JP5621841B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5621841B2
JP5621841B2 JP2012502900A JP2012502900A JP5621841B2 JP 5621841 B2 JP5621841 B2 JP 5621841B2 JP 2012502900 A JP2012502900 A JP 2012502900A JP 2012502900 A JP2012502900 A JP 2012502900A JP 5621841 B2 JP5621841 B2 JP 5621841B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
negative electrode
electrode active
charge
electrode plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012502900A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011108056A1 (ja
Inventor
箕浦 敏
敏 箕浦
柴原 敏夫
敏夫 柴原
酒井 政則
政則 酒井
木暮耕二
耕二 木暮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
Original Assignee
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd filed Critical Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
Priority to JP2012502900A priority Critical patent/JP5621841B2/ja
Publication of JPWO2011108056A1 publication Critical patent/JPWO2011108056A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5621841B2 publication Critical patent/JP5621841B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/06Lead-acid accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/14Electrodes for lead-acid accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • H01M4/624Electric conductive fillers
    • H01M4/625Carbon or graphite
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • H01M4/628Inhibitors, e.g. gassing inhibitors, corrosion inhibitors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/40Separators; Membranes; Diaphragms; Spacing elements inside cells
    • H01M50/409Separators, membranes or diaphragms characterised by the material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M2004/021Physical characteristics, e.g. porosity, surface area
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Cell Separators (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、電槽内に極板群・セパレータから遊離した電解液を有する液式鉛蓄電池に関するものである。
鉛蓄電池は、安価で信頼性が高いという特徴を有するため、自動車始動用の動力源やゴルフカート等の電動車両の動力源の電源として、更には無停電電源装置等の産業機器の電源として広く使用されている。
近年、自動車においては、大気汚染防止、地球温暖化防止のため、様々な燃費向上対策が検討されている。燃費向上対策を施した自動車としては、走行停止時にエンジンを停止して無駄なアイドリング運転を行なわせないことにより、エンジンの動作時間を少なくするアイドリングストップ車(以下、ISS車)や、エンジンにかかる負荷を極力軽減するようにオルタネータを制御して、エンジンの回転を無駄なく動力に使用する発電制御車等のマイクロハイブリッド車が検討されている。
ISS車では、エンジンの始動回数が多くなり、その都度、鉛蓄電池の大電流放電が繰り返される。またISS車や発電制御車では、オルタネータによる発電量が少なくなり、鉛蓄電池の充電が間欠的に行われるので充電が不十分となることが多い。そのため、ISS車に用いる鉛蓄電池には、短時間の間にできるだけ多くの充電を行うことができる性能を持たせること、即ち、充電受入れ性を向上させることが必要とされる。また発電制御車では、発進時などのようにエンジンの負担が大きいときや、蓄電池の充電量が一定量に達したときに蓄電池の充電を停止してエンジンの負担を軽減し、蓄電池の充電量が不足する状態になったときに蓄電池を短時間で急速充電して充電量を回復し、減速時など、オルタネータを積極的にエンジンの負荷とすべきときには、オルタネータの発電出力で積極的に蓄電池を充電する等の制御を行なっている。従って、発電制御車に用いる鉛蓄電池において、充電受入れ性を向上させることが必要とされる。
上記のような使われ方をするバッテリは、PSOC(Partial State Of Charge)と呼ばれる部分充電状態で使用されることになる。鉛蓄電池は、PSOC下で使われると、完全充電状態で使用される場合よりも、寿命が短くなる傾向がある。PSOC下で使われると寿命が短くなる理由は、充電が不足している状態で充放電を繰り返すと、放電の際に負極板に生成される硫酸鉛が粗大化していき、硫酸鉛が充電生成物である金属鉛に戻り難くなることにあると考えられている。従って、PSOC下で使用される鉛蓄電池においては、その寿命を延ばすためにも、充電受入れ性を向上させて(短時間でできるだけ多くの充電を行うことを可能にして)、充電が過度に不足している状態で充放電が繰り返されるのを防ぎ、充放電の繰り返しにより硫酸鉛が粗大化するのを抑制する必要がある。
また、PSOC下で使用される鉛蓄電池は、充電の機会が少なく、満充電状態にならないため、電槽内で水素ガスの発生に伴う電解液の撹拌が起こり難い。そのため、この種の鉛蓄電池では、濃度の高い電解液が電槽の下部に滞留し、濃度の低い電解液が電槽の上部に滞留して、電解液の成層化が発生する。電解液濃度が高いとますます充電が受入れられ難くなり(充電反応が進み難くなり)、鉛蓄電池の寿命は更に低下してしまう。
このように、最近の自動車用鉛蓄電池においては、短時間の充電で負荷への高率放電を行うことを可能にすると共に、PSOC下で使用された場合の電池の寿命性能を向上させるために、充電受入れ性を向上させることが極めて重要な課題となっている。
鉛蓄電池においては、もともと正極活物質の充電受入れ性は高いが、負極活物質の充電受入れ性が劣るため、鉛蓄電池の充電受入れ性を向上させるためには、負極活物質の充電受入れ性を向上させることが必須である。そのため、従来は、専ら負極活物質の充電受入れ性を向上させるための努力がされてきた。特許文献1や特許文献2には、負極活物質に添加する炭素質導電材を増量することにより充電受入れ性を向上させ、PSOC下での鉛蓄電池の寿命を向上させることが提案されている。
しかし、これらの提案は、電解液をリテーナと呼ばれるセパレータに含浸させ、電槽中に遊離の電解液を存在させないようにした密閉型の鉛蓄電池を対象としたものであり、セパレータから遊離した電解液を電槽内に有する液式の鉛蓄電池を対象としたものではない。液式の鉛蓄電池においても、負極活物質に添加する炭素質導電材を増量することが考えられるが、液式の鉛蓄電池において負極活物質に添加する炭素質導電材の量をむやみに増加させると、負極活物質中の炭素質導電材が電解液に流出して電解液に濁りを生じさせ、最悪の場合、内部短絡を引き起こしてしまう。従って、液式の鉛蓄電池では、負極活物質に添加する炭素質導電材の量を制限せざるを得ず、負極活物質に炭素質導電材を添加することにより鉛蓄電池全体としての充電受入性を向上させることには限界がある。
密閉型の鉛蓄電池は、電解液量が制限されているため電池容量が低いだけでなく、使用温度が高い場合に熱逸走と呼ばれる現象が発生するため、エンジンルームのような高温環境下での使用は避けざるを得ない。そのため、密閉型の鉛蓄電池を自動車に用いる場合、ラゲッジルームなどに電池を搭載する必要がある。しかし、ラゲッジルームなどに電池を搭載すると、ワイヤーハーネスの増加を招き、好ましくない。自動車用の鉛蓄電池としては、このような制約がない液式の鉛蓄電池を用いるのが好ましい。従って、液式の鉛蓄電池の充電受入れ性を向上させることが急務になっている。
一方、鉛蓄電池においては、充放電に伴って生じる負極活物質の粗大化を抑制し、負極の表面積の減少を抑制して、充放電反応の反応性を高い状態に維持するために、負極活物質の粗大化を抑制する作用をする有機化合物を負極活物質に添加することが行われている。従来、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物としては、木材の主要成分であるリグニンが用いられていた。しかしながら、リグニンは、複数の単位構造が複雑に結合した多種多様の構造を有し、通常、カルボニル基等の、酸化または還元され易い部分を有しているため、鉛蓄電池の充放電に際して、この部分が酸化または還元されて分解される。そのため、負極活物質にリグニンを添加しても、充放電の繰り返しによる性能の低下を抑える効果を長期間に亘って持続させることはできなかった。またリグニンは、充電の際に硫酸鉛から溶け出す鉛イオンに吸着して鉛イオンの反応性を低下させてしまうため、負極活物質の充電反応を阻害し、充電受け入れ性の向上を抑制するという副作用がある。従って、負極活物質に添加されたリグニンは、放電特性は改善するが、充電受入性の向上を妨げるという問題があった。
このような観点から、リグニンに代えて、リグニンの基本構造であるフェニルプロパン構造の側鎖のα位にスルホン基を導入したリグニンスルホン酸ナトリウムや、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物などを負極活物質に添加することが提案されている。
