JP5627627B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関し、詳しくは、パンチ処理及びステイプル処理を伴う製本処理を実行する際に、パンチ処理時間を利用することで、部間時間を最適化し、総合的な処理時間を短縮することが可能な画像形成装置及び画像形成方法に関する。
従来、所定の処理トレイ上に積載されたシート束に対して、ステイプル処理を行い、当該ステイプル処理後のシート束を所定の排紙トレイに排出するステイプラを備えたフィニッシャ(シート処理装置)では、前記ステイプラがステイプルを実行した場合のシート束の最後のシート(シート束の最終紙)と、直後のシート束を構成する最初のシート(後続のシート束の最初紙)の間隔は、ステイプラの仕様上のステイプル実行の最大時間としている。
しかしながら、前記従来技術では、前記処理トレイ上のシート束をステイプルして、当該シート束を前記排紙トレイに排出した後に、後続のシートを当該処理トレイに出力する場合、ステイプル実行の最大時間だけ待ってから、次のシートの搬送を許可していたので、装置のスループットが大幅に低下するという問題があった。
このような問題を解決する技術として、特開平11−60041号公報(特許文献1)には、排出されるシートを積載するシート積載手段と、該シート積載手段上のシート束をステイプルするステイプル手段と、該ステイプル手段のステイプル動作時間を計測する手段とを有するシート処理装置が開示されている。前記シート処理装置は、前記ステイプル動作時間計測手段により計測されたステイプル手段の動作時間を加味して、前記シート積載手段に排出される後続のシート間隔を制御する制御手段を備える。これにより、シート束のステイプル後、次のシートをシート積載手段へ搬送する際に、ステイプル手段のステイプル動作時間を計測することで、シートサイズやステイプルの位置等により変化するステイプル動作時間をリアルタイムに計測して認識できる。そして、前記ステイプル動作時間に応じて、次に搬送されるシートの間隔を制御するので、シート積載手段へ排出されるシートを最適な間隔にできて、シート積載性が向上されると共に、装置のスループットを高めることができるとしている。
又、特開2000−153953号公報(特許文献2)には、シート搬送路内に設けられ、搬送されるシートの後端部に穿孔穴をあけるパンチ手段と、前記パンチ手段をシート搬送方向と交差する方向に移動させるパンチ移動手段とを備えたシート処理装置が開示されている。前記シート処理装置は、更に、前記シート搬送路のシートの側端部を検知するシート端部検知手段と、前記パンチ手段がパンチ動作ホーム位置(HP)から移動してシートにパンチしていることを検知するパンチ動作検知手段とを備える。そして、前記シート処理装置は、前記パンチ動作検知手段が、前記パンチ手段のパンチ動作終了を検知した時、前記パンチ移動手段を動作させて前記パンチ手段をシート搬送方向と交差する方向に移動させるよう構成される。これにより、パンチ手段によるシートのパンチ動作終了をパンチ動作検知手段により検知されて、パンチ手段がパンチ動作のHPに移動中に、パンチ手段をシート搬送方向と交差する方向のHPに移動させる待機動作を開始することで、シート処理時間の短縮を実現できる効果があり、シート処理の生産性を向上させることができるとしている。
又、特開2006−53235号公報(特許文献3)には、画像形成された記録紙を後処理装置に対して出力する画像形成装置と、後続の後処理装置に対しての通過経路を有する複数の連結された後処理装置とを備える画像形成システムが開示されている。前記画像形成システムは、前記画像形成装置で画像形成された記録紙に対して、前記複数の後処理装置のいずれかにより後処理を施すことが可能に構成されている。そして、前記画像形成システムでは、前記画像形成装置の画像形成制御部が、後処理を実行する単位の記録紙(部)毎に、前記画像形成装置からの該記録紙の分配先となる前記後処理装置を順次切り替える制御をすると共に、前記部間で発生する前記画像形成装置での画像形成待機時間を、該画像形成システムのシステム構成に応じて決定するよう構成される。これにより、前記画像形成装置に対して複数の後処理装置が連結されていて、少なくとも2台の後処理装置を使用して後処理する場合に、システム構成に変更があった場合にも、変更後のシステム構成に応じて、適切な後処理装置の切り替え制御や画像形成待機時間を制御することが可能になるとしている。
又、特開2009−262395号公報(特許文献4)には、穿孔手段によって用紙または用紙束に対して穿孔処理を行い、前記穿孔処理により穿孔された穴に綴じ手段によりリング部材で綴じ処理を行い、リング製本する製本装置が開示されている。前記製本装置は、先行する部の最終紙と後行する部の先頭紙の間隔である紙部間を、前記穿孔処理と前記綴じ処理を行う第1のモードと穿孔処理のみを行う第2のモードで異なるように変更する手段を備える。これにより、第1のモードと第2のモードの各モードに合わせて紙部間の間隔を設定することにより、2つのモードが混在したときの生産性の向上と、使い勝手の向上を図ることができるとしている。
又、特開2010−32803号公報(特許文献5)には、後処理装置を有する画像形成装置が開示されている。前記後処理装置は、前記画像形成装置で画像が形成された複数の用紙に対して、後処理を行なう後処理手段と、前記画像形成装置で設定された後処理内容に応じて、後処理が行なわれる用紙に対する画像を形成するタイミングを演算する後処理装置演算手段と、前記後処理演算手段が演算した結果に基づいて、前記画像形成装置に対して、前記用紙に画像を形成するタイミング通知するタイミング通知手段を備える。更に、前記画像形成装置は、前記後処理装置における後処理内容をユーザに設定させる後処理設定手段と、前記後処理設定手段によって設定された後処理内容を前記後処理装置に通知する後処理内容通知手段と、用紙に画像を形成する印刷手段とを備える。そして、前記画像形成装置は、前記タイミング通知手段によって通知されたタイミングに従って、用紙を前記印刷手段の所定位置にセットする用紙位置設定手段を備える。これにより、前記画像形成装置は、前記後処理装置から通知されたタイミングに従って、用紙を印刷手段の所定位置にセットするため、部間テーブルは不要であり、かつ、前記画像形成装置における作動条件を考慮した演算等も不要になる。その結果、部間テーブルを簡略化できるとともに、制御の容易で、かつ、最適な部間制御が可能な後処理装置付き画像形成装置を提供できるとしている。
