JP3126582U - ダイカスト製コンプレッサ羽根車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ハブ軸部と、該ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面を有するハブ・ディスク部と、前記ハブ面に配設された交互に隣接する複数の長羽根と短羽根とを有する羽根部とからなり、隣接する一対の長羽根の間に形成される各ブレード空間には前記ハブ軸部から半径方向外方に向かってアンダーカットを有し、前記ハブ軸部および前記ハブ・ディスク部の深さ2mm以内の表層と前記羽根部には平均粒径15μm以下の鋳造組織が形成され、前記ハブ軸部および前記ハブ・ディスク部の中心部には平均粒径50μm以下の鋳造組織が形成されている、ダイカスト製コンプレッサ羽根車である。
【選択図】 図1
Description
この過給機に使用されるコンプレッサ羽根車は、使用温度環境が100〜150℃程度であることから、従来よりアルミニウム合金が多用されている。
また、従来のアルミニウム合金によるよりも軽量化できて耐熱性を有する、例えば特開2004−232060号公報(特許文献2)で提案される耐熱マグネシウム合金等の適用も検討されつつある。
また、これとともに、上述したようにコンプレッサ羽根車をさらに高速回転させるにおいて課題とされる、軽量化、高強度化、耐熱化が望まれている。
本考案の目的は、上述の問題を解決し、従来のコンプレッサ羽根車よりも高強度化が可能であって、安価に大量生産することが可能なコンプレッサ羽根車を提供することである。
すなわち、本考案は、ハブ軸部と、該ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面を有するハブ・ディスク部と、前記ハブ面に配設された交互に隣接する複数の長羽根と短羽根とを有する羽根部とからなり、隣接する一対の長羽根の間に形成される各ブレード空間には前記ハブ軸部から半径方向外方に向かってアンダーカットを有し、前記ハブ軸部および前記ハブ・ディスク部の深さ2mm以内の表層と前記羽根部には平均粒径15μm以下の鋳造組織が形成され、前記ハブ軸部および前記ハブ・ディスク部の中心部には平均粒径50μm以下の鋳造組織が形成されている、ダイカスト製コンプレッサ羽根車である。
そしてまた、アルミニウム合金を用いて形成されている、またはマグネシウム合金を用いて形成されている、あるいはチタニウム合金を用いて形成されている、ダイカスト製コンプレッサ羽根車であってよい。
そして、本考案のダイカスト製コンプレッサ羽根車は、前記ハブ軸部および前記ハブ・ディスク部の深さ2mm以内の表層と前記羽根部には平均粒径15μm以下の鋳造組織が形成され、前記ハブ軸部および前記ハブ・ディスク部の中心部には平均粒径50μm以下の鋳造組織が形成されている。
このように、羽根車をダイカスト形成することにより、羽根車の表面側の凝固速度を格段に高めて急冷し、中心部に向かって凝固速度を次第に低減させ、これにより、羽根車の凝固組織を、表面側から中心部に向かって連続的に、微細で均一な凝固組織から、より平均粒径の大きい凝固組織へと変化させながら形成することができる。
よって、本考案のダイカスト製コンプレッサ羽根車は、高強度な表層および羽部と、高強度かつ適度な靭性をあわせ持つハブ軸部およびハブ・ディスク部を有することとなり、さらに常温での機械加工性をも有し、空力学的特性向上に寄与できる、優れたコンプレッサ羽根車となる。
図1は、自動車用ターボチャージャの吸気側に使用されるコンプレッサ羽根車1(以下、羽根車1という)の模式図である。羽根車1は、ハブ軸部2と、このハブ軸部2から半径方向に延在するハブ面3を有するハブ・ディスク部4と、ハブ面3に配設された交互に隣接する複数の長羽根5と短羽根6とを有する羽根部とからなり、合計12枚の長羽根5と短羽根6を有する。
このような羽根車の場合、薄肉である羽根部に対しハブ軸部およびハブ・ディスク部は塊状となり、羽根車に対する羽根部全体の容積を10〜30%に形成してよい。
具体的には、まず、ハブ軸部と、このハブ軸部から半径方向に延在するハブ面を有するハブ・ディスク部と、ハブ面に配設された交互に隣接する複数の長羽根と短羽根とを有する羽根部とからなる、コンプレッサ羽根車の形状に対応するキャビティを有する金型を準備する。そして、このキャビティ内に溶融材料または半溶融材料を、1秒以下の充填時間で供給し、かつ、引き続き充填されたキャビティ内の溶融材料または半溶融材料に対して20MPa以上の圧力を1秒以上加え、その加圧状態を維持するダイカスト法によってコンプレッサ羽根車が製造される。
金型のキャビティに注入する材料の注入温度は、好ましくは液相線温度以上とすることであり、すなわち溶融材料を使用することである。これは、キャビティに到達する前に、注入する材料が凝固してしまうことが防止されるからである。また、注入する材料の温度は、材料の成分を確保でき、鋳造時の材料の飛散やガスの巻き込み等に起因する不具合を生じない限り、幾ら高温であっても構わない。
また、金型のキャビティは、予め0.5MPa以下に減圧しておくことが好ましい。ダイカスト形成においては、キャビティに材料を高速で注入するため、キャビティ内の材料の廻り状態によっては空気やガス等の気体を巻き込みやすい。そこで、予め0.5MPa以下に減圧しておき、このような不具合を低減させる。より好ましくは0.05MPa以下、さらに0.005MPa以下に減圧しておくことである。
