JP5783170B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電槽内に極板群・セパレータから遊離した電解液を有する液式鉛蓄電池に関するものである。
鉛蓄電池は、安価で信頼性が高いという特徴を有するため、自動車始動用の動力源、ゴルフカート等の電動車両の動力源、更には無停電電源装置等の産業機器の電源として広く使用されている。
近年、自動車においては、大気汚染防止、地球温暖化防止のため、様々な燃費向上対策が検討されている。燃費向上対策を施した自動車としては、エンジンの動作時間を少なくするアイドリングストップ車(以下、ISS車)や、エンジンの回転を無駄なく動力に使用する発電制御車といったマイクロハイブリッド車が検討されている。
ISS車では、エンジンの始動回数が多くなり、その都度、鉛蓄電池の大電流放電が繰り返される。またISS車や発電制御車では、オルタネータによる発電量が少なくなり、鉛蓄電池の充電が間欠的に行われるので充電が不十分となることが多い。そのため、この種の用途に用いられる鉛蓄電池には、短時間の間にできるだけ多くの充電を行うことができる性能を持たせること、即ち、充電受入れ性を向上させることが要求される。
上記のような使われ方をするバッテリは、充電の機会が少なく、満充電状態にならないため、部分充電状態で使用されることになる。以下、部分充電状態を、PSOC(Partial State Of Charge)と呼ぶことにする。鉛蓄電池は、PSOC下で使われると、完全充電状態で使用される場合よりも、寿命が短くなる傾向がある。鉛蓄電池がPSOC下で使われると寿命が短くなる理由は、充電が不足している状態で充放電を繰り返すと、放電の際に負極板に生成される硫酸鉛が粗大化していき、硫酸鉛が充電生成物である金属鉛に戻り難くなることにあると考えられている。従って、PSOC下で使用される鉛蓄電池においては、その寿命を延ばすためにも、充電受入れ性を向上させて充電が過度に不足している状態で充放電が繰り返されるのを防ぎ、充放電の繰り返しにより硫酸鉛が粗大化するのを抑制する必要がある。
また、PSOC下で使用される鉛蓄電池は、充電の機会が少なく、満充電状態にならないため、電槽内で水素ガスの発生に伴う電解液の撹拌が起こり難い。そのため、濃度の高い電解液が電槽の下部に滞留し、濃度の低い電解液が電槽の上部に滞留して、電解液の成層化が発生する。電解液濃度が高いとますます充電が受入れられ難くなり(充電反応が進み難くなり)、鉛蓄電池の寿命は更に低下してしまう。
このように、最近の自動車用鉛蓄電池においては、短時間の充電で負荷への高率放電を行うことを可能にすると共に、PSOC下で使用された場合の電池の寿命性能を向上させるために、充電受入れ性を向上させることが極めて重要な課題となっている。
鉛蓄電池においては、もともと正極活物質の充電受入れ性は高いが、負極活物質の充電受入れ性が劣るため、鉛蓄電池の充電受入れ性を向上させるためには、負極活物質の充電受入れ性を向上させることが必須である。そのため、従来は、専ら負極活物質の充電受入れ性を向上させるための努力がされてきた。特許文献1や特許文献2には、負極活物質に添加する炭素質導電材を増量することにより充電受入れ性を向上させ、PSOC下での鉛蓄電池の寿命を向上させることが提案されている。
しかし、これらの提案は、電解液をリテーナと呼ばれるセパレータに含浸させ、電槽中に遊離の電解液を存在させないようにした密閉型の鉛蓄電池を対象としたものであり、極板群・セパレータから遊離した電解液を電槽内に有する液式の鉛蓄電池を対象としたものではない。液式の鉛蓄電池においても、負極活物質に添加する炭素質導電材を増量することが考えられるが、液式の鉛蓄電池において負極活物質に添加する炭素質導電材の量をむやみに増加させると、負極活物質中の炭素質導電材が電解液に流出して電解液に濁りを生じさせ、最悪の場合、内部短絡を引き起こしてしまう。従って、液式の鉛蓄電池では、負極活物質に添加する炭素質導電材の量を制限せざるを得ず、負極活物質に炭素質導電材を添加することにより鉛蓄電池全体としての充電受入性を向上させることには限界がある。
密閉型の鉛蓄電池は、電解液量が制限されているため電池容量が低いだけでなく、使用温度が高い場合に熱逸走と呼ばれる現象を起こすため、エンジンルームのような高温環境下での使用は避けざるを得ない。そのため、密閉型の鉛蓄電池を自動車に用いる場合、ラゲッジルームなどに電池を搭載する必要があるが、ラゲッジルームなどに電池を搭載すると、ワイヤーハーネスの増加を招き、好ましくない。自動車用の鉛蓄電池としては、このような制約がない液式の鉛蓄電池を用いるのが好ましい。従って、ISS車の普及に伴って、液式の鉛蓄電池の充電受入れ性を向上させることが急務になっている。
一方、鉛蓄電池においては、充放電に伴って生じる負極活物質の粗大化を抑制し、負極の表面積の減少を抑制して、充放電反応の反応性を高い状態に維持するために、負極活物質の粗大化を抑制する作用をする有機化合物を負極活物質に添加することが行われている。従来、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物としては、木材の主要成分であるリグニンが用いられていた。しかしながら、リグニンは、複数の単位構造が複雑に結合した多種多様の構造を有し、通常、カルボニル基等の、酸化または還元され易い部分を有しているため、鉛蓄電池の充放電に際して、この部分が酸化または還元されて分解される。そのため、負極活物質にリグニンを添加しても、充放電の繰り返しによる性能の低下を抑える効果を長期間に亘って持続させることはできなかった。またリグニンは、充電の際に硫酸鉛から溶け出す鉛イオンに吸着して鉛イオンの反応性を低下させてしまうため、負極活物質の充電反応を阻害し、充電受け入れ性の向上を抑制するという副作用がある。従って、負極活物質に添加されたリグニンは、放電特性は改善するが、充電受入性の向上を妨げるという問題があった。
このような観点から、リグニンに代えて、リグニンの基本構造であるフェニルプロパン構造の側鎖のα位にスルホン基を導入したリグニンスルホン酸ナトリウムや、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物などを負極活物質に添加することが提案されている。
例えば特許文献3及び特許文献4には、負極活物質にビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物と炭素質導電材とを添加することが開示されている。特に、特許文献4には、充放電に伴う硫酸鉛の粗大化を抑制する有機化合物として、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を選択して、硫酸鉛の粗大化を抑制する効果を持続させることと、充電受入れ性を向上させるために炭素質導電材を添加することとが開示されている。また、特許文献5には、負極活物質に導電性カーボンと活性炭を添加して、PSOC下での放電特性を改善することが開示されている。
更に、特許文献6(特開平10−40907号公報)には、正極活物質の比表面積を大きくして、放電容量を大きくした鉛蓄電池が開示されている。この鉛蓄電池においては、リグニンを電池化成時の電解液中に添加することにより、正極活物質を微細化して、比表面積を大きくしている。特許文献6に開示されている発明は、電池の放電容量を大きくするための発明であり、アイドリングストップ車や発電制御車用の鉛蓄電池に必要な充電受け入れ性やPSOC下でのサイクル特性の向上には、役立たない。
特開2003−36882号公報 特開平07−201331号公報 特開平11−250913号公報 特開2006−196191号公報 特開2003−051306号公報 特開平10−40907号公報
上記のように、液式の鉛蓄電池の充電受入れ性の向上及びPSOC下での寿命性能の向上を図るために、従来は専ら負極活物質の性能を改善することに着目した提案がされていた。しかしながら、負極活物質の充電受入れ性を向上させ、寿命性能を改善しただけでは、鉛蓄電池の充電受入れ性及びPSOC下で使用した際の寿命性能を向上させることに限界があり、PSOC下で使用される鉛蓄電池の性能の更なる向上を図ることは困難である。
本発明の目的は、充電が間欠的に短時間ずつ行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式の鉛蓄電池において、従来の鉛蓄電池よりも更に充電受入性及びPSOC下での使用における寿命性能を向上させることにある。
本発明は、負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池を対象とする。
本発明においては、少なくとも、炭素質導電材と、充放電の繰り返しに伴って負極活物質が粗大化するのを抑制する作用をする有機化合物(以下「負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物」という。)とが負極活物質に添加される。また正極板は、単位極板群体積[cm]当たりの正極活物質総表面積[m]を3.5ないし15.6[m/cm]の範囲とするように構成される。
ここで、「極板群体積」とは、鉛蓄電池の最小単位である1セル内に収容された極板群の各部のうち、発電に関与する部分を外面の凹凸を無視して全体的に見た場合の極板群の見かけの体積である。
一般に正極板と負極板とをセパレータを介して積層することにより構成される極板群においては、セパレータが正極板及び負極板よりも大きく形成されるため、セパレータの極板からはみ出した部分により凹凸が形成される。極板群体積を求めるに当っては、このような凹凸を無視して、実際に発電に関与する部分の体積を求めるものとする。
本発明においては、極板群の各部の内、正極集電体及び負極集電体のそれぞれの耳部と脚部とを除いた部分(脚部が設けられていない場合には耳部のみを除いた部分、以下同じ。)を、極板群の発電に関与する部分とする。本明細書では、極板群体積の単位として[cm]を用いる。極板群体積の求め方については、後記する発明の実施形態の説明の中で更に詳細に説明する。