例えば特許文献3及び特許文献4には、負極活物質にビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物と炭素質導電材とを添加することが開示されている。特に、特許文献4には、充放電に伴う硫酸鉛の粗大化を抑制する有機化合物として、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を選択して、硫酸鉛の粗大化を抑制する効果を持続させることと、充電受入れ性を向上させるために炭素質導電材を添加することとが開示されている。また、特許文献5には、負極活物質に導電性カーボンと活性炭を添加して、PSOC下での放電特性を改善することが開示されている。
更に、特許文献6(特開平10−40907号公報)には、正極活物質の比表面積を大きくして、放電容量を大きくすることが開示されている。これは、リグニンを電池化成時の電解液中に添加することにより、正極活物質を微細化し、比表面積を大きくするものである。特許文献6に開示されているのは電池の放電容量を大きくするための発明であり、アイドリングストップ車や発電制御車用の鉛蓄電池に必要な充電受け入れ性やPSOC下でのサイクル特性の向上においては、大きな効果は得られない。
特開2003−36882号公報 特開平07−201331号公報 特開平11−250913号公報 特開2006−196191号公報 特開2003−051306号公報 特開平10−40907号公報
上記のように、液式の鉛蓄電池の充電受入れ性の向上及びPSOC下での寿命性能の向上を図るために、従来は専ら負極活物質の性能を改善することに着目した提案がされていた。しかしながら、負極活物質の充電受入れ性を向上させ、寿命性能を改善しただけでは、鉛蓄電池の充電受入れ性及びPSOC下で使用した際の寿命性能を向上させることに限界があり、PSOC下で使用される鉛蓄電池の性能の更なる向上を図ることは困難である。
本発明の目的は、充電が間欠的に短時間ずつ行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式の鉛蓄電池において、従来の鉛蓄電池よりも更に充電受入性及びPSOC下での使用における寿命性能を向上させることにある。
本発明は、負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池を対象とする。
本発明においては、少なくとも、炭素質導電材と、充放電の繰り返しに伴って負極活物質が粗大化するのを抑制する作用をする有機化合物(以下「負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物」という。)とが負極活物質に添加される。また正極板として、活物質比表面積が6m/g以上に設定されたものを用いる。
本発明者は、正極活物質の活物質比表面積を向上させると、正極活物質の充電反応における反応過電圧を低下させて充電反応の進行を容易にし、正極活物質の充電受入性を向上させることができること、及びこのようにして充電受け入れ性を向上させた正極板を、少なくとも炭素質導電材と、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが負極活物質に添加されることにより充電受入性が改善され、寿命性能が改善された負極板(以下「性能が改善された負極板」という。)と共に用いると、鉛蓄電池全体の充電受入性を従来の鉛蓄電池よりも更に向上させ、PSOC下で使用された場合の寿命性能を更に改善することができることを見出した。
正極活物質の活物質比表面積を6m/g未満とした場合には、鉛蓄電池全体の充電受入性を向上させる効果を顕著に得ることはできないが、正極活物質の活物質比表面積を6m/g以上とすれば、鉛蓄電池全体の充電受入性を向上させる効果を顕著に得ることができる。鉛蓄電池全体の充電受入性を向上させることができれば、PSOC(部分充電状態)下での負荷への高率放電を支障なく行わせることができ、また充電不足の状態で充放電が繰り返されることにより放電生成物である硫酸鉛が粗大化するのを抑制することができるため、PSOC下で使用された場合の電池の寿命性能を向上させることができる。
正極活物質の活物質比表面積を過度に高くすると、正極活物質が微細になり過ぎて、充放電の繰り返しにより活物質の構造が崩壊し、所謂泥状化と呼ばれる現象が起るため、正極板の寿命が短くなり、実用に耐える鉛蓄電池を得ることができなくなる。従って、正極活物質の活物質比表面積は、むやみに高くすればよいと言うわけではない。実験によれば、正極活物質の活物質比表面積が6m/g以上にある時には、電池の充電受け入れ性及び寿命性能が改善される。正極活物質の活物質比表面積が大きくなりすぎると正極活物質が泥状化するおそれがあることを勘案すると、正極活物質の活物質比表面積を13m/gを超える大きさとすることは避けることが好ましい。従って、正極板の活物質比表面積は13m/g以下とするのが好ましい。
即ち、負極活物質に、少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが添加されることにより性能が改善された負極板と、正極板の活物質比表面積が6m/g以上、好ましくは、13m/g以下の範囲に設定された正極板とを用いて鉛蓄電池を組み立てると、専ら負極の性能を向上させることにより充電受入性を向上させていた従来の鉛蓄電池よりも更に充電受入性を向上させて、PSOC下での負荷への高率放電を可能にするとともに、充電が不足する状態で充放電が繰り返されることにより放電生成物である硫酸鉛が粗大化するのを抑制して、PSOC下で使用される場合の寿命性能を向上させた鉛蓄電池を得ることができる。
本発明において、負極活物質の充電受け入れ性を改善するために負極活物質に添加する炭素質導電材は、カーボン系の導電材であって、従来から知られている、黒鉛、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維及びカーボンナノチューブからなる炭素質導電材群の中から選択された少なくとも1つであればよい。
上記炭素質導電材は、好ましくは黒鉛であり、さらに好ましくは、鱗片状黒鉛である。鱗片状黒鉛の平均一次粒子径は、好ましくは、100μm以上である。
鱗片状黒鉛の電気抵抗率は、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類の電気抵抗率より一桁小さいため、負極活物質に添加する炭素質導電材として鱗片状黒鉛を用いると、負極活物質の電気抵抗を下げて、充電受け入れ性能を改善することができる。
負極活物質の充電反応は、放電生成物である硫酸鉛から溶解する鉛イオンの濃度に依存し、鉛イオンが多いほど充電受入れ性が高くなる。負極活物質に添加する炭素質導電材は、放電の際に負極活物質に生成される硫酸鉛を微細に分散させる作用がある。充電不足の状態で充放電サイクルを繰り返すと、放電生成物である硫酸鉛の粗大化を招き、硫酸鉛から溶解する鉛イオンの濃度が低下して充電受け入れ性が低下するが、負極活物質に炭素質導電材を添加しておくと、硫酸鉛の粗大化を抑制して硫酸鉛を微細な状態に維持し、硫酸鉛から溶解する鉛イオンの濃度を高い状態に維持することができるため、長期間に亘って負極の充電受け入れ性を高い状態に維持することができる。
充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制するために負極活物質に添加する有機化合物としては、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とするものを用いることが好ましい。
この場合、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物としては、以下の化1の化学構造式で示されるビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を用いると好結果が得られることが、実験で確認されている。
Figure 0005621841
ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物は、リグニンと同様に、負極活物質の粗大化を抑制する作用をする上に、鉛蓄電池の充放電に際して酸化または還元されやすい部分を有しないため、同縮合物を負極活物質に添加しておくと、充放電により負極活物質が粗大化するのを抑える効果を持続させることができる。またリグニンは充電の際に硫酸鉛から溶け出す鉛イオンに吸着して鉛イオンの反応性を低下させてしまうため、負極活物質の充電反応を阻害し、充電受け入れ性の向上を抑制するという副作用があるが、上記縮合物は、リグニンに比べて、鉛イオンに吸着する量が少ないため、充電反応を阻害する副作用が少ない。従って、負極活物質に炭素質導電材とともにビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を添加すると、負極活物質の改善された充電受入性を維持するとともに、充放電の繰り返しにより充放電の反応性が低下するのを抑制して、負極板の充電受け入れ性及び寿命性能を向上させることができる。
充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とするものを用い、炭素質導電材として、黒鉛、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維及びカーボンナノチューブからなる材料群から選択された少なくとも1つを用いる場合、セパレータの厚み方向の両表面の内、負極板の表面に相対する表面を、ガラス、パルプ及びポリオレフィンからなる材料群の中から選択された少なくとも一つの材料の繊維からなる不織布で構成することが好ましい。
上記のように構成されたセパレータを用いる場合、正極板の活物質比表面積を、6m/g以上、好ましくは、13m/g以下の範囲とすると特に好ましい結果が得られることが実験により確認されている。
本発明は、活物質比表面積を適正な範囲に設定した正極板を、性能(充電受入性及び寿命性能)が改善された負極板と組み合わせて用いることにより、鉛蓄電池の充電受け入れ性及びPSOC下で使用した時の寿命性能を向上させる効果が顕著に得られることを明らかにしたものである。負極板としては、充電受入性及び寿命性能ができるだけ高いものを用いることが好ましい。本発明においては、負極板の充電受入性を改善するために負極活物質に添加する炭素質導電材の量及び充放電による負極活物質の粗大化を抑制するために負極活物質に添加する有機化合物の量を特に規定しないが、本発明を実施するに当って、負極板の性能を可能な限り向上させるように、上記添加物の添加量を設定することは当然である。
本発明によれば、活物質比表面積を6m/g以上、好ましくは、13m/g以下として充電受入性を向上させた正極板と、負極活物質に炭素質導電材と負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とを添加して充電受入性及び寿命性能を改善した負極板とを組み合わせて用いたことにより、鉛蓄電池全体としての充電受入性を、専ら負極板を改善することにより充電受入性を向上させていた従来の鉛蓄電池よりも向上させることができる。従って、PSOC下での負荷への高率放電を可能にすることができるだけでなく、充電不足の状態で充放電が繰り返されることにより硫酸鉛が粗大化するのを抑制して、PSOC下での使用時の寿命性能を向上させることができる。
