JP6582636B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6582636B2
JP6582636B2 JP2015135208A JP2015135208A JP6582636B2 JP 6582636 B2 JP6582636 B2 JP 6582636B2 JP 2015135208 A JP2015135208 A JP 2015135208A JP 2015135208 A JP2015135208 A JP 2015135208A JP 6582636 B2 JP6582636 B2 JP 6582636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
electrode material
negative electrode
lead
specific surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015135208A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017016970A (ja
Inventor
康平 島田
康平 島田
柴原 敏夫
敏夫 柴原
隆之 木村
隆之 木村
近藤 隆文
隆文 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2015135208A priority Critical patent/JP6582636B2/ja
Publication of JP2017016970A publication Critical patent/JP2017016970A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6582636B2 publication Critical patent/JP6582636B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、鉛蓄電池に関する。
近年、自動車においては、大気汚染防止又は地球温暖化防止のため、様々な燃費向上対策が検討されている。燃費向上対策を施した自動車としては、例えば、エンジンの動作時間を少なくするアイドリングストップシステム車(以下、「ISS車」という)、エンジンの回転を無駄なく動力に使用する発電制御車等のマイクロハイブリッド車が検討されている。
ISS車では、エンジンの始動回数が多くなるため、鉛蓄電池の大電流放電が繰り返される。また、ISS車及び発電制御車では、オルタネータによる発電量が少なくなり、鉛蓄電池の充電が間欠的に行われるため充電が不充分となる。
前記のような使われ方をする鉛蓄電池は、PSOC(Partial State Of Charge)と呼ばれる部分充電状態で使用されることになる。鉛蓄電池は、PSOC下で使用されると、満充電状態で使用される場合よりも寿命が短くなる。
また、近年、欧州では、マイクロハイブリッド車の制御に則した、充放電サイクル中における鉛蓄電池の充電性が重要視されており、このような形態のDCA(Dynamic Charge Acceptance)評価が規格化されつつある。つまり、PSOCと呼ばれる部分充電状態で使用される鉛蓄電池においては、前記のような鉛蓄電池の使われ方は、重要視されてきている。
これに対し、下記特許文献1には、PSOC下で使用される場合の電池の充電効率とサイクル特性とを向上させるために、電槽化成の条件を変更することで正極板における活物質の比表面積を5.5m/g以上に調整する技術が開示されている。
国際公開第2012/042917号
ところで、完全な充電が行われず充電が不足した状態で鉛蓄電池が使用される場合には、電池内の電極(極板等)における上部と下部との間で、電解液である希硫酸の濃淡差が生じる成層化現象が起こる。また、完全な充電が行われる場合には、その充電末期のガス発生(ガッシング)により電解液の撹拌が行われる。しかし、部分充電ではそのようなガッシングが起こらないので、電解液の上部と下部の撹拌が不充分になることから濃度が不均一になり、成層化が更に進行する。この場合、電極下部の希硫酸の濃度が高くなりサルフェーションが発生する。サルフェーションは、放電生成物である硫酸鉛が充電状態に戻りにくい現象である。そのため、サルフェーションが発生すると、電極下部の反応性が低下し、電極上部のみが集中的に反応するようになる。その結果、電極上部において、活物質間の結びつきが弱くなる等の劣化が進み、集電体から活物質が剥離して早期寿命に至る。そのため、最近の鉛蓄電池においては、PSOC下で使用された場合の電池のサイクル特性を向上させるため、充電受け入れ性を向上させることが極めて重要な課題となっている。
また、電池のサイクル特性を向上させるためには、充電受け入れ性能を向上させることも重要な課題となっている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、優れた充電受け入れ性及びサイクル特性(寿命性能)を得ることが可能な鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、正極集電体に保持された正極材を有する正極を備える鉛蓄電池において、正極材の比表面積が10m/g以上であり、且つ、正極材の密度が3.8g/cm以上であることにより、前記課題を解決可能な鉛蓄電池を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明に係る鉛蓄電池は、正極及び負極を備え、正極が、正極集電体と、当該正極集電体に保持された正極材と、を有し、負極が、負極集電体と、当該負極集電体に保持された負極材と、を有し、正極材の比表面積が10m/g以上であり、正極材の密度が3.8g/cm以上である。
