JP2011115830A - 内燃機関用ピストンの製造方法及び装置 - Google Patents

内燃機関用ピストンの製造方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】鋳巣やブリスターの発生を防止するとともに、ピストン製品に組織偏析や染み出しが生じないようにする。
【解決手段】内燃機関用ピストンを無孔性ダイカスト法で鋳造するための金型1には、ピストン製品10を成形するキャビティ2と、キャビティ2に連通する一対の加圧室3とが形成されており、一対の加圧室3は、キャビティ2のヘッド部部分2aを挟んで対向するように配置され、それぞれヘッド部部分2aの側面に対応する位置で、ピンボス部部分2bの直近で連通する。キャビティ2と加圧室3とはキャビティ2側に向かって扇状に広がるファンゲート4により連通する。キャビティ2及び加圧室3に注湯した後、加圧室3において加圧部材5により局部的に加圧する、すなわち二次加圧をピストン製品10外でピンボス部の直近で間接的に行うことにより、ピストン製品10に組織偏析や染み出しが生じないようにすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関用ピストンをダイカスト法で鋳造する内燃機関用ピストンの製造方法及びそれに用いられる装置に関する。
近年、自動車のエンジン等に使用される内燃機関用ピストンには、アルミニウム合金のダイカスト材が使用されるようになっている。
内燃機関用ピストンの鋳造の際には、酸素等の活性ガス雰囲気中で鋳込みを行い、溶湯へのガスの巻込みによる微少孔の発生を防ぐ、無孔性ダイカスト法が利用される。無孔性ダイカストで製造されるダイカストピストンは、普通ダイカスト鋳物に比べ残留ガス量が非常に少ないため、溶体化を含む熱処理が可能となり高品位なダイカストピストンが得られる(無孔性ダイカスト品の一般的な残留ガス量は3cc/100gAl以下)。
但し、残留ガス量が少ない無孔性ダイカストピストンでも、操業において金型キャビティ内にて活性ガスへ置換できない大気、水溶性離型剤から発生する水蒸気等を完全に皆無にできず、バルブリセス等の複雑形状を有するピストンのヘッド冠面にて局所的に巻込まれる場合がある。これにより、熱処理工程の溶体化時にある温度以上ではヘッド冠面にブリスターが発生するため、従来の無孔性ダイカストピストンは溶体化の温度や時間について制限され、無孔性ダイカストピストンの材料物性について限界が生じる。
内燃機関用ピストンの製造方法に関して、例えば特許文献1には、略円板形をしたヘッド壁とこのヘッド壁から延びたピンボス部及びスカート部を有する内燃機関用ピストンをダイカスト法で鋳造する際、溶湯を金型のダイキャビティ内に注湯する前に、加圧部材を予めキャビティ内に突出させておき、溶湯を金型のダイキャビティ内に注湯した後、注湯された溶湯の表層部が凝固し、内部に未凝固部分が残っている状態のときに、前記加圧部材をさらに突出させてピストンのピンボス部を局部的に加圧することが開示されている。ピンボス部の周辺は、元々ピストンにおいて鋳巣の発生し易い厚肉部であるが、このピンボス部を加圧することにより、できかけた鋳巣に効率よく溶湯を補給することができ、鋳巣の発生を抑制することができる。
特許第3967305号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているようにピンボス部を局部的に加圧する場合、加圧場所がブリスターの発生するヘッド冠面から離れているため、ブリスターの発生を防止する効果は期待できない。また、ピストン製品を直接に加圧するため、ピストン製品に組織偏析や染み出しが生じ易い。加えて、特許文献1では、ピンボス部のピン穴は必ず底付き孔になり切削加工を必要とするため、加工代が多くなり、歩留り低下やコスト上昇につながる。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、鋳巣やブリスターの発生を防止するとともに、ピストン製品に組織偏析や染み出しが生じないようにすることを目的とする。更には、ピンボス部のピン穴の形成に際して、歩留り低下やコスト上昇を避けることを目的とする。