特に、本発明において、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制するために負極活物質に添加する有機化合物として、充電反応を阻害する副作用を低減させたビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とするものを用いた場合には、鉛蓄電池の充電受け入れ性及び寿命性能を大きく改善することができる。
図1は、充電電圧を14V(一定)として、開回路電圧が12Vの自動車用鉛蓄電池を充電する場合の充電電流と負極板及び正極板の電位との関係を示した線図である。 図2は、負極に添加したビスフェノールAアミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物を化成後の負極板から抽出し、NMR分光法によりスペクトルを測定した結果を示すスペクトルダイアグラムである。
本発明に係わる鉛蓄電池は、充電が間欠的に行われ、PSOC下で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池で、ISS車や発電制御車などのマイクロハイブリッド車等で用いるのに好適なものである。本発明に係わる鉛蓄電池は、負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層して構成した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有する。これらの基本構成は、従来の鉛蓄電池と同様である。
これまで、鉛蓄電池においては、充電受け入れ性を向上させるために、専ら負極の充電受け入れ性を向上させる努力がなされていたが、本発明では、負極だけでなく、正極の充電受け入れ性をも向上させ、充電受け入れ性が改善された負極板と、充電受け入れ性が改善された正極板とを組み合わせて用いることにより、鉛蓄電池の充電受け入れ性の更なる向上を図り、充電不足の状態で充放電が繰り返されることにより硫酸鉛が粗大化するのを抑制して、寿命性能の更なる向上を図る。本発明の実施例を説明するのに先立ち、本発明の基本的な技術思想について説明する。
本発明者は、充電時の正極板の電位の変化と充電電流との関係及び負極板の電位の変化と充電電流との関係を分析した結果、反応過電圧を低下させて充電受入性を向上させた負極板を用いる場合に、正極板の充電受入性を向上させると、鉛蓄電池全体としての充電受入性を、負極板の充電受入性のみを向上させていた従来の鉛蓄電池よりも更に向上させ得ることを見いだした。充電受け入れ性を向上させることができれば、PSOC下での負荷への高率放電を支障なく行わせることができるだけでなく、充電不足の状態で充放電が繰り返されることにより硫酸鉛が粗大化するのを抑制して、寿命性能を向上させことができる。
図1は、充電電圧を14V(一定)として、開回路電圧が12Vの自動車用鉛蓄電池を充電する場合の充電電流と負極板及び正極板の電位との関係を示したものである。図1において、縦軸は充電電流を示し、横軸は標準水素電極を基準にして測定された正極板及び負極板の電位(vs.SHE)を示している。図中N1及びN2は負極板の充電電流対電位曲線を示し、P1及びP2は、正極板の充電電流対電位曲線を示している。なお本来であれば、負極板の充電電流対電位曲線は、直交座標系の第3象限に図示されるべきであるが、図1においては、説明の便宜上、負極板の充電電流対電位曲線を、電位及び電流の極性を反転させて正極板の充電電流対電位曲線と共に第1象限に図示している。
図1において、N1はN2に比べて負極板で行われる充電反応の過電圧が高い場合の充電電流対電位曲線を示している。充電反応の過電圧が高い場合、負極板の充電電流対電位曲線は、図示のN1のように大きく外側に膨らんだ形になるが、過電圧が低い場合には、N2のように、N1よりも起立した曲線になる。
またP1はP2に比べて正極板で行われる充電反応の過電圧が高い場合の充電電流対電位曲線を示している。過電圧が高い場合の充電電流対電位曲線P1は、反応過電圧が低い場合の充電電流対電位曲線P2よりも外側に膨らんだ形になり、反応過電圧が低い場合には、P1よりも起立した曲線になる。
ここで充電反応の過電圧ηは、開回路の状態で充電電圧を印可した際に各電極で生じる電位の変化分である。過電圧ηは、充電電圧を印可した際の各電極の電位と平衡電位(開回路電圧)との差の絶対値、即ち、η=|充電電圧を印可した際の電極電位−平衡電位|で表わされる。
負極活物質の充電受け入れ性を向上させる工夫が特にされていない負極板の充電電流対電位曲線は、図1のN1のように外側に膨らんだ形をとるが、負極活物質に炭素質導電材及び充放電に伴って生じる負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物が適量添加されて充電受け入れ性が改善された負極板の充電電流対電位曲線は、N2のように起立した形をとる。
正極活物質の充電受け入れ性を向上させる工夫が特にされていない正極板の充電電流対電位曲線は、図1のP1のような形をとる。P1は従来の鉛蓄電池で用いられていた正極板の充電電流対電位曲線であり、N1に比べて起立した曲線となっている。このことは、鉛蓄電池においては、もともと負極板の充電受入性が低く、正極板の充電受入性が高いことを意味している。正極活物質の充電反応の過電圧を低下させて正極板の充電受け入れ性を向上させた場合、正極板の充電電流対電位曲線は、図1のP2のようにP1よりも更に起立した形をとる。
今、充電電流対電位特性曲線がそれぞれN1及びP1である負極板及び正極板を用いて鉛蓄電池を組み立てたとすると、開回路電圧(12V)の状態から14Vの充電電圧を印加したときに流れる充電電流はI11となる。開回路電圧は、正極電位と負極電位との差であり、印加する14Vも両極電位の差である。
次に充電電流対電位特性曲線がN2となるように充電反応の過電圧を低下させて充電受け入れ性を改善した負極板と、充電電流対電位曲線がP1となる正極板とを組み合わせて鉛蓄電池を構成したとすると、14Vの充電電圧を印加したときに流れる充電電流はI21(>I11)となる。このことから、正極板の充電電流対電位曲線がP1のままであっても(正極板の性能を特に改善しなくても)、充電電流を大きく増大させることができることが分かる。即ち、充電電流対電位特性曲線がN2となるように負極活物質の充電受入性を改善すれば、正極板の充電受入性を特に改善しなくても、鉛蓄電池全体としての充電受入性を大きく向上させることができる。
次に、充電電流対電位曲線がP2となるように反応過電圧を低下させた正極板を、充電電流対電位曲線がN1である負極板と組み合わせて鉛蓄電池を組み立てたとすると、14Vの充電電圧を印加したときに流れる充電電流はI12(>I11)となり、充電電流対電位曲線がP1の正極板と、充電電流対電位曲線がN1の負極板を用いた場合よりも充電受入性を向上させることができる。しかし、充電電流対電位曲線がP1の正極板と充電電流対電位曲線がN2の負極板とを組み合わせた場合ほどの充電受入性の向上を図ることはできない。
ところが、充電電流対電位曲線がN2となるように過電圧を低下させた(充電受入性を向上させた)負極板と、充電電流対電位曲線がP2となるように過電圧を低下させた(充電受入性を向上させた)正極板とを組み合わせて鉛蓄電池を組み立てると、14Vの充電電圧を印加した際に流れる充電電流をI22(>I11)まで増大させることができ、鉛蓄電池全体としての充電受入性を、負極板の充電受入性のみを向上させた場合に比べて、大幅に向上させることができる。
本発明者は、上記のように、正極板の充電受入性を改善することができると、当該正極板を充電受入性が改善された負極板と組み合わせて用いることにより、鉛蓄電池全体としての充電受入性を、負極板の充電受入性のみを向上させていた従来の鉛蓄電池よりも大幅に向上させ得ることに着目した。
そこで、正極板の充電受入性を向上させるためにとるべき手段を種々検討し、実験を行った結果、正極板の活物質比表面積を増大させれば、充電電流対電位曲線が図1のP2のように起立した曲線となるように、正極板の充電受入性を改善することができることを見出した。そして、活物質比表面積を6m/g以上の範囲に設定することにより充電受入性を改善した正極板を、炭素質導電材と充放電に伴って生じる負極活物質の粗大化を抑制する作用をする有機化合物とを負極活物質に添加して充電受入性及び寿命性能を改善した負極板と組み合わせて鉛蓄電池を組み立てることにより、負極板の充電受入性のみを改善することにより電池全体としての充電受け入れ性を改善していた従来の鉛蓄電池よりも、鉛蓄電池全体としての充電受入性を更に向上させ、PSOC下での使用時の寿命性能を更に改善することができることを見出した。
本明細書においては、正極板の活物質比表面積(正極活物質比表面積ともいう。)を次のように定義する。即ち、すなわち、窒素ガス吸着法により測定する。この方法は、一つの分子の大きさがわかっている不活性ガスを測定試料の表面に吸着させ、その吸着量と不活性ガスの占有面積とから表面積を求める方法であり、比表面積測定の一般的な手法である。具体的には、以下のBET式に基づいて測定する。
式(1)の関係式は、P/Poが0.05〜0.35の範囲でよく成立する。式(1)を変形して(左辺の分子分母をPで割る)、式(2)を得る。
測定に用いる比表面積計では、試料に吸着占有面積のわかったガス分子を吸着させその吸着量(V)と相対圧力(P/Po)の関係を測定する。測定したVとP/Poより、式(2)の左辺とP/Poをプロットする。ここで、勾配をsとし、式(2)より式(3)を導く。
切片をiとすると、切片i、勾配sは、それぞれ式(4)、式(5)のとおりとなる。式(4)、式(5)を変形すると、それぞれ式(6)、式(7)となり、単分子層吸着量Vmを求める式(8)が得られる。
すなわち、ある相対圧力P/Poにおける吸着量Vを数点測定し、プロットの傾きと切片を求めると、単分子層吸着量Vmが求まる。試料の全表面積Stotalは式(9)で求められ、比表面積Sは全表面積Stotalより式(10)で求められる。
Figure 0005621841
Figure 0005621841
Figure 0005621841
Figure 0005621841
Figure 0005621841
Figure 0005621841
Figure 0005621841
Figure 0005621841
Figure 0005621841
Figure 0005621841
正極活物質比表面積が高いことは、放電反応の反応種である水素イオン(H)や硫酸イオン(SO 2−)の拡散移動が速やかに行われる状態を長く維持して、放電反応を長時間に亘って継続させることができることを意味する。反応種の拡散が長時間に亘って維持されることは、反応種の拡散パスが多く存在していることを意味している。
一方、充電反応においては、充電反応の進行に伴って生成してくる水素イオンや硫酸イオンの拡散パスが必要になるが、正極活物質比表面積を高くしておくと、充電反応を行わせる際に生成してくる水素イオンや硫酸イオンの拡散パスを多く存在させて、生成物を極板の反応表面に蓄積させることなく速やかに拡散させることができ、これにより、充電反応を極板全体に亘って円滑に行わせて、充電反応の進行を容易にし、正極板の充電受入れ性を向上させることができるものと思われる。