本発明に係る鉛蓄電池によれば、優れた充電受け入れ性及びサイクル特性(寿命性能)を得ることができる。本発明に係る鉛蓄電池によれば、特に、初期の状態からある程度の充放電が繰り返されて活物質が充分に活性化した後において、ISS車、マイクロハイブリッド車等では低くなりがちなSOCを適正なレベルに維持することができる。
ところで、上記特許文献1では、電槽化成の条件を変更することで、正極板における活物質の比表面積を5.5m/g以上に調整することが記載されている。しかしながら、電槽化成の条件を変更するだけでは正極板における活物質の比表面積を大きくすることに限界があることが判明した。また、正極活物質が軟化して脱落する現象である泥状化に関して、上記特許文献1では、正極活物質の泥状化が原因で放電不能となり寿命に至る充放電サイクル試験(正極活物質の泥状化に起因する寿命モードのサイクル試験)を実施しており、正極板における活物質の比表面積が9.4m/g以上になるとサイクル特性が低下することが記載されている。一方、本発明に係る鉛蓄電池によれば、正極活物質の泥状化に起因する寿命モードのサイクル試験においても優れたサイクル特性を得ることができる。特に、本発明に係る鉛蓄電池によれば、正極材の比表面積が10m/g以上であっても、優れたサイクル特性を得ることができる。
また、比較的深い充放電が繰り返された場合、鉛蓄電池の高率放電性能が悪いと、アイドリングストップ後のエンジン再始動時にバッテリ電圧が低下し、再始動できなくなる。特に、氷点下で使用されるような低温地域においても対応できるように、低温高率放電性能は一定の基準を下回らないようにする必要がある。一方、本発明に係る鉛蓄電池によれば、低温高率放電性能を一定の基準以上に保ったまま、優れた充電受け入れ性及びサイクル特性を得ることができる。
負極材の比表面積は、0.4m/g以上2m/g以下であってよい。
本発明に係る鉛蓄電池によれば、優れた充電受け入れ性及びサイクル特性(寿命性能)を得ることが可能である。また、本発明に係る鉛蓄電池によれば、優れた充電受け入れ性及びサイクル特性と、他の優れた電池性能(放電性能(低温高率放電性能)等)とを両立することができる。本発明に係る鉛蓄電池は、充電が間欠的に行われ、PSOC下で高率放電が行われる液式鉛蓄電池として、ISS車、マイクロハイブリッド車等において好適に用いることができる。
本発明によれば、マイクロハイブリッド車への鉛蓄電池の応用を提供できる。本発明によれば、ISS車への鉛蓄電池の応用を提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、比重は、温度によって変化するため、本明細書においては20℃で換算した比重と定義する。
<鉛蓄電池>
本実施形態に係る鉛蓄電池は、(A)正極及び(B)負極を備えている。(A)正極は、正極集電体と、当該正極集電体に保持された正極材(電極材)と、を有する。(B)負極は、負極集電体と、当該負極集電体に保持された負極材(電極材)と、を有する。本実施形態に係る鉛蓄電池において、正極材の比表面積は10m/g以上であり、正極材の密度は3.8g/cm以上である。
鉛蓄電池の基本構成としては、従来の鉛蓄電池と同様の構成を用いることができる。本実施形態に係る鉛蓄電池としては、例えば、液式鉛蓄電池及び密閉式鉛蓄電池が挙げられ、液式鉛蓄電池が好ましい。
((A)正極)
[正極集電体]
正極集電体の組成としては、例えば、鉛−カルシウム−錫系合金、鉛−アンチモン−ヒ素系合金等の鉛合金が挙げられる。用途に応じて適宜セレン、銀、ビスマス等を正極集電体に添加してもよい。これらの鉛合金を重力鋳造法、エキスパンド法、打ち抜き法等で格子状に形成することにより正極集電体を得ることができる。
[正極材]
正極材は、正極活物質を含有し、必要に応じて、後述する添加剤を更に含有することができる。化成後の正極材は、後述するように、正極活物質の原料を含む正極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の正極材を得た後に化成することで得ることができる。正極活物質の原料としては、特に制限はなく、例えば鉛粉が挙げられる。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの粉体と鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。化成時間を短縮できる観点から、正極活物質の原料として鉛丹(Pb)を用いてもよいが、鉛丹(Pb)を用いないことによりサイクル特性を更に向上させることができる。未化成の正極材は、主成分として三塩基性硫酸鉛を含む未化成正極活物質を含有することが好ましい。化成後の正極材は、正極活物質として、例えばα−PbO及びβ−PbOを含む。
正極材の比表面積は、10m/g以上である。正極材の比表面積が10m/g未満である場合、充分な充電受け入れ性が得られにくい。正極材の比表面積は、充電受け入れ性が更に向上する観点から、10.5m/g以上が好ましく、11.5m/g以上がより好ましく、12m/g以上が更に好ましい。正極材の比表面積の上限としては、特に制限はないが、サイクル特性が更に向上する観点から、20m/g以下が好ましく、15m/g以下がより好ましく、13m/g以下が更に好ましい。このような観点から、正極材の比表面積は、10〜20m/gが好ましく、10.5〜15m/gがより好ましく、11.5〜13m/gが更に好ましく、12〜13m/gが特に好ましい。前記正極材の比表面積は、化成後の正極材における比表面積である。正極材の比表面積は、例えば、後述する正極材ペーストを作製する際の硫酸及び水の添加量を調整する方法、未化成の段階で正極活物質を微細化する方法、化成条件を変化させる方法等により調整することができる。