本発明の内燃機関用ピストンの製造方法は、ヘッド部と、前記ヘッド部の下面側で延出するピンボス部とを有する内燃機関用ピストンをダイカスト法で鋳造する内燃機関用ピストンの製造方法であって、金型には、前記内燃機関用ピストンを成形するキャビティと、前記キャビティに連通する加圧室とが形成されており、前記キャビティ及び前記加圧室に注湯した後、前記加圧室において加圧部材により加圧することを特徴とする。
また、本発明の内燃機関用ピストンの製造方法の他の特徴とするところは、前記加圧室は前記キャビティのヘッド部部分の側面に対応する位置で連通する点にある。
また、本発明の内燃機関用ピストンの製造方法の他の特徴とするところは、前記キャビティと前記加圧室とは前記キャビティ側に向かって扇状に広がるファンゲートにより連通する点にある。
また、本発明の内燃機関用ピストンの製造方法の他の特徴とするところは、前記ピンボス部に鋳抜きによりピン穴を形成する点にある。
また、本発明の内燃機関用ピストンの製造方法の他の特徴とするところは、前記加圧部材による二次加圧の開始タイミングを、前記金型に注湯する射出プランジャの圧力に基づいて制御する点にある。
本発明の内燃機関用ピストンの製造装置は、ヘッド部と、前記ヘッド部の下面側で延出するピンボス部とを有する内燃機関用ピストンをダイカスト法で鋳造する内燃機関用ピストンの製造装置であって、前記内燃機関用ピストンを成形するキャビティ及び前記キャビティに連通する加圧室が形成された金型と、前記加圧室の溶湯を加圧する加圧部材とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、鋳巣やブリスターの発生を防止するとともに、ピストン製品に組織偏析や染み出しが生じないようにすることができる。更には、ピンボス部に鋳抜きによりピン穴を形成することにより、歩留り低下やコスト上昇を避けることができる。
本実施形態において鋳造されるピストン製品の概略構成を示す平面図である。 本実施形態において用いられる金型及び加圧部材の概略構成を示す断面図である。 二次加圧による圧力伝播を説明するための図である。 二次加圧による圧力伝播を説明するための図である。 内燃機関用ピストンの一例を示す図である。 無孔性ダイカスト法の鋳造装置の概要を示す図である。 実施例2のゲート形状を示す図である。 実施例3においてアルミニウム合金A,Bを用いて鋳造した場合の熱処理の溶体化処理条件下での強度と伸びの結果を示す特性図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
内燃機関用ピストン100は、図5に示すように、略円板形のヘッド部101と、ヘッド部101の下面側で延出するピンボス部102と、筒形のスカート部103とを有し、ピンボス部102にはピストンピン104を支持するためのピン穴102aが形成される。ピストンピン104にはコネクティングロッド105が装着される。また、ピストン100の上部にはリング溝106が形成され、ピストンリングが取り付けられる。内燃機関では、ヘッド部101が燃焼室の一部を形成し、ここから爆発力を受けてピストン100が往復運動する。ピストン100の往復運動は、コネクティングロッド105を介して回転運動に変換され、不図示のクランクシャフトに伝達される。
本発明は、かかる内燃機関用ピストンをダイカスト法で鋳造する技術に関するものであり、以下、その実施形態を説明する。図6は、無孔性ダイカスト法の鋳造装置の概要を示す図である。無孔性ダイカスト法は、アルミニウム合金溶湯(以下、単に溶湯ともいう)201を注湯する前に金型202のキャビティ202a内へ射出スリーブ203に設けてある導入管204から活性ガスとして酸素を供給し、その後溶湯201を射出プランジャ205にて圧入する方式である。また、キャビティ202a内のピストン製品を局部的に加圧(二次加圧)する加圧ピン206が設けられる。なお、図6は一般的な無孔性ダイカスト法の鋳造装置の概要を説明するための図であり、キャビティ202aの形状や加圧ピン206の位置等は本実施形態のものとは異なる。
図1は、本実施形態において鋳造されるピストン製品10の概略構成を示す平面図である。11はヘッド部、11aはヘッド冠面、12は後述する加圧室3により成形される円板形の二次加圧ボス部、13は後述するファンゲート4により成形されるゲート部である。これら二次加圧ボス部12及びゲート部13は後工程で取り除かれ、図5に示したような内燃機関用ピストン100へと加工される。
