JP5633815B2 - Au−Sn合金はんだ - Google Patents
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Description
また、接合後の接合部のSn濃度が20.65〜23.5質量%となるようにAu−Sn系ろう材の組成及び厚さ又は体積を調整して接合する接合方法が示されている(例えば、特許文献5参照。)。
また特許文献5についても接合後の接合部のSn濃度が20.65〜23.5重量%となるようなAu−Sn系ろう材では融点は固相温度が280℃、液相温度はそれより若干高くなる程度であるため、280℃以上の加熱で一部溶解してしまう。
以上のようにPbフリーはんだにおいて、300〜340℃程度の融点を有する材料は見当たらず、MEMSや水晶デバイス等のとくに高信頼性を必要とする接合に際して支障をきたしている場合がある。
ここで十分な濡れ性とは、接合作業の際にボイド(空孔)を生じることなくはんだ合金が溶融して、接合面に適度な面積に拡がることを意味し、これにより被接合物との接触面積が確保され、被接合物を強固に固着して信頼性の高い接合を達成できることとなる。また、高信頼性とは、強固な接合の結果、使用環境の温度変化にも耐えて長寿命で安定した接合を維持できることを意味する。
まず、Coの効果について述べる。Coは融点が1495℃であるうえ、主成分であるAuと共晶合金を作るため、Au−Sn系はんだの高融点化だけではなく、加工性を向上させる効果も有する優れた元素である。さらに詳しくはCoはAuとの2元系合金において、400数十℃以下で互いにほとんど固溶しないため、合金の溶融状態から冷却するとAuとCoとの2相から形成される合金となる。従って、一般的に脆いとされる金属間化合物を生成しないのである。このため比較的柔らかい合金になる。当然、Coは高い融点を有するわけであるから液相温度を高めることになり、接合温度を高くできるのである。
Pはとくに還元性が強く、酸化膜除去の効果は大きい。さらに、Pの添加は接合時にボイドの発生を低減させる効果がある。すなわち、前述したように、Pは還元性が強く自らが酸化しやすいため、接合時にはんだ成分よりも優先的に酸化が進む。その結果、はんだ母相の酸化を防ぎ、濡れ性を確保することができる。これにより良好な接合が可能となり、ボイドの生成も起こりにくくなる。逆にある量以上では添加しても濡れ性向上の効果は変わらず、過剰な添加ではPの酸化物がはんだ表面に生成されたり、Pが脆弱な相を作り脆化したりするおそれがある。したがって、Pは微量添加が好ましい。
表1に示す試料1〜5及び7〜14の各はんだ母合金(厚さ5mmの板状インゴット)を、圧延機を用いて厚さ0.10mmまで圧延した。その際、インゴットの送り速度を調整しながら圧延していき、その後スリッター加工により25mmの幅に裁断した。このようにシート形状にした試料を金型プレス機を用いて、10mm角の形状に打ち抜き、以下の評価用試料として用いた。なお、一般的にAu−Snはんだが使用される場合、はんだ厚みは0.020〜0.050mm程度で使用されることが多いが、ここでは濡れ広がりの評価を行う際、濡れ性が濡れ広がり面積に反映され易いようにはんだ厚みを故意に厚くした。
この濡れ性評価は、上記プリフォーム材を用いて行った。まず、濡れ性試験機(装置名:雰囲気制御式濡れ性試験機)を起動し、加熱するヒーター部分に2重のカバーをしてヒーター部の周囲4箇所から窒素を流した(窒素流量:各12L/分)。その後、ヒーター設定温度をはんだの融点よりも高い370℃にして加熱した。
370℃に設定したヒーター温度が安定した後、Niメッキ(膜厚:2.0μm)、さらに最上層にAuメッキ(膜厚:1.0μm)をしたCu基板(板厚:0.3mm)をヒーター部にセッティング後、25秒加熱した。次に、はんだ合金をCu基板の上に載せ、25秒加熱した。加熱が完了した後はCu基板をヒーター部から取り上げてその横の窒素雰囲気が保たれている場所に一旦設置して冷却した。十分に冷却した後、大気中に取り出して接合部分を確認した。溶融前の面積を100%として、溶融・冷却後の面積を光学顕微鏡(株式会社キーエンス製:VHX−900)の面積測定機能を用いて測定した。
接合性を確認するため、上記濡れ性評価と同様にして得たはんだ合金が接合されたCu基板のボイド率をX線透過装置(株式会社東芝製:TOSMICRON−6125)を用いて測定した。試料(はんだ)とCu基板接合面をはんだ上部から垂直にX線を透過し、取り込んだ画像データを処理して以下の計算式(1)を用いてボイド率を算出した。
はんだ接合の信頼性を評価するためにヒートサイクル試験を行った。なお、この試験は、上記濡れ性評価と同様にして得たはんだ合金が接合されたCu基板を用いて行った。まず、はんだ合金が接合されたCu基板に対して、−40℃の冷却と150℃の加熱を1サイクルとして、これを所定のサイクル繰り返した。その後、はんだ合金が接合されたCu基板を樹脂に埋め込み、断面研磨を行い、SEM(日立製作所株式会社製 S−4800)により接合面の観察を行った。接合面にはがれやはんだにクラックが入っていた場合を「×」、そのような不良がなく、初期状態と同様の接合面を保っていた場合を「○」とした。
ボイド率に関しては、試料9、10、12〜14において10%以上と非常に高い値を示した。この原因は液相温度が高すぎたり(試料9、10)、Co、Ge、Pの含有量が多すぎたり(試料12〜14)するため、AuメッキCu面と試料の接合面に偏析が発生して均一な合金層ができないためだと考えられる。ヒートサイクル試験の結果においては全て500回までに不良が発生しており、この原因ははんだが濡れ広がり過ぎたり、ボイド率が高かったり、さらにははんだの応力緩和性が不十分であるなど複数の要因が重なりあっていると考えられる。
Claims (1)
- Snを18.5質量%以上23.5質量%以下およびCoを0.01質量%以上2.0質量%以下含有し、さらに0.001質量%以上0.5質量%以下のPまたは0.03質量%以上1.5質量%以下のGeのうち少なくとも1種を含有し、残部がAuからなり、300〜340℃の温度範囲に融点を有することを特徴とするAu−Sn合金はんだ。
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