気性を有する石膏部材3と、冷し金4とで画成されている。このキャビティ5によれば、冷し金4の形状に対応して羽根車20のハブディスク部24のディスク面23が形成される。また、石膏部材3により画成された空間形状に対応し、羽根車20のハブ軸部21、ハブディスク部24のハブ面22、および長羽根25と短羽根26からなる羽根部が形成される。
また、湯口部6は、冷し金4に対向する位置に設けられ、羽根車20においてはハブ軸部21の延長方向に対応している。
また、湯口部6は、冷し金4に対向する位置に設けられ、羽根車20においてはハブ軸部21の延長方向に対応している。
本発明では、チャンバーの内部は、石膏鋳型の羽根車形状の羽根部を画成する外周が減圧空間となるように構成している。この減圧空間は、例えば上述した羽根車20を吸引鋳造するにおいては、キャビティ5における羽根車20の羽根部の外周部となる石膏部材3の外周に設けることができる。つまり、キャビティ5の長羽根25と短羽根26に対応する空間形状の外周部に、減圧空間8を設けることができるのである。この構成により、キャビティ5の長羽根25と短羽根26に対応する空間と、チャンバー7の減圧空間8とを、通気性を有する石膏部材3を介して連通させることができる。
また、本発明では、減圧吸引装置1の吸引ポンプ10を駆動してキャビティ5を減圧する際には、チャンバー7に設置した減圧制御部9によって圧力を制御しつつチャンバー7の減圧空間8を減圧することができる。これにより、減圧空間8が減圧され、次いで石膏鋳型2を介し、減圧空間8に連通するキャビティ5が減圧される。このキャビティ5の減圧によって遂には、溶湯13のプールに挿入された湯口部6から溶湯13が吸引されてキャビティ5へ充填される。
以上、石膏鋳型を用いた吸引鋳造法により羽根車を鋳造形成するにあたり、本発明によれば、溶湯の不廻りやガス巻込みといった鋳造欠陥の発生を抑制できる。また、本発明によれば、鋳物であっても高品質で信頼性の高いコンプレッサ羽根車などの羽根車を安定して鋳造形成できる。
次に、本発明の羽根車の製造方法における望ましい構成例や適用例について説明する。
石膏鋳型におけるキャビティは、ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面とディスク面を有するハブディスク部と、複数の長羽根と短羽根がハブ面に交互隣接して配設される羽根部とを有する羽根車形状に対応する空間形状を有することができる。また、ディスク面に対応する空間形状は、望ましくは冷し金によって画成することである。このような構成の石膏鋳型を用いて本発明を適用することにより、例えば、船舶、建設機械、自動車等において過給機の吸気側に使用されるコンプレッサ羽根車を鋳造形成できる。コンプレッサ羽根車は、上述したように複雑な形状が所望されるとともに鋳造欠陥が防止された高品質かつ高信頼性が所望されることから、本発明の製造方法を適用することが好適である。
石膏鋳型におけるキャビティは、ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面とディスク面を有するハブディスク部と、複数の長羽根と短羽根がハブ面に交互隣接して配設される羽根部とを有する羽根車形状に対応する空間形状を有することができる。また、ディスク面に対応する空間形状は、望ましくは冷し金によって画成することである。このような構成の石膏鋳型を用いて本発明を適用することにより、例えば、船舶、建設機械、自動車等において過給機の吸気側に使用されるコンプレッサ羽根車を鋳造形成できる。コンプレッサ羽根車は、上述したように複雑な形状が所望されるとともに鋳造欠陥が防止された高品質かつ高信頼性が所望されることから、本発明の製造方法を適用することが好適である。
また、本発明においては、吸引鋳造するにおいて、石膏鋳型を180〜230℃に加熱した状態で鋳造を行うことが望ましい。石膏鋳型を高温に加熱しておくことにより、減圧によってキャビティに吸引された溶湯が、羽根車形状の空間に十分に充填される前に凝固もしくは半凝固してしまう不具合が抑制される。
また、チャンバーの外側に露出することとなる石膏鋳型の湯口部の外周には、通気の抑制ができるコーティングなどを施すことも望ましい。これにより、キャビティが減圧されて湯口部から溶湯が吸引される際、チャンバーの外側に露出する石膏鋳型の壁面を介し、大気などのガスがキャビティに漏れ入ることを抑制できる。
また、本発明では、アルミニウム合金からなる溶湯を鋳造することができる。アルミニウム合金は、石膏鋳型の石膏部材に対して反応し難く、鋳造性や成形性も良好である。また、例えばFe系合金、Ni系合金、Ti系合金などに比べて比重が小さく、比強度や比応力といった質量当たりの機械特性に優れ、羽根車の材質としては好適である。特に、高速回転して使用され、鋳物であっても高い強度や疲労強度が所望されるコンプレッサ羽根車には好適である。
このようなアルミニウム合金としては、例えば、米国材料試験協会(ASTM)規定の354.0(Al−9%Si−1.8%Cu−0.5%Mg合金)や355.0(Al−5%Si−1.3%Cu−0.5%Mg合金)などや、JIS−AC4C(でAl−7%Si−0.3%Mg合金)あるいはAl−4.5%Cu−1.5%Ni−1.6%Mg−0.5%Si−0.1%Tiなどが使用できる。上記数値はいずれも質量%で示す。
本発明の製造方法によって得られる羽根車は、例えば、船舶、建設機械、自動車等において、内燃機関からの排気ガスを利用して圧縮空気を送るために用いられる過給機の吸気側に使用されるコンプレッサ羽根車などの羽根車の鋳造形成に適用できる。
1.吸引鋳造装置、2.石膏鋳型、3.石膏部材、4.冷し金、5.キャビティ、6.湯口部、7.チャンバー、8.減圧空間、9.減圧制御部、10.真空ポンプ、11.支持部材、12.支持部材、13.溶湯、20.羽根車、21.ハブ軸部、22.ハブ面、23.ディスク面、24.ハブディスク部、25.長羽根、26.短羽根
Claims (4)
- 羽根車形状に対応する空間形状を有するキャビティが通気性を有する石膏部材と冷し金で画成され、前記冷し金に対向する位置に湯口部を有する石膏鋳型を、前記石膏鋳型の羽根車形状の羽根部を画成する部分の外周が減圧空間となるチャンバー内に導入し、該チャンバーに設置された減圧制御部により圧力を制御しつつ、前記減圧空間を減圧することにより前記石膏鋳型を介して前記キャビティを減圧し、前記湯口部から溶湯を吸引して前記キャビティに鋳造することを特徴とする羽根車の製造方法。
- 石膏鋳型のキャビティは、ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面とディスク面を有するハブディスク部と、複数の長羽根と短羽根が前記ハブ面に交互隣接して配設される羽根部とを有する羽根車形状に対応する空間形状を有し、前記ディスク面に対応する空間形状が冷し金により画成されていることを特徴とする請求項1に記載の羽根車の製造方法。
- 石膏鋳型が、180〜230℃に加熱された状態で鋳造されることを特徴とする請求項1または2に記載の羽根車の製造方法。
- アルミニウム合金からなる溶湯を鋳造することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の羽根車の製造方法。
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