JP6497460B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池は、信頼性、価格の安さから産業用、民生用に広く用いられており、特に自動車用鉛蓄電池(いわゆるバッテリー)の需要が多い。
従来、自動車用鉛蓄電池では、鉛合金の格子体に所定量の活物質ペーストを充填したペースト式極板が用いられている。鉛蓄電池(以下、単に電池ともいう。)の極板には、正極板と負極板がある。正極板及び負極板は、それぞれ集電部(耳部)を有している。そして、正極板と負極板とがセパレータを介して交互に積層され、正極板及び負極板の集電部が極性毎にストラップに集合溶接され、ストラップにセル間接続部又は極柱が接続されて、極板群が構成されている。
セパレータとしては、合成樹脂製の微多孔性シートを二つ折りし、その両側部をシールして袋状にした、いわゆる袋セパレータが用いられている。袋セパレータに極板を挿入することで、正極板と負極板とを確実に隔離することができる。なお、袋セパレータに挿入する極板は、正極板及び負極板の何れであってもよく、正極板を袋セパレータに挿入するタイプと負極板を袋セパレータに挿入するタイプの両タイプの電池がある。正極板を袋セパレータに挿入するタイプの電池は、高温下で使用されると、正極板が腐食及び変形することにより袋セパレータを突き破る場合がある。このため、通常は、セパレータの突き破りを防止する観点から、負極板をセパレータに挿入するタイプの電池が採用されている。
ところで、近年の自動車は、電装品が増加していることから、電池への負荷が大きくなっている。その結果、電池の放電量が多くなっている。電池の放電量の指標として、放電深度DOD(Depthof Discharge)がある。放電深度DODは、値が大きくなるほど、放電量が多くなることを示している。
DODが大きい状況下で電池を充放電すると、正極板において活物質同士の結びつきが弱くなる軟化現象が進行し、徐々に格子体から活物質が脱落していく。脱落した活物質は、電解液(希硫酸)中に浮遊し、やがて電池底部に沈殿する。電池底部に沈殿した活物質は、電池の充電により発生するガスによって、電解液中を極板群の上部にまで舞い上げられて、正極板及び負極板の上部に付着及び堆積する。その結果、電池の充放電を繰り返すと、活物質により極板群上部で短絡が引き起こされ、電池が短寿命となる問題があった。
そこで、このような問題を解決するべく、特許文献1には、正極板と袋セパレータに収納された負極板とを交互に積層してなる極板群を備えた鉛蓄電池において、極板群の外側に負極板と電気的に接続された脱落活物質捕捉用の電極部材を設けることが開示されている。これにより、正極板から脱落した活物質を、脱落活物質捕捉用の電極部材により捕捉することが可能となる。
特開平8−130030号公報
しかしながら、脱落した活物質が発生したガスにより舞い上げられる力は、負極板が脱落した正極活物質を捕捉する力より大きい。このため、特許文献1に記載された脱落活物質捕捉用の電極部材を設けても、脱落した活物質の捕捉漏れが発生する。これにより、袋セパレータに収納された負極板にも脱落した活物質が付着及び堆積して、極板群上部で短絡する可能性がある。
そこで、本発明は、脱落した活物質による極板群上部での短絡を抑制して、長寿命化を図ることができる鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る鉛蓄電池は、セパレータを介して正極板と負極板とが交互に積層され、正極板及び負極板の集電部が極性毎にストラップに集合溶接された極板群を備える鉛蓄電池であって、正極板及び負極板は、それぞれ活物質が充填された充填部を有し、正極板の充填部の総表面積をS、正極板の充填部及び負極板の充填部の見かけ体積をVとした場合に、S/Vが3.95cm−1以上である。ここで、正極板の充填部及び負極板の充填部の見かけ体積とは、正極板の充填部と負極板の充填部とに囲まれる領域の体積であって、隣り合う充填部の間の空隙も含んだ見かけ上の体積である。正極板の充填部の総表面積とは、正極板の発電に寄与する部分の表面積の合計である。つまり、充填部の表裏面の表面積の合計に、極板群を構成する正極板の枚数を乗じた面積である。
S/Vを3.95cm−1以上とすることで、S/Vが3.95cm−1未満の場合と比べて、鉛蓄電池の充放電サイクルにおいて正極板の活物質の軟化の進行が抑制されると考えられる。このため、本発明の一側面に係る鉛蓄電池では、S/Vが3.95cm−1未満の場合と比べて、脱落した活物質による極板群上部での短絡が抑制されるため、充放電可能な回数が増え、鉛蓄電池の長寿命化を図ることができる。