特開平11−60041号公報 特開2000−153953号公報 特開2006−53235号公報 特開2009−262395号公報 特開2010−32803号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の発明では、用紙束の用紙(シート)に対するステイプル処理が完了することで、ステイプル動作時間が計測されるとともに、次の部の用紙の搬送処理を行う必要がある。このように、次の部の用紙の搬送処理に、直前の部のステイプル動作時間を利用する構成とすると、現実には、前記計測が間に合わないという問題がある。つまり、所定のシート束へのステイプル処理が完了した時点では、既に、後続のシート束を構成する最初のシートは、前記フィニッシャ内に到達している必要がある。
又、前記ステイプル処理時間は、通常、一回のステイプル処理に対し、用紙の種類に応じて数msec〜数十msecの範囲で変動することがある。前記特許文献1〜5に記載の発明では、用紙の種類に対応することが出来ないという問題がある。
ところで、前記ステイプル処理を伴う設定条件として、用紙束を構成する用紙の全てにパンチ処理を行い、当該パンチ処理後の全ての用紙にステイプル処理を行う製本処理条件がある。
ここで、前記ステイプル処理と前記パンチ処理とでは、DCブラシモータを用いる点と、当該DCブラシモータに低圧電源(24V)で電力を供給する点と、用紙に何かを貫通させる処理である点とで、いずれも共通している。更に、前記ステイプル処理と前記パンチ処理とが同時に行われる場合には、その使用環境温度も同じである。そのため、前記パンチ処理に要する時間を測定すれば、これらの要因を含めた、前記ステイプル処理に要する時間を予測することが可能であり、その予測した時間に基づいて次の部の用紙の搬送タイミング(部間時間)を決定(設定)すれば、用紙の種類に対応して部間時間を最適化出来て、総合的な処理時間を短縮することが出来る可能性がある。
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、パンチ処理及びステイプル処理を伴う製本処理を実行する際に、パンチ処理時間を利用することで、部間時間を最適化し、総合的な処理時間を短縮することが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、画像形成した用紙にパンチ処理を実行するとともに、当該パンチ処理後の複数の用紙から構成される用紙束にステイプル処理を実行する後処理装置を備えた画像形成装置を前提とし、以下の構成を採用する。
前記画像形成装置は、前記パンチ処理に要するパンチ処理時間を測定するパンチ時間測定手段と、前記パンチ処理時間を用いて、前記パンチ処理後の用紙束に仮にステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要するステイプル処理予測時間を算出するステイプル時間予測手段とを備える。又、前記画像形成装置は、前記ステイプル処理予測時間を用いて、前記用紙束を構成する最後の用紙が搬送された時点から次の用紙束を構成する最初の用紙が搬送される時点までの部間時間を設ける部間時間設定手段を備える。前記ステイプル時間予測手段は、下記の演算式
Ts=(Ts0+a*M)*Tpa/Tp0
(但し、前記Ts0は、普通紙の用紙一枚に対し所定のステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要する標準ステイプル処理時間、前記aは、一枚毎のステイプル時間増加に対する係数、前記Tp0は、普通紙の用紙一枚に対し所定のパンチ処理を実行した場合に当該パンチ処理に要する標準パンチ処理時間)
に前記パンチ処理時間Tpaと前記用紙束を構成する用紙枚数Mとを代入することで、前記ステイプル処理予測時間Tsを算出する。
これにより、前記用紙束の用紙の種類、ステイプル処理に使用されるモータの電源電圧や使用温度の影響に応じて変動し得るステイプル処理時間を、前記パンチ処理時間により精度高く予想し、当該予想したステイプル処理予想時間に基づいて前記用紙束と次の用紙束との間に設けられる部間時間を設定することが可能となる。そのため、本発明では、従来技術のように、例えば、前記ステイプル処理に要する最大時間を加味して部間時間を設定することが無く、無駄に長期化された待機時間を無くし、部間時間を最適化することが可能となる。その結果、総合的な処理時間を短縮し、処理全体の生産性を向上させることが可能となる。
又、前記パンチ時間測定手段は、前記用紙束を構成する複数の用紙のうち、予め設定された所定枚数の用紙からそれぞれパンチ処理時間を測定し、前記ステイプル時間予測手段は、前記測定された複数のパンチ処理時間の平均値を算出し、当該算出した平均値を用いて、前記ステイプル処理予測時間を算出するよう構成することが出来る。
尚、本発明は、画像形成した用紙にパンチ処理を実行するとともに、当該パンチ処理後の複数の用紙から構成される用紙束にステイプル処理を実行する後処理装置を備えた画像形成装置の画像形成方法として提供することが出来る。即ち、前記画像形成方法は、前記パンチ処理に要するパンチ処理時間を測定するパンチ時間測定ステップと、前記パンチ処理時間を用いて、前記パンチ処理後の用紙束に仮にステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要するステイプル処理予測時間を算出するステイプル時間予測ステップとを備える。更に、前記画像形成方法は、前記ステイプル処理予測時間を用いて、前記用紙束を構成する最後の用紙が搬送された時点から次の用紙束を構成する最初の用紙が搬送される時点までの部間時間を設ける部間時間設定ステップを備える。前記ステイプル時間予測ステップは、下記の演算式