本発明では、負極板の性能を改善するために、負極活物質に少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とを添加する。
炭素質導電材は、好ましくは、黒鉛、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維及びカーボンナノチューブからなる材料群の中から選択される。これらの内、好ましいのは黒鉛であり、さらに黒鉛としては、鱗片状黒鉛を選択するのが好ましい。鱗片状黒鉛を用いる場合、その平均一次粒子径は、100μm以上とするのが好ましい。炭素質導電材の添加量は、満充電状態の負極活物質(海綿状金属鉛)100質量部に対し0.1〜3質量部の範囲とするのが好ましい。
上記鱗片状黒鉛は、JIS M 8601(2005)記載のものを指す。鱗片状黒鉛の電気抵抗率は、0.02Ω・cm以下で、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類の0.1Ω・cm前後より一桁小さい。従って、従来の鉛蓄電池で用いられているカーボンブラック類に替えて鱗片状黒鉛を用いることにより、負極活物質の電気抵抗を下げて、充電受け入れ性能を改善することができる。
ここで、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径は、JISM8511(2005)記載のレーザ回折・散乱法に準拠して求める。鱗片状黒鉛の平均一次粒子径を求める際には、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製:マイクロトラック9220FRA)を用い、分散剤として市販の界面活性剤ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(例えば、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製:トリトンX−100)を0.5vol%含有する水溶液を用いてこの水溶液に鱗片状黒鉛試料を適量投入し、撹拌しながら40Wの超音波を180秒照射した後、平均粒子径の測定を行なう。求められた平均粒子径(メディアン径:D50)の値を平均一次粒子径とする。
ISS車や発電制御車などのマイクロハイブリッド車両に搭載される鉛蓄電池は、PSOCと呼ばれる部分充電状態で使用される。このような状況下で使用される鉛蓄電池においては、放電の際に負極活物質に生成される絶縁体である硫酸鉛が充放電の繰り返しに伴って粗大化していく、サルフェーションと呼ばれる現象が早期に生じる。サルフェーションが起ると、負極活物質の充電受入れ性及び放電性能が著しく低下する。
負極活物質に添加された炭素質導電材は、硫酸鉛の粗大化を抑制し、硫酸鉛を微細な状態に維持して、硫酸鉛から溶け出す鉛イオンの濃度が低下するのを抑制し、充電受け入れ性が高い状態を維持する作用をする。
また充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物を負極活物質に添加すると、その添加量を最適化しておくことにより、充放電の反応性が長期間損なわれることがなく、充電受け入れ性が高い状態を長期間維持することができる負極板を得ることができる。
上記のように炭素質導電材と負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とを負極活物質に添加して負極板の性能を改善するだけでも、電池全体としての充電受入れ性を向上させることが可能であるが、この負極板を前述した正極板と組み合せることにより、電池全体としての充電受入れ性を更に向上させることができる。
負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物としては、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を用いることが好ましい。上記ビスフェノール類は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等である。上記縮合物のうち、特に好ましいのは、以下に、[化1]の化学構造式で示すビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物である。
Figure 0005621841
前述のように、負極活物質の充電反応は、放電生成物である硫酸鉛から溶解する鉛イオンの濃度に依存し、鉛イオンが多いほど充電受入れ性が高くなる。充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制するために負極活物質に添加する有機化合物として広く用いられているリグニンは、鉛イオンに吸着して鉛イオンの反応性を低下させてしまうため、負極活物質の充電反応を阻害し、充電受け入れ性の向上を抑制するという副作用がある。これに対し、上記[化1]の化学構造式を有するビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物は、鉛イオンへの吸着力が弱く、吸着量も少ないことから、リグニンに代えて上記の縮合物を用いると、充電受入れ性を妨げることが少なくなり、炭素質導電材の添加による充電受け入れ性の維持を妨げることが少なくなる。
本発明は、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として、以下に、[化2]の化学構造式(部分構造)で示すリグニンスルホン酸ナトリウム等を選択することを妨げるものではない。リグニンスルホン酸ナトリウムは、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として多用されているが、鉛イオンへの吸着力が強く、充電反応を抑制する副作用が強いという難点がある。これに対し、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物は、鉛イオンへの吸着力が弱く、鉛イオンに吸着される量が少ないため、充電反応を阻害することがほとんどなく、充電受け入れ性を阻害することがない。
Figure 0005621841
本発明を実施するに当たって、セパレータとしては、ポリエチレンの微多孔シートからなる通常のポリエチレン製のセパレータを用いることができるが、ポリエチレン製のセパレータを単独で用いるのではなく、ガラス繊維、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)繊維、パルプ等の材料の繊維からなる不織布からなるセパレータ(単に「不織布からなるセパレータ」という。)とポリエチレン製セパレータとを併用することが好ましい。この場合、セパレータの負極板と相対する表面が不織布からなるセパレータにより構成されるように、ポリエチレン製セパレータと不織布からなるセパレータとを重ね合わせて用いる。不織布からなるセパレータとしては、上記各種材料から選ばれる複数の繊維の混合物からなるものを用いてもよい。複数の繊維の混合物からなる不織布としては、例えば、特開平2002−260714号公報に開示されている制御弁式鉛蓄電池に適用される薄型セパレータのように、ガラス繊維単独で構成されたものではなく、ガラス繊維と耐酸性有機樹脂繊維との混合物、またはこれらの混合物に必要に応じて更にシリカを加えたものにより構成されたものを用いるのが好ましい。
充電時に硫酸鉛から生成する硫酸イオンは、極板表面を伝って下方へと移動してしまう。PSOC下では、電池が満充電になることがないため、ガス発生による電解液の撹拌が行なわれない。その結果、電池下部の電解液比重が高くなり、上部の電解液比重が低くなるという、成層化と呼ばれる電解液濃度の不均一化が起こる。このような現象が起こると、反応面積が低下することになるため、充電受入れ性および放電性能が低下する。負極板の表面に不織布からなる高多孔度のセパレータを対向させておくと、硫酸イオンの下降を防止することができるため、成層化が起こるのを防ぐことができる。このようなセパレータを用いるだけでも電池全体としての充電受入れ性を向上させることが可能であるが、前述した正極板と組み合せることにより、電池全体としての充電受入れ性を更に向上させることができる。またこのセパレータを前述した正極板及び負極板と組み合せて用いることにより、鉛蓄電池全体としての充電受入れ性を大きく向上させることができる。
先ず、未化成の正極板を作製した。酸化鉛と鉛丹とカットファイバ(ポリエチレンテレフタレート短繊維、以下同)との混合物に水を加えて混練し、続いて希硫酸を少量ずつ添加しながら混練して、正極用活物質ペーストを製造した。この活物質ペーストを、鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式集電体に充填し、40℃、湿度95%の雰囲気で24時間熟成し、その後乾燥して未化成の正極板を作製した。
次に、未化成の負極板を作製した。酸化鉛と、カットファイバと、硫酸バリウムと、炭素質導電材と、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物との混合物に水を加えて混練し、続いて希硫酸を少量ずつ添加しながら混練して、負極用活物質ペーストを作製した。この活物質ペーストを、鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式集電体に充填し、40℃、湿度95%の雰囲気で24時間熟成し、その後乾燥して未化成の負極板を作製した。ここで、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物、炭素質導電材を異ならせて、以下に示す負極板A,B,C,B’を作成した。
負極板A:
負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として前記[化2]に示したリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分とするものを選択し、炭素質導電材として、重油を原料としたカーボンブラック(比表面積260m/g)を用い、その添加量を活物質100質量部に対し0.2質量部としたもの。
負極板B:
負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]に示したビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物(分子量1.7万〜2.0万,化合物中のイオウ含有量は6〜11質量%)を主成分とするものを選択し、炭素質導電材として、上記カーボンブラックを用い、その添加量を活物質100質量部に対し0.2質量部としたもの。
負極板C:
負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]に示したビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物(分子量1.7万〜2.0万,化合物中のイオウ含有量は6〜11質量%)を主成分とするものを選択し、炭素質導電材として、鱗片状黒鉛(平均一次粒子径180μm)を用い、その添加量を活物質100質量部に対し2質量部としたもの。
負極板B’:
負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として、[化1]に示したビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物(分子量1.7万〜2.0万,化合物中のイオウ含有量は6〜11質量%)を主成分とするものを選択し、炭素質導電材は添加しなかったもの。
次に上記負極板A、B、C及びB’と、正極板と、2種類のセパレータとを組み合わせて、鉛蓄電池を組み立てた。電池の組み立ては、正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層して、正極板6枚、負極板7枚の極板群を構成し、キャストオンストラップ(COS)方式で同極の極板の耳部同士を溶接して極板群を作製した。組み立てた鉛蓄電池は、D23サイズである。
ここで、セパレータについては、ポリエチレン製セパレータを単独で用いたセパレータをセパレータPとし、ポリエチレン製セパレータの負極板表面と相対する面にガラス繊維からなる不織布を配した構造のセパレータをセパレータQとした。
なお本実施例では、セパレータQを構成する不織布としてガラス繊維の不織布を用いたが、ガラス繊維の不織布に代えて、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系材料や、パルプ等の材料の繊維からなる不織布を用いてもよく、これら複数の材料の繊維の混合物からなる不織布を用いてもよい。セパレータとして用いる不織布としては、上記各種材料から選ばれた複数の繊維の混合物からなる不織布が特に好ましいが、これらの繊維の混合物に更にシリカを漉き込んだ構成を有する不織布は更に好ましい。
また本実施例では、ポリエチレン製のセパレータとガラス繊維からなる不織布とを重ねることによりセパレータQを構成したが、ガラス繊維等からなる不織布だけによりセパレータQを構成してもよい。即ち、セパレータQは、負極板に相対する面が、ガラス、ポリオレフィン、パルプ等の材料の繊維からなる不織布により構成されているものであればよい。
次に電槽化成を行った。比重が1.24の希硫酸を電槽内に注入し、活物質量に基づく理論容量の200%の電気量を通電して充電し、鉛蓄電池を完成した。正極活物質は、化成時の温度、電流密度、電解液比重によって、活物質の特性が変化する。正極活物質比表面積は、化成温度を高くすると減少し、電解液比重を高くすると増加させることができる。そこで、電槽化成時の温度、電解液比重を調整し、正極板の活物質比表面積が異なる各種鉛蓄電池を準備した。正極活物質比表面積の調整は、前記の化成条件以外にも、例えば、鉛粉出発原料、鉛粉練合条件、極板熟成条件等を適宜選択することにより実現できる。正極活物質比表面積を調整する手段が異なっても、結果として、活物質比表面積が本発明の範囲内であれば、本発明所定の効果を得ることができる。
正極活物質比表面積の測定は、活物質特性測定用の電池を作製し、解体して正極板を取り出し、前項で示した方法により測定した。
[化1]に示すビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物が負極活物質中に存在していることを、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance、以下NMR)分光法により確認した。日本電子株式会社製のNMR分光装置(型式:ECA−500FT−NMR)を用い、以下のとおり分析を実施した。
まず、化成終了後の実施例1の鉛蓄電池を解体し、負極板を取り出した。取り出した負極板を水洗して硫酸分を洗い流した。化成後の負極活物質は多孔質の金属鉛である。負極活物質の酸化を防ぐために、負極板の乾燥を窒素などの不活性ガス中で行なった。乾燥させた負極板から負極活物質を分離して粉砕し、その粉砕物を10%水酸化ナトリウム溶液に投入して、生成する沈殿物(水酸化鉛)を除いた抽出液を前記装置で分析・測定した。測定条件は表1のとおりである
Figure 0005621841
図2に、NMR分光法により測定したスペクトルを示す。横軸は化学シフト(ppm)を示し、縦軸はピーク強度を示している。
図2に二重丸を付して示したように、化学シフト6.7ppmと7.5ppmに、[化1]に示すビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物のp−アミノベンゼンスルホン酸基に由来するピークが認められた。さらに、図2に三角を付して示したように、化学シフト0.5ppm〜2.5ppmの領域に、[化1]に示すビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物のビスフェノールA骨格に由来するピークが認められた。
上記の結果から、負極活物質中に[化1]に示すビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物が存在することを確認できた。
本実施例において作製した極板群の構成は、次の7タイプである。
[タイプ1]
正極板:正極活物質比表面積を5m/gから14.1m/gまで6段階に変化させたもの。
負極板:上記カーボンブラックの添加量を活物質100質量部に対し0.2質量部とし、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を用いた負極板B。ここで、活物質100質量部とは、満充電状態における活物質(海綿状金属鉛)100質量部を言う。以下同様である。
セパレータ:ポリエチレン製セパレータP
[タイプ2]
正極板:正極活物質比表面積を5m/gから14.1m/gまで6段階に変化させたもの。
負極板:上記カーボンブラックの添加量を活物質100質量部に対し0.2質量部とし、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を用いた負極板B。
セパレータ:ポリエチレン製セパレータとガラス繊維からなる不織布とからなるセパレータQ。
[タイプ3]
正極板:正極活物質比表面積を5m/gから14.1m/gまで6段階に変化させたもの。
負極板:上記カーボンブラックの添加量を活物質100質量部に対し0.2質量部とし、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化2]のリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分とするものを選択した負極板A。
セパレータ:ポリエチレン製のセパレータP
[タイプ4]
正極板:正極活物質比表面積を5m/gから14.1m/gまで6段階に変化させたもの。
負極板:上記カーボンブラックの添加量を活物質100質量部に対し0.2質量部とし、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化2]のリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分とするものを選択した負極板A。
セパレータ:ポリエチレン製セパレータとガラス繊維からなる不織布とからなるセパレータQ。
[タイプ5]
正極板:正極活物質比表面積を5m/gから14.1m/gまで6段階に変化させたもの。
負極板:上記鱗片状黒鉛の添加量を活物質100質量部に対し2質量部とし、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を用いた負極板C。
セパレータ:ポリエチレン製セパレータP。
タイプ6
正極板:正極活物質比表面積を5m/gから14.1m/gまで6段階に変化させたもの。
負極板:上記鱗片状黒鉛の添加量を活物質100質量部に対し2質量部とし、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を用いた負極板C。
セパレータ:ポリエチレン製セパレータとガラス繊維からなる不織布とからなるセパレータQ。
[タイプ7]
正極板:正極活物質比表面積を5m/gから14.1m/gまで6段階に変化させたもの。
負極板:炭素質導電材を添加せず、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を用いた負極板B’。
セパレータ:ポリエチレン製セパレータとガラス繊維からなる不織布とからなるセパレータQ。
なお本実施例において、正極活物質の比表面積の測定は、前述した窒素ガス吸着法によった。即ち、前述の[数10]により求められるSを、正極活物質比表面積とした。
タイプ1ないし7の極板群構成の鉛蓄電池について、充電受け入れ性の測定と、サイクル特性の測定とを行った。まず、充電受入れ性の測定は次のようにして行なった。組立て初期の鉛蓄電池を、25℃の恒温槽の中でSOC(充電状態)を満充電状態の90%に調整し、14Vの充電電圧の印加(但し、14Vに達する前の電流を100Aに制限)開始時から5秒目の充電電流値(5秒目充電電流値)を計測した。5秒目充電電流値が高い場合ほど初期の充電受入れ性が高いことを意味する。また、40℃の恒温槽の中で、充電電圧14.8V(但し、14.8Vに達する前の電流を25Aに制限),充電時間10分の充電と、25A定電流放電,放電時間4分の放電を1サイクルとしたサイクル試験を5000サイクル繰り返した後、上記の初期と同様の条件で充電受け入れ性の測定を行った。すなわち、5000サイクル後の5秒目充電電流値が高いほど初期の良好な充電受け入れ性をその後も維持していることを意味する。
サイクル特性の測定(寿命試験)は次のように行なった。電池温度が25℃になるように雰囲気温度を調整し、45A−59秒間、300A−1秒間の定電流放電を行った後、100A−14V−60秒間の定電流・定電圧充電を1サイクルとする寿命試験を行なった。この試験はISS車での鉛蓄電池の使われ方を模擬したサイクル試験である。この寿命試験では、放電量に対して充電量が少ないため、充電が完全に行なわれないと徐々に充電不足になり、その結果、放電電流を300Aとして1秒間放電した時の1秒目電圧が徐々に低下する。即ち、定電流・定電圧充電時に負極が分極して早期に定電圧充電に切り替わると、充電電流が減衰して充電不足になる。この寿命試験では、300A放電時の1秒目電圧が7.2Vを下回ったときを、その電池の寿命と判定した。
充放電サイクル中も高い充電受け入れ性を維持しなければ、充電不足の状態が継続し、サイクル特性は悪くなる。上記の5秒目充電電流値の充放電サイクルに伴う変化とサイクル特性を評価することで、充放電サイクル中の充電受け入れ性の良否を適正に評価することになる。
上記の試験により、定電圧充電時の充電受入れ性と、PSOC下で使用されたときの耐久性とを評価できる。
タイプ1ないしタイプ7の極板群構成を有するタイプ1ないし7の鉛蓄電池について行った5秒目充電電流の測定結果と、サイクル特性の測定結果とをそれぞれ表2ないし表8に示した。
表2ないし表4においては、正極活物質比表面積を5m/gとした場合を従来例とし、表5ないし表7においては、正極活物質比表面積を5m/gとした場合を比較例とした。また負極活物質に炭素質導電材を添加しなかった表8においては、正極活物質比表面積を5m/gないし14.1m/gとしたすべての例を参考例とした。各表に示された5秒目充電電流及びサイクル特性は、表4の従来例を100(5秒目充電電流にあっては、初期を100)として評価したものである。
