JP5641984B2 - 作業機械 - Google Patents

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Description

本発明は、ホイールローダなどの作業機械に関するものである。
ホイールローダや油圧ショベルなどの作業機械では、建屋カバーで画成された機械室にエンジンや、エンジンの補機等が配設される。エンジンの補機として、たとえば、エンジン冷却用のラジエータや、エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを有する排気ガス浄化装置などが挙げられる。これら補機のうち、排気ガス浄化装置は、たとえば、エンジンに取り付けられたマウントに固定されている(特許文献1参照)。
特開2010−138832号公報
上述した特許文献に記載の作業機械のように、エンジンに取り付けられたマウントに排気ガス浄化装置を固定する場合、排気ガス浄化装置がエンジンから離れた位置に配設されるため、エンジンの振動によって排気ガス浄化装置が振動しやすくなる。そのため、排気ガス浄化装置のフィルタや排気ガス浄化装置に取り付けられる各種のセンサの許容加速度を超えて排気ガス浄化装置が振動するおそれがある。また、過給器やEGRクーラを搭載するなど、補機類の増加により、限られた車体スペース内で排気ガス浄化装置を固定するためのマウントをエンジンに取り付けるのが困難になりつつある。
(1) 請求項1の発明による作業機械は、作業機械のフレームと、作業機械の機械室内でフレームに支持されるエンジンと、エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを有する排気ガス浄化装置と、機械室を画成する建屋カバーと、建屋カバーを支持する部材であって、フレーム上に設けられる建屋カバー支持部材と、エンジンの上方で機械室を覆う部材であって、排気ガス浄化装置を機械室から上方に取り出すための開口を有し、少なくとも建屋カバー支持部材で支持されるエンジンフードと、エンジンフードに着脱可能に取り付けられて、開口を閉鎖または開放する開口カバーと、排気ガス浄化装置を載置する載置板がエンジンフードに吊り下げられている排気ガス浄化装置支持部材と、エンジンで吸入される空気を浄化するエアクリーナエレメントを有し、機械室のうち建屋カバー支持部材よりも前方に配設されて、直径よりも軸方向の長さが長い略円筒形状を呈するエアクリーナとを備え、建屋カバー支持部材は、フレームの左右端近傍からそれぞれ上方に延在する一対の支柱と、一対の支柱の上端に掛け渡された梁とを有し、一対の支柱のうちの少なくとも1本は、交換のために挿抜するエアクリーナエレメントとの干渉を防止するため、作業機械の左右方向の内側に向かって湾曲した湾曲部を有し、エアクリーナは、エアクリーナエレメントを交換のために取り外す際には、エアクリーナエレメントが湾曲部近傍で作業機械の左右方向の外側を通過して後方斜め外側に向かって抜き出され、新しいエアクリーナエレメントを取り付ける際には、エアクリーナエレメントが湾曲部近傍で作業機械の左右方向の外側を通過して前方斜め内側に向かって挿入されるように取り付けられていることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の作業機械において、排気ガス浄化装置支持部材は、載置板をエンジンフードから吊り下げる板状の吊り下げ板を有し、吊り下げ板は、排気ガス浄化装置が発する熱の伝達を抑制することを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の作業機械において、排気ガス浄化装置は、フィルタの前後差圧を検出する差圧センサを有し、開口カバーは、差圧センサの上方に相当する部位には通気用開口が設けられ、通気用開口には通気用開口を介した空気の流通を許可し、かつ、外部からの雨水の侵入を防止する雨水侵入防止カバーが設けられることを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項3に記載の作業機械において、雨水侵入防止カバーは、開口カバーに着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
本発明によれば、建屋カバーを支持する部材であってフレーム上に設けられる建屋カバー支持部材でエンジンフードを支持するように構成した。そして、排気ガス浄化装置を載置する載置板をエンジンフードに吊り下げるように構成した。これにより、排気ガス浄化装置の振動を抑制できるので、排気ガス浄化装置の耐久性、信頼性を向上できる。