また「正極活物質総表面積」とは、鉛蓄電池の最小単位である1セル内に収容される極板群を構成しているすべての正極板の正極活物質の表面積の総計である。k枚目の正極活物質の表面積Skは、その正極板に充填されている活物質の比表面積と活物質質量との積で表わすことができる。一つの極板群を構成する正極板の枚数がnである場合、正極活物質総表面積をSpとすると、Sp=S1+S2+…+Snで表わすことができる。本発明では、上記「正極活物質総表面積」を前述のように定義された「極板群体積」で除したものを「単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積」としている。本明細書では、「単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積」の数値が大きくなりすぎるのを避けるために、正極活物質総表面積の単位として[m]を用い、活物質質量の単位として[g]を用いる。従って、比表面積の単位は[m/g]となる。なお、本発明においては、活物質の比表面積を後述する測定方法により測定するものとする。
本発明の好ましい態様では、少なくとも、炭素質導電材と、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが負極活物質に添加された負極板を用い、単位極板群体積[cm]当たりの正極活物質総表面積[m]を3.5ないし15.6[m/cm]の範囲に設定するとともに、単位極板群体積[cm]当たりの正極板総表面積[cm]を2.8ないし5.5[cm/cm]の範囲とするように正極板が構成される。本明細書では、前述のように、正極活物質総表面積の単位として[m]を用いるが、正極板総表面積の単位としては[cm]を用いる。
ここで、「正極板総表面積」とは、鉛蓄電池の最小単位である1セル内に収容される極板群を構成する正極板の発電に関与する部分の表面積の合計である。本発明においては、各正極板の集電体の耳部及び脚部を除いた部分の表裏両面の表面積の合計(集電体の枠部が正方形または長方形である場合には、集電体の枠部の縦寸法と横寸法との積の2倍)[cm]に、極板群を構成する正極板の枚数を乗じることにより、「正極板総表面積」を求めるものとし、上記「正極板総表面積」を「極板群体積」で除したものを「単位極板群体積当たりの正極板総表面積」とする。
本発明者は、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を適切な範囲に設定すると、正極活物質の充電反応における反応過電圧を低下させて充電反応の進行を容易にし、正極活物質の充電受入性を向上させることができること、及びこのようにして充電受け入れ性を向上させた正極板を、少なくとも炭素質導電材と、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが負極活物質に添加されることにより充電受入性が改善され、寿命性能が改善された負極板(以下「性能が改善された負極板」という。)と共に用いると、鉛蓄電池全体の充電受入性を従来の鉛蓄電池よりも更に向上させ、PSOC下で使用された場合の寿命性能を更に改善できることを見出した。
また、性能が改善された負極板を用い、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を適切な範囲に設定した上で、更に単位極板群体積当たりの正極板総表面積を適切な範囲に設定することにより、鉛蓄電池全体の充電受入性及びPSOC下で使用された場合の寿命性能を更に改善できることを見出した。
本発明では、正極活物質の充電反応における反応過電圧を低下させて充電反応の進行を容易にする効果を得るために必要とされる正極板の構成をより的確に特定するためのパラメータとして、「単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積」と、「単位極板群体積当たりの正極板総表面積」とを新たに導入した。
正極活物質の充電反応における反応過電圧を低下させて充電反応の進行を容易にするという所期の効果を得るために、例えば、正極活物質の比表面積の範囲を広い範囲に特定することが考えられるが、正極活物質の比表面積を特定しただけでは、上記の効果を得るために必要な正極板の構成を一義的に限定することが出来ない。すなわち、比表面積が狭い活物質を使用しても、活物質量を多くすることで正極活物質の充電反応における反応過電圧を低下させて充電反応の進行を容易にする効果を得ることができるため、比表面積の範囲を特定しただけでは、上記の効果を得るために必要な正極板の構成を的確に特定したということができない。
また、極板の枚数を多くし、正極板総表面積を大きくすることでも同様の効果を得ることが出来る。しかしながら、実際の鉛蓄電池では、例えば、日本工業規格JIS D 5301に規定されているように、一定の電池体積の中に極板群を収納して必要な容量を得るという制限が加わるため、活物質量や表面積(極板枚数)を自由に設定することは出来ない。本発明では、これらの制限を加味して、所期の効果を得るために必要な正極板の構成を厳密に規定するために、比表面積の代わりに比表面積と活物質量の積である「正極活物質総表面積」を用い、更に極板枚数の代わりに正極板の発電に関与する部分の表面積の総計である「正極板総表面積」を用いて、この正極板総表面積を極板群体積で除したものを、単位極板群体積当たりの正極板総表面積として、正極板の構成を特定するためのパラメータとして用いている。
単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.5m/cm未満とした場合には、鉛蓄電池全体の充電受入性を向上させる効果を顕著に得ることはできないが、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.5m/cm以上とすれば、鉛蓄電池全体の充電受入性を向上させる効果を顕著に得ることができる。鉛蓄電池全体の充電受入性を向上させることができれば、PSOC(部分充電状態)下での負荷への高率放電を支障なく行わせることができ、また充電不足の状態で充放電が繰り返されることにより放電生成物である硫酸鉛が粗大化するのを抑制することができるため、PSOC下で使用された場合の電池の寿命性能を向上させることができる。
単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積の値を過度に大きくすると、正極活物質が微細になり過ぎて、充放電の繰り返しにより活物質の構造が崩壊し、所謂泥状化と呼ばれる現象が起るため、正極板の寿命が短くなり、実用に耐える鉛蓄電池を得ることができなくなる。従って、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積は、むやみに高くすればよいと言うわけではない。実験によれば、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.5m/cm以上とすると電池の充電受け入れ性及び寿命性能を改善することができるが、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積の値が15.6m/cmを超えると、正極活物質が泥状化する現象が顕著に起ることが明らかになった。従って、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積の値は、3.5m/cm以上15.6m/cm以下の範囲に設定するのが好ましい。
即ち、負極活物質に、少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが添加されることにより性能が改善された負極板と、放電反応に関する単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積が3.5m/cm以上15.6m/cm以下の範囲に設定された正極板とを用いて鉛蓄電池を組み立てると、専ら負極の性能を向上させることにより充電受入性を向上させていた従来の鉛蓄電池よりも更に充電受入性を向上させて、PSOC下での負荷への高率放電を可能にすることができる。また上記のような負極板と正極板とを用いて鉛蓄電池を組立てると、充電が不足する状態で充放電が繰り返されることにより放電生成物である硫酸鉛が粗大化するのを抑制して、PSOC下で使用される場合の寿命性能を向上させた鉛蓄電池を得ることができる。
本発明において、負極活物質の充電受け入れ性を改善するために負極活物質に添加する炭素質導電材は、カーボン系の導電材であって、従来から知られている、黒鉛、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維及びカーボンナノチューブからなる炭素質導電材群の中から選択された少なくとも1つであればよい。
上記炭素質導電材は、好ましくは黒鉛であり、さらに好ましくは、鱗片状黒鉛である。鱗片状黒鉛の粒径は、好ましくは、100μm以上である。
鱗片状黒鉛の電気抵抗率は、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類の電気抵抗率より一桁小さいため、負極活物質に添加する炭素質導電材として鱗片状黒鉛を用いると、負極活物質の電気抵抗を下げて、充電受け入れ性能を改善することができる。
負極活物質の充電反応は、放電生成物である硫酸鉛から溶解する鉛イオンの濃度に依存し、鉛イオンが多いほど充電受入れ性が高くなる。負極活物質に添加する炭素質導電材は、放電の際に負極活物質に生成される硫酸鉛を微細に分散させる作用がある。充電不足の状態で充放電サイクルを繰り返すと、放電生成物である硫酸鉛の粗大化を招き、硫酸鉛から溶解する鉛イオンの濃度が低下して充電受け入れ性が低下するが、負極活物質に炭素質導電材を添加しておくと、硫酸鉛の粗大化を抑制して硫酸鉛を微細な状態に維持し、硫酸鉛から溶解する鉛イオンの濃度を高い状態に維持することができるため、長期間に亘って負極の充電受け入れ性を高い状態に維持することができる。
充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制するために負極活物質に添加する有機化合物としては、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とするものを用いることが好ましい。