Ts=(Ts0+a*M)*Tpa/Tp0
(但し、前記Ts0は、普通紙の用紙一枚に対し所定のステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要する標準ステイプル処理時間、前記aは、一枚毎のステイプル時間増加に対する係数、前記Tp0は、普通紙の用紙一枚に対し所定のパンチ処理を実行した場合に当該パンチ処理に要する標準パンチ処理時間)
に前記パンチ処理時間Tpaと前記用紙束を構成する用紙枚数Mとを代入することで、前記ステイプル処理予測時間Tsを算出する。当該構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、パンチ処理及びステイプル処理を伴う製本処理を実行する際に、パンチ処理時間を利用することで、部間時間を最適化し、総合的な処理時間を短縮することが可能となる。
本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。 本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。 本発明の実施形態における複合機の機能ブロック図である。 本発明の実施形態の実行手順を示すための第一のフローチャートである。 本発明の実施形態の実行手順を示すための第二のフローチャートである。 本発明の実施形態の紙間時間に対応する搬送間隔と部間時間に対応する搬送間隔の一例を示す図(図6(A))と、用紙束を構成する用紙毎に測定されたパンチ処理時間の一例を示す図(図6(B))である。
以下に、添付図面を参照して、本発明の後処理装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
<後処理装置を備えた画像形成装置>
以下に、本発明の実施形態に係る後処理装置を備えた画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略模式図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、本発明の画像形成装置は、例えば、プリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を備えた画像形成装置として機能する。
以下に、例えば、コピー機能を利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
まず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿Pを複合機100の上面に備えられている原稿台101又は自動原稿給紙部101aに載置し、コピー機能の設定を操作部102から入力する。当該操作部102には、複合機100が提供するコピー機能に関連する操作画面(初期画面など)が表示され、コピー機能に関連する複数の設定項目キーが選択可能に表示されている。ユーザは、前記操作画面を介して、コピー機能に関する設定条件の入力を行う。
ユーザが、設定条件の入力を完了すると、操作部102に設けられたスタートキー205を押下して、複合機100にコピー機能の処理を開始させる。
複合機100がコピー機能の処理を開始すると、画像読取部103において、光源104から照射された光が、前記原稿台101に置かれた原稿に反射される。又、前記自動原稿給紙部101aに原稿が載置された場合には、当該自動原稿給紙部101aが原稿を一枚ずつ前記画像読取部103の画像読取位置へ搬送し、当該画像読取位置へ前記光源104が光を照射することで、当該光が原稿に反射されることになる。
前記反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は前記撮像素子108により光電変換されて、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、前記原稿に対応する画像データが生成される。
さて、前記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部109である。前記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。前記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
前記帯電器111は、前記感光体ドラム110の表面を一様に帯電させる。前記露光ユニット112は、帯電された前記感光体ドラム110の表面に、前記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。前記現像器113は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、前記転写器114により、記録媒体(例えば、シート、用紙)に転写される。前記クリーニングユニット115は、前記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
前記用紙は、前記複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、前記用紙はピックアップローラ117により何れか1つの前記給紙カセット116から搬送路へ引き出される。前記各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種の用紙が収容されており、前記出力条件に関する設定に基づいて用紙が給紙される。
搬送路に引き出された前記用紙は、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。送り込まれると、前記用紙は前記転写器114により前記トナー像が転写され、定着装置120に搬送される。尚、搬送ローラ118に搬送される用紙は、複合機100に備えられた手差しトレイ121から搬送される場合もある。