上記鉛蓄電池において、S/Vが4.20cm−1以上であってもよい。S/Vを4.20cm−1以上とすることで、更に鉛蓄電池の充放電サイクルにおいて正極板の活物質の軟化の進行が抑制されると考えられることから、更に鉛蓄電池の長寿命化を図ることができる。
また、上記鉛蓄電池において、ストラップの合金組成が、鉛−アンチモン系であってもよい。ストラップの合金組成を鉛−アンチモン系とすることで、ストラップの合金組成が鉛−スズ系である場合に比べて、鉛蓄電池の充電特性が向上する。
本発明によれば、脱落した活物質による極板群上部での短絡を抑制して、長寿命化を図ることができる。
実施形態に係る鉛蓄電池の斜視図である。 図1に示す鉛蓄電池の内部構造を示す図である。 極板群を示す斜視図である。 正極板(負極板)を示す正面図である。 図4のV−V線における断面図である。 鉛合金の格子体を示す正面図である。 微多孔性のポリエチレン製シートを示す正面図である。 袋セパレータに負極板を入れる状態を示す図である。 電槽を示す斜視図である。 実施例の実験結果を示す表である。
以下、図面を参照して、本発明の一側面に係る鉛蓄電池の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図1は、実施形態に係る鉛蓄電池の斜視図である。図2は、図1に示す鉛蓄電池の内部構造を示す図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る鉛蓄電池1は、上面が開口して複数の極板群11が収納される電槽2と、電槽2の開口を閉じる蓋3と、を備えている。蓋3は、例えば、ポリプロピレン製となっており、正極端子4と、負極端子5と、蓋3に設けられた注液口を閉塞する液口栓6と、を備えている。
図3は、極板群を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、極板群11は、正極板12と、負極板13と、袋セパレータ14と、正極側ストラップ15と、負極側ストラップ16と、セル間接続部17又は極柱18と、を備えている。
(正極板)
図4は、正極板(負極板)を示す正面図である。図5は、図4のV−V線における断面図である。図6は、鉛合金の格子体を示す正面図である。なお、図4〜図6において、カッコ書きした符号は、負極板の符号を示している。図4〜図6に示すように、正極板12は、鉛合金の格子体21と、格子体21の上部に接続されて耳部と呼ばれる集電部22と、格子体21に充填された活物質23と、を備えている。なお、正極板12の活物質23は、正極活物質ともいう。
格子体21は、充填される活物質23を保持するため、格子状に形成されている。格子体21としては、例えば、鉛合金シートに切れ目を入れ、この切れ目を拡開するように引き伸ばしたエキスパンド格子体、又は鋳造法により作製される格子体を用いることができる。なお、図面では、エキスパンド格子体の格子体21を示している。エキスパンド格子体の格子体21は、格子状の骨部21aと、骨部21aの上部に位置して直線状に延びる上枠骨21bと、を備えている。この場合、活物質23は、骨部21aに充填される。エキスパンド格子体の格子体21に用いられる鉛合金としては、例えば、鉛−カルシウム−スズ系の合金が挙げられる。鋳造法により作製される格子体21に用いられる鉛合金としては、例えば、鉛−カルシウム−スズ系、又は鉛−アンチモン−ヒ素系が挙げられる。格子体21の幅W1は、例えば、145mmとすることができる。格子体21の高さH1は、例えば、115mmとすることができる。格子体21の厚さは、例えば1.5mmとすることができる。
活物質23は、二酸化鉛で構成されている。活物質23の作製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、次の方法により作製することができる。まず、ボールミル法によって作製した酸化度70%の鉛粉に、予め鉛丹を希硫酸と混合して反応させたスラリと、水及び希硫酸と、を加えて混練し、活物質ペーストを作製する。続いて、作製した活物質ペーストを、格子体21に充填し、常法により熟成及び乾燥させる。これにより、格子体21に充填された未化成の活物質23が得られる。
そして、正極板12のうち、活物質23が充填された部分が、充填部24(図4の点描部分(砂地状にハッチングした部分))となる。なお、充填部24は、正極板12の表裏面に形成される。通常、格子体21の全面に活物質が充填されるが、格子体21は必ずしも格子体21の全面に活物質が充填される必要は無く、格子体21の一部に活物質23が充填されない部分があってもよい。この場合、格子体21のうち活物質23が充填された部分のみが充填部24となり、格子体21のうち活物質23が充填されていない部分は充填部24から除外される。
(負極板)