正極材の比表面積は、例えば、BET法で測定することができる。BET法は、一つの分子の大きさが既知の不活性ガス(例えば窒素ガス)を測定試料の表面に吸着させ、その吸着量と不活性ガスの占有面積とから表面積を求める方法であり、比表面積の一般的な測定手法である。具体的には、以下のBET式に基づいて測定する。
下記式(1)の関係式は、P/Pが0.05〜0.35の範囲でよく成立する。なお、式(1)中、各符号の詳細は下記のとおりである。
P:一定温度で吸着平衡状態であるときの吸着平衡圧
:吸着温度における飽和蒸気圧
V:吸着平衡圧Pにおける吸着量
:単分子層吸着量(気体分子が固体表面で単分子層を形成したときの吸着量)
C:BET定数(固体表面と吸着物質との間の相互作用に関するパラメータ)
Figure 0006582636
式(1)を変形する(左辺の分子分母をPで割る)ことにより下記式(2)が得られる。測定に用いる比表面積計では、吸着占有面積が既知のガス分子を試料に吸着させ、その吸着量(V)と相対圧力(P/P)との関係を測定する。測定したVとP/Pより、式(2)の左辺とP/Pをプロットする。ここで、勾配がsであるとすると、式(2)より下記式(3)が導かれる。切片がiであるとすると、切片i及び勾配sは、それぞれ下記式(4)及び下記式(5)のとおりとなる。
Figure 0006582636
Figure 0006582636
Figure 0006582636
Figure 0006582636
式(4)及び式(5)を変形すると、それぞれ下記式(6)及び式(7)が得られ、単分子層吸着量Vを求める下記式(8)が得られる。すなわち、ある相対圧力P/Pにおける吸着量Vを数点測定し、プロットの勾配及び切片を求めると、単分子層吸着量Vが求まる。
Figure 0006582636
Figure 0006582636
Figure 0006582636
試料の全表面積Stotal(m)は、下記式(9)で求められ、比表面積S(m/g)は、全表面積Stotalより下記式(10)で求められる。なお、式(9)中、Nは、アボガドロ数を示し、ACSは、吸着断面積(m)を示し、Mは、分子量を示す。また、式(10)中、wは、サンプル量(g)を示す。
Figure 0006582636
Figure 0006582636
正極材の密度は、3.8g/cm以上である。正極材の密度が3.8g/cm未満である場合、充分な充電性能及びサイクル特性が得られにくい。正極材の密度は、サイクル特性が更に向上する観点から、4.0g/cm以上が好ましく、4.2g/cm以上がより好ましい。正極材の密度は、5時間率容量及び低温高率放電性能が更に向上する観点から、5.0g/cm以下が好ましく、4.8g/cm以下がより好ましく、4.6g/cm以下が更に好ましい。このような観点から、正極材の密度は、3.8〜5.0g/cmが好ましく、4.0〜4.8g/cmがより好ましく、4.2〜4.6g/cmが更に好ましい。前記正極材の密度は、化成後の正極材における密度である。正極材の密度は、例えば、後述する正極材ペーストを作製する際の水の添加量により調整することができる。
正極集電体(格子等)に充填されている状態の正極材の密度と、正極集電体(格子等)から取り出された状態の正極材(例えば、正極集電体から取り出した後に水洗及び乾燥を施した正極材)の密度とは同等であるため、正極集電体に充填されている状態の正極材の密度を測定してもよく、正極集電体から取り出された状態の正極材の密度を測定してもよい。正極材の密度は、例えば、後述する水銀圧入法による細孔分布等によって正極材の嵩密度を測定することにより得ることができる。
正極材の多孔度は、正極材中の空孔部(孔)に硫酸が入り込む領域が多くなり、容量が増加しやすい観点から、50体積%以上が好ましく、55体積%以上がより好ましい。正極材の多孔度の上限としては、特に制限はないが、正極材中の空孔部への硫酸含浸量が適度であり、活物質同士の結合力を容易に良好に維持できる観点から、70体積%以下であることが好ましい。多孔度の上限は、実用的な観点から、60体積%以下がより好ましい。なお、正極材の多孔度は、化成後の正極材の水銀ポロシメーター測定から得られる値(体積基準の割合)である。正極材の多孔度は、正極材ペーストを作製する際に加える希硫酸量によって調整することができる。
正極活物質の平均粒径は、充電受け入れ性及びサイクル特性が更に向上する観点から、0.3μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.7μm以上が更に好ましい。正極活物質の平均粒径は、サイクル特性が更に向上する観点から、2.5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1.5μm以下が更に好ましい。前記正極活物質の平均粒径は、化成後の正極材における正極活物質の平均粒径である。正極活物質の平均粒径としては、例えば、化成後の正極中央部の正極材における縦10μm×横10μmの範囲の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)を取得した後、画像内における全ての正極活物質粒子の長辺の長さの値を算術平均化した数値を用いることができる。
正極材は、添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、炭素材料(炭素質導電材)及び補強用短繊維(アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等)が挙げられる。炭素材料としては、例えば、カーボンブラック及び黒鉛が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びケッチェンブラック(登録商標)が挙げられる。