図2は、本実施形態において用いられる金型1の概略構成を示す断面図である。可動型及び固定型からなる金型1には、ピストン製品10を成形するキャビティ2と、キャビティ2に連通する一対の加圧室3とが形成される。一対の加圧室3は、キャビティ2のヘッド部部分2aを挟んで対向するように配置され、それぞれヘッド部部分2aの側面で、ピンボス部部分2bの直近で連通する。キャビティ2と加圧室3とは、キャビティ2側に向かって扇状に広がるとともに上面高さが低くなるファンゲート4により連通する。
また、加圧室3の溶湯を二次加圧する加圧ピン等の加圧部材5、及び、これを駆動する不図示の駆動機構が設けられる。
また、キャビティ2のピンボス部部分2bに鋳抜きピン6が出入できるように構成し、ピストン製品10のピンボス部に鋳抜きによりピン穴を形成する。これにより、ピンボス部の肉厚を減らし引け巣の発生度合を抑えるとともに、ピン穴を切削加工で行うのに比べて加工代を少なくし、歩留り低下やコスト上昇を避けることができる。
キャビティ2及び加圧室3に注湯した後、加圧室3において加圧部材5により局部的に加圧する。このように、二次加圧をピストン製品10外で間接的に行うことにより、ピストン製品10に組織偏析や染み出しが生じないようにすることができる。
加圧部材5による二次加圧の開始タイミング(加圧部材5の発進タイミング)は、射出プランジャ205の圧力に基づいて制御する。すなわち、キャビティ2及び加圧室3が溶湯で充填されると射出プランジャ205の圧力は略一定値に達するので、射出プランジャ205の圧力が該一定値に達したと略同時或いはやや遅れて二次加圧を開始する。二次加圧の開始タイミングは、早すぎると溶湯が未充填のおそれがあり、遅すぎると溶湯の凝固が進んでしまう。例えば射出プランジャ205の前進位置に基づいて二次加圧の開始タイミングを制御すると、注湯量のばらつきにより安定した二次加圧効果が得られない。それに対して、射出プランジャ205の圧力に基づいて二次加圧の開始タイミングを制御することにより、キャビティ2及び加圧室3に一定量の溶湯の充填完了後、二次加圧を開始することができ、安定した二次加圧効果が得られ、内部品質のばらつきが少ないピストン製品10が得られる。
また、キャビティ2と加圧室3とがファンゲート4により連通するので、図3、4の矢印に示すように、加圧室3での二次加圧により溶湯が補充されヘッド部部分2a及びピンボス部部分2bの全体に満遍なく二次加圧効果が伝わる。このように二次加圧効果をヘッド冠面11a全体及びピンボス部内部全体へ効かせることができ、ヘッド冠面11aに発生するブリスターや肉厚のピンボス部内部での鋳巣の発生を防止することができる。
以下に述べる実施例では、アルミニウム合金として高負荷ピストン用として開発した3種類のAl−Si−Cu−Mg−Ni系の合金を用いる。表1に3種類のアルミニウム合金の成分組成を示す。
Figure 2011115830
(実施例1)
溶湯清浄化処理されたアルミニウム合金Aの溶湯を用いて、上記実施形態で説明した無孔性ダイカスト法により鋳造する。加圧ピンの発進タイミングは、射出プランジャ205の圧力が140kg/cm2に到達した時点を溶湯が充填完了されたタイミングとし、その時点より0.1秒後とする。
アルミニウム合金Aを用いて鋳造したピストン製品10は、ピンボス部の鋳巣が極めて少なく内部品質が良好であった。また、残留ガス量については、ピストン製品10本体が1.7cc/100gAl、二次加圧ボス部12(ゲート部13含む)が2.9cc/100gAlとなり、極めて少なかった。残留ガス量が少ないということは、金型のキャビティ内の酸素置換及びアルミ溶湯の流動状態が良好であるといえる。
上述の二次加圧効果及び残留ガス量が極めて少ないことにより、溶体化490℃、保持時間1時間を含む熱処理後のピストン製品10は、ヘッド冠面11aを含めてブリスターの発生が極めて少ない健全なピストン製品となり、量産操業上問題の無い品質であった。
(実施例2)
図7に示すように、キャビティ2と加圧室3とを、加圧室3と同程度の幅のゲート7により連通し、それ以外は実施例1と同一条件で無孔性ダイカスト法により鋳造する。