この場合、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物としては、以下の化1の化学構造式で示されるビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物を用いると好結果が得られることが、実験で確認されている。
Figure 0005783170
ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物は、リグニンと同様に、負極活物質の粗大化を抑制する作用をする上に、鉛蓄電池の充放電に際して酸化または還元されやすい部分を有しないため、同縮合物を負極活物質に添加しておくと、充放電により負極活物質が粗大化するのを抑える効果を持続させることができる。またリグニンは充電の際に硫酸鉛から溶け出す鉛イオンに吸着して鉛イオンの反応性を低下させてしまうため、負極活物質の充電反応を阻害し、充電受け入れ性の向上を抑制するという副作用があるが、上記縮合物は、リグニンに比べて、鉛イオンに吸着する量が少ないため、充電反応を阻害する副作用が少ない。従って、負極活物質に炭素質導電材とともにビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を添加すると、負極活物質の改善された充電受入性を維持するとともに、充放電の繰り返しにより充放電の反応性が低下するのを抑制して、負極板の充電受け入れ性及び寿命性能を向上させることができる。
充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とするものを用い、炭素質導電材として、黒鉛、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維及びカーボンナノチューブからなる材料群から選択された少なくとも1つを用いる場合、セパレータの厚み方向の両表面の内、負極板の表面に相対する表面を、ガラス、パルプ及びポリオレフィンからなる材料群の中から選択された少なくとも一つの材料の繊維からなる不織布で構成することが好ましい。
上記のように構成されたセパレータを用いる場合、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積の値は、3.5m/cm以上15.6m/cm以下の範囲とすると特に好ましい結果が得られることが実験により確認されている。
本発明は、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を適正な範囲に設定した正極板を、性能(充電受入性及び寿命性能)が改善された負極板と組み合わせて用いることにより、鉛蓄電池の充電受け入れ性及びPSOC下使用時の寿命性能を向上させる効果が顕著に得られること、及び単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を適正な範囲に設定し、かつ単位極板群体積当たりの正極板総表面積を適正な範囲に設定した正極板を、性能が改善された負極板と組み合わせて用いることにより、鉛蓄電池の充電受け入れ性及びPSOC下で使用時の寿命性能を更に向上させることができることを明らかにしたものである。
負極板としては、充電受入性及び寿命性能ができるだけ高いものを用いることが好ましい。本発明においては、負極板の充電受入性を改善するために負極活物質に添加する炭素質導電材の量及び充放電による負極活物質の粗大化を抑制するために負極活物質に添加する有機化合物の量を特に規定しないが、本発明を実施するに当って、負極板の性能を可能な限り向上させるように、上記添加物の添加量を設定することは当然である。
本発明によれば、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.5m/cm以上15.6m/cm以下として充電受入性を向上させた正極板と、負極活物質に炭素質導電材と負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とを添加して充電受入性及び寿命性能を改善した負極板とを組み合わせて用いたことにより、鉛蓄電池全体としての充電受入性を、専ら負極板を改善することにより充電受入性を向上させていた従来の鉛蓄電池よりも向上させることができる。従って、PSOC下での負荷への高率放電を可能にすることができるだけでなく、充電不足の状態で充放電が繰り返されることにより硫酸鉛が粗大化するのを抑制して、PSOC下での使用時の寿命性能を向上させることができる。
特に、本発明において、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制するために負極活物質に添加する有機化合物として、充電反応を阻害する副作用を低減されたビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とするものを用いた場合には、鉛蓄電池の充電受け入れ性及び寿命性能を大きく改善することができる。
充電電圧を14V(一定)として、開回路電圧が12Vの自動車用鉛蓄電池を充電する場合の充電電流と負極板及び正極板の電位との関係を示した線図である。 負極に添加したビスフェノールAアミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物を化成後の負極板から抽出し、NMR分光法によりスペクトルを測定した結果を示すスペクトルダイアグラムである。 鉛蓄電池のセル室内に極板群が収容された状態を概略的に示した縦断面図である。 図3のIV−IV線に沿ってセル室を断面して示した断面図である。
本発明に係わる鉛蓄電池は、充電が間欠的に行われ、PSOC下で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池で、ISS車などのマイクロハイブリッド車等で用いるのに好適なものである。本発明に係わる鉛蓄電池は、負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層して構成した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有する。これらの基本構成は、従来の鉛蓄電池と同様である。
これまで、鉛蓄電池においては、充電受け入れ性を向上させるために、専ら負極の充電受け入れ性を向上させる努力がなされていたが、本発明では、負極だけでなく、正極の充電受け入れ性をも向上させ、充電受け入れ性が改善された負極板と、充電受け入れ性が改善された正極板とを組み合わせて用いることにより、鉛蓄電池の充電受け入れ性の更なる向上を図り、充電不足の状態で充放電が繰り返されることにより硫酸鉛が粗大化するのを抑制して、寿命性能の更なる向上を図る。本発明の実施例を説明するのに先立ち、本発明の基本的な技術思想について説明する。
本発明者は、充電時の正極板の電位の変化と充電電流との関係及び負極板の電位の変化と充電電流との関係を分析した結果、反応過電圧を低下させて充電受入性を向上させた負極板を用いる場合に、正極板の充電受入性を向上させると、鉛蓄電池全体としての充電受入性を、負極板の充電受入性のみを向上させていた従来の鉛蓄電池よりも更に向上させ得ることを見いだした。充電受け入れ性を向上させることができれば、PSOC下での負荷への高率放電を支障なく行わせることができるだけでなく、充電不足の状態で充放電が繰り返されることにより硫酸鉛が粗大化するのを抑制して、寿命性能を向上させことができる。
図1は、充電電圧を14V(一定)として、開回路電圧が12Vの自動車用鉛蓄電池を充電する場合の充電電流と負極板及び正極板の電位との関係を示したものである。図1において、縦軸は充電電流を示し、横軸は標準水素電極を基準にして測定された正極板及び負極板の電位(vs.SHE)を示している。図中N1及びN2負極板の充電電流対電位曲線を示し、P1及びP2、正極板の充電電流対電位曲線を示している。なお本来であれば、負極板の充電電流対電位曲線は、直交座標系の第3象限に図示されるべきであるが、図1においては、説明の便宜上、負極板の充電電流対電位曲線を、電位及び電流の極性を反転させて正極板の充電電流対電位曲線と共に第1象限に図示している。
図1において、N1はN2比べて負極板で行われる充電反応の過電圧が高い場合の充電電流対電位曲線を示している。充電反応の過電圧が高い場合、負極板の充電電流対電位曲線は、図示のN1のように大きく外側に膨らんだ形になるが、過電圧が低い場合には、N2のように、N1よりも起立した曲線になる。
またP1はP2に比べて正極板で行われる充電反応の過電圧が高い場合の充電電流対電位曲線を示している。過電圧が高い場合の充電電流対電位曲線P1は、反応過電圧が低い場合の充電電流対電位曲線P2よりも外側に膨らんだ形になり、反応過電圧が低い場合には、P1よりも起立した曲線になる。
ここで充電反応の過電圧ηは、開回路の状態で充電電圧を印可した際に各電極で生じる電位の変化分である。過電圧ηは、充電電圧を印可した際の各電極の電位と平衡電位(開回路電圧)との差の絶対値、即ち、η=|充電電圧を印可した際の電極電位−平衡電位|で表わされる。
負極活物質の充電受け入れ性を向上させる工夫が特にされていない負極板の充電電流対電位曲線は、図1のN1のように外側に膨らんだ形をとるが、負極活物質に炭素質導電材及び充放電に伴って生じる負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物が適量添加されて充電受け入れ性が改善された負極板の充電電流対電位曲線は、N2のように起立した形をとる。
正極活物質の充電受け入れ性を向上させる工夫が特にされていない正極板の充電電流対電位曲線は、図1のP1のような形をとる。P1は従来の鉛蓄電池で用いられていた正極板の充電電流対電位曲線であり、N1に比べて起立した曲線となっている。このことは、鉛蓄電池においては、もともと負極板の充電受入性が低く、正極板の充電受入性が高いことを意味している。正極活物質の充電反応の過電圧を低下させて正極板の充電受け入れ性を向上させた場合、正極板の充電電流対電位曲線は、図1のP2のようにP1よりも更に起立した形をとる。