正極の製造工程では、例えば、正極活物質の原料を含む正極材ペーストを正極集電体(例えば集電体格子(鋳造格子体、エキスパンド格子体等))に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の正極材を有する正極(正極板等)を得る。
正極材ペーストは、例えば、正極活物質の原料に加えてその他の所定の添加剤等を更に含んでいてもよい。正極材ペーストに含まれる添加剤は、正極材に含まれる添加剤と同様であってもよい。正極材ペーストにおいて、補強用短繊維の配合量は、正極材の原料(鉛粉等)の全質量を基準として、0.005〜0.3質量%が好ましく、0.05〜0.3質量%がより好ましい。
比表面積が10m/g以上であり、且つ、密度が3.8g/cm以上5.0g/cm以下である正極材は、例えば、下記の方法により得ることができる。
鉛粉に対して、補強用短繊維等の添加剤を加えて乾式混合し、鉛粉を含む混合物を得る。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水1〜11質量%及び希硫酸(比重1.34〜1.55)22〜30質量%を加えて混練して正極材ペーストを作製する。ここで、水及び希硫酸の前記配合量は、鉛粉の全質量を基準とした配合量である。希硫酸(比重1.34〜1.55)は、発熱を低減するために、数回に分けて徐々に添加することが好ましい。正極材ペーストの作製において、急激な発熱は、疎な構造の正極材を形成し、寿命での活物質同士の結合力を低下させるため、なるべく発熱を抑えることが好ましい。そして、前記正極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の正極材を得た後、未化成の正極材を化成することで、比表面積が10m/g以上であり、且つ、密度が3.8g/cm以上5.0g/cm以下である正極材を得ることができる。
熟成条件としては、温度35〜85℃、湿度50〜98RH%の雰囲気で15〜60時間が好ましい。乾燥条件は、温度45〜80℃で15〜30時間が好ましい。
((B)負極)
[負極集電体]
負極集電体としては、正極と同様の集電体を用いることができる。負極集電体と正極集電体の組成及び製造方法は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
[負極材]
負極材は、負極活物質を含有し、必要に応じて、後述する添加剤を更に含有することができる。化成後の負極材は、後述するように、負極活物質の原料を含む負極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の負極材を得た後に化成することで得ることができる。負極活物質の原料としては、特に制限はなく、例えば、鉛粉が挙げられる。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの粉体と鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。未化成の負極材は、主成分として三塩基性硫酸鉛を含む未化成負極活物質を含有することが好ましい。化成後の負極材は、負極活物質として、多孔質の海綿状鉛(Spongy Lead)を含むことが好ましい。
負極材の比表面積は、電解液と負極活物質との反応性を高める観点から、0.4m/g以上が好ましく、0.5m/g以上がより好ましく、0.6m/g以上が更に好ましい。負極材の比表面積は、サイクル時の負極の収縮を更に抑制する観点から、2m/g以下が好ましく、1.8m/g以下がより好ましく、1.5m/g以下が更に好ましい。このような観点から、負極材の比表面積は、0.4〜2m/gが好ましく、0.5〜1.8m/gがより好ましく、0.6〜1.5m/gが更に好ましい。前記負極材の比表面積は、化成後の負極材の比表面積である。負極材の比表面積は、例えば、未化成の段階で負極活物質を微細化する方法により調整することができる。負極材の比表面積は、正極材と同様に、例えばBET法で測定することができる。
負極活物質の平均粒径は、充電受け入れ性及びサイクル特性が更に向上する観点から、0.3μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.7μm以上が更に好ましい。負極活物質の平均粒径は、サイクル特性が更に向上する観点から、2.5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1.5μm以下が更に好ましい。前記負極活物質の平均粒径は、化成後の負極材における負極活物質の平均粒径である。負極活物質の平均粒径としては、例えば、化成後の負極中央部の負極材における縦10μm×横10μmの範囲の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)を取得した後、画像内における全ての負極活物質粒子の長辺の長さの値を算術平均化した数値を用いることができる。
負極材は、添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、スルホン基及びスルホン酸塩基からなる群より選択される少なくとも一種を有する樹脂(スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂)、硫酸バリウム、炭素材料(炭素質導電材)及び補強用短繊維(アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等)が挙げられる。
スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂としては、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、及び、フェノール類とアミノアリールスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物が好ましい。リグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。フェノール類としては、例えば、ビスフェノール等のビスフェノール系化合物が挙げられる。アミノアリールスルホン酸としては、例えば、アミノベンゼンスルホン酸、アミノナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
炭素材料としては、例えば、カーボンブラック及び黒鉛が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びケッチェンブラック(登録商標)が挙げられる。
負極の製造工程では、例えば、負極活物質の原料を含む負極材ペーストを負極集電体(例えば集電体格子(鋳造格子体、エキスパンド格子体等))に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の負極材を有する負極(負極板等)を得る。
負極材ペーストは、例えば、負極活物質の原料に加えてその他の所定の添加剤(スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂等)などを更に含んでいてもよい。負極材ペーストに含まれる添加剤は、負極材に含まれる添加剤と同様であってもよい。
負極材ペーストは、溶媒及び硫酸を更に含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、水(例えばイオン交換水)及び有機溶媒が挙げられる。
負極材ペーストは、例えば、以下の方法により得ることができる。まず、必要に応じて添加される添加剤(スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂等)を鉛粉に混合することにより混合物を得る。次に、この混合物に、硫酸(希硫酸等)及び溶媒(水等)を加えて混練することにより負極材ペーストが得られる。
負極材ペーストにおいて、硫酸バリウムを用いる場合、硫酸バリウムの配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準として0.01〜1質量%が好ましい。炭素材料を用いる場合、炭素材料の配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準として0.2〜1.4質量%が好ましい。スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂を用いる場合、スルホン基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂の配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準として、樹脂固形分換算で、0.01〜2質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%が更に好ましい。
熟成条件としては、温度35〜85℃、湿度50〜98RH%の雰囲気で15〜60時間が好ましい。乾燥条件は、温度45〜80℃で15〜30時間が好ましい。
<鉛蓄電池の製造方法>
本実施形態に係る鉛蓄電池の製造方法は、例えば、電極(正極及び負極。例えば電極板)を得る電極製造工程と、前記電極を含む構成部材を組み立てて鉛蓄電池を得る組み立て工程とを備えている。電極が未化成である場合、電極は、例えば、電極活物質(正極活物質又は負極活物質)の原料等を含む電極材(正極材又は負極材)と、当該電極材を保持する集電体(正極集電体又は負極集電体)とを有している。化成後の電極は、例えば、電極活物質等を含む電極材と、当該電極材からの電流の導電路となり且つ電極材を保持する集電体とを有している。
鉛蓄電池の製造方法では、例えば、上記のように作製した未化成の負極及び未化成の正極を、セパレータを介して積層し、同極性の極板の集電部をストラップで溶接させて極板群を得る。この極板群を電槽内に配置して未化成の電池を作製する。次に、未化成の電池に希硫酸を入れて直流電流を通電して電槽化成する。化成後の硫酸の比重を適切な電解液比重に調整して鉛蓄電池が得られる。化成に用いる硫酸比重は1.15〜1.25が好ましい。化成後の硫酸比重は、1.25〜1.33が好ましく、1.26〜1.30がより好ましい。
前記セパレータは、各々の電極を包むような袋状であることが好ましい。液式鉛蓄電池に用いるセパレータの材料としては、正極板と負極板との電気的な接続を阻止し、電解液の硫酸イオンを透過させるものであれば特に限定されない。具体的には、微多孔性ポリエチレン;ガラス繊維と合成樹脂からなるもの等が挙げられる。セパレータは、電極(極板等)を積層する工程の際に、負極(負極板等)の長さに応じて切断されることが好ましい。また、前記切断されたセパレータは、2つに折り、両サイドを圧着することで負極を包み込む形であってもよい。液式鉛蓄電池に用いるセパレータの厚みは、0.7〜1.1mmが好ましい。
なお、化成条件及び硫酸の比重は、電極のサイズに応じて調整することができる。また、化成処理は、組み立て工程後に実施されることに限られず、電極製造工程において実施されてもよい(タンク化成)。
電槽は、内部に電極(極板等)を収納可能なものである。電槽は、電極を収納しやすい観点から、上面が開放された箱体と、この箱体の上面を覆う蓋体とを有するものが好ましい。なお、箱体と蓋体との接着には、接着剤、熱溶着、レーザ溶着、超音波溶着等を適宜用いることができる。電槽の形状としては、特に限定されるものではないが、電極(板状体である極板等)の収納時に無効空間が少なくなるように方形のものが好ましい。