ホイールローダの側面図である。 ホイールローダの平面図である。 ホイールローダの正面図である。 ホイールローダの背面図である。 後部車体を左側面から見た図である。 作動油タンクよりも後方の後部車体を正面から見た図である。 エンジンフードの斜視図である。 エンジンフードおよび排気ガス浄化装置マウントブラケットの斜視図である。 エンジンフードの支持状態を説明する斜視図である。 エンジンフードに取り付けられた開口カバーについて説明する斜視図である。 開口カバーから雨水侵入防止カバーを取り外した状態を説明する斜視図である。 エンジンフード、開口カバー、および排気ガス浄化装置について説明する斜視図である。 開口カバー、および排気ガス浄化装置について説明する斜視図である。 開口カバー、および排気ガス浄化装置について説明する側面図である。 図14における雨水侵入防止カバー近傍についての拡大図である。 エンジン室から外部への空気の流れを説明する図である。 排気ガス浄化装置の支持状態について説明する図である。 排気ガス浄化装置の点検や交換について説明する図である。 排気ガス浄化装置の点検や交換について説明する図である。 排気ガス浄化装置の点検や交換について説明する図である。 エアクリーナの配設状態について説明する図である。 エアクリーナの配設状態について説明する図である。 エアクリーナの配設状態について説明する図である。 エアクリーナの配設状態について説明する図である。 エアクリーナエレメントの交換について説明する図である。
図1〜25を参照して、本発明による作業機械の一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係る作業機械の一例であるホイールローダの側面図であり、図2は、このホイールローダ100の平面図である。図3は、ホイールローダ100の正面図であり、図4は、ホイールローダ100の背面図である。ホイールローダ100は、アーム111,バケット112,タイヤ113等を有する前部車体110と、運転室121,機械室(エンジン室)122,タイヤ123等を有する後部車体120とで構成される。エンジン室122は、建屋カバー130とエンジンフード140とで覆われている。後部車体120の後方にはカウンタウェイト124が取り付けられている。エンジン室122の前方には、作動油タンク125が設けられている。
アーム111はアームシリンダ117の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(ダンプまたはクラウド)する。前部車体110と後部車体120はセンタピン101により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ116の伸縮により後部車体120に対し前部車体110が左右に屈折する。説明の便宜上、本実施の形態では各図に記載したように前後左右方向および上下方向を規定する。また、本実施の形態では、各図において、ホイールローダ100を構成する部材のうち説明のために記載を省略する必要があるものについては、その一部または全部についての記載を省略している。
図5は、後部車体120を左側面から見た図であり、左側面の建屋カバー130および後述する排気ガス浄化装置マウントブラケット150の左側の側板を取り外した状態を示している。図6は、作動油タンク125よりも後方の後部車体120を正面から見た図であり、建屋カバー130を取り外した状態を示している。エンジン室122内で、エンジン301は後部車体120のエンジン取り付け用ブラケット120aに取り付けられている(図6)。なお、エンジン301にはEGRクーラ303等、様々な補機類が取り付けられているが、符号302を付した過給器(ターボチャージャ)も補機の1つである。
エンジン室122内で、エンジン301の上方には、エアクリーナ310と、排気ガス浄化装置320とが設けられている。エンジン室122の上方には、上述したようにエンジンフード140が設けられている。図7(a),(b)に示すように、エンジンフード140は、略矩形形状に組まれた枠部材141と、エンジンフード140を補強する補強部材142と、枠部材141および補強部材142の上部に取り付けられた天板143とを備えている。枠部材141は、左右に延在する前側の部材(前側部材)141aと、左右に延在する後側の部材(後側部材)141bと、前後に延在する右側の部材(右側部材)141cと、前後に延在する左側の部材(左側部材)141dとを有する。