今、充電電流対電位特性曲線がそれぞれN1及びP1である負極板及び正極板を用いて鉛蓄電池を組み立てたとすると、開回路電圧(12V)の状態から14Vの充電電圧を印加したときに流れる充電電流はI11となる。開回路電圧は、正極電位と負極電位との差であり、印加する14Vも両極電位の差である。
次に充電電流対電位特性曲線がN2となるように充電反応の過電圧を低下させて充電受け入れ性を改善した負極板と、充電電流対電位曲線がP1となる正極板とを組み合わせて鉛蓄電池を構成したとすると、14Vの充電電圧を印加したときに流れる充電電流はI21(>I11)となる。このことから、正極板の充電電流対電位曲線がP1のままであっても(正極板の性能を特に改善しなくても)、充電電流を大きく増大させることができることが分かる。即ち、充電電流対電位特性曲線がN2となるように負極活物質の充電受入性を改善すれば、正極板の充電受入性を特に改善しなくても、鉛蓄電池全体としての充電受入性を大きく向上させることができる。
次に、充電電流対電位曲線がP2となるように反応過電圧を低下させた正極板を、充電電流対電位曲線がN1である負極板と組み合わせて鉛蓄電池を組み立てたとすると、14Vの充電電圧を印加したときに流れる充電電流はI12(>I11)となり、充電電流対電位曲線がP1の正極板と、充電電流対電位曲線がN1の負極板を用いた場合よりも充電受入性を向上させることができる。しかし、充電電流対電位曲線がP1の正極板と充電電流対電位曲線がN2の負極板とを組み合わせた場合ほどの充電受入性の向上を図ることはできない。
ところが、充電電流対電位曲線がN2となるように過電圧を低下させた(充電受入性を向上させた)負極板と、充電電流対電位曲線がP2となるように過電圧を低下させた(充電受入性を向上させた)正極板とを組み合わせて鉛蓄電池を組み立てると、14Vの充電電圧を印加した際に流れる充電電流をI22(>I11)まで増大させることができ、鉛蓄電池全体としての充電受入性を、負極板の充電受入性のみを向上させた場合に比べて、大幅に向上させることができる。
本発明者は、上記のように、正極板の充電受入性を改善することができると、当該正極板を充電受入性が改善された負極板と組み合わせて用いることにより、鉛蓄電池全体としての充電受入性を、負極板の充電受入性のみを向上させていた従来の鉛蓄電池よりも大幅に向上させ得ることに着目した。
そこで、正極板の充電受入性を向上させるためにとるべき手段を種々検討し、実験を行った結果、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を増大させれば、充電電流対電位曲線が図1のP2のように起立した曲線となるように、正極板の充電受入性を改善することができることを見出した。そして、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.5m/cm以上の範囲に設定することにより充電受入性を改善した正極板を、炭素質導電材と充放電に伴って生じる負極活物質の粗大化を抑制する作用をする有機化合物とを負極活物質に添加して充電受入性及び寿命性能を改善した負極板と組み合わせて鉛蓄電池を組み立てることにより、負極板の充電受入性のみを改善することにより電池全体としての充電受け入れ性を改善していた従来の鉛蓄電池よりも、鉛蓄電池全体としての充電受入性を更に向上させ、PSOC下での使用時の寿命性能を更に改善することができることを見出した。
ここで、極板群体積の求め方について説明しておく。前述のように、極板群体積は、鉛蓄電池の最小単位である1セル内に収容された極板群の各部のうち、発電に関与する部分を、外面の凹凸、特に正極板と負極板との間に配置されたセパレータの極板からはみ出した部分により形成される凹凸を無視して、極板群を全体的に見た場合の見かけの体積であり、以下のようにして求められる。
即ち、極板群を構成する正極板及び負極板の大きさが同じである場合には、負極集電体の耳部と脚部とを除いた部分の片面の面積に、セル室内に収容された状態での極板群の積層方向の厚み寸法(極板の積層方向に測った極板群の寸法)を乗じる演算を行うか、または正極集電体の耳部と脚部とを除いた部分の片面の面積に、セル室内に収容された状態での極板群の積層方向の厚み寸法を乗じる演算を行うことにより、極板群体積を求める。
例えば、図3及び図4に示されているように、縦横の寸法が同じ正極板1と負極板2とを、極板よりも大きく形成されたセパレータ3を介して積層することにより構成された極板群4が、電槽5内に形成されたセル室6内に収容されて、極板群4の積層方向の両端がセル室6の内面に形成されたリブ7,8に接触させられているとする。この場合には、図4に示されているように、極板の耳部9と脚部10とを除いた部分の縦横の寸法aとbとを乗じることにより負極板または正極板の片面の面積c=a×bを求め、極板群4の積層方向の厚み寸法dを乗じることにより、極板群体積e(=c×d)を求める。極板群4の積層方向の厚み寸法dは、極板群4を、設計の対象とする鉛蓄電池のセル室内に収容した状態で測った、極板群4の積層方向の寸法である。一般には、極板群4は、積層方向に加圧された状態でセル室内に挿入され、極板群4の積層方向の両端に配置された極板がセル室内に形成されたリブ7,8に接触した状態で配置されるため、極板群4の積層方向の厚み寸法dは、セル室の相対する内面に形成されたリブ7,8の間の距離に等しくなる。
上記の説明では、極板群を構成する正極板及び負極板の大きさが等しいとしたが、極板群4を構成する正極板及び負極板の大きさが異なる場合には、大きい方の極板の集電体の耳部と脚部とを除いた部分の片面の面積に、セル室内に収容された状態での極板群の積層方向の厚み寸法を乗じる演算を行うことにより、上記極板群体積を求めるものとする。
本発明においては、正極活物質の活物質比表面積をガス吸着法により測定するものとする。ガス吸着法は、一つの分子の大きさが分かっている不活性ガスを測定試料の表面に吸着させ、その吸着量と不活性ガスの占有面積とから表面積を求める方法であり、比表面積測定の一般的な手法である。不活性ガスとしては、窒素ガスを用いることができる。具体的には、以下のBET式に基づいて測定する。
測定試料の表面に吸着したガスが一定温度で吸着平衡状態にあるときの吸着平衡圧をP、吸着温度における飽和蒸気圧をPo、吸着平衡圧Pにおける吸着量をV、単分子層吸着量(気体分子が固定表面で単分子層を形成したときの吸着量)をVm、固体表面と吸着物質と間の相互作用に関するパラメータであるBET定数をCとすると、P/Poが0.05〜0.35の範囲にあるときに、下記の(1)式がよく成立する。式(1)を変形して(左辺の分子分母をPで割る)、式(2)を得る。
測定に用いる比表面積計では、吸着占有面積のわかったガス分子を試料に吸着させ、その吸着量(V)と相対圧力(P/Po)の関係を測定する。測定したVとP/Poより、式(2)の左辺とP/Poをプロットする。ここで、勾配をsとし、式(2)より式(3)を導く。
切片をiとすると、切片i、勾配sは、それぞれ式(4)、式(5)の通りとなる。式(4)及び式(5)を変形すると、それぞれ式(6)及び式(7)となり、単分子層吸着量Vmを求める式(8)が得られる。
すなわち、ある相対圧力P/Poにおける吸着量Vを数点測定し、プロットの傾きと切片を求めると、単分子層吸着量Vmが求まる。試料の全表面積Stotal は式(9)で求められ、比表面積Sは全表面積Stotal より式(10)で求められる。
Figure 0005783170
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単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積すなわち、活物質比表面積と活物質量との積が高いことは、放電反応の反応種である水素イオン(H)や硫酸イオン(SO 2−)の拡散移動が速やかに行われる状態を長く維持して、放電反応を長時間に亘って継続させることができることを意味する。反応種の拡散が長時間に亘って維持されることは、反応種の拡散パスが多く存在していることを意味している。
一方、充電反応においては、充電反応の進行に伴って生成してくる水素イオンや硫酸イオンの拡散パスが必要になるが、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を高くしておくと、充電反応を行わせる際に生成してくる水素イオンや硫酸イオンの拡散パスを多く存在させて、生成物を極板の反応表面に蓄積させることなく速やかに拡散させることができ、これにより、充電反応を極板全体に亘って円滑に行わせて、充電反応の進行を容易にし、正極板の充電受入れ性を向上させることができるものと思われる。
本発明では、負極板の性能を改善するために、負極活物質に少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とを添加する。
炭素質導電材は、好ましくは、黒鉛、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維及びカーボンナノチューブからなる材料群の中から選択される。これらの内、好ましいのは黒鉛であり、さらに黒鉛としては、鱗片状黒鉛を選択するのが好ましい。鱗片状黒鉛を用いる場合、その平均一次粒子径は、100μm以上とするのが好ましい。炭素質導電材の添加量は、満充電状態の負極活物質(海綿状金属鉛)100質量部(以下、単に「活物質100質量部」という)に対し0.1〜3質量部の範囲とするのが好ましい。
上記鱗片状黒鉛は、JIS M 8601(2005)記載のものを指す。鱗片状黒鉛の電気抵抗率は、0.02Ω・cm以下で、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類の0.1Ω・cm前後より一桁小さい。従って、従来の鉛蓄電池で用いられているカーボンブラック類に替えて鱗片状黒鉛を用いることにより、負極活物質の電気抵抗を下げて、充電受け入れ性能を改善することができる。