電槽の材料は、特に制限されるものではないが、電解液(希硫酸等)に対し耐性を有するものである必要がある。電槽の材料の具体例としては、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ABS樹脂等が挙げられる。電槽の材料がPPであると、耐酸性、加工性(ABS樹脂では電槽と蓋の熱溶着が困難)、コストの面で有利である。
電槽が箱体及び蓋体により構成される場合、箱体及び蓋体の材料は、互いに同一の材料であってもよく、互いに異なる材料であってもよいが、無理な応力が発生しない観点から、熱膨張係数の等しい材料が好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
(正極板の作製)
鉛粉に対して、補強用短繊維としてアクリル繊維0.25質量%(鉛粉の全質量基準)を加えて乾式混合した。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水9質量%及び希硫酸(比重1.34)25質量%を加えて1時間混練して正極材ペーストを作製した。正極材ペーストの作製に際しては、急激な温度上昇を避けるため、希硫酸(比重1.34)の添加は段階的に行った。なお、前記水及び希硫酸の配合量は、鉛粉の全質量を基準とした配合量である。
鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式格子体(正極集電体)に前記正極材ペーストを充填した。次いで、正極材ペーストが充填された正極集電体を温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、温度50℃で16時間乾燥して、未化成の正極材を有する未化成の正極板を作製した。
(負極板の作製)
負極活物質の原料として鉛粉を用いた。ビスフェノールとアミノベンゼンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(ビスパーズP215、商品名、日本製紙ケミカル株式会社製、配合量:樹脂固形分換算で0.2質量%)、補強用短繊維(アクリル繊維、配合量:0.1質量%)、硫酸バリウム(配合量:1.0質量%)、及び、炭素質導電材(ファーネスブラック、配合量:0.2質量%)の混合物を前記鉛粉に添加した後に乾式混合した。なお、前記配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準とした配合量である。次に、水を加えた後に混練した。続いて、希硫酸(比重1.280)を少量ずつ添加しながら混練して、負極材ペーストを作製した。鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式格子体(負極集電体)にこの負極材ペーストを充填した。次いで、負極材ペーストが充填された負極集電体を温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後に乾燥して、未化成の負極材を有する未化成の負極板を作製した。
(電池の組み立て)
袋状に加工したポリエチレン製のセパレータに未化成の負極板を挿入した。次に、未化成の正極板5枚と、前記袋状セパレータに挿入された未化成の負極板6枚とを交互に積層した。続いて、キャストオンストラップ(COS)方式で、同極性の極板の耳部同士を溶接して極板群を作製した。前記極板群を電槽に挿入して2V単セル電池(JIS50301規定のK42サイズの単セルに相当)を組み立てた。その後、比重1.200の硫酸溶液をこの電池に注入した。その後、10.5Aの定電流で20時間、40℃の条件で化成を行って鉛蓄電池を得た。なお、化成後の電解液(硫酸溶液)の比重は1.28であった。
(比表面積の測定)
化成後の正極材及び負極材の比表面積は、以下の方法で測定した。まず、化成後の鉛蓄電池を分解して化成後の正極板及び負極板を取り出した。次いで、これらを水洗した後、50℃で24時間乾燥した。続いて、正極板及び負極板の中央部から正極材及び負極材を2gずつ採取して、130℃で30分乾燥することにより、測定試料を得た。次に、得られた試料を液体窒素で冷却しながら液体窒素温度で窒素ガス吸着量を多点法で測定し、BET法に従って比表面積を算出した。測定条件は下記の通りであった。このようにして測定した結果、正極材の比表面積は11.6m/gであった。また、負極材の比表面積は0.6m/gであった。
[比表面積測定条件]
装置:Macsorb1201(株式会社マウンテック製)
脱気時間:130℃で10分
冷却:液体窒素で5分間
吸着ガス流量:25mL/分
(正極材の密度の測定)
まず、化成後の鉛蓄電池を分解して化成後の正極板を取り出した。次いで、正極板を水洗した後、50℃で24時間乾燥した。続いて、正極板の中央部から剤局在を3g採取し粒状に調整した状態でセルに入れた。下記の条件に基づき、水銀ポロシメーターを用いて水銀圧入法により化成後の正極材の密度を測定した。正極材の密度は4.0g/cmであった。
装置:オートポアIV9520(株式会社島津製作所製)
水銀圧入圧:0〜354kPa(低圧)、大気圧〜414MPa(高圧)
各測定圧力での圧力保持時間:900秒(低圧)、1200秒(高圧)
試料と水銀との接触角:130℃
水銀の表面張力:480〜490mN/m
水銀の密度:13.5335g/mL
<実施例2>
正極材ペースト作製時の水の配合量を6質量%に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。また、実施例1と同様の方法により、正極材及び負極材の比表面積、並びに、正極材の密度を測定した。正極材の比表面積は11.6m/gであり、負極材の比表面積は0.6m/gであった。正極材の密度は4.5g/cmであった。
<実施例3>