Figure 0005621841
上記の結果から、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を主成分としたものを用いると、正極活物質比表面積が5m/gである場合でも、従来例より、5秒目充電電流(充電受け入れ性)及びサイクル特性(PSOC下での寿命性能)を大きく向上させることができることが分る。また正極活物質比表面積を6m/g以上とすることにより、同比表面積を5m/gとした場合よりも明らかに5秒目充電電流及びサイクル特性を向上させることができる。5秒目充電電流及びサイクル特性は正極活物質比表面積を増大させるにつれて頭打ちになっていき、正極活物質比表面積が14.1m/gとなると、正極活物質比表面積が13m/gの場合よりサイクル特性が低下する傾向にある。
Figure 0005621841
上記の結果からも、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を主成分としたものを用いると、5秒目充電電流(充電受け入れ性)及びサイクル特性(PSOC下での寿命性能)を大きく向上させることができることが分る。また上記の結果から、セパレータとして負極板に対向する部分に不織布を用いたセパレータQを使用すると、ポリエチレン製のセパレータPを用いた場合よりもサイクル特性を大きく向上させることができることが分る。また正極活物質比表面積を6m/gとすることにより、同比表面積を5m/gとした場合よりも明らかに5秒目充電電流及びサイクル特性を向上させることができる。この場合も、5秒目充電電流及びサイクル特性は、正極活物質比表面積を増大させるにつれて頭打ちになる傾向があり、正極活物質比表面積が14.1m/gとなると、正極活物質比表面積が13m/gの場合より寿命性能が低下する傾向にある。また上記の結果から、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を用い、セパレータとして負極に対向する部分が不織布により構成されているセパレータQを用いる場合には、正極活物質比表面積を6m/g以上の範囲に設定すると、5秒目充電電流を従来例の約2倍にまで向上させることができ、サイクル特性を従来例の約3倍にまで向上させることができることが分かる。
Figure 0005621841
上記の結果から、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化2]のリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分としたものを用いた場合も、正極活物質比表面積を6m/g以上とすることにより、同比表面積を5m/gとした場合よりも5秒目充電電流及びサイクル特性が改善されることが分かる。この場合も、5秒目充電電流及びサイクル特性は、正極活物質比表面積を増大させるにつれて頭打ちになる傾向がある。
Figure 0005621841
上記の結果から、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化2]のリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分としたものを用いた場合も、セパレータとして負極板に対向する部分に不織布を用いたセパレータQを使用すると、ポリエチレン製のセパレータPを用いた表4の場合よりもサイクル特性を大きく向上させることができることが分る。この場合も、正極活物質比表面積を6m/g以上とすることにより、同比表面積を5m/gとした場合よりも5秒目充電電流及びサイクル特性を向上させることができるが、5秒目充電電流及びサイクル特性は、正極活物質比表面積を増大させるにつれて頭打ちになる傾向がある。
Figure 0005621841
表6と表2を比較すると、負極に添加する炭素質導電材の影響を見ることが出来る。表6は、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]のビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分としたものを用い、セパレータとして負極板に対向する部分にセパレータPを使用した条件において、活物質100質量部に対し鱗片状黒鉛を2質量部添加した場合のサイクル特性の測定結果を示している。また表2は、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]のビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分としたものを用い、セパレータとして負極板に対向する部分にセパレータPを使用した条件において、カーボンブラックを活物質100質量部に対し0.2質量部添加した場合のサイクル特性の測定結果を示している。
鱗片状黒鉛は、添加量を増やしても活物質ペーストの物性変化がない(ペーストが硬くならない)特徴を持っているため、添加量を増やすことが可能である。
表6と表2を比較すると、鱗片状黒鉛を2質量部添加した場合、初期の5秒目充電電流は、カーボンブラックを0.2質量部添加した場合と大差が無いが、5000サイクル後の5秒目充電電流とサイクル特性は、カーボンブラックを0.2質量部添加した場合よりも更に大きく改善できることが分かる。
この違いは、炭素質導電材の抵抗値がカーボンブラックよりも鱗片状黒鉛の方が低く、また添加量も多くできるため、充電受け入れ性が一層よくなった結果と考えられる。
鱗片状黒鉛を2質量部添加した場合も、正極活物質比表面積を6m/g以上とすることにより、同比表面積を5m/gとした場合よりも5秒目充電電流及びサイクル特性を向上させることができるが、5秒目充電電流及びサイクル特性は、正極活物質比表面積を増大させるにつれて頭打ちになっていき、正極活物質比表面積が14.1m/gとなると、正極活物質比表面積が13m/gの場合よりサイクル特性が低下する傾向にある。
Figure 0005621841
上記表7と表3を比較すると、負極に添加する炭素質導電材として、鱗片状黒鉛を活物質100質量部に対し2質量部添加した場合、初期の5秒目充電電流には大差が無いが、5000サイクル後の5秒目充電電流とサイクル特性は、カーボンブラックを活物質100質量部に対し0.2質量部添加した場合よりも更に大きく改善できることが分かる。
また表6と表7を比較すると、セパレータとして、負極板に対向する部分に不織布を用いたセパレータQを使用すると、ポリエチレン製のセパレータPを用いた場合よりもサイクル特性を大きく向上させることができることが分る。この場合も、正極活物質比表面積を6m/g以上とすることにより、同比表面積を5m/gとした場合よりも5秒目充電電流及びサイクル特性を向上させることができるが、5秒目充電電流及びサイクル特性は、正極活物質比表面積を増大させるにつれて頭打ちになる傾向があり、正極活物質比表面積が14.1m/gとなると、正極活物質比表面積が13m/gの場合より寿命性能が低下する傾向にある。
Figure 0005621841
表8は、参考例として、炭素質導電材を添加しなかった例を示している。上記の結果から、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を主成分としたものを用いると、負極活物質に炭素質導電材を添加しない場合でも、初期においては、従来例よりも5秒目充電電流及びサイクル特性を大幅に改善できることが分かる。またこの場合も、正極活物質比表面積を6m/g以上とすることにより、同比表面積を5m/gとした場合よりも5秒目充電電流及びサイクル特性を向上させることができるが、5秒目充電電流及びサイクル特性は、正極活物質比表面積を増大させるにつれて頭打ちになる傾向がある。
また初期の5秒目充電電流値は、表3の場合よりもわずかに高くなっている。しかし、放電の際に負極活物質に生成される硫酸鉛を微細に分散させる作用がある炭素質導電材を負極活物質に添加していないので、サイクル特性は表3の場合と比べると著しく悪い。すなわち、初期の充電受け入れ性は良好であるが、その良好な状態を充放電サイクル中に亘って維持することができず、充放電サイクルの経過に伴って充電受け入れ性が低下したために、サイクル特性が悪くなった。炭素質導電材を添加しないと、正極板の活物質比表面積を適正に調整しても、サイクル特性を向上させることはできない。
表2ないし表7に示した結果から、正極活物質比表面積を6m/g以上とすると、程度の違いはあるが、正極活物質比表面積を5m/gとした場合に比べて5秒目充電電流を改善できることが分った。
同じセパレータを採用した極板群構成の鉛蓄電池についての評価結果を示す表2と表4と表6、表3と表5と表7をそれぞれ比較すると、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として、[化1]の縮合物を主成分とするものを選択した負極板BまたはCを用いた場合、正極活物質比表面積が5m/gであったとしても、従来例よりも充電受入れ性が大きく向上したことが分る。また、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化2]のリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分とするものを選択した負極種別Aを用いた場合には、正極活物質比表面積を高くしても充電受入れ性を大幅には改善できないのに対し、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を主成分とするものを選択した負極板BまたはCを用いた場合には、正極活物質比表面積を高くすることにより充電受入れ性が大きく向上し、充電受入れ性が最大で正極活物質比表面積を5m/gとした場合の約2倍に達することが明らかになった。
また表2と表4と表6、表3と表5と表7をそれぞれ比較すると、負極板Bまたは負極板Cを用いた場合に、サイクル特性が大きく向上することが明らかになった。これは、前述した充電受入れ性の測定結果と同様に、負極の充電受入れ性が電池全体としての充電受入れ性に大きく影響していることを示している。なかでも、セパレータQを用いた表3、表5及び表7の結果によると、サイクル特性が従来例の約3倍にも達した。
一方では、正極活物質比表面積が高くなるに従って、徐々にサイクル数が低下する傾があり、正極活物質比表面積が13m/gを超えると、正極活物質比表面積が7.4m/gのときと比較して10%もサイクル数が短くなった。これは、活物質の多孔度が高くなり過ぎたために、充放電の繰り返しにより活物質の構造が崩壊する、泥状化と呼ばれる現象が起こったためである。このことから、正極活物質比表面積は6m/g以上13m/g以下の範囲にあることが最も好ましいと考えられる。そこで、表2、表4及び表6の鉛蓄電池に対して、0.2C電流で1時間放電し、その後0.2C電流で1.25時間充電することを1サイクルとしたサイクル試験を実施した。このサイクル試験は、重負荷寿命試験であり、負極活物質の粗大化やサルフェーションに起因する寿命モードではなく、正極板の活物質泥状化が原因で放電不能となり、寿命となるサイクル試験である。この試験では、放電開始後1時間目に測定した電圧が10.2Vを下回ったときを寿命とした。この試験において、比表面積が6m2/gの正極板を使用したときの寿命を100としてサイクル特性を評価した試験結果を表9に示す。試験結果は、負極板A、B、Cのいずれを使用した場合も、同様であった。