負極板13は、正極板12と同様に、鉛合金の格子体31と、格子体31の上部に接続されて耳部と呼ばれる集電部32と、格子体31に充填された活物質33と、を備えている。なお、負極板13の活物質33は、負極活物質ともいう。
格子体31は、充填される活物質33を保持するため、格子状に形成されている。格子体31は、正極板12の格子体21と同じものであってもよく、異なるものであってもよい。格子体31が正極板12の格子体21と同様にエキスパンド格子体である場合、格子体31は、格子状の骨部31aと、骨部31aの上部に位置して直線状に延びる上枠骨31bと、を備えている。この場合、活物質33は、骨部31aに充填される。格子体31の幅W1は、例えば、145mmとすることができる。格子体31の高さH1は、例えば、115mmとすることができる。格子体31の厚さは、例えば1.3mmとすることができる。
活物質33は、多孔質の海綿状鉛(Spongy Lead)で構成されている。活物質33の作製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、次の方法により作製することができる。まず、ボールミル法によって作製した酸化度70%の鉛粉に、添加剤として、炭素粉末、リグニン粉末及びバリウム化合物粉末を加え混合する。続いて、水及び希硫酸を加えて混練し、活物質ペーストを作製する。続いて、作製した活物質ペーストを、格子体31に充填し、常法により熟成及び乾燥させる。これにより、格子体31に充填された未化成の活物質33が得られる。
そして、負極板13のうち、活物質33が充填された部分が、充填部34(図4の点描部分(砂地状にハッチングした部分))となる。なお、充填部34の定義については、正極板12の充填部24と同様である。
(袋セパレータ)
図2及び図3に示すように、袋セパレータ14は、正極板12と負極板13とを分離する機能を有する。また、袋セパレータ14は、電解液(希硫酸)が通過できるように微多孔性を有する。袋セパレータ14は、微多孔性の樹脂製シートにより作製される。袋セパレータ14に用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレンが挙げられる。
図7は、袋セパレータの作製に用いるセパレータを示す正面図である。図8は、袋セパレータに負極板を入れる状態を示す図である。図7に示すように、袋セパレータ14の作製に用いるセパレータ41は、長尺のシート状に形成されている。袋セパレータ14は、セパレータ41を適切な長さに切断し、セパレータ41の長手方向に二つ折りにして重ね合せ、両側部をメカニカルシール、圧着又は熱溶着する。これにより、図8に示す袋セパレータ14が得られる。
また、セパレータ41の幅方向中央部には、セパレータ41の長手方向に延びる8本のリブ42が形成されている。セパレータ41の幅方向におけるリブ42の両側には、セパレータ41の長手方向に延びる多数本のミニリブ43が形成されている。袋セパレータ14に加工した後には、セパレータ41の幅方向におけるミニリブ43の両側であるセパレータ41の幅方向両端部に、セパレータ41の長手方向に延びるメカニカルシール部45が形成される(図8参照)。なお、セパレータ41のリブ42、ミニリブ43及びメカニカルシール部45が形成されていない部分を、ベース部44という。リブ42は、隣接する正極板12との間に隙間を開ける機能を有する。ミニリブ43は、鉛蓄電池1が横方向に振動した際に、正極板12の角でセパレータ41を突き破って短絡するのを防止するために、セパレータ41の強度を向上させる機能を有する。メカニカルシール部45の代わりに又はメカニカルシール部45に加えて、二つ折りしたセパレータ41の両側部を圧着する圧着部、又は二つ折りしたセパレータ41の両側部を熱溶着する熱溶着部を設けてもよい。なお、ミニリブ43の高さ、幅、間隔は、何れもリブ42よりも小さい値となっている。ベース部44の厚さは、例えば、0.2mmとすることができる。リブ42の厚さは、例えば、0.6mmとすることができる。リブ42が形成された部分の袋セパレータ14の厚さは、例えば、0.8mmとすることができる。
(極板群)