図3に金型装置の一例を示す。金型は、羽根車の軸線方向9に開閉自在な可動金型21と固定金型22、および羽根車の軸線方向9に対して半径方向に移動可能なスライド金型23とスライド支持具24とから構成されている。図4は、固定金型22の要部矢視図であり、明確化のためスライド金型23とスライド支持具24とをそれぞれ1個のみ記載している。図5は、スライド金型23の模式図である。
上述した短羽根形状の有底溝部33を有するスライド金型23を用いることにより、短羽根6の基部すなわちハブ面3との付け根部にはパーティングライン(型割線)が形成されることはない。また、同様に、隣接する一対の長羽根5とともにブレード空間8を画成するハブ面3には、パーティングライン(型割線)が形成されることはない。このため、ハブ面3およびブレード面7において流体抵抗を低減することができ、コンプレッサ羽根車の空力学的特性の向上に寄与できる。
コンプレッサ羽根車には、上述した通り、可能な限りの軽量や、更なる高速回転に耐え得るために高強度や200℃を超える域での耐熱性等が望まれている。このような材料としては、アルミニウム合金、マグネシウム合金、あるいはチタニウム合金等の比較的軽量な合金が好ましい。より好ましい材料は、マグネシウム合金である。
よって、マグネシウム合金を用いたコンプレッサ羽根車は、更なる高速回転に対応可能となり、また、チタニウム合金を用いた羽根車よりも廉価に供給可能となる。
また、マグネシウム合金を溶融させた溶湯は、大気中で取り扱うこともできるが、例えば、希土類元素等を含む溶湯は酸化しやすく、このような溶湯を用いる場合には、アルゴン等の不活性ガス、N2ガス、COガス、CO2ガス等を使用し、酸素を遮断した雰囲気中で取り扱うことが好ましい。
具体的には、羽根車の材料としては、マグネシウム合金である液相線温度595℃のASTM規格AZ91Dを選定し、これを溶解して溶湯を準備した。そして、この溶湯を、図3に示す金型装置を配設したダイカスト成形機に供給し、図5に示す複数のスライド金型23等により画成した金型のキャビティ内に注入後、加圧維持して羽根車の成形体を凝固させた。このとき、溶湯注入前のキャビティ内は大気雰囲気とした。また、キャビティへの溶湯注入は、溶湯温度640℃、充填時間0.02秒に調整した。溶湯充填後は、圧力40MPaで加圧して2秒間その加圧状態を維持した。この後、溶湯が凝固するまで十分に冷却した。
図6は、スライド金型23とスライド支持具24との接合構造を示す側面図であり、スライド金型23は、その回転軸27にベアリング28を介して固定ピン29を差込んでスライド支持具24と連結させた。また、スライド支持具24の底部にガイドピン30を設け、スライド支持具24を図4に示す固定金型22に設けた溝26に沿って軸線方向9の半径方向外方に引き出す案内とした。
図8は、長羽根におけるハブ軸部の軸線方向にほぼ垂直な断面であり、羽根先端から4mm、肉厚1.15mm付近の鋳造組織である。図9は、ハブ・ディスク部断面のハブ面の表層であり、ハブ・ディスク部の最外径部から内側に10mm、深さ2mm付近の鋳造組織である。図10は、ハブ・ディスク部の最外径部を形成する平面とハブ軸部の軸線方向とが交差する羽根車の中心部付近の鋳造組織である。
Claims (7)
- ハブ軸部と、該ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面を有するハブ・ディスク部と、前記ハブ面に配設された交互に隣接する複数の長羽根と短羽根とを有する羽根部とからなり、隣接する一対の長羽根の間に形成される各ブレード空間には前記ハブ軸部から半径方向外方に向かってアンダーカットを有し、前記ハブ軸部および前記ハブ・ディスク部の深さ2mm以内の表層と前記羽根部には平均粒径15μm以下の鋳造組織が形成され、前記ハブ軸部および前記ハブ・ディスク部の中心部には平均粒径50μm以下の鋳造組織が形成されていることを特徴とするダイカスト製コンプレッサ羽根車。
- 外径7〜30mmのハブ軸部と、外径30〜120mmで最外周部肉厚2〜5mmのハブ・ディスク部と、合計8〜14枚の長羽根と短羽根とを有する羽根部とからなり、該羽根部は、先端付近肉厚0.2〜2mm、中央付近肉厚1〜5mm、ハブ面近傍の付け根付近肉厚1.5〜8mm、全体積比10〜30%に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト製コンプレッサ羽根車。
- 短羽根の基部にはパーティングラインが存在しないことを特徴とする請求項1または2に記載のダイカスト製コンプレッサ羽根車。
- 隣接する一対の長羽根とともにブレード空間を画成するハブ面にはパーティングラインが存在しないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のダイカスト製コンプレッサ羽根車。
- アルミニウム合金を用いて形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のダイカスト製コンプレッサ羽根車。
- マグネシウム合金を用いて形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のダイカスト製コンプレッサ羽根車。
- チタニウム合金を用いて形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のダイカスト製コンプレッサ羽根車。
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