ここで、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径は、JISM8511(2005)記載のレーザ回折・散乱法に準拠して求める。鱗片状黒鉛の平均一次粒子径を求める際には、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製の商品名マイクロトラック9220FRA)を用い、分散剤として市販の界面活性剤ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(例えば、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製の商品名トリトンX−100)を0.5vol%含有する水溶液を用いてこの水溶液に鱗片状黒鉛試料を適量投入し、撹拌しながら40Wの超音波を180秒照射した後、平均粒子径の測定を行なう。求められた平均粒子径(メディアン径:D50)の値を平均一次粒子径とする。
ISS車や発電制御車などのマイクロハイブリッド車両に搭載される鉛蓄電池は、PSOCと呼ばれる部分充電状態で使用される。このような状況下で使用される鉛蓄電池においては、放電の際に負極活物質に生成される絶縁体である硫酸鉛が充放電の繰り返しに伴って粗大化していく現象が早期に生じる。この現象はサルフェーションと呼ばれる。サルフェーションが起ると、負極活物質の充電受入れ性及び放電性能が著しく低下する。
負極活物質に添加された炭素質導電材は、硫酸鉛の粗大化を抑制し、硫酸鉛を微細な状態に維持して、硫酸鉛から溶け出す鉛イオンの濃度が低下するのを抑制し、充電受け入れ性が高い状態を維持する作用をする。
また充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物を負極活物質に添加すると、その添加量を最適化しておくことにより、充放電の反応性が長期間損なわれることがなく、充電受け入れ性が高い状態を長期間維持することができる負極板を得ることができる。
上記のように炭素質導電材と負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とを負極活物質に添加して負極板の性能を改善するだけでも、電池全体としての充電受入れ性を向上させることが可能であるが、この負極板を前述した正極板と組み合せることにより、電池全体としての充電受入れ性を更に向上させることができる。
負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物としては、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を用いることが好ましい。上記ビスフェノール類は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等である。上記縮合物のうち、特に好ましいのは、以下に、[化1]の化学構造式で示すビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物である。
Figure 0005783170
ビスフェノール類のベンゼン核にp−アミノベンゼンスルホン酸基が結合した基本構造単位の縮合物を用いると特に高い効果が得られるが、スルホン酸基がビスフェノール類のベンゼン核に結合した縮合物を用いても同等の効果が得られる。
前述のように、負極活物質の充電反応は、放電生成物である硫酸鉛から溶解する鉛イオンの濃度に依存し、鉛イオンが多いほど充電受入れ性が高くなる。充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制するために負極活物質に添加する有機化合物として広く用いられているリグニンは、鉛イオンに吸着して鉛イオンの反応性を低下させてしまうため、負極活物質の充電反応を阻害し、充電受け入れ性の向上を抑制するという副作用がある。これに対し、上記[化1]の化学構造式を有するビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物は、鉛イオンへの吸着力が弱く、鉛イオンへの吸着量も少ないことから、リグニンに代えて上記の縮合物を用いると、充電受入れ性を妨げることが殆どなくなり、炭素質導電材の添加による充電受け入れ性の維持を妨げることが少なくなる。
本発明は、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として、以下に、[化2]の化学構造式(部分構造)で示すリグニンスルホン酸ナトリウム等を選択することを妨げるものではない。リグニンスルホン酸ナトリウムは、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として多用されているが、鉛イオンへの吸着力が強く、充電反応を抑制する副作用が強いという難点がある。これに対し、ビスフェノール類・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物は、鉛イオンへの吸着力が弱く、鉛イオンに吸着される量が少ないため、充電反応を阻害することがほとんどなく、充電受け入れ性を阻害することがない。
Figure 0005783170
本発明を実施するに当たって、セパレータとしては、ポリエチレンの微多孔シートからなる通常のポリエチレン製のセパレータを用いることができるが、ポリエチレン製のセパレータを単独で用いるのではなく、ガラス繊維、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)繊維、パルプ等の材料の繊維からなる不織布からなるセパレータ(単に「不織布からなるセパレータ」という。)とポリエチレン製セパレータとを併用することが好ましい。この場合、セパレータの負極板と相対する表面が不織布からなるセパレータにより構成されるように、ポリエチレン製セパレータと不織布からなるセパレータとを重ね合わせて用いる。
不織布からなるセパレータとしては、上記各種材料から選ばれる複数の繊維の混合物からなるものを用いてもよい。複数の繊維の混合物からなる不織布としては、例えば、特開平2002−260714号公報に開示されている制御弁式鉛蓄電池に適用される薄型セパレータのように、ガラス繊維単独で構成されたものではなく、ガラス繊維と耐酸性有機樹脂繊維との混合物、またはこれらの混合物に必要に応じて更にシリカ等の無機粉末を加えたものにより構成されたものを用いるのが好ましい。不織布は、繊維を水中に分散させて、これを抄造することにより製造できるので、抄造の際に前記無機粉末を繊維と一緒に水中に分散させれば、無機粉末を容易に不織布に含有させることができる。
充電時に硫酸鉛から生成する硫酸イオンは、極板表面を伝って下方へと移動してしまう。PSOC下では、電池が満充電になることがないため、ガス発生による電解液の撹拌が行なわれない。その結果、電池下部の電解液比重が高くなり、上部の電解液比重が低くなるという、成層化と呼ばれる電解液濃度の不均一化が起こる。このような現象が起こると、反応面積が低下することになるため、充電受入れ性および放電性能が低下する。負極板の表面に不織布からなる高多孔度のセパレータを対向させておくと、硫酸イオンの下降を防止することができるため、成層化が起こるのを防ぐことができる。このようなセパレータを用いるだけでも電池全体としての充電受入れ性を向上させることが可能であるが、当該セパレータを前述した正極板と組み合せることにより、電池全体としての充電受入れ性を更に向上させることができる。またこのセパレータを前述した正極板及び負極板と組み合せて用いることにより、鉛蓄電池全体としての充電受入れ性を大きく向上させることができる。
正極板
次のようにして未化成の正極板を作製した。酸化鉛を主成分とする原料鉛粉1.0kgに対して、カットファイバ(ポリエチレンテレフタレートの短繊維、以下同じ。)を0.1質量%添加し、混練機にて混合した。次に、原料鉛粉とカットファイバとの混合物に水と比重1.26(20℃換算)の希硫酸とを滴下して混練し、水分含有量14質量%、硫酸鉛含有量15質量%のペースト状正極活物質を調製した。このペースト状の正極活物質を、鉛−カルシウム系合金の格子体からなる集電体に、1枚当たり67kg充填した後、温度50℃、湿度95%の雰囲気で18時間熟成させた。その後、集電体に充填された正極活物質を、温度60℃で16時間乾燥させて、未化成の正極板を作製した。
負極板
次のようにして未化成の負極板を作製した。有機添加剤として、前記(化1)の構造式で示される(a)ビスフェノールスルホン酸ポリマ(分子量:1.5万〜2.0万、化合物中のイオウ含有量:6〜10質量%)を準備した。酸化鉛を主成分とする原料鉛粉1.0kgに対して、上記(a)のビスフェノールスルホン酸ポリマを0.2質量%配合して混合した。この混合物に、原料鉛粉1.0kgに対して、重油を原料としたカーボンブラック粉末(比表面積260m/g)1.0質量%、硫酸バリウム粉末2.0質量%、カットファイバ0.1質量%を添加し、混練機にて混合して上記の各種配合材を原料鉛粉中に分散させた。このようにして得られた混合物に水と希硫酸(比重1.26、20℃換算)を滴下して混練し、水分含有量12質量%、硫酸鉛含有量13質量%のペースト状負極活物質を調製した。このペースト状負極活物質を鉛−カルシウム系合金の格子体からなる集電体に充填した後、温度50℃、湿度95%の雰囲気で18時間の間熟成させた。その後、集電体に充填した負極活物質を乾燥させて、未化成の負極板を作製した。負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物及び炭素質導電材を異ならせて、以下に示す負極板A,B,Cを作成した。
負極板A:
負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として、前記[化2]に示したリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分とするものを選択し、炭素質導電材として、重油を原料としたカーボンブラック(比表面積260m/g)を用い、その添加量を活物質100質量部に対し0.2質量部とした。上記有機化合物とカーボンブラックとを添加した負極活物質をエキスパンド式集電体に充填して負極板Aを作成した。
負極板B:
負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]に示したビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物(分子量1.7万〜2.0万,化合物中のイオウ含有量は6〜11質量%)を主成分とするものを選択し、カーボンブラックの添加量を活物質100質量部に対し質0.2量部とした。上記有機化合物とカーボンブラックとを添加した負極活物質をエキスパンド式集電体に充填して負極板Bを作成した。
負極板C:
負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として、[化1]に示したビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物(分子量1.7万〜2.0万,化合物中のイオウ含有量は6〜11質量%)を主成分とするものを選択し、炭素質導電材として、鱗片状黒鉛(粒径180μm)を用い、その添加量を活物質100質量部に対し2質量部とした。上記有機化合物とカーボンブラックとを添加した負極活物質をエキスパンド式集電体に充填して負極板Cを作成した。
次に上記負極板A、B及びCと、正極板と、2種類のセパレータとを組み合わせて、一例として、JIS規格で規定されているB19サイズの鉛蓄電池を組み立てた。電池の組み立ては、正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層し、単位極板群体積当たりの正極板総表面積が2.1cm/cm(正極板3枚、負極板3枚)から6.2cm/cm(正極板9枚、負極板9枚)となるように規定した各種極板群を構成し、キャストオンストラップ(COS)方式で同極の極板の耳部同士を溶接して極板群を作製した。この鉛蓄電池の極板群体積は、325[cm]であった。本実施例では、同じ大きさの正極板及び負極板を用いて極板群を構成したので、負極集電体の耳部と脚部とを除いた部分の片面の面積(幅10.1[cm]、高さ11.1[cm]の積)に、セル室内に収容された状態での極板群の厚み寸法(極板の積層方向に測った寸法)2.9[cm]を乗じる演算を行うことにより、極板群体積を求めた。
ここで、セパレータについては、ポリエチレン製セパレータを単独で用いたセパレータをセパレータPとし、ポリエチレン製セパレータの負極板表面と相対する面にガラス繊維からなる不織布を配した構造のセパレータをセパレータQとした。
なお本実施例では、セパレータQを構成する不織布としてガラス繊維の不織布を用いたが、ガラス繊維の不織布に代えて、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系材料、パルプ等の材料の繊維からなる不織布を用いてもよく、これら複数の材料の繊維の混合物からなる不織布を用いてもよい。セパレータとして用いる不織布としては、上記各種材料から選ばれた複数の繊維の混合物からなる不織布が特に好ましいが、これらの繊維の混合物に更にシリカを漉き込んだ構成を有する不織布は更に好ましい。
また本実施例では、ポリエチレン製のセパレータとガラス繊維からなる不織布とを重ねることによりセパレータQを構成したが、ガラス繊維等からなる不織布だけによりセパレータQを構成してもよい。即ち、セパレータQは、負極板に相対する面が、ガラス、ポリオレフィン、パルプ等の材料の繊維からなる不織布により構成されているものであればよい。
次に電槽化成を行った。比重が1.24の希硫酸を電槽内に注入し、活物質量に基づく理論容量の200%の電気量を通電して充電し、鉛蓄電池を完成した。正極活物質は、化成時の温度、電流密度、電解液比重及びペーストに含まれる硫酸鉛量によって、活物質の特性と量が変化する。正極活物質比表面積は、化成温度を高くすると減少し、電解液比重を高くすると増加させることができる。そこで、ペーストに含まれる硫酸鉛量により活物質量を調整すると同時に電槽化成時の温度、電解液比重を調整し、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積が異なる各種鉛蓄電池を準備した。単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積の調整は、前記のペーストに含まれる硫酸鉛量と化成条件以外にも、例えば、鉛粉出発原料、鉛粉練合条件、極板熟成条件等を適宜選択することにより実現できる。単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を調整する手段が異なっても、結果として、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積が本発明の範囲内であれば、本発明所定の効果を得ることができる。
単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積は、活物質特性測定用の電池を作製し、解体して正極板を取り出し、前述の方法により測定した比表面積の測定値と活物質重量の積を求めて、これを極板群体積にて除する方法により測定した。
[化1]に示すビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物が負極活物質中に存在していることを、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance、以下NMR)分光法により確認した。日本電子株式会社製のNMR分光装置(型式:ECA−500FT−NMR)を用い、以下のとおり分析を実施した。
まず、化成終了後の実施例1の鉛蓄電池を解体し、負極板を取り出した。取り出した負極板を水洗して硫酸分を洗い流した。化成後の負極活物質は多孔質の金属鉛である。負極活物質の酸化を防ぐために、負極板の乾燥を窒素などの不活性ガス中で行なった。乾燥させた負極板から負極活物質を分離して粉砕し、その粉砕物を10%水酸化ナトリウム溶液に投入して、生成する沈殿物(水酸化鉛)を除いた抽出液を前記装置で分析・測定した。測定条件は表1のとおりである。
Figure 0005783170
図2に、NMR分光法により測定したスペクトルを示す。横軸は化学シフト(ppm)を示し、縦軸はピーク強度を示している。図2に二重丸を付して示したように、化学シフト6.7ppmと7.5ppmに、[化1]に示すビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物のp−アミノベンゼンスルホン酸基に由来するピークが認められた。さらに、図2に三角を付して示したように、化学シフト0.5ppm〜2.5ppmの領域に[化1]に示すビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物のビスフェノールA骨格に由来するピークが認められた。
上記の結果から、負極活物質中に[化1]に示すビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物が存在することを確認できた。
作製した鉛蓄電池について、充電受け入れ性の測定と、サイクル特性の測定とを行った。まず、充電受入れ性の測定は次のようにして行なった。組立て初期の鉛蓄電池を、25℃の恒温槽の中でSOC(充電状態)を満充電状態の90%に調整し、14Vの充電電圧の印加(但し、14Vに達する前の電流を100Aに制限)開始時から5秒目の充電電流値(5秒目充電電流値)を計測した。5秒目充電電流値が高い場合ほど初期の充電受入れ性が高いことを意味する。また、40℃の恒温槽の中で、充電電圧14.8V(但し、14.8Vに達する前の電流を25Aに制限),充電時間10分の充電と、25A定電流放電,放電時間4分の放電を1サイクルとしたサイクル試験を5000サイクル繰り返した後、上記の初期と同様の条件で充電受け入れ性の測定を行った。すなわち、5000サイクル後の5秒目充電電流値が高いほど初期の良好な充電受け入れ性をその後も維持していることを意味する。
サイクル特性の測定(寿命試験)は次のように行なった。電池温度が25℃になるように雰囲気温度を調整し、45A−59秒間、300A−1秒間の定電流放電を行った後、100A−14V−60秒間の定電流・定電圧充電を1サイクルとする寿命試験を行なった。この試験はISS車での鉛蓄電池の使われ方を模擬したサイクル試験である。この寿命試験では、放電量に対して充電量が少ないため、充電が完全に行なわれないと徐々に充電不足になり、その結果、放電電流を300Aとして1秒間放電した時の1秒目電圧が徐々に低下する。即ち、定電流・定電圧充電時に負極が分極して早期に定電圧充電に切り替わると、充電電流が減衰して充電不足になる。この寿命試験では、300A放電時の1秒目電圧が7.2Vを下回ったときを、その電池の寿命と判定した。
充放電サイクル中も高い充電受け入れ性を維持しなければ、充電不足の状態が継続し、サイクル特性は悪くなる。上記の5秒目充電電流値の充放電サイクルに伴う変化とサイクル特性を評価することで、充放電サイクル中の充電受け入れ性の良否を適正に評価することになる。
上記の試験により、定電圧充電時の充電受入れ性と、PSOC下で使用されたときの耐久性とを評価できる。
作製した各種の鉛蓄電池について行った5秒目充電電流の測定結果と、サイクル特性の測定結果とを表2、3に示した。表2と表3の違いは、セパレータが異なる点のみである。表2において、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.0m/cmとし、負極板Aを組み合わせた場合を従来例とし、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を16.0m/cmとした場合を比較例とした。更に単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.0又は16.0m/cmとし、負極板B又はCを組み合わせた場合を参考例とした。単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.0又は16.0m/cmとし、セパレータQを組み合わせた場合も参考例とした。各表に示された5秒目充電電流及びサイクル特性は、表2の従来例(No.1)を100(5秒目充電電流にあっては、初期を100)として評価したものである。