図3及び図8に示すように、負極板13は、袋セパレータ14に挿入されている。また、図2及び図3に示すように、極板群11は、負極板13が袋セパレータ14に挿入された状態で、セパレータ41を介して7枚の正極板12と8枚の負極板13とが交互に積層されている。なお、極板群11を構成する正極板12及び負極板13の枚数は、適宜変更してもよい。7枚の正極板12の集電部22は、正極側ストラップ15に集合溶接されており、8枚の負極板13の集電部32は、負極側ストラップ16に集合溶接されている。つまり、正極板12の集電部22及び負極板13の集電部32が、それぞれ極性毎に正極側ストラップ15及び負極側ストラップ16に集合溶接されている。正極側ストラップ15及び負極側ストラップ16には、それぞれセル間接続部17又は極柱18が接続されている。なお、極板群11が電槽2に収納された際に、最も正極側に配置される極板群11の正極側ストラップ15及び最も負極側に配置される極板群11の負極側ストラップ16に、極柱18が接続され、それ以外の正極側ストラップ15及び負極側ストラップ16に、セル間接続部17が接続される。正極側ストラップ15及び負極側ストラップ16は、集電部22又は集電部32との溶接性、強度及び耐酸性が要求される。正極側ストラップ15及び負極側ストラップ16の素材としては、例えば、鉛−アンチモン系合金、又は鉛−スズ系合金が用いられる。
(電槽)
図9は、電槽を示す斜視図である。図9に示すように、電槽2の内部は、5枚の隔壁51によって6区画に分割されて、6つのセル室52が形成されている。セル室52は、極板群11が挿入される空間である。極板群11は、単電池とも呼ばれており、起電力は2Vである。自動車用の電装品は、直流電圧12Vを昇圧又は降圧して駆動するため、6個の極板群11を直列に接続して、2V×6=12Vとしている。そのため、鉛蓄電池1を自動車用の電装品として用いる場合、セル室52は6個必要となる。なお、鉛蓄電池1を他の用途で用いる場合は、セル室52は6個に限定されるものではない。
隔壁51の両側面と電槽2の隔壁51と対向する一対の内壁面とには、電槽2の高さ方向に延びるリブ53が設けられている。リブ53は、セル室52に挿入された極板群11を、正極板12及び負極板13の積層方向において適切に加圧(圧縮)する機能を有する。
(電池の作製)
電槽2の各セル室52に、それぞれ極板群11を挿入する。このとき、極板群11は、隔壁51及び電槽2に設けられたリブ53により、正極板12及び負極板13の積層方向において適切に加圧(圧縮)された状態となる。そして、隣り合う極板群11の正極側ストラップ15のセル間接続部17と負極側ストラップ16のセル間接続部17とを、隔壁51に設けられた貫通孔(不図示)を通して隔壁貫通溶接方式により溶接する。なお、このようにセル間接続部17を隔壁貫通溶接方式により溶接することを、セル間接続するという。
続いて、電槽2に蓋3を熱溶着する。これにより、最も正極側に配置された極板群11の正極側ストラップ15に接続された極柱18を正極端子4に接続し、最も負極側に配置された極板群11の負極側ストラップ16に接続された極柱18を負極端子5に接続する。
続いて、各液口栓6を開栓して蓋3に設けられた各注液口から各セル室52に電解液である希硫酸を注液し、電槽化成する。電槽化成は、例えば、周囲温度40℃、電流25Aで20時間通電することにより行う。電槽化成後、電解液の液位を調整することで、鉛蓄電池1を得る。
(正極板の充填部の総表面積・充填部の見かけ体積)
正極板12の充填部24の総表面積をSとし、正極板12の充填部24及び負極板13の充填部34の見かけ体積をVとした場合、S/Vが3.95cm−1以上となっている。この場合、S/Vが4.20cm−1以上であることが好ましい。
正極板12の充填部24の総表面積Sは、鉛蓄電池1の最小単位である単電池、すなわち1つのセル室52に挿入される極板群11において、正極板12の発電に寄与する部分の表面積の合計である。つまり、充填部24の表裏面の表面積の合計に、極板群11を構成する正極板12の枚数を乗じた値が、総表面積Sとなる。具体的に説明すると、図4に示すように、充填部24の幅を充填部幅Wとし、充填部24の高さを充填部高さHとし、極板群11における正極板12の枚数を正極板枚数Nとした場合、総表面積Sは、次の式(1)で表わされる。
総表面積S=(充填部幅W×充填部高さH)×2×正極板枚数N …(1)
正極板12の充填部24及び負極板13の充填部34の見かけ体積Vは、鉛蓄電池1の最小単位である単電池、すなわち1つのセル室52に挿入される極板群11のうち、発電に寄与する部分の見かけ体積である。つまり、見かけ体積とは、正極板12の充填部24と負極板13の充填部34とに囲まれる領域の体積であって、隣り合う充填部24の間の空隙も含んだ見かけ上の体積である。隣り合う正極板12と負極板13との間には、充填部24のない空間となっているが、この充填部のない空間も含めた領域の体積が、見かけ体積Vとなる。具体的に説明すると、図3及び図4に示すように、正極板12及び負極板13の積層方向における極板群11の厚さを極板群厚さDとした場合、見かけ体積Vは、次の式(2)で表わされる。
見かけ体積V=充填部幅W×充填部高さH×極板群厚さD …(2)
S/Vの上限値は特に限定されないが、鉛蓄電池の実用上、S/Vの上限値は5.2cm−1が好ましく、4.9cm−1がより好ましく、4.5cm−1が更に好ましい。