実施例2では、残留ガス量については、ピストン製品10本体が2.6cc/100gAl、二次加圧ボス部12(ゲート部13含む)が5.2cc/100gAlとなり、ファンゲートとした実施例1よりも大幅に増加した。また、残留ガス量の定性分析の結果、ピストン製品10本体が約100%水素、二次加圧ボス部12(ゲート部13含む)が約60%水素+約30%窒素が検出された。この結果から、実施例1のようにファンゲートとすることにより、特に二次加圧ボス部12とゲート部13において大気から活性ガス(酸素)への置換及びアルミ溶湯の流動状態が良好であることがわかった。
また、実施例2では、肉厚のピンボス部内部の鋳巣は大きくなる傾向となり、また、熱処理後のブリスターはヘッド冠面11aに多発する傾向となった。この結果から、実施例1のようにファンゲートとすることにより、キャビティ2内への二次加圧効果範囲が充分拡大することがわかった。
(実施例3)
溶湯清浄化処理されたアルミニウム合金Bの溶湯を用いて、実施例1と同条件で無孔性ダイカスト法により鋳造する。
アルミニウム合金Bを用いて鋳造したピストン製品10は、ピンボス部に有害な鋳巣は認められず内部品質が良好であった。また、残留ガス量については、ピストン製品10本体が2.1cc/100gAlとなり、極めて少なかった。
但し、実施例1と同一条件の溶体化を含む熱処理を実施したところ、凹凸形状であるヘッド冠面11aで局所的に0.5mm程度の微細なブリスターが多く発生した。
そこで、アルミニウム合金Bでブリスターが多発する原因を追究するため、アルミニウム合金A,Bについて溶体化処理と同一雰囲気での引張り特性を調査した。アルミニウム合金A,Bをそれぞれ用いてピストン製品10を鋳造し、それぞれの鋳放し材のヘッド部11から試験片を採取して、ブリスターが発生する溶体化と同一雰囲気にて引張試験を実施した。引張試験は、イメージ炉にて490℃まで1.5時間の昇温で1時間保持後試験開始する。その結果の強度と伸びについて図8に示す。図8に示すように、アルミニウム合金Bの伸びがアルミニウム合金Aより非常に大きく、2.5倍以上の伸びを示した。
この結果から、アルミニウム合金Bの溶体化時(490℃,1時間保持)に多発するヘッド冠面11aのブリスターは、溶体化時のアルミニウム合金の伸びに起因するものと推測される。溶体化時のアルミニウム合金の伸びが大きい場合、ヘッド冠面11aに局所的に巻込まれたガスが熱により膨張し、それに伴ってアルミニウム合金が伸びてブリスターが発生し易くなると考えられる。したがって、アルミニウム合金Bにて発生するブリスター対策として、アルミニウム合金の溶体化時の伸びをアルミニウム合金Aと同程度に小さくすれば、ヘッド冠面11aに発生するブリスターは防止できると考えられる。
(実施例4)
アルミニウム合金Bの成分を基本に、Si量を11.5wt%からアルミニウム合金Aと同程度の15.6wt%へ増加させたアルミニウム合金Cを試作する。他の成分は同程度とする。溶湯清浄化処理されたアルミニウム合金Cの溶湯を用いて、実施例1と同条件で無孔性ダイカスト法により鋳造する。
鋳造して得られた鋳放し材のヘッド部11から試験片を採取して、実施例3と同様に溶体化時(490℃,1時間保持)の引張り特性について調査した。アルミニウム合金Cの溶体化時の引張り特性について、アルミニウム合金Cの溶体化時(490℃,1時間保持)の伸びはアルミニウム合金Bと同程度の24%、強度はアルミニウム合金Bよりも高く15MPaであった。
アルミニウム合金Cを用いて鋳造したピストン製品10は、ピンボス部の鋳巣が極めて少なく内部品質が良好であった。また、残留ガス量については、ピストン製品10本体が1.9cc/100gAl、二次加圧ボス部12(ゲート部13含む)が2.7cc/100gAlとなり、極めて少なかった。
また、溶体化490℃、保持時間1時間を含む熱処理後のブリスター発生状況は、凹凸形状であるヘッド冠面11aでのブリスターは0.5mm程度の大きさで、ショットブラストにより完全に除去可能である。すなわち、アルミニウム合金Cを用いて鋳造したピストン製品10は、実用上問題の無い品質を確保している。
(実施例5)
アルミニウム合金Cを用いて鋳造したピストン製品10について溶体化温度を変えて熱処理を実施し、溶体化温度に対するヘッド冠面11aに発生するブリスター状況について調査した。その結果を表2に示す。熱処理条件は、溶体化処理が460〜530℃にて4時間保持、55℃水冷の水焼入れ、時効処理が170℃にて6時間保持とする。