Figure 0005783170
Figure 0005783170
上記の表2,3の結果は、単位極板群体積当たりの正極板総表面積を4.1m/cm(正極6枚負極6枚)に固定し、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.0から16.0m/cmまで変化させた8種類の正極板に、3種類の負極板A、B、Cと2種類のセパレータP、Qとを組み合わせた場合の5秒目充電電流の測定結果と、サイクル特性の測定結果を示したものである。なお、これらの例では、セパレータの厚み、すなわち隣り合う極板相互間の距離は標準的な0.8mmとした。セパレータQを使用する場合も、ガラスマットを併用する分だけ極板間距離が大きくなるわけではなない。セパレータに形成されているリブが変形する等して、ガラスマットを併用したことによる厚み増が吸収される。
表2(No.1〜8)から、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化2]に示した、従来から用いられているリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分とするものを用いても、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.5から15.6m/cmの範囲に設定すると、若干ではあるが、従来例よりも5秒目充電電流(充電受け入れ性)及びサイクル特性(PSOC下での寿命性能)を両立して改善できることが分かる。
更に表2(No.9〜16)から、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を主成分としたものを用いると、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積が3.0m/cmである場合でも、従来例より、5秒目充電電流(充電受け入れ性)及びサイクル特性(PSOC下での寿命性能)を大きく向上させることができることが分る。また単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.5から15.6m/cmの範囲に設定することにより、同単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.0m/cmとした場合よりも明らかに5秒目充電電流及びサイクル特性を向上させることができる。5秒目充電電流は、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を増大させるにつれて上昇し続けるが、サイクル特性は、中間でピークを迎えて減少に転じる。特に、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積が16.0m/cmとなると、15.6m/cmの場合よりサイクル特性が急激に低下する傾向にある。これは、充放電の繰り返しにより活物質の構造が崩壊する、泥状化と呼ばれる現象が起こったためである。このことから、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積は3.5から15.6m/cmの範囲にあることが最も好ましい。
また、表2のNo.9〜16とNo.17〜24を比較すると、負極に添加する炭素質導電材の影響を見ることが出来る。すなわち、負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物として[化1]の縮合物を主成分としたものを用いた条件において、No.9〜16はカーボンブラックを0.2質量部添加した結果を示し、No.17〜24は鱗片状黒鉛を2質量部添加した結果を示している。
鱗片状黒鉛は、添加量を増やしてもペースト物性の変化(硬化)がないという特徴を持っているため増量が容易である。本実施例では鱗片状黒鉛を2質量部添加した場合を示している。
鱗片状黒鉛を活物質100質量部に対し2質量部添加した場合、初期の5秒目充電電流には大差が無いが、5000サイクル後の5秒目充電電流とサイクル特性は、カーボンブラックを活物質100質量部に対し0.2質量部添加した場合よりも更に大きく改善できることが示されている。
この違いは、炭素質導電材の抵抗値がカーボンブラックよりも鱗片状黒鉛の方が低く、また鱗片状黒鉛の方が添加量を多くすることが出来るため、充電がより入りやすくなった結果と考えられる。
また、表2と表3を比較すると、セパレータ種別の影響を見ることが出来る。すなわち、負極板A、B、Cのそれぞれにおいて、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積を3.0から16.0m/cmまで変化させた場合のセパレータ種別の影響を比較する。No.1〜8とNo.25〜32、No.9〜16とNo.33〜40、No.17〜24とNo.41〜48のそれぞれを比較すると、セパレータPをQに変更することにより、初期の5秒目充電電流は若干減少するが、5000サイクル後の充電電流、サイクル特性は向上する傾向が共通して認められた。これは、上述したように、負極板の表面に不織布からなる高多孔度のセパレータを対向させておくと、硫酸イオンの下降を抑制して、成層化が起こるのを防ぐことができるためである。
Figure 0005783170
上記の表4の結果は、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積が6.0及び12.5m/cmである場合に、単位極板群体積当たりの正極板総表面積を2.1から6.2cm/cmまで変化させた場合の5秒目充電電流の測定と、サイクル特性の測定とを実施した。セパレータ種別はQ、負極板種別はCとした。
表4の結果から、5秒目充電電流とサイクル特性との間には、単位極板群体積当たりの正極板総表面積を大きくすると、すなわち極板枚数を増やすと、5秒目充電電流は増加するが、サイクル特性は低下するという、相反する関係にあることが分かる。極板群は一定体積の電槽内に収納するという制限があり、極板を薄くして一定体積の電槽内に収納する極板枚数を増やすことにも極板の強度の面から限界があるため、単位極板群体積当たりの正極板総表面積を、6.2cm/cmにすることは通常困難である。逆に、単位極板群体積当たりの正極板総表面積を2.1cm/cmとすることは、極板を厚くし極板枚数を減らすことになる。この場合は、集電体の製造加工や活物質ペーストの充填性など製造面で、生産が通常困難となるという問題がある。そのため、単位極板群体積当たりの正極板総表面積は、2.8から5.5cm/cmの範囲にあることが好ましい。
Figure 0005783170
表5の結果は、正負両極板の枚数が同じである実施例(表3)のNo.43を基準にして、正極板の枚数及び負極板の枚数のいずれか一方を他方より多い構成とした場合について、5秒目充電電流の測定結果と、サイクル特性の測定結果とを示したものである。本実施例(NO.61,62)では、極板枚数の合計が1枚減る分の厚みを、正負両極板の厚みに均等に割り振って調節した。その結果、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積と単位極板群体積当たりの正極板総表面積は表5のように変化した。
この結果から、正極板の枚数が負極板の枚数より多い方が5秒目充電電流及びサイクル特性が向上することが分かる。
次に、表2のNo.19ならびに表3のNo.43のタイプの極板群構成の鉛蓄電池において、鱗片状黒鉛の平均一次粒子径を変えて、その平均一次粒子径が電池特性に及ぼす影響を確認した。
鱗片状黒鉛の平均一次粒子径を、80μm,100μm,120μm,140μm,180μm,220μmと変化させ、そのほかは表2のNo.19ならびに表3のNo.43のそれぞれのタイプの極板群構成と同様とした。5秒目充電電流とサイクル特性を評価した結果を、表6、7に示す。各表に示された5秒目充電電流及びサイクル特性は、表2の従来例を100(5秒目充電電流にあっては、初期を100)として評価したものである。
Figure 0005783170
Figure 0005783170
表6,7の結果から、セパレータの種別によらず、鱗片状黒鉛が大きいほど初期の5秒目充電電流が大きくなり、サイクル特性も向上することがわかる。この傾向は鱗片状黒鉛の平均一次粒子径が100μm以上の範囲で顕著である。これは鱗片状黒鉛の平均一次粒子径が小さいとその接点で電気抵抗が増すためで、平均一次粒子径が大きいほど電気抵抗が低くなり、充電特性とサイクル寿命が向上する。また、この場合も、上述の結果と同様に、セパレータとして負極板に対向する部分に不織布を用いたセパレータQを使用する(表7)と、ポリエチレン製のセパレータPを用いた場合(表6)よりもサイクル特性を大きく向上させることができることが分る。
これらの結果から鱗片状黒鉛の平均一次粒子径は、100μm以上の範囲が好ましく、最適は180μmである。これを超える平均一次粒子径は、天然物であるため製造収率が悪く、入手も困難となってくる。
従来の鉛蓄電池では、鉛蓄電池の充電受入れ性を改善するに当って、専ら負極板の充電受入れ性及び寿命性能を改善することにより力が注がれ、正極板の性能を改善することにより鉛蓄電池の充電受入れ性を改善するとの考え方はとられていなかった。そのため、従来は負極の充電受入れ性により鉛蓄電池全体の充電受入れ性が決まっており、鉛蓄電池の充電受入れ性を向上させる上で限界があった。本発明では、この限界を打破するために正極活物質の性能に着目し、正極活物質の性能を改善することにより、電池全体としての充電受入れ性を従来の鉛蓄電池よりも更に改善することを可能にした。
従来技術では、負極板の特性を改良することによってのみで充電受入れ性の向上を図っていたが、本発明では、単位極板群体積当たりの正極活物質総表面積の値を大きくすることにより、正極板の充電受入れ性を改良し、これにより、電池全体の充電受け入れ性を従来よりも更に改善することを可能にして、PSOC下でのさらなる高率放電を可能にした。