なお、正極板12の活物質23及び負極板13の活物質33の充填量を調整することで、正極板12及び負極板13の厚みを変えることができる。つまり、活物質ペーストの充填量を増やすと、極板の厚みが増え、活物質ペーストの充填量を減らすと、極板の厚みが減る。このため、正極板12の活物質23の充填量及び負極板13の活物質33の充填量を変えることで、S/Vを変えることができる。また、格子体21及び格子体31の厚み、セパレータ41の厚み、リブ42の高さ等を変えることによっても、S/Vを変えることができる。
ここで、S/Vを3.95cm−1以上とすることで、S/Vが3.95cm−1未満の場合と比べて、鉛蓄電池1の充放電サイクルにおいて正極板12の活物質23の軟化の進行が抑制されると考えられる。このため、本実施形態に係る鉛蓄電池1によれば、S/Vが3.95cm−1未満の場合と比べて、脱落した活物質23による極板群11上部での短絡が抑制されるため、充放電可能な回数が増え、鉛蓄電池1の長寿命化を図ることができる。
また、S/Vを4.20cm−1以上とすることで、鉛蓄電池1の充放電サイクルにおいて正極板12の活物質23の軟化の進行が更に抑制されると考えられることから、更に鉛蓄電池1の長寿命化を図ることができる。
以上、本発明の一側面の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
次に、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は次の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
正極板12の格子体21として、鉛−カルシウム−スズ系の合金シートに切れ目を入れ、この切れ目を拡開するように引き伸ばしたエキスパンド格子体を用いた。正極板12の格子体21は、幅W1を145mmとし、高さH1を115mmとし、厚さを1.5mmとした。そして、ボールミル法によって作製した酸化度70%の鉛粉に、予め鉛丹を希硫酸と混合して反応させたスラリと、水及び希硫酸と、を加えて混練し、活物質ペーストを作製した。続いて、作製した活物質ペーストを、格子体21に充填し、常法により熟成及び乾燥させた。これにより、格子体21に未化成の活物質23が充填された正極板12を得た。
負極板13の格子体31として、鉛−カルシウム−スズ系の合金シートに切れ目を入れ、この切れ目を拡開するように引き伸ばしたエキスパンド格子体を用いた。負極板13の格子体31は、幅W1を145mmとし、高さH1を115mmとし、厚さを1.3mmとした。そして、ボールミル法によって作製した酸化度70%の鉛粉に、添加剤として、炭素粉末、リグニン粉末及びバリウム化合物粉末を加え混合した。続いて、水及び希硫酸を加えて混練し、活物質ペーストを作製した。続いて、作製した活物質ペーストを、格子体31に充填し、常法により熟成及び乾燥させた。これにより、格子体31に未化成の活物質33が充填された負極板13を得た。
袋セパレータ14を構成するセパレータ41は、ベース部44の厚さを0.2mmとし、リブ42の厚さを0.6mmとし、リブ42が形成された部分の袋セパレータ14の厚さを0.8mmとした。
正極側ストラップ15及び負極側ストラップ16としては、合金組成がPb−3質量%Sbとなる鉛−アンチモン系合金を用いた。
そして、袋セパレータ14に負極板13を挿入し、7枚の正極板12と8枚の負極板13とをセパレータ41を介して交互に積層し、正極板12の集電部22及び負極板13の集電部32を極性毎に正極側ストラップ15及び負極側ストラップ16に集合溶接して、極板群11を得た。
電槽2の6つのセル室52に、それぞれ極板群11を挿入し、セル間接続して、電槽2に蓋3を熱溶着した。その後、各液口栓6を開栓して蓋3に設けられた各注液口から各セルに希硫酸を注液し、周囲温度40℃、電流25Aで20時間通電することにより電槽化成を行い、JISD5301規定の85D23形電池を作製した。
そして、実施例1では、正極板12の活物質23及び負極板13の活物質33の充填量を調整することで、充填部幅Wを14.5cm、充填部高さHを11cm、極板群厚さDを3.35cmとし、総表面積S及び見かけ体積Vを以下の通りとした。
総表面積S=(14.5×11)×2×7=2233[cm
見かけ体積V=14.5×11×3.55≒566[cm
従って、実施例1では、S/Vが3.95cm−1となった。
(実施例2)
正極板12の活物質23の充填量及び負極板13の活物質33の充填量を調整することで、S/Vを4.00cm−1とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例3)