Figure 0005621841
このように、正極物質比表面積が13m/gを超えるとサイクル結果が極端に低下した。このことと、表2ないし7の結果とを総合すると、重負荷使用の面からも、正極活物質比表面積は6m/g以上13m/g以下の範囲にあることが最も好ましいと考えられる。表2〜7の各表に示したサイクル特性は、活物質比表面積が低い側では、主として負極活物質の粗大化やサルフェーションに起因する寿命モードとなっており、活物質比表面積が高くなるに従って、正極活物質の泥状化に起因する寿命モードに移行している。
しかしながら、正極活物質比表面積が13m/gを超えても、負極板の充電受入れ性の向上との相乗効果によって、従来例よりも2.9倍のサイクル数に達している。以上のように、充電受入れ性を向上させた負極板を使用し、正極板の活物質比表面積を高めることにより、電池の充電受入れ性及び寿命性能を向上させることができることが明らかになった。負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として、[化1]の縮合物を用いる場合も、[化2]のリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分としたものを用いる場合も、セパレータをポリエチレン製のセパレータPから負極に対向する部分が不織布からなるセパレータQに変更することにより、サイクル特性が大きく向上することが明らかになった。
ビスフェノール類のベンゼン核にp−アミノベンゼンスルホン酸基が結合した基本構造単位の縮合物を用いると、特に高い効果が得られるが、スルホン酸基がビスフェノール類のベンゼン核に結合した縮合物を用いた場合にも、同等の効果が得られる。
次に、表6に示されたNo.4のタイプの鉛蓄電池及び表7に示されたNo.4のタイプの鉛蓄電池において、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径を変えて、その粒子径が電池特性に及ぼす影響を確認する試験を行った。この試験では、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径を、80μm,100μm,120μm,140μm,180μm,220μmと変化させた。その他の点は、表6のNo.4及び表7のNo.4のそれぞれのタイプの鉛蓄電池と同様とした。表6に示されたNo.4のタイプの鉛蓄電池について5秒目充電電流とサイクル特性を評価した結果を表10に示し、表7に示されたNo.4のタイプの鉛蓄電池について5秒目充電電流とサイクル特性を評価した結果を表11に示した。各表に示された5秒目充電電流及びサイクル特性は、表2ないし表8と同様に、表4の従来例を100(5秒目充電電流にあっては、初期を100)として評価したものである。
Figure 0005621841
Figure 0005621841
表10、表11の結果から、セパレータの種別の如何に関わりなく、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径が大きいほど初期の5秒目充電電流が大きくなり、サイクル特性も向上することがわかる。この傾向は、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径が100μm以上の範囲で顕著であり、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径を80μmとした場合には、効果が小さい。これは、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径が小さいとその接点で電気抵抗が増えるためであり、粒子径が大きいほど電気抵抗が低くなり、充電特性とサイクル寿命が向上するためである。また、この場合も、前述の結果と同様に、セパレータとして、負極板に対向する部分に不織布を用いたセパレータQを使用すると、ポリエチレン製のセパレータPを用いた場合よりもサイクル特性を大きく向上させることができることが分る。
これらの結果から、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径は、100μm以上の範囲が好ましく、最適は140μm以上である。鱗片状黒鉛は、天然黒鉛を精製して製造するのが一般的である。平均一次粒子径が220μmを越える鱗片状黒鉛は、製造の際の収率が低いため、工業的に使用する量を入手することが難しくなる。
従来の鉛蓄電池では、鉛蓄電池の充電受入れ性を改善するに当って、専ら負極板の充電受入れ性及び寿命性能を改善することにより力が注がれ、正極板の性能を改善することにより鉛蓄電池の充電受入れ性を改善するとの考え方はとられていなかった。そのため、従来は負極の充電受入れ性により鉛蓄電池全体の充電受入れ性が決まっており、鉛蓄電池の充電受入れ性を向上させる上で限界があった。本発明では、この限界を打破するために正極活物質の性能に着目し、正極活物質の性能を改善することにより、電池全体としての充電受入れ性を従来の鉛蓄電池よりも更に改善することを可能にした。
従来技術では、負極板の特性を改良することによってのみで充電受入れ性の向上を図っていたが、本発明では、正極活物質比表面積を高くすることにより、正極板の充電受入れ性を改良し、これにより、電池全体の充電受け入れ性を従来よりも更に改善することを可能にして、PSOC下でのさらなる高率放電を可能にした。また本発明によれば、鉛蓄電池の充電受け入れ性を改善できることにより、充電不足の状態で充放電が繰り返されるのを防ぐことができるため、充電不足の状態で充放電が繰り返されることにより放電生成物である硫酸鉛が粗大化するのを防ぐことができ、PSOC下での鉛蓄電池の寿命性能を改善することができる。これは、PSOC下で使用される鉛蓄電池にとって大きな前進であり、マイクロハイブリッド車等に搭載される鉛蓄電池の性能の向上に大きく寄与するものである。
以上のように本発明は、充電受入れ性及びPSOC下での寿命性能が従来より向上した液式鉛蓄電池を提供することを可能にするものであり、ISS車や発電制御車などのマイクロハイブリッド車等の普及に寄与するものである。従って、本発明は、自動車の燃費向上により炭酸ガスの排出量の低減を図り、地球温暖化を抑制するという地球規模の課題の解決に役立つものであり、産業上の利用可能性が大である。

Claims (4)

  1. 負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池であって、
    少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが前記負極活物質に添加され、
    前記正極板の活物質比表面積が6m/g以上に設定されており、
    前記充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物は、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とする有機化合物であり、
    前記炭素質導電材は、平均一次粒子径が100μm以上の鱗片状黒鉛であること、
    を特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物は、以下の化1の化学構造式で示されるビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物である請求項1に記載の鉛蓄電池。
    Figure 0005621841
  3. 前記セパレータは、前記負極板の表面に相対する表面が、ガラス、パルプ及びポリオレフィンからなる材料群から選択された少なくとも1つの材料の繊維で構成される不織布からなるように構成されている請求項1または3に記載の鉛蓄電池。
  4. 前記正極板の活物質比表面積が6m/g以上13m/g以下の範囲に設定されている請求項7に記載の鉛蓄電池。
JP2012502900A 2010-03-01 2010-12-27 鉛蓄電池 Active JP5621841B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012502900A JP5621841B2 (ja) 2010-03-01 2010-12-27 鉛蓄電池

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010044212 2010-03-01
JP2010044212 2010-03-01
PCT/JP2010/007567 WO2011108056A1 (ja) 2010-03-01 2010-12-27 鉛蓄電池
JP2012502900A JP5621841B2 (ja) 2010-03-01 2010-12-27 鉛蓄電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011108056A1 JPWO2011108056A1 (ja) 2013-06-20
JP5621841B2 true JP5621841B2 (ja) 2014-11-12

Family

ID=44541742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012502900A Active JP5621841B2 (ja) 2010-03-01 2010-12-27 鉛蓄電池

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20130022860A1 (ja)
EP (1) EP2544291B1 (ja)
JP (1) JP5621841B2 (ja)
KR (1) KR20120132491A (ja)
CN (1) CN102246343B (ja)
BR (1) BR112012021876A2 (ja)
MX (1) MX2012010082A (ja)
WO (1) WO2011108056A1 (ja)

Families Citing this family (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9912009B2 (en) * 2009-12-18 2018-03-06 Molecular Rebar Design, Llc Binders, electrolytes and separator films for energy storage and collection devices using discrete carbon nanotubes
KR20130130751A (ko) * 2010-12-21 2013-12-02 신코베덴키 가부시키가이샤 연축전지
WO2013005733A1 (ja) * 2011-07-05 2013-01-10 株式会社Gsユアサ 液式鉛蓄電池
WO2013031263A1 (ja) * 2011-09-01 2013-03-07 新神戸電機株式会社 鉛蓄電池