正極材ペースト作製時の水の配合量を1質量%に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。また、実施例1と同様の方法により、正極材及び負極材の比表面積、並びに、正極材の密度を測定した。正極材の比表面積は11.6m/gであり、負極材の比表面積は0.6m/gであった。正極材の密度は4.8g/cmであった。
<実施例4>
正極材ペースト作製時の水の配合量を11質量%に変更し、正極材ペースト作製時の希硫酸として23質量%(鉛粉の全質量を基準)の希硫酸(比重1.55)を使用し、化成時に注液する硫酸溶液の比重を1.185に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。化成後の電解液(硫酸溶液)の比重は1.28であった。また、実施例1と同様の方法により、正極材及び負極材の比表面積、並びに、正極材の密度を測定した。正極材の比表面積は12.2m/gであり、負極材の比表面積は0.6m/gであった。正極材の密度は4.0g/cmであった。
<実施例5>
正極材ペースト作製時の水の配合量を8質量%に変更したことを除き、実施例4と同様にして鉛蓄電池を作製した。また、実施例1と同様の方法により、正極材及び負極材の比表面積、並びに、正極材の密度を測定した。正極材の比表面積は12.2m/gであり、負極材の比表面積は0.6m/gであった。正極材の密度は4.5g/cmであった。
<実施例6>
正極材ペースト作製時の水の配合量を3質量%に変更し、正極材ペースト作製時の希硫酸として30質量%(鉛粉の全質量を基準)の希硫酸(比重1.55)を使用し、化成時に注液する硫酸溶液の比重を1.170に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。化成後の電解液(硫酸溶液)の比重は1.28であった。また、実施例1と同様の方法により、正極材及び負極材の比表面積、並びに、正極材の密度を測定した。正極材の比表面積は12.9m/gであり、負極材の比表面積は0.6m/gであった。正極材の密度は4.0g/cmであった。
<実施例7>
正極材ペースト作製時の水の配合量を1質量%に変更したことを除き、実施例6と同様にして鉛蓄電池を作製した。また、実施例1と同様の方法により、正極材及び負極材の比表面積、並びに、正極材の密度を測定した。正極材の比表面積は12.9m/gであり、負極材の比表面積は0.6m/gであった。正極材の密度は4.5g/cmであった。
<比較例1>
正極材ペースト作製時の水の配合量を12質量%に変更し、正極材ペースト作製時の希硫酸として15質量%(鉛粉の全質量を基準)の希硫酸(比重1.28)を使用し、化成時に注液する硫酸溶液の比重を1.23に変更し、化成条件を7.5Aの定電流で20時間、40℃に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。化成後の電解液(硫酸溶液)の比重は1.28であった。また、実施例1と同様の方法により、正極材及び負極材の比表面積、並びに、正極材の密度を測定した。正極材の比表面積は8.9m/gであり、負極材の比表面積は0.6m/gであった。正極材の密度は3.7g/cmであった。
<比較例2>
正極材ペースト作製時の水の配合量を9質量%に変更したことを除き、比較例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。また、実施例1と同様の方法により、正極材及び負極材の比表面積、並びに、正極材の密度を測定した。正極材の比表面積は8.9m/gであり、負極材の比表面積は0.6m/gであった。正極材の密度は4.0g/cmであった。
<比較例3>
正極材ペースト作製時の水の配合量を12質量%に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。また、実施例1と同様の方法により、正極材及び負極材の比表面積、並びに、正極材の密度を測定した。正極材の比表面積は11.6m/gであり、負極材の比表面積は0.6m/gであった。正極材の密度は3.7g/cmであった。
<実施例8>
化成時の温度条件を25℃に変更したことを除き、比較例2と同様にして鉛蓄電池を作製した。また、実施例1と同様の方法により、正極材及び負極材の比表面積、並びに、正極材の密度を測定した。正極材の比表面積は10.5m/gであり、負極材の比表面積は0.6m/gであった。正極材の密度は4.0g/cmであった。
<特性評価>
(充電受け入れ性)
以下の方法により、作製した鉛蓄電池の充電受け入れ性を評価した。まず、化成直後の鉛蓄電池を約12時間放置した後、25℃で5.6Aの電流値で30分間の定電流放電を行った。さらに、6時間放置した後、2.33V、制限電流100Aで60秒間の定電圧充電を行い、その開始から5秒目までの電流値を測定した。充電受け入れ性は、比較例1の測定結果を100として相対評価した。結果を表1に示す。
(5時間率容量)
作製した鉛蓄電池を25℃で5.6Aの電流値で放電させ、セル電圧が1.75Vを下回るまでの放電持続時間から5時間率容量を算出した。5時間率容量は、比較例1の測定結果を100として相対評価した。結果を表1に示す。
(低温高率放電性能)
作製した鉛蓄電池の電池温度を−15℃に調整した後、150Aで定電流放電を行い、セル電圧が1.0Vを下回るまでの放電持続時間を測定した。低温高率放電性能は、比較例1の測定結果を100として相対評価した。結果を表1に示す。
(サイクル特性)