正極板12の活物質23の充填量及び負極板13の活物質33の充填量を調整することで、S/Vを4.10cm−1とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例4)
正極板12の活物質23の充填量及び負極板13の活物質33の充填量を調整することで、S/Vを4.20cm−1とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例5)
正極板12の活物質23の充填量及び負極板13の活物質33の充填量を調整することで、S/Vを4.30cm−1とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(実施例6)
正極側ストラップ15及び負極側ストラップ16として、合金組成がPb−3質量%Snとなる鉛−スズ系合金を用い、正極板12の活物質23の充填量及び負極板13の活物質33の充填量を調整することで、S/Vを4.10cm−1とした他は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(比較例1)
正極板12の活物質23の充填量及び負極板13の活物質33の充填量を調整することで、S/Vを3.85cm−1とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(比較例2)
正極板12の活物質23の充填量及び負極板13の活物質33の充填量を調整することで、S/Vを3.90cm−1とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
(寿命性能の評価試験)
実施例1〜6及び比較例1〜2の電池に、JISD5301規定の軽負荷寿命試験を実施した。軽負荷寿命試験では、周囲温度75℃で、(1)電流25Aで4分放電、(2)定電圧14.8V、制限電流25Aで、10分間定電圧充電し、(1)と(2)とを1サイクルとして充放電を繰り返す試験である。なお、JIS規定は周囲温度40℃であるが、近年の自動車のエンジンルーム過密化による電池の高温環境を加味し、温度条件を厳しくした。
試験中、480サイクルごとに56時間放置し、その後、定格コールドクランキング電流で30秒間放電し、30秒目の電圧を記録した。電池の寿命サイクル数は、この30秒目の電圧が7.2V以下となり、その480サイクル後の定格コールドクランキング電流放電で再び電圧が7.2Vを越えないことを確認したときのサイクル数とした。
(充電性能の評価試験)
実施例1〜6及び比較例1〜2の電池について、周囲温度25℃において5時間率電流(10.4A)で30分放電した。その後、定電圧14V、制限電流100Aで充電した際の充電開始後5秒目の電流値を計測し、この計測値で充電性能を評価した。
実施例1〜6及び比較例1〜2の試験結果を表1に示し、実施例1〜5及び比較例1〜2の試験結果を図10に示す。表1及び図10に示す寿命サイクル数及び充電性能評価は、実施例1を100とした場合の相対評価とした。なお、図10において、横軸は、S/V(cm−1)を表しており、縦軸は、寿命サイクル数を表している。
表1及び図10に示すように、S/Vが3.95cm−1以上となる実施例1〜5は、S/Vが3.95cm−1未満となる比較例1〜2に比べて、寿命性能が大幅に向上した。更に、実施例の中でも、S/Vが4.20cm−1以上となる実施例4〜5は、S/Vが4.20cm−1未満となる実施例1〜3に比べて、寿命性能が向上した。
また、実施例1〜5は、ストラップを構成する合金を鉛−アンチモン系合金(Pb−3質量%Sb)とすることにより、実施例6に比べて充電性能も向上した。
1…鉛蓄電池、11…極板群、12…正極板、13…負極板、14…袋セパレータ、41…セパレータ、15…正極側ストラップ(ストラップ)、16…負極側ストラップ(ストラップ)、22…集電部、23…活物質、24…充填部、32…集電部、33…活物質、34…充填部、45…メカニカルシール部。

Claims (1)

  1. セパレータを介して正極板と負極板とが交互に積層され、前記正極板及び前記負極板の集電部が極性毎にストラップに集合溶接された極板群を備える鉛蓄電池であって、
    前記正極板及び前記負極板は、それぞれ活物質が充填された充填部を有し、
    前記ストラップの合金組成が、鉛−アンチモン系であり、
    前記正極板の前記充填部の総表面積をS、前記正極板の前記充填部及び前記負極板の前記充填部の見かけ体積をVとした場合に、S/Vが3.95cm−1以上4.00cm−1以下である、
    鉛蓄電池。
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