補強部材142は、後述する排気ガス浄化装置着脱用開口143aを避けるようにして前後方向に延在する第1補強部材142aと、第1補強部材142aと右側部材141cとを接続する第2補強部材142bとを有する。枠部材141および補強部材142には、たとえば、ミゾ形鋼など、曲げに強い形状に成形された鋼材などが用いられている。このように、エンジンフード140の強度を枠部材141および補強部材142で確保することで、後述するように、排気ガス浄化装置マウントブラケット150を介して排気ガス浄化装置320を支持できる。
天板143には、排気ガス浄化装置着脱用開口143aと、吸気管用開口143bとが設けられている。排気ガス浄化装置着脱用開口143aは、後述するように、エンジンフード140を取り外すことなく、排気ガス浄化装置320を着脱するためにエンジンフード140に設けられた開口である。
図8(a),(b)に示すように、エンジンフード140の下面には、排気ガス浄化装置マウントブラケット150が取り付けられている。排気ガス浄化装置マウントブラケット150は、排気ガス浄化装置320を下方から支持するための部材であり、排気ガス浄化装置320が載置されて取り付けられる支持板153と、支持板153をエンジンフード140で吊り下げるための右側側板151と、左側側板152とを有する。
図9(a),(b)に示すように、エンジンフード140は、前側部材141aが作動油タンク125で、後側部材141bが建屋カバー支持部材160で支持される。建屋カバー支持部材160は、後部車体120にそれぞれ立設される左右一対の支柱161と、それぞれの支柱161の上端に掛け渡された梁162とを有する。支柱161は、下端が後部車体120に取り付けられて、略鉛直上方に向かって延在する下支柱161aと、下支柱161aの上端から上方に向かって左右方向斜め内側に延在する中支柱161bと、中支柱161bの上端から略鉛直上方に向かって延在する上支柱161cとを有する。すなわち、支柱161は、上部が左右方向の内側に向かって湾曲した形状を呈している。
図10に示すように、エンジンフード140の天板143の排気ガス浄化装置着脱用開口143a(図10において不図示)は、開口カバー170で覆われている。開口カバー170は、不図示の排気用開口と、図11に示すように熱排出用開口170aとを有し、エンジンフード140にボルト等で着脱可能に取り付けられている。排気用開口は、排気ガス浄化装置320で浄化、消音された排気ガスを外部に放出するための開口であり、排気ガスを排気するためのテールパイプ171が取り付けられている。排気ガスは、テールパイプ171から大気中へ排出される。
熱排出用開口170aは、排気ガス浄化装置320の後述する差圧センサ403等の上方に相当する部位に設けられた略矩形形状を呈する通気用の開口であり、次に述べるように、外部からの雨水の侵入を防止する雨水侵入防止カバー180が取り付けられている。
図12は、エンジンフード140および排気ガス浄化装置320の近傍の斜視図であり、排気ガス浄化装置マウントブラケット150の記載を省略している。図13(a)は、図12におけるエンジンフード140の記載を省略するとともに、雨水侵入防止カバー180の断面を明らかにした斜視図であり、図13(b)は、図13(a)における雨水侵入防止カバー180近傍についての拡大図である。図14は、開口カバー170および排気ガス浄化装置320の側面図であり、雨水侵入防止カバー180の断面を明らかにしている。図15は、図14における雨水侵入防止カバー180近傍についての拡大図である。
雨水侵入防止カバー180は、カバー181と、雨水侵入防止プレート182とを備えている。カバー181は、熱排出用開口170aの右側の周縁に立設されて前後方向に延在する右側板181aと、熱排出用開口170aの左側の周縁に立設されて前後方向に延在する左側板181bと、右側板181aおよび左側板181bの上端同士を接続して熱排出用開口170aの上面を覆う上板181cとを有する。
雨水侵入防止プレート182は、熱排出用開口170aの前方および後方で開口カバー170と上板181cとの間の空間から雨水の侵入を防止する板状の部材であり、熱排出用開口170aの前側および後側の周縁に立設されて左右方向に延在している。雨水侵入防止プレート182の上端と、上板181cの下面とは離間している。上板181cは、熱排出用開口170aへ雨水が浸入しないように、雨水侵入防止プレート182の近傍で、庇状の前後端が下方に折り曲げられている。