前記トナー像が転写された用紙が前記定着装置120に備えられた加熱ローラ122と加圧ローラ123の間を通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像が用紙に定着される。前記加熱ローラ122の熱量は紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像が用紙に定着されて画像形成が終了し、可視像が定着された用紙は、定着装置120を経て折り装置124へ搬送される。
上記搬送された用紙は、ユーザが入力した設定条件の設定に従って、折り装置124で折り処理が施される。折り処理が入力されていない場合は、上記用紙は折り装置124を通過するのみである。
又、ユーザが後処理(例えば、ステイプル、パンチ、製本等)を設定条件に入力した場合、通過した用紙は製本装置125に搬送されて後処理が実行される。前記後処理のうち、例えば、製本処理の場合、前記製本装置125は、図示しないパンチ処理部で、複数の用紙にそれぞれパンチ処理を施し、図示しないステイプル処理部で、全ての用紙にステイプル処理を施す。又、前記製本処理を複数部にわたって実行する場合は、用紙と、次の用紙との間に設ける搬送タイミング(紙間時間)の他に、一の部を構成する複数の用紙からなる用紙束と、次の用紙束との間に設ける搬送タイミング(部間間隔)を設けて、各用紙束毎に実行される製本処理を円滑に行う。
尚、前記パンチ処理部で使用されるモータと、前記ステイプル処理部で使用されるモータとは、同種のDCブラシモータであり、当該DCブラシモータは低圧電力で電力供給されている。
前記後処理が実行された用紙又は用紙束は、前記製本装置125の排紙トレイ126に積載、収容されることになる。尚、前記折り装置124と前記製本装置125とを含めて後処理装置と称する。
前記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。
次に、図2を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図2は、本発明に係る複合機100の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、各駆動部に対応するドライバ205を内部バス206によって接続している。前記CPU201は、例えば、RAM203を作業領域として利用し、前記ROM202、HDD204等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ205と、前記操作部102、前記折り装置124、前記製本装置125からのデータや指示を授受し、図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記駆動部以外の後述する各手段(図3に示す)についても、前記CPU201がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
<本発明の実施形態>
次に、図3−図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図3は、本発明の複合機の機能ブロック図である。図4及び図5は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
まず、ユーザが、複合機100の電源を投入すると、前記複合機100が起動し、当該複合機100の表示受付手段301が、予め設定された初期設定条件を読み出すとともに、予め設定された初期画面(操作画面)を操作部102のタッチパネル上に表示する。
ユーザは、前記複合機100の自動原稿給紙部101aに所定枚数(例えば、6枚)の原稿を載置し、前記初期画面を介して、所定の設定条件を前記複合機100に入力する(図4:S101YES)。
前記設定条件には、例えば、最初と最後の原稿を印刷する用紙を厚紙とし、残りの原稿を印刷する用紙を普通紙とする用紙選択条件と、各用紙毎にパンチ処理を実行するとともに全ての用紙にステイプル処理を実行して一の製本とする製本処理条件と、部数(例えば、3部)を指定する部数条件とが入力される。
そして、ユーザが、前記操作部102のスタートキーを押下すると(図4:S102YES)、前記表示受付手段301が、前記設定条件の入力と前記スタートキーの押下とを受け付けて、その旨を印刷手段302に通知し、当該通知を受けた印刷手段302は、前記設定条件に基づいて原稿の画像読取と印刷(画像形成)とを実行する。
ここで、前記印刷手段302が、前記設定条件の内容を確認し、当該設定条件のうち、前記製本処理条件が含まれていない場合は(図4:S103NO)、通常の処理と同様であり、前記印刷手段302は、前記原稿に基づいて画像読取を実行し、前記設定条件に基づいて印刷を実行することになる(図4:S104)。
一方、前記設定条件のうち、前記製本処理条件が含まれている場合(図4:S103YES)、前記印刷手段302は、先ず、前記自動原稿給紙部101aにより複数の原稿から一枚ずつ画像読取を実行して、複数の原稿に対応する複数の画像を所定の画像メモリに一時記憶させるとともに(図4:S105)、当該複数の画像のうち、一の画像(例えば、最初に読み取った画像)を用紙に印刷する(図4:S106)。
次に、前記印刷手段302は、部数(3部)と、当該部(用紙束、1部)を構成する用紙枚数(例えば、6枚)と、現在印刷した用紙枚数(1枚)とを、複合機100の製本装置125の用紙搬送手段303に通知し、当該通知を受けた用紙搬送手段303は、先ず、当該印刷された用紙を、前記製本装置125のパンチ処理部へ搬送する(図4:S107)
そして、前記用紙搬送手段303は、その旨をパンチ処理手段305及びパンチ時間測定手段306に通知し、当該通知を受けたパンチ処理手段305は、前記パンチ処理部に搬送された用紙に、前記設定条件に対応する所定のパンチ処理を実行する(図4:S108)。