サイクル特性(充放電サイクル性能)を次のようにして評価した。電池温度が40℃になるように雰囲気温度を調整し、5.6A−60分間の定電流放電を行った後に5.6A−75分間の定電流充電を行うことを1サイクルとする試験を75サイクル行った。75サイクル終了後、電解液の減少量と同量の水を注入し、再度、上記の充放電サイクル試験を同じ要領で行った。サイクル中のセル電圧が1.7Vを下回った時に鉛蓄電池が寿命に至ったとみなし、鉛蓄電池が寿命に至るまでのサイクル数を測定した。この試験は、正極活物質の泥状化に起因する寿命モードの試験であり、正極の耐久性を評価することができる。比較例1の測定結果を100として相対評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006582636

Claims (1)

  1. アイドリングストップ車又はマイクロハイブリッド車に用いられる液式鉛蓄電池であって、
    正極及び負極を備え、
    前記正極が、正極集電体と、当該正極集電体に保持された正極材と、を有し、
    前記負極が、負極集電体と、当該負極集電体に保持された負極材と、を有し、
    前記正極材の比表面積が10m/g以上13m /g以下であり、
    前記正極材の密度が3.8g/cm以上5.0g/cm 以下であり、
    前記負極材の比表面積が0.4m /g以上2m /g以下である、液式鉛蓄電池。
JP2015135208A 2015-07-06 2015-07-06 鉛蓄電池 Active JP6582636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015135208A JP6582636B2 (ja) 2015-07-06 2015-07-06 鉛蓄電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015135208A JP6582636B2 (ja) 2015-07-06 2015-07-06 鉛蓄電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017016970A JP2017016970A (ja) 2017-01-19
JP6582636B2 true JP6582636B2 (ja) 2019-10-02

Family

ID=57829330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015135208A Active JP6582636B2 (ja) 2015-07-06 2015-07-06 鉛蓄電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6582636B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7128482B2 (ja) * 2020-01-06 2022-08-31 古河電池株式会社 鉛蓄電池

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07240227A (ja) * 1994-02-25 1995-09-12 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 密閉形鉛蓄電池
KR20120132491A (ko) * 2010-03-01 2012-12-05 신코베덴키 가부시키가이샤 납 축전지
JP5938254B2 (ja) * 2012-03-30 2016-06-22 古河電池株式会社 鉛蓄電池用負極板、その製造方法及び鉛蓄電池
JP6153074B2 (ja) * 2013-08-02 2017-06-28 株式会社Gsユアサ 液式鉛蓄電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017016970A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5500315B2 (ja) 鉛蓄電池
JP6597842B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5783170B2 (ja) 鉛蓄電池
JP6311799B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5621841B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5598532B2 (ja) 鉛蓄電池
JP6977770B2 (ja) 液式鉛蓄電池
JP2013065443A (ja) 鉛蓄電池
JP2008243493A (ja) 鉛蓄電池
JP6597994B2 (ja) アイドリングストップ車用液式鉛蓄電池
JP6582636B2 (ja) 鉛蓄電池
JP6996274B2 (ja) 鉛蓄電池
JP2017183160A (ja) 鉛蓄電池
JP6866896B2 (ja) 鉛蓄電池及びその製造方法
JP7372914B2 (ja) 鉛蓄電池
JP7493329B2 (ja) 鉛蓄電池
WO2018100635A1 (ja) 鉛蓄電池及びその製造方法
JP6781365B2 (ja) 鉛蓄電池
JP2021096900A (ja) 鉛蓄電池
WO2018025837A1 (ja) 鉛蓄電池
JP2018116842A (ja) 鉛蓄電池の評価方法
JP2017228489A (ja) 鉛蓄電池

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160206

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190819

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6582636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350