Figure 2011115830
表2に示すように、溶体化温度460〜510℃では0.5mm程度の微細なブリスターが発生するが、ショットブラストにより完全除去可能であり、実用上問題ない素材品質が確保できる。それに対して、溶体化温度520、530℃では、510℃以下と同様に、0.5mm程度の微細なブリスターが発生し、加えてピストン製品10表面に部分的なバーニング(局所的溶解)が認められる。したがって、溶体化温度520、530℃では実用上にて良好な素材品質が確保できない。
以上述べた実施例1〜実施例5により、本案にて提案する二次加圧部をピンボス製品10外でピンボス部の直近とする間接二次加圧、ゲート形状をファンゲートとする二次加圧方案、加えて溶体化時の伸びが10%程度の小さなアルミニウム合金を採用することにより、従来の無孔性ダイカストでは得られなかった高品位なダイカストピストン素材が製造可能となる。このようにして製造される内燃機関用ピストンは、従来のものより材料物性に優れ、鋳造欠陥の極めて少ない、安定した品質を有する高品位なダイカストピストンである。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
1:金型、2:キャビティ、2a:ヘッド部部分、2b:ピンボス部部分、3:加圧室、4:ファンゲート、5:加圧部材、6:鋳抜きピン、7:ゲート、10:ピストン製品、11:ヘッド部、11a:ヘッド冠面、12:二次加圧ボス部、13:ゲート部

Claims (6)

  1. ヘッド部と、前記ヘッド部の下面側で延出するピンボス部とを有する内燃機関用ピストンをダイカスト法で鋳造する内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    金型には、前記内燃機関用ピストンを成形するキャビティと、前記キャビティに連通する加圧室とが形成されており、
    前記キャビティ及び前記加圧室に注湯した後、前記加圧室において加圧部材により加圧することを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  2. 前記加圧室は前記キャビティのヘッド部部分の側面に連通することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
  3. 前記キャビティと前記加圧室とは前記キャビティ側に向かって扇状に広がるファンゲートにより連通することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
  4. 前記ピンボス部に鋳抜きによりピン穴を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
  5. 前記加圧部材による二次加圧の開始タイミングを、前記金型に注湯する射出プランジャの圧力に基づいて制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
  6. ヘッド部と、前記ヘッド部の下面側で延出するピンボス部とを有する内燃機関用ピストンをダイカスト法で鋳造する内燃機関用ピストンの製造装置であって、
    前記内燃機関用ピストンを成形するキャビティ及び前記キャビティに連通する加圧室が形成された金型と、
    前記加圧室の溶湯を加圧する加圧部材とを備えたことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013119854A (ja) * 2011-12-06 2013-06-17 Hyundai Motor Co Ltd 高圧鋳造シリンダブロックの熱処理方法
CN103231039A (zh) * 2013-04-16 2013-08-07 莆田市荣兴机械有限公司 一种制造下扣头的压铸模具
JP2017001060A (ja) * 2015-06-10 2017-01-05 日産自動車株式会社 鋳造成形品、及び該鋳造成形品を製造する低圧鋳造装置

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