JP2013065443A (ja) * 2011-09-16 2013-04-11 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 鉛蓄電池
EP2770574B1 (en) * 2011-10-18 2016-05-04 Hitachi Chemical Company, Ltd. Lead storage battery
WO2013073420A1 (ja) * 2011-11-16 2013-05-23 新神戸電機株式会社 鉛蓄電池
JP5884528B2 (ja) * 2012-02-03 2016-03-15 株式会社Gsユアサ 液式鉛蓄電池
JP6066119B2 (ja) * 2012-04-06 2017-01-25 株式会社Gsユアサ 液式鉛蓄電池
EP2888772B1 (en) * 2012-08-22 2020-06-03 Daramic, LLC Battery separator with gel impregnated nonwoven for lead acid battery
KR20150126903A (ko) * 2013-03-07 2015-11-13 다라믹 엘엘씨 적층 산화 보호 분리막
CN103187560B (zh) * 2013-03-30 2016-02-24 浙江工业大学 一种仿动物鳞片状结构的硫碳复合材料及其应用
CN105683233B (zh) * 2013-10-28 2017-09-22 日立化成株式会社 树脂组合物、电极、铅蓄电池和它们的制造方法
WO2015079631A1 (ja) * 2013-11-29 2015-06-04 株式会社Gsユアサ 鉛蓄電池
JP6311799B2 (ja) * 2014-11-27 2018-04-18 日立化成株式会社 鉛蓄電池
EP3279980B1 (en) * 2015-03-30 2021-11-03 GS Yuasa International Ltd. Lead acid storage battery
JP6582636B2 (ja) * 2015-07-06 2019-10-02 日立化成株式会社 鉛蓄電池
JP2015216123A (ja) * 2015-07-15 2015-12-03 株式会社Gsユアサ 液式鉛蓄電池
JP6657644B2 (ja) * 2015-08-04 2020-03-04 株式会社Gsユアサ 鉛蓄電池
CN105428613B (zh) * 2015-11-06 2019-06-21 深圳市雄韬电源科技股份有限公司 一种铅酸电池的制备方法及铅酸电池
CN108886174B (zh) * 2016-03-30 2021-11-05 昭和电工材料株式会社 铅蓄电池、微型混合动力车和怠速停止系统车
JP2017183160A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 日立化成株式会社 鉛蓄電池
WO2018025837A1 (ja) * 2016-08-05 2018-02-08 株式会社Gsユアサ 鉛蓄電池
JP6555212B2 (ja) * 2016-08-15 2019-08-07 トヨタ自動車株式会社 バッテリパックの製造方法
JP6775764B2 (ja) 2016-09-30 2020-10-28 株式会社Gsユアサ 鉛蓄電池
CN110546792B (zh) * 2017-04-28 2023-03-14 株式会社杰士汤浅国际 铅蓄电池
JP7099448B2 (ja) * 2017-04-28 2022-07-12 株式会社Gsユアサ 鉛蓄電池
US11936032B2 (en) 2017-06-09 2024-03-19 Cps Technology Holdings Llc Absorbent glass mat battery
EP3635805B1 (en) 2017-06-09 2023-09-06 CPS Technology Holdings LLC Lead-acid battery
CN110959223B (zh) * 2017-07-24 2023-09-15 株式会社杰士汤浅国际 铅蓄电池
JP6996274B2 (ja) * 2017-10-24 2022-02-04 昭和電工マテリアルズ株式会社 鉛蓄電池
WO2020158507A1 (ja) * 2019-02-01 2020-08-06 日本ゼオン株式会社 分散液、導電膜およびその製造方法、電極、並びに、太陽電池

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0676815A (ja) * 1992-06-29 1994-03-18 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 鉛蓄電池用陽極板及びその製造方法
JP2002141066A (ja) * 2000-10-31 2002-05-17 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 制御弁式鉛蓄電池
JP2002231247A (ja) * 2001-01-30 2002-08-16 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 制御弁式鉛蓄電池
WO2005124920A1 (ja) * 2004-06-16 2005-12-29 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 鉛蓄電池

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5314766A (en) * 1992-10-19 1994-05-24 General Motors Corporation Lead-acid battery electrode and method of manufacture
JP3185508B2 (ja) * 1993-12-29 2001-07-11 日本電池株式会社 密閉形鉛蓄電池
WO1997037393A1 (fr) * 1996-03-29 1997-10-09 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Accumulateur au plomb
JP2000030696A (ja) * 1998-07-09 2000-01-28 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 密閉形鉛蓄電池
JP4715075B2 (ja) * 2002-05-20 2011-07-06 パナソニック株式会社 制御弁式鉛蓄電池
JP2004127585A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 負極用ペースト状活物質の製造方法
JP4396527B2 (ja) * 2005-01-11 2010-01-13 新神戸電機株式会社 鉛蓄電池
DE602007010933D1 (de) * 2006-06-20 2011-01-13 Teck Metals Ltd Verfahren und vorrichtung zum kontinuierlichen mischen von batteriepasten
JP2008243487A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Furukawa Battery Co Ltd:The 鉛電池
JP5194729B2 (ja) * 2007-04-06 2013-05-08 新神戸電機株式会社 鉛蓄電池

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0676815A (ja) * 1992-06-29 1994-03-18 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 鉛蓄電池用陽極板及びその製造方法
JP2002141066A (ja) * 2000-10-31 2002-05-17 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 制御弁式鉛蓄電池
JP2002231247A (ja) * 2001-01-30 2002-08-16 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 制御弁式鉛蓄電池
WO2005124920A1 (ja) * 2004-06-16 2005-12-29 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 鉛蓄電池

Also Published As

Publication number Publication date
EP2544291A4 (en) 2015-10-21
WO2011108056A1 (ja) 2011-09-09
CN102246343B (zh) 2015-12-16
MX2012010082A (es) 2012-09-12
JPWO2011108056A1 (ja) 2013-06-20
US20130022860A1 (en) 2013-01-24
EP2544291B1 (en) 2017-01-18
KR20120132491A (ko) 2012-12-05
CN102246343A (zh) 2011-11-16
EP2544291A1 (en) 2013-01-09
BR112012021876A2 (pt) 2016-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5621841B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5783170B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5598532B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5083481B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5500315B2 (ja) 鉛蓄電池
JP6597842B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5126454B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5445655B2 (ja) 鉛蓄電池
JPWO2016084858A1 (ja) 鉛蓄電池
JP2013065443A (ja) 鉛蓄電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140826

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5621841

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350