また本発明によれば、鉛蓄電池の充電受け入れ性を改善できることにより、充電不足の状態で充放電が繰り返されるのを防ぐことができるため、充電不足の状態で充放電が繰り返されることにより放電生成物である硫酸鉛が粗大化するのを防ぐことができ、PSOC下での鉛蓄電池の寿命性能を改善することができる。これは、PSOC下で使用される鉛蓄電池にとって大きな前進であり、マイクロハイブリッド車等に搭載される鉛蓄電池の性能の向上に大きく寄与するものである。
以上のように、本発明は、充電受入れ性及びPSOC下での寿命性能が従来より向上した液式鉛蓄電池を提供することを可能にするものであり、ISS車や発電制御車などのマイクロハイブリッド車等の普及に寄与するものである。従って、本発明は、自動車の燃費向上により炭酸ガスの排出量の低減を図り、地球温暖化を抑制するという地球規模の課題の解決に役立つものであり、産業上の利用可能性が大である。

Claims (8)

  1. 負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池であって、
    少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが前記負極活物質に添加され、
    前記正極板は、単位極板群体積[cm]当たりの正極活物質総表面積[m]を、3.5ないし15.6[m/cm]の範囲とするように構成され、
    前記炭素質導電材は、平均一次粒子径が100μm以上の鱗片状黒鉛であり
    前記充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物は、以下の化1の化学構造式で示されるビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とする有機化合物である鉛蓄電池。
    Figure 0005783170
  2. 負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池であって、
    少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが前記負極活物質に添加され、
    前記正極板は、単位極板群体積[cm ]当たりの正極活物質総表面積[m ]を、3.5ないし15.6[m /cm ]の範囲とするように構成され、
    前記炭素質導電材は、平均一次粒子径が100μm以上の鱗片状黒鉛であり
    前記充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物は、以下の化2の化学構造式で示されるリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分とする有機化合物である鉛蓄電池。
    Figure 0005783170
  3. 負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池であって、
    少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが前記負極活物質に添加され、
    前記正極板は、単位極板群体積[cm ]当たりの正極活物質総表面積[m ]を、3.5ないし15.6[m /cm ]の範囲とし、単位極板群体積[cm ]当たりの正極板総表面積[cm ]を2.8ないし5.5cm /cm の範囲とするように構成され、
    前記炭素質導電材は、平均一次粒子径が100μm以上の鱗片状黒鉛であり
    前記充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物は、以下の化1の化学構造式で示されるビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とする有機化合物である鉛蓄電池。
    Figure 0005783170
  4. 負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池であって、
    少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが前記負極活物質に添加され、
    前記正極板は、単位極板群体積[cm ]当たりの正極活物質総表面積[m ]を、3.5ないし15.6[m /cm ]の範囲とし、単位極板群体積[cm ]当たりの正極板総表面積[cm ]を2.8ないし5.5cm /cm の範囲とするように構成され、
    前記炭素質導電材は、平均一次粒子径が100μm以上の鱗片状黒鉛であり
    前記充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物は、以下の化2の化学構造式で示されるリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分とする有機化合物である鉛蓄電池。
    Figure 0005783170
  5. 負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池であって、
    少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが前記負極活物質に添加され、
    前記正極板は、単位極板群体積[cm ]当たりの正極活物質総表面積[m ]を、3.5ないし15.6[m /cm ]の範囲とするように構成され、
    前記炭素質導電材は、平均一次粒子径が100μm以上の鱗片状黒鉛であり
    前記充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物は、以下の化1の化学構造式で示されるビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とする有機化合物であり、
    Figure 0005783170
    前記セパレータは、前記負極板の表面に相対する表面が、ガラス、パルプ及びポリオレフィンからなる材料群から選択された少なくとも1つの材料の繊維で構成される不織布からなるように構成されている鉛蓄電池。
  6. 負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池であって、
    少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが前記負極活物質に添加され、
    前記正極板は、単位極板群体積[cm ]当たりの正極活物質総表面積[m ]を、3.5ないし15.6[m /cm ]の範囲とするように構成され、
    前記炭素質導電材は、平均一次粒子径が100μm以上の鱗片状黒鉛であり
    前記充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物は、以下の化2の化学構造式で示されるリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分とする有機化合物であり、
    Figure 0005783170
    前記セパレータは、前記負極板の表面に相対する表面が、ガラス、パルプ及びポリオレフィンからなる材料群から選択された少なくとも1つの材料の繊維で構成される不織布からなるように構成されている鉛蓄電池。
  7. 負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池であって、
    少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが前記負極活物質に添加され、
    前記正極板は、単位極板群体積[cm ]当たりの正極活物質総表面積[m ]を、3.5ないし15.6[m /cm ]の範囲とし、単位極板群体積[cm ]当たりの正極板総表面積[cm ]を2.8ないし5.5cm /cm の範囲とするように構成され、
    前記炭素質導電材は、平均一次粒子径が100μm以上の鱗片状黒鉛であり
    前記充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物は、以下の化1の化学構造式で示されるビスフェノールA・アミノベンゼンスルホン酸・ホルムアルデヒド縮合物を主成分とする有機化合物であり、
    Figure 0005783170
    前記セパレータは、前記負極板の表面に相対する表面が、ガラス、パルプ及びポリオレフィンからなる材料群から選択された少なくとも1つの材料の繊維で構成される不織布からなるように構成されている鉛蓄電池。
  8. 負極活物質を負極集電体に充填してなる負極板と、正極活物質を正極集電体に充填してなる正極板とをセパレータを介して積層した極板群を、電解液とともに電槽内に収容した構成を有して、充電が間欠的に行われ、部分充電状態で負荷への高率放電が行われる液式鉛蓄電池であって、
    少なくとも、炭素質導電材と、充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物とが前記負極活物質に添加され、
    前記正極板は、単位極板群体積[cm ]当たりの正極活物質総表面積[m ]を、3.5ないし15.6[m /cm ]の範囲とし、単位極板群体積[cm ]当たりの正極板総表面積[cm ]を2.8ないし5.5cm /cm の範囲とするように構成され、
    前記炭素質導電材は、平均一次粒子径が100μm以上の鱗片状黒鉛であり
    前記充放電に伴う負極活物質の粗大化を抑制する有機化合物は、以下の化2の化学構造式で示されるリグニンスルホン酸ナトリウムを主成分とする有機化合物であり、
    Figure 0005783170
    前記セパレータは、前記負極板の表面に相対する表面が、ガラス、パルプ及びポリオレフィンからなる材料群から選択された少なくとも1つの材料の繊維で構成される不織布からなるように構成されている鉛蓄電池。
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