又、前記通知を受けたパンチ時間測定手段306は、前記パンチ処理手段305を監視して当該パンチ処理手段305が前記パンチ処理に要したパンチ処理時間を測定する(図4:S109)。
具体的には、前記パンチ処理は、通常、DCブラシモータを一回転することにより、前記用紙にパンチ穴(穿孔穴)を設けるように構成されているため、前記パンチ処理手段305が、前記DCブラシモータを一回転することにより、前記用紙にパンチ処理を施すことになる。
又、前記パンチ時間測定手段306が前記パンチ処理時間を測定する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、上述であれば、前記パンチ時間測定手段306が、前記DCブラシモータが一回転するのに要する時間を測定することにより、前記パンチ処理時間を測定する方法が挙げられる。
尚、前記パンチ時間測定手段306が前記パンチ処理時間を測定すると、当該パンチ処理時間を所定の第一のメモリに一時記憶させる。
さて、前記パンチ処理手段305が、前記パンチ処理を完了すると、その旨を前記用紙搬送手段303に通知し、当該用紙搬送手段303は、当該パンチ処理済の用紙を、前記製本装置125のステイプル処理部に搬送して(図4:S110)、初期値が0である搬送用紙枚数に1を加算し、搬送用紙枚数をカウントする(図4:S111)。次に、前記用紙搬送手段303は、予め設けられたタイマー304を起動して、前記パンチ処理済の用紙が搬送された時点からの経過時間を計測する(図4:S112)。
そして、前記用紙搬送手段303は、前記カウントした搬送用紙枚数が、予め設定された所定枚数(例えば、3枚)と一致するか否かを判定する(図4:S113)。
現時点では、前記搬送用紙枚数(1枚)が、前記所定枚数(3枚)に一致していないため、前記判定の結果、前記用紙搬送手段303が、前記搬送用紙枚数が前記所定枚数と一致していないと判定する(図4:S113NO)。この場合、前記用紙搬送手段303は、所定の第二のメモリに予め記憶された紙間時間(例えば、数秒)を取得するとともに、前記タイマー304が計測している経過時間と前記紙間時間とを比較して、当該経過時間が当該紙間時間を超過するか否かを判定する(図4:S114)。
尚、前記搬送用紙枚数が前記所定枚数と一致する場合は、後述する(図4:S113YES)。
さて、前記判定の結果、前記経過時間が前記紙間時間を超過しない場合(図4:S114NO)、前記用紙搬送手段303は、待機することになる。この待機により、図6(A)に示すように、前記パンチ処理済(印刷済)の用紙601と、(次に搬送される予定の)次の用紙602との間に所定の搬送間隔Aが設けられる。又、この待機中に、例えば、前記印刷手段302が、次の画像を用紙に印刷する。
一方、S114において、前記経過時間が前記紙間時間を超過した場合(図4:S114YES)、前記用紙搬送手段303は、前記タイマー304を停止させ、前記S107に戻って、前記印刷された用紙を前記パンチ処理部に搬送する(図4:S107)。又、前記パンチ処理手段305は、前記印刷済みの用紙に前記パンチ処理を実行し(図4:S108)、前記パンチ時間測定手段306は、前記パンチ処理時間を測定する(図4:S109)。そして、前記用紙搬送手段303は、前記パンチ処理済の用紙を前記ステイプル処理部に搬送して(図4:S110)、前記搬送用紙枚数に1を加算するとともに(図4:S111)、前記タイマー304を再度起動する(図4:S112)。更に、再度、前記搬送用紙枚数が、前記所定枚数に一致しない場合(図4:S113NO)には、前記用紙搬送手段303が、前記パンチ処理済の用紙が搬送された時点から前記紙間時間だけ待機して(図4:S114)、次の印刷処理、次の用紙搬送が実行される。
これにより、前記搬送用紙枚数が、前記所定枚数に一致するまで、パンチ処理時間が繰り返し測定される。又、前記用紙搬送手段303の待機により、図6(A)に示すように、各用紙間に、紙間時間に対応する搬送間隔Aがそれぞれ一定間隔として設けられることになる。
一方、前記処理が繰り返された結果、S113において、前記搬送用紙枚数が前記所定枚数に一致する場合(図4:S113YES)、前記用紙搬送手段303は、その旨をステイプル時間予測手段307に通知する。当該通知を受けたステイプル時間予測手段307は、前記パンチ処理時間を用いて、前記パンチ処理後の用紙束に仮にステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要するステイプル処理予測時間を算出する(図4:S115)。
具体的には、前記ステイプル時間予測手段307は、前記第一のメモリから前記パンチ時間測定手段306が測定したパンチ処理時間を全て読み取り、当該読み取ったパンチ処理時間の平均値を算出する。
例えば、上述のように、前記設定条件が、最初と最後の原稿を印刷する用紙を厚紙とし、残りの原稿を印刷する用紙を普通紙とする用紙選択条件であり、図6(B)に示すように、最初の厚紙の用紙603に対するパンチ処理時間が、61.0msecと、次(2番目)と3番目の普通紙604に対するパンチ処理時間が、51.0msec、53.0msecであり、前記所定枚数が、3枚である場合、パンチ処理時間の平均値は、55.0msecと算出される。尚、参考に、図6(B)には、残りの用紙に対するパンチ処理時間が表示されている。
次に、前記ステイプル時間予測手段307は、前記第一のメモリからパンチ処理時間を全て消去するとともに、前記用紙搬送手段303から用紙束を構成する用紙枚数(6枚)を取得して、演算式記憶手段308に予め記憶されている演算式を参照する。そして、前記ステイプル時間予測手段307は、当該演算式に、前記パンチ処理時間の平均値と前記用紙枚数とを代入することで、前記ステイプル処理予測時間を算出する。前記演算式は、例えば、以下のように与えられる。
Ts=(Ts0+a*M)*Tpa/Tp0