雨水侵入防止カバー180は、排気ガス浄化装置320の後述する温度センサ401,402や差圧センサ403等の点検等のために、開口カバー170から容易に着脱できるよう、たとえばボルト止めによって開口カバー170に固定されている。
図10,11に示すように、エンジンフード140の天板143の吸気管用開口143b(図10,11において不図示)には、エンジン301の駆動に必要な空気を外部から取り込むための吸気管145が取り付けられている。
−−−排気ガス浄化装置320について−−−
図12〜14に示すように、排気ガス浄化装置320は、略筒形状を呈しており、排気ガスの流れに沿って上流から順に接続された酸化触媒部321と、DPF部322と、消音部323とを有する。排気ガス浄化装置320には、取り付け用の座320aが設けられている。酸化触媒部321には、不図示の酸化触媒が収容されている。DPF部322には、不図示の粒子状物質除去フィルタが収容されている。消音部323は、エンジン301が発する排気音を低減する装置である。消音部323の排気ガスの出口には、排気管324が取り付けられている。図14に示すように、排気管324と、開口カバー170に取り付けられたテールパイプ171との間には隙間がある。
酸化触媒部321には、温度センサ401が設けられ、DPF部322の入口側には、温度センサ402が設けられている。DPF部322の上方には、粒子状物質除去フィルタの入口側と出口側の排気ガスの差圧を検出する差圧センサ403が設けられている。図13〜15において、401aは温度センサ401のコネクタであり、402aは温度センサ402のコネクタであり、403aは差圧センサ403のコネクタである。
略筒形状を呈する排気ガス浄化装置320は、エンジン室122の上部左側で筒の軸線方向とホイールローダ100の前後方向とが略一致するように配設されている。
−−−熱排出用開口170aおよび雨水侵入防止カバー180の配設位置について−−−
差圧センサ403の耐熱温度は、たとえば摂氏120度程度と低い温度である。そのため、差圧センサ403の周囲の温度は低い方が望ましい。本実施の形態では、上述したように、排気管324とテールパイプ171との間には隙間があるので、エンジン301が駆動されている状態では、排気ガスが排気管324から排出される際、図16の矢印Aで示すように、エンジン室122内の空気を吸い出して排出する。これにより、エンジン室122内の温度上昇を抑制でき、差圧センサ403の周囲を差圧センサ403の耐熱温度よりも低い温度に保つことができる。しかし、エンジン301が停止した状態では、図16の矢印Aで示すようなエンジン室122内の空気の流れによるエンジン室122内の温度上昇の抑制を期待できない。
そこで、本実施の形態では、上述したように、差圧センサ403等の上方に熱排出用開口170aおよび雨水侵入防止カバー180が設けられているので、エンジン301が停止した状態では、エンジン室122内で温められた空気が、図16の矢印Bで示すように、熱排出用開口170aおよび雨水侵入防止カバー180を介して外部に流出する。すなわち、差圧センサ403の近傍に空気の流れができ、差圧センサ403の周辺でよどまないので、差圧センサ403の周囲を差圧センサ403の耐熱温度よりも低い温度に保つことができる。また、雨水侵入防止プレート182および庇状の前後端が下方に折り曲げられた上板181cによって、エンジン室122内への雨水の侵入も防止できる。
また、図14,15から明らかなように、各センサ401〜403のコネクタ401a〜403aの上方に熱排出用開口170aおよび雨水侵入防止カバー180が設けられているので、図11に示すように、開口カバー170から雨水進入防止カバー180を取り外すだけで、熱排出用開口170aから容易に各コネクタ401a〜403aにアクセス可能である。したがって、各センサ401〜403の点検等が容易となる。
−−−排気ガス浄化装置320の支持および点検等について−−−
上述したように、排気ガス浄化装置320は、排気ガス浄化装置マウントブラケット150によって下方から支持されている。具体的には、図17に示すように、排気ガス浄化装置320に設けられた取り付け用の座320aが、板155およびマウントゴム154を介して支持板153に取り付けられている。すなわち、排気ガス浄化装置320は、右側側板151と左側側板152とによってエンジンフード140に吊り下げられた支持板153で支持されている。なお、取り付け用の座320aは、板155に対してボルト等で締結されて着脱可能に固定される。
排気ガス浄化装置320の点検や交換の際には、図18,19に示すように、エンジンフード140から開口カバー170を取り外せば、排気ガス浄化装置着脱用開口143a越しに排気ガス浄化装置320が露出する。したがって、排気ガス浄化装置320の取り付け用の座320aと板155(図17参照)との締結を解除することで、エンジンフード140を取り外さなくても、図20に示すように、排気ガス浄化装置着脱用開口143aを介して排気ガス浄化装置320を容易に取り外すことができる。
−−−エアクリーナ310について−−−
エアクリーナ310は、エンジン301で吸入される空気を浄化する装置であり、図21〜25に示すように、直径よりも軸方向の長さが長い略円筒形状を呈する。図25に示すように、エアクリーナ310は、エンジン301で吸入される空気を浄化する、直径よりも軸方向の長さが長い略円筒形状のエアクリーナエレメント312と、エアクリーナエレメント312を収容するケース311とを有する。
図6,図22〜25に示すように、エアクリーナ310は、前部よりも後部が左右方向の外側に位置するように、円筒の軸線方向がホイールローダ100の前後方向に対して、斜めに傾いた状態で、不図示のブラケットに取り付けられている。このように、エアクリーナ310を斜めに傾けて配設した理由は次のとおりである。
すなわち、エンジン室を大型化することなく排気ガス浄化装置320とエアクリーナ310とを配設するためには、両者の長手方向をホイールローダ100の前後方向に沿って左右に並べて配設する必要がある。ただし、エアクリーナ310の長手方向とホイールローダ100の前後方向とが完全に一致した状態で配設すると、エアクリーナエレメント312の交換の際に、エアクリーナエレメント312が建屋カバー支持部材160の支柱161およびエンジン室122を形成する隔壁(図面上では記載を省略)と干渉してしまう。
そこで、本実施の形態では、上述したような向きでエアクリーナ310を配設している。さらに、本実施の形態では、上述したように、建屋カバー支持部材160の支柱161が上部で左右方向の内側に向かって湾曲している。これにより、図25に示すように、エアクリーナエレメント312を交換のためにケース311から抜き出す際には、エアクリーナエレメント312を支柱161上部の湾曲している部分(すなわち上支柱161c)の近傍の右側を通過させて後方斜め外側に向かって抜き出すことができるので、エアクリーナエレメント312は支柱161と干渉しない。同様に、新しいエアクリーナエレメント312をケース311に収容する際には、エアクリーナエレメント312を上支柱161cの近傍の右側を通過して前方斜め内側に向かって挿入することができるので、エアクリーナエレメント312は支柱161と干渉しない。
−−−エアクリーナ310の熱対策について−−−
上述したように、排気ガス浄化装置320の右隣にエアクリーナ310が配設されている。そのため、排気ガス浄化装置320からの輻射熱によってエアクリーナ310が熱せられてしまうと、エンジン301で吸入される空気の温度が上昇し、エンジン301での吸気効率が低下してしまう。
そこで、本実施の形態では、排気ガス浄化装置320とエアクリーナ310との間に介在する排気ガス浄化装置マウントブラケット150の右側側板151によって、排気ガス浄化装置320からの輻射熱の伝達を抑制するようにしている。これにより、エンジン301での吸気効率低下を防止している。
上述した本実施の形態のホイールローダ100では、次の作用効果を奏する。
(1) 前側部材141aが作動油タンク125で、後側部材141bが建屋カバー支持部材160でそれぞれ支持されたエンジンフード140に対して、右側側板151と左側側板152とによって吊り下げられた支持板153を有する排気ガス浄化装置マウントブラケット150を取り付けるように構成した。そして、排気ガス浄化装置320を排気ガス浄化装置マウントブラケット150の支持板153で支持するように構成した。これにより、排気ガス浄化装置320にエンジン301の振動が伝わり難くなり、排気ガス浄化装置320の振動を抑制できる。したがって、振動に起因する粒子状物質除去フィルタや各センサ401〜403の故障を防止して、粒子状物質除去フィルタや各センサ401〜403の交換コストを抑制できるとともに、排気ガス浄化装置320の耐久性、信頼性を高めることができる。
また、排気ガス浄化装置320を取り付けるためにエンジン301にマウント等を設ける必要がないため、エンジン301の補機類を避けてマウント等を無理に設置する必要がなく、排気ガス浄化装置320の配設位置の制約が緩和されるとともに、エンジン301の補機類の配置を制限することがない。
(2) エンジンフード140の天板143に、排気ガス浄化装置320直上にあたる位置で排気ガス浄化装置着脱用開口143aを設けるように構成した。そして、エンジンフード140に容易に着脱可能な開口カバー170で排気ガス浄化装置着脱用開口143aを覆うように構成した。これにより、エンジンフード140を取り外さなくても、排気ガス浄化装置着脱用開口143aを介して排気ガス浄化装置320を容易に取り外すことができるので、排気ガス浄化装置320のメンテナンスの作業性が向上する。
(3) 排気ガス浄化装置320とエアクリーナ310との間に介在する排気ガス浄化装置マウントブラケット150の右側側板151によって、排気ガス浄化装置320からの輻射熱の伝達を抑制するように構成した。これにより、エンジン301での吸気効率低下を防止できる。また、支持板153をエンジンフード140で吊り下げるための部材と、排気ガス浄化装置320からの輻射熱の伝達を抑制するための遮熱板とを右側側板151で兼用できるので、部品点数を削減してコスト増を抑制できる。
(4) エアクリーナ310が、前部よりも後部が左右方向の外側に位置するように、円筒の軸線方向がホイールローダ100の前後方向に対して、斜めに傾いた状態で取り付けられるように構成した。また、建屋カバー支持部材160の支柱161が上部で左右方向の内側に向かって湾曲するように構成した。これにより、エアクリーナエレメント312の交換作業における作業性を確保できる。また、エンジン室122の上部における左右方向の幅が広くなることを防止できるので、運転室121からの後方視界の悪化を防止できる。
(5) 差圧センサ403等の上方に熱排出用開口170aを設けるように構成した。これにより、エンジン室122内で温められた空気が、熱排出用開口170aを介して外部に流出するようになるので、差圧センサ403の近傍に空気の流れができ、差圧センサ403の周辺でよどまず、差圧センサ403の周囲を差圧センサ403の耐熱温度よりも低い温度に保つことができる。したがって、差圧センサ403の耐久性を向上できる。
(6) 熱排出用開口170aに雨水侵入防止カバー180を設けるように構成した。これにより、エンジン室122内で温められた空気が、熱排出用開口170aを介して外部に流出するのを妨げることなく、エンジン室122内への雨水の侵入を防止できる。これにより、各センサ401〜403や各コネクタ401a〜403aに雨水がかかることによるトラブル等を防止できる。
(7) 各センサ401〜403のコネクタ401a〜403aの上方に熱排出用開口170aおよび雨水侵入防止カバー180が設けるとともに、雨水侵入防止カバー180を開口カバー170から容易に着脱できるように構成した。これにより、熱排出用開口170aを介した各コネクタ401a〜403aへのアクセスが容易となるので、各センサ401〜403の点検等が容易となる。
−−−変形例−−−
(1) 上述したように、排気ガス浄化装置320とエアクリーナ310との間に介在する排気ガス浄化装置マウントブラケット150の右側側板151によって、排気ガス浄化装置320からの輻射熱の伝達を抑制するように構成することが望ましいが、本発明はこれに限定されない。たとえば、支持板153をエンジンフード140で吊り下げる部材と、排気ガス浄化装置320からの輻射熱の伝達を抑制するための遮熱板とを異なる部材としてもよい。また、エアクリーナ310のケース311の断熱性が優れているのであれば、排気ガス浄化装置320からの輻射熱の伝達を抑制するための遮熱板を省略してもよい。
(2) 上述の説明では、開口カバー170に熱排出用開口170aを設け、雨水侵入防止カバー180を開口カバー170に対して容易に着脱可能に構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、開口カバー170をテールパイプ171が取り付けられた前側の部分(前部開口カバー)と、熱排出用開口170aが設けられ、雨水侵入防止カバー180が取り付けられた後側の部分(後部開口カバー)とに分割してもよい。この場合、後部開口カバーだけを取り外せば、各コネクタ401a〜403aへ容易にアクセスできるので、後部開口カバーに雨水侵入防止カバー180が容易には着脱できないように取り付けられていてもよい。
(3) 上述の説明では、作業機械の一例としてホイールローダ100について説明したが、油圧ショベル等、他の作業機械に本発明を適用してもよい。
(4) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、作業機械のフレームと、作業機械の機械室内でフレームに支持されるエンジンと、エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを有する排気ガス浄化装置と、機械室を画成する建屋カバーと、建屋カバーを支持する部材であって、フレーム上に設けられる建屋カバー支持部材と、エンジンの上方で機械室を覆う部材であって、排気ガス浄化装置を機械室から上方に取り出すための開口を有し、少なくとも建屋カバー支持部材で支持されるエンジンフードと、エンジンフードに着脱可能に取り付けられて、開口を閉鎖または開放する開口カバーと、排気ガス浄化装置を載置する載置板がエンジンフードに吊り下げられている排気ガス浄化装置支持部材とを備えることを特徴とする各種構造の作業機械を含むものである。
100 ホイールローダ 120 後部車体
122 機械室(エンジン室) 125 作動油タンク
140 エンジンフード 143a 排気ガス浄化装置着脱用開口
150 排気ガス浄化装置マウントブラケット 151 右側側板
152 左側側板 153 支持板
160 建屋カバー支持部材 170 開口カバー
170a 熱排出用開口 180 雨水侵入防止カバー
301 エンジン 310 エアクリーナ
312 エアクリーナエレメント 320 排気ガス浄化装置
401,402 温度センサ 403 差圧センサ

Claims (4)

  1. 作業機械のフレームと、
    作業機械の機械室内で前記フレームに支持されるエンジンと、
    前記エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを有する排気ガス浄化装置と、
    前記機械室を画成する建屋カバーと、
    前記建屋カバーを支持する部材であって、前記フレーム上に設けられる建屋カバー支持部材と、
    前記エンジンの上方で前記機械室を覆う部材であって、前記排気ガス浄化装置を前記機械室から上方に取り出すための開口を有し、少なくとも前記建屋カバー支持部材で支持されるエンジンフードと、
    前記エンジンフードに着脱可能に取り付けられて、前記開口を閉鎖または開放する開口カバーと、
    前記排気ガス浄化装置を載置する載置板が前記エンジンフードに吊り下げられている排気ガス浄化装置支持部材と
    前記エンジンで吸入される空気を浄化するエアクリーナエレメントを有し、前記機械室のうち前記建屋カバー支持部材よりも前方に配設されて、直径よりも軸方向の長さが長い略円筒形状を呈するエアクリーナとを備え、
    前記建屋カバー支持部材は、前記フレームの左右端近傍からそれぞれ上方に延在する一対の支柱と、前記一対の支柱の上端に掛け渡された梁とを有し、
    前記一対の支柱のうちの少なくとも1本は、交換のために挿抜する前記エアクリーナエレメントとの干渉を防止するため、作業機械の左右方向の内側に向かって湾曲した湾曲部を有し、
    前記エアクリーナは、前記エアクリーナエレメントを交換のために取り外す際には、前記エアクリーナエレメントが前記湾曲部近傍で作業機械の左右方向の外側を通過して後方斜め外側に向かって抜き出され、新しいエアクリーナエレメントを取り付ける際には、前記エアクリーナエレメントが前記湾曲部近傍で作業機械の左右方向の外側を通過して前方斜め内側に向かって挿入されるように取り付けられていることを特徴とする作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記排気ガス浄化装置支持部材は、前記載置板を前記エンジンフードから吊り下げる板状の吊り下げ板を有し、
    前記吊り下げ板は、前記排気ガス浄化装置が発する熱の伝達を抑制することを特徴とする作業機械。
  3. 請求項1または請求項2に記載の作業機械において、
    前記排気ガス浄化装置は、前記フィルタの前後差圧を検出する差圧センサを有し、
    前記開口カバーは、前記差圧センサの上方に相当する部位には通気用開口が設けられ、前記通気用開口には前記通気用開口を介した空気の流通を許可し、かつ、外部からの雨水の侵入を防止する雨水侵入防止カバーが設けられることを特徴とする作業機械。
  4. 請求項3に記載の作業機械において、
    前記雨水侵入防止カバーは、前記開口カバーに着脱可能に取り付けられることを特徴とする作業機械。
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