ここで、前記Ts(sec)は、前記ステイプル処理予測時間であり、前記Ts0(sec/枚数)は、普通紙の用紙一枚に対し所定のステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要する標準ステイプル処理時間(例えば、46.0msec/枚数)である。又、前記a(−)は、一枚毎のステイプル時間増加に対する係数(例えば、0.3)であり、前記M(枚数)は、前記用紙枚数(6枚)であり、前記Tpa(sec)は、前記パンチ処理時間の平均値(55.0msec)であり、前記Tp0(sec)は、普通紙の用紙一枚に対し所定のパンチ処理を実行した場合に当該パンチ処理に要する標準パンチ処理時間(例えば、50.0msec)である。
尚、前記標準ステイプル処理時間Ts0、前記係数a、前記標準パンチ処理時間Tp0は、実験的に算出される値であり、複合機100のステイプル処理部及びパンチ処理部の種類に応じて適宜設定される値である。
又、前記M(枚数)が2枚、3枚・・・と増加することにより、現実のステイプル処理時間が単純に2倍、3倍・・・と増加しないため、前記係数aは、前記Tsは、基本的な動作時間(Ts0、Tp0)に対し、前記Mの大小により緩やかに増加する傾向を反映させるの係数である。尚、前記Mが、著しく多い場合には、前記aを適宜変更するよう構成しても構わない。例えば、前記Mが、10枚を超えた場合は、前記aを0.3から0.5へ変更するなどが挙げられる。
さて、例えば、上述では、前記ステイプル時間予測手段307が、前記演算式に前記パンチ処理時間の平均値(55.0msec)と前記枚数(6枚)とを代入して、前記ステイプル処理予測時間(52.58msec)を算出することになる。
さて、前記ステイプル時間予測手段307が前記ステイプル処理予測時間を算出すると、その旨を部間時間設定手段309に通知する。当該通知を受けた部間時間設定手段309は、前記ステイプル処理予測時間を用いて、前記用紙束を構成する最後の用紙が搬送された時点から次の用紙束を構成する最初の用紙が搬送される時点までの部間時間を設ける(図4:S116)。
具体的には、前記部間時間設定手段309は、前記第二のメモリに記憶された紙間時間を取得するとともに、当該紙間時間に前記ステイプル処理予測時間(52.58msec)を部間追加時間として加算した加算値を部間時間として算出する。そして、前記部間時間設定手段309は、当該部間時間を前記用紙搬送手段303に通知し、当該用紙搬送手段303は、当該部間時間を、前記用紙束を構成する最後の用紙が搬送された時点から次の用紙束を構成する最初の用紙が搬送される時点までの待機時間として設定する(図4:S116)。
これにより、前記用紙搬送手段303は、前記ステイプル処理予測時間の長短に対応して各用紙束毎に設けられる部間時間を設定することが可能となる。ここで、前記部間時間に対応する搬送間隔Bは、図6(A)に示すように、前記紙間時間に対応する搬送間隔Aと、前記ステープル処理予測時間(部間追加時間)に対応する搬送間隔Cとから構成される。そして、前記部間時間に反映されるステイプル処理予測時間は、前記ステイプル処理を施す予定の用紙から既に測定されたパンチ処理時間を用いて算出されているため、現実のステイプル処理時間(例えば、53.0msec)と近似させることが可能となる。そのため、無駄に長い部間時間を設ける必要が無くなり、当該部間時間を最適化することが可能となる。つまり、処理全体としての生産性を向上させることが可能となる。
尚、上述の場合に、現時点では、未だに前記用紙束を構成する最後の用紙が、前記パンチ処理が施されておらず、前記紙間時間が経過していないため、前記用紙搬送手段303は、S201に移行し、S110において前記パンチ処理済の用紙が搬送された時点からの経過時間が、当該紙間時間を超過するまで、待機する(図5:S201NO)。この待機中に、上述と同様に、次の印刷処理、次の用紙搬送が実行される。
さて、S201において、前記パンチ処理済の用紙が搬送された時点からの経過時間が、当該紙間時間を超過すると(図5:S201YES)、前記用紙搬送手段303は、上述と同様に、前記印刷された用紙を前記パンチ処理部へ搬送し(図5:S202)、前記パンチ処理手段305は、当該パンチ処理部に搬送された用紙に前記パンチ処理を実行する(図5:S203)。尚、この場合は、前記部間時間が既に設定されているため、前記パンチ処理測定手段306は、起動しない。
そして、前記用紙搬送手段303は、前記パンチ処理済の用紙を前記ステイプル処理部に搬送し(図5:S204)、前記搬送用紙枚数に1を加算するとともに(図5:S205)、前記タイマー304を再度起動する(図5:S206)。
ここで、前記用紙搬送手段303は、前記搬送用紙枚数が、前記用紙枚数と一致するか否か、言い換えると、前記用紙束の最後の用紙に前記パンチ処理が実行されたか否かを判定する(図5:S207)。
前記判定の結果、前記搬送用紙枚数が、前記用紙枚数と一致しない場合には(図5:S207NO)、上述と同様に、S201に移行し、前記用紙搬送手段303が、前記紙間時間を超過するまで待機する(図5:S201NO)。後の処理については、同様であるため、割愛する。
一方、前記判定の結果、前記搬送用紙枚数が、前記用紙枚数と一致した場合には(図5:S207YES)、その旨をステイプル処理手段310に通知し、当該通知を受けたステイプル処理手段310は、前記ステイプル処理部に搬送(蓄積)された、前記パンチ処理済の複数の用紙、つまり、用紙束の両端部を整合し、当該用紙束に、前記設定条件に対応する所定のステイプル処理を実行する(図5:S208)。
具体的には、前記ステイプル処理は、通常、DCブラシモータを一回転することにより、前記用紙束にステイプルを設けるように構成されているため、前記ステイプル処理手段310は、前記DCブラシモータを一回転することにより、当該用紙束にステイプル処理を施すことになる。そして、前記ステイプル処理手段310は、前記ステイプル処理済の用紙束を前記製本装置125の排紙トレイ126に排紙し、これにより、前記用紙束の製本処理が完了する。
一方、前記ステイプル処理手段310と並行して、前記タイマー304により計測される経過時間が、前記用紙束を構成する最後の用紙が前記ステイプル処理部に搬送された時点からの経過時間であるため、前記用紙搬送手段303は、当該経過時間が前記部間時間を超過するか否かを判定する(図5:S209)。
ここで、前記経過時間が前記部間時間を超過しない場合(図5:S209NO)、前記用紙搬送手段303は、待機する。この待機により、現実には、前記ステイプル処理手段310が前記用紙束605に所定のステイプル処理を実行することになる。又、前記待機中に、図6(A)に示すように、前記用紙束605と、(次に搬送される予定の)次の用紙束606との間に、必要最低限の搬送間隔Bが設けられることになり、前記部間時間を短縮することによる弊害、つまり、前記用紙束相互の干渉(衝突)及び紙詰まり(JAM)の発生を適切に防止することになる。又、次の用紙束606が存在する場合には、前記印刷手段302が、次の画像を用紙に印刷することになる。
一方、前記S209において、前記経過時間が前記部間時間を超過した場合(図5:S209YES)、前記用紙搬送手段303は、前記タイマー304を停止させるとともに、初期値が0である部数カウンタの部数に1を加算して、一部(一用紙束)の仕上がり毎に部数をカウントする。そして、前記用紙搬送手段303は、前記部数カウンタの部数が前記設定条件の部数(3部)と一致するか否かを判定する。つまり、前記用紙搬送手段303が、次の部が存在するか否かを判定する(図5:S210)。
現時点では、前記部数カウンタの部数(1部)が前記設定条件の部数(3部)に一致しないため、前記判定の結果、前記用紙搬送手段303は、次の部が存在すると判定し(図5:S210YES)、前記S107に移行し、先ほど印刷手段302が印刷した用紙(次の用紙束の最初の用紙)を前記パンチ処理部に搬送することになる(図4:S107)。
ここで、前記部間時間は、前記ステイプル処理予測時間により無駄な待機時間が生じないように設定されていたため、図6(A)に示すように、次の用紙束に対する処理は、直前の用紙束との間の間隔を相互に干渉が生じない程度の必要最低限の間隔に保って開始され、当該処理を効率よく開始することが可能となる。
尚、前記S107以降の処理については、上述と同様であるため、その説明を割愛する。
一方、S210において、前記部数カウンタの部数(3部)が前記設定条件の部数(3部)に一致すると、前記用紙搬送手段303は、次の部が存在しないと判定し(図5:S210NO)、前記画像メモリに一時記憶された複数の画像を消去するとともに、前記部数カウンタの部数を消去し、全ての処理を完了することになる。
このように、本発明の複合機100は、前記パンチ処理に要するパンチ処理時間を測定するパンチ時間測定手段306と、前記パンチ処理時間を用いて、前記パンチ処理後の用紙束に仮にステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要するステイプル処理予測時間を算出するステイプル時間予測手段307とを備える。更に、前記複合機100は、前記ステイプル処理予測時間を用いて、前記用紙束を構成する最後の用紙が搬送された時点から、次の用紙束を構成する最初の用紙が搬送される時点までの部間時間を設ける部間時間設定手段310を備える。
これにより、前記用紙束の用紙の種類、ステイプル処理に使用されるモータの電源電圧や使用温度の影響に応じて変動し得るステイプル処理時間を、前記パンチ処理時間により精度高く予想し、当該予想したステイプル処理予想時間に基づいて前記用紙束と次の用紙束との間に設けられる部間時間を設定することが可能となる。そのため、本発明では、従来技術のように、例えば、前記ステイプル処理に要する最大時間を加味して部間時間を設定することが無く、無駄に長期化された待機時間を無くし、部間時間を最適化することが可能となる。その結果、総合的な処理時間を短縮し、処理全体の生産性を向上させることが可能となる。
又、前記ステイプル処理予測時間は、現実のステイプル処理時間と近似する時間となるため、前記部間時間を短縮することによる弊害、つまり、用紙束相互が干渉してJAMが生じる事態を適切に回避することが可能となる。
尚、本発明の実施形態に係る複合機100では、前記パンチ時間測定手段306が、前記用紙束を構成する複数の用紙のうち、所定枚数(3枚)に対してパンチ処理時間を測定するよう構成した。当該構成とすると、例えば、前記用紙束を構成する用紙が全て普通紙である場合、一部のパンチ処理時間からステイプル処理予測時間を算出したとしても、その誤差は数msecの範囲であり、十分精度が高く問題とならない。そのため、前記パンチ処理時間の測定を省略して、前記用紙束の途中の用紙のパンチ処理が実行されている最中に、ステイプル処理予測時間の算出及び部間時間の設定を先に実行することが可能となる。その結果、前記ステイプル処理予測時間の算出が、次の用紙束の最初の用紙の搬送に間に合わないなどの事態を確実に防止することが可能となる。尚、前記算出が間に合わないなどの不都合が無ければ、前記パンチ時間測定手段306が、前記用紙束を構成する複数の用紙の全てに対してパンチ処理時間を測定するよう構成してもよい。
又、本発明の実施形態に係るステイプル時間予測手段307が、前記パンチ処理時間の平均値を、当該パンチ処理時間を測定した用紙束(部)のステイプル処理予測時間の算出に利用したが、他の構成でもよい。例えば、前記ステイプル時間予測手段307が、前記パンチ処理時間の平均値を、次の用紙束のステイプル処理予測時間の算出に利用するよう構成しても構わない。当該構成とすると、前記パンチ処理時間の測定が、前記部間時間の算出に間に合わないなどの事態を確実に防止することが可能となる。
又、本発明の実施形態に係る複合機100では、前記演算式を用いて前記ステイプル処理予測時間を算出するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記ステイプル処理予測時間は、用紙の種類や用紙枚数の多少により単純な比例関係を示さない場合もあるため、各用紙の種類毎、用紙枚数毎に、別途、実験から算出される演算式を予め演算式記憶手段308に記憶させておき、前記ステイプル時間予測手段307が、前記用紙の種類、用紙枚数に対応する演算式を前記演算式記憶手段308から参照して、前記ステイプル処理予測時間を算出するよう構成しても構わない。当該構成とすると、前記ステイプル処理予測時間を、更に、現実のステイプル処理時間に近づけることが可能となる。
又、本発明の実施形態に係る複合機100では、前記部間時間として、紙間時間にステイプル処理予測時間を加算した値を採用したが、他の構成でも構わない。例えば、前記用紙束の整合や搬送などの処理には、現実には、所定の処理時間が生じうるため、当該処理に所定の時間を要すると考えられる場合には、前記部間時間として、前記紙間時間に、前記ステイプル処理予測時間と、当該処理時間(例えば、前記整合時間、前記搬送時間など)とを加算した値を採用しても構わない。
又、本発明の実施形態に係る複合機100では、コピー機能の処理に関して採用したが、例えば、製本処理を利用するプリント機能等に対しても採用できる。
又、本発明の実施形態では、複合機100が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを複合機100に読み出させ、その複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
以上のように、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、パンチ処理及びステイプル処理を伴う製本処理を実行する際に、パンチ処理時間を利用することで、部間時間を最適化し、総合的な処理時間を短縮することが可能な画像形成装置及び画像形成方法として有効である。
100 複合機
102 操作部
125 製本装置
301 表示受付手段
302 印刷手段
303 用紙搬送手段
304 タイマー
305 パンチ処理手段
306 パンチ時間測定手段
307 ステイプル時間予測手段
308 演算式記憶手段
309 部間時間設定手段
310 ステイプル処理手段

Claims (5)

  1. 画像形成した用紙にパンチ処理を実行するとともに、当該パンチ処理後の複数の用紙から構成される用紙束にステイプル処理を実行する後処理装置を備えた画像形成装置において、
    前記パンチ処理に要するパンチ処理時間を測定するパンチ時間測定手段と、
    前記パンチ処理時間を用いて、前記パンチ処理後の用紙束に仮にステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要するステイプル処理予測時間を算出するステイプル時間予測手段と、
    前記ステイプル処理予測時間を用いて、前記用紙束を構成する最後の用紙が搬送された時点から次の用紙束を構成する最初の用紙が搬送される時点までの部間時間を設ける部間時間設定手段と
    を備え
    前記ステイプル時間予測手段は、下記の演算式
    Ts=(Ts0+a*M)*Tpa/Tp0
    (但し、前記Ts0は、普通紙の用紙一枚に対し所定のステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要する標準ステイプル処理時間、前記aは、一枚毎のステイプル時間増加に対する係数、前記Tp0は、普通紙の用紙一枚に対し所定のパンチ処理を実行した場合に当該パンチ処理に要する標準パンチ処理時間)
    に前記パンチ処理時間Tpaと前記用紙束を構成する用紙枚数Mとを代入することで、前記ステイプル処理予測時間Tsを算出することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記パンチ時間測定手段は、前記用紙束を構成する複数の用紙のうち、予め設定された所定枚数の用紙からそれぞれパンチ処理時間を測定し、
    前記ステイプル時間予測手段は、前記測定された複数のパンチ処理時間の平均値を算出し、当該算出した平均値を用いて、前記ステイプル処理予測時間を算出する
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 画像形成した用紙にパンチ処理を実行するとともに、当該パンチ処理後の複数の用紙から構成される用紙束にステイプル処理を実行する後処理装置を備えた画像形成装置の画像形成方法において、
    前記パンチ処理に要するパンチ処理時間を測定するパンチ時間測定ステップと、
    前記パンチ処理時間を用いて、前記パンチ処理後の用紙束に仮にステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要するステイプル処理予測時間を算出するステイプル時間予測ステップと、
    前記ステイプル処理予測時間を用いて、前記用紙束を構成する最後の用紙が搬送された時点から次の用紙束を構成する最初の用紙が搬送される時点までの部間時間を設ける部間時間設定ステップと
    を備え
    前記ステイプル時間予測ステップは、下記の演算式
    Ts=(Ts0+a*M)*Tpa/Tp0
    (但し、前記Ts0は、普通紙の用紙一枚に対し所定のステイプル処理を実行した場合の当該ステイプル処理に要する標準ステイプル処理時間、前記aは、一枚毎のステイプル時間増加に対する係数、前記Tp0は、普通紙の用紙一枚に対し所定のパンチ処理を実行した場合に当該パンチ処理に要する標準パンチ処理時間)
    に前記パンチ処理時間Tpaと前記用紙束を構成する用紙枚数Mとを代入することで、前記ステイプル処理予測時間Tsを算出することを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  5. 